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タイトル:特許公報(B2)_免疫賦活オリゴヌクレオチド及びその使用
出願番号:2004508733
年次:2010
IPC分類:C12N 15/09,A61K 9/48,A61K 31/7088,A61K 39/00,A61K 39/002,A61K 39/02,A61K 39/12,A61K 39/35,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ロペス リカルド アウグスティン JP 4568907 特許公報(B2) 20100820 2004508733 20030530 免疫賦活オリゴヌクレオチド及びその使用 デイビッド ホーン, エルエルシー. 510201838 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 ロペス リカルド アウグスティン CA 2,388,049 20020530 20101027 C12N 15/09 20060101AFI20101007BHJP A61K 9/48 20060101ALI20101007BHJP A61K 31/7088 20060101ALI20101007BHJP A61K 39/00 20060101ALI20101007BHJP A61K 39/002 20060101ALI20101007BHJP A61K 39/02 20060101ALI20101007BHJP A61K 39/12 20060101ALI20101007BHJP A61K 39/35 20060101ALI20101007BHJP A61P 43/00 20060101ALI20101007BHJP JPC12N15/00 AA61K9/48A61K31/7088A61K39/00 HA61K39/002A61K39/02A61K39/12A61K39/35A61P43/00 107 C12N 15/00-15/90 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) PubMed BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) CAplus(STN) REGISTRY(STN) 国際公開第01/022972(WO,A2) 国際公開第01/022990(WO,A2) Cancer Immunol. Immunother.,2000年 8月,Vol.49, No.6,pp.325-334 15 EP2003005691 20030530 WO2003101375 20031211 2005533491 20051110 59 20060522 小金井 悟 発明の分野 本発明は、特に、非回文配列モチーフ:X1X2X3X4X5X6X7X8を含むオリゴヌクレオチドを言及する(ここで、X1は、CまたはTであり、X2はC、T、GまたはAであり、X3はTまたはAであり、X4は、T、CまたはGであり、X5は、T、CまたはGであり、X6は、TまたはGであり、X7は、Gであり、かつX8は、Tであり、そしてここで、X3、X4、X5及びX6のうち少なくとも2つは、Tであり、そしてここでCは、Gの前にない)。これらのオリゴヌクレオチドは、ヒトを含む霊長類の動物において免疫賦活性であることが示された。 関連の参考文献 特許文献 その他の参考文献 発明の背景 免疫系 免疫系の主要な機能は、侵入する病原体から宿主を保護することである。多数の異なる細胞型(抗原非依存性及び抗原特異的の両方)が、これらの侵入する病原体を検出及び中和するように進化してきた。これらの中で、リンパ球は、重要な特徴を有し、それは抗原を特異的に認識するそれらの能力であり、他のいずれの細胞も保有していない特徴である。これは、抗原によって刺激された任意のリンパ球の機能がその抗原にのみ指向されることを意味する。 リンパ球は、2つの主要な群:T及びBに分けられる。Tリンパ球は、免疫応答の調節において中心的な役割を有し、そのために、これらは、リンホカイン(即ちインターロイキン)を産生及び分泌する。一方、Bリンパ球は、抗原を認識しそして結合するタンパク質である、抗体を産生する唯一の細胞である。 いくつかのTリンパ球は、B細胞が抗体を産生することを補助するので、ヘルパー(Th−リンパ球)として知られている。Tリンパ球は、CD4で表される特徴的な膜分子を発現する。他のTリンパ球は特定の細胞を殺傷することができるので、細胞傷害性(CTL)として知られている。これらは、CD8で表される異なる特徴的な膜タンパク質を発現する。 マウスにおいて、Thリンパ球は、これらが産生するリンホカインに従って、Th0、Th1及びTh2で表されるグループに分類されている。一般的に、Th1リンパ球は、マクロファージ及びCTLを刺激するリンホカイン(IL2、IFNγ、TNF−β)を産生し;Th2リンパ球は、Bリンパ球を刺激して増殖させそして抗体を産生するリンホカイン(IL2、IL5、IL6、IL10、IL13)を産生し;そしてTh0リンパ球は、リンホカインの混合物を産生し、そしてTh1リンパ球及びTh2リンパ球が誘導される中間のステージであると考えられる。ヒトにおいて、Th1及びTh2様リンパ球は実証されているが、これらは、これらのサイトカイン分泌のパターンに関して比較的厳密な区別を示さないようである。 T及びB細胞の主要なマーカー(maker)を欠く第三の集団のリンパ球としては、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、キラー細胞(K細胞)及びリンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)が挙げられる。NK細胞は、特定の腫瘍細胞及びいくつかのウイルス感染した細胞を殺傷することができるが、細胞傷害性Tリンパ球とは異なり、これらは、特定の抗原を認識することができない。第一に、これらは、標的の表面上に膜侵襲複合体を形成するパーフォリン分子を分泌することによって、標的細胞において穴を開けることができる。次いで、NK細胞は、標的細胞に入って自殺をさせる酵素を分泌することができる。破壊の第二の機構として、Fasリガンド(NK細胞上に存在するタンパク質)は、Fas(標的細胞の表面上に存在する別のタンパク質)と相互作用して、標的細胞にアポトーシスによる自殺をさせることができる。NK細胞もまた、これらに対する抗体を有する細胞に、これらの抗原結合領域を介して結合し、そしてこれらを殺傷することができる。LAK細胞は、抗原を特異的に認識しないが、これらは、NK細胞より広範囲の標的を破壊することができる。 マクロファージ及び樹状細胞は、免疫応答の開始において決定的に重要な役割を果たし、T細胞が抗原に応答するのを助ける。 いくつかのクラスの抗体が存在する。IgGクラスは、循環抗体のほとんどを含み、そしてそれは、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4で表される4つのサブクラスを有する。IgMクラスは、循環抗体の約10%を含む。これらは、一次免疫応答の間に産生される主要な抗体である。IgAクラスは、粘膜で分泌される抗体のほとんどを含み、そして体内への抗原のアクセスをブロックすることによってその保護効果を発揮する。IgDクラスは、血清抗体の1%未満を含み、そしてその生物学的役割は、大部分が未知である。IgEクラスは、ほとんどの細胞及び好塩基球の表面に主に結合する抗体を含む。これらの抗体は、アレルギー反応を経験している個体において生じる反応に関連する。 ワクチン及びワクチンアジュバント ワクチンは、動物を刺激してワクチンに含まれる抗原に対する免疫応答を付与する(mount)ために用いられる調製物である。 ワクチンは、しばしば、特定の抗原と組み合わせて用いられて単独で用いられる抗原より高い免疫をもたらす物質であるアジュバントを含む(Ramon、G.1926、Procedes pour accroite la production des antitoxins.Ann.Inst.Pasteur.40、1〜10)。 多くの種類の化合物がワクチンアジュバントとして機能する(Edelman、R.、2000.An overview of adjuvant use,in:Vaccine Adjuvants.Preparation Methods and Research Protocols.D.T.O’Hagen,Ed.、Humana Press,Totowa,New Jersey.本文献中に引用される参考文献は、本明細書中に背景資料として援用される)。 しかし、現在、ヒトにおいて使用が承認されているアジュバントは、アルミニウム塩(Gupta,R.K.及びRost,B.E.、2000.Aluminum compounds as vaccine adjuvants in:Vaccine Adjuvants.Preparation Methods and Research Protocols.D.T.O’Hagan,Ed、Humana Press,Totowa、New Jersey)及び水中油型エマルジョンMF59(Ott,G.Radhakrishman,R.Fang,J.及びHora,M.、2000.The adjuvant M F59:A 10−Year Perspective,in:Vaccine Adjuvants.Preparation Methods and Research Protocols.D.T.O’Hagan,Ed.、Humana Press、Totowa、New Jersey)のみである。 免疫賦活化合物としての核酸 いくつかのポリヌクレオチドが、免疫賦活特性を有することが実証されている。例えば、ポリ(I,C)は、インターフェロン(IFN)産生、マクロファージ活性化及びNK細胞活性化の誘導物質であり(Talmadge,J.E.、Adams,J.、Phillips,H.、Collins,M.、Lenz,B.、Schneider,M.、Schlick,E.、Ruffmann,R.、Wiltrout,R.H.、Chirigos,M.A.1985.Immunomodulatory effects in mice of polyinosinic−polycytidylic acid complexed with poly−L:−lysine and carboxymethylcellulose.Cancer Res.45:1058;Wiltrout,R.H.、Salup,R.R.、Twilley,T.A.、Talmage,J.E.1985.Immunomodulation of natural killer activity by polyribonucleotides.J.Biol.Resp.Mod.4:512)、ポリ(dG,dC)は、B細胞について有糸分裂促進性であり(Messina,J.P.、Gilkerson,G.S.、Pisetsky,D.S.1993.The influence of DNA structure on the in vitro stimulation of murine lymphocytes by natural and synthetic polynucleotide antigens.Cell.Immunol.147:148)そしてIFN及びNK活性を誘導する(Tocunaga,T.、Yamamoto,S.、Namba,K.1988.A synthetic single−stranded DNA,poly(dG,dC),induces interferon−α/β and −γ,augments natural killer activity,and suppresses tumor growth.Jpn.J.Cancer Res.79:682)。 細菌DNAも免疫賦活特性を有することも報告されている。これらの特性としてはサイトカイン(インターフェロンγ(IFNγ)、α(IFNα)及びβ(IFNβ)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターロイキン6(IL6)、12(IL12)及び18(IL18))の誘導、及びB細胞の直接的な賦活が挙げられる(Yamamoto,S.ら、1988.In vitro augmentation of natural killer cell activity of interferon α/β and γ with deoxyribonucleic acid fraction from Mycobacterium bovis BCG.Jpn.J.Cancer Res.(Gann)79:866−873;Yamamoto S.ら、1992.DNA from bacteria,but not from vertebrates,induces interferons,activates natural killer cells and inhibits tumor growth.Microbiol.Immunol.36:983−997;Klinman,D.M.、Yi,A−K.、Beaucage,S.L.、Conover,J.and Krieg,A.M.、1996.CpG motifs present in bacterial DNA rapidly induce lymphocytes to secrete interleukin 6,interleukin 12 and interferon γ.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93、2879−2883.Halpern,M.D.,ら、1996.Bacterial DNA induces murine interferon −γ production by stimulation of interleukin −12 and tumor necrosis factor −α.Cell.Immunol.167:72−78.Sparwasser,T.ら、1997.Macrophages sense pathogens via DNA motifs:induction of tumor necrosis factor −α− mediated shock.Eur.J.Immunol.27:1671−1679;Krieg,A.M.ら、1995.CpG motifs in bacterial DNA trigger direct B−cell activation.Nature 374:345−349)。 対照的に、哺乳動物DNAが有意な免疫効果を有さないことが報告されている(Pisetsky,D.S.1996.The immunologic properties of DNA.J.Immunol.156:421−423;Messinaら、1991.Stimulation of in vitro murine lymphocyte proliferation by bacterial DNA.J.Immunol.147:1759)。 合成DNAが非メチル化CpGモチーフを保有する場合にそれが免疫賦活性であることも報告されている(Yamamoto,Sら;1992.Unique palindromic sequences in synthetic oligonucleotides are required to induce INF and augment INF−mediated natural killer activity.J.Immunol.148:4072−4076;Ballas,Z.K.,ら、;1996.Induction of NK activity in murine and human cells by CpG motifs in oligodeoxynucleotides and bacterial DNA.J.Immunol.157:1840−1845;Hartmann,G.、Krieg,A.M.2000.Mechanism and function of a newly identified CpG DNA motif in human primary B cells.J.Immunol.164:944;Hartmann,G.、Weeratna,R.D.、Ballas,Z.K.、Payette,P.、Blackwell,S.、Suparto,I.、Rasmussen,W.L.、Waldschmidt,M.、Sajuthi,D.、Purcell,R.H.、Davis,H.L.、Krieg,A.M.2000.Delineation of a CpG phosphorothioate oligodeoxynucleotide for activating primate immune responses in vitro and in vivo.J.Immunol.164:1617;Verthelyi,D.、lshii,K.J.、Gursel,M.、Takeshita,F.、Klinman,D.M.2001.Human peripheric blood cells differentially recognize and respond to two distinct CpG motifs.J.Immunol.166:2372)。しかし、CpGモチーフを欠くホスホロチオエート結合を含有する1つのオリゴヌクレオチドが、ヒトB細胞に対して幾分かの免疫賦活活性を有することが見出されている(Liang,H.、Nishioka,Y.、Reich,C.F.、Pisetsky,D.S.、Lipsky,P.E.1996.Activation of human B cells by phosphorothioate oligonucleotides.J.Clin.Invest.98:1119)。ホスホロチオエート結合を保有するこの特定の非CpGオリゴヌクレオチドは、20ヌクレオチド長のポリT鎖である。また、Vollmerら(Vollmer J、Janosch A、Laucht M、Ballas ZK、Schetter C、Krieg AM.Highly immunostimulatory CpG−free oligodeoxynucleotides for activation of human leukocytes.Antisense Nucleic Acid Drug Dev.12:165−175、2002)は、ホスホロチオエートポリT ODNによる免疫賦活を報告した。これらの著者らは、ポリT ODNがホスホロチオエートODNとしてのみ活性であり、そしてCpG ODNより非常に低い活性を有することを指摘した。 ここで、以下の非回文配列モチーフ: X1X2X3X4X5X6X7X8(ここで、X1はCまたはTであり、X2はC、T、GまたはAであり、X3はTまたはAであり、X4はT、CまたはGであり、X5はT、CまたはGであり、X6はTまたはGであり、X7はGであり、かつX8はTであり、そしてCはGの前にない(言い換えると、この核酸モチーフは、CpGオリゴヌクレオチドから構成されるものではない))を含む非CpGオリゴヌクレオチドがヒトを含む霊長類の動物において強力な免疫賦活活性を有することが発見された。従って、これらのオリゴヌクレオチドが、「免疫系不全」を処置するために被験体に投与され得、またはワクチンに対するより良好な応答を有するように免疫系をブーストするために、ワクチンと組み合わせて、アジュバントとして用いられ得る。これらはまた、被験体に腫瘍に対する応答性を増加させるためにも投与され得る。 発明の要旨 ここで、以下の非回文配列モチーフ: X1X2X3X4X5X6X7X8(ここで、X1はCまたはTであり、X2はC、T、GまたはAであり、X3はTまたはAであり、X4はT、CまたはGであり、X5はT、CまたはGであり、X6はTまたはGであり、X7はGであり、そしてX8はTであり、そしてここで、X3、X4、X5及びX6のうち少なくとも2つはTであり、そしてここでCはGの前にない(言い換えると、この核酸モチーフは、CpGオリゴヌクレオチドから構成されるものではない))を保有する非CpGオリゴヌクレオチドがヒトを含む霊長類の動物において免疫応答を賦活する能力を有することが発見された。 好ましい実施形態によれば、X1は、Cからなる。免疫賦活モチーフのX3、X4、X5、X6X7X8がTTTTGT、ATTTGTまたはATTGGTからなることが好ましい。X1がCであり;X3がTまたはAであり;X4がTであり;X5がTであり、X6はTまたはGであり、X7がGであり、そしてX8がTである場合、なおより有利である。 本発明のオリゴヌクレオチドは、1つ以上の抗原を含むワクチン処方におけるアジュバントとして有用である。この局面の実施形態において、ワクチン処方物は、投薬形態において液体であり得または凍結乾燥され得る。多くの投薬形態が当該分野において公知であり、そして本明細書中において適用され得る。この局面の実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、約10〜10,000μg/用量の用量で組成物中に存在する。これらの調製物において、本発明のオリゴヌクレオチドは、他の免疫賦活化合物と組み合わされ得る。周知の免疫賦活剤の例は:α−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン2(IL2)、インターロイキン12(IL12)及びCpGオリゴヌクレオチドである。 好ましい実施形態において、ワクチンの抗原性成分は、以下の様なウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(例えば、HIV−1及びHIV−2),ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス、デング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス、コロナウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、ハンターンウイルス、ブンガウイルス(bunga virus)、出血熱ウイルス、レオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)1及び2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、アフリカ豚コレラウイルス、デルタ型肝炎の分類されない因子、非A型、非B型の肝炎の因子、の天然または組換えの1つ以上の抗原;または以下の様な感染性細菌:Helicobacter pylori、Borrelia burgdorferi、Legionella pneumophila、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis(BCG)、Mycobacterium avium、Mycobactenium intracellulare、Staphylococcus aureus、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catharralis、Klebsiella pneumoniae、Bacillus anthracis、Corynebacterium diphtheriae、Clostridium perfringers、Clostridium tetani、Enterobacter aerogenes、Kiebsiella pneumoniae、Pasturella multocida、及びTreponema pallidum、以下の様な感染性真菌:Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Blastomyces dermatitidis、Candida albicans、以下の様な原生生物:Plasmodium falciparum、Trypanosoma cruzi、Leishmania donovani及びToxoplasma gondii並びにヒト腫瘍細胞の1つ以上の抗原である。この局面の実施形態において、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチド及び抗原が、同時に局所的(経口、直腸、鼻内または経皮経路によって)または全身的に(皮内または筋肉注射によって)投与される。 本発明の1つの局面は、ヒトにワクチン接種するための医薬を製造するための本発明のオリゴヌクレオチドの使用である。ヒトは、予防的または治療的にワクチン接種され得る。 予防ワクチンは、特異的な免疫の誘導を介して、感染性因子により引き起こされる疾患からの保護を誘発するように設計される。 治療ワクチンは、疾病(すなわち、腫瘍及び転移またはヒト免疫不全ウイルスの様な感染性因子に関連する疾病)の寛解を誘導するように設計される。 ワクチン接種の方法は、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチド及び1つ以上の抗原を投与することを含む−すなわち、このワクチンは、1つの疾患標的または疾患標的の組み合わせに対して設計され得る。 本発明の別の局面は、腫瘍性疾患または免疫学的障害を有するヒトの処置方法(すなわち、ヒトの内因性免疫応答を刺激するための医薬を製造するための1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドの使用)である。腫瘍性疾患の例は:慢性骨髄性白血病、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫(Precursor B−lymphoblastic lymphoma)、B細胞慢性リンパ球白血病(B−cell chronic lymphocytic leukaemia)、リンパ形質細胞性リンパ腫(Lymphoplasmacytic lymphoma)、マントル細胞リンパ腫、小胞中心リンパ腫(Follicle center lymphoma)(小胞及びびまん性)、辺縁帯Bリンパ腫、節外性リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫(Nodal marginal zone B−cell lymphoma)、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫(Splenic marginal zone B−cell lymphoma)、ヘアリーセル白血病、形質細胞腫、びまん性大B細胞リンパ腫(Diffuse large B−cell lymphoma)、バーキットリンパ腫、ハイグレードB細胞リンパ腫、バーキット様、黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、腎細胞癌、膀胱癌、肺癌、皮膚癌、乳癌、結腸癌及び子宮癌である。免疫障害の例は:アレルギー、重症複合型免疫不全、慢性肉芽腫症、及び後天性免疫不全症である。 この局面の実施形態において、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、投薬形態において液体であり得または凍結乾燥され得る薬学的処方物中に存在する。多くの投薬形態が当該分野において公知であり、そして本明細書中で適用され得る。この局面の実施形態において、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、約10〜10,000μg/用量の用量で組成物中に存在する。これらの調製物において、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、他の免疫賦活化合物と組み合わせられ得る。周知の免疫賦活剤の例は:α−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン2(IL2)、インターロイキン12(IL12)、CpGオリゴヌクレオチド及びMycobacterium bovis BCG細胞である。また、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、抗感染症薬もしくは抗癌剤、または外科的処置と組み合わせられ得る。これらの全ての場合において、本発明のオリゴヌクレオチドは、代替手段である処置の前、後または同時に投与され得る。 本発明の別の局面は、腫瘍性疾患または免疫障害を有するヒトが、被験体由来のリンパ球または形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell)と1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドとを「エキソビボ(ex vivo)」で接触させること及び活性化細胞を被験体に再投与することによって、処置されることである。この局面の実施形態において、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、インキュベーション培地中に約0.10〜100μg/mlの濃度で存在する。 発明の詳細な説明 定義 「アレルギー」とは、ある物質(アレルゲン)に対する後天的な過敏症を指す。アレルギーの例は、湿疹、アレルギー性鼻炎、喘息及びじんま疹である。 「免疫系不全」とは、免疫系が正常な能力で機能しない疾患を指す。 本明細書において用いられる場合、用語「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」は、複合的ヌクレオチド(すなわち、ホスフェート基及び置換可能な有機塩基(これは置換ピリミジン(例えば、シトシン(C)、チミン(T)またはウラシル(U))または置換プリン(例えば、アデニン(A)またはグアニン(G))のいずれかである)に結合した糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含む分子)を意味する。本明細書中で用いられる場合、用語「オリゴヌクレオチド」は、オリゴリボヌクレオチド(ORN)及びオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)の両方を指す。用語「オリゴヌクレオチド」は、オリゴヌクレオシド(すなわち、オリゴヌクレオチドからホスフェートを除いたもの)及び任意の他の有機塩基含有ポリマーも含む。オリゴヌクレオチドは、既存の核酸供給源(例えば、ゲノムまたはcDNA)から得ることができるが、好ましくは合成(例えば、オリゴヌクレオチド合成により産生される)である。 「オリゴヌクレオチド」とは、ホスホジエステル結合により結合した複合的ヌクレオチドを指す。 「免疫賦活オリゴヌクレオチド」とは、免疫系の細胞(すなわち、リンパ球、マクロファージ)を、統計的に有意な様式で、刺激する(すなわち、有糸分裂効果を有する、またはサイトカイン発現を誘導または増加または減少する)オリゴヌクレオチドを指す。 「強力な免疫賦活オリゴヌクレオチド」とは、霊長類の動物の免疫系細胞を、「インビトロ」で、同じ実験条件下かつ同一の化学的骨格(すなわち、ホスホロチオエート骨格またはホスホジエステル骨格)を用いて、周知のCpG ODN 2006の免疫賦活活性の少なくとも60%の活性で刺激するオリゴヌクレオチドを指す。 「CpG」とは、シトシン−グアニンジヌクレオチドを指す。 「CpGオリゴヌクレオチド」とは、免疫系の細胞を刺激しかつその免疫賦活活性がその配列中の少なくとも1つのCpGの存在に決定的に依存するオリゴヌクレオチドを指す。 「非CpGオリゴヌクレオチド」とは、免疫系の細胞を刺激しかつその免疫賦活活性がその配列中のCpGの存在に決定的に依存しないオリゴヌクレオチドを指す。 「被験体」とは、ヒトを含む霊長類の動物を指す。 本明細書中で用いられる場合、用語「処置する」とは、疾患(より詳細には、感染性疾患、腫瘍性疾患または免疫学的障害)の症状を、改善または完全に排除するプロセスを指す。 本明細書中で用いられる場合、用語「予防する」とは、疾患(より詳細には、感染性疾患または腫瘍性疾患または免疫学的障害)を、防ぐまたは遅延させるプロセスを指す。 好ましい実施形態において、本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドは、安定化オリゴヌクレオチドへと有利に改変される。そのような安定化免疫賦活オリゴヌクレオチドは、長期の免疫賦活を得るために特に有用であり得る。本明細書中で用いられる場合、「安定化オリゴヌクレオチド」とは、インビボでの分解(例えば、エキソ−またはエンド−ヌクレアーゼを介する)に対して比較的耐性であるオリゴヌクレオチドを指す。好ましい本発明の安定化オリゴヌクレオチドは、ホスフェート骨格の改変を含む。より詳細には、このホスフェート骨格の改変は、好ましくは、例えば、本発明のオリゴヌクレオチドの5’末端の最初の2つのヌクレオチドでの、5’インターヌクレオチド結合の改変(5’inter−nucleotide linkage modification)である。さらに、ホスフェート骨格の改変は、3’インターヌクレオチド結合の改変(3’inter−nucleotide linkage modification)でもよい。そのような場合、この改変は、例えば、本発明のオリゴヌクレオチドの3’末端の最後の2つのヌクレオチドで生じ得る。なおより好ましくは、本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート結合ヌクレオチド(すなわち、ホスフェートの酸素のうち少なくとも1つが硫黄により置換されている)を含むために、安定して改変され得る。最も好ましい実施形態において、本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドの、全てではなくともほとんどのヌクレオチドが、ホスホロチオエート結合ヌクレオチドを含む。 他の安定化オリゴヌクレオチドとしては、代替的には:非イオンDNAアナログ(例えば、アルキル−及びアリール−ホスホネート(ここで、荷電ホスホネート酸素がアルキルまたはアリール基によって置換されている))、ホスホジエステル及びアルキルホスホトリエステル(ここで、荷電酸素部分がアルキル化されている)が挙げられる。ジオール(例えば、テトラエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコール)を、その一方または両方の末端に含むオリゴヌクレオチドも、ヌクレアーゼ分解に実質的に耐性であることが示されている。 本発明は、ヒトを含む霊長類の動物の免疫応答を増大させるための方法(1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドをワクチンに加えること、または腫瘍性疾患または免疫学的障害を有するヒトへの1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドの投与に基づく処置を実施すること、または腫瘍性疾患または免疫不全を有するヒトから得た白血球と1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドとを「エキソビボ(ex vivo)」で接触させ、そしてこれらの活性化白血球を同じヒトに再投与すること)を提供する。 1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを含むワクチン組成物は、直接的に(すなわち、規定のタンパク質または多糖の形態で)または複合的な生物学的実体(すなわち、完全ウイルス;完全細菌細胞;細菌膜または多糖−タンパク質複合体のような人工複合体)の一部として抗原を提供し得る。これらの抗原は、複合的ワクチンにおいて組み合わせられ得る。 少なくとも1つの抗原を含むワクチン組成物は、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを含むように処方される。 例えば、この抗原は、Moraxella catharralisの死細胞もしくはこれらの細胞の細胞内画分、または天然もしくはDNA組換え技術を用いて産生された、B型肝炎ウイルス表面抗原であり得る。1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、単独または1つ以上の抗原と一緒に、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、界面活性剤、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬等も含み得る薬学的組成物へと処方され得る。 処方物は、液体であり得、または凍結乾燥され得る。薬学的組成物は、局所的または全身の処置のいずれが所望されるか、そして処置される領域によって多数の方法で投与され得る。投与は、局所的、経口、吸入または非経口で実施され得る。局所的投与のための処方物としては、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体及び散剤が挙げられ得る。薬学的担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤等が、必要または所望され得る。経口投与のための処方物としては、散剤または顆粒、水性または非水性媒中の懸濁液または溶液、カプセル、錠剤等が挙げられる。増粘剤、フレーバリング、希釈剤、乳化剤等が、必要または所望され得る。局所投与のための処方物としては、滅菌水溶液(緩衝剤、希釈剤及び他の添加物も含み得る)が挙げられる。1つ以上の抗原及び1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを含むワクチンが、処方され得、そして予防または治療目的のために用いられ得る。 ウイルス性予防ワクチンに用いられる通常の抗原は、B型肝炎ウイルス、A型肝炎ウイルス及びインフルエンザウイルス由来である。細菌性予防ワクチンに用いられる通常の抗原は、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catharralis、Klebsiella pneumoniae及びMycobacterium bovis(BCG)由来である。治療ワクチンに用いられる通常の抗原は、パピローマウイルス、HIVウイルス及び黒色腫細胞由来である。 ワクチン処方物のさらなる改良は、ワクチンの活性化合物の長時間にわたる徐放を提供するために、送達ビヒクルにアジュバント(単数/複数)としての1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチド及び抗原(単数/複数)を組み込むことである。このことは、当該分野において公知の種々の手段によって達成され得る。これらの手段の例は、Poly(ラクチド−コグリコリド)微粒子(Kersten,G.F.A.and Gander,B.1996.Biodegradable Micro Spheres as vehicles for antigens,in:S.H.E.Kaufmann,ed.Concepts in Vaccine Development.Walter de Gruyter.Berlin−New York)、リポソーム(Gregoriadis,G.ら、2000.Liposomes as Immunological Adjuvants and Vaccine Carriers,in:S.H.E.Kaufmann,ed.Concepts in Vaccine Development.Walter de Gruyter.Berlin−New York)及びポリ(メチルメタクリレート)ナノ粒子(Kreuter,J.2000.Poly (Methyl Methacrylate) nanoparticles as vaccine adjuvants,in:S.H.E.Kaufmann,ed.Concepts in Vaccine Development.Walter de Gruyter.Berlin−New York)へのカプセル化である。 ワクチン処方物の別の改良は、抗原(単数/複数)と1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドとを化学的手段によって結合させることである(Mier W、Eritja R、Mohammed A、Haberkorn U、Eisenhut M.2000.Preparation and evaluation of tumor−targeting peptide−oligonucleotide conjugates.Bioconjug.Chem.11:855)。 多くのワクチン処方物が当該分野において公知であり、そして1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドで以前に知られているアジュバントを置換することまたは元の処方物に1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを単に加えることによって用いられ得る。 これらの免疫賦活特性に基づき、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドは、腫瘍性疾患または免疫系障害を処置するために、インビボで被験体に投与もされ得る。 一般的な腫瘍性疾患の例は:慢性骨髄性白血病、黒色腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、腎細胞癌、膀胱癌、肺癌、皮膚癌、乳癌、結腸癌及び子宮癌である。一般的な免疫学的障害の例は:アレルギー、重症複合型免疫不全、慢性肉芽腫症及び後天性免疫不全症候群である。 これらの処置のための薬学的組成物は、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、界面活性剤、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬等と共に1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを含み得る。この処方物は、液体であり得、または凍結乾燥され得る。 薬学的組成物は、局所的または全身の処置のいずれが所望されるか、そして処置される領域によって多数の方法で投与され得る。投与は、局所的、経口、吸入または非経口で実施され得る。局所的投与のための処方物としては、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体及び散剤が挙げられ得る。薬学的担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤等が、必要または所望され得る。経口投与のための処方物としては、散剤または顆粒、水または非水溶媒中の懸濁液または溶液、カプセル、錠剤等が挙げられる。増粘剤、フレーバリング、希釈剤、乳化剤等が、必要または所望され得る。非経口投与のための処方物としては、滅菌水溶液(緩衝剤、希釈剤及び他の添加物も含み得る)が挙げられる。あるいは、1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドが、腫瘍性疾患または免疫系不全を有する被験体から得られたイムノコンピテント細胞(すなわち、B細胞または形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell))と「エキソビボ(ex vivo)」接触され得、次いで活性化細胞が被験体に再導入され得る。 以下の実施例から明らかであるように、好ましいオリゴヌクレオチドは、霊長類の動物の免疫系の細胞を、「インビトロ」で、同一の実験条件下及び同一の化学的骨格を用いて、周知のCpG ODN 2006の免疫賦活活性の少なくとも60%の活性で刺激するもの(すなわち、強力な免疫賦活オリゴヌクレオチド)である。 これらの中で、約14〜40ヌクレオチドを有するものが好ましく、ここで、X3X4X5X6X7X8がTTTTGTからなり、最も好ましい強力な免疫賦活オリゴヌクレオチドは、IMT504、すなわち、TCATCATTTTGTCATTTTGTCATT(配列番号2)である。 実施例1 材料及び方法 概して、以下の材料及び方法を、実施例を通して用いた。 1)オリゴヌクレオチド ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を有するオリゴヌクレオチドを購入し、Operon Technologies(Alameda、California)またはAnnovis(Aston、Pennsylvania)またはOligs Etc(Bethel、Maine)製の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製した。発熱物質を除去した水(depyrogenated water)中にODNを懸濁し、Limulusテストを用いてLPS汚染についてアッセイし、そして使用するまで−20℃に維持した。純度を、HPLC及びPAGEアッセイによって評価した。LPSレベルが検出できなかった場合にODN調製物を用いた。 2)抗体 アッセイに用いた抗体は、Serotec(Raleigh、NC)から購入した。 3)末梢血単核白血球(PBMC) 血液を、健康なドナーから、抗凝固剤としてヘパリンを用い、静脈穿刺によって得た。PMBCを、Ficoll−Hypaque(Sigma Diagnostics Inc.、St.Louis、MO)密度勾配遠心分離によって単離した。簡単には、2.0mM L−グルタミン及び50.0μg/ml ゲンタマイシン及び20mM HEPESを添加したRPMI−1640培地(PAA laboratories GmbH、Linz、Austria)中に1:2に希釈した血液サンプルを、20℃、1000×gで40分間遠心分離した。PMBCを単離し、洗浄し、そして10%のウシ胎仔血清を添加した培地中に懸濁した。 4)細胞の精製 Bリンパ球及び形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendriticcell)を、MACSマグネティックセルセパレーションシステム(Miltenyi Biotec、Germany)を用いるポジティブ選択によってヒトPMBCから精製した。 5)細胞増殖アッセイ 血液を、健康なドナーから、抗凝固剤としてヘパリンを用い、静脈穿刺によって得た。PMBCを、Ficoll−Hypaque(Sigma Diagnostics Inc.、St.Louis、MO)密度勾配遠心分離によって単離した。簡単には、2.0mM L−グルタミン及び50.0μg/ml ゲンタマイシン及び20mM HEPESを添加したRPMI−1640培地(PAA laboratories GmbH、Linz、Austria)中に1:2に希釈した血液サンプルを、20℃、1000×gで40分間遠心分離した。PMBCを単離し、洗浄し、そして10%のウシ胎仔血清を添加した培地中に懸濁した。 PBMCを10%(v/v)の熱不活化したウシ胎仔血清(FCS)、2.0mM L−グルタミン及び50.0μg/ml ゲンタマイシンを添加したRPMI−1640培地中で培養した。1×105細胞/ウェルを、5%CO2加湿雰囲気下で、96ウェルマイクロタイタープレート(NUNC、Denmark)中、37℃で、72時間インキュベートした。PBMCを、他のように示さない限り0.375μg/mlでODNを用いて刺激した。細胞回収の18時間前に、1μCiの3H−チミジン(Amersham、比活性:25Ci/mmol)を各々のウェルに添加した。細胞を、グラスファイバーフィルター上に回収し、そして3Hの取り込みをシンチレーションカウンティングによって測定した。4連のウェルの標準偏差は、10%未満であった。 6)IL6アッセイ PBMC(3×105/ウェル)を、ODN(6μg/ml)と共に上記のように24時間培養した。この後、上清を回収し、そしてELISAによってIL6レベルを測定した。簡単には、96ウェルマイクロタイタープレート(NUNC、Denmark)を抗IL6抗体でコートし、そして10%(v/v)の熱で不活化したFCSを添加したRPMI 1640培地でブロックした。IL6を、ビオチン標識抗体、引き続きペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン、次いでペルオキシダーゼ特異的比色基質を用いて比色により検出した。標準曲線を、既知の量の組換えIL6を用いて作成した。これらのアッセイの検出限界は、30pg/mlであった。全てのアッセイを2連で行った。 7)IL−10アッセイ PBMC(3×105/ウェル)を、ODN(1.5μg/ml)と共に上記のように72時間培養した。この後、上清を回収し、そしてELISAによってIL−10レベルを測定した。簡単には、96ウェルマイクロタイタープレート(NUNC、Denmark)を抗IL−10抗体でコートし、そして10%(v/v)の熱で不活化したFCSを添加したRPMI 1640培地でブロックした。IL−10を、ビオチン標識抗体、引き続きペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン、次いでペルオキシダーゼ特異的比色基質を用いて比色により検出した。標準曲線を、既知の量の組換えIL−10を用いて作成した。これらのアッセイの検出限界は、20pg/mlであった。全てのアッセイを2連で行った。 8)IL−5アッセイ PBMC(3×105/ウェル)を、ODN(1.5μg/ml)及びIL−4(5ng/ml)と共に上記のように72時間培養した。この後、上清を回収し、そしてELISAによってIL−5レベルを測定した。簡単には、96ウェルマイクロタイタープレート(NUNC、Denmark)を抗IL−5抗体でコートし、そして10%(v/v)の熱で不活化したFCSを添加したRPMI 1640培地でブロックした。IL−5を、ビオチン標識抗体、引き続きペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン、次いでペルオキシダーゼ特異的比色基質を用いて比色により検出した。標準曲線を、既知の量の組換えIL−5を用いて作成した。これらのアッセイの検出限界は、40pg/mlであった。全てのアッセイを2連で行った。 9)IgM分泌アッセイ PBMC(3×105/ウェル)を、ODN(1.5μg/ml)と共に上記のように72時間培養した。この後、上清を回収し、そしてELISAによってIgMを定量した。簡単には、96マイクロタイタープレート(NUNC、Denmark)を抗IgM抗体でコートし、そしてRPMI 1640培地でブロックした。IgMを、ペルオキシダーゼ標識抗体、引き続きペルオキシダーゼ特異的比色基質を用いて比色により検出した。標準曲線を、既知の量の精製IgMを用いて作成した。これらのアッセイの検出限界は、50ng/mlであった。全てのアッセイを2連で行った。 10)フローサイトメトリー 表面抗原の染色を記載されているように実施した(J.Flo and E.Massouh.Age−related changes of native and memory CD4 rat lymphocyte subsets in mucosal and systemic lymphoid organs.Developmental and comparative Immunology 21:443−453、1997)。抗CD19(クローンLT19)、CD86(クローンBU63)、CD40(クローンLOB7/6)、CD4(クローンS3.5)、MHCクラスI(クローンW6/32)、MHCクラスII(クローンWR18)、抗CD4(クローンS3.5)及び抗CD11c(クローンBU15)抗体をSerotec(Raleigh、NC、USA)から購入した。アポトーシスを、Serotec(Raleigh、NC、USA)製のANNEXIN V:FITCアッセイキットを用いて評価した。 10,000細胞/サンプルのフローサイトメトリックデータを、FACScan(Becton Dickinson Immunocytometry Systems、San Jose、CA)上で得た。データを、コンピュータプログラムWin MDI、2.8、Interface Flow Cytometry Application(Joseph Trotter Copyright 1993−1998)を用いて解析した。 11)B型肝炎表面抗原(HBsAg)に対するサルの免疫及び体液性応答の評価 12匹のCebus Apella種のサル(2.5〜3.5Kg)を、10μgのアルミナに吸着させたHBsAg(HBsAg 1mg当り25mgのAl3+)を含む、小児用量(pediatric dose)のAgB(Pablo Cassara、Buenos Aires Argentina)で免疫した。これを、単独(n=3(雌1、雄2))または示されたホスホロチオエートODN(150μg/用量)との組み合わせ(n=3(雌1、雄2))で投与した。全てのワクチンを合計1mlの容量で、四頭筋に筋内(i.m.)投与した。サルを、CEMIC(Centro Medico de Investigaciones Clinicas)、Buenos Aires、Argentinaの動物施設に預けた。動物は専門家によって毎日モニターされ、そして1週間に1度体重測定された。免疫前及び免疫後種々の回数での静脈(i.v.)穿刺により、血漿を回収し、そして直ぐに、市販のキットAUSAB(Abbot Laboratories、Illinois、USA)を用いて抗体についてアッセイした。力価は、ミリ国際単位/mlで表される。 実施例2 オリゴヌクレオチド配列の選択 WO96/02555及び米国特許第6,239,116号の特許は、免疫賦活性であるためには、オリゴヌクレオチドが非メチル化CpGモチーフを含む配列を必要とすると教示している(WO96/02555、カラム13、19〜20行及び米国特許第6,239,116号、カラム6、1〜3行)。EP 0 468 520は、免疫賦活性であるために、オリゴヌクレオチドが、少なくとも6ヌクレオチド長の回文配列を満たすことを必要とすると教示している(EP 0 468 520、カラム11、34〜37行)。従って、少なくとも6ヌクレオチド長の回文配列を有さない、いくつかの非CpGオリゴヌクレオチドを、ヒト末梢血単核白血球(PBMC)に対して実施した増殖アッセイ、細胞分化アッセイ、サイトカインIL6分泌アッセイ及びIgM分泌アッセイを用いて調査した。陽性コントロールとして、Hartman及びKrieg(Hartmann,G.、Krieg,A.M.2000.Mechanism and function of a newly identified CpG DNA motif in human primary B cells.J.Immunol.164:944)に記載される、組成: 5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’かつホスホロチオエート結合のCpGオリゴヌクレオチド2006を用いた。バックグラウンドコントロールとして、ヒト細胞に対して非常に低い活性を有するホスホロチオエートオリゴヌクレオチドIMT 023(配列番号9)またはIMT 022(配列番号8)を用いた。 また、「推定」陰性コントロールとして、オリゴヌクレオチド2006と同じ組成であるが全てのCpGジヌクレオチドがGpCジヌクレオチドによって置換されているオリゴヌクレオチド: 5’TGCTGCTTTTGTGCTTTTGTGCTT3’を用いた。このオリゴヌクレオチドをODN IMT 021(配列番号1)と名付けた。 図1は、上記のオリゴヌクレオチドを用いて実施された増殖アッセイを示す。 驚くべきことに、非CpGオリゴヌクレオチドIMT 021が、増殖アッセイにおいて、1.5μg/mlで用いた場合に2006CpGオリゴヌクレオチドと同様に活性であり、0.375μg/mlで用いた場合に約40〜60%の活性であることが見出された(図1及び第1表)。 第1表 ホスホロチオエートCpG(2006)及び非CpGオリゴヌクレオチド(IMT 021)による末梢白血球増殖の誘導IMT021(配列番号1)Avg.:平均;N:データ数;SD:標準偏差;ODN(S):ホスホロチオエートODN 免疫賦活を、ヒトB細胞についての一般的なマーカーCD19及びヒトB細胞についての活性化マーカーCD86を用いるフローサイトメトリーによっても評価した。 図2は、CpG ODN(S)2006を用いるインキュベーションにより誘導される活性化と比較した、非CpG ODN(S)IMT021と共にインキュベートしたヒトB細胞の活性化を示す。観察され得るように、1.5μg/mlで用いられた場合、ODN(S)IMT 023バックグラウンドコントロールと比較した際に、両方のODNは、同様の活性化パターンを示す。 CpG ODN(S)2006及び非CpG ODN(S)IMT 021と共にインキュベートしたPBMCの上清におけるIL6分泌も評価した(第2表) 第2表 ホスホロチオエートCpG及び非CpGオリゴヌクレオチドである2006及びIMT 021によるヒトIL−6分泌の誘導IMT 021(配列番号1)。1.5μg/mlのODN このアッセイの結果も、1.5μg/mlで用いられた場合、非CpG ODN(S)IMT 021が有効な免疫賦活剤であることを示す。従って、2006オリゴヌクレオチドの他の非CpG配列改変体を調査した。第3表は、これらの改変体(ここで、このODNの全てのCpGのCまたはGが他のヌクレオチドによって置換されている)のうち6つの結果を示す。観察され得るように、ODN(S)2006におけるCpGのGは、B細胞増殖またはIL6分泌に必ずしも必要ではない。しかし、CpGのCの改変は、その置換がAまたはGである場合有害であるが、それがTである場合有害でない。これらの結果は、明らかに、ODN(S)2006によるB細胞増殖及びIL6分泌の刺激がCpGグループの完全性とは関連しないことを示す。 第3表 ODN(S)2006オリゴヌクレオチドの非CpG改変体による末梢白血球増殖及びIL6分泌の誘導IMT 504(配列番号2);IMT 505(配列番号3);IMT 506(配列番号4);IMT 501(配列番号5);IMT 502(配列番号6);IMT 503(配列番号7) 実施例3 非CpGオリゴヌクレオチドの免疫賦活活性に対する構造改変の効果:活性モチーフの定義 非CpG ODNの免疫賦活活性に対する一次構造の影響を研究するために、2006及びIMT 021 オリゴヌクレオチドのいくつかの改変体を合成した。第4表は、いくつかのIMT 021改変体の一次構造及びその免疫賦活活性を評価するために実施した増殖及びIL−6アッセイの結果を示す。 ODN(S)IMT 021は、第7位、第8位、第9位、第10位、第12位、第15位、第16位、第17位、第18位、第20位、第23位及び第24位にTを含む。これらのTのA(ODN IMT 022)またはC(ODN IMT 023)での置換は、増殖アッセイ(夫々約76%及び75%)及びIL−6分泌アッセイ(夫々約84%及び88%)において活性の非常に大きな損失をもたらす。これらの結果は、第7位、第8位、第9位、第10位、第12位、第15位、第16位、第17位、第18位、第20位、第23位及び第24位におけるいくつかまたは全てのTが、ODN IMT 021の免疫賦活活性に決定的に重要であることを示す。 第4表 免疫賦活IMT 021オリゴヌクレオチドから誘導されたホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる末梢白血球増殖及びIL−6分泌の誘導IMT 021(配列番号1);IMT 022(配列番号8);IMT 023(配列番号9) 非CpGオリゴヌクレオチドの活性中心(モチーフ)の組成を調査するために、いくつかのODNを0.375μg/mlでアッセイした(図3)。以下のことが見出された: a)オリゴヌクレオチド中のTGグループの存在は、強力な免疫賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 028、IMT 046、IMT 546、IMT 547及びIMT 550(これらの全てが2つのTGを有する)は、非常に乏しい活性を有する。一方、TGジヌクレオチドを保有しないODN IMT 543は、同じ一般的組成を有するが2つのTGジヌクレオチドを有するODN IMT 544と同じ(低い)活性を有する。 b)オリゴヌクレオチド中のテトラヌクレオチドTTTTの存在は、強力な免疫賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 034、IMT 057、IMT 028、IMT 543及びIMT 544(これらは、2つのTTTTモチーフを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 c)25%より多いTの存在は、強力な免疫賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 034(50% T)、IMT 057(71% T)、IMT 028(33% T)、IMT 543(58% T)、IMT 544(50% T)、IMT 059(83% T)、IMT 040(42% T)、IMT 046(33% T)、IMT 545(42% T)、IMT 550(33% T)及びIMT 546(42% T)(これらのすべては、25%より多いTを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 d)25%より多いTの存在及びTGジヌクレオチドの存在は、強力な賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 028、IMT 046、IMT 544及びIMT 546(これらは、25%より多いT及び2つのTGを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 e)25%より多いTの存在及びテトラヌクレオチドTTTTの存在は、強力な賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 059、IMT 034、IMT 057、IMT 028、IMT 543及びIMT 544(これらは、25%より多いT及び2つのTTTTを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 f)TGジヌクレオチドの存在及びテトラヌクレオチドTTTTの存在は、強力な賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 028及びIMT 544(これらは、2つのTG及び2つのTTTTを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 g)TGジヌクレオチドの存在及びテトラヌクレオチドTTTTの存在、及び25%より多いTの存在は、強力な賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 028及びIMT 546(これらは、2つのTG、2つのTTTT及び25%より多いTを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 h)いくつかのTは、非CpG ODNの活性に関係し得るが、これらは、必ずしもTGジヌクレオチドまたはTTTTモチーフに関連しない。例えば、TGにもTTTTモチーフにも関連しないODN IMT 540における2つのTの置換は、非常に有害である(ODN 545)。ODN IMT 540及びIMT 545の両方が25%より多いTを有し、かつTTTTもTGモチーフも有さないことは注目に値する。免疫賦活性の乏しいODN IMT 545において、2つのTGジヌクレオチド、2つのTTTTモチーフ及びTの総量の増加を生じる2つのTの置換(ODN IMT 544)が活性を増加させないことも注目に値する(WO 01−22972との相違)。 i)テトラヌクレオチドCCCCの存在及び/または50%より多いCの存在は、強力な免疫賦活のために十分でない(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 023(これは、2つのCCCC及び63%のCを有する)は、非常に乏しい活性を有する。 j)いくつかのTリッチオリゴヌクレオチドにおけるTのCまたはGでの置換は、活性を増加させる(WO 01−22972との相違)。例えば、ODN IMT 059における3つのTの、Cによる置換(ODN IMT 037)は、統計的に有意に活性を増加させる。従って、いくつかのTと組み合わせたCの存在は、強力な免疫活性を達成するのに適切である。 k)一般的に、Tリッチオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート骨格において幾分かの免疫賦活活性を有し得るが、ホスホジエステル骨格においては不活性である(WO 01−22972との相違)。例えば、第5表は、IMT 53(24ヌクレオチド長のポリT鎖からなる)がホスホロチオエート骨格においてIL6の分泌を刺激することができるが、ホスホジエステル骨格においてはできないことを示す。25%より多いT及び6つのTGジヌクレオチドを有するODN IMT 021についても同じことが当てはまる。これらの2つのODNは、ホスホジエステル骨格においては、CD19陽性(B)細胞に対する活性化マーカーCD86、CD40及びMHCクラスIの発現を刺激することもできない(図4)。 l)一般的に、ホスホジエステル骨格における免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、二本鎖としては不活性である(WO 01−22972との相違)。例えば、強力な刺激性ODN 2006及びIMT 504は、二本鎖としては不活性である(示さず)。マウスにおける同様の結果が、以下の文献に、記載されている:Zelenay,S.、Elias,F.及びFlo,J.Eur.J.Immunol.33:1382−92(2003)。 これらの全ての事実を考慮して、ホスホジエステル(天然)及び改変した骨格において、強力な免疫賦活活性を得るために非CpGオリゴヌクレオチド中に存在すべき、必要十分な最小限の配列はどれであるかを調査した。 第5表 ホスホロチオエートまたはホスホジエステルのPyNTTTTGT ODNによるIL6分泌の誘導 IMT 021(配列番号1);IMT 022(配列番号8);IMT 053(配列番号19);IMT 504(配列番号2);IMT 506(配列番号4) (S):ホスホロチオエート。(O)ホスホジエステル。ホスホロチオエートODNを0時間のインキュベーションで添加した(6μg/ml)。ホスホジエステルODNを以下のように添加した:インキュベーション0時間で30μg/ml、4時間後に30μg/ml、16時間後に30μg/ml。 数百のODNの分析(示さず)により、B細胞増殖及びIL6分泌により測定される非CpG ODNの強力な免疫賦活活性を担うコア配列(モチーフ)の決定が可能になった。このモチーフは、以下の通りである: X1X2X3X4X5X7X8 ここで、X1はCまたはTであり、 ここで、X2はC、T、GまたはAであり; ここで、X3はTまたはAであり; ここで、X4はT、CまたはGであり; ここで、X5はT、CまたはGであり; ここで、X6はTまたはGであり; ここで、X7はGであり; ここで、X8はTであり; ここで、X3、X4、X5及びX6のうち少なくとも2つがTである。第6表は、ODN IMT 504中に存在する2つの非CpGモチーフ(モチーフ:CATTTTGT)のヌクレオチドの各々における変化の効果を示す。このモチーフの第1位のCの、A(ODN IMT 531)またはG(ODN IMT 533)による置換は、活性の約50%の損失を生じる。しかし、このCのTによる置換(ODN IMT 532)は、活性を変化させなかった。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第1位は、ピリミジンヌクレオチド(CまたはT)により占められているべきである。このモチーフの第2位において、A(ODN IMT 504)またはT(ODN IMT 535)またはC(ODN IMT 534)は、等価な選択肢である。 このモチーフの第2位におけるGヌクレオチドの影響を、CpGジヌクレオチドを導入することなく研究するために、このモチーフの第1位にTを有するODNを合成した(第7表)。観察され得るように、このモチーフの第2位において任意のヌクレオチドが等価である。 このモチーフの第7位におけるGの、A(ODN IMT 541)、T(ODN IMT 542)またはC(ODN IMT 543)による置換は、有害である(第5表)。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第7位は、好ましくは、Gである。 Tにより占められているモチーフの位置に関して、最も感受性であるのは、第8位のものである。このTのA(ODN IMT543)またはC(ODN IMT599)またはG(ODN IMT 604)での置換は、有害である。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第8位は、好ましくはTである。このモチーフの第3位において、Tは、A(ODN IMT IMT537)によって、活性を損失することなく置換される。しかし、このTのC(ODN IMT595)またはG(ODN IMT600)による置換は、有害である。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第3位は、好ましくはTまたはAであるべきである。このモチーフの第4位において、Tは、C(ODN IMT IMT596)またはG(ODN IMT601)によって有意に活性を損失することなく置換される。しかし、このTのA(ODN IMT538)による置換は有害である。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第4位は、好ましくはTまたはCまたはGであるべきである。このモチーフの第5位において、Tは、C(ODN IMT IMT597)またはG(ODN IMT602)によって、有意に活性を損失することなく置換され得る。しかし、このTのAによる置換(ODN IMT539)は、有害である。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第5位は、好ましくはTまたはCまたはGであるべきである。このモチーフの第6位において、Tは、Gによって有意に活性を損失することなく置換される(ODN IMT IMT603)。しかし、このTのAによる置換(ODN IMT540)は、有害である。従って、最大の活性を得るために、このモチーフの第6位は、好ましくはTまたはGであるべきである。 このモチーフの第3位におけるTのAによる置換及びこのモチーフの第6位におけるTのGによる置換の同時置換は、活性の損失を生じなかった(ODN IMT 608)。しかし、この場合において、最大の活性を得るために、第4位及び第5位は、Tにより占められているべきである(ODN IMT609、IMT610、IMT611、IMT612及びIMT614を参照のこと)。 このモチーフ内の2つ以上のTのAによる置換は、70%より多い活性の損失を生じる(ODN IMT 545、IMT 546、IMT 547、IMT 548、IMT 549、IMT 550、IMT 551及びIMT 552)。 これらの結果を考慮して、強力な免疫賦活活性を得るために、このモチーフの第3位、第4位、第5位及び第6位のうち2つ以上がTにより占められているべきであると結論付けることもできる。 第6表 ODN IMT 504から誘導した本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる末梢白血球増殖の誘導IMT 022(配列番号8);IMT 504(配列番号2);IMT 531(配列番号14);IMT 532(配列番号15);IMT 533(配列番号16);IMT 533(配列番号17);IMT 534(配列番号18);IMT 535(配列番号19);IMT 537(配列番号30);IMT 538(配列番号31);IMT 539(配列番号32);IMT 540(配列番号33);IMT 541(配列番号34);IMT 542(配列番号35);IMT 543(配列番号36);IMT 544(配列番号37);IMT 545(配列番号38);IMT 546(配列番号39);IMT 547(配列番号40);IMT 548(配列番号41);IMT 549(配列番号42);IMT 550(配列番号43);IMT 551(配列番号44);IMT 552(配列番号45);IMT 539(配列番号82);IMT 597(配列番号83);IMT 602(配列番号84);IMT 540(配列番号85);IMT 603(配列番号87);IMT 544(配列番号88);IMT 599(配列番号89);IMT 604(配列番号90);IMT 608(配列番号75);IMT 609(配列番号76);IMT 610(配列番号77);IMT 611(配列番号78);IMT 612(配列番号79);IMT 614(配列番号81) 第7表 免疫賦活モチーフの第2位に変化を有するホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる末梢白血球増殖及びIL−6分泌の誘導IMT 532(配列番号15);IMT 197(配列番号10);IMT 198(配列番号11);IMT 199(配列番号12) ODN鎖内でのモチーフの位置の変化の効果を調査するために、ODN IMT504中に存在する非CpGモチーフCATTTTGTを、24ヌクレオチド長のポリT鎖における種々の位置に導入した(図5)。見出され得るように、ポリT ODN(S)自体が有意な有糸分裂活性を有していた。一方、たった1つのCATTTTGTモチーフの導入が、そのモチーフが配置された場所に依存して、ポリT鎖の免疫賦活活性の1.2〜1.8倍(増殖アッセイによる測定)または2.4〜3.5倍(IL−6分泌アッセイによる測定)の増加を生じた。5’末端から少なくとも2ヌクレオチドまたは3’末端から4の距離が、最大の活性を達成するために必要であるようである(ODN IMT174〜IMT 179)。最適な位置への2つのモチーフの導入(ODN IMT182)は、ポリT鎖の免疫賦活活性の1.9倍(増殖アッセイによる測定)、または2.9倍(IL−6分泌アッセイによる測定)の増加を生じた。このことは、第2のモチーフの寄与が無視できることを示す。一方、ODN IMT504のような最も有効なODNの活性は、増殖アッセイにより測定した場合でポリTの活性より3倍を超えて高く、これは、ODNの全体的な活性に対して、本発明のモチーフの周辺の少なくともいくつかのヌクレオチドの組成の有意な影響があることを示唆する事実である。 実施例4 本発明の非CpGオリゴヌクレオチドの免疫賦活活性に対する構造改変の影響:活性モチーフの外側のヌクレオチド組成の影響 図5に示される結果は、非CpGコアモチーフの外側のオリゴヌクレオチドの組成が最適な免疫賦活活性を達成するために重要であることを示す。従って、これらのモチーフの周囲のヌクレオチド組成における変化を有する多数のオリゴヌクレオチドを合成した。第8表は、ODN IMT 504の免疫賦活活性における、5’末端の最初の4ヌクレオチド及び3’末端の最後の4ヌクレオチドの組成における変化の効果を示す。観察され得るように、最適な選択は:これら2つのモチーフに対して−1位にCまたはG、−2位にC、TまたはG、−3位及び−4位に任意のヌクレオチド、+1位にAまたはT、+2位にG、+3位に任意のヌクレオチド及び+4位にG、である。 当然、この表に示されていない他のヌクレオチドの組合せが、これらの非CpG免疫賦活オリゴヌクレオチドの活性に対して同等またはより高い効果さえ有し得る。当業者は、他の効果的な組合せを経験的に決定し得る。 第8表 2つの免疫賦活モチーフの外側の組成における変異を有する非CpG ODN(S)IMT 504による末梢白血球増殖の誘導IMT 552(配列番号45);IMT 504(配列番号2);IMT 559(配列番号46);IMT 560(配列番号47);IMT 561(配列番号48);IMT 562(配列番号49);IMT 563(配列番号50);IMT 564(配列番号51);IMT 565(配列番号52);IMT 566(配列番号53);IMT 567(配列番号54);IMT 568(配列番号55);IMT 569(配列番号56);IMT 570(配列番号57);IMT 571(配列番号58);IMT 572(配列番号59);IMT 573(配列番号60);IMT 574(配列番号61);IMT 575(配列番号62);IMT 576(配列番号63);IMT 577(配列番号64);IMT 578(配列番号65);IMT 578(配列番号66);IMT 580(配列番号67);IMT 581(配列番号68);IMT 582(配列番号69) 実施例5 本発明の非CpGオリゴヌクレオチドの免疫賦活活性に対する構造改変の効果:オリゴヌクレオチドのサイズの影響 第9表は、1つの免疫賦活モチーフを有するODNは、その鎖が16以上のヌクレオチド長である場合に活性であることを示す。そのODNが20〜25ヌクレオチド長である場合、活性が最大である。本研究の間にアッセイした、少なくとも1つの本発明の非CpGモチーフを保有するこの範囲内の全ての(100より多い)ODNは、非常に活性であった。 第9表 B細胞増殖及びIL6分泌に対するホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドのサイズの効果 IMT 187(配列番号70);IMT 188(配列番号71);IMT 189(配列番号72);IMT 179(配列番号73);IMT 191(配列番号77) 実施例6 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる末梢白血球のIgM分泌の誘導 末梢白血球におけるIgM分泌の誘導は、オリゴヌクレオチドの免疫賦活活性の別の重要なマーカーである。第10表は、上記のいくつかのホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによるIgM分泌の賦活を示す。観察され得るように、増殖及びIL6分泌の誘導において最も活性の高い非CpG ODN(S)は、IgM分泌の誘導においても最高であった。 第10表 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる末梢白血球IgM分泌の誘導 IMT 504(配列番号2);IMT 505(配列番号3);IMT 506(配列番号4);IMT 503(配列番号7);IMT 509(配列番号13) 実施例7 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによるBリンパ球におけるCD40、MHC I及びMHC IIの発現の刺激 ヒトPMBCをODN IMT 504、陽性コントロールとしてのODN 2006及び陰性コントロールとしてのODN IMT 022と共にインキュベートした(図6)。観察され得るように、ODN IMT 504は、Bリンパ球上でのCD40、MHC I及びMHC IIの発現の刺激についてCpG ODN 2006と同様に活性である。 実施例8 本発明の非CpGオリゴヌクレオチドによる精製Bリンパ球の刺激 ヒトCD19+(B)細胞を、95%より高い純度まで精製した。第11表及び図7は、これらの精製細胞上での免疫賦活活性がヒトPMBCを用いて観察されるものに匹敵することを示す。これらの結果は、ヒト細胞に対する本発明の非CpGオリゴヌクレオチドによる刺激が直接的であることを示す。 第11表 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、精製B細胞に対する増殖、IL6及びIgM分泌の誘導 IMT 022(配列番号8);IMT 504(配列番号2);IMT 506(配列番号4) 実施例9 本発明のホスホジエステル非CpGオリゴヌクレオチドによる免疫賦活 図8及び第12表は、ヒトPMBCに対する本発明のホスホジエステル非CpGオリゴヌクレオチドの効果を示す。ホスホジエステルオリゴヌクレオチドはヌクレアーゼに対して非常に感受性であるので、これらを、培地に3回(0、4、及び16時間)、30μg/mlの最終濃度まで添加した。非常に強力なホスホジエステルCpG ODN(ODN 2080)を、サイトメトリックアッセイ(Hartmann G、Weeratna R、Ballas ZK、Payette P、Suparto I、Rasmussen WL、Wadschmidt M、Sajuthi D、Purcells RH、Davis HL、Krieg AM.Delineation of a CpG phosphorothioate oligodeoxynucleotide for activating primate immune responses in vitro and in vivo.J.Immunol.164、1617〜1624(2000))における陽性コントロールとして使用した。観察され得るように、これらの条件下では、本発明の非CpGモチーフを保有するホスホジエステルODNは、免疫賦活活性を有する。これに関し、これらの非CpG ODNと、WO 01/22972において特許請求される非CpG ODNとの差異は、注目に値する(第5表及び図4を参照のこと)。 第12表 本発明のホスホジエステル非CpGオリゴヌクレオチドによる免疫賦活 IMT 022(配列番号8);IMT 504(配列番号2);IMT 053(配列番号19);IMT 506(配列番号4) 実施例10 本発明の非CpG ODNによるCebus apella及びMacaca fascicularis種のサルの末梢白血球における細胞増殖の誘導 本発明の非CpG ODN(S)は、マウス、ブタ及びヒツジにおいてあまり効果的な免疫賦活剤ではない。しかし、これらは、サルにおいては有効である。例えば、図9は、Cebus apella及びMacaca fascicularis種のサルの末梢白血球に対する非CpG ODN(S)の免疫賦活活性を示す。これらの結果に従い、非ヒト霊長類において最も有効な非CpG ODNは、CATTTTGTモチーフを保有するものである。従って、サルは、これらの非CpG ODN(S)の臨床応用に対する調査のために動物モデルとして用いられ得る。 実施例11 被験体のワクチン接種 本発明の非CpG ODNアジュバントを含むワクチン処方物が、被験体を種々の細菌性及びウイルス性疾患因子ならびに腫瘍細胞に対するワクチン接種をするために用いられ得る。第13表は、組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)及びアジュバントとしてのODN IMT 504の存在下または非存在下でアルミナを含むワクチン処方物を用いた、Cebus apella種のサルの接種の効果を示す。 第13表 IMT ODNを有するHBsAgに対して免疫したCebus apellaにおける抗HB応答 観察されるように、HBsAg単独でワクチン接種した動物と比較して、IMT ODN(S)504を補充したHBsAgでワクチン接種した動物において表題の抗HBsAgの劇的な増加が存在する。CpG ODN 2006は、アジュバントとして本発明の非CpG ODNと同様の能力を有する。 詳細には、組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)ならびにアジュバントとしてアルミナ及び1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドを含むワクチン処方物の投与によってヒトがB型肝炎に対してワクチン接種され得る。各々の用量におけるrHBsAgの量、及び投薬スケジュールは、そのヒトの年齢に従い変化し得る。例えば、出産あたりから約12歳までのヒトについては、3回用量スケジュールの約2.5μg〜約5μgのrHBsAgが、0、1〜3ヶ月後、及び4〜18ヶ月後、好ましくは0、2及び6ヶ月に投与され得る。1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドが、1用量あたり約10μg〜約1,000μgで処方物中に存在し得る。 約12〜60歳のヒトについて、3回用量スケジュールの約5μg〜約40μgのrHBsAgが、0、1〜3ヶ月後及び4〜18ヶ月後、好ましくは0、2及び6ヶ月で投与され得る。1つ以上の本発明のオリゴヌクレオチドが、1用量あたり約10μg〜約1,000μgで処方物中に存在し得る。 実施例12 ホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、悪性Bリンパ球における共刺激分子の発現の刺激 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、慢性リンパ性白血病(CLL)に罹患する患者の血液から回収した悪性Bリンパ球の刺激を、フローサイトメトリック(FACS)分析によって試験した。代表的なFACS分析の結果を図10に示す。見出され得るように、本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドIMT 504は、CpG ODN 2006と同様に、悪性Bリンパ球上でのCD86、CD40及びMHCクラスI表面共刺激分子の発現を刺激することができる。 実施例13 ホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる悪性B細胞アポトーシスの刺激 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、慢性リンパ性白血病(CLL)に罹患する患者の血液から回収した悪性Bリンパ球におけるアポトーシスの刺激を、アポトーシスマーカーとしてヨウ化プロピジウム及びアネキシンVを用いるフローサイトメトリック(FACS)分析によって試験した。代表的なFACS分析の結果を図11に示す。観察され得るように、本発明の非CpGオリゴヌクレオチドIMT 504は、CpG ODN 2006と同様に、白血病細胞のアポトーシスを刺激することができる。 実施例14 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、形質細胞様樹状細胞上での共刺激分子の発現の刺激 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、正常なドナーの血液から回収した形質細胞様樹状細胞の刺激を、フローサイトメトリック(FACS)分析によって試験した。代表的なFACS分析の結果を、図12に示す。見出され得るように、本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドIMT 504は、CpG ODN 2006と同様に、形質細胞様樹状細胞上でのCD86、CD40及びMHCクラスI表面分子の発現を刺激することができる。 第14表は、オリゴヌクレオチド骨格がホスホジエステルである場合、本発明の非CpGオリゴヌクレオチドが、インターフェロンαを分泌する精製したヒト形質細胞様樹状細胞も刺激することができることを示す。 第14表 本発明のホスホロチオエート及びホスホジエステル非CpGオリゴヌクレオチドと共にインキュベートした精製形質細胞様樹状細胞によるインターフェロンα分泌 IMT 022(配列番号8);IMT 504(配列番号2)。ホスホロチオエートODNを、インキュベーション0時間で添加した(1.5μg/ml)。ホスホジエステルODNを、以下の通り添加した:インキュベーション0時間で30μg/ml、4時間後に30μg/mlそして16時間後に30μg/ml。 実施例15 腫瘍性疾患を有する被験体の処置 1つ以上の本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドを含む薬学的処方物は、種々の腫瘍性疾患に対して被験体を処置するために用いられ得る。特に、黒色腫を有するヒトは、活性成分として本発明のオリゴヌクレオチドを含む薬学的処方物の投与によって処置され得る。各々の用量におけるオリゴヌクレオチドの量、及び投与スケジュールは、被験体の体重及び腫瘍進行のステージに従い変化し得る。例えば、進行した切除不可能な転移性の黒色腫を有する約70kgのヒトについては、約1mgの用量の本発明のオリゴヌクレオチドが、約10週間にわたり、1週間に3回投与され得る。 実施例16 本発明のホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドによる、末梢白血球のIL−10分泌の誘導及びIL−5分泌の阻害 IL−10は、IgE産生の強力なサプレッサーであり、そしてエピトープ特異的T細胞アネルギーの誘導及び維持は、増加したIL−10に関連する。図13は、幾人かのドナーのPMBCにおける、ホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドIMT 504及びコントロールによるIL−10の分泌の刺激を示す。観察され得るように、IMT 504は、CpG陽性コントロールODN 2006と同様に活性である。アレルゲン特異的Th2細胞は、IL−5を産生し、このIL−5は、好酸球の分化、活性化及び生存を促進する。図14は、ホスホロチオエート非CpGオリゴヌクレオチドIMT 504及びCpG陽性コントロールODN 2006が幾つかのヒトPMBCにおいてIL−4及びCon Aにより誘導されるIL−5産生のリプレッサーであることを示す。 実施例17 アレルギー性疾患を有する被験体の処置 1つ以上の本発明の免疫賦活オリゴヌクレオチドを含む薬学的処方物は、種々のアレルギー性疾患に対して被験体を処置するために用いられ得る。 特に、喘息を有するヒトが、活性成分として本発明のオリゴヌクレオチドを含むエアロゾル薬学的処方物の、気道における投与によって処置され得る。各々の用量におけるオリゴヌクレオチドの量、及び投与スケジュールは、被験体により変化し得る。 本発明の範囲の外側であるオリゴヌクレオチド配列 以下のオリゴヌクレオチド配列(上に列挙される先行技術文献において開示されている)は、免疫賦活オリゴヌクレオチドの請求項の範囲から除外されるが:組成物及び使用の請求項の範囲内に含まれ得る:図1は、ホスホロチオエートODN IMT 023(配列番号9)またはホスホロチオエートCpG ODN 2006:5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’またはホスホロチオエート非CpG ODN IMT 021(配列番号1)と共にインキュベートしたヒト末梢血単核白血球(PBMC)の増殖指数をプロットしたグラフである。データは、5回の独立したアッセイの平均及び標準偏差を示す。図2は、B細胞集団の活性化に対するホスホロチオエートCpG ODN 2006:5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’またはホスホロチオエート非CpG ODN IMT 021(配列番号1)の比較効果を決定するためのヒト末梢血単核白血球(PBMC)を用いるフローサイトメトリー法の結果を示す。B細胞活性化を、CD69陽性細胞上でのCD86の誘導によって測定した。(a)ODN IMT023(配列番号9)、2006またはIMT021(配列番号1)によるB細胞活性化を比較する代表的なフローサイトメトリックダイヤグラム;b)(a)に示されるフローサイトメトリックダイヤグラムの代表的ヒストグラム。図3は、示したホスホロチオエートODNと共にインキュベートしたPBMCの増殖指数をプロットしたグラフである。データは、5回の独立したアッセイの平均及び標準偏差を示す。図4は、WO 01/22972において特許請求される非CpG ODNによる、CD19+(B)細胞におけるCD86及びCD56+(NK)細胞におけるCD69の誘導を示す。示したホスホジエステルODNまたはコントロールと共に、ヒトPMBCを48時間培養し、次いで蛍光抗CD19/抗CD86(a)または抗CD19/抗CD40(b)または抗CD19/抗MHC I(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、ダブルポジティブゲート(double positive gate)中の細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付のヒストグラムは、ODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(O):ホスホジエステルODN。ODN2080、以下の配列:5’−TCGTCGTTCCCCCCCCCCCC−3’のCpG ODNを、陽性コントロールとして用いた。図5は、PMBC増殖アッセイにおいて測定される非CpG ODNの免疫賦活活性に対する、本明細書中に開示される免疫賦活配列モチーフX1X2X3X4X5X6X7X8の位置の影響を示す。データは、4連で実施した3回の独立したアッセイの平均及び標準偏差を示す。図6は、本明細書中に開示される免疫賦活配列モチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、CD19+細胞(B細胞)におけるCD40、MHC I及びMHC IIの誘導を示す。ヒトPMBCを、示したODNと共に24時間培養し、次いで、蛍光抗CD19/抗CD40(a)または抗CD19/抗MHC I(b)または抗CD19/抗MHC II(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、CD19+細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付きヒストグラムはODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(S)は、ホスホロチオエートODNを意味する。図7は、本明細書中に開示される免疫賦活配列モチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、精製したB細胞におけるCD86、CD40及びMHC Iの誘導を示す。ヒト精製B細胞を、示したODNと共に24時間培養し、次いで蛍光抗CD19/抗CD86(a)または抗CD19/抗CD40(b)または抗CD19/抗MHC I(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、CD19+細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付きヒストグラムはODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(S)は、ホスホロチオエートODNを意味する。図8は、本明細書中に開示される免疫賦活配列モチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有するホスホジエステル非CpG−ODNによる、CD19+細胞(B細胞)におけるCD86、CD40及びMHC Iの誘導を示す。ヒトPMBCを、示したホスホジエステルODNと共に48時間培養し、次いで蛍光抗CD19/抗CD86(a)または抗CD19/抗CD40(b)または抗CD19/抗MHC I(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、CD19+細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付きヒストグラムはODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(O)は、ホスホジエステルODNを意味する。図9は、非ヒト霊長類における、本明細書中に開示されるモチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、PMBC増殖の刺激を示す。Cebus apellaまたはMacacca fascicularis PMBCを、示したODN(6μg/ml)と共に72時間培養した。データは、4連の平均及び標準偏差を示す。図10は、本明細書中に開示されるモチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、B細胞慢性リンパ球白血病(CLL)に罹患した患者のCD19+(B細胞)におけるCD86、CD40及びMHC Iの誘導を示す。PMBCを、示したODNと共に24時間培養し、次いで蛍光抗CD19/抗CD86(a)または抗CD19/抗CD40(b)または抗CD19/抗MHC I(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、CD19+細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付きヒストグラムはODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(S)は、ホスホロチオエートODNを意味する。図11は、本明細書中に開示されるモチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、悪性B細胞アポトーシスの刺激を示す。PMBCを、示したODNと共に14時間または5日間培養し、次いでSerotec(Raleigh、NC、USA)製のANNEXIN V:FITCアッセイキットを用い、ヨウ化プロピジウム及びアネキシンV−FITCを用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、アネキシンV−FITC蛍光 対 ヨウ化プロピジウム(PI)蛍光のドットプロットとして示す。このプロットは、3つの細胞集団を示す:a)低PI−低アネキシン(これは生きた細胞である)、b)低PI−高アネキシン(これはアポトーシス細胞である)、及びc)高PI−高アネキシン(これは二次壊死細胞(secondary necrotic cell)である)。図12は、本明細書中に開示されるモチーフX1X2X3X4X5X6X7X8を保有する非CpG−ODNによる、精製した形質細胞様樹状細胞におけるCD86、CD40及びMHC Iの誘導を示す。95%より高い純度の形質細胞様樹状細胞を、示したODNと共に24時間培養し、次いで蛍光抗CD4/抗CD11c/抗CD86(a)または抗CD4/抗CD11c/抗CD40(b)または抗CD4/抗CD11c/抗MHC I(c)を用いて染色した。フローサイトメトリーの結果を、CD4+CD11c−細胞に対応するヒストグラムとして示す。オープンヒストグラムは、ODNの非存在下で培養した細胞に対応し、そして影付きヒストグラムはODNの存在下で培養した細胞に対応する。ODN(S)は、ホスホロチオエートODNを意味する。図13は、ホスホロチオエート非CpG ODN IMT 504(配列番号2)、ホスホロチオエートCpG ODN 2006:5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’、またはホスホロチオエート非CpG ODN IMT 022(配列番号175)と共に72時間培養した5回の独立したヒト末梢血単核白血球(PBMC)の上清におけるIL−10レベルをプロットするグラフである。データは、5回の独立したアッセイの平均及び標準偏差を示す。図14は、ホスホロチオエート非CpG ODN IMT 504(配列番号2)、ホスホロチオエートCpG ODN 2006:5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT3’、またはホスホロチオエート非CpG ODN IMT 022(配列番号175)と共に96時間培養した5つの独立したヒト末梢血単核白血球(PBMC)の上清におけるIL−5レベルをプロットするグラフである。データは、5回の独立したアッセイの平均及び標準偏差を示す。 TCATCATTTTGTCATTTTGTCATT(配列番号2)である、免疫賦活オリゴヌクレオチド。 前記免疫賦活オリゴヌクレオチドが徐放送達ビヒクル中にカプセル化されている、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチド。 前記免疫賦活オリゴヌクレオチドが薬学的に許容される担体に含まれる、請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチド。 請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチド及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。 前記免疫賦活オリゴヌクレオチドがプラスミドに含まれる、請求項4に記載の組成物。 抗原をさらに含む、請求項4に記載の組成物。 前記抗原が、ウイルス、細菌、真菌、寄生生物、腫瘍細胞、毒素、アレルゲン、タンパク質、糖脂質及び多糖類からなる群より選択される、請求項6に記載の組成物。 前記抗原がウイルス性抗原、細菌性抗原、ヒトもしくは動物の腫瘍細胞及び/または真菌性抗原である、請求項6に記載の組成物。 前記抗原がプラスミドによりコードされる、請求項6に記載の組成物。 液体または凍結乾燥形態である、請求項6〜9に記載の組成物。 請求項1に記載の免疫賦活オリゴヌクレオチドを含む、被検体におけるB細胞活性化を誘導する医薬。 前記被験体がヒトである、請求項11に記載の医薬。 前記オリゴヌクレオチドが1つ以上の抗原と複合体化している、請求項11に記載の医薬。 前記オリゴヌクレオチドが抗原と同時期(contemporaneously)または同時(simultaneously)に投与される、請求項11に記載の医薬。 筋内、経口、鼻内、肛門、膣または経皮経路により投与される、請求項11に記載の医薬。


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