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タイトル:特許公報(B2)_ラクチュロース含有粉末組成物の製造方法ならびにその方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物および飼料用添加物
出願番号:2004508589
年次:2007
IPC分類:A23K 1/16,C13K 13/00,A61K 31/7016,A23P 1/06,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

冨田 守 小久保 貞之 溝田 輝彦 市橋 信夫 関 信夫 西 賢司 JP 3920288 特許公報(B2) 20070223 2004508589 20030528 ラクチュロース含有粉末組成物の製造方法ならびにその方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物および飼料用添加物 森永乳業株式会社 000006127 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 青山 正和 100101465 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 冨田 守 小久保 貞之 溝田 輝彦 市橋 信夫 関 信夫 西 賢司 JP 2002162774 20020604 20070530 A23K 1/16 20060101AFI20070510BHJP C13K 13/00 20060101ALI20070510BHJP A61K 31/7016 20060101ALI20070510BHJP A23P 1/06 20060101ALI20070510BHJP A23L 1/30 20060101ALI20070510BHJP JPA23K1/16 303DA23K1/16 303FC13K13/00A61K31/7016A23P1/06A23L1/30 A23K1/00-3/04 A61K31/7016 C13K13/00 A23P1/06 A23L1/30 JSTPlus(JDream2) 特公昭54−15829(JP,B1) 特開平5−43590(JP,A) 特開昭56−39200(JP,A) 特許第2741812(JP,B2) 国際公開第00/36153(WO,A1) 5 JP2003006684 20030528 WO2003101218 20031211 16 20040910 松本 隆彦 技術分野本発明は、ラクチュロース含有粉末組成物の製造方法、ならびにその方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物および飼料用添加物に関する。背景技術ラクチュロースは、ビフィズス菌の増殖因子としてよく知られ、人の健康維持に関わる有用性が広く知られている。またその有用性は、人だけでなく動物の飼料分野でも認められており、様々な分野での利用が図られている。ラクチュロースの人における有用性については、例えば、「多様な側面を持つラクチュロース:開発と生理効果に関する最近の研究動向」(ミルクサイエンス:Milk Science、Vol.50,No.2 2001、39〜47頁)に、ビフィズス菌増殖活性があることが記載されている。ラクチュロースはまた、その活性を通じて腸内環境改善、便性改善、排便促進等の様々な作用を奏し、健康に関わる有用性を人にもたらすことが知られている。更に、ラクチュロースを飼料分野に用いた場合に有用性が得られることも、例えば特公昭54−15829号公報に「飼料用ラクチュロース含有粉末の製造法」として記載されており、ここにはラクチュロース含有粉末が仔豚の増体重、飼料効率向上の点で優れるなど、ラクチュロースの有用性が示されている。また特開平7−39318号公報には「魚類用飼料」としての有用性が示されている。ここには、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ラフィノース及びラクチュロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上のオリゴ糖を0.01〜10%含有する飼料が魚類の成長を促進させること等が記載されている。このように、ラクチュロースの有用性が明らかにされ、それらの重要性が認識されるにつれて、ラクチュロースが使用される環境は広がりつつある。ところで、ラクチュロースは結晶化しづらい、あるいは粉末化しずらいという特性を有するために、従来は主として水溶液形態で使われていたが、より利用しやすい粉末も開発され使われるようになった。粉末のラクチュロースを得る方法として、例えば、ラクチュロース、ラクトース、および必要に応じその他の炭水化物からなる固形物を最高45〜50%含有し、該固形物中のラクチュロース含有量が最高45〜50%である水溶液を、噴霧乾燥してラクチュロース乾燥製品を製造する方法(特公昭40−861号公報)が開示されている。しかしながら、この従来法で得られたラクチュロース含有粉末組成物は、粉末化されているとはいえ、吸湿性が高く、雨天等の高湿度環境においては吸湿して容器へ付着したり、固化する等、現場での使用時に取り扱い難いという問題があった。また噴霧乾燥に供する水溶液における固形分中のラクチュロース含有量が低いほど、噴霧した場合に自由流動性の高い乾燥製品が得られるが、そうすると粉体中のラクチュロース含有量が少くなり、製品として経済的に不利となって実用的でない。これに対して、特公昭49−44332号公報(特許第778565号)には、ラクチュロース水溶液に乾燥助剤としてラクチュロースの5%以上の量のタンパク質を添加して噴霧乾燥することにより、55%以上の高ラクチュロース含量を有する粉末を製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法で得られたラクチュロース含有粉末組成物においても、吸湿性が高く、湿度に対する安定性が悪いことが問題であった。一方、特開平5−43590号公報(特許2848721号)には、ラクチュロースの他にラクトース(乳糖)、ガラクトース等を含有するラクチュロース・シロップを濃縮し、冷却した後、ラクチュロースを種晶添加し、撹拌して結晶ラクチュロース三水和物を生成させ、この三水和物を分離することにより、非吸湿性で純度の高い結晶ラクチュロースが得られることが開示されている。しかしながら、かかる結晶ラクチュロースの製造方法は精製・結晶化工程が複雑であり、実用化に際して結晶を分離した後の母液の処理まで含めて考えると、コストが高く、製品の価格が高くなってしまうという問題があった。本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、製品として実用的なラクチュロース含有量を有するとともに、優れた湿度安定性を有するラクチュロース含有粉末組成物を簡便な工程で製造できるようにしたラクチュロース含有粉末組成物の製造方法、この方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物、およびこれを用いた飼料用添加剤を提供することを目的とする。発明の開示本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ラクチュロース含有量が比較的高い粉末製品を得るには、ラクチュロースを含有し、タンパク質が添加された原料液を噴霧乾燥する方法が好ましいこと、特に湿度安定性の向上を図るには、噴霧乾燥後の粉末におけるラクチュロースの含有量と、タンパク質等に随伴して添加され、粉体の吸湿性に係わる水溶性の塩類を構成する陰イオンである塩素の含有量が重要であることを見出して、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明のラクチュロース含有粉末組成物の製造方法は、噴霧乾燥後の粉末におけるラクチュロースの含有量が10〜50質量%、タンパク質の含有量がラクチュロース1質量部に対して0.2〜9.0質量部、塩素の含有量がタンパク質1質量部に対して0.08質量部以下となるように原料液を調製し、該原料液を噴霧乾燥することを特徴とする。また本発明は、本発明のラクチュロース含有粉末組成物の製造方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物を提供する。すなわち本発明のラクチュロース含有粉末組成物における成分組成は、ラクチュロースの含有量が10〜50質量%、タンパク質の含有量がラクチュロース1質量部に対して0.2〜9.0質量部、塩素の含有量がタンパク質1質量部に対して0.08質量部以下である。本発明はまた、本発明のラクチュロース含有粉末組成物を含有する飼料用添加物を提供するものである。発明を実施するための最良の形態以下、本発明を詳しく説明する。本発明において、ラクチュロースは水溶液の形態で用いてもよく、市販のラクチュロース粉末を用いることもできる。ラクチュロース水溶液を用いる場合、例えば乳糖を異性化し、脱色・精製等を経て得られる既知のラクチュロース水溶液を用いることができる。高度に精製されたラクチュロース水溶液でもよく、原料成分あるいはその他の反応生成物を含有する粗ラクチュロース水溶液でもよい。本発明におけるタンパク質は、乳タンパク質、カゼイン、ホエイタンパク質、大豆タンパク質等を用いることができる。高度に精製された精製物でもよく、これらのタンパク質を含有するタンパク質素材、またはこれらのタンパク質が濃縮された濃縮物でもよい。固体のタンパク質を使用する場合、予め水に溶解させた水溶液の形態で用いてもよい。本発明の方法によりラクチュロース含有粉末組成物を製造するには、まずラクチュロースおよびタンパク質を含有する原料液を調製し、該原料液を噴霧乾燥して粉末とする。噴霧乾燥は常法により行うことができる。噴霧乾燥後の粉末における水分含有量は、多すぎると保存性が悪く、少なすぎると該ラクチュロース含有粉末組成物を溶解させたときに不溶解物が多くなったり、噴霧乾燥時に焦げが生じるおそれがあるので、好ましくは2〜5質量%程度とされる。原料液を噴霧乾燥する際、原料液中の固形分が多すぎると、乾燥し難く、また噴霧乾燥装置内への付着物が多くなる。一方、原料液中の固形分が少なすぎると、微粉化されてしまって回収率が悪くなり、また乾燥コストが増大する。したがって、原料液中の固形分の含有量は30〜50質量%程度とするのが好ましい。原料液調製後、噴霧乾燥の前に、必要に応じて原料液の殺菌および/または濃縮を常法により行ってもよい。原料液を調製する際、ラクチュロースと、タンパク質と、必要であれば水を加えて混合し、溶解させる。原料液には、ラクチュロースおよびタンパク質の他に、例えば乳糖、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル等で噴霧乾燥時の乾燥特性および保存性に悪影響を与えないものであれば、その他の材料として添加してもよい。原料液は、この原料液を噴霧乾燥して得られる粉末におけるラクチュロースの含有量が10〜50質量%、タンパク質の含有量がラクチュロース1質量部に対して0.2〜9.0質量部、塩素の含有量がタンパク質1質量部に対して0.08質量部以下となるように調製する。具体的には、原料液を噴霧乾燥する前と後とで、水分の絶対量は変化するが固形分の絶対量は変化せず、ラクチュロース、タンパク質、塩素の各含有量(絶対量)は変化しないものとみなすことができるので、噴霧乾燥後の粉末における水分含有量が決まれば、所望の組成を有する噴霧乾燥後の粉末を得るために必要な、原料液における各材料の配合割合を算出することができる。特に塩素の含有量は、多いほど粉体の吸湿性が高くなるので、原料液に添加されるタンパク質およびその他の材料に随伴して添加される量にとどめ、積極的に塩素を添加することは行わない方が好ましい。したがって、原料液中の塩素の含有割合を上記の範囲に制御するには、タンパク質およびその他の材料として、塩素の含有率が好ましい範囲にあるものを選択するか、または予めタンパク質および/またはその他の材料に対して限外濾過や電気透析等の処理を行ってタンパク質と塩素の比率を調整しておくのが好ましい。例えば限外濾過を行うとタンパク質の含有量を選択的に増加させることができ、電気透析を行うと塩素の含有量を選択的に低減させることができる。ここで、本明細書におけるラクチュロースの含有量は、特定保健用食品試験検査マニュアル(編集:(財)日本健康・栄養食品協会、平成4年10月1日発行)に記載されている「ラクチュロース含有食品の試験法」に従って測定して得られる値を採用する。具体的には以下の測定方法を用いる。(1)試薬ラクチュロース:MERCK社アセトニトリル:液体クロマト用(2)機器示差屈折率検出器付高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置減圧式脱気装置、データ処理装置(3)試験溶液の調製試料約2gを正確に量り、水で50mlに定容し、濾紙にて自然濾過する。ついで分画分子量10,000の限外濾過膜にて濾過し、試験溶液とする。(4)試験操作(4−1)定性試験上記試験溶液とラクチュロース標準溶液を同一条件下でHPLCにより分析し、クロマトグラム上のリテンションタイムで同定する。(4−2)定量試験A.基本原理HPLCを用いて、絶対検量線法にて行う。同一容量のラクチュロース標準溶液および試験溶液をHPLCに注入し、ラクチュロース量はその相当する面積比より求める。B.分析条件例カラム:φ4.6mm×250mm、ステンレス管充填材:Wakosil 5 NH2 あるいは同等品移動層:アセトニトリル:水=75:25(v/v)流速 :1.0ml/min検出器:示差屈折率検出器注入量:20μlC.検量線作成方法別途にラクチュロース標準品を0.5mg/ml、1.0mg/ml、1.5mg/ml、2.0mg/ml含有する標準水溶液を作成し、上記分析条件にてラクチュロースのピーク面積を測定し、検量線を作成する。(5)判定、計算式など(5−1)定性試験上記試験溶液とラクチュロース標準溶液を同一条件下でHPLCにより分析し、クロマトグラム上のリテンションタイムで同定する。(5−2)定量試験試験溶液のクロマトグラム上のラクチュロースピーク面積を用いて検量線よりラクチュロース濃度を算出し、次式にて試料中のラクチュロース含量を計算する。また、本明細書におけるタンパク質の含有量は、最も一般的な総窒素定量法であるセミミクロケルダール法、例えば衛生試験法・注解2000(編集:日本薬学会、発行所:金原出版株式会社、2000年2月29日発行)の163〜165頁に記載されている「セミミクロケルダール法による定量」に従って測定して得られる値を採用する。具体的には以下の測定方法を用いる。(1)試薬(1−1)分解促進剤:CuSO4・5H2O・K2SO4(1:4)(1−2)4%ホウ酸溶液:ホウ酸(H3BO3)40gに水960mlを加え、加温しながら溶解させ、冷却させたのち、1000mlとする。(1−3)ブロムクレゾールグリーン・メチルレッド試薬:ブロムクレゾールグリーン0.15gおよびメチルレッド0.1gを99.5%エタノール180mlに溶解し、水を加えて200mlとする。(2)装置セミミクロケルダール(semimicro−Kjeldahl)法装置は、すべて硬質ガラス製のものを用い、接続部はすり合わせにしてもよい。装置に用いるゴムはすべて1mol/リットルNaOH溶液中で10〜30分間煮沸し、次に水中で30〜60分間煮沸し、最後に水でよく洗ったのち用いる。(3)試験操作(3−1)試料の分解:N含量約20〜30mgに対応する試料を精密にはかり、250〜300mlのケルダール分解フラスコに入れる。これに分解促進剤1〜2g、H2SO420〜30ml、次いでフラスコを振り動かしながら30%H2O2溶液1mlを加え、金網上で穏やかに加熱する。試料が炭化したならば温度を高めて煮沸し、分解液が淡青色透明となってから、なお1〜2時間加熱する。分解液は冷後、徐々に水約100mlを加え、これを200mlのメスフラスコに移し、冷後水を加えて全量を200.0mlとし、その20.0mlをセミミクロケルダール分解フラスコにとり、分解フラスコを蒸留装置に装着する。(3−2)蒸留:蒸留装置の吸収フラスコに4%(w/v)ホウ酸溶液15mlおよびブロムクレゾールグリーン・メチルレッド試薬3滴を入れ、少量の水を加え、冷却器の先端をこの液に浸す。蒸留装置の小漏斗から30%(w/v)NaOH溶液25mlを加え、水10mlで洗い込み、ただちに水蒸気発生器から水蒸気を導入し、留液が約100mlになるまで蒸留する。冷却器の先端を液面から離し、さらに数ml留液を集めたのち、冷却器の先端を少量の水で吸収フラスコに洗い込む。(3−3)滴定:5mmol/リットルH2SO4でブロムクレゾールグリーン・メチルレッド試薬による緑色が微灰赤紫色に変わるまで滴定する。別に同様の方法で空試験を行う。5mmol/リットルH2SO41ml=0.14007mgN(4)計算a:本試験で中和に要した5mmol/リットルH2SO4溶液のml数b:空試験で中和に要した5mmol/リットルH2SO4溶液のml数f:5mmol/リットルH2SO4のファクター粗タンパク質(%)=N(%)×窒素係数窒素係数の値は食品材料によって決められており、牛乳、チーズ類の場合は6.38である。また、本明細書における塩素の含有量は、前記衛生試験法・注解2000の714頁に記載されている硝酸銀滴定法に従って測定して得られる値を採用するものとする。具体的には以下の測定方法を用いる。(1)試薬(1−1)0.01mol/リットルNaCl溶液:あらかじめ白金皿を用いて溶融するまで熱灼したNaCl 0.5844gを水に溶かして全量を1000mlとする。0.01mol/リットルNaCl溶液の1mlは、0.3545mgのClに相当する。(1−2)0.01mol/リットルAgNO3溶液:AgNO31.7gを水に溶かして全量を1000mlとする。本液1mlはCl−0.3545mgに相当する。本液のファクターは0.01ml/リットル溶液を使用して標定する。(1−3)K2CrO4溶液:K2CrO450gを少量の水に溶かしたのち、これに微赤色の沈澱が生ずるまで0.01mol/リットルAgNO3液を加えてろ過し、ろ液に水を加えて1000mlとする。(1−4)Al(OH)3:硫酸アルミニウム・カリウムまたは硫酸アルミニウム・アンモニウム10gを水200mlに溶かし、これにアンモニア水を加えてAl(OH)3を沈澱させる。次に上清を傾斜して捨て沈殿物に水を加えてよくかき混ぜ、ふたたび上清を傾斜し、この操作を数回繰り返したのち、沈殿物をろ紙上に集め、ろ液中にCl−、NH4+、NO2−などの反応がなくなるまで水でよく洗う。本試薬は使用のつど新たに調製する。(2)試験操作試験溶液50mlをコニカルビーカーまたは磁製ビーカーにとり、K2CrO4溶液0.5mlを加え、ガラス棒でかき混ぜながら0.01mol/リットルAgNO3溶液を用いて試験溶液がもはや消えない微褐色を呈するまで滴定する。これに要したAgNO3溶液のml数(a)から次式によってCl−の濃度を求める。反応の終末点は別の同型容器に試験溶液50mlをとり、K2CrO4溶液0.5mlを加えたものの色相と比較して判定する。Cl−(μg/ml)=0.3545a×1000/試験溶液(ml)AgNO3溶液の消費量が25ml以上となるような場合:新たに試験溶液適量をとり、これにK2CrO4溶液0.2〜0.3mlを加え上記と同様に操作する。Cl−が極めて微量の場合:試験溶液100〜200mlをコニカルビーカーにとり、これにK2CrO4溶液0.2〜0.3mlを加えて水浴上で蒸発乾固し、冷後残留物に水2〜3mlを加えて溶かしたのち、上記と同様に操作する。試験溶液の色度が高い場合:Al(OH)3を加えて脱色し、上記と同様に操作する。本発明において、噴霧乾燥後の粉末、すなわち本発明のラクチュロース含有粉末組成物におけるラクチュロース含有量が10質量%より少ないと、製品として経済的に不利となって実用的でない。また、ラクチュロース含有粉末組成物を、試料など他の栄養組成物に添加して使用する場合、ラクチュロース含有量が少なすぎると、所望の添加効果を得るために必要な添加量が多くなり、飼料等の組成への影響が大きくなるので好ましくない。一方、ラクチュロース含有粉末組成物におけるラクチュロース含有量が50質量%を超えると湿度安定性が不十分となる。タンパク質の含有量がラクチュロース1質量部に対して0.2質量部より少ないと湿度安定性が不十分となる。またラクチュロース含有粉末組成物にラクチュロースが10質量%以上含まれていることが必要であることから、該粉末組成物中のタンパク質の含有量はラクチュロース1質量部に対して9質量部より多くすることはできない。塩素の含有量がタンパク質1質量部に対して0.08質量部を超えると、湿度安定性が不十分となる。塩素含有量の下限は小さいほど好ましい。本発明の製造方法によれば、ラクチュロースの含有量が10〜50質量%と、製品として実用的なラクチュロース含有量を有するとともに、優れた湿度安定性を有するラクチュロース含有粉末組成物を簡便な工程で製造することができる。また、このようにして得られたラクチュロース含有粉末組成物は、ラクチュロースの含有量が10〜50質量%と、製品として実用的なラクチュロース含有量を有するとともに、吸湿性が改善されており、良好な保存安定性有する。また特に、噴霧乾燥により粉末化されたものであるので、ラクチュロース含有量の均一性が良好であり、粉体材料を混合して得られた粉末混合品と比較して偏積等のラクチュロース含有量の部分的不均一性が生じ難いという特徴を有している。そして、ラクチュロースを有効成分として含んでいるので、有益なビフィズス菌増殖効果、腸内菌叢改善による健康維持や感染予防効果、便性改善効果による便秘予防効果等の効果が期待できる。また、得られたラクチュロース含有粉末組成物は、例えば哺乳動物の飼料、魚類の飼料など各種動物の飼料に添加して用いられる飼料用添加物として有効であり、かかる飼料用添加物を飼料に配合することによって、飼料の湿度安定性を損なわずに、有益なビフィズス菌増殖効果、腸内菌叢改善効果、便性改善効果、飼料効率の改善効果、体重の増加効果等を奏することができる。以下の試験例および実施例において、%は特に断りのない限り質量%とする。(試験例1)噴霧乾燥後の粉末における、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質の含有量を約0.1〜0.4質量部の範囲で変化させてラクチュロース含有粉末組成物を製造した。すなわち、市販のラクチュロース水溶液(森永乳業社製:ラクチュロース52%、固形分70%)と、市販のホエイタンパク濃縮物(ミライGmbH社製:タンパク質76%、塩素0.05%、固形分95%)と、食用乳糖(ミライGmbH社製:乳糖95%、塩素0.02%、固形分95%)と水を配合して溶解し、固形分40%に調整した後、65℃、30分間加熱殺菌した原料液を、常法により噴霧乾燥してラクチュロース含有粉末組成物を得た。噴霧乾燥時の温度条件は吸気温度155℃、排気温度85℃とした。原料液を調製する際の、ラクチュロース水溶液、ホエイタンパク濃縮物、および食用乳糖の配合量を変化させて、下記表1に示す通りの組成を有する9種類のラクチュロース含有粉末組成物(試料番号A−1〜9)を得た。いずれの場合も粉末化に際して特段の問題はなかった。以下において、p/Luはラクチュロース1質量部に対するタンパク質の含有量(単位:質量部)を示し、a/pはタンパク質1質量部に対する塩素の含有量(単位:質量部)を示す。次いで、得られた各ラクチュロース含有粉末組成物10gを直径50mmの100mlビーカーに入れて、温度25℃、相対湿度81%の湿度環境下に開放で放置した。10時間後に外観を観察するとともに、16メッシュの篩(タイラー篩、篩の目の開きが0.991mm)にて篩過し、通過した粉末量の全粉末量に対する比率(篩下透過率、単位:%)を算出した。その結果を表2に示す。なお、上記の温・湿度環境下で10時間経過するまでに吸湿による容器への付着・固化が生じないものであれば、通常の単独あるいは混合使用において問題はない。表1,2の結果より、ラクチュロース含有量が約10%の粉末(試料番号A−1〜3)においては、タンパク質含有量が1%(p/Lu=0.10)では10時間で吸湿して収縮・付着現象が見られ、篩を通過せず篩上に残留したが、2.1%(p/Lu=0.21)以上では十分な湿度安定性を示して粉末状を保った。同じくラクチュロース含有量30%の粉末(試料番号A−4〜6)においては、タンパク質含有量が3.1%(p/Lu=0.10)では10時間で吸湿して収縮・付着現象が見られたが、5.9%(p/Lu=0.20)以上では十分な湿度安定性を示した。またラクチュロース含有量50%の粉末(試料番号A−7〜9)では、タンパク質含有量が4.9%(p/Lu=0.10)では同じく吸湿して収縮・付着現象が見られたが、10%(p/Lu=0.20)以上ではほぐれる軟塊を呈する程度であり、篩下通過率も大きく、十分な湿度安定性を示した。従って、ラクチュロース含有粉末組成物の湿度安定性を確保するためには、タンパク質がラクチュロース1質量部に対して0.2質量部以上含有されていることが必要であることが認められた。また、タンパク質の種類を変更しても同様の結果が得られた。(試験例2)噴霧乾燥後の粉末における、タンパク質1質量部に対する塩素の含有量を0.002〜0.14質量部の範囲で変化させてラクチュロース含有粉末組成物を製造した。本試験例において、ラクチュロース水溶液、食用乳糖、および水は前記試験例1と同じものを用いた。またホエイを基に限外濾過処理を行い、タンパク質の含有量と塩素の含有量の比率が互いに異なる4種類のホエイパウダーおよびホエイタンパク濃縮物を用意し、これらを単独でまたは組み合わせて用いた。これらを用いて前記試験例1と同じ手順でラクチュロース含有粉末組成物を製造した。原料液を調製する際の、ラクチュロース水溶液および食用乳糖の配合量、ならびにホエイパウダーおよびホエイタンパク濃縮物の種類と配合量を変化させることにより、下記表3に示す通りの組成を有する9種類のラクチュロース含有粉末組成物(試料番号B−1〜9)を得た。いずれの場合も粉末化に際して特段の問題はなかった。また、得られたラクチュロース含有粉末組成物について、前記試験例1と同様にして10時間放置後の外観および篩下透過比率を調べた。その結果を下記表4に示す。表3,4の結果より、いずれの試料もラクチュロース1質量部に対するタンパク質含有量(p/Lu)は約0.2質量部とほぼ一定であったのに、タンパク質1質量部に対する塩素の含有量(a/p)が0.14質量部と高かった試料番号B−1およびB−5では粉末の吸湿性が高く、10時間の放置で吸湿して固く固化付着するという望ましくない変化を示した。これに対して、a/pが0.08質量部以下であった粉末(試料番号B−2〜4およびB−6〜9)においては10時間放置後も流動性を保ち、良好な状態であった。従って、ラクチュロース含有粉末組成物の湿度安定性を確保するためには、タンパク質1質量部に対する塩素の含有量(a/p)が0.08質量部以下であることが必要であると認められた。また、ラクチュロースに対するタンパク質の含有量(p/Lu)を0.2〜9.0質量部の範囲で変化させても同様な結果が得られた。さらにタンパク質の種類を変更しても同様の結果が得られた。(試験例3)噴霧乾燥後の粉末における、ラクチュロースの含有量を5.1〜55質量%の範囲で変化させてラクチュロース含有粉末組成物を製造した。すなわち、市販のラクチュロース含有粉末組成物(森永乳業社製:ラクチュロース99%、固形分99%)、ホエイを基に限外濾過処理を行って調製したホエイタンパク濃縮物(タンパク質29.3%、塩素0.45%、固形分96%)、食用乳糖(ミライGmbH社製:乳糖95%、塩素0.3%、固形分95%)及び水を用い、前記試験例1と同様の手順で、表5に示す組成のラクチュロース含有粉末組成物(試料番号C−1〜5)を得た。なお、いずれも粉末化に際して特段の問題は生じなかった。また、得られたラクチュロース含有粉末組成物について、前記試験例1と同様にして10時間放置後の外観および篩下透過比率を調べた。その結果を下記表6に示す。(比較試験例1)特公昭40−861号公報に開示されているタンパク質を添加しないで噴霧乾燥する方法によりラクチュロース含有粉末組成物を製造した。すなわち、前記試験例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液と、前記試験例3で使用したのと同じ食用乳糖とを配合した混合液(ラクチュロース2%、ラクトース33%、固形分35%)を、吸気温度155℃、排気温度85℃の条件にて噴霧乾燥する方法で、下記表5に示す試料番号D−1の粉末(ラクチュロース含有量5.1%)を製造した。前記混合液中のラクチュロースの含有量を変えることによって、噴霧乾燥後の粉末におけるラクチュロース含有量が10%の粉末(試料番号D−2)およびラクチュロース含有量が15%の粉末(試料番号D−3)をそれぞれ製造した。いずれも粉末化に際して特段の問題はなかった。得られた各粉末について、前記試験例1と同様にして10時間放置後の外観および篩下透過比率を調べた。その結果を下記表6に示す。(比較試験例2)特公昭49−44332号公報(特許第778565号)の実施例1に記載されている手順に従って下記表5に示す組成の粉末(試料番号E−1)を製造した。すなわち、酸カゼイン(NZMP、ニュージーランド ディリーボード製、タンパク質84%)298gと、第三リン酸カリウム18gと、水7.3kgを混合して加温溶解したタンパク質含有溶液と、前記試験例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液10.0kgとを混合し、pHを6.5に調整した後、噴霧乾燥して、ラクチュロースの含有量が69%の粉末(試料番号E−1)を得た。噴霧乾燥時の温度条件は吸気温度155℃、排気温度85℃とした。粉末化に際して特段の問題はなかった。得られた粉末について、前記試験例1と同様にして10時間放置後の外観および篩下透過比率を調べた。その結果を下記表6に示す。(比較試験例3)特公昭49−44332号公報(特許第778565号)の実施例4に記載されている手順に従って下記表5に示す組成の粉末(試料番号E−2)を製造した。すなわち、前記試験例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液10.0kgと、ホエイ粉末(森永乳業社製、タンパク質12%)2.0kgと、水10.3kgとを混合した混合液をpH6.7に調整した後、前記比較試験例2と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロースの含有量が57%の粉末(試料番号E−2)を得た。粉末化に際して特段の問題はなかった。得られた粉末について、前記試験例1と同様にして10時間放置後の外観および篩下透過比率を調べた。その結果を下記表6に示す。表5,6の結果より、試験例3で得られたラクチュロース含有粉末組成物C1〜5のうち、ラクチュロース含有量が50%以下のC−1〜4は湿度安定性が良好であったが、ラクチュロース含有量が55%のC−5では湿度安定性が不十分となることが認められた。またタンパク質を添加せずに製造したD−1〜D−3では、粉末中のラクチュロース含有量を5.1%にまで少なくすると良好な湿度安定性が得られるものの、ラクチュロース含有量が10%以上になると湿度に対して不安定になることが認められた。さらに、粉末中のラクチュロース含有量が57%と多いE−2、および粉末中のラクチュロース含有量が69%と多く、塩素の含有量が0であったE−1では良好な湿度安定性が得らなかった。これらの結果より、良好な湿度安定性を得るための、噴霧乾燥後のラクチュロース含有粉末組成物におけるラクチュロースの含有量の上限は50%であることが認められた。また、ラクチュロース含有粉末組成物におけるラクチュロース含有量の下限については、該ラクチュロース含有粉末組成物を、試料など他の栄養組成物に添加して使用する場合、飼料等の組成への影響を抑えつつラクチュロースを強化できるようにするためには、ラクチュロース含有量が10%以上であることが好ましい。なお、上記試験例3および比較試験例1〜3において、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質の含有量を0.2〜9質量部の範囲で変化させ、またタンパク質1質量部に対する塩素の含有量を0.08質量部以下の範囲で変化させても同様の結果が得られた。さらにタンパク質の種類を変更しても同様の結果が得られた。(試験例4)本試験例は、本発明に係るラクチュロース含有粉末組成物の飼料添加物としての有用性を示すものである。すなわち、前記試験例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液6.12kgと、試験例1で使用したのと同じホエイタンパク濃縮物(WPC)1.00kg、ホエイパウダー(WP)(森永乳業(株)製:タンパク質12%、塩素1.9%、固形分96%)4.55kg、および水を配合して固形分40%に調整した後、65℃、30分加熱殺菌後、試験例1と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロース30%、タンパク質13%、塩素0.86%、p/Luが0.43質量部、a/pが0.066質量部のラクチュロース含有粉末組成物を得た。なお、粉末化に際しての特段の問題は生じなかった。離乳期のLWD系3元交雑種雌豚15頭を市販離乳期用飼料(コロミールGS、日本配合飼料社製)を用いて1週間馴化飼育後、5頭ずつ3群に分け、第1群は前記市販離乳期用飼料、第2群は前記市販離乳期用飼料に後記する比較対照のための添加物を添加配合した飼料、第3群は前記市販離乳期用飼料に上記で得たラクチュロース含有粉末組成物を1.5%(ラクチュロースとして0.45%)添加配合した飼料をそれぞれ用いて、自由摂取で2週間不断給与した。また飲水は自由摂取とした。前記第2群に与えた飼料には、比較対照のための添加物として、第3群に与えた飼料に添加したラクチュロース含有粉末組成物(添加濃度1.5%)に含まれているWPC及びWPの相当量、即ち、WPCを0.15%とWPを0.68%添加した。試験期間を通じて飼料の固化等の異常は生じなかった。試験開始時及び試験終了時に全頭の体重測定を行い、体重の増加量(増体重)を求めた。また試験終了時に残飼料量を測定して試験期間中の飼料摂取量を算出し、飼料摂取量を増体重の値で除した飼料要求率を算出した。これらの結果を下記表7に示す。表7において、試料開始時体重、試験終了時体重、増体重、試料摂取量、および試料要求率は、それぞれの群における平均値とばらつき範囲を示している。また飼料要求率の有意差については、統計的解析手法である一元配置におけるテューキーの方法によって多重比較を行い、pの値が0.05より小さいとき(有意水準5%のとき)に有意差有りと判定した。表7の結果より、第1群および第2群に比較して、本発明に係るラクチュロース含有粉末組成物を飼料に添加した第3群は、飼料要求率が有意に低値を示し、飼料効率が良いことが認められた。[実施例]以下、本発明に係る実施例を示す。(実施例1)カゼインナトリウム(ニュージーランドデイリーボード社製:タンパク質91%、塩素0.14%、固形分95%)2.63kgと水11.3kgとを混合して溶解し、これとラクチュロース水溶液(森永乳業社製:ラクチュロース49%、固形分70%)10.2kgとを混合し、80℃、10分保持して殺菌した後、ニロアトマイザー(Niro Inc.社製)で、吸気温度155℃、排気温度85℃の条件にて噴霧乾燥し、ラクチュロース含有粉末組成物8.5kgを得た。噴霧乾燥には特段の問題を見出さなかった。得られたラクチュロース含有粉末組成物の組成は、ラクチュロース50%、タンパク質24%、塩素0.04%、水分3.1%であり、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質の含有量は0.5質量部、タンパク質1質量部に対する塩素の含有量は0.001質量部であった。得られたラクチュロース含有粉末組成物10gを直径50mmの100mlビーカーに入れて、温度25℃、相対湿度81%の湿度環境下に開放で放置し、10時間後に外観を観察するとともに、16メッシュの篩にて篩過して通過した粉末量の比率を算出した。その結果、10時間の放置により若干の軟塊を認めたが、振動により崩壊して流動性を維持しており、篩下透過比率は94%と良好な湿度安定性を有していた。(実施例2)大豆分離タンパク質であるフジプロWR(フジプロテインテクノロジー社製:タンパク質91%、塩素0.18%、固形分94%)8.36kgと水23.6kgとを混合して溶解し、これと前記実施例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液16.3kgとを混合して60℃まで加温した後、72℃、15秒の殺菌を行った。殺菌後の溶液24.1kgを前記実施例1と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロース含有粉末組成物8.7kgを得た。乾燥には特段の問題を見出さなかった。得られたラクチュロース含有粉末組成物の組成は、ラクチュロース40%、タンパク質38%、塩素0.08%、水分3.3%であり、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質含有量は1.0質量部、タンパク質1質量部に対する塩素含有量は0.002質量部であった。得られたラクチュロース含有粉末組成物10gについて、前記実施例1と同様にして湿度安定性を調べたところ、10時間の放置後でも粉末の流動性を維持しており、篩下透過比率94%と良好な湿度安定性を有していた。(実施例3)レンネットホエイより調製したホエイタンパク濃縮物(タンパク質35%、塩素0.94%、固形分95%)5.65kgと水12.4kgとを混合して溶解し、これと前記実施例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液6.12kgとを混合して65℃、30分間保持して殺菌した後、前記実施例1と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロース含有粉末組成物8.5kgを得た。乾燥には特段の問題を見出さなかった。得られたラクチュロース含有粉末組成物の組成は、ラクチュロース30%、タンパク質20%、塩素0.53%、水分3.3%であり、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質含有量は0.7質量部、タンパク質1質量部に対する塩素含有量は0.03質量部であった。得られたラクチュロース含有粉末組成物10gについて、前記実施例1と同様にして湿度安定性を調べたところ、10時間の放置後でも粉末の流動性を維持しており、篩下透過比率は95%と良好な湿度安定性を有していた。(実施例4)脱脂粉乳(森永乳業(株)製:タンパク質34%、塩素1.3%、固形分96%)7.06kgと水13.0kgとを混合して溶解し、これと前記実施例1で使用したのと同じラクチュロース水溶液4.08kgとを混合して80℃まで加温して10分間保持して殺菌した後、前記実施例1と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロース含有粉末組成物8.5kgを得た。乾燥には特段の問題を見出さなかった。得られたラクチュロース含有粉末組成物の組成は、ラクチュロース20%、タンパク質24%、塩素0.88%、水分2.9%であり、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質含有量は1.2質量部、タンパク質1質量部に対する塩素含有量は0.04質量部であった。得られた粉末10gについて、前記実施例1と同様にして湿度安定性を調べたところ、10時間の放置後でも粉末の流動性を維持しており、篩下透過比率は94%と良好な湿度安定性を有していた。(実施例5)ホエイタンパク濃縮物(ミライGmbH社製:タンパク質76%、塩素0.05%、固形分95%)1.34kg、ホエイパウダー(森永乳業社製:タンパク質12%、塩素1.9%、固形分96%)6.9kg、及び水13.4kgとを混合して溶解し、これとラクチュロース水溶液(ラクチュロース40%、固形分70%)2.5kgとを混合して63℃、30分間保持して殺菌した後、前記実施例1と同様にして噴霧乾燥し、ラクチュロース含有粉末組成物8.7kgを得た。乾燥には特段の問題を見出さなかった。得られたラクチュロース含有粉末組成物の組成は、ラクチュロース10%、タンパク質18%、塩素1.3%、水分3.3%であり、ラクチュロース1質量部に対するタンパク質含有量は1.8質量部、タンパク質1質量部に対する塩素が含有量は0.07質量部であった。得られたラクチュロース含有粉末組成物10gについて、前記実施例1と同様にして湿度安定性を調べたところ、10時間の放置後でも粉末の流動性を維持しており、篩下透過比率は93%と良好な湿度安定性を有していた。産業上の利用の可能性本発明によれば、製品として実用的なラクチュロース含有量を有するとともに、優れた湿度安定性を有するラクチュロース含有粉末組成物を簡便な工程で製造することができる。 噴霧乾燥後の粉末におけるラクチュロースの含有量が10〜50質量%、タンパク質の含有量がラクチュロース1質量部に対して0.2〜9.0質量部、塩素の含有量がタンパク質1質量部に対して0.08質量部以下となるように原料液を調製し、該原料液を噴霧乾燥することを特徴とするラクチュロース含有粉末組成物の製造方法。 前記原料液を構成する材料に対して、予めタンパク質と塩素の比率を変化させる処理を行うことを特徴とする請求項1記載のラクチュロース含有粉末組成物の製造方法。 前記タンパク質と塩素の比率を変化させる処理が限外濾過であることを特徴とする請求項2記載のラクチュロース含有粉末組成物の製造方法。 請求項1〜3のいずれか一項に記載のラクチュロース含有粉末組成物の製造方法により得られるラクチュロース含有粉末組成物。 請求項4記載のラクチュロース含有粉末組成物からなる飼料用添加物。


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