生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_膵リパーゼ阻害剤、脂肪分解抑制剤、及び、脂肪肝予防剤又は治療剤
出願番号:2004379703
年次:2010
IPC分類:A61K 36/73,A23L 1/30,A61P 3/04,A61P 3/06,A61P 43/00,C12N 9/99


特許情報キャッシュ

韓 立坤 齋藤 雅人 李 巍 奥田 拓道 JP 4494198 特許公報(B2) 20100416 2004379703 20041228 膵リパーゼ阻害剤、脂肪分解抑制剤、及び、脂肪肝予防剤又は治療剤 クラシエホームプロダクツ株式会社 306018365 韓 立坤 505004352 李 巍 505004363 奥田 拓道 505004374 八木 敏安 100120019 韓 立坤 齋藤 雅人 李 巍 奥田 拓道 20100630 A61K 36/73 20060101AFI20100610BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100610BHJP A61P 3/04 20060101ALI20100610BHJP A61P 3/06 20060101ALI20100610BHJP A61P 43/00 20060101ALI20100610BHJP C12N 9/99 20060101ALN20100610BHJP JPA61K35/78 HA23L1/30 BA23L1/30 ZA61P3/04A61P3/06A61P43/00 111C12N9/99 A61K 36/73 A23L 1/30 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特表2004−520413(JP,A) 国際公開第99/063979(WO,A1) 3 2006182722 20060713 15 20060809 鶴見 秀紀本発明は、膵リパーゼ阻害剤、脂肪分解抑制剤、及び、脂肪肝予防剤又は治療剤に関する。近年、総摂取カロリーの増加、特に脂肪摂取量の増加に伴い、肥満の割合が年々増加している。肥満は過栄養に基づく体脂肪の過剰蓄積状態であり、消費エネルギーに対し、摂取エネルギーが過剰になると、その過剰分を白色脂肪細胞の中性脂肪(体脂肪)として蓄積して生じる。体脂肪としての蓄積が大きい肥満は、美容上好ましくないばかりか、高脂血症(高コレステロール血症あるいは高トリグリセリド血症)、脂肪肝、糖尿病、高血圧等の様々な疾病を引き起こす原因となる。これらの疾病のうち、高脂血症は、血清脂質すなわちコレステロール、トリグリセリド、リン脂質、遊離脂肪酸等のうち1種以上の成分が異常に増加する状態であり、この状態が長期間続くと動脈壁にコレステロール等が沈着しやすくなり、動脈硬化を発症進展させる要因となる。また、脂肪肝は栄養過多やアルコール類の過剰摂取等により肝臓内に脂質、特に中性脂肪が過剰に蓄積した状態をいう。特に肥満による過栄養性の脂肪肝は、過剰なカロリー摂取により、末梢の脂肪組織からの脂肪酸動員が増加し、さらに肝での脂肪酸合成・中性脂肪合成が亢進することによって生じることが知られている。哺乳動物の生体内における脂肪の消化・吸収に際しては、膵リパーゼが重要な役割を果たしている。食事より摂取した脂肪は、腸管において胆汁酸により乳化され、膵臓から分泌されるリパーゼの作用を受けて分解が行われ、主にモノグリセラドにまでなり、吸収された後、小腸上皮細胞においてトリグリセライドに再合成され、カイロミクロンと呼ばれるリポタンパク粒子に取り込まれ、リンパを通じて血中に放出される。血中のリポタンパクに含まれるトリグリセライドを中性脂肪といい、筋肉等でエネルギーとして消費されるが、余分な中性脂肪は脂肪細胞に蓄積される。過剰に蓄積された状態が肥満である。食後、急激に血中の中性脂肪が上昇すると、脂肪が蓄積しやすい状態になる。膵リパーゼ阻害剤は、膵リパーゼの活性を抑制する性質を有することから、消化器内における上述したメカニズムによる脂肪分解を抑制することができ、これによって脂肪の消化・吸収を抑制し、生体内における脂肪の蓄積を予防する働きを有するものである。このような膵リパーゼ阻害剤作用を有する成分及びこのような成分を含有する食品が報告されている(例えば、特許文献1、2等)特開平5−255100号公報特開2004−161644号公報本発明は、上記現状に鑑み、安全性が高く、優れた膵リパーゼ阻害作用を有する新規な膵リパーゼ阻害剤及びこれを利用してなる脂肪分解抑制剤、飲食品組成物及び医薬品組成物を提供することを目的とするものである。本発明は、キラヤ抽出物を有効成分とすることを特徴とする膵リパーゼ阻害剤である。本発明は、上記膵リパーゼ阻害剤からなることを特徴とする脂肪分解抑制剤でもある。本発明は、上記膵リパーゼ阻害剤を含有することを特徴とする脂肪肝予防剤又は治療剤でもある。以下に、本発明を詳細に説明する。キラヤ抽出物は、南米に産するキラヤ(Quillaja saponaria MOLINA)樹皮の抽出物である。上記キラヤ抽出物を得るための抽出方法としては特に限定されず、例えば、キラヤ樹皮を乾燥し、粉末化する、若しくは、乾燥し、又は、乾燥することなく粉砕した後、常温又は加温下に、溶剤又は水により抽出するか、又は、ソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。ここで、使用される溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール等の低級アルコール、ベンゼン、エチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、又は、これら溶媒の1種若しくは2種以上の混液を挙げることができる。また、抽出後に、濾過、吸着樹脂による処理、活性炭処理等によって不純物を除去したものであってもよい。更に、保存安定性を改善するために、マルチトール、アルコール類等を添加したものであってもよい。なかでも、熱時水による抽出により得られたものが好ましい。上記キラヤ抽出物は、サポニン(キラヤサポニン等)を主成分とするものである。市販のキラヤ抽出物としては、例えば、丸善製薬社製のキラヤニンC−100等を挙げることができる。上記キラヤ抽出物は、必要に応じて部分加水分解したものであってもよい。加水分解は、通常の反応条件によって行うものであってよく、例えば、1%KOHによる室温での加水分解等を挙げることができる。上述した方法によって得られたキラヤ抽出物は、膵リパーゼ阻害作用を有し、膵リパーゼ阻害剤として使用することができるものである。本発明者らは、更に上記キラヤ抽出物の部分加水分解物の精製・分離・同定を行い、精製された各成分についても、膵リパーゼ阻害活性を確認し、キラヤ抽出物中に含まれる膵リパーゼ阻害剤としての有効成分を明らかにした。その結果、キラヤ抽出物の部分加水分解物中に含まれる下記一般式(1):で表される(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オン;(4S,6S)-tetrahydro-4-hydroxy-6-[(1S)-1-methylpropyl]-2H-Pyran-2-one、下記一般式(2):で表されるアンチアロール;Antiarol及び下記一般式(3):で表される4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸;4-O-a-L-rhamnopyranosyl-p-coumaric acidを有効成分として得ることができた。これらの化合物のうち、上記一般式(3)で表される4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸は、新規化合物である。新規化合物である4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸も本発明の一部である。上記(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オン、上記アンチアロール及び上記4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸は、上述した方法によって得られたキラヤ抽出物のHPLC等の公知の方法による分離精製によって得ることができる。(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オン及び上記アンチアロールは、既知化合物であり、既知の製造方法によって得ることができ、このような方法によって得られたものも膵リパーゼ阻害剤として使用することができる。上記キラヤ抽出物、上記(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オン、上記アンチアロール及び上記4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸は、膵リパーゼ阻害活性を有するものであることから、脂肪分解抑制剤として使用することができるものである。本発明は、上記成分を含有する飲食品組成物、医薬品組成物でもある。本発明の飲食品組成物、医薬品組成物は、脂肪分解抑制作用に基づく肥満予防効果、肥満治療効果、抗脂血症予防効果、抗脂血症治療効果、脂肪肝予防効果、脂肪肝治療効果が期待されるものである。上記飲食品組成物において、キラヤ抽出物を使用する場合の使用量は、0.05〜50質量%であることが好ましい。0.05質量%未満であると、脂肪分解抑制効果が充分に得られないおそれがあり、50質量%を超えて配合しても効果がそれ以上向上しにくく、不経済である。上記飲食品組成物において、(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オンを使用する場合の使用量は、0.0001〜10質量%であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、脂肪分解抑制効果が充分に得られないおそれがあり、10質量%を超えて配合しても効果がそれ以上向上しにくく、不経済である。上記飲食品組成物において、アンチアロールを使用する場合の使用量は、0.0001〜10質量%であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、脂肪分解抑制効果が充分に得られないおそれがあり、10質量%を超えて配合しても効果がそれ以上向上しにくく、不経済である。上記飲食品組成物において、上記4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸を使用する場合の使用量は、0.0001〜10質量%であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、脂肪分解抑制効果が充分に得られないおそれがあり、10質量%を超えて配合しても効果がそれ以上向上しにくく、不経済である。本発明の飲食品組成物は、脂肪分解作用を有するものである旨や肥満予防、肥満治療、高脂血症予防、高脂血症治療、脂肪肝予防、脂肪肝治療などのために用いられるものである旨の表示を付した食品をも包含するものである。更に、本発明の飲食品組成物においては、脂肪分解促進による効果を更に高めるために、更にその他の脂肪蓄積を阻害する効果を奏する物質を含有するものであってもよい。その他の脂肪蓄積を阻害する効果を奏する物質としては特に限定されず、例えば、糖・脂肪吸収阻害作用を有する物質として、ギムネマ抽出エキス、ガルシニアエキス、バナバ抽出エキス、サラシア、小麦抽出アルブミン、キトサン、アシアポリフェノール、米胚芽抽出物 、フォルスコリ末、サポニン等が挙げられる。脂肪燃焼促進作用物質として、大豆ペプチド、アルギニン、カフェイン、カプサイシン、エフェドリン、ピペリン、カルニチン、プロリン等を挙げることができる。食欲抑制作用物質としては、L−ヒスチジン、又はグレープフルーツ等の柑橘系エキス等を挙げることができる。更に、新陳代謝を活性化し、痩身効果を高めるために、メリロートエキス、フーカスエキス、ブドウ種子抽出物、イチョウ抽出物、ハトムギ抽出物等を併用して用いることもできる。上記その他の脂肪蓄積を阻害する効果を奏する物質のうち、特に好ましいものとして、ギムネマ抽出エキス、フォルスコリ末、大豆ペプチド、アルギニン、ハトムギ抽出物 、L−ヒスチジン、プロリンである。風味を考慮すれば、L−ヒスチジン、プロリン等を挙げることができる。これらの脂肪蓄積を阻害する効果を奏する物質を1種又は2種以上を食品へ用いることができるが、特有の風味を有するものが多いため、食品全体の風味を考慮して適宜含有するのが好ましい。本発明の食品組成物を肥満予防剤又は肥満治療剤として使用する場合には、ダイエットによる肌の荒れを改善するために、ビタミンC、美白・コラーゲン合成作用を有する植物抽出物 、ヒアルロン酸及びその誘導体等の美容効果を奏する物質を含有するものであってもよい。特にビタミンCは、美白作用、コラーゲン合成作用を有するだけでなく、副腎皮質ホルモンを合成する働きを有し、ストレスによるイラツキを抑える効果があるため好ましい。美容効果を奏する物質は1種又は2種以上食品へ用いることができるが、その含有量は食品の風味及び、美容効果を考慮して適宜含有することができ、特に制限されない。本発明に用いられるビタミンCとしては、水溶性アスコルビン酸及びその誘導体が好ましい。水溶性アスコルビン酸誘導体としては、L−アスコルビン酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパンノールアミン塩;L−アスコルビン酸−2−リン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパンノールアミン塩;L−アスコルビン酸−2−硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパンノールアミン塩;L−アスコルビン酸−2−O−グルコシド等のアスコルビン酸糖誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの水溶性アスコルビン酸誘導体のうち、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−O−グルコシドが特に好ましい。また、ビタミンCの安定性を高めるために、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等等の有機酸と併用するのが好ましい。本発明に用いられる美白・コラーゲン合成作用を有する植物抽出エキスとしては、美白効果、コラーゲン合成作用を有するものならば特に限定されないが、カンゾウ、モモ、ツバキ、ジオウ、オトギリソウ及びビワの抽出物から選ばれる1種又は2種以上の植物抽出物を用いるのが好ましい。これらは美白作用、保存安定性に優れ、好ましい。これらの抽出物は、葉、実、種子の脱脂物、根及び/又は根茎等から得られるものを使用することができる。抽出方法としては、水、1,3−ブチレングリコール又はこれらの混液で抽出することができる。また、油溶性抽出物も、無水エタノールで抽出、濃縮後、更にスクワランで抽出することにより得ることができる。更に、本発明の食品組成物は、ビタミン、ミネラルを含有するものであってもよい。上記ビタミンとしては、脂肪蓄積を阻害する効果を向上させる点からビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、イノシトール等を好適に使用することができる。ミネラルとしては、亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウム、クロム、セレン、カリウム、ナトリウムが挙げることができ、特にアスパラギン酸等のアミノ酸、グルコン酸、ピコリン酸等の有機酸等でキレートされているものが、吸収性が良く好ましい。本発明の食品組成物は、更に、ローヤルゼリー、鮭白子抽出物(DNA Na)、酵母抽出物(RNA)等を含有するものであってもよい。これらの食品への含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜5質量%である。本発明の食品組成物は、その他必要に応じて、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等)、着色剤、香料(バニリン、リナロール、天然香料等)、香味料(ラズベリーフレーバー、アップルフレーバー、コーヒーフレーバー等)、湿化防止剤、食物繊維、電解質、抗酸化剤、保存剤、湿潤剤等本発明の効果に悪影響を与えない限りいかなるものでも含有することができる。本発明の食品組成物の種類としては、特に制限されない。例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、チューインガム、グミゼリー、チョコレート、キャンディ、飲料、スープ、アイスクリーム、麺類、ベーカリー食品等の食品とすることができる。食品の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、ジェル、粉末、液体、顆粒、クリーム状、ペースト状、固形等を挙げることができる。本発明の医薬品組成物は、上記膵リパーゼ阻害剤を有効成分とするものであり、肥満予防剤、高脂血症予防剤、脂肪肝予防剤として使用することができるものである。本発明の医薬品組成物は、生物に対する毒性が低い化合物であることから、そのまま、又は、薬理学的に許容される担体等を併用して、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル)魚類等に対して、医薬組成物として適用することができる。上記薬理学的に許容される担体としては特に限定されず、製剤素材として公知である各種担体物質を使用することができる。上記担体物質としては特に限定されず、例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等を挙げることができる。上記担体物質に加えて、更に、防腐剤、着色剤、天然色素、甘味剤等の製剤添加物も必要に応じて用いることができる。液状製剤における上記担体物質としては特に限定されず、例えば、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤等として配合されるもの等を挙げることができる。更に、防腐剤、着色剤、水不溶性レーキ色素、甘味剤等の製剤添加物も必要に応じて用いることができる。上記医薬組成物の剤形としては特に限定されず、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、シロップ剤、トローチ剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。これらの製剤は、ヒトを含む哺乳動物に対して安全に投与することができるものである。本発明化合物又はその製薬上許容される塩を医薬又は動物薬として投与する場合、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば0.1〜99.5%、好ましくは、0.5〜90%含有する医薬組成物として、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。非経口投与は、通常の方法によって調製された液状用量単位形態、例えば、溶液や懸濁液の形態の注射剤を用いることによって行うことができる。本発明化合物の投与量は年齢、体重等の患者の状態、病気の性質と程度等を考慮した上で設定することが望ましいが、抗菌剤としてヒトへ経口的に投与する場合は、成人に対して0.1〜100mg/kg/日、好ましくは、0.5〜10mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよく、非経口的に投与する場合は、投与方法により大きく異なるが、通常0.001〜10mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよい。グルタミン酸取り込み阻害剤としては、経口的に投与する場合は0.01〜10mg/kg/日、好ましくは0.1〜1mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよく、非経口的に投与する場合は、通常0.001〜1mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよい。本発明の膵リパーゼ阻害剤は、安全性が高く、優れた活性を有するものであり、食品組成物、医薬品組成物において使用することができる。以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り、「質量部」、「質量%」を表す。実施例1 キラヤ抽出物の分離・精製市販のキラヤ抽出物(熱水抽出物、丸善製薬社製キラヤニンC−100)10gを1%KOH中(50mL)に溶解し、室温で1時間静置した。その後、当量の酢酸を添加することによって中和し、ここにn−ブタノールを加え、溶媒抽出を行った。n−ブタノール層を濃縮し、3gのキラヤ抽出物の加水分解物を得た。得られた部分加水分解キラヤをメタノール/水混合溶媒系(MeOH40%)でHPLCによる分離を行った。これによって、(4S,6S)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−[(1S)−1−メチルプロピル]−2H−ピラン−2−オン(収量262mg;以下、これを化合物1と記す)、アンチアロール(収量1.6mg;以下、これを化合物2と記す)、4−O−a−L−ラムノピラノシル−p−クマリン酸(収量2.8mg;以下、これを化合物3と記す)を単離した。これらの化合物のNMR測定結果を表1〜3として示す。またNMRチャートを図1〜6として示す。試験例1 膵リパーゼ活性の測定(試験例1−1)膵臓リパーゼ活性はトリオレインからのオレイン酸遊離量を測定することによって算出した。トリオレイン(SIGMA Chemical Co.(米国)製)80mg、レシチン10mg(和光純薬工業株式会社製)、胆汁酸(SIGMA Chemical Co.(米国)製)5mgを9mlの0.1M TES緩衝液(pH7.0)中で10分間超音波処理を行うことで均一な懸濁液とし、これを基質液として用いた。基質液0.1mlにブタ由来の膵リパーゼ液(SIGMA Chemical Co.(米国)製)0.05ml(最終濃度1μg/ml)及び検体液0.1mlを加え、37℃、30分間反応させ、遊離した脂肪酸を銅試薬法で定量した。活性値は検体無添加の値を100%として各検体の活性値を算出した。なお、検体液としては、キラヤ抽出物、化合物1〜3のそれぞれを4種類の濃度で水に溶解した溶液を使用した。結果を図7に示す。(試験例1−2〜4)試験例1−1におけるキラヤ抽出物にかえて、化合物1〜3を用いて試験を行った以外は試験例1−1と同様の方法で膵リパーゼを測定した。結果をそれぞれ図8(化合物1)、図9(化合物2)及び図10(化合物3)にそれぞれ示した。試験例2 脂質負荷後ラット血中脂質の変動の測定a.コーンオイルのエマルジョンの調製コーンオイル(ナカライテスク株式会社製)3mlをコール酸(SIGMA Chemical Co.(米国)製)40mg、コレステロールオリエート(東京化成工業株式会社製)1g及び純水3mlと共に10分間超音波処理し、この超音波処理した溶液をコーンオイルのエマルションとした。b.方法ラットを1群5匹としてコントロール群、キラヤ抽出物50mg/kg体重の投与群とキラヤ抽出物100mg/kg体重の投与群の3群に分け、一晩絶食し脂質負荷実験を行った。コントロール群ではコーンオイルのエマルジョンのみを非麻酔下でラットに経口投与した。キラヤ抽出物50mg/kg体重の投与群またはキラヤ抽出物100mg/kg体重の投与群においてキラヤ抽出物を含有するコーンオイルエマルジョンを投与した。コーンオイルエマルジョン投与前、投与後30、60、120、180、240、300分まで非麻酔下でラットの尾静脈より採血した。血漿中の中性脂肪含量の測定は和光純薬のトリグリセライド−E−テストキットを用いて測定した。結果を図11に示した。これらの結果から、キラヤ抽出物、及び、キラヤ抽出物より単離・精製された化合物1〜3は、いずれも優れた膵リパーゼ阻害効果を有し、血中脂質を低減させることができることが明らかになった。これによって、キラヤ抽出物、化合物1〜3を含有する飲食品組成物及び医薬品組成物が、脂肪の蓄積を予防・改善し、各種疾患の予防、治療、改善効果を有するものであることが明らかになった。以下に、本発明のキラヤ抽出物を使用した飲食物組成物の処方例を示す。処方例1 チューインガム下記組成のチューインガムを調製した。ガムベース 20マルチトール 73.5還元水あめ 4アップル香料 0.5キラヤ抽出物 2(質量部)処方例2 錠菓下記組成で錠菓を調製した。ソルビトール 72.9ショ糖脂肪酸エステル 4ラズベリー香料 0.1キラヤ抽出物 13(質量部)以下に、本発明のキラヤ抽出物又は化合物1〜3を含有する医薬品組成物の処方例を示す。処方例3 錠剤キラヤ抽出物 1乳糖 93合成ケイ酸アルミニウム 5ステアリン酸マグネシウム 1(質量部)(操作)上記の各成分を混合し、その混合物を打錠機で1錠300mgに打錠して1錠中にキラヤ抽出物30mgを含む錠剤を得た。処方例4 錠剤キラヤ抽出物を化合物1に代えた以外は、処方例3と同様にして錠剤を得た。処方例5 錠剤キラヤ抽出物を化合物2に代えた以外は、処方例3と同様にして錠剤を得た。処方例6 錠剤キラヤ抽出物を化合物3に代えた以外は、処方例3と同様にして錠剤を得た。本発明の膵リパーゼ阻害剤は、脂肪分解抑制剤として作用することによって、体内での脂肪の消化吸収を抑制し、体内での脂肪の蓄積を予防・治療・改善することができるものである。これによって、本発明の膵リパーゼ阻害剤を配合した飲食品組成物及び医薬品組成物は、肥満、高脂血症、脂肪肝の予防・治療・改善に使用することができるものである。化合物1の1H−NMRチャートを示す図である。化合物1の13C−NMRチャートを示す図である。化合物2の1H−NMRチャートを示す図である。化合物2の13C−NMRチャートを示す図である。化合物3の1H−NMRチャートを示す図である。化合物3の13C−NMRチャートを示す図である。キラヤ抽出物の膵リパーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。化合物1の膵リパーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。化合物2の膵リパーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。化合物3の膵リパーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。キラヤ抽出物の脂質負荷後ラット血中脂質の変動の測定結果を示す図である。キラヤ抽出物を有効成分とすることを特徴とする膵リパーゼ阻害剤。請求項1記載の膵リパーゼ阻害剤からなることを特徴とする脂肪分解抑制剤。請求項1記載の膵リパーゼ阻害剤を含有することを特徴とする脂肪肝予防剤又は治療剤。


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