生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤
出願番号:2004367360
年次:2011
IPC分類:A61K 31/727,A61K 9/08,A61K 47/02,A61K 47/12,A61K 47/18,A61P 7/02,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

尾尻 孝之 石賀 肇 谷口 昌弘 中村 真弘 JP 4802492 特許公報(B2) 20110819 2004367360 20041220 ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤 ニプロ株式会社 000135036 尾尻 孝之 石賀 肇 谷口 昌弘 中村 真弘 20111026 A61K 31/727 20060101AFI20111006BHJP A61K 9/08 20060101ALI20111006BHJP A61K 47/02 20060101ALI20111006BHJP A61K 47/12 20060101ALI20111006BHJP A61K 47/18 20060101ALI20111006BHJP A61P 7/02 20060101ALI20111006BHJP A61P 43/00 20060101ALI20111006BHJP JPA61K31/727A61K9/08A61K47/02A61K47/12A61K47/18A61P7/02A61P43/00 111 A61K 31/727 A61K 9/08 A61K 47/02 A61K 47/12 A61K 47/18 特開2002−104976(JP,A) 特開2003−183154(JP,A) 1 2006169214 20060629 8 20070712 松波 由美子 本発明はヘパリン溶液入りプレフィルドシリンジ製剤およびその製造方法に関する。 ヘパリンは、動物の肝臓、肺あるいは腸粘膜から得られるムコ多糖類の硫酸エステルであり、ウロン酸とグルコサミンが交互に1,4結合した構造を有している。分子量は5000〜20000程度であり、血液凝固阻止作用、脂血清澄作用等の作用がある。 このため、低濃度のヘパリンを含有する生理食塩液は、カテーテル内の血液凝固を防止する(ヘパリンロックという)ことを目的として、医療機関で使用されている。 長期間輸液(特に高カロリー輸液)を投与されている患者が入浴等の理由で点滴を一時中断する場合に、カテーテルを留置したままラインを無菌的に閉じることがあるが、この際に、血液と点滴液との接点で血栓を生成する恐れがある。このような場合に、血液と接する液をヘパリン溶液とすることによって、ラインに血栓が生成するのを抑制できる。 このような目的で医療用に用いられるヘパリンの製剤としては、ヘパリンのナトリウム塩、カルシウム塩などを含有する製剤が知られており、ヘパリンナトリウムを含有する製剤としては、日本薬局方品のヘパリンナトリウム注射液がある。この注射液製剤は1mL当たり1000単位のヘパリンナトリウムを含有し、無色〜淡黄色澄明の水性のものであり、pHは5.5〜8、浸透圧比は約1(生理食塩液に対する比)等の性状を有している。 従来は、病院内でこのような高濃度のヘパリンナトリウム注射液(1000単位/mL)を10〜100倍程度に希釈しておき(ヘパリン濃度として10〜100単位/mL程度)、用時に必要量(1〜10mL程度)を使用していた。 しかし、このような院内処方には、調製時の細菌汚染、分割使用による細菌汚染、希釈作業・作業の煩雑さ、調製時の希釈ミス、シリンジ分注後の表示ミス、医療過誤(取り違え)等の問題点があった。また、院内処方品は市販のヘパリン製剤を単に生理食塩液で希釈しただけなので、保存期間中に菌の繁殖・腐敗が進み、pHの低下に伴って力価も低下するため、数ヶ月単位の保存を行うことは出来なかった。 そこで、希釈等の作業を行うことなくそのままでヘパリンロック等に使用できる低濃度のヘパリン注射液製剤が開発され、既に日本国内で販売されている。 例えば、特許文献1および2には、乳酸カルシウムを含有する、熱滅菌可能なヘパリン注射液製剤が記載される。 特許文献3には、クエン酸塩でpH6〜8に調整し、可撓性プラ容器に封入されたヘパリン注射液製剤が記載される。 特許文献4には、クエン酸等あるいはその塩を配合し、高圧蒸気滅菌可能なヘパリン注射液製剤が記載される。 特許文献5には、 1〜100単位/mLのヘパリンを含有し、等張化剤(塩類又は糖類)を含有し、防腐剤を含まない、高圧蒸気滅菌されたヘパリン注射液製剤が記載される。 特許文献6には、 5〜150単位/mLのヘパリンおよびベンジルアルコールを含有し、ガスバリア性包装材で外装され(脱酸素剤を封入)、pH約5.5〜8.5に調整されたヘパリン注射液製剤が記載されている。 さらに、近年になって、使用時の簡便性や無菌性を維持するため、シリンジに充填された注射液製剤(プレフィルドシリンジ製剤)も開発され、いくつかの製品が存在する(非特許文献1等)。 これらの注射液製剤はヘパリンロック用に用いられる低濃度(約1〜150単位)のヘパリン製剤であるが、ヘパリンロックとは別の用途として、血液透析等の体外循環装置使用時に血液回路内に血栓ができるのを防止することを目的とした用途がある。この際、血液が希釈されることは患者への負担となり好ましくないため、高濃度のヘパリン溶液をポンプで微量ずつ血液回路に添加する。 そして、そのような血液体外循環時に使用する高濃度(約160〜1000単位/mL)のヘパリン含有製剤は既に製品化されている。非特許文献2には、「血液透析その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止」を効能・効果とする250単位/mLのヘパリンを含有するヘパリン注射液製剤(プラスチック製アンプル入り製品)が記載される。 また、そのプレフィルドシリンジ製剤も製品化されている(非特許文献3)。 しかしながら、プレフィルドシリンジ製剤は、一般的にその製造工程が煩雑である。特にプレフィルドシリンジ製剤は外包装を行った後に高圧蒸気滅菌するのが一般的であり、高圧滅菌室の限られたスペース内に外包装された製品を収納するため、アンプル製品等に比べて1回の処理製品数は少なくなってしまう。このことが製造効率の低下につながるといった問題点があった。特表平2−503199特表平4−507108特開2002−87968特開2002−104976特開2003−183154特開2004−10596ヘパリンNaロック10シリンジ添付文書 2003年6月改訂透析用ヘパリンNa注250単位/mL添付文書 2004年7月改訂ヘパリンNa500単位/mLシリンジ「NP」添付文書2004年4月作成 本発明の課題は、安定性に優れたヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤およびその効率的な製造方法を提供することにある。 本発明者らは、上記の事情を考慮して鋭意検討を行った結果、安定化剤を含有したヘパリン注射液製剤をシリンジに充填し、高圧蒸気滅菌を行った後に外包装を行うことにより、上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。 従来のヘパリン注射液製剤は、注射針が血管内へ穿刺されたことを確認するために、ガスケットを引く操作が行われ、この引きしろ部分のガスケット内部も注射液に接触するため滅菌しておく必要があった。従って滅菌工程は必ず外包装の後に行われていた。ヘパリンロック用の注射液製剤においてもカテーテルへの注入時にガスケットが血圧により押し戻されるといった可能性があり、同様の滅菌が必要であった。 しかしながら、血液体外循環用に使用されるヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤は、血液透析器等の体外循環回路のポンプに接続され持続的に押し出されるのみであり、押し戻されることはない。すなわち、一端ガスケットを引くような操作は必要ない。従って、薬液充填後のシリンジを滅菌し、充填薬液のみが滅菌状態を維持されていればよい。 本発明者らは、このように外包装前に滅菌を行うことが可能であることを見出し、本発明に至った。 すなわち、本発明は、(1) ヘパリンを約160〜1000単位/mL含有するヘパリン溶液をシリンジに充填し、そのまま高圧蒸気滅菌を施して得られる、ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤、(2) 高圧蒸気滅菌後のpHが約6〜9である、上記(1)の製剤、(3) クエン酸、コハク酸、リン酸、炭酸、乳酸のいずれかの塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタンの酸付加塩を含有する、上記(1)記載の製剤、(4) ヘパリンナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび注射用水からなり、高圧蒸気滅菌を施してなる、上記(1)記載の製剤、および(5) 約160〜1000単位/mLのヘパリンを含有するヘパリン溶液を調製し、得られたヘパリン溶液をシリンジに充填密封し、そのまま高圧蒸気滅菌を施すことを特徴とする、ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤の製造方法に関する。 本発明のヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤は、これによって、外包装後のシリンジを滅菌するのに比べて、一度に大量のシリンジ製剤を滅菌することができ、製造工程で律速段階となっている滅菌工程を効率化でき、製造コストを大幅に削減することができる。 本発明のプレフィルドシリンジ製剤は、ヘパリンまたはその塩を含有するヘパリン溶液充填したプレフィルドシリンジ製剤である。 本発明に用いられるヘパリンは種々公知のものを使用できる。すなわち、健康な食用獣(例えば、ウシ、ブタ等)の肝、肺あるいは腸粘膜から得られ、血液凝固阻止作用、脂血清澄作用を有する、ムコ多糖類の硫酸エステルであり、ウロン酸とグルコサミンが交互に1,4結合した構造を有する、分子量は通常、約5000〜20000程度である。 ヘパリンの調製は公知の方法に準じて行われる。例えば、第14日本薬局方に開示された方法等が利用できる。 ヘパリンの塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩等が例示される。ナトリウム塩は第14日本薬局方収載品として、カルシウム塩は1980年のイギリス薬局方または第14日本薬局方の局外規収載品として入手可能である。 また、本発明のヘパリンとしては低分子ヘパリン(一般名パルナパリン)も例示される。このものはウシまたはブタ腸粘膜由来のヘパリンを過酸化水素と硫酸第二銅により分解して得られた解重合ヘパリンであり、平均相対分子量4500〜6500、硫酸エステル化の度合は二糖類当たり2.0〜2.4である。 本発明の製剤におけるヘパリンまたはその塩の濃度としては、通常約160〜1000単位/mL、好ましくは200〜800単位/mLが例示される。 充填されるヘパリン溶液には、生理的に等張化するのに有効な量の等張化剤を含有することが好ましい。等張化剤としては、塩化ナトリウム等の塩類、ブドウ糖等の糖類が挙げられる。ヘパリン溶液の浸透圧は、生理学的に許容される程度であればよく、具体的には通常約0.9〜1.1、好ましくは約1(生理食塩液に対する比)程度である。 また、ヘパリン溶液のpHは、通常約6〜9であり、好ましくは約6.0〜7.5である。pHが6より小さいと、高圧蒸気滅菌時あるいは長期保存時に製剤中のヘパリン溶液の力価が低下してしまうためである。 本発明においては滅菌後における製剤中のヘパリン溶液においても、通常、そのpHは6〜9であり、好ましくはpH6.0〜7.5である。 本発明においてヘパリン溶液のpHを約6〜9に維持するためには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いる方法(以下、これらの添加剤をpH調節剤と呼称する)、クエン酸、コハク酸、リン酸、炭酸、乳酸のいずれかの塩またはトリスヒドロキシメチルアミノメタンの酸付加塩等のpH約6〜9で緩衝作用を有する塩を用いる方法(以下、これらの添加剤をpH緩衝剤と呼称する)などが挙げられる。 後者のpH緩衝剤の塩として好ましいのは、クエン酸などの酸の場合はナトリウム、カリウムなどの強塩基との塩であり、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの場合は塩酸などの強酸との酸付加塩である。具体的には、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸二ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二カリウム、コハク酸一カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素一カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩などが挙げられ、それらの混合物をpH緩衝剤として用いてもよい。これらの中でも特にクエン酸ナトリウムなどが好適に用いられる。 これらのpH緩衝剤は、不斉炭素原子に基づく光学異性体を有することがある(例えば乳酸)が、すべての異性体及びそれらの混合物も本発明の範囲に含まれる。 本発明において、pH緩衝剤は当該塩を含む緩衝液(例えば、リン酸緩衝液など)の態様であってもよい。pH緩衝剤がリン酸緩衝液である場合は、例えば、リン酸一水素二ナトリウムとリン酸二水素一ナトリウムの組み合わせからなる緩衝液などが例示される。 pH緩衝剤の添加濃度としては、通常、約0.1〜10mM程度であり、より好ましくは約1〜10mM程度である。 上記のpH調節剤またはpH緩衝剤(以下、両者を併せてpH調整剤と呼称する)を配合することにより、高圧蒸気滅菌後も上記ヘパリン溶液のpHを6以上に保持することができ、その結果該ヘパリン溶液の力価の低下を防ぐことができる。 本発明のプレフィルドシリンジ製剤は、防腐剤を配合していないことが好ましい。防腐剤とは、微生物の発育を妨げ、またはこれを死滅させる薬剤をいい、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、クレゾール、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。本発明のプレフィルドシリンジ製剤においては、防腐剤の中でも特にベンジルアルコールを含まないことが好ましい。製剤の保存に際し、汎用的なブチルゴム製の栓を用いることができ(従来のベンジルアルコール入りのヘパリン溶液入りプレフィルドシリンジ製剤はテフロン(登録商標)等でコーティングされたゴム栓を使用する必要があった)、また遮光下で製剤を保存する必要がないという利点も有する(従来のベンジルアルコール入りのヘパリン溶液入りプレフィルドシリンジ製剤は、ベンジルアルコールが光により分解されることから遮光下で製剤を保存する必要があった)。 本発明のヘパリン溶液入りプレフィルドシリンジ製剤は、注射器および上記のヘパリン溶液から構成される。該プレフィルドシリンジ製剤に使用される注射器は特に限定されず、従来公知のものを好適に用いることができる。例えば、昭和61年3月12日薬審第98号通知事例1に記載された形状のもの等が使用できる。 本発明の注射器は、シリンジ(注射筒)およびガスケット等から構成される。該シリンジは一端(基端開放部)側の開口にガスケットがはめ込まれ、他端(先端開放部)側にガスケットの押し込みによりヘパリン溶液を排出する排出口を有する筒状体である。排出口には、使用前には通常、キャップがはめ込まれ、上記ガスケットとともに薬液を保持してなる。また、該ガスケットには、プランジャーロッドが連結されていてもよい。シリンジの基端からキャップ先端までの長さ、およびシリンジの内径は充填する薬液(ヘパリン溶液)の容量によって適宜決定することができる。 本発明において使用されるシリンジおよびプランジャーロッドの材質としては通常のプラスチックあるいはガラスが挙げられる。プラスチックとしては、例えば、ポリオレフィン系(例、ポリエチレン、ポリプロピレン)などが例示される。容量としては本製剤の臨床使用量に合せて適宜決定することができる。具体的には1〜20mL容のものが例示される。ガラス製またはプラスチック製のシリンジを必要に応じて、焼き付けまたは塗布によりシリコン等で処理して、ガスケットの摺動抵抗を小さくし、シリンジ内でのガスケットの移動を容易にすることができる。排出口の形成される先端開放部は、接続する器具の形状に対応するルアーチップ形状になっていることが、注射針または血管カテーテルとの接続の容易さの観点から好ましい。本発明において使用されるキャップは特に限定されないが、好ましくはゴム製または熱可塑性エラストマーなどの弾性体キャップである。該ガスケットには、好ましくはプランジャーロッドが結合する手段、例えば螺子部が設けられていてもよい。また、プランジャーロッドとガスケットとは一体に成形されていてもよい。 本発明の製剤は以下のように製造される。 すなわち、ヘパリンまたはその塩、および生理的に等張化するのに有効な量の等張化剤を含有するヘパリン溶液に、上記のpH調整剤を配合してpH調整し、ヘパリン溶液を得る。上記シリンジの先端開放部に上記キャップを装着し、シリンジの基端開放部からノズルにより該ヘパリン溶液を、キャップを装着したシリンジに充填する。ヘパリン溶液のシリンジへの充填は、例えば小分け分注によって行う。その後、真空打栓法またはスリーブ打栓法等により、上記ガスケットを基端開放部に装着する。次いで、該ガスケットを装着したヘパリン溶液入りプレフィルドシリンジ製剤に高圧蒸気滅菌を施す。その後に必要に応じて、ブリスター包装等の種々公知の外包装でシリンジを密封する。 本発明では、プレフィルドシリンジ製剤に高圧蒸気滅菌を施すことにより本製剤の安全性を確保することができる。ヘパリン溶液のpHを約6以上とし、より好ましくは高圧蒸気滅菌後のpHも約6以上とすることにより、高圧蒸気滅菌を施しても滅菌後のヘパリン溶液のpHが著しく低下してしまい、その結果十分な薬効を発揮できないほどにヘパリン溶液の力価が低下するという問題の起こらない製剤を得ることができる。 高圧蒸気滅菌の条件としては、圧力として飽和蒸気圧に約0.1〜5気圧を上乗せした圧力、温度は約105〜130℃、時間は約1〜60分間程度が好ましい。 本発明のプレフィルドシリンジ製剤は、使用時にキャップを取り外して、血液透析器のポンプなどの器具と接続する排出口側の密封を解除して、該器具に接続する。 本発明の製剤は、体外循環時(血液透析)に使用される場合において、全身ヘパリン化法の場合、通常、透析開始に先立って、約1000〜3000単位を投与し、透析開始後は、1時間当たり、約500〜1500単位を持続的に、又は1時間ごとに約500〜1500単位を間歇的に追加する。局所ヘパリン化法の場合は、1時間当たり約1500〜2500単位を持続注入し、体外灌流時に硫酸プロミンで中和する。 以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。<10mL製剤中>有効成分: ヘパリンナトリウム 5000単位(第14日本薬局方収載品)等張化剤: 塩化ナトリウム 99.0mg緩衝剤: クエン酸ナトリウム 2.94mgpH調整剤: 水酸化ナトリウム 適量溶剤: 注射用水 適量 ヘパリンナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムを上記組成となるように注射用水に溶解し、水酸化ナトリウム適量を加えpH約7.0に調整した。溶解した調整薬液をフィルター(ミリポア社製、デュラポアCVGL71TP3×1)で濾過し、貯液タンクに移送し貯留した。ポリプロピレン製の滅菌済みバレルにキャップを装着した後、貯液タンクから滅菌済みバレル内に薬液を10mL充填し、ガスケットを打栓した。薬液充填済みシリンジは、高圧蒸気滅菌機(GETINGE社製、GEV141851 AR2)により高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施した。滅菌後の薬液のpHは約7.0、浸透圧比は約1(生理食塩液に対する比)であった。 その後、ブリスター包装によりシリンジを外包装し、ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤を得た。<20mL製剤中>有効成分: ヘパリンナトリウム 10000単位(第14日本薬局方収載品)等張化剤: 塩化ナトリウム 180.0mg緩衝剤: クエン酸ナトリウム 5.88mgpH調整剤: 水酸化ナトリウム 適量溶剤: 注射用水 適量ヘパリンナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムを上記組成となるように注射用水に溶解し、水酸化ナトリウム適量を加えp H 約7 . 0 に調整した。溶解した調整薬液をフィルター( ミリポア社製、デュラポアC V G L 7 1 T P 3× 1) で濾過し、貯液タンクに移送し貯留した。ポリプロピレン製の滅菌済みシリンジにキャップを装着した後、貯液タンクから滅菌済みバレル内に薬液を2 0 m L 充填し、ガスケットを打栓した。薬液充填済みシリンジは、高圧蒸気滅菌機( G E T I N G E 社製、G E V 1 4 1 8 5 1 A R 2) により高圧蒸気滅菌( 1 2 1 ℃ 、2 0 分) を施した。滅菌後の薬液のp H は約7 . 0 浸透圧比は約1 ( 生理食塩液に対する比) であった。その後、ブリスター包装によりシリンジを外装し、ヘパリン注射液プレフィルドシリンジ製剤を得た。 以上 本発明は、血液透析等の体外循環装置使用時の血液凝固の防止のために用いることができ、体外循環回路への持続注入用注射剤として好適に用いることができる。500〜1000単位/ m L のヘパリンを含有し、かつpH7.0であるヘパリン溶液を調製し、得られたヘパリン溶液10mL〜20mLをポリプロピレン製シリンジに充填密封し、そのまま高圧蒸気滅菌を施し、次いでブリスター包装することを特徴とする、血液透析器のポンプに接続される持続注入用ヘパリン含有プレフィルドシリンジ製剤の製造方法。 以上


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