生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_油中水型乳化化粧料
出願番号:2004358823
年次:2010
IPC分類:A61K 8/25,A61K 8/73,A61K 8/06,A61K 8/92,A61K 8/892,A61Q 19/00,A61Q 1/12


特許情報キャッシュ

田屋 潤 山川 勲 小林 大介 中平 盟 JP 4468797 特許公報(B2) 20100305 2004358823 20041210 油中水型乳化化粧料 日本メナード化粧品株式会社 592262543 田屋 潤 山川 勲 小林 大介 中平 盟 20100526 A61K 8/25 20060101AFI20100428BHJP A61K 8/73 20060101ALI20100428BHJP A61K 8/06 20060101ALI20100428BHJP A61K 8/92 20060101ALI20100428BHJP A61K 8/892 20060101ALI20100428BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20100428BHJP A61Q 1/12 20060101ALI20100428BHJP JPA61K8/25A61K8/73A61K8/06A61K8/92A61K8/892A61Q19/00A61Q1/12 A61K 8、A61Q 19 特開2004−026748(JP,A) 特開2002−275029(JP,A) 特開2001−294753(JP,A) 特開2000−219609(JP,A) 特開平03−072942(JP,A) 特開平07−061907(JP,A) 特開昭63−033311(JP,A) 特開2004−224709(JP,A) 特開2000−063233(JP,A) 1 2006160714 20060622 12 20071029 福井 美穂 本発明は、油中水型乳化化粧料に関し、良好な乳化状態を有し、温度や経時による変化が少なく、塗布時に肌の上でみずみずしく、のびが良い油中水型乳化化粧料に関する。 従来、油中水型乳化化粧料は、固形・半固形の油分を配合して外相(油相)の粘度を高くすることにより、安定性の高いものを得ていたため、油っぽく、べたつく使用感であった。このため、多くの水相を含有し、かつ油相中の固形・半固形油分を大幅に少なくすることにより使用感を改善した乳化方法が開発された。(特許文献1及び2)特公昭53−21393号 さらに、最近では特許文献3〜6のように吸油性の高い粉体でありかつ粒径の異なる粉体を特定の重量比で混合した粉体を使用した乳化化粧料や、特許文献7のようにカルボキシビニルポリマーを疎水化シリカ及び/又はオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体と特定の重量比で混合した乳化化粧料が開発されている。特開平9−95433号特開平9−95434号特開平9−95435号特開平10−120525号特開2004−26748号 しかしながら、上記のいずれの化粧料も、肌への塗布時ののびの悪さ、さっぱり感の不足という点に関しては改善されているものの、乳化の安定性及び塗布時のみずみずしさに関してはいまだに不十分である。みずみずしさとは、化粧料を肌に塗布した時に感じる水分の潤い感を意味する。 従って、本発明の目的は、油中水型乳化化粧料であっても、良好な乳化状態を有し、温度や経時による変化が少なく、塗布時の使用感もみずみずしく、のびが良い化粧料を提供することにある。 かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、 構成成分として、(A)平均一次粒子径が5〜20nmであるジメチルシリル化した疎水化シリカ、(B)水相に混合されるキサンタンガム、(C)HLB値7以下の親油性界面活性剤、(D)油、(E)水を含有する油中水型乳化化粧料であって、(D)成分に対する(A)成分の割合が重量比で3%以上であり且つ、(E)成分に対する(B)成分の割合が重量比で0.2%以上であることを特徴とする油中水型乳化化粧料。であれば、のびが良く、みずみずしい使用感で、かつ安定性が良好であることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、成分(B)の水相に混合されるキサンタンガムと、成分(E)の水からなる水相成分と、成分(A)の平均一次粒子径が5〜20nmであるジメチルシリル化した疎水化シリカと、成分(D)の油からなる油相成分とを、成分(C)のHLB値7以下の親油性界面活性剤にて乳化して得られる油中水型乳化化粧料であって、(D)成分に対する(A)成分の割合が重量比で3%以上であり且つ、(E)成分に対する(B)成分の割合が重量比で0.2%以上であることを特徴とする油中水型乳化化粧料を提供するものである。 本発明の油中水型乳化化粧料であれば、水中油型の乳化化粧料のようにみずみずしい、のびの軽い化粧料を提供できる。 以下本発明の構成について詳述する。本発明は構成成分として、(A)平均一次粒子径が5〜20nmであるジメチルシリル化した疎水化シリカ、(B)水相に混合されるキサンタンガム、(C)HLB値7以下の親油性界面活性剤、(D)油、(E)水を含有する油中水型乳化化粧料であって、(D)成分に対する(A)成分の割合が重量比で3%以上であり且つ、(E)成分に対する(B)成分の割合が重量比で0.2%以上であることを特徴とする油中水型乳化化粧料である。 本発明では乳化安定性の観点から、好ましくは5〜20nmの平均一次粒子径を有する疎水化シリカが良い。具体的には、四塩化ケイ素の酸水素焔中における加水分解により製造されるフュームドシリカをジメチルシリル化した、AEROSIL R972 R974 R976 R976S(日本アエロジル株式会社製商品名)などがあげられる。 本発明では(B)の水相に混合されるキサンタンガムは、例えば市販品としてエコーガム、エコーガムBT、エコーガムF、エコーガムGM、エコーガムRD、エコーガムSF、エコーガムT、エコーガムTF(大日本製薬社製)、キサンタンガム(メルク・ジャパン社製)、サンエース(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、ネオソフトXK(太陽化学社製)、モナートガムGS(大日本製薬社製)などが挙げられる。 本発明の構成成分(C)であるHLB値7以下の親油性界面活性剤とは、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを考えたGriffin式のHLBをもとに、値が7以下の親油性界面活性剤である。例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリイソステアレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノオレートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン活性剤、ポリグリセリン変性シリコーン活性剤などが挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。 本発明の構成成分(D)である油とは、化粧料に通常用いられるものであれば特に制限されず、例えば、動植物油としてアボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、月見草油、ミンク油、ホホバ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、ラノリン、スクワレン等の天然動植物油、流動パラフィン、スクワラン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、2エチルヘキサン酸グリセロール、トリ2―エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸エステル類、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、リノール酸エチル等の極性油、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、アミノ酸変性シリコーン等のシリコーン油が挙げられる。 本発明の構成成分(E)である水は系中に9.0〜90.0重量%配合される。 また、成分(A)の割合は乳化安定性を良好にするために、成分(D)の油に対して重量比で3%以上が好ましい。3%未満であると乳化安定性の改善効果が少ない。 一方、水相においても、みずみずしさの観点から成分(E)の水に対する成分(B)の水溶性高分子の割合は、重量比で0.2%以上が好ましい。0.2%未満であると、塗布時のみずみずしさを感じる効果が少ない。 構成成分(B)の水相に混合されるキサンタンガムは、粘度がpHや塩などに対し、ある程度安定である点から好ましい。 本発明の化粧料には、前述の成分の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料に配合される成分である油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール、アルキルグリセリルエーテル、エステル、フッ素油、多価アルコール、糖類、油溶性高分子、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、殺菌・防腐剤、染料、香料、可塑剤、有機溶媒、薬剤、動植物抽出物、体質粉体、有機色材、無機色材、パール顔料、表面処理粉体、複合顔料、アミノ酸及びペプチド、ビタミン等を適宜配合することができるが、特にこれらに限定されるものではない。 以下に実施例を用いて本発明の効果を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の%はすべて重量%を意味し、油中水型乳化化粧料の油中水型をW/O型と表記する。 実施例に先立ち、本発明で用いた評価法を説明する。 〔評価法〕女性専門パネル15人により以下の評価基準に基づいて使用感の評価を行った。(1)使用感1.肌上でののび◎:非常にのびがよい。○:のびがよい。△:ややのびがよい。×:のびが悪い。2.べたつき◎:非常にべたつきが少ない。○:べたつきが少ない。△:ややべたつく。×:べたつく。3.みずみずしさ◎:非常にみずみずしい。○:みずみずしい。△:ややみずみずしい。×:みずみずしくない。(2)乳化安定性ファンデーションを、それぞれ40℃、室温で1ヶ月間放置し、その安定性を評価した。◎:外観異常なし。○:一部でわずかに油浮きしている。△:油浮きしている。×:分離している。 なお、表1〜表5における「使用感」は、化粧料調製翌日の使用感の評価を記載し、また「乳化安定性」は、40℃、室温で1ヶ月間放置した化粧料の乳化安定性を評価した。 実施例1として、表1に示したW/O型クリームファンデーションの処方例1と比較例1〜3の処方をもとに、W/O型クリームファンデーションを調製し、使用感及び乳化安定性を評価した。その結果を併せて表1に示した。(調製方法) 処方例1及び比較例1〜3の処方に従い(a)、(c)、(d)、(e)を油相として、(b)、(f)、(g)を水相として各々混合攪拌した。次いで、油相を攪拌機で攪拌しながら水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて15分間攪拌を続け調製した。 実施例2として、表2に示したW/O型クリームファンデーションの処方例1、2の処方をもとに、W/O型クリームファンデーションを調製し、使用感及び乳化安定性を評価した。その結果を併せて表2に示した。(調製方法) 処方例1、2の処方に従い(a)、(c)、(d)、(e)を油相として、(b)、(f)、(g)を水相として各々混合攪拌した。次いで、油相を攪拌機で攪拌しながら水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて15分間攪拌を続け調製した。 実施例3として、表3に示したW/O型クリームファンデーションの処方例1及び処方例4〜7の処方をもとに、W/O型クリームファンデーションを調製し、使用感及び乳化安定性を評価した。その結果を併せて表3に示した。(調製方法) 処方例1及び処方例4〜7の処方に従い(a)、(c)、(d)、(e)を油相として、(b)、(f)、(g)を水相として各々混合攪拌した。次いで、油相を攪拌機で攪拌しながら水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて15分間攪拌を続け調製した。 実施例4として、表4に示したW/O型クリームファンデーションの処方例1及び処方例8〜9の処方をもとに、W/O型クリームファンデーションを調製し、使用感及び乳化安定性を評価した。その結果を併せて表4に示した。(調製方法) 処方例1及び処方例8〜9の処方に従い(a)、(c)、(d)、(e)を油相として、(b)、(f)、(g)を水相として各々混合攪拌した。次いで、油相を攪拌機で攪拌しながら水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて15分間攪拌を続け調製した。 実施例5として、表5に示したW/O型クリームファンデーションの処方例1及び処方例10の処方をもとに、W/O型クリームファンデーションを調製し、使用感及び乳化安定性を評価した。その結果を併せて表5に示した。(調製方法) 処方例1及び処方例10の処方に従い(a)、(c)、(d)、(e)を油相として、(b)、(f)、(g)を水相として各々混合攪拌した。次いで、油相を攪拌機で攪拌しながら水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて15分間攪拌を続け調製した。 表1の結果から明らかなように、比較例1は疎水化シリカが配合されていないために、処方例1と比較して乳化安定性が十分でない。比較例2は水溶性高分子が配合されていないために、処方例1と比較して塗布時のみずみずしさ、のびの軽さが十分でない。また、比較例3はHLB値7以下の親油性界面活性剤が配合されていないために、40℃での過酷条件では乳化安定性がやや十分でない傾向がある。 これらに対して処方例1は、肌上でののびが軽く、べたつきの無い、みずみずしい使用感で、乳化安定性に優れたものである。 表2の結果から、処方例1及び処方例2は疎水化シリカの平均一次粒子径が5nm〜20nmのため、使用感、乳化安定性が優れており、処方例3は疎水化シリカの平均一次粒子径が20nmより大きいため、処方例1及び処方例2と比較して乳化安定性の面で差がある。 表3の結果から、処方例1、処方例5及び処方例6と比較して、処方例4及び処方例7は油に対する疎水化シリカの割合が重量比で3%未満のため、乳化安定性がやや十分でない傾向がある。 表4の結果から、処方例1と比較して処方例8は、水に対する水溶性高分子の割合が重量比で0.2%未満のため、みずみずしさの面でやや差があり、また、処方例9は水に対する水溶性高分子の割合が重量比で0.2%以上であるが、肌上でのべたつきをやや感じる傾向がある。 表5の結果から、化粧品へ配合される代表的な水溶性高分子のうち、処方例1のキサンタンガムの方が、処方例10のカルボキシビニルポリマーよりも、使用感のみずみずしさ、のび、乳化安定性に優れていることがわかる。 化粧下地 処 方 配合量(重量%)(1)ポリグリセリン変性シリコーン 1.5(2)ポリエーテル変性シリコーン 3.0(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 9.0(4)メチルフェニルポリシロキサン 12.49(5)天然ビタミンE 0.2(6)スクワラン 3.0(7)疎水化シリカ※1 1.0(8)シリコーン処理着色顔料 0.01(9)香料 0.04(10)硫酸マグネシウム 0.2(11)精製水 残量(12)グリセリン 3.0(13)1,3−ブチレングリコール 5.0(14)水溶性高分子※2 0.2(15)防腐剤 0.2※1 AEROSIL R976 (日本アエロジル株式会社製)※2 エコーガムT(大日本製薬社製) 調製方法:(1)〜(6)を均一に混合した。さらに(7)〜(9)を分散した後、(10)〜(15)の混合水溶液を加えて乳化した。脱気後、所定の容器に充填して化粧下地を得た。 実施例6の化粧下地の使用感、乳化安定性は上述の評価基準で「◎」であった。 乳液 処 方 配合量(重量%)(1)ポリグリセリン変性シリコーン 1.5(2)ポリエーテル変性シリコーン 3.0(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0(4)メチルフェニルポリシロキサン 10.0(5)天然ビタミンE 0.2(6)スクワラン 3.0(7)疎水化シリカ※1 0.8(8)香料 0.04(9)硫酸マグネシウム 0.2(10)精製水 残量(11)グリセリン 3.0(12)1,3−ブチレングリコール 5.0(13)水溶性高分子※2 0.1(14)防腐剤 0.2※1 AEROSIL R976 (日本アエロジル株式会社製)※2 エコーガムT(大日本製薬社製) 調製方法:(1)〜(6)を均一に混合した。さらに(7)〜(8)を分散した後、(9)〜(14)の混合水溶液を加えて乳化した。脱気後、所定の容器に充填して化粧下地を得た。 実施例7の乳液の使用感、乳化安定性は上述の評価基準で「◎」であった。 以上の説明のように、本発明によれば良好な乳化状態を有し、温度や経時による変化が少なく、塗布時に肌の上でのびが良い油中水型乳化化粧料を得ることができる。 構成成分として、(A)平均一次粒子径が5〜20nmであるジメチルシリル化した疎水化シリカ、(B)水相に混合されるキサンタンガム、(C)HLB値7以下の親油性界面活性剤、(D)油、(E)水を含有する油中水型乳化化粧料であって、(D)成分に対する(A)成分の割合が重量比で3%以上であり且つ、(E)成分に対する(B)成分の割合が重量比で0.2%以上であることを特徴とする油中水型乳化化粧料。


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