生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_RNA抽出用試薬
出願番号:2004339146
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

山下 善寛 桜井 智也 久野 範人 内田 憲孝 横林 敏昭 JP 4073429 特許公報(B2) 20080201 2004339146 20041124 RNA抽出用試薬 株式会社日立ハイテクノロジーズ 501387839 平木 祐輔 100091096 山下 善寛 桜井 智也 久野 範人 内田 憲孝 横林 敏昭 20080409 C12N 15/09 20060101AFI20080319BHJP C12Q 1/68 20060101ALN20080319BHJP JPC12N15/00 AC12Q1/68 A C12N 15/00−15/90 特開平11−196869(JP,A) 特開2002−360245(JP,A) 5 2003378516 20031107 2005137373 20050602 9 20051219 長谷川 茜 本発明はRNAを含有する生物材料からのRNA抽出や、RNAを含有する生物材料の分析方法に関する。 DNAは生物の全遺伝子情報を担う物質である一方、RNAはDNAの遺伝子情報を基に生体内のタンパク質合成に関わる重要な役割を担う物質である。近年、DNAの解析により多数の生物種の遺伝子配列情報が明らかになった。これに次いで、RNAの解析による遺伝子機能解明の重要性が増しており、生物材料からRNAを単離する操作が不可欠となっている。RNAの解析方法としては、主に逆転写ポリメラーゼチェインリアクション(RT−PCR)、ノーザンブロット等がある。 これらの解析法において良好な解析結果を得る為には、高純度なRNAを用いることが要求される。特にRT−PCRにおいては、RNAがDNAと混在する場合、RNAの解析が困難となる。従って、生物材料からのRNA抽出においては、細胞に混在するDNA、タンパク質、脂質、糖、などからRNAが高い精製度で単離されることが望まれる。 一般的なRNA抽出方法として、AGPC法がある。AGPC法は、(1)生物材料をチオシアン酸グアニジン溶液により溶解し、酸性緩衝溶液、フェノール溶液、クロロホルム溶液を順次添加、混合し、(2)遠心分離によりRNAを含む水相と、変性タンパク質と不溶化DNAを含む有機溶媒相と水相の中間層に分離し、(3)RNAを含む水相にエタノールあるいはイソプロパノールを添加して(4)不溶化したRNAを遠心分離により選択的に沈殿させる。 フェノール、クロロホルム等の劇毒物を使用せず、エタノール沈殿あるいはイソプロパノール沈殿などの比較的長時間を要する操作を必要としない核酸抽出方法として、カオトロピック剤の存在下で核酸がシリカに結合する性質を利用して、アガロースゲルから核酸を回収する方法、また、カオトロピック剤とシリカ粒子を用いて生物材料から核酸を抽出する方法がある。しかし、これらの方法は、RNAとDNAの選択性を持たず、抽出核酸はRNAとDNAの混合物となる。従って、RNA解析のために、抽出核酸に含まれるDNAを除去する操作が必要となる場合がある。DNA除去は主にDNA分解酵素処理により行われ、次いで、必要に応じて酵素除去操作を行う。DNA除去操作にはDNA分解酵素により、一般的に1時間程度の処理時間を要する。また、酵素除去には主にフェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿、などの煩雑な操作が要求され、RNAの損失も生じる。 カオトロピック剤と有機溶媒の存在下でRNAがシリカに結合する性質を利用し、RNAを選択的に抽出する方法がある(下記特許文献1)。この方法は、カオトロピック剤にエタノール、イソプロパノール等の極性有機溶媒を添加することで、DNA/RNAとシリカの結合特性の差異を制御し、RNAを選択的にシリカへ結合させる。しかし、この方法においてもRNAの選択性は不十分であり、抽出核酸に混入するDNAの除去操作を必要とする。特開2002−187897号公報 本発明は、RNAを含有する生物材料から、安全、迅速、簡便な操作により高純度なRNAを選択的に抽出し、分析する方法を提供することを目的とする。 発明者らは、所定濃度のカオトロピック剤と所定濃度の有機溶媒の存在下において、RNAが極めて高い選択性でシリカに結合することを見出し、本発明であるRNA選択的抽出・分析方法の確立に至った。 本発明では、遊離状態のRNAを含有する生物材料に、所定濃度のカオトロピック剤と所定濃度の有機溶媒を混合し、混合液に核酸結合性固相を接触させ、RNAが結合した核酸結合性固相を洗浄し、RNAが結合した核酸結合性固相からRNAを溶離することに関する。また、得られたRNAを逆転写ポリメラーゼチェインリアクション(RT−PCR)で分析することに関する。 本発明により、極めて高純度にRNAを抽出できる。また、抽出産物がDNAをほとんど含まない為、RNAを損なう虞のあるDNA除去操作しなくとも、DNAに敏感なRNA分析方法であるRT−PCR等を行うことができ、生体試料を高精度に分析できる。 以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参酌して説明する。尚、図面はもっぱら説明のために用い、権利範囲を限定するものでは無い。 RNAを含有する生物材料としては、全血、血清、喀痰、尿等、生体組織、培養細胞、培養細菌、等の生物試料、あるいは、素精製状態のRNAを含む物質等を対象とすることができる。 生物材料の溶解は、乳鉢、超音波、マイクロウエーブ、ホモジナイザーなどによる物理的な方法、あるいは、界面活性剤、タンパク質変性剤などによる化学的な方法、あるいは、タンパク質分解酵素による生化学的な方法、及び、それらを組み合わせた方法により行われる。 カオトロピック剤としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、などが好ましく例示される。 また、有機溶媒としては、脂肪族エーテル、脂肪族エステル、脂肪族ケトンの中から選ばれた2から10個の炭素数を有する化合物の1種または2種以上の組み合わせが使用可能である。 脂肪族エーテルとして、好ましくは、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピオングリコールジメチルエーテル、プロピオングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及び1.4-ジオキサンが使用される。 脂肪族エステルとして、好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルが使用される。 脂肪族ケトンとして、好ましくは、アセトン、ヒドロキシアセトン、メチルケトンが使用される。 本発明のRNA選択的抽出方法はシリカとRNAの選択的結合効果に基づくものであり、この効果は所定濃度のカオトロピック剤と所定濃度の有機溶媒の存在下で得られる。 カオトロピック剤としてチオシアン酸グアニジン、有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテルを用いた場合、混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度1.0〜4.0mol/l、ジエチレングリコールジメチルエーテル濃度10〜30%において、高純度のRNAが良好な回収率で得られる。特に、混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度を1.5〜2.0mol/l、ジエチレングリコールジメチルエーテル濃度を15〜25%においては、極めて高純度のRNAが高回収率で得られる。 また、カオトロピック剤としてチオシアン酸グアニジン、有機溶媒として乳酸エチルを用いた場合、混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度1.0〜4.0mol/l、乳酸エチル濃度20〜40%において高純度のRNAが良好な回収率で得られる。特に、混合液におけるチオシアン酸グニジン濃度1.5〜2.5mol/l、乳酸エチル濃度25〜35%において、極めて高純度のRNAが高回収率で得られる。 核酸結合性固相としては、ガラス粒子、シリカ粒子、ガラス繊維濾紙、シリカウール、あるいは、それら破砕物、ケイソウ土など、酸化ケイ素を含有する物質が好ましく例示される。 混合液と核酸結合性固相の接触は、固相と混合液を容器内で攪拌、混合する方法、あるいは、固相を固定化したカラムなどに混合液を通過させる方法により行う。固相と混合液を接触させた後、固相と混合液を分離する。 核酸が結合した核酸結合性固相の洗浄は、例えば、固相に洗浄液を接触させた後、固相から洗浄液を分離することで行う。洗浄液としては、固相に結合した核酸を溶離せず、且つ、非特異的結合物の除去を効率的に行うために、少なくとも75%濃度のエタノールの使用が好ましい。 核酸を核酸結合性固相から溶離する手段は、固相に溶離液を接触させ、固相に結合した核酸を溶離液へ溶出させた後、固相から溶離液を分離することで行う。溶離液としては、RNA分解酵素除去、あるいはRNA分解酵素失活化処理を行った水や低塩濃度緩衝液などを用いる。また、溶離を加温下で行うことにより、溶離効率は向上する。 核酸を溶出させた溶離液は、直ちに逆転写ポリメラーゼチェインリアクションに用いることもできる。 本実施例では、カオトロピック剤としてチオシアン酸グアニジン、有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテルを用いた培養細胞からのRNA抽出を行う。<RNAの抽出> 第1工程として、マウスMyeloma(大日本製薬社製Sp/0-Ag14)培養細胞(106個程度)のペレットに、細胞溶解液(チオシアン酸グアニジン4mol/l、10mmol/l MES-KOH、pH6.5)600μlを添加し、ホモジナイザー(マイクロテック・ニチオン社製 HANDY MICRO HOMOGENIZER)により細胞を破砕し、細胞内の核酸を遊離状態とした。 第2工程として、遊離状態の核酸を含む細胞溶解液に、極性有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液(20、40、60、80、100容量%)600μlを添加する。この時、混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度は2mol/l、ジエチレングリコールジメチルエーテル濃度は、10、20、30、40、50容量%となる。 第3工程として、図1に示すような、ポリプロピレン製チップ先端部に核酸結合性固相としてシリカウール(東芝ケミカル社製 Bグレード)5mgを充填した核酸捕捉用チップにシリンジ(テルモ社製 25mlシリンジ)を装着し、遊離状態の核酸、細胞溶解液、ジエチレングリコールジメチルエーテルを含む溶液を吸引、排出することで、核酸と固相を接触させ、分離する。 第4工程として、核酸捕捉用チップにより、洗浄液(80容量% エタノール水溶液)1200μlを吸引、排出することで、固相と洗浄液を接触させ、分離し、固相の非特異的結合物を除去する。 第5工程として、核酸捕捉用チップにより、溶離液(DEPC処理水)100μlを吸引、排出することで、固相と溶離液を接触させ、分離し、精製状態の核酸を含む溶離液を得る。<抽出RNAの評価> 溶離液の一部を1.25%アガロースゲル(FMC社製 Reliant RNA Gel System)により電気泳動を行い、エチジウムブロミド染色後にトランスイルミネーターを用いてUV照射下で写真撮影を行った結果を図2に示す。レーン1、2はジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液40容量%を用いた場合、レーン3、4はジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液60容量%を用いた場合、レーン5、6はジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液80容量%を用いた場合、レーン7、8はジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液100容量%を用いた場合の抽出核酸を示す。 電気泳動により核酸は分子量に応じて分離され、上部からゲノムDNA、28SrRNA、18SrRNA、tRNAのバンドが示される。図2より、ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液40容量%を用いた場合において、ゲノムDNAがほとんど認められず、極めて高い純度のRNAが高回収率で得られることが示される。一方、ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液60から100容量%を用いた場合では、抽出核酸に多量のゲノムDNAを含有することが示される。また、ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液20容量%を用いた場合では、抽出核酸はほとんど得られなかった。 本実施例では、カオトロピック剤としてチオシアン酸グアニジン、有機溶媒として乳酸エチルを用いた培養細胞からのRNA抽出を行う。<RNAの抽出> 第2工程以外は実施例1と同様の方法で行った。以下、第2工程についていて記述する。 第2工程として、遊離状態の核酸を含む細胞溶解液に、極性有機溶媒として乳酸エチル水溶液(20、40、60、80、100容量%)600μlを添加する。この時、混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度は2mol/l、乳酸エチル濃度は、10、20、30、40、50容量%となる。<抽出RNAの評価> 実施例1と同様の方法で電気泳動を行った結果を図3に示す。レーン1は乳酸エチル水溶液60容量%を用いた場合、レーン2は乳酸エチル水溶液80容量%を用いた場合、レーン3は乳酸エチル水溶液100容量%を用いた場合の抽出核酸を示す。 これより、乳酸エチル水溶液60容量%を用いた場合において、ゲノムDNAがほとんど認められず、極めて高い純度のRNAが高回収率で得られることが示される。一方、乳酸エチル水溶液80、100容量%を用いた場合では、抽出核酸に多量のゲノムDNAを含有することが示される。また、乳酸エチル水溶液20、40容量%を用いた場合は、抽出核酸はほとんど得られなかった。比較例 カオトロピック剤としてチオシアン酸グアニジン、有機溶媒としてエタノールを用いるRNA抽出キット(QIAGEN社製RNeasy Mini Kit)による培養細胞からのRNA抽出を行った。この方法は上記特許文献1に記載の方法に準じるものである。<RNAの抽出> 実施例1と同じマウスMyelom培養細胞(106個程度)のペレットから、QIAGEN社製RNeasy Mini Kitを用いて、キットに添付されるプロトコルに従って、RNA抽出を行った。<抽出RNAの評価> 実施例1と同様の方法で電気泳動を行った結果を図4に示す。これより、RNeasy Mini Kitを用いた場合においては、抽出核酸にゲノムDNAが含まれることが示された。<抽出核酸を用いたRT−PCR> 実施例1により得た抽出核酸、および比較例の方法により得た抽出核酸を用いたRT−PCRを行った。 実施例1及び比較例の方法により得た抽出核酸から、DNA除去操作を行わず、全RNA 2.5μgを含む核酸溶液を調製した。この核酸溶液に、逆転写酵素(インビトロジェン社製 SuperScriptII)、Oligo(dT)プライマーを含む逆転写用試薬を加えて最終液量を20μlとして、42℃、50分間保温し、逆転写反応によりmRNAを鋳型とするcDNAを合成した。 次いで、逆転写反応後溶液2μl、及び0.2μlに、イントロンを含まないマウスβアクチン遺伝子領域を標的とするPCR用プライマー(東洋紡社製 Mouse β-actin RT-PCR Primer Set)、耐熱性DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ社製 AmpliTaq Gold DNA polymerase)とPCR用試薬を加えて最終液量を50μlとして、94℃、15秒間、55℃、30秒間、72℃、1分間を30サイクルをサ―マルサイクラー(PERKIN ELMAR社製 GeneAmp PCR System 9600)を用いて行った。 また、ネガティブコントロールとして、逆転写反応を行わない逆転写未反応溶液2μl、及び0.2μを用い、ポジティブコントロールとしてPCR用プライマー(東洋紡社製 Mouse β-actin RT-PCR Primer Set)に付属されるマウスβアクチン由来DNAを用いてPCRを行った。 PCR反応後溶液を3%アガロースゲル(FMC社製 Nusieve 3:1 Agarose)により電気泳動を行い、エチジウムブロミド染色後にトランスイルミネーターを用いてUV照射下で写真撮影を行った結果を図5に示す。 図5において、レーン1は、実施例1の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行い、逆転写反応後溶液2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン2は、実施例1の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行い、逆転写反応後溶液0.2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン3は、実施例1の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行わず、逆転写未反応溶液2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン4は実施例1の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行わず、逆転写反未応溶液0.2μlからPCRした場合の増幅産物を示す。 レーン5は、比較例の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行い、逆転写反応後溶液2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン6は、比較例の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行い、逆転写反応後溶液0.2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン7は、比較例の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行わず、逆転写未反応溶液2μlからPCRした場合の増幅産物、レーン8は比較例の方法により得た抽出核酸を用いて逆転写反応を行わず、逆転写未反応溶液0.2μlからPCRした場合の増幅産物を示す。レーン9は、ポジティブコントロールとしてマウスβアクチン由来DNAを用いてPCRを行った場合の増幅産物を示す。 この結果、レーン1、2、5、6、7、9において、マウスβアクチン遺伝子由来の540bpの増幅産物が確認された。実施例1の方法により得た抽出核酸においては、逆転写反応を行わなかった場合に増幅産物(レーン3、4)が確認されなかったことから、逆転写反応を行った場合における増幅産物(レーン1、2)がmRNAに由来するものであり、抽出核酸からゲノムDNA除去を行うことなくRT−PCRが可能であることを示している。 一方、比較例の方法により得た抽出核酸においては、逆転写反応を行わない逆転写未反応溶液2μlを用いた場合において増幅産物(レーン7)が得られた。これは、抽出核酸に含まれるゲノムDNAに由来する増幅産物であり、逆転写反応を行った逆転写反応溶液2μlを用いたPCRの増幅産物(レーン5)はmRNA、及びゲノムDNAに由来する増幅産物の混合物となり、正常なRT−PCRが行えないことを示している。このことから、比較例の方法により得た抽出核酸からRT−PCRを行う為には、抽出核酸のゲノムDNAを除去することが必要となる。実施例1及び実施例2において用いた核酸捕捉用チップ。実施例1における抽出核酸の電気泳動結果。実施例2における抽出核酸の電気泳動結果。比較例における抽出核酸の電気泳動結果。RT−PCR産物の電気泳動結果。 酸化ケイ素を含有する核酸結合性固相にRNAを選択的に結合するRNA抽出用試薬であって、所定濃度のカオトロピック剤、所定濃度のジエチレングリコールジメチルエーテルを含み、 そのジエチレングリコールジメチルエーテルの所定濃度が、RNAを含有する生物材料、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及びカオトロピック剤からなる混合液においてカオトロピック剤濃度1.0〜4.0mol/lに対してジエチレングリコールジメチルエーテル濃度が10〜25容量%となる濃度である、RNA抽出用試薬。 酸化ケイ素を含有する核酸結合性固相にRNAを選択的に結合するRNA抽出用試薬であって、所定濃度のカオトロピック剤、所定濃度の乳酸エチルを含み、 その乳酸エチルの所定濃度が、RNAを含有する生物材料、乳酸エチル、及びカオトロピック剤からなる混合液においてカオトロピック剤濃度1.0〜4.0mol/lに対して乳酸エチルが20〜35容量%となる濃度である、RNA抽出用試薬。 請求項1又は2に記載のRNA抽出用試薬であって、 前記カオトロピック剤が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジンから選択される1種以上であるRNA抽出用試薬。 請求項1に記載のRNA抽出用試薬であって、 前記カオトロピック剤がチオシアン酸グアニジンであり、かつ、前記のジエチレングリコールジメチルエーテルの所定濃度が、前記混合液においてチオシアン酸グアニジン濃度1.5〜2.0mol/lに対してジエチレングリコールジメチルエーテル濃度が10〜25容量%となる濃度である、RNA抽出用試薬。 請求項2に記載のRNA抽出用試薬であって、 前記カオトロピック剤がチオシアン酸グアニジンであり、かつ、前記の乳酸エチルの所定濃度が、前記混合液におけるチオシアン酸グアニジン濃度1.0〜4.0mol/lに対して乳酸エチル濃度が25〜35容量%となる濃度である、RNA抽出用試薬。


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