生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_3−ハロゲン化チオフェンの製造方法
出願番号:2004313380
年次:2006
IPC分類:C07D 333/28,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

藤友 浩二 前田 真一 JP 2006124308 公開特許公報(A) 20060518 2004313380 20041028 3−ハロゲン化チオフェンの製造方法 三協化成株式会社 000175618 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 斎藤 健治 100099988 藤友 浩二 前田 真一 C07D 333/28 20060101AFI20060414BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060414BHJP JPC07D333/28C07B61/00 300 7 OL 9 4H039 4H039CA42 4H039CJ10 本発明は、液相で2−ハロゲン化チオフェンを異性化して3−ハロゲン化チオフェンを製造する方法に関する。 3−ハロゲン化チオフェンは、医薬品、農薬などを製造するための有用な中間体である。2−ハロゲン化チオフェンはチオフェンのハロゲン化によって合成することができるが、この方法では3−ハロゲン化チオフェンを効率的に製造することができない。2−クロルチオフェン又は2−ブロムチオフェンを異性化させて3−クロルチオフェン又は3−ブロムチオフェンを製造する方法が知られている(特許文献1)。 この異性化方法は、事前に加熱処理にて活性化されたゼオライトの触媒の存在下で、2−ハロゲン化チオフェンを加熱処理して3−ハロゲン化チオフェンを製造する方法である。本特許文献の実施例には、250℃及び210℃での3−クロロチオフェン又は3−ブロモチオフェンの製造が記載されているが、反応温度等から明らかなように、これは気相での製造法である。特公平5−76476号公報 しかしながら、この製造法では、高温に対する耐熱性を備え、気相であるため必然的に容積の大きな反応容器が必要であった。従って、気相法より小さなスペースで3−ブロモチオフェンの製造を可能にするため、より低温で実施可能な3−ブロモチオフェンの製造法の開発が望まれていた。 本発明者は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、120〜180℃の温度条件下、液相で2−ハロゲン化チオフェンにペンタシル型ゼオライトを作用させて、2−ハロゲン化チオフェンを異性化することにより、比較的低温で3−ハロゲン化チオフェンを製造できることを見出した。さらに、本発明者らは、本発明の方法によって得られる反応生成物を還元して未転位の2−ブロモチオフェンをチオフェンに変換することにより、高純度、高収率で目的とする3−ハロゲン化チオフェンを単離することができることを見出した。 すなわち、本発明は、下記の製造方法を提供するものである。項1.2−ハロゲン化チオフェンを異性化して、3−ハロゲン化チオフェンを製造する方法であって、120〜180℃の温度条件下、液相で2−ハロゲン化チオフェンにペンタシル型ゼオライトを作用させて、2−ハロゲン化チオフェンを異性化することを特徴とする3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項2.異性化反応が130〜170℃であることを特徴とする項1に記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項3.ペンタシル型ゼオライトがアンモニウム及び/又はプロトンをカチオンとして有するゼオライトであることを特徴とする項1又は2に記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項4.ペンタシル型ゼオライトがプロトンをカチオンとして有するゼオライトであることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項5.2−ハロゲン化チオフェンが、2−ブロモチオフェンであることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項6.ペンタシル型ゼオライトを、2−ハロゲン化チオフェンに対して0.01〜20重量%使用することを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。項7.項1〜6のいずれかに記載された方法における異性化反応によって得られる反応生成液を還元し、蒸留することにより3−ハロゲン化チオフェンを単離することを特徴とする3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。 本発明の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法は、120〜180℃の温度条件下、液相で2−ハロゲン化チオフェンにペンタシル型ゼオライトを作用させて、2−ハロゲン化チオフェンを異性化することを特徴とする。 ここで、本発明の異性化反応を120℃〜180℃の温度範囲で行うことは極めて重要であり、反応温度が180℃を超えると反応収率が低下する傾向を示し、また、反応温度を120℃よりも低いと充分な転位率が得られない。本発明の方法において好ましい温度範囲は130℃〜170℃である。 また、目的とする3−ハロゲン化チオフェンによってより好ましい異性化反応の温度範囲は変わる。例えば、3−ブロモチオフェンの製造においてより好ましい異性化反応温度は150〜160℃であり、3−ヨードチオフェンの製造においてより好ましい異性化反応温度は160〜170℃である。また、異性化反応は加熱還流条件下で行うことが好ましい。 本発明の製造方法では、原料として公知物質である2−ハロゲン化チオフェン(以下、原料チオフェンと称することがある)を使用する。2−ハロゲン化チオフェンとしては2−クロロチオフェン、2−ブロモチオフェン、2−ヨードチオフェンなどが例示され、好ましくは2−ブロモチオフェン、2−ヨードチオフェンであり、より好ましくは2−ブロモチオフェンである。従って、本発明の製造方法において、製造目的物質である3−ハロゲン化チオフェンとしては3−クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−ヨードチオフェンなどが例示され、好ましくは3−ブロモチオフェン、3−ヨードチオフェンであり、より好ましくは3−ブロモチオフェンである。 本発明の方法は、原料チオフェンにペンタシル型ゼオライトを異性化反応触媒として作用させることを特徴とする。一般にゼオライト触媒としては、天然および合成のゼオライトがあり、また型(又は族)としてペンタシル型、モルデナイト型、フェリエライト型、フォージャサイト型、その他ベータ、L、A型などが知られている。本発明においては、これらのゼオライト触媒の中で、特にペンタシル型ゼオライトを用いることを特徴とするものであり、さらに好ましくは、ペンタシル型酸性ゼオライト(即ち、カチオンとしてアンモニウム又はプロトンを含有するペンタシル型ゼオライト)、特に好ましくはカチオンとしてプロトン(H+)を有するペンタシル型ゼオライト触媒が用いられる。 本発明に用いられるペンタシル型ゼオライトは、天然型、合成型のいずれでもよい。ペンタシル型ゼオライトのSiO2/Al2O3比は、20〜500が好ましく、30〜300がさらに好ましく、80〜250がより一層好ましい。特に好ましいペンタシル型ゼオライトはズードケミー社(SUD-CHEMIE)のH−MFI−90である。また、ペンタシル型ゼオライトは使用前に加熱処理(例えば300〜700℃)されていることが好ましい。加熱処理はゼオライトの活性化、同時に吸着した水を除くことで副生成物であるチオフェンの生成を抑制するために行う。また、ゼオライトの活性が減少した場合は、高温加熱した空気及び窒素ガス、空気及び不活性ガス中にゼオライトを設置することによって失われた活性を再生することができる。 ペンタシル型ゼオライトを原料チオフェンに接触させる方法は特に限定されず、例えば、原料チオフェンにペンタシル型ゼオライトを投入し、適当な温度条件下で撹拌するバッチ式、充填塔を用いる連続式などがある。 本発明の製造方法におけるペンタシル型ゼオライトの使用量は特に制限されないが、通常、原料チオフェンに対して0.01〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。該ゼオライトの使用量が上記の範囲にあると副反応が生じにくい傾向を示す。 また、本発明の製造方法においては、必要に応じて有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、非親水性有機溶媒が好ましく、例えば、デカン等の炭化水素系溶媒、メシチレン等のアルキルベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化ベンゼンなどが挙げられる。有機溶媒の添加量は、原料チオフェンに対して通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜5重量%である。さらに、本発明の製造方法においては数種類の有機溶媒を混合し加えることも可能である。 本発明の製造方法における反応時間は特に限定されないが、通常1〜数10時間である。 本発明の原料チオフェンにゼオライトを作用させて得られる反応生成液は、そのほとんどが3−ハロゲン化チオフェンであるが、該反応生成液には未転位の2−ハロゲン化チオフェン、副生成物として少量のチオフェン、ジハロゲン化チオフェン類などが含まれることがある。 本発明の原料チオフェンにゼオライトを作用させて得られる反応生成液から目的とする3−ハロゲン化チオフェンを単離する方法は、特に制限されない。例えば、蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーなどの方法により単離が可能である。晶析では−80℃程度の低温で単離を行うことができる。好ましくは、反応生成液を還元し、次いで蒸留することにより単離する方法である。 本発明者らは、鋭意研究、検討の結果、該反応生成液を還元した後に蒸留することによって目的とする3−ハロゲン化チオフェンを高純度、高収率で単離することができることを見出した。即ち、蒸留工程において2−ハロゲン化チオフェンと3−ハロゲン化チオフェンとの分離が困難であるため、還元によって2−ハロゲン化チオフェンをチオフェンに変換することにより、蒸留による3−ハロゲン化チオフェンの単離が容易となる。 反応生成液を還元する方法は特に限定されるものではないが、コバルト(II)塩を触媒とした0価金属との有機金属試薬化および加水分解による還元方法;パラジウムカーボン、白金カーボン、ラネーニッケル等の触媒を利用した水素添加による還元方法;マグネシウムを用いたグリニヤール試薬化と加水分解による還元方法;水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化剤を用いた還元方法などが包含される。 コバルト(II)塩を利用した還元の例を示す。反応生成液を室温程度まで冷却し、バブリング(例えば窒素バブリング)によりハロゲン化水素を追い出す。ろ過(例えばセライトろ過)によりゼオライト触媒を分離し、好ましくはこのろ液を減圧蒸留(例えば110℃程度、27ヘクトパスカル程度)する。触媒を除去した反応生成液又は留出液に、コバルト(II)塩、極性溶媒並びに、亜鉛及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を添加し、好ましくはさらに亜鉛(II)塩及び酸を併用して添加する。反応は、通常10〜80℃、好ましくは20〜40℃で、通常1〜30時間、好ましくは3〜9時間行う。 コバルト(II)塩としては、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、酢酸コバルト(II)などが利用でき、臭化コバルト(II)、塩化コバルト(II)が好ましい。ハロゲン化コバルトの添加量はゼオライト触媒を除いた反応生成液又は該反応生成液を蒸留して得られる留出液に含まれる2−ブロモチオフェン1当量に対し通常0.05〜2当量、好ましくは0.1〜0.5当量である。 極性溶媒としては、アセトニトリル、プロピオンニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、NMP、DMF、DMSO、メタノール、IPAなどが利用でき、アセトニトリル、プロピオンニトリル、イソブチロニトリルが好ましい。極性溶媒の添加量はゼオライト触媒を除いた反応生成液又は留出液重量の通常0.1〜20倍、好ましくは1〜5倍である。 亜鉛又はマグネシウム或いは亜鉛とマグネシウムの混合物の添加量は前記当量の通常1〜10当量、好ましくは2〜5当量である。 亜鉛(II)塩としては、塩化亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)、ヨウ化亜鉛(II)、酢酸亜鉛(II)などが利用でき、塩化亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)が好ましい。亜鉛(II)塩の添加量は前記当量の通常0〜2当量、好ましくは0.1〜0.5当量である。 酸としては、有機酸が好ましく、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸がより好ましい。酸の添加量は前記当量の通常0〜1.0当量、好ましくは0.1〜0.5当量である。 パラジウムカーボンを利用した還元の例を示す。コバルト(II)塩を利用した場合と同様に、反応生成液を室温程度まで冷却し、バブリング(例えば窒素バブリング)によりハロゲン化水素を追い出す。ろ過(例えばセライトろ過)によりゼオライト触媒を分離し、好ましくはこのろ液を減圧蒸留(例えば110℃程度、27ヘクトパスカル程度)する。触媒を除去した反応生成液又は留出液を、パラジウムカーボン、必要に応じて溶媒、脱酸剤と共にオートクレーブに仕込む。必要に応じてオートクレーブ内を不活性ガスで置換し、次いで水素ガスで置換後、撹拌しながら加圧し反応させる。反応温度は通常20〜60℃、好ましくは30〜50℃で、反応時間は通常1〜15時間、好ましくは4〜10時間である。水素ガス吹き込み圧は通常0.2〜1MPa、好ましくは0.4〜0.6MPaである。パラジウムカーボンは必須であり、好ましくは溶媒、脱酸剤を利用する。 パラジウムカーボンの使用量は、パラジウムのみの換算で、ゼオライト触媒を除いた反応生成液又は該反応生成液を蒸留して得られる留出液に含まれる2−ブロモチオフェン1当量に対し、通常0.05〜2当量、好ましくは0.1〜1当量である。 溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トルエンなどが利用でき、メタノール、イソプロパノールが好ましい。溶媒の使用量はゼオライト触媒を除いた反応生成液又は該反応生成液を蒸留して得られる留出液の重量の通常0〜20倍、好ましくは1〜5倍である。 脱酸剤としては、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどが利用でき、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンが好ましい。脱酸剤の使用量は前記当量に対し通常0〜10当量、好ましくは1〜5当量である。 本発明の製造方法によれば、気相での製造方法より低温で3−ブロモチオフェンを高収率、高転移率で製造することができ、気相法より小さなスペースで3−ブロモチオフェンを製造することが可能となる。また、還元して未転位の2−ブロモチオフェンをチオフェンに変換し、3−ハロゲン化チオフェンを単離することにより、高純度、高収率で目的とする3−ハロゲン化チオフェンを単離することができる。 以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。 以下の実施例及び比較例において、転位率及び収率は次のようにして算出した。反応生成液をサンプルとしてガスクロマトグラフィー(GC−1700;SHIMADZU社製)で分析し、下記の数式により転位率を求めた。100×3-ブロモチオフェンの面積/(3-ブロモチオフェン面積+2-ブロモチオフェンの面積) また、反応生成液に重量を測定したトルエンを添加し上記ガスクロマトグラフィーにて分析し、東京化成品試薬の3−ブロモチオフェンとトルエンを使用して事前に作成しておいた検量線より収率を算出した。 実施例1 48.9gの2−ブロモチオフェン(0.3モル)及び2.45gのペンタシル型ゼオライト(H−MFI−90;ズードケミー社製;原料2-ブロモチオフェンの5重量%)を三つ口フラスコに加え、150〜155℃で5時間加熱した。得られた反応生成液から転位率及び収率を求めると、転位率は93%、収率は80.2%であった。 実施例2 48.9gの2−ブロモチオフェン(0.3モル)及び0.49gの実施例1で使用したものと同じペンタシル型ゼオライト(原料2-ブロモチオフェンの1重量%)を三つ口フラスコに加え、150〜155℃で15時間加熱した。得られた反応生成液から転位率及び収率を求めると、転位率は93%、収率は86.9%であった。 実施例3 32.6gの2−ブロモチオフェン(0.2モル)及び1.63gの実施例1で使用したものと同じペンタシル型ゼオライト(原料2-ブロモチオフェンの5重量%)を三つ口フラスコに加え、135〜137℃で15時間加熱した。得られた反応生成液から転位率及び収率を求めると、転位率は93%、収率は75.1%であった。 実施例4 32.6gの2−ブロモチオフェン(0.2モル)、32.6gのn-ドデカン及び0.98gの実施例1で使用したものと同じペンタシル型ゼオライト(原料2-ブロモチオフェンの3重量%)を三つ口フラスコに加え、169〜173℃で15時間加熱した。得られた反応生成液から転位率及び収率を求めると、転位率は93%、収率は85.2%であった。 実施例5 42.0gの2−ヨードチオフェン(0.2モル)及び0.84gの実施例1で使用したものと同じペンタシル型ゼオライト(原料2-ブロモチオフェンの2重量%)を三つ口フラスコに加え、166〜167℃で1時間加熱した。得られた反応生成液から転位率及び収率を求めると、転位率は86%、収率は69.8%であった。 比較例1 ペンタシル型ゼオライトに代えてモルデナイト型ゼオライト(東ソー社製、商品名:HSZ−690HOA)を用いた以外は実施例1と同様にして反応させた。転位率は1.4%、収率は1%であった。 比較例2 ペンタシル型ゼオライトに代えてベータゼオライト(ズードケミー社製、商品名: H−BEA−150)を用いた以外は実施例1と同様にして反応させた。転位率は3.5%、収率は3%であった。 実施例6〜8及び比較例3〜6 反応温度を150〜155℃(実施例6〜8)、215〜230℃(比較例3〜5)又は102〜110℃(比較例6)、ペンタシル型ゼオライト添加率(原料2-ブロモチオフェンに対する添加率)、加熱時間を下記表1に示される条件とした以外は実施例1と同様にして収率を求めた。なお、比較例3〜5の場合、耐熱及び耐圧性の反応釜に原料などを仕込み、加圧(0.6〜0.8MPa)条件とし、反応は液相で行われた。 反応温度を150〜155℃とすることによって215〜230℃の場合と比較して、優れた収率で3−ブロモチオフェンが得られた。また、反応温度102〜110℃の場合は反応時間を非常に長くしたにもかかわらず、上表にある収率だけでなく、上表には記載していないが転位率も75%と低いものであった。 実施例9 三つ口フラスコにアセトニトリル76.8g、臭化コバルト(II)879.2mg(4.0ミリモル)、臭化亜鉛(II)915.4mg(4.1ミリモル)、トリフルオロ酢酸160μl(2.0ミリモル)および亜鉛3.9g(60.0ミリモル)を加えた。次に実施例2で得られた異性化反応生成液32.6g(転位率93%)を、30分かけて滴下し、25から30℃で5時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーによって2−ブロモチオフェンの消失を確認した。希塩酸で処理後アセトニトリルを加熱留去した。水を投入して各30gのジクロロメタンで2回抽出し、ジクロロメタン層を再度水洗した。次いで、ジクロロメタン層を蒸留(条件:スルーザパッキング4段、圧力4kPa、バス温〜160℃)によって目的とする3−ブロモチオフェン単離した。実施例2を通じた全収率67%。純度99.8%。 実施例10 三つ口フラスコにアセトニトリル76.8g、臭化コバルト(II)882.0mg(4.0ミリモル)、臭化亜鉛(II)902.7mg(4.0ミリモル)、トリフルオロ酢酸160μl(2.0ミリモル)およびマグネシウム1.5g(61.7ミリモル)を加えた。次に実施例2で得られた異性化反応生成液32.6g(転位率93%)を、30分かけて滴下し、25から30℃で撹拌した。2時間後に臭化コバルト(II)884.4mg(4.0ミリモル)と臭化亜鉛(II)901.2mg(4.0ミリモル)を追加し、更に6時間撹拌した。ガスクロマトグラフィーによって2−ブロモチオフェンの消失を確認後、実施例9と同様に処理した。実施例2を通じた全収率63%。純度99.8%。 実施例11 オートクレーブに実施例1で得られた異性化反応生成液32.6g(転位率93%)、メタノール48.9g、酢酸ナトリウム4.9g(60.0ミリモル)、5%パラジウムカーボン4.26g(2.0ミリモル)を仕込み、水素ガスを0.5MPaで吹込んだ。39から45℃で6時間撹拌し2−ブロモチオフェンに対する3−ブロモチオフェンの純度が99%となったことを確認した。水素ガスをパージして水を投入し5%パラジウムカーボンをろ別した。メタノールを加熱留去し、各30gのジクロロメタンで2回抽出し、ジクロロメタン層を再度水洗した。次いで、ジクロロメタン層を蒸留(条件:スルーザパッキング4段、圧力4kPa、バス温〜160℃)によって目的とする3−ブロモチオフェン単離した。実施例1を通じた全収率42%。純度99.0%。2−ハロゲン化チオフェンを異性化して、3−ハロゲン化チオフェンを製造する方法であって、120〜180℃の温度条件下、液相で2−ハロゲン化チオフェンにペンタシル型ゼオライトを作用させて、2−ハロゲン化チオフェンを異性化することを特徴とする3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。異性化反応が130〜170℃であることを特徴とする請求項1に記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。ペンタシル型ゼオライトがアンモニウム及び/又はプロトンをカチオンとして有するゼオライトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。ペンタシル型ゼオライトがプロトンをカチオンとして有するゼオライトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。2−ハロゲン化チオフェンが、2−ブロモチオフェンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。ペンタシル型ゼオライトを、2−ハロゲン化チオフェンに対して0.01〜20重量%使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。請求項1〜6のいずれかに記載された方法における異性化反応によって得られる反応生成液中の2−ブロモチオフェンをチオフェンに還元し、蒸留することにより3−ハロゲン化チオフェンを単離することを特徴とする3−ハロゲン化チオフェンの製造方法。 【課題】3−ハロゲン化チオフェンを高純度、高収率で製造する方法の提供【解決手段】120〜180℃の温度条件下、液相で2−ハロゲン化チオフェンにペンタシル型ゼオライトを作用させて、2−ハロゲン化チオフェンを異性化することを特徴とする3−ハロゲン化チオフェンを製造する。また、異性化反応によって得られる反応生成液中の未転位原料を還元することによって、3−ハロゲン化チオフェンを蒸留により容易に単離することができる。【選択図】なし


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