生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_血糖値上昇抑制剤
出願番号:2004300735
年次:2006
IPC分類:A61K 36/18,A23L 1/30,A61P 3/04,A61P 3/10,A61P 43/00,C12N 9/99


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柄戸 万理子 山口 宏二 矢澤 一良 JP 2006083146 公開特許公報(A) 20060330 2004300735 20040915 血糖値上昇抑制剤 有限会社湘南予防医科学研究所 300076688 柄戸 万理子 山口 宏二 矢澤 一良 A61K 36/18 20060101AFI20060303BHJP A23L 1/30 20060101ALI20060303BHJP A61P 3/04 20060101ALI20060303BHJP A61P 3/10 20060101ALI20060303BHJP A61P 43/00 20060101ALI20060303BHJP C12N 9/99 20060101ALI20060303BHJP JPA61K35/78 CA23L1/30 BA61P3/04A61P3/10A61P43/00 111C12N9/99 2 書面 7 4B018 4C088 4B018MD61 4B018ME03 4C088AB55 4C088AC05 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA05 4C088CA06 4C088CA07 4C088CA11 4C088MA02 4C088MA04 4C088NA14 4C088ZA70 4C088ZC20 4C088ZC35 α−グルコシダーゼ阻害による血糖値上昇抑制を目的とした医薬品、又は食品に関する。 糖の摂り過ぎによる急激な血糖値上昇は、膵臓のインスリン分泌に負担をかける。インスリンの多量分泌が繰り返されるとインスリン分泌が正常に行われなくなり、その結果、糖尿病発症につながる可能性があるため、食事による血糖値コントロールは糖尿病予防や治療に有効である。α−グルコシダーゼ阻害剤はデンプンや二糖類(マルトース、スクロース)を含む食事からの糖吸収を抑制する。そのためα−グルコシダーゼ阻害剤は食後の血糖値コントロールや摂取カロリーのコントロールに有用であり、α−グルコシダーゼ阻害活性及び血糖値上昇抑制作用をもつ成分は糖尿病予防や治療薬として有効である。また、健常人においても摂取カロリーのコントロールは、結果として肥満の予防や改善、ダイエットなど、幅広い活用が可能である。現在、医薬品でα−グルコシダーゼ阻害剤としてアカルボース、ボグリボースなどが知られ、食品では桑の葉、グァバ葉ポリフェノール、豆鼓エキスなどが知られているが、より効果の高い新しい素材が求められている。 ゼラニウムは主に南アフリカ原産のフウロウソウ科(Geraniaceae)ペラルゴニウム属(Pelargonium)の植物を交雑してつくられた園芸品種である。ペラルゴニウム属は更にゼラニウム群とよばれるグループ及び、ペラルゴニウム群、ニオイゼラニウム群、アイビーゼラニウム群という園芸上の4つの群があり、一般にはこれらも含めてゼラニウムとよばれる。ゼラニウム群(Pelargonium hortorum)はペラルゴニウム・ゾナレ(Pelargonium zonale)を中心に、ペラルゴニウム・インクィナンス(Pelargonium inquinans)など、主に南アフリカ原産のものを交雑してつくられた園芸品種群である。ペラルゴニウム群(Pelargonium domesticum)は南アフリカ原産のペラルゴニウム・グランディフロルム(Pelargonium grandiflorum)に、ペラルゴニウム・ククラトウム(Pelargonium cucullatum)などいくつかの種を交雑してつくられた園芸品種群である。アイビーゼラニウム群(Pelargonium peltata)は南アフリカ原産のペラルゴニウム・ペルタトウム(Pelargonium peltatum)を中心に、同じ南アフリカ原産のペラルゴニウム・ラペリペス(Pelargonium laperipes)などを交雑してつくられた園芸品種群である。ニオイゼラニウム群は南アフリカ原産のペラルゴニウム・グラウェオレンス(Pelargonium graveolens)やペラルゴニウム・オドラティシマム(Pelargonium odoratissimum)などを含み、園芸品種名ではアップル・ゼラニウム、ナツメグ・ゼラニウム、レモン・ゼラニウムなどとして知られている。なお、ペラルゴニウム属の分類に関しては以下の文献を参考にした。1)柳 宗民、NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 ゼラニューム、日本放送出版協会、2002 2)熱帯植物研究会、熱帯植物要覧、カシヨ株式会社、1984 3)中山昌明、週刊朝日百科・植物の世界3−166、朝日新聞社、1994。観賞用の他には、菓子、石鹸、化粧品の香料として使われてきたが、血糖値上昇抑制作用があることは今までに全く知られていなかった。 発明が解決しようとする課題 α−グルコシダーゼ阻害作用を有し血糖値上昇を抑制する医薬品、又は食品を提供することにある。 課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ゼラニウムに顕著なα−グルコシダーゼ阻害活性及び血糖値上昇抑制作用があることを見い出した。すなわち、本発明はゼラニウムを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害による血糖値上昇抑制作用を有する医薬品、又は食品を提供する。 本発明に関わるゼラニウムとはフウロウソウ科(Geraniaceae)ペラルゴニウム属(Pelargonium)に含まれる全ての植物をさす。 本発明に関わるゼラニウムは、生のまま使用することができ、乾燥、もしくは乾燥後粉砕した粉末としても使用することができる。また、熱水抽出、エタノール、又は酢酸エチルなど有機溶媒で抽出した抽出物としても使用できる。 本発明に関わるα−グルコシダーゼ阻害剤または血糖値上昇抑制剤を製造するには、上記の方法で製造したゼラニウム抽出物または乾燥物を用いることができ、常法に従って公知の医薬用無毒性担体と組み合わせて製剤化すればよい。本発明に関わるα−グルコシダーゼ阻害剤または血糖値上昇抑制剤は、種々の剤型での投与が可能であり、例えば、経口投与剤としては錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糟、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。本発明に関わるα−グルコシダーゼ阻害剤または血糖値上昇抑制剤において、ゼラニウム抽出物の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり0.01〜10g/kg体重程度とされ、一日数回に分けて投与してもよい。 また、本発明に関わるゼラニウムは、食経験もあることから安全性が高いと考えられ、α−グルコシダーゼ阻害または血糖値上昇抑制を目的として、食品として摂取することもできる。本発明に関わるゼラニウム含有することを特徴とする食品は、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品として位置付けることができる。食品としては、例えば、ゼラニウム乾燥粉末あるいは抽出物に適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。これらの形態の食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品、例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子などに添加して使用したり、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。かかる食品の形態における本発明のゼラニウムの摂取量は年齢、体重、症状、疾患の程度、食品の形態等により適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり0.01〜10g/kg体重程度とされる。 以下に本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。 実施例1 ゼラニウム抽出物のα−グルコシダーゼ阻害活性試験α−グルコシダーゼ阻害活性試験で用いたゼラニウムは以下の通りである。ゼラニウム・プリティーポーリー、ゼラニウム・ミセステーラー、ゼラニウム・シェルブランドローズ、ゼラニウム・スケルトンユニーク、ゼラニウム・レディメアリー、ゼラニウム・スワールベルグ、ゼラニウム・リリアンポッテンジャー、ゼラニウム・マーブルグレイ、ゼラニウム・ストロベリー、ゼラニウム・センテッドローズ、ゼラニウム・ペパーミント、ゼラニウム・レディプリマス、ゼラニウム・アトミックスノーフレーク、ゼラニウム・ココナッツ、ゼラニウム・アップル、ゼラニウム・オールドスパイス、ゼラニウム・カピタタム、ゼラニウム・アングーソニア、ゼラニウム・オレンジ、ゼラニウム・アップリコット、ゼラニウム・アッタルローズ、ゼラニウム・フレンシャムレモン、ゼラニウム・オドラ、ゼラニウム・サザンウッド、ゼラニウム・ココナッツバリエダカ、ゼラニウム・プリンスオブオレンジ、ゼラニウム・カンファー、ゼラニウム・シナモン、ゼラニウム・オーシャンウェーブ、ゼラニウム・ジンジャー、ゼラニウム・チョコミント、ゼラニウム・ナツメグゴールデン、ゼラニウム・シルバーリーフローズ、ゼラニウム・ナツメグ、ゼラニウム・レモンバーム、ゼラニウム・斑入りレモン、ゼラニウム・レモンビューティー、ゼラニウム・ロベリス、レッドフラワーローズ、ゼラニウム・レモン、ゼラニウム・ライム、オールドスカーレットユニーク、ゼラニウム・ブルボン、ゼラニウム・レディマリー、ゼラニウム・デンチ、バンクーバーセンテニアル、アイビーゼラニウム、ペラルゴニウム・ホルトルム ペラルゴニウム・ドメスティカム。酵素としてα−グルコシダーゼは酵母由来のα−グルコシダーゼ(WAKO社製、138units/mg)及び基質としてp−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド(WAKO社製)を用いた。0.1μg/mlα−グルコシダーゼと0.02M p−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド溶液を0.05%牛血清アルブミン含有0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)中で37℃で30分間反応させた。酵素活性は生成したp−ニトロフェノールの吸光度(405nm)で測定した。ゼラニウム乾燥物の粗切物を重量の10倍量のメタノールに一日浸漬し、ろ過後減圧乾固した抽出物を上記反応液中に添加したところ、表1に示す様な顕著な阻害活性がみられた。(IC50=50%阻害濃度) この結果から各種ゼラニウム(Pelargonium属植物)に顕著なα−グルコシダーゼ阻害活性があることが明らかになった。 実施例2 血糖値上昇抑制試験12週齢の雌ddYマウスを実験前日から約24時間絶食させマルトース1000mg/kgを経口投与し経時的に血糖値測定を行った。マルトース投与前の空腹時血糖値は76±2.36mg/dl、マルトース投与40分後の血糖値は226±13.44mg/dlであった。上記方法と同様に抽出したペラルゴニウム・ホルトルム(表1のNo.4)抽出物500mg/kgをマルトースと混合して経口投与した場合、40分後の血糖値は178±8.34mg/dl(p<0.01 VS control)であった。 これらの結果より、ゼラニウムはデンプン、マルトースの分解吸収を抑制し、血糖値上昇を抑制することが確認された。 発明の効果 ゼラニウムを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害剤または血糖値上昇抑制剤は、健常人や糖尿病患者の疾患者の血糖値コントロールや摂取カロリーのコントロール、その結果として糖尿病の予防と治療、肥満の改善、ダイエットなど、幅広い活用が可能であり、本発明により、これらの用途を目的とした医薬品、又は食品を提供することができる。 ゼラニウムを有効成分とするα−グルコシダーゼ阻害剤。 ゼラニウムを有効成分とする血糖値上昇抑制剤。 【課題】 血糖値上昇抑制作用を有する医薬品又は食品を提供する。【解決手段】 ゼラニウムを有効成分とする血糖値上昇抑制剤を提供する。【選択図】なし


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