タイトル: | 公開特許公報(A)_動脈硬化抑制剤 |
出願番号: | 2004299921 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 45/00,A61K 31/155,A61K 31/4725,A61P 9/00,A61P 9/10,A61P 43/00 |
柳本 広二 JP 2006111563 公開特許公報(A) 20060427 2004299921 20041014 動脈硬化抑制剤 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 803000056 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 柳本 広二 A61K 45/00 20060101AFI20060331BHJP A61K 31/155 20060101ALI20060331BHJP A61K 31/4725 20060101ALI20060331BHJP A61P 9/00 20060101ALI20060331BHJP A61P 9/10 20060101ALI20060331BHJP A61P 43/00 20060101ALI20060331BHJP JPA61K45/00A61K31/155A61K31/4725A61P9/00A61P9/10A61P9/10 101A61P43/00 111 8 OL 14 4C084 4C086 4C206 4C084AA17 4C084DC32 4C084MA52 4C084MA55 4C084NA14 4C084ZA151 4C084ZA361 4C084ZA451 4C084ZC201 4C084ZC611 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC28 4C086MA04 4C086MA52 4C086MA55 4C086NA14 4C086ZA15 4C086ZA36 4C086ZA45 4C086ZC20 4C086ZC61 4C206AA01 4C206AA02 4C206HA31 4C206MA04 4C206MA72 4C206MA75 4C206NA14 4C206ZA15 4C206ZA36 4C206ZA45 4C206ZC20 4C206ZC61 本発明は、例えば、セリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有する動脈硬化抑制剤に関する。 動脈硬化病巣の進展は、やがて血管壁の破綻や血管の閉塞を引き起こす。動脈硬化病巣の進展は、一般に動脈硬化症と総称される疾患群、具体的には、大動脈弁閉鎖不全症、腎性高血圧症、虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症、動脈瘤、動脈解離、急性動脈閉塞等の血管障害又は臓器障害の原因となる。動脈硬化病巣の進展を防止するためには、従来から、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、或いは喫煙といった、いわゆるリスクファクターに対する治療や管理が重要であることが知られている。 ところで、現在、日本における年間死亡者数統計において、その原因別死亡者数における、血管障害による死亡者数の割合は、非常に多い。血管障害による死亡者数は、最も多いとされる悪性疾患による死亡者数にほぼ匹敵する。すなわち、大多数のヒトは、悪性疾患あるいは血管障害で死亡するということができる。そして、血管障害の原因として、上述した動脈硬化性血管病巣の進展が、もっとも大きな位置を占めている。 従来、上述したリスクファクターを排除することが、動脈硬化病巣の進展に対する重要な予防戦略である。しかしながら、糖尿病治療、或いは高脂血症の治療等によるリスクファクターへの対処・排除のみではなく、積極的に動脈硬化病巣の進展を抑制する根本的な予防又は治療方法の開発が望まれていた。 一方、これまで行われてきた動脈硬化性病態に関する研究により、動脈硬化病巣は、内皮細胞の機能障害、血管壁内での脂質沈着及びそれに伴う単球系炎症細胞の血管壁への集積、当該単球系炎症細胞の貪食細胞への分化及び活性化、血管内脂質への酸化的又は酵素的修飾とそれによる局所炎症の惹起、各種炎症反応の進展、並びに血管壁での平滑筋の増殖を伴う過剰修復又は異常修復反応等により進展すると考えられている。すなわち、動脈硬化病巣の進展には、特定の炎症・組織修復反応が関与すると考えられている。実際に、動脈硬化病巣の進展の際には、血管壁において補体系、線溶系、血液凝固系及びカリクレイン-キニン系を含む血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)の活性化が生じていることは既に知られている。 一般的に、血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)に関与するセリンプロテアーゼを阻害する選択的又は広域セリンプロテアーゼ阻害剤を全身投与した場合には、生体内において、抗炎症作用又は抗凝固作用等が観察される。例えば、セリンプロテアーゼ阻害剤として、N2-アリールスルホニル-L-アルギニンアミド類(特許文献1)及び6'-アミジノ-2'-ナフチル4-グアニジノベンゾエート(特許文献2)が知られている。特許文献1に記載のN2-アリールスルホニル-L-アルギニンアミド類の1つであるアルガトロバンは、選択的抗トロンビン剤として市販されている。一方、特許文献2に記載の6'-アミジノ-2'-ナフチル4-グアニジノベンゾエートの酸付加塩の1つであるメシル酸ナファモスタットが市販されている。しかしながら、これまで、セリンプロテアーゼ阻害剤が動脈硬化病巣進展抑制効果を有することは知られていなかった。特公平01-035000号公報特公昭61-001063号公報 上述したように、従来の動脈硬化病巣の進展の予防方法は、リスクファクターを排除することである。動脈硬化病巣の進展を抑制する根本的な予防又は治療方法の開発が望まれている。 そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、確実にかつ安全に動脈硬化病巣の進展を抑制する動脈硬化抑制剤を提供することを目的とする。 上述したように、動脈硬化病巣の進展の際には、様々な現象が観察されているが、動脈硬化の抑制を達成し得る知見は得られていなかった。 そこで、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明者は、多数のタンパク質分解酵素群の連続的な活性化によって進展する、補体系、線溶系、血液凝固系及びカリクレイン-キニン系を含む血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)では、セリンプロテアーゼが重要な位置を占めること、さらに血漿中のタンパク質分解酵素に基づく炎症がセリンプロテアーゼカスケードに基づき進展することに着目したところ、セリンプロテアーゼ阻害剤の全身投与が動脈硬化病巣の進展を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明は以下を包含する。 (1)セリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有する動脈硬化抑制剤。 (2)セリンプロテアーゼ阻害剤が、アルガトロバン又はメシル酸ナファモスタットであることを特徴とする、(1)記載の動脈硬化抑制剤。 (3)(1)又は(2)記載の動脈硬化抑制剤を含有する血管障害用医薬組成物。 (4)前記血管障害が動脈硬化症である、(3)記載の血管障害用医薬組成物。 (5)前記動脈硬化症が、大動脈弁閉鎖不全症、腎性高血圧症、虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症、動脈瘤、大動脈瘤、動脈解離及び大動脈解離から成る群より選択されるものである、(4)記載の血管障害用医薬組成物。 (6)(1)又は(2)記載の動脈硬化抑制剤を含有する臓器障害用医薬組成物。 (7)前記臓器障害が、臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症又は四肢末梢循環不全症である、(6)記載の臓器障害用医薬組成物。 (8)前記臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症又は四肢末梢循環不全症が、急性動脈狭窄、急性動脈閉塞、慢性動脈狭窄、慢性動脈閉塞及び血管内血栓形成から成る群より選択されるものを原因とする、(7)記載の臓器障害用医薬組成物。 本発明により、動脈硬化抑制剤が提供される。本発明に係る動脈硬化抑制剤は、動脈硬化病巣の進展に対する抑制効果を有することから、動脈硬化の予防又は治療に使用することができる。また、動脈硬化病巣の進展を原因とする動脈硬化症、具体的には、虚血性心疾患及び脳卒中等の血管障害又は動脈硬化性臓器障害の予防又は治療に、本発明に係る動脈硬化抑制剤を使用することができる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明に係る動脈硬化抑制剤は、セリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有するものである。本発明に係る動脈硬化抑制剤をヒト等の動物に投与することにより、動脈硬化病巣の進展を抑制することができる。本発明に係る動脈硬化抑制剤による動脈硬化病巣進展の抑制効果は、血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)に関与するセリンプロテアーゼに対する阻害作用に基づく。 ここで、動脈硬化病巣とは、血管壁への異常な脂質の沈着や高血圧等の物理的ストレスを引き金とする血管壁平滑筋細胞の増殖、血管壁の肥厚又は動脈瘤形成を伴う、非薄化、動脈硬化性プラーク形成、プラーク内出血、血管壁石灰化、動脈解離又は動脈瘤形成等より成る狭窄性、閉塞性、拡張性又は易破綻性病変を意味する。 一方、セリンプロテアーゼとは、活性部位にセリン残基を有するプロテアーゼを意味する。本発明においては、動脈硬化病巣の進展の際に活性化する血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)に関与するセリンプロテアーゼを対象とする。 セリンプロテアーゼ阻害剤とは、セリンプロテアーゼ反応に対する阻害作用を有する物質の総称である。セリンプロテアーゼに対する阻害作用は、活性化セリンプロテアーゼ及び阻害剤の存在下に、セリンプロテアーゼの基質に対するタンパク質分解反応における阻害作用をもって測定される。尚、セリンプロテアーゼ阻害作用として、例えばヘパリンがATIII活性を増強するように、自らセリンプロテアーゼ阻害作用を有さずとも、他のセリンプロテアーゼインヒビター活性を増強してもよい。また、セリンプロテアーゼ阻害剤としては、セリンプロテアーゼ前駆体の活性化段階に対する、あるいは、セリンプロテアーゼの合成に対する阻害作用を有するものでもかまわない。 本発明に係る動脈硬化抑制剤に使用するセリンプロテアーゼ阻害剤としては、セリンプロテアーゼ作用に対する阻害作用を有するものではあれば特に限定されない。なお、セリンプロテアーゼ阻害剤は、大きく分けて、選択的セリンプロテアーゼ阻害剤と広域セリンプロテアーゼ阻害剤とに分類することができる。ここで、「選択的セリンプロテアーゼ阻害剤」とは、特定のセリンプロテアーゼを特異的に阻害するセリンプロテアーゼ阻害剤を意味する。一方、「広域セリンプロテアーゼ阻害剤」とは、複数種のセリンプロテアーゼを阻害するセリンプロテアーゼ阻害剤を意味する。 本発明に係る動脈硬化抑制剤に使用できる選択的セリンプロテアーゼ阻害剤としては、例えば、アルガトロバン(医薬品名:ノバスタン(NOVASTAN)又はスロンノン)、ビバリルジン(医薬品名:アンギオマックス)及びキシメラガトラン(ximelagatran)(医薬品名:Exanta)等の抗トロンビン剤並びにフォンダペリヌクス・ソディウム(合成ヘパリン類似物質製剤)(医薬品名:アリクストラ)等の抗Xa剤が挙げられる。特にアルガトロバンが好ましい。アルガトロバンは、特異的にトロンビン活性を阻害する化合物、すなわち、選択的抗トロンビン剤である。現在、アルガトロバンは、ヒト脳血栓症急性期における神経症状、日常生活動作、慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍、安静時疼痛及び冷感の改善を目的に使用することが認められている。 一方、本発明に係る動脈硬化抑制剤に使用できる広域セリンプロテアーゼ阻害剤としては、例えば、メシル酸ナファモスタット(医薬品名:フサン(FUTHAN))、メシル酸ガベキセート(医薬品名:エフオーワイ、ノエマ、パナペート、プラスアクター、又はレミナロン)、メシル酸カモスタット(医薬品名:ファイパン)、乾燥濃縮ヒトアンチトロンビンIII(医薬品名:アンスロンビンP、又はノイアート)、シベレスタットナトリウム(医薬品名:エラスポール)、ウリナスタチン(医薬品名:ミラクリッド)、アプロチニン(医薬品名:トラジロール)、低分子ヘパリン及びダナパロイド(低分子ヘパリノイド)(医薬品名:オルガラン注)、並びにヘパリン製剤(例えば、ヘパリンナトリウム(医薬品名:ヘパリン)、ヘパリンカルシウム(医薬品名:ヘパリン)、ティンザパリン(医薬品名:イノヘップ)、レビパリン(医薬品名:ローモリン注)、パルナパリン(医薬品名:ローヘパ注500)及びダルテパリン(医薬品名:フラグミン静注))等が挙げられる。特にメシル酸ナファモスタットが好ましい。メシル酸ナファモスタットは、補体系、線溶系、血液凝固系及びカリクレイン-キニン系を含む血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)に関与する複数種のセリンプロテアーゼを阻害する化合物である。現在、メシル酸ナファモスタットは、ヒト膵炎や汎発性血管内血液凝固症(DIC)の治療、あるいは血液透析時の凝固防止を目的に使用することが認められている。 動脈硬化病巣の進展を抑制する上で、本発明に係る動脈硬化抑制剤をヒト等の動物に長期にわたり投与することが必要な場合がある。このような場合には、本発明に係る動脈硬化抑制剤を使用する上で、長期にわたる投与が、ヒト等の動物の生体にとって安全であることが必要である。この点において、上述したアルガトロバン及びメシル酸ナファモスタット等のセリンプロテアーゼ阻害剤は、既に臨床の場で使用されている。従って、アルガトロバン又はメシル酸ナファモスタット等のセリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有する本発明に係る動脈硬化抑制剤がヒト等の動物の生体にとって高い安全性を有することは、既に確認されている。 血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)における、本発明に係る動脈硬化抑制剤に含まれるセリンプロテアーゼ阻害剤の作用機構の例示として、アルガトロバン又はメシル酸ナファモスタットの阻害箇所を図1に示す。図1において、略号は、以下のものを意味する。C3b、B、Ba、D、C3bBb、C1qrs(C1)、C4、C4a、C4b、C2、C2a、C4b2b、C3、C3a、C3b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9及びC5b6789は、補体成分である(なお、D、C3bBb、C1qrs及びC4b2bの表記の上に横線を引いて表されているものは、活性化された補体成分を示す)。XII、XIIa、XI、XIa、IX、IXa、X、Xa、II、IIa及びI-fib(フィブリノーゲン)は、血液凝固因子である。HMKは高分子キニノーゲンである。KNGはキニノーゲンである。KNはキニンである。 図1に示すように、血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)は、古典経路及び第二経路から成る補体系、線溶系、血液凝固系並びにカリクレイン-キニン系を含む。補体系には、C3b、B、Ba、D、C3bBb、C1qrs(C1)、C4、C4a、C4b、C2、C2a、C4b2b、C3、C3a、C3b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9及びC5b6789等の補体成分が含まれる。線溶系には、プラスミノーゲン、アクチベーター(プラスミノーゲンアクチベーター)及びプラスミンが含まれる。血液凝固系には、XII、XIIa(活性化XII因子)、XI、XIa(活性化XI因子)、IX、IXa(活性化IX因子)、X、Xa(活性化X因子)、II、IIa(活性化II因子又は活性化トロンビン)及びI-fib(フィブリノーゲン)が含まれる。カリクレイン-キニン系には、プレカリクレイン、カリクレイン、キニノーゲン及びキニンが含まれる。また、補体系、線溶系、血液凝固系及びカリクレイン-キニン系は、相互に関与している。例えば、陰性荷電を有する接触刺激、或いは、組織傷害等の炎症惹起性刺激があった場合に、当該血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)では、補体系、線溶系、血液凝固系及びカリクレイン-キニン系の各種タンパク質分解酵素群が連続的に活性化する。 図1に示すように、アルガトロバンは、セリンプロテアーゼであるトロンビン(活性化II因子:IIa)を阻害する。一方、メシル酸ナファモスタットは、補体系ではB因子(B)、D因子(D)及びC1qrs(C1)、線溶系ではプラスミン、血液凝固系では活性化XII因子(XIIa)、活性化X因子(Xa)及びトロンビン(活性化II因子:IIa)、カリクレイン-キニン系ではカリクレイン等のセリンプロテアーゼを阻害する。 本発明に係る動脈硬化抑制剤は、上述した1又は複数のセリンプロテアーゼ阻害剤単独、又は医薬用成分と組み合わせて製剤化することができる。 一方、本発明に係る動脈硬化抑制剤は、血管壁での炎症を抑え、動脈硬化病巣の進展を原因とする血管障害又は臓器障害の予防又は治療に使用するための、血管障害又は臓器障害用医薬組成物として使用することができる。予防又は治療対象となる血管障害としては、例えば、動脈硬化症と総称される疾患群、具体的には、大動脈弁閉鎖不全症、腎性高血圧症、虚血性心疾患(狭心症及び心筋梗塞)、脳卒中、高血圧症、脳血栓症又は各種臓器血栓症、末梢循環不全症、閉塞性動脈硬化症、動脈瘤又は大動脈瘤、動脈解離又は大動脈解離、動脈狭窄症及び急性又は慢性動脈閉塞症等、さらには、動脈硬化症以外であっても血管壁での炎症に基づく大動脈炎症候群が挙げられるが、特に虚血性心疾患及び脳卒中が好ましい。一方、予防又は治療対象となる臓器障害としては、例えば、各種臓器不全疾患群、各種臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症及び四肢末梢循環不全症が挙げられる。当該各種臓器不全疾患群、各種臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症及び四肢末梢循環不全症の原因としては、例えば、急性動脈狭窄、急性動脈閉塞、慢性動脈狭窄、慢性動脈閉塞及び血管内血栓形成等が挙げられる。また、予防又は治療対象となるその他の臓器障害である臓器循環障害としては、例えば、虚血性臓器機能障害、虚血性部分的臓器壊死、四肢末梢性虚血障害及び四肢末梢性壊死等が挙げられるが、特に虚血性臓器機能障害、虚血性部分的臓器壊死が好ましい。 本発明に係る動脈硬化抑制剤の剤形としては、特に限定されるものではないが、例えば、錠剤、粉剤、乳剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤が挙げられる。 また、セリンプロテアーゼ阻害剤と組み合わせることができる医薬用成分としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤及び香料が挙げられる。 賦形剤としては、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等が挙げられる。 結合剤としては、例えば、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖及びマクロゴールが挙げられる。 崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム及びトラガントが挙げられる。 界面活性剤としては、例えば、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウロマクロゴールが挙げられる。 滑沢剤としては、例えば、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油及びポリエチレングリコールが挙げられる。 流動性促進剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム及びケイ酸マグネシウムが挙げられる。 また、本発明に係る動脈硬化抑制剤の剤形が、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤又はエリキシル剤である場合には、矯味矯臭剤、着色剤等を含有してもよい。 さらに、本発明に係る動脈硬化抑制剤は、更なる成分を含んでいてもよい。本発明に係る動脈硬化抑制剤が含むことができる成分としては、例えば、降圧剤、循環改善剤、抗血小板剤、抗凝固製剤、止血製剤及び抗炎症剤等が挙げられる。 一方、本発明に係る動脈硬化抑制剤におけるセリンプロテアーゼ阻害剤の含有量は、投与目的、投与経路、剤形等によって適宜変更し得る。 本発明に係る動脈硬化抑制剤の投与回数、投与量及び投与期間は、特に限定されるものではなく、例えば、病気の種類、患者の年齢、性別、体重又は症状の程度、あるいは投与方法などに応じて適宜決定することができる。投与回数は、例えば、経口投与で、1日1回〜4回、好ましくは1日1〜3回である。本発明に係る動脈硬化抑制剤に含まれるセリンプロテアーゼ阻害剤の投与量は、1日当たり0.001mg〜100mg/kg体重、好ましくは0.1mg〜3mg/kg体重である。また、投与期間は、3日間以上、好ましくは3ヶ月〜数年、あるいは、持続的投与である。 本発明に係る動脈硬化抑制剤の投与経路は、剤形や使用目的に応じて、適宜決定することができるが、例えば、経口投与及び非経口投与(腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、鼻内投与、舌下投与等)が挙げられる。特に全身投与を達成することができる投与経路が好ましく、当該投与経路としては、上述した経口投与及び非経口投与(腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、鼻内投与、舌下投与等)が挙げられる。 本発明に係る動脈硬化抑制剤の薬理評価は、例えば、以下のように、動脈硬化病巣易発現モデルマウスを用いて行うことができる。 例えば、先天的脂質代謝異常を有するアポEノックアウトマウス(C57BL/6J-ApoE)に対し、高脂肪食を連日与えることで、心臓及び大動脈を中心として、動脈硬化病巣の形成を促す。当該マウスを動脈硬化病巣易発現モデルマウスとして使用する。次いで、動脈硬化病巣易発現モデルマウスに、本発明に係る動脈硬化抑制剤を腹腔内に、隔日に投与する。投与終了後、全身深麻酔下に心臓及び上行大動脈を取り出し、大動脈弁領域において、断続的環状断薄切切片を作製する。当該切片を用いて、大動脈弁の脂質沈着範囲(面積)及び大動脈弁壁の肥厚程度に関して、組織学的に解析する。なお、本発明に係る動脈硬化抑制剤の代わりに偽薬(例えば、生理食塩水等の溶媒)を投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスを対照とする。 対照の動脈硬化病巣易発現モデルマウスに比べて、本発明に係る動脈硬化抑制剤を投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスにおいて、大動脈内への脂質沈着面積又は大動脈弁の厚さが、統計的有意差を持って軽減した場合には、動脈硬化病巣の進展を抑制することができたと判断することができる。 本発明に係る動脈硬化抑制剤において有効成分として含有するセリンプロテアーゼ阻害剤は、動脈硬化病巣の進展を抑制することから、その有効量を、年齢や性別を問わずヒト等の動物に投与することにより、生体内において動脈硬化病巣の進展、すなわち動脈硬化を抑制することができる。 動脈硬化病巣の進展は、動脈硬化症、虚血性心疾患(例えば、狭心症及び心筋梗塞)及び脳卒中等の血管障害の原因である。また、動脈硬化性病巣の進展により、様々な臓器において、栄養血管の血管壁破綻又は血管内腔閉塞に陥る。栄養血管の血管壁破綻又は血管内腔閉塞により十分な血流を得られなくなり、この状態が持続した場合には、代謝障害が生じる。その結果、永続する臓器機能障害の出現や細胞死(部分的臓器壊死)といった臓器障害に至る。そこで、血管障害又は臓器障害を予防又は治療するために、本発明に係る動脈硬化抑制剤を使用することができる。このように、本発明に係る動脈硬化抑制剤は、動脈硬化病巣の進展に基づき発症する血管障害又は臓器障害に関するリスクファクターを有する患者の発症リスク軽減作用を目的としても使用することができる。 近年、リスクファクターに対する治療や管理が動脈硬化性血管病変を退縮、軽減させる場合のあることが明らかとなっている。従って、血管肥厚等の狭窄性血管病変は、本発明に係る動脈硬化抑制剤を用いて退縮、軽減、すなわち治療することが可能である。また、本発明に係る動脈硬化抑制剤による血管肥厚等の狭窄性血管病変の治療の結果、臓器への栄養血管の血流は改善され、血流不足に陥った臓器を虚血状態、虚血性機能障害又は虚血性壊死の危険性から守ることができる。このように、本発明に係る動脈硬化抑制剤は、あらゆる動物の臓器保護に適用することができる。特に、本発明に係る動脈硬化抑制剤は、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ及びウマ等)の臓器保護に好適に適用することができる。 以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。〔実施例1〕 セリンプロテアーゼ阻害剤の動脈硬化抑制活性(1)動脈硬化病巣易発現モデルマウスの作製 先天的脂質代謝異常を有するアポEノックアウトマウス(C57BL/6J-ApoE)に対し、脂肪含有量20重量%の高脂肪食を生後6週令〜12週令まで連日与えることで、心臓及び大動脈を中心として、動脈硬化病巣の形成を促した。以下では、当該マウスを動脈硬化病巣易発現モデルマウス(以下、「モデルマウス」という)として使用した。(2)セリンプロテアーゼ阻害剤の投与 生後6週令のモデルマウスに、アルガトロバンを1回投与当たり0.1 mg、0.2 mg又は0.4 mgの用量で、溶媒(生理食塩水)0.2 mlに溶解した溶液として、6週間にわたり隔日に腹腔内投与した。一方、対照群として、モデルマウスに溶媒(生理食塩水)0.2 mlのみを同様に腹腔内投与した。なお、各群はそれぞれ10匹とした。 あるいは、生後6週令のモデルマウスに、メシル酸ナファモスタットとして医薬品FUT-175(フサン)を、1回投与当たり0.025 mg、0.1 mg又は0.4 mgの用量で、溶媒(生理食塩水)0.2 mlに溶解した溶液として、6週間にわたり隔日に腹腔内投与した。対照群として、モデルマウスに溶媒(生理食塩水)0.2 mlのみを同様に腹腔内投与した。なお、各群はそれぞれ10匹とした。(3)動脈硬化病巣に対するセリンプロテアーゼ阻害剤の効果の検討 アルガトロバン又はFUT-175を投与したモデルマウスについて、動脈硬化病巣の定量的解析を行うことで、アルガトロバン又はFUT-175投与が動脈硬化病巣の進展に与える影響を検討した。 アルガトロバン又はFUT-175の6週間投与終了後、全ての群について、全身深麻酔下に心臓及び上行大動脈を取り出し、大動脈弁領域において、断続的環状断薄切切片(以下、「切片」という)を作製した。当該切片を用いて、脂質沈着範囲(面積)及び大動脈弁壁の肥厚程度に関して、組織学的に解析、比較した。なお、脂質沈着範囲(面積)及び大動脈弁壁の肥厚程度を測定すべく、血管壁での脂質(沈着)に関してはオイルレッド・オー染色を用いて、また、大動脈弁の形態はヘマトキシリンによる核染色により、それぞれ描出した。(4)動脈硬化病巣に対するセリンプロテアーゼ阻害剤の効果の分析結果(i) 動脈硬化病巣に対するアルガトロバンの効果の分析結果 アルガトロバンを投与したモデルマウスから作製した上記切片における大動脈弁の写真を図2に示す。図2において、パネル(a)及び(b)の写真(Ve)は、対照群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(b)は、パネル(a)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。パネル(c)及び(d)の写真(Arg-M)は、1回投与当たり0.2 mgを投与した群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(d)は、パネル(c)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。さらに、パネル(e)及び(f)の写真(Arg-H)は、1回投与当たり0.4 mgを投与した群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(f)は、パネル(e)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。パネル(a)、(c)及び(e)のバーの長さは50μmであり、一方、パネル(b)、(d)及び(f)のバーの長さは20μmである。なお、青色で染色された箇所は、平滑筋細胞核より成る平滑筋細胞層であり、一方、黒褐色で染色された箇所は、脂質の沈着部位を示す。 図2から判るように、対照群では、大動脈弁で脂質沈着と平滑筋の増殖による壁肥厚(パネル(b)の矢印)が生じていた。一方、対照群と比較して、高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でアルガトロバンを投与したモデルマウスの群では、脂質沈着と大動脈弁壁の肥厚(パネル(f)の矢印)が有意に抑制されたことが明らかとなった。 さらに、アルガトロバンを投与したモデルマウスから作製した上記切片における、大動脈弁内への脂質沈着面積の測定結果を図3に示す。図3では、各群に対する大動脈弁内への脂質沈着の平均面積が示されている。 図3から判るように、図2の結果に一致して、対照群と比較して、高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でアルガトロバンを投与したモデルマウスの群では、大動脈弁内への脂質沈着が有意に軽減されたことが明らかとなった。 一方、アルガトロバンを投与したモデルマウスから作製した上記切片における、大動脈弁の厚さの測定結果を図4に示す。図4では、各群に対する大動脈弁の平均厚さが示されている。 図4から判るように、図2の結果に一致して、対照群と比較して、高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でアルガトロバンを投与したモデルマウスの群では、大動脈弁の厚さが有意に軽減されたことが明らかとなった。 以上より、アルガトロバンなどの選択的セリンプロテアーゼ阻害剤の全身投与は、動脈硬化病巣形成の進展を抑制することが証明された。(ii) 動脈硬化病巣に対するメシル酸ナファモスタットの効果の分析結果 FUT-175を投与したモデルマウスから作製した上記切片における大動脈弁の写真を図5及び6に示す。図5及び6において、パネル(a)及び(b)の写真(Ve)は、対照群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(b)は、パネル(a)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。図6において、パネル(c)及び(d)の写真(F-M)は、1回投与当たり0.1 mgを投与した群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(d)は、(c)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。さらに、図6において、パネル(e)及び(f)の写真(F-H)は、1回投与当たり0.4 mgを投与した群から作製した切片における大動脈弁の写真である(パネル(f)は、パネル(e)中の円で囲んだ箇所の拡大写真である)。図5及び6において、パネル(a)、(c)及び(e)のバーの長さは50μmであり、一方、パネル(b)、(d)及び(f)のバーの長さは20μmである。なお、青色で染色された箇所は、平滑筋細胞核より成る平滑筋細胞層であり、一方、黒褐色で染色された箇所は、脂質の沈着部位を示す。 図5及び6から判るように、対照群では、大動脈弁で脂質沈着と平滑筋の増殖による壁肥厚(パネル(b)の矢印)が生じていた。一方、対照群と比較して、中用量(1回投与当たり0.1 mgの用量)及び高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でFUT-175を投与したモデルマウスの群では、脂質沈着と大動脈弁壁の肥厚(パネル(d)及び(f)の矢印)が有意に抑制されたことが明らかとなった。 さらに、FUT-175を投与したモデルマウスから作製した上記切片における、大動脈弁内への脂質沈着面積の測定結果を図7に示す。図7では、各群に対する大動脈弁内への脂質沈着の平均面積が示されている。 図7から判るように、図5及び6の結果に一致して、対照群と比較して、中用量(1回投与当たり0.1 mgの用量)及び高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でFUT-175を投与したモデルマウスの群では、大動脈弁内への脂質沈着が有意に軽減されたことが明らかとなった。 一方、FUT-175を投与したモデルマウスから作製した上記切片における、大動脈弁の厚さの測定結果を図8に示す。図8では、各群に対する大動脈弁の平均厚さが示されている。 図8から判るように、図5及び6の結果に一致して、対照群と比較して、中用量(1回投与当たり0.1 mgの用量)及び高用量(1回投与当たり0.4 mgの用量)でFUT-175を投与したモデルマウスの群では、大動脈弁の厚さが有意に軽減されたことが明らかとなった。 以上より、メシル酸ナファモスタットなどの広域セリンプロテアーゼ阻害剤の全身投与は、動脈硬化病巣形成の進展を抑制することが証明された。図1は、血漿タンパク質分解酵素反応系(カスケード)におけるアルガトロバン又はメシル酸ナファモスタットの阻害箇所を示す。図2は、アルガトロバンを投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における大動脈弁の写真を示す。図3は、アルガトロバンを投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における、大動脈弁内への脂質沈着面積の測定結果を示す。図4は、アルガトロバンを投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における大動脈弁の厚さの測定結果を示す。図5は、対照群の動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における大動脈弁の写真を示す。図6は、FUT-175を投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における大動脈弁の写真を示す。図7は、FUT-175を投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における、大動脈弁内への脂質沈着面積の測定結果を示す。図8は、FUT-175を投与した動脈硬化病巣易発現モデルマウスから作製した大動脈弁領域の断続的環状断薄切切片における大動脈弁の厚さの測定結果を示す。 セリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有する動脈硬化抑制剤。 セリンプロテアーゼ阻害剤が、アルガトロバン又はメシル酸ナファモスタットであることを特徴とする、請求項1記載の動脈硬化抑制剤。 請求項1又は2記載の動脈硬化抑制剤を含有する血管障害用医薬組成物。 前記血管障害が動脈硬化症である、請求項3記載の血管障害用医薬組成物。 前記動脈硬化症が、大動脈弁閉鎖不全症、腎性高血圧症、虚血性心疾患、脳卒中、閉塞性動脈硬化症、動脈瘤、大動脈瘤、動脈解離及び大動脈解離から成る群より選択されるものである、請求項4記載の血管障害用医薬組成物。 請求項1又は2記載の動脈硬化抑制剤を含有する臓器障害用医薬組成物。 前記臓器障害が、臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症又は四肢末梢循環不全症である、請求項6記載の臓器障害用医薬組成物。 前記臓器循環不全疾患群、四肢循環不全症又は四肢末梢循環不全症が、急性動脈狭窄、急性動脈閉塞、慢性動脈狭窄、慢性動脈閉塞及び血管内血栓形成から成る群より選択されるものを原因とする、請求項7記載の臓器障害用医薬組成物。 【課題】 動脈硬化病巣の進展に関連して生じる各種疾患又は障害の予防又は治療に有用な、動脈硬化抑制剤を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は、セリンプロテアーゼ阻害剤を有効成分として含有する動脈硬化抑制剤に関する。【選択図】 なし