生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_睡眠健康改善剤
出願番号:2004286730
年次:2006
IPC分類:A61K 31/715,A23L 1/308,A61P 1/10,A61P 25/20,A23L 2/52


特許情報キャッシュ

小野 茂之 JP 2006096715 公開特許公報(A) 20060413 2004286730 20040930 睡眠健康改善剤 花王株式会社 000000918 近藤 三雄 100131738 加藤 実 100107607 小野 茂之 A61K 31/715 20060101AFI20060320BHJP A23L 1/308 20060101ALI20060320BHJP A61P 1/10 20060101ALI20060320BHJP A61P 25/20 20060101ALI20060320BHJP A23L 2/52 20060101ALI20060320BHJP JPA61K31/715A23L1/308A61P1/10A61P25/20A23L2/00 F 5 OL 5 4B017 4B018 4C086 4B017LC03 4B017LK13 4B018LB08 4B018MD33 4B018MD47 4B018ME14 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA20 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA05 4C086ZA72 本発明は、睡眠健康改善効果と便通改善効果を併せ持つ睡眠健康改善剤、特に飲食品に関する。 食物繊維は5大栄養素(蛋白質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)とならぶ第6の栄養素として、健康の維持・増進に重要であることが認められている。これまでの多くの検討から、食物繊維は特に便通状態および腸内環境の改善に効果的であることが報告されている(例えば特許文献1)。即ち、食物繊維は小腸での消化を免れた後、大腸内に到達し、水分を吸収して嵩を増すことで糞便骨格を形成し、消化管壁に物理的刺激を与えること、また、腸内細菌に利用されることで短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸等)に変換され、消化管壁に化学的刺激を与えて腸管の蠕動運動を促進することが知られている(非特許文献1)。 しかしながら、食物繊維が睡眠健康の改善に有効であることはわかっていなかった。特公平7−12294号公報土井邦紘,辻啓介編「食物繊維」朝倉書店,1997年 すなわち本発明は、睡眠健康改善効果と便通改善効果を併せ持つ、飲食品等の睡眠健康改善剤を得ることを目的とする。 本発明者らは、食物繊維の便通状態および腸内環境改善効果に着目し、食物繊維を摂取することでもたらされる人体への影響について検討した結果、睡眠健康の改善効果が見られることを見出し、本発明をなすに至った。 即ち、本発明は、食物繊維を有効成分とする睡眠健康改善剤を提供するものである。 本発明によれば、適量の食物繊維を摂取することにより、睡眠健康改善効果と便通改善効果とが同時に得られるので、安全、簡便かつ経済的である。 本発明で食物繊維とは、ヒトの消化酵素によって分解されず、大腸に到達できる食品中の高分子化合物をいい、植物性、動物性及び微生物性のものを含む。その水溶性によって「難水溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」とに分類される。また、腸内細菌に資化されない「難発酵性食物繊維」と腸内細菌に利用され短鎖脂肪酸に変換される「発酵性食物繊維」とにも分類される。 具体的には、セルロース、ヘミセルロース、水溶性ヘミセルロース、リグニン、アルギン酸Na、低分子化アルギン酸Na、カラギーナン、フコイダン、ラミナラン、カルボキシメチルセルロースNa、ポリデキストロース、寒天、ペクチン、低分子化ペクチン、グアーガム、低分子化グアーガム、アラビアガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、キチン、キトサン、レジスタントスターチ等が挙げられる。 形態を飲料とする場合、配合の容易性から水溶性食物繊維が好ましい。水溶性食物繊維であれば、難発酵性、発酵性食物繊維のいずれも用いることができる。水溶液の粘度が低い点でポリデキストロース、アラビアガムが好ましい。 本発明で「睡眠健康改善効果」を示すとは、「睡眠健康危険度総得点」が減少することをいう。「睡眠健康危険度総得点」は、第1因子:睡眠維持障害関連因子、第2因子:睡眠随伴症(パラソムニア)関連因子、第3因子:睡眠時無呼吸関連因子、第4因子:起床困難関連因子および第5因子:入眠障害関連因子から構成される各因子について、所定の質問項目に付した評点を集計して求める[ジャーナル・オブ・サイコソマティック・リサーチ(Journal of Psychosomatic Research)、2004年、第56巻, p.465-477]。睡眠健康危険度総得点は、得点が高い程、睡眠健康に問題がある(危険度が高い)ことを示している。 本発明で「便通改善効果」を示すとは、消化器疾患の基準の一つであるローマ基準II[ガット(Gut), 1999年、第45巻: II43-II47,]で機能性便秘(functional constipation: FC)又は過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)の症状が軽減することをいう。 食物繊維により、便通改善および睡眠健康改善効果を得る有効量は、例えば形態が飲食品である場合、1回あたりの食物繊維の摂取量が例えば0.1g以上、好ましくは3g以上、より好ましくは5g以上である。1回あたりの食物繊維の摂取量は上限は20gとするのが好ましい。本発明の食物繊維を有効成分とする睡眠健康改善剤は、1日1回、又は1日あたり何回かに分けて摂取することができる。そして、1日あたり0.1〜20gの食物繊維を摂取するようにすることが好ましい。 本発明の睡眠健康改善剤は、食物繊維を経口で摂取できる形態であれば特に限定されず、機能性食品、健康食品、スナック食品等の食品、医薬品等とすることができる。飲食品としては、クッキー状、フレーク状、ウェハー状、錠剤、顆粒剤、スナック菓子等の他、飲料の形態が挙げられる。特に摂取のし易さの点から飲料の形態が好ましい。 本発明を飲食品の形態にするには、前記食物繊維以外に、デンプン、デキストリン、ブドウ糖、果糖、砂糖、ソルビトール、エリスリトール等の糖類;カゼイン、大豆タンパク質、卵白等のタンパク質類;炭酸カルシウム、乳酸鉄等のミネラル類;ビタミンA、B1、B2、B12、C、E等のビタミン類;米、大麦、小麦、大豆、とうもろこし、各種野菜、肉類、食用油、調味料、乳化剤、糊料、賦形剤、酸味料、香料、水等を適宜単独または組み合せて配合することができる。 これら飲食品の包装には、睡眠健康改善のために用いられるものである旨の表示を付することができる。<実施例1> 以下の配合処方により,常法に従ってクッキーを調製した。焼成前のクッキー生地を10gずつ取り分け,その焼成品6個を食することで,12gの食物繊維を摂取することができる。 <クッキー> 材料 配合量(g) 無塩バター 50 小麦粉(薄力粉) 50 食物繊維(アラビアガム) 50 砂糖(グラニュー糖) 50 卵(全卵) 40 卵白 10 重曹 1 炭酸アンモニウム 2 このクッキーをローマ基準IIでFCと判定された被験者10名を対象に、試験食として1日あたり6個、1ヵ月間摂取させた。試験食を摂取することにより、睡眠健康危険度総得点は、摂取前の3.89(10名平均)から摂取終了後の2.06(10名平均)に改善し、FCも改善した。 このクッキーをローマ基準IIでIBSと判定された被験者9名を対象に、試験食として1日あたり6個、1ヵ月間摂取させた。試験食を摂取することにより、睡眠健康危険度総得点は、摂取前の5.31(9名平均)から摂取終了後の2.52(9名平均)に改善し、IBSも軽減した。 一方、同じクッキーを毎日便通がありかつ排便に関する愁訴がなく、FCおよびIBSのローマ基準IIに該当しない便通良好者12名を対象に、試験食として1日あたり6個、1ヵ月間摂取させたところ、睡眠健康危険度総得点は、摂取前の1.65(12名平均)から摂取終了後の1.69(12名平均)と実質的に変化しなかった。 <実施例2> 以下に示す処方により飲料を製造した。本飲料を100ml飲用することで,10gの食物繊維を摂取することができる。 <飲料> 成分 配合量(重量%) 食物繊維(ポリデキストロース) 10 還元麦芽糖水あめ 3 エリスリトール 6 香料 0.2 クエン酸 0.3 水 残量 <実施例3> 表3に示す処方により飲料を製造した。本飲料を100ml飲用することで,10gの食物繊維を摂取することができる。 <飲料> 成分 配合量(重量%) 食物繊維(アラビアガム) 10 還元麦芽糖水あめ 3 エリスリトール 6 香料 0.2 クエン酸 0.3 水 残量 食物繊維を有効成分とする睡眠健康改善剤。 睡眠健康改善剤として有効量の食物繊維を配合してなる飲食品。 食物繊維の摂取量が1回あたり0.1〜20gである請求項2記載の飲食品。 食物繊維を含み、睡眠健康改善作用を有するものであることを特徴とし、睡眠健康改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。 食物繊維の摂取量が1回あたり0.1〜20gである請求項4記載の飲食品。 【課題】睡眠健康改善効果と便通改善効果を併せ持つ飲食品等の睡眠健康改善剤を得る。【解決手段】食物繊維を有効量、例えば1回の摂取あたり0.1g以上含有する飲食品等の睡眠健康改善剤。食物繊維としては、難発酵性食物繊維、発酵性食物繊維のいずれも用いることができ、植物性、動物性及び微生物性のいずれでもよい。摂取のしやすさの点からは飲料が好ましく、その場合は配合の容易さからポリデキストロース、アラビアガム等の水溶性食物繊維が好ましい。【選択図】なし


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