生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カフェイン含有カプセル製剤
出願番号:2004277878
年次:2006
IPC分類:A61K 9/48,A61K 9/08,A61K 31/522,A61K 47/12,A61K 47/34,A61P 9/08,A61P 25/06,A61P 25/26,A61P 29/02


特許情報キャッシュ

新川 泰弘 成瀬 晴彦 JP 2006089415 公開特許公報(A) 20060406 2004277878 20040924 カフェイン含有カプセル製剤 興和株式会社 000163006 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 浅野 康隆 100089048 的場 ひろみ 100101317 新川 泰弘 成瀬 晴彦 A61K 9/48 20060101AFI20060310BHJP A61K 9/08 20060101ALI20060310BHJP A61K 31/522 20060101ALI20060310BHJP A61K 47/12 20060101ALI20060310BHJP A61K 47/34 20060101ALI20060310BHJP A61P 9/08 20060101ALI20060310BHJP A61P 25/06 20060101ALI20060310BHJP A61P 25/26 20060101ALI20060310BHJP A61P 29/02 20060101ALI20060310BHJP JPA61K9/48A61K9/08A61K31/522A61K47/12A61K47/34A61P9/08A61P25/06A61P25/26A61P29/02 2 OL 7 4C076 4C086 4C076AA12 4C076AA53 4C076AA54 4C076BB01 4C076CC01 4C076CC11 4C076DD43E 4C076EE23E 4C076FF15 4C076GG16 4C086AA01 4C086AA02 4C086CB07 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA17 4C086MA37 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA07 4C086ZA08 4C086ZA11 4C086ZA39 本発明は、高濃度のカフェインを溶解したカプセル充填液及びカプセル製剤に関する。 カフェインはキサンチン系の中枢興奮剤であり、医療用医薬品として眠気、怠惰感、血管拡張性及び脳圧亢進性頭痛(偏頭痛、高血圧性頭痛、カフェイン禁断性頭痛等)の治療のほか、一般用医薬品では解熱鎮痛薬やかぜ薬として用いられ、錠剤、顆粒剤、カプセル製剤、液剤等が存在している。中でも服用時のカフェインの苦味防止と速効性が両立した製剤として、カフェインを溶解した溶液を充填したカプセル製剤が好ましいが、カフェインは水やポリエチレングリコール等の溶媒に難溶性であるため製剤化は難しく、特に高濃度のカフェインを含有する製剤の製剤化は困難であった。 カフェインの溶解性を改善する方法としては、安息香酸ナトリウムの配合が汎用されているが、安息香酸ナトリウムは、粘膜に対する刺激が強いため使用することが好ましくない。また、溶解補助剤として、パラベンを使用する方法も知られているが、パラベン自身が強力な防腐剤であるため安全性や刺激性の面から使用することが好ましくない。 更にカフェインを溶解した溶液をカプセルに充填した製剤として、イブプロフェン、カフェイン、ポリエチレングリコール、水及びメントールを含有するカプセル充填液にすることにより、カプセルの安定性及びイブプロフェンの結晶析出を抑制したカプセル充填液(特許文献1)やイブプロフェン、カフェイン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤に水を含有させ、更に水酸イオンを含有しない基剤に溶解し、イブプロフェンの含量低下を抑制したかぜ薬軟カプセル剤(特許文献2)等があるが、どれもカフェインの含量が2%以下であり、高濃度のカフェインを溶解したカプセル製剤ではない。 このように、高濃度のカフェインを溶解させたカプセル充填液は、未だ満足のいくものは得られていない。国際公開第2002/015900号パンフレット特開平9−157162号公報 本発明は、カプセルに充填可能な安定性が高い高濃度カフェイン溶液、及びこれを充填したカプセル製剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、高濃度のカフェインを溶解させたカプセル充填液について検討した結果、カフェイン、ポリエチレングリコール、乳酸及び水を特定量含有し、且つカフェインと乳酸の含有比を一定範囲とすることによって、長期保存してもカフェインの結晶析出が生じない安定な溶液が得られること、更にこれをカプセルに充填した場合に、カプセルの外観安定性にも優れることを見出した。 すなわち本発明は、カフェイン5〜30重量%、ポリエチレングリコール1〜48重量%、乳酸14〜75重量%、水0〜30重量%を含有し、カフェインと乳酸の含有比が重量比でカフェイン:乳酸=1:2.8〜1:3.45であることを特徴とするカプセル充填液、及び当該カプセル充填液をカプセルに充填してなるカフェイン含有カプセル製剤を提供するものである。 本発明によれば、カフェインを高濃度含有させてもカフェインの結晶析出が生じないカプセル充填液及び長期保存可能なカプセル製剤が提供される。そして、このカプセル製剤を用いれば、服用時のカフェインの苦味防止と速効性の両立が可能となる。 本発明のカプセル充填液は、カフェイン5〜30重量%、ポリエチレングリコール1〜48重量%、乳酸14〜75重量%、水0〜30重量%を含有するものである。 本発明で用いるカフェインとしては、カフェイン、無水カフェインなどが挙げられる。通常、カフェインの1日投与量は、50〜300mg、好ましくは75〜250mg、特に好ましくは100〜200mgである。カプセル充填液に含有させるカフェインの量は、カプセル当たりの充填液の量(1カプセルあたり通常1mL以下、好ましくは0.7mL以下)、1日投与数(例えば3〜6カプセル/日)に応じて、投与量が上記範囲となるように適宜調整することができる。 カフェインの含有量は、1カプセルの充填液の全量に対して5〜30重量%、特に10〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜25重量%である。 ポリエチレングリコールとしては、平均分子量が200〜1000のものを用いることができ、好ましくは200〜600、特に好ましくは300〜400である。ポリエチレングリコールの含有量は、1カプセルの充填液の全量に対して1〜48重量%、特に1〜40重量%が好ましく、より好ましくは1〜30重量%である。 乳酸の含有量は、1カプセルの充填液の全量に対して14〜75重量%、特に30〜75重量%が好ましく、より好ましくは50〜75重量%である。そして、カフェインと乳酸の含有比が重量比でカフェイン:乳酸=1:2.8〜1:3.45となるようにする。これにより、カフェインの結晶析出を充分に抑えることができ、且つカプセルの外観安定性も向上する。 水は、1カプセルの充填液の全量に対して、通常30重量%以下、特に25重量%以下が好ましいが、含有しなくても本発明の効果に影響はない。 本発明のカプセル充填液は、カフェインとともに、他の薬剤を併用することもできる。カフェイン以外の薬剤としては、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、去痰剤、交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、催眠鎮静剤、抗炎症剤等があげられる。これらの、薬効成分はカフェインに対して、単独で使用することもできるし、2種以上の混合物としての使用もできる。以下に、これらの薬効成分として好ましいものをいくつか例示するが、必ずしも、この例示によって限定されるものではない。 解熱鎮痛剤としては、例えば、イブプロフェン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸ナトリウム等の各種の解熱鎮痛剤を例示することができる。解熱鎮痛剤は、カフェインの量に対して、通常100〜2000重量%、好ましくは150〜1500重量%、特に好ましくは200〜1000重量%である。 抗ヒスタミン剤としては、例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、塩酸プロメタジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等の各種の抗ヒスタミン剤を例示することができる。抗ヒスタミン剤は、カフェインの量に対して、通常0.5〜200重量%、好ましくは0.8〜150重量%、特に好ましくは1〜100重量%である。 鎮咳剤としては、例えば、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、クエン酸カルベタペンタン、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、ヒベンズ酸チペピジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン等を例示することができる。鎮咳剤は、カフェインの量に対して、通常1〜100重量%、好ましくは2〜75重量%、特に好ましくは3〜50重量%である。 去痰剤としては、例えば、グアヤコールスルホン酸カリウムや、グアイフェネシン等を例示することができる。去痰剤は、カフェインの量に対して、通常50〜300重量%、好ましくは75〜250重量%、特に好ましくは100〜200重量%である。好ましい交感神経興奮剤としては、例えば、塩酸フェニレフリンや、dl−塩酸メチルエフェドリン、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、塩酸フェニルプロパノールアミン等を例示することができる。交感神経興奮剤は、カフェインの量に対して、通常5〜125重量%、好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは10〜80重量%である。 副交感神経遮断剤としては、例えば、ベラドンナ総アルカロイドや、ヨウ化イソプロパミド等を例示することができる。副交感神経遮断剤は、カフェインの量に対して、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜45重量%、特に好ましくは0.4〜40重量%である。 催眠鎮静剤としては、ブロムワレリル尿素等を例示することができる。催眠鎮静剤は、カフェインの量に対して、通常60〜500重量%、好ましくは80〜450重量%、特に好ましくは100〜400重量%である。 抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその類縁物質等を例示することができる。抗炎症剤は、カフェインの量に対して、通常10〜100重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%である。 本発明のカプセル充填液には、更に可溶化剤、粘稠剤、pH調節剤、着色剤等の経口液剤に配合されている成分を、一般に配合される量で配合してもよい。 ここで、可溶化剤としては、プロピレングリコール、グリセリン等を例示することができる。可溶化剤は、充填液の全量に対して、通常1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは4〜15重量%である。 粘稠剤としては、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を例示することができる。粘稠剤は、充填液の全量に対して、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。 pH調節剤としては、クエン酸及びそれらの可食性塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等があげられる。pH調節剤は、充填液の全量に対して、通常10重量%以下、好ましくは7.5重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。本発明のカプセル充填液のpHは、2〜7、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜5に調整されることが望ましい。 着色剤としては、食用性色素、カラメル等を例示することができる。着色剤は、充填液の全量に対して、通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。 本発明のカプセル充填液は、一般的な製造方法で得ることができる。例えば、カフェイン、ポリエチレングリコール、水、乳酸の混合溶液に必要に応じて上記の各成分を混合し、加温攪拌することにより製造することができる。 本発明のカプセル製剤は、斯かる充填液を、液状薬物充填機等を用いて、軟カプセル又は硬カプセルに充填することにより調製することができる。本発明の充填液を用いれば、たやすく飲み込むことができる程に少ない溶液量(1カプセルあたり通常1mL以下、好ましくは0.7mL以下)でカフェインをカプセルに封入することができる。 本発明のカプセル製剤は、必要に応じてヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース等のコーティング剤によりコーティングすることができる。 斯くして調製されたカプセル製剤は、長期間室温又は冷所においてもカフェインの結晶析出が生じなく、安定である。 以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。製造例1 ポリエチレングリコール400(マクロゴール400:日本油脂)4.45gを約80℃に加温し、これに無水カフェイン12gと乳酸38.41g(日本薬局方乳酸:健栄製薬)を加え、60分間撹拌溶解した。こうして得た充填液を常法により、1カプセルあたり183mgずつ充填し、硬カプセル剤300個(シオノギクオリカプス社製1号カプセル)を製造した(本発明品1)。製造例2 製造例1と同様の方法にて、表1に示す成分を用いて充填液を製造し、本発明品2〜3及び比較品1〜6の硬カプセル剤を製造した。試験例 本発明品1〜3及び比較品1〜6について、外観及びカプセルへの影響を評価した。外観評価は、製造直後及び5℃で1週間保存した後の外観を目視で観察し、無水カフェインが完全に溶解している場合を○で、無水カフェインが一部不溶又は溶解後に結晶析出が生じた場合を×で示した。カプセルへの影響の評価は、室温で1週間、直立放置後のカプセルの様子を目視で観察し、カプセルへの影響が認められなかった場合を○で、カプセルに影響が認められた場合(カプセルの軟化やひび割れなど)を×で示した。結果を表1に併せて示す。 乳酸を配合しない比較品1、乳酸のかわりに酢酸を配合した比較品2、乳酸のかわりにクエン酸を配合した比較品5及び乳酸のかわりにリン酸水素二ナトリウムを配合した比較品6では、製造直後の段階でカフェインの一部が結晶析出したのに対し、乳酸を配合した本発明品1〜3では、5℃で1週間保存した後でもカフェインの結晶析出は見られなかった。また、カフェインに対する乳酸の配合比が2.8未満である比較品3や3.45を超える比較品4では、カフェインの一部が結晶析出したり、カプセルへの影響(カプセルの軟化)が生じた。製造例3 ポリエチレングリコール400;42g、精製水;24.5g及び乳酸;392.1gを混合後、約70℃に加温し、これに塩酸フェニレフリン;15g、無水カフェイン;120g、d−マレイン酸クロルフェニラミン;6g及びベラドンナ総アルカロイド;0.4gを加え、撹拌溶解して澄明な溶液を得た。 上記の透明溶液を常法により、1カプセルあたり200mgずつ充填し、硬カプセル剤1000個を製造した。 カフェイン5〜30重量%、ポリエチレングリコール1〜48重量%、乳酸14〜75重量%、水0〜30重量%を含有し、カフェインと乳酸の含有比が重量比でカフェイン:乳酸=1:2.8〜1:3.45であることを特徴とするカプセル充填液。 請求項1記載のカプセル充填液をカプセルに充填してなるカフェイン含有カプセル製剤。 【課題】 カプセルに充填可能な安定性が高い高濃度カフェイン溶液、及びこれを充填したカプセル製剤を提供する。 【解決手段】 カフェイン5〜30重量%、ポリエチレングリコール1〜48重量%、乳酸14〜75重量%、水0〜30重量%を含有し、カフェインと乳酸の含有比が重量比でカフェイン:乳酸=1:2.8〜1:3.45であることを特徴とするカプセル充填液。【選択図】 なし


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