生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_皮膚保護及び保湿効果の優れた速乾性殺菌剤
出願番号:2004273621
年次:2006
IPC分類:A61K 8/00,A61Q 19/00,A61K 8/72


特許情報キャッシュ

高 橋 憲 一 JP 2006089388 公開特許公報(A) 20060406 2004273621 20040921 皮膚保護及び保湿効果の優れた速乾性殺菌剤 ケン・プロダクツ株式会社 390002727 八木 秀人 100087826 清水 修 100110526 高 橋 憲 一 A61K 8/00 20060101AFI20060310BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20060310BHJP A61K 8/72 20060101ALI20060310BHJP JPA61K7/48A61K7/00 J 5 OL 5 4C083 4C083AB131 4C083AC011 4C083AC101 4C083AC102 4C083AC171 4C083AD331 4C083AD332 4C083BB41 4C083BB48 4C083BB49 4C083CC02 4C083DD08 4C083EE12 本発明は、速乾性殺菌剤に関し、さらに詳細には、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムと低級アルコールを組み合わせることで、高濃度のアルコールによる強力な殺菌力と有しながら、優れた保水効果及び肌保護効果を有する速乾性殺菌剤に関する。 従来の速乾性殺菌剤としては、低級アルコールと水溶性ポリマーとしてのヒアルロン酸ナトリウムを組み合わせて使用する例、又はヒアルロン酸そのものを使用する例などがある(後記特許文献2参照)。特開平10−130173号公報特開平6−199700号公報 しかしながら、従来の速乾性殺菌剤においては、前記水溶性ポリマーとしてのヒアルロン酸ナトリウムは、アルコールの割合が多くなると不溶化して析出し使用できず、また、低級アルコールの配合割合は最大50重量%位であり、アルコールの殺菌作用が不十分であり、さらに乾燥速度も遅いという問題がある。 ヒアルロン酸そのものを使用することがあるが、これは保存安定性、溶解安定性等に問題があり、化粧品としての使用には問題がある。 このように、従来の速乾性殺菌剤は、アルコールの殺菌力及び肌の保護作用、さらには安定性等に問題があり、満足されるものではなかつた。本発明は、前記問題を解決するため、アルコールの殺菌作用に最も適した濃度及び作用時間が得られるようにするとともに、肌荒れ防御作用に優れた速乾性殺菌剤を提供することを課題とする。 前記課題を解決する手段として、請求項1に係る発明の速乾性殺菌剤は、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムに低級アルコールを組み合わせたものである。 請求項2に係る発明の速乾性殺菌剤は、さらに、ジメチルエーテル、炭酸ガス又はLPG(液化石油ガス)等の高圧ガスを組み合わせたものである。 請求項3に係る発明の速乾性殺菌剤は、さらに、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムが、アセチル基の置換数を2.5〜4.5としたアルコール可溶性アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムとされたものである。 請求項4に係る発明の速乾性殺菌剤は、さらに、低級アルコールの配合割合を30〜90重量%としたものである。 請求項5に係る発明の速乾性殺菌剤は、さらに、殺菌剤、抗菌剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤、消臭剤の一種又は二種以上の組み合わせたものである。一般的に使用される殺菌剤としては、アクリノール、塩化ベンザルコニウム、過酸化水素等が挙げられる。また、一般的に使用される抗菌剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤の成分としては、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソピル等の脂肪酸エステル類、柿抽出物、ウイキョウエキス、オウバクエキス、クジンエキス、サルビヤエキス、オウレン抽出物、ニンニク抽出物、シコンエキス、ドクダミエキス、グレープフルーツ種子抽出物等の植物性抽出物、あるいはプロポリス等生物由来成分を組みあわせることができる。 請求項1に係る発明の速乾性殺菌剤によれば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムが、アセチル基により親水性及び疎水性の両方の性質を兼ね備えているため、一部疎水面のある肌の角質層表面で均一皮膜化することができ、肌からの水分蒸散を防止し、従来用いられていたヒアルロン酸ナトリウムに比べて2倍以上肌の保水性を高く維持し、肌の角質を柔軟化し、肌荒れ改善効果においてヒアルロン酸ナトリウムよりも優れている。このため、本発明の速乾性殺菌剤によれば、アルコール濃度を70〜80%程度と充分に高くして、速乾性を発揮させ、また芽胞(胞子)を除くほとんどの細菌を短時間に死滅させるのに有効な殺菌力を発揮させ、さらにアセチル化ヒアルロン酸ナトリウムによってアルコールの強力な脱脂作用、離水作用から手指を保護して肌荒れ防御効果を有する。 請求項2に係る発明の速乾性殺菌剤によれば、さらにジメチルエーテル、炭酸ガス又はLPG等の高圧ガスを組み合わせることにより、加圧容器内でエアゾール化させることで安定したアルコール濃度を保つことができ、従来のもののように、アルコール濃度が高くなると、保管容器の素材や保管状態によっては、徐々にアルコール濃度の変化が起こる等の問題は出てこなくなる。又、アルコールを広範囲に均一に拡散させることもできる。 請求項3に係る発明の速乾性殺菌剤によれば、さらに、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムをアセチル基の置換数が2.5〜4.5としたから、アルコールによく溶け、優れた速乾性殺菌剤となる。 請求項4に係る発明の速乾性殺菌剤によれば、さらに、低級アルコールの配合割合を30〜90重量%と充分高濃度にできるから、充分な殺菌力が得られる。 請求項5に係る発明の速乾性殺菌剤によれば、速乾性殺菌力のあるアルコールに、さらに、殺菌剤、抗菌剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤、消臭剤を組みあわせたから、アルコールが蒸散した後も、長時間殺菌力が持続する効果を持たせることができる。 以下、本発明の速乾性殺菌剤について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1の速乾性殺菌剤は、エタノール70重量部に、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム0.5重量部を添加し溶解させて、さらに精製水29.5重量部を加えて得た。[比較例1] 精製水60重量部に、ヒアルロン酸ナトリウム0.5重量部を添加し溶解させて、さらにエタノール39.5重量部加えて得た。[比較例2] エタノール70重量部に、精製水30重量部を加えて得た。 皮膚保護及び保湿効果の評価試験について説明する。ボランティア30名を3グループに分け、第1グループ10人を実施例1の調整液、第2グループ10人を比較例1の調整液、第3グループ10人を比較例2の調整液を使用し、皮膚保護及び保湿効果試験を実施した。 第1グループ、第2グループ、第3グループともに一日4回片手に塗擦して一週間後に両手を比較して(A)試験側手、(B)未試験側手の官能試験で表1の基準で分類を行い、肌あれ度、保湿度の比較試験をした。この結果を表2に示す。 表2に示す結果の通り、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム使用の実施例1グループにおいては、70重量部エタノールを配合したにもかかわらず、比較例1のヒアルロン酸ナトリウムを39.5重量部エタノールに配合したものより、皮膚保護及び保湿効果の点で優れた結果となった。通常、肌荒れ、離水等はアルコール濃度に比例し増大する傾向にあるが、本実施例は、アルコール濃度の影響を無視できる程度に、肌保護、保湿効果に優れている。 一般にアルコールの殺菌力はアルコール濃度と作用時間で決められ、アルコール濃度が70〜80重量部の場合には芽胞を除くほとんどの細菌を1秒以内で死滅させる殺菌力がある。したがって、本実施例の速乾性殺菌剤は、充分な殺菌効果を有する。 アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムに、低級アルコールとしてエチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロパノール又はプロパノールの群から選ばれるアルコールの一種又は二種以上の組み合わせからなる皮膚保護及び保湿効果の優れた速乾性殺菌剤。 前記組み合わせにジメチルエーテル、炭酸ガス又はLPG等の高圧ガスを組み合わせた請求項1に記載の速乾性殺菌剤。 前記アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムは、アセチル基の置換数が2.5〜4.5のアルコール可溶性アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムである請求項1又は2に記載の速乾性殺菌剤。 前記低級アルコールの配合割合が30〜90重量%であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の速乾性殺菌剤。 前記速乾性殺菌剤の組成中に、殺菌剤、抗菌剤、抗カビ剤、抗ウイルス剤、消臭剤の一種又は二種以上の組み合わせからなる請求項1、2、3又は4に記載の速乾性殺菌剤。 【課題】 アルコールの殺菌作用に最も適した濃度及び作用時間が得られるようにするとともに、肌荒れ防御作用に優れた速乾性殺菌剤を提供する。【解決手段】 アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを高濃度のアルコールに溶解させる。高濃度のアルコールで速乾性を発揮させるとともに、短時間に強力な殺菌力を発揮させ、さらにアセチル化ヒアルロン酸ナトリウムによって、アルコールの脱脂作用、離水作用から手指を保護して肌荒れを防御する。アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムのアセチル基の置換数は、アルコールに溶解し易くするため、2.5〜4.5とする。 【選択図】 なし


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