タイトル: | 公開特許公報(A)_ユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法 |
出願番号: | 2004272912 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 31/122,A61K 9/50,A61K 47/42,A61P 3/02,A61P 9/00,A61P 9/04,A61P 9/10 |
三道 俊之 小林 暁生 JP 2006089381 公開特許公報(A) 20060406 2004272912 20040921 ユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法 理研ビタミン株式会社 390010674 三道 俊之 小林 暁生 A61K 31/122 20060101AFI20060310BHJP A61K 9/50 20060101ALI20060310BHJP A61K 47/42 20060101ALI20060310BHJP A61P 3/02 20060101ALI20060310BHJP A61P 9/00 20060101ALI20060310BHJP A61P 9/04 20060101ALI20060310BHJP A61P 9/10 20060101ALI20060310BHJP JPA61K31/122A61K9/50A61K47/42A61P3/02 101A61P9/00A61P9/04A61P9/10 2 OL 8 4C076 4C206 4C076AA36 4C076AA61 4C076BB01 4C076BB11 4C076CC11 4C076DD67 4C076DD68 4C076EE42A 4C076EE42H 4C076FF02 4C076FF04 4C076FF27 4C076GG21 4C206AA01 4C206CB27 4C206MA02 4C206MA05 4C206MA58 4C206MA72 4C206MA75 4C206ZA36 4C206ZA39 4C206ZC22 本発明は、ユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法に関する。 ユビキノンは、広く生物界に分布するキノン化合物であり、補酵素Q(CoQ)の1種として知られるベンゾキノン誘導体(2,3−ジメトキシ−5−メチル−6−ポリプロピレン−1,4−ベンゾキノン)(CoQn)である。ユビキノンのうち、ヒトを含む高等動物に存在するユビデカレノンは、補酵素として生物活性をもつだけでなく、酸素利用効率を改善させる作用を有するビタミン様作用物質として知られている。このため、ユビデカレノン製剤は、鬱血組織に作用するほか、生体膜の安定化や抗酸化などの作用を有すると考えられ、臨床的には狭心症、心不全、虚血性心疾患などの治療に広く利用されてきた。また、食薬区分の改正によって、平成13年4月1日から食品にも使用することが認められ、健康食品など一般食品分野にもその利用が広がっている。 ユビデカレノンは約48℃の融点を有する脂溶性の結晶性粉末であり、そのまま医薬品製剤または健康食品の原料として使用することができる。しかし、例えば錠剤に加工する場合、それが高濃度に配合されると、直接打錠時に臼杵面への薬物付着する(スティッキング)ことで錠剤重量のばらつきが増加する、さらに錠剤表面が欠ける(チッピング)、著しい場合には錠剤の一部がキャップ状に剥離する(キャッピング)などの打錠障害を生じることが知られている。また、ハードカプセルに充填する場合、粉末の流動性が悪いために充填障害が発生するという加工上の問題がある。 これらの問題を解決するために、従来種々の技術が提案されている。例えば、CoQ10含有造粒物1重量部および該造粒物を被覆する皮膜物質0.005重量部以上からなる被覆造粒物を主要な成分とするCoQ10含有組成物(特許文献1参照)、ユビデカレノンと流動改質剤を含有する添加剤とを混合し、さらに粉砕することを特徴とするユビデカレノン混合紛体の製造方法(特許文献2参照)、脂溶性物質、水溶性高分子物質および吸着剤を含む乳化液をスプレードライ法によって粉末化した固形剤(特許文献3参照)などである。しかしこれらの方法をもってしても、いまだ問題が完全に解決されたとは言い難いのが実状である。特開昭60−32712号公報特開2004−123594号公報特開2003−313145号公報、請求項2 本発明は、打錠時の付着がなく、またカプセル充填を容易に行うことのできる、流動性の良いユビデカレノン含有固形物の製造方法を提供するためになされたものである。 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ユビデカレノンを芯物質として含有し、膜形成物質としてゼラチンを主たるゲル化剤とするマイクロカプセルを新規な方法で作製することに成功し、それを用いることにより上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。 即ち、本発明は、次の(1)〜(2)からなっている。(1)加熱して融解させたユビデカレノンとゼラチンを含有する水溶液とを乳化して水中油型乳化組成物とし、次に該乳化組成物を液体窒素の充填された塔内に噴霧し、得られた凍結状態の微細粒子を捕集して乾燥することを特徴とするユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法。(2)ゼラチンのゼリー強度が85〜135gの範囲であることを特徴とする前記(1)に記載のユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法。 本発明に従って得られるユビデカレノン含有マイクロカプセルを用いることにより、カプセル充填障害を防ぎ、また打錠機に貼り付くなどの打錠障害を起こすことなく錠剤を製造することができる。 本発明になるユビデカレノン含有マイクロカプセルは、加熱して融解させたユビデカレノンとゼラチンを含有する水溶液とを乳化して水中油型乳化組成物とし、次に該乳化組成物を液体窒素の充填された塔内に噴霧し、得られた凍結状態の微細粒子を捕集して乾燥することにより製造される。 本発明に係るユビデカレノンはコハク酸脱水素酵素活性に関係する補酵素で、コエンザイムQ10(CoQ10)とも称され、日本薬局方に記載されている。本発明で用いられるユビデカレノンとしては、例えば牛などの動物の心臓から抽出されたもの、合成法あるいは発酵法で得られたものなどが挙げられる。市販品としては、例えば食品素材コエンザイムQ10(日清ファルマ社製)、カネカ・コエンザイムQ10(鐘淵化学工業社製)、CoEnzymeQ10(旭化成社製)、BioQ10(三菱ガス化学社製)などが挙げられる。 本発明に係るゼラチンとしては、通常牛、豚、鶏などの皮、骨、けんなどを原料とし、酸またはアルカリで処理して得られる粗コラーゲンを水で加熱抽出して製造されたものが用いられる。また、鮪、鮭、ティラピアなどの魚類の皮、骨を原料とする魚類ゼラチンも用いることができる。ゼラチンのゼリー強度は0〜285gの範囲のものを用いることができ、好ましくはゼリー強度が85g以上、より好ましくはゼリー強度が85〜135gの範囲のものである。また、ゼリー強度が85g以下のものとゼリー強度が85g以上のものを、それらゼリー強度の相加平均値が85g以上、好ましくは85〜135gの範囲となるよう混合して用いてもよい。尚、ゼリー強度はJISK6503−2001に準拠して測定される。 ゼラチンは単独で水に溶解して用いることができるが、好ましくは、糖類、糖アルコールまたは多価アルコールなどとの併用である。糖類としては、例えばキシロース、ブドウ糖、果糖などの単糖、精製白糖(ショ糖、グラニュー糖ともいう。)、乳糖、麦芽糖などのオリゴ糖、デキストリン、水飴などのでん粉分解物、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖などが挙げられる。糖アルコールとしては、例えばソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水飴などが挙げられる。また多価アルコールとしては、例えばグリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。これら糖類、糖アルコールまたは多価アルコール類は、それぞれ単独で用いても、また2種以上を組み合わせて用いてもよいが、好ましくは精製白糖のみの使用である。その際、(A)ゼラチンと(B)糖類、糖アルコール類または多価アルコール類の配合割合は、A/Bが1/0.2〜1/5、好ましくは1/0.25〜1/1.5、更に好ましくは1/0.25〜1/0.5である。 本発明に係る水中油型乳化組成物の製造方法は特に限定されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に、好ましい水中油型乳化組成物の製造方法を例示する。例えば、水にゼラチンとショ糖を加えて約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加熱して溶解し、該水相を攪拌しながら、この中に約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加熱して融解させたユビデカレノンをゆっくり加え、例えば高速回転式ホモジナイザーを用いて、回転数約8000〜20000rpmにて、攪拌時間約10〜60分間で乳化する方法により製造することができる。得られた水中油型乳化組成物中の油滴の平均粒子径は約0.01〜10μm、好ましくは約0.01〜5μm、更に好ましくは約0.01〜1μmである。 水中油型乳化組成物を製造するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、TKホモミクサー(特殊機化工業社)またはクレアミックス(エムテクニック社)などの高速回転式ホモジナイザーが好ましく用いられる。また、これらの装置で乳化した液を高圧式均質化処理機を使用して、さらに均質化してもよい。ここで高圧式均質化処理機としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、ナノマイザー(大和製罐社)などを好ましく使用することができる。上記均質化処理機に替えて、例えば超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。これら均質化処理機は2つ以上を組み合わせても良い。また均質化処理を2回以上行っても良い。 本発明に係る水中油型乳化組成物100質量%中の各成分の含有量は、ユビデカレノンが約3〜30質量%、好ましくは約7〜25質量%、ゼラチンが約7〜45質量%、好ましくは約10〜30質量%、糖類、糖アルコールまたは多価アルコール類が約0.25〜25質量%、好ましくは約2.5〜15質量%、残余が水である。 本発明において、前記水中油型乳化組成物に、必要であれば酸化防止剤、乳化剤、増粘安定剤、着色料、香料などの食品添加物を加えてもよい。ここで酸化防止剤としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸、カテキン、茶抽出物、ヒマワリ種子抽出物、などが挙げられる。乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。増粘安定剤としては、例えばアラビアガム、アルギン酸塩、カラギナン、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ペクチン、ローカストビーンガム、などが挙げられる。 上記グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが含まれる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、オクタグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。またレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチンなどが含まれる。 該乳化組成物を微粒子化する方法は特に制限されないが、例えば以下に示す(1)〜(4)の方法により製造することができ、好ましくは(4)の製造方法である。(1)該乳化組成物を食用油脂中に注加し、攪拌して水溶液を細かく分散させ、次にゼラチンのゲル化温度以下に冷却して微細粒子を得る。ろ過などにより食用油脂を除いて微細粒子を集め、付着している食用油脂を有機溶剤、例えばイソプロパノールで洗浄して除き、最後に乾燥することによって溶剤を除き、マイクロカプセルを得る。(2)該乳化組成物を、例えば回転円盤式噴霧乾燥装置に供給し、例えば回転数10000rpm、熱風入口温度170℃、排気温度70℃の条件下で噴霧乾燥する。乾燥物はサイクロンで捕集され、マイクロカプセルが得られる。(3)該乳化組成物を、雰囲気温度がゼラチンのゲル化温度以下に冷却されている塔内に噴霧する。噴霧には加圧式噴霧ノズルや回転円盤式噴霧ノズルなどが用いられる。噴霧された溶液は冷却されて微細粒子となり、塔下部に置かれた捕集粉末上に落下し、捕集される。捕集粉末としては、例えば加工澱粉(製品名:ドライフロー;ナショナル スターチ プロダクツ社)などが用いられる。集められた該微細粒子を、必要であれば目的とする水分量まで乾燥し、付着している捕集粉末を篩別して除き、マイクロカプセルを得る。(4)該乳化組成物を、液体窒素の充填された塔内に噴霧する。液体窒素は塔内の上段、中段および下段のいずれから注入しても良く、また2箇所以上から注入しても良い。噴霧には加圧式噴霧ノズルや回転円盤式噴霧ノズルなどが用いられ、好ましくは回転円盤式噴霧ノズルである。噴霧された溶液は冷却されて微細粒子となって塔下部に落下し、凍結状態の粒子として捕集される。集められた該微細粒子を、例えば棚段式通風乾燥機、流動層乾燥機、真空凍結乾燥機などにより目的とする水分量まで乾燥し、マイクロカプセルを得る。 本発明に従って得られるマイクロカプセル中のユビデカレノンの含量は、換算した脱水物に対して約10〜60質量%、好ましくは約30〜50質量%である。また、マイクロカプセルの特性値は、乾燥減量が10.0質量%以下、好ましくは7.0質量%以下(1g,105℃,2時間)、粒度は1700μmの篩を全量通過し、75μmの篩を通過するものが全量の10%以下であることが好ましい。尚、乾燥減量は「日局方 一般試験法10.乾燥減量試験法」に準じて、また粒度は「日局方 一般試験法56.粉体粒度測定法」および「日局方 一般試験法70(7).計量器・用器」に準じて測定される。 本発明に従って得られるユビデカレノン含有マイクロカプセルは、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、着色料、着香料、甘味料などと配合され、自体公知の方法で打錠成型され、またカプセル充填される。 賦形剤としては、例えば、結晶セルロースなどのセルロース類、乳糖、精製白糖などの糖類、D−ソルビトール、D−マンニトール、エリスリトール、トレハロースなどの糖アルコール類、コーンスターチ、ポテトスターチ、部分α化澱粉などの澱粉類、リン酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの無機物質類などが挙げられる。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロース等のセルロース誘導体類、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子類などが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体類、トウモロコシデンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化澱粉などの澱粉および澱粉誘導体類などが挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、含水無晶形酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。また流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、タルクなどが挙げられる。 以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。しかし、これらは単なる例であって本発明を限定するものではない。[実施例1]ユビデカレノン含有マイクロカプセルの調製 ゼラチン(商品名:ゼラチンROB、ゼリー強度:100g;新田ゼラチン社)325g、グラニュー糖(新三井製糖社製)128gを精製水1300gに加え、約60℃で約10分間混合・溶解し水相とした。溶液を減圧下で脱気し、この中に約60℃に加熱して融解させたユビデカレノン(三菱化学社製)195gにソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムL‐300;理研ビタミン社)2gを添加した油相をゆっくり加え、TKホモミクサー(特殊機化工業社)を用いて、回転数約10000rpmにて、攪拌時間約10分間で乳化した。得られた乳化液中の油滴の平均粒子径は約0.81μmであった。得られた乳化液を、塔下部が液体窒素で冷却された噴霧冷却装置(試験機)に送液し、回転円盤式噴霧ノズルを用いて霧状に噴霧した。噴霧された溶液は冷却されて微細粒子となって塔下部に落下し、凍結状態の粒子として捕集した。集められた該微細粒子を、流動層乾燥装置(型式:LAB−1;パウレック社)を用いて15〜50℃で約6時間乾燥し、乾燥物を26号篩(600μm)で篩い、通過物を140号篩(106μm)で篩い、未通過物としてユビデカレノン含有マイクロカプセル約400gを得た。得られたマイクロカプセルの性状は橙色の粒状、わずかに特異なにおいがあり、乾燥減量は5.1%(1g,105℃,2時間)であった。[実施例2]打錠試験[試験1]実施例1で得たユビデカレノン含有マイクロカプセル50質量部、乳糖(商品名:フローラック;サンフコ社)20質量部、コーンスターチ(商品名:日食コーンスターチ;日本食品化工社)20質量部を混合し、得られた混合物に25質量%ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC‐L;日本曹達社)−エタノール溶液40質量部を加えて練り合わせ、目開き0.500mmの網目を通して造粒し、造粒物を40℃で3時間乾燥し試料とした。上記試料を回転式錠剤機(型式:コレクト19HUK;菊水製作所社)を用い、1錠2000mg、18mmφ、2段Rの杵で打錠圧1N/m2/杵で2000錠打錠し、打錠障害の有無を評価した。その結果、2000錠の内、ユビデカレノンの貼り付きによるキズのある錠剤は0個であった。[試験2]ユビデカレノン15質量部、乳糖(商品名:フローラック;サンフコ社)37.5質量部、コーンスターチ(商品名:日食コーンスターチ;日本食品化工社)37.5質量部を混合し、得られた混合物に25質量%ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC‐L;日本曹達社)−エタノール溶液40質量部を加えて練り合わせ、目開き0.500mmの網目を通して造粒し、造粒物を40℃で3時間乾燥し試料とした。上記試料を試験1と同じ条件で2000錠打錠し、打錠障害の有無を評価した。その結果、2000錠の内、ユビデカレノンの貼り付きによる1mm以下のキズのある錠剤が194個、1mm以上のキズのある錠剤が37個あった。 本発明に従って得られるユビデカレノン含有マイクロカプセルは、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの各種経口固形製剤として医薬品、医薬部外品、特定保健用食品、栄養機能食品および健康食品などとして利用される外、そのものを直接一般食品に添加して使用することができる。そのような食品としては、例えば、清涼飲料、スポーツ飲料、炭酸飲料、ドリンク剤などの飲料類;パン、ビスケット、クッキーなどのベーカリー製品類;キャンディー、ゼリーなどの菓子類が挙げられる。加熱して融解させたユビデカレノンとゼラチンを含有する水溶液とを乳化して水中油型乳化組成物とし、次に該乳化組成物を液体窒素の充填された塔内に噴霧し、得られた凍結状態の微細粒子を捕集して乾燥することを特徴とするユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法。ゼラチンのゼリー強度が85〜135gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法。 【課題】打錠時の付着がなく、またカプセル充填を容易に行うことのできる、流動性の良いユビデカレノン含有固形物の製造方法を提供する。【解決手段】加熱して融解させたユビデカレノンとゼラチンを含有する水溶液とを乳化して水中油型乳化組成物とし、次に該乳化組成物を液体窒素の充填された塔内に噴霧し、得られた凍結状態の微細粒子を捕集して乾燥することを特徴とするユビデカレノン含有マイクロカプセルの製造方法。【選択図】なし