生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_生どくだみ草搾汁液の脱臭法
出願番号:2004262243
年次:2007
IPC分類:A23L 1/212,A23L 2/52,A23L 2/38,A23L 2/00,A61K 36/18,A61P 1/00,A61P 1/14,A61P 9/00,A61P 9/04,A61P 9/12,A61P 39/00,C12G 3/02


特許情報キャッシュ

今村 英勇 JP 3893599 特許公報(B2) 20061222 2004262243 20040909 生どくだみ草搾汁液の脱臭法 山梨薬研株式会社 392004521 土橋 博司 100080654 今村 英勇 20070314 A23L 1/212 20060101AFI20070222BHJP A23L 2/52 20060101ALI20070222BHJP A23L 2/38 20060101ALI20070222BHJP A23L 2/00 20060101ALI20070222BHJP A61K 36/18 20060101ALI20070222BHJP A61P 1/00 20060101ALI20070222BHJP A61P 1/14 20060101ALI20070222BHJP A61P 9/00 20060101ALI20070222BHJP A61P 9/04 20060101ALI20070222BHJP A61P 9/12 20060101ALI20070222BHJP A61P 39/00 20060101ALI20070222BHJP C12G 3/02 20060101ALI20070222BHJP JPA23L1/212 AA23L2/00 FA23L2/38 CA23L2/00 BA61K35/78 CA61P1/00A61P1/14A61P9/00A61P9/04A61P9/12A61P39/00C12G3/02 A23L 1/212 − 1/218 A23F 3/00 − 5/50 C12G 1/00 − 3/12 特開平02−299577(JP,A) 特開平08−299971(JP,A) 特開昭53−142372(JP,A) 特開昭63−077592(JP,A) 特開昭50−028067(JP,A) 3 2006075073 20060323 5 20050601 村上 騎見高この発明は、生のどくだみ草よりその萎効成分を含有する生どくだみ草搾汁液を脱臭する方法に関するものである。どくだみ草は、強心作用、整腸作用、血圧調整作用、解毒作用等を有するフラボノール配糖体であるイソクエルチトリン、クエルチトリン等の薬効成分を豊富に含有し、古くから民間薬として利用されている。蒸気どくだみ草の薬効は遅効性であるが副作用もなく、安全性の高い薬効飲料とすることができるものである。しかしながら、周知のように生どくだみ草には特有の強い不快臭があり、搾汁した液体は飲用に供せられるものではなかった。古来より、どくだみ草の乾燥葉を煮出して半量までとし、引用とすることがおこなわれてきている。これは水蒸気蒸留法といわれる方法で、どくだみ特有の臭いはほぼ完全に除去されることが分かっている。さらには、生どくだみ草搾汁液へ炭素源などの糖分を加え、アルコール発酵用酵母を接種して1週間程度発酵させて濾過した液体は、どくだみ特有の臭いは消失してしまう。しかしながら、生どくだみ草搾汁液を清涼飲料水として利用しようとしても、発酵させていないために利用することができないという問題点があった。また、当社において取得した「熟成された無臭どくだみ草汁液の製造法」(特公平4−27208号公報 特許文献1参照)においては、脱臭させるのに手間と時間がかかるほか、安定した無添加の搾汁液を造ることができなかった。また、酸化熟成を生の液体で行なうことは、微生物との戦いであって非常に苦労を伴うものであった。特公平4−27208号公報そこでこの発明の目的は、どくだみ特有の臭いの成分を短時間に破壊させ、微生物の活動を抑え、品質の安定し、薬効成分も損なわない、清涼飲料にも利用できる生どくだみ草搾汁液の脱臭法を提供することにある。すなわちこの発明の生どくだみ草搾汁液の脱臭法は、生どくだみ草から破砕、搾汁して得られた液をフィルターで荒濾過し、この濾過液に酸素ガスや酸化剤を使用しないで微振動発生装置により振動を与えることにより、薬効成分を損なうことなく、どくだみ特有のにおいの成分を短時間に脱臭することを特徴とするものである。この発明の生どくだみ草搾汁液の脱臭法は、上記荒濾過するフィルターが真空プリコートフィルターであることをも特徴とするものである。この発明の生どくだみ草搾汁液の脱臭法は、上記微振動発生装置が電磁式振動発生装置であることをも特徴とするものである。得られた生どくだみ草から破砕、搾汁して得られた液の荒濾過は、真空プリコートフィルターによって行なわれる。プリコートフィルターのプリコートとは、濾過行程に入る前に、濾過助剤(珪藻土等)を清液が入った循環層に分散させながら循環を行い、スプリングフィルターの円周上に濾過助剤の層を形成させることをプリコートと呼んでいる。このプリコートを行うと濾過助剤(珪藻土等)の種類により、捕捉粒子に対していろいろ対応させることができ、フィルター本体の濾過面積を増大させる効果がある。原料どくだみ草に付着していた微生物は搾汁液中ではオリ(沈澱物)の部分に付着しているので、この荒濾過により、搾汁液は除菌される。また、臭気成分であるアルデヒドのうち、次の振動付与工程でも分解されにくい未破壊細胞中にあるアルデヒドがオリとともに除去されるので、不快臭が大幅に軽減されるだけでなく次の振動付与工程の負担が減少し、短時間で容易に生どくだみ草搾汁液を得ることが可能になる。この製造法において、濾過液に微振動発生装置により振動を与えることにより、デカノイルアセトアルデヒド、ラウリンアルデヒド、カプリンアルデヒドなどの臭い成分が破壊され、どくだみ特有の臭いはなくなる。上記微振動発生装置としては、下記のような各種の加振装置を使用することができる。振動モータ ・モータ軸にアンバランスウエイト(重錘)を取り付けた電動機クランク ・クランク装置により振動を発生させるもの偏心回転板 ・偏心回転板により振動を発生させるもの電磁式振動発生装置・電磁石の取付位置(高さ、角度)が変更できる電磁石と、可動鉄片による振動発生装置電歪素子 ・電歪素子(電気ひずみの特性を利用して、電気振動を機械振動に変換する装置)を用いて、振動を発生させるもの磁歪素子 ・磁歪素子(磁気ひずみの特性を利用して、電気振動を機械振動に変換する装置)を用いて、振動を発生させるもの特に上記の振動発生装置のうち、電磁式振動発生装置を利用することは、コストや制御のしやすさ等の面のみならず、単に振動を与えた場合には得られなかった、どくだみ特有の臭いの成分である、デカノイルアセトアルデヒド、ラウリンアルデヒド、カプリンアルデヒドなどの臭い成分の破壊という作用効果を得ることができるので、極めて望ましいことである。削除この微振動を与える処理により、荒濾過で除かれずに残っていた臭気成分も完全に分解され、無臭化される。微振動を与える処理によりどくだみ草の薬効成分が破壊されることは無い。同時に、他の多くの青汁成分にも複雑な化学反応が生じるものと思われ、洒類の発酵終了後の保存による熟成の場合と同様に、まろやかな風味への変化が起こる。すなわち、単に不快臭を感じさせなくなるだけでなく、味の点でも、いや味がなくコクがあり、そのまま飲んでも全く抵抗を感じないものとなる(この変化を、本明細書では熟成という。)。本発明によれば、上述のようにして生どくだみ草搾汁液を脱臭し且つ熟成させ、それにより生どくだみ草の薬効成分を含有する無臭かつ風味のよい搾汁液を短時間で容易に製造することができる。得られる搾汁液は、そのままでも抵抗なく飲用できるくせの無いものであるから、必要に応じて甘味料、酸味料等の調味料、香料等を加えれば、クエルチトリンに基づく薬効を有するおいしい保健飲料として利用することができる。また、酵母および糖、蜂蜜等の炭素源を加えて発酵させ、クエルチトリン等の薬効成分を含有するアルコール性飲料を製造するのに使用することもできる。したがって、本発明によりどくだみ草の薬効成分を随時手軽においしく服用可能な形で提供することが可能になったのである。新鮮な生どくだみ草を洗滌、脱水後、破砕、搾汁して、クエルチトリン含有量4.8mg/100gの搾汁液を得た。この搾汁液を、真空プリコートフィルターで荒濾過した。これをタンクへ貯蔵しながら、一定量になりしだい、電磁式振動発生装置を用いた微振動発生装置により約3時間〜5時間微振動をあたえ続けることにより、どくだみ特有の臭いの成分である、デカノイルアセトアルデヒド、ラウリンアルデヒド、カプリンアルデヒドなどの臭い成分は破壊されてどくだみ特有の臭いはなくなる。処理後の生どくだみ草搾汁液の味については、従来の方法に比べ、酸化させないために酸味が少なく、しかも従来の生どくだみ草搾汁液と比較して安定し、かつ品質の高いものとなる。処理後の生どくだみ草搾汁液の色調は緑っぽさを残したものであった。図1に示すように、新鮮な生どくだみ草を洗滌、脱水後、破砕、搾汁して、クエルチトリン含有量4.8mg/100gの搾汁液を得た。この搾汁液を、真空プリコートフィルターで荒濾過した。これをタンクへ貯蔵しながら、一定量になりしだい、電磁式振動発生装置を用いた微振動発生装置により約3時間〜5時間微振動をあたえ続け、ほぼ緑色の生どくだみ草搾汁液を得た。この後、蜂蜜20%を添加して完全に溶解させ、次いでワイン製造用乾燥酵母500/10klを添加し、発酵を開始させた。発酵中、発酵槽内の温度は20〜25℃に維持された。10日後に発酵が停止し、アルコール8%、エキス12%、クエルチトリン3.5mg/100gの薬味酒が得られた。この発明によれば、どくだみ特有の臭いの成分を短時間に破壊させ、微生物の活動を抑え、品質の安定し、薬効成分も損なわない、清涼飲料にも利用できる生どくだみ草搾汁液の脱臭法を提供することができる。生どくだみ草搾汁液の脱臭法の製造工程の一例を概略的に示す図である。生どくだみ草から破砕、搾汁して得られた液をフィルターで荒濾過し、この濾過液に酸素ガスや酸化剤を使用しないで微振動発生装置により振動を与えることにより、薬効成分を損なうことなく、どくだみ特有のにおいの成分を短時間に脱臭することを特徴とする生どくだみ草搾汁液の脱臭法。荒濾過するフィルターが真空プリコートフィルターであることを特徴とする請求項1に記載の生どくだみ草搾汁液の脱臭法。微振動発生装置が電磁式振動発生装置であることを特徴とする請求項1に記載の生どくだみ草搾汁液の脱臭法。


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