生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_洗浄剤用増粘剤及びこれを含有する液体洗浄剤組成物
出願番号:2004255584
年次:2006
IPC分類:C09K 3/00,C11D 3/20,C11D 17/08,A61K 8/00,A61Q 19/10


特許情報キャッシュ

吉川 公夫 JP 2006070172 公開特許公報(A) 20060316 2004255584 20040902 洗浄剤用増粘剤及びこれを含有する液体洗浄剤組成物 理研ビタミン株式会社 390010674 坂口 信昭 100073210 吉川 公夫 C09K 3/00 20060101AFI20060217BHJP C11D 3/20 20060101ALI20060217BHJP C11D 17/08 20060101ALI20060217BHJP A61K 8/00 20060101ALN20060217BHJP A61Q 19/10 20060101ALN20060217BHJP JPC09K3/00 103HC11D3/20C11D17/08A61K7/50 3 OL 6 4C083 4H003 4C083AC341 4C083AC342 4C083AC782 4C083BB05 4C083BB07 4C083CC23 4C083DD23 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE10 4H003AC02 4H003BA12 4H003EB09 4H003ED02 4H003FA01 4H003FA03 4H003FA16 4H003FA18 4H003FA30 本発明は洗浄剤用増粘剤及びこれを含有する液体洗浄剤組成物に関し、詳しくは洗浄剤の主成分に汎用される各種界面活性剤との併用において少量で優れた増粘性を示し、起泡性を高めかつ低温安定性も改良する、人体及び環境に対して安全な洗浄剤用増粘剤及びこれを含有する液体洗浄剤組成物に関する。 従来、洗浄剤用増粘剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、水溶性高分子(メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース等)、食塩などの水溶性無機塩、ポリエチレングリコールジステアレートなどが使用されている。上記脂肪酸ジエタノールアミドはそれに含まれるN-ニトロソジエタノールアミンに肝発ガン性を有する事が知られ、欧州、日本においては使用が差し控えられてきている(非特許文献1)。一方、米国においては使用が可能ではあるが一度置き換えられた処方から脂肪酸ジエタノールアミドに戻る動きは見られていない。 上記水溶性高分子は、金属イオンに対する安定性に欠けるため界面活性剤との組み合わせにおいてその使用範囲が限定される場合があり好ましくない。上記水溶性無機塩についても水溶性高分子と同様に界面活性剤との組み合わせにおいて塩交換を起こす場合がある。そして、上記ポリエチレングリコールステアレートでは、所望粘度を出すために必要な量を添加すると、起泡性を阻害する場合があり好ましくない。 また、食品添加物のグリセリンラウリン酸エステルやグリセリンヤシ油脂肪酸エステル等も増粘効果が認められ、安全性の面においては好ましいが、低温時に析出するなどの問題が認められる。 近年、これらの問題を解決するために多価アルコールのアルキルエーテルやグリセロールの2級水酸基のアルキルエーテルあるいは脂肪酸エステルとしたものが開示されている(特許文献1、2参照)。しかし、これらの方法は少量のサンプル程度であれば問題ないが工業的に大量、安価に得ることは難しい。また、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのモノ脂肪酸エステルなども開示されている(例えば、特許文献3参照)が、従来の増粘剤に比べると増粘性に劣る。このように従来公知又は使用されてきた洗浄剤用増粘剤にはそれぞれ一長一短があり、更に増粘性に優れ、又起泡安定性が良好で、低温保存中の結晶性の少ない増粘剤が求められている。 本発明者が着目した乳酸と特定のアルコールとのエステルである、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル等は、化粧品種別配合規格収載品として知られており、皮膚や毛髪の保湿性能があるものとされている(非特許文献2参照)。また、乳酸と特定のアルコールとのエステルを含有した化粧品組成物が知られており、何ら脂性感を伴わないで、滑らかさ、柔軟性及びしなやかさを発揮する毛髪トリートメント性能があるものとされている(特許文献4参照)。特開2003−129031特開2003−129032特開2002−265993特開表2002−536311Journal of American College of Toxicology.5(5).415(1986)化粧品原料辞典(日光ケミカルズ、平成3年発行P330〜P332) 本発明は、毒性、刺激性が少なく、安全性の高い、湿潤作用、柔軟作用に優れ、皮膚や毛髪に対する感触が良好であり、且つ本発明は洗浄剤の主成分に汎用される各種界面活性剤との併用において少量で優れた増粘性を示し、起泡性を高めかつ低温安定性も改良する洗浄剤用増粘剤及びこれを用いた高粘度液体洗浄剤組成物を提供する事を課題とする。 本発明者は上記課題に鑑み、安全性が高く、特に界面活性剤との組み合わせにおける安定性あるいは低温下での安定性に優れ刺激性の少ない増粘剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の乳酸エステルを用いて上記課題が解決できることを見いだした。 すなわち、本発明は以下の構成を有する。1.乳酸エステルを主成分とする洗浄剤用増粘剤において、前記乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が2〜18の直鎖状または分岐の飽和または不飽和アルコールの1種又は2種以上であることを特徴とする洗浄剤用増粘剤。2.前記乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が6〜14の直鎖状の飽和アルコールの1種又は2種以上であることを特徴とする前記1に記載の洗浄剤用増粘剤。3.前記1又は2に記載の増粘剤と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種からなる洗浄成分とを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。 シャンプー、ボディーシャンプー、リンス、洗顔フォームなどの身体洗浄用洗浄剤、あるいは台所用液体洗剤には、性能向上、商品のイメージアップ、ハンドリング向上のために通常増粘剤が使用されている。これらの製品は直接皮膚に触れる事からその安全性が重要である。 本発明に用いられる特定の乳酸エステルは、皮膚の天然保湿因子の一成分である乳酸とアルコールのエステルからなり、毒性、刺激性が少なく、安全性の高い、湿潤作用、柔軟作用に優れ、皮膚や毛髪に対する感触が非常に良好である。本発明は洗浄剤の主成分に汎用される各種界面活性剤との併用において少量で優れた増粘性を示し、起泡性を高めかつ低温安定性も改良された洗浄剤組成物を提供することができる。 本発明について更に詳しく説明する。 本発明に用いられる乳酸エステルは、乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が2〜18の直鎖状または分岐の飽和または不飽和アルコールの1種又は2種以上からなることが望ましい。本発明の乳酸エステルは常温で液体である事が好ましい。エステルを構成するアルコールとしては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ジフェニルカルビノール、シンナミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のアルコール類が挙げられる。より好ましくは炭素数6〜14のn−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の飽和直鎖アルコールの単独又は混合物を主成分とする事が望ましい。炭素数が18を超えるアルコールと乳酸とのエステルは低温安定性が劣り好ましくない。 乳酸エステルはこれらのアルコールと乳酸とのエステル化反応、あるいはより低級アルキルアルコール乳酸エステルとのエステル交換によって得る事が出来る。エステル化反応においてはアルコールを多量に用いた反応を行わない限り、乳酸エステルに複数の乳酸が縮合したオリゴマーが生じる。本発明においてこれらオリゴマーが阻害要因となる事はないが、より増粘性を高めるために蒸留、その他の既知の精製方法を用いて、乳酸オリゴマーを取り除いても良い。 また、本発明に用いられる乳酸エステルは、洗浄剤の洗浄成分となるアニオン、非イオン、カチオン、両性界面活性剤と併用することで優れた増粘性を示す。本発明に係る洗浄剤組成物に使用される界面活性剤としては、主としてアニオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。 アニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルポリグリコールエーテル硫酸塩、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテル硫酸塩、アルキルグリセロールスルホン酸塩、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸系界面活性剤、N-アシルメチルタウレート、N-アシルタウレート、アルキルリン酸塩、等が挙げられ、両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン型、イミダゾリニウム型、スルホベタイン型両性界面活性剤等の各種界面活性剤を挙げることが出来る。これらの界面活性剤は単独又は2種以上の併用によることも可能である。また、その他の非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を併用することも可能である。 本発明の洗浄剤用増粘剤は、必要に応じて他の物質を加えた混合物で使用してもよい。例えば、本発明の増粘剤の低温保存性、界面活性剤への溶解性をさらによくするために可溶化量の大きなポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールなどとの混合でもよいし、また、本発明に係る液体洗浄剤組成物の起泡性、泡質を更に良くするために、本発明の増粘剤とグリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノヤシ油脂肪酸エステル、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパーム核油脂肪酸エステルなどとの混合でもよい。また、感触改良剤、フケ防止剤、香料、防腐殺菌剤、pH調整剤、パール化剤、着色料、キレート剤等を本発明の効果を損なわない範囲で添加する事が出来る。 本発明の増粘剤を洗浄剤に配合する場合、好ましい添加量は洗浄剤の処方、使用する界面活性剤の種類及び希望する粘度などにより界面活性剤に対して5〜40重量%の範囲で使用すれば目的を達成でき、好ましくは10重量%を超え35重量%以下の範囲、より好ましくは15重量%を超え35重量%以下の範囲で本発明の課題をより効果的に達成できる。 以下、実施例及び比較例を示し本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれにより限定されるものではない。尚、「%」は特に断りのない限り「重量%」を表わす。 製造例1 乳酸14.67g、ラウリルアルコール25.28g、NaOH 0.05gを四ッ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら反応を行った。反応条件は130℃まで昇温、反応水の留出が停止した後、160℃まで昇温し、6時間反応させ発明品1を得た。その組成は、未反応アルコール8.0%、モノ乳酸ラウリル62.7%、ジ乳酸ラウリル20.5%であった。 製造例2 上記製造例1で得られた反応品を蒸留し、モノ乳酸ラウリル含量を高めた発明品2を得た。蒸留条件0.5kPa、150℃〜300℃であった。得られた蒸留品の組成は未反応アルコール10%、モノ乳酸エステル88.3%、ジ乳酸エステル1.7%であった。 製造例3 ジプロピレングリコール232.61gとラウリン酸167.39gを無触媒、235℃、4h反応した。反応終了後、0.47kPa、195〜210℃で蒸留し、純度96.8%のジプロピレングリコールモノラウリン酸エステル(比較品1)を得た。 製造例4 ジエチレングリコール209.44gとラウリン酸190.56gを無触媒、235℃、4h反応した後、0.40kPa、210℃で蒸留して95%のジエチレングリコールモノラウリン酸エステル(比較品2)を得た。 製造例5 乳酸9.94g、ベヘニルアルコール30.03g、NaOH 0.10gを四ツ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら反応を行った。、反応条件は130℃まで昇温、反応水の留出が停止した後、160℃まで昇温し、6時間反応させ、アルコールの炭素数が20の比較品3を得た。未反応アルコール7.7%であった。 上記、各成分の分析は、THF、1,0ml/min、40℃の溶離液を用い、SHOWDEX KF−802を二本連結したHPLCにて、RI検出器を使用して分析した。それぞれの分析結果をまとめて表1に示す。 洗剤成分として汎用的に利用されるポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ社製SBL-3N-27)を使用した。製造例1〜5において製造された発明品及び比較品を表2に示した割合で配合し、得られた配合物を下記の評価基準で評価した。[粘度試験] 株式会社エー・アンド・ディ社製、SV型粘度計SV−10を用いて25℃で測定した。[起泡性試験] 各々の配合品が0.3%の濃度になるように調製した水溶液について、ロスマイルス法に準じた方法で40℃における泡の容積を測定した。[低温保存性] 0℃、−5℃の低温保存性(結晶析出の有無)の評価。 ○ 良 透明 △ やや良 やや透明 × 不良 析出 本試験における本発明品及び比較品の配合割合及び各試験結果を表2に示した。 尚、上記SBL−3N−27は、界面活性剤が27%(残りは水他)であり、従って、表2において、SBL−3N−27の74.1gは界面活性剤20gとなり、それに対し、増粘剤5.0gであるから、表2に示す例は界面活性剤に対して25重量%の添加量となる。 表2から明らかなように、本発明は洗浄剤の主成分に汎用される各種界面活性剤との併用において少量で優れた増粘性を示し、起泡性を高めかつ低温安定性も改良することが判る。 乳酸エステルを主成分とする洗浄剤用増粘剤において、前記乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が2〜18の直鎖状または分岐の飽和または不飽和アルコールの1種又は2種以上であることを特徴とする洗浄剤用増粘剤。前記乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が6〜14の直鎖状の飽和アルコールの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤用増粘剤。請求項1又は2に記載の増粘剤と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種からなる洗浄成分とを含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物。 【課題】毒性、刺激性が少なく、安全性の高い、湿潤作用、柔軟作用に優れ、皮膚や毛髪に対する感触が良好であり、且つ本発明は洗浄剤の主成分に汎用される各種界面活性剤との併用において少量で優れた増粘性を示し、起泡性を高めかつ低温安定性も改良する洗浄剤用増粘剤及びこれを用いた高粘度液体洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】乳酸エステルを主成分とする洗浄剤用増粘剤において、前記乳酸エステルを構成するアルコールの炭素数が2〜18の直鎖状または分岐の飽和または不飽和アルコールの1種又は2種以上であることを特徴とする洗浄剤用増粘剤である。 【選択図】 なし


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