生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_低成分含量の錠剤の製造方法
出願番号:2004248485
年次:2006
IPC分類:A61K 9/20,A61K 31/565,A61K 47/26,A61P 5/30,A61K 38/22,A61K 38/24


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亀澤 真也 金山 良成 JP 2006063030 公開特許公報(A) 20060309 2004248485 20040827 低成分含量の錠剤の製造方法 富士製薬工業株式会社 591166400 ノーベルファーマ株式会社 504237832 川上 宣男 100098844 亀澤 真也 金山 良成 A61K 9/20 20060101AFI20060210BHJP A61K 31/565 20060101ALI20060210BHJP A61K 47/26 20060101ALI20060210BHJP A61P 5/30 20060101ALI20060210BHJP A61K 38/22 20060101ALI20060210BHJP A61K 38/24 20060101ALI20060210BHJP JPA61K9/20A61K31/565A61K47/26A61P5/30A61K37/24A61K37/38 5 OL 8 4C076 4C084 4C086 4C076AA36 4C076BB01 4C076CC30 4C076DD37 4C076DD67 4C076EE38 4C076FF70 4C076GG02 4C076GG50 4C084AA03 4C084BA44 4C084DB26 4C084MA35 4C084MA52 4C084NA20 4C084ZA811 4C084ZA812 4C084ZC111 4C084ZC112 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA09 4C086MA02 4C086MA05 4C086MA35 4C086MA52 4C086NA20 4C086ZA81 4C086ZC11 本発明は、極めて少ない量の薬効成分が均一に配合され、かつ、成型性、崩壊性に優れた錠剤の製造方法に関する。 錠剤は、薬効成分および添加剤を含む混合物を、円盤形、楕円形などに圧縮成型したもので、一錠当たりの薬効成分の含有量が正確であること、薬効成分の発現部位(胃、腸など)を調節することが可能であること、調剤がし易いこと、あるいは大量生産が可能で経済的であること、など多くの利点を有していることから、経口投与用製剤として最も多用されている製剤である。その製法としては、薬効成分や添加剤の物性によって、通常、直接粉末圧縮法、乾式顆粒圧縮法あるいは湿式顆粒圧縮法の3法から適した製法が選ばれて錠剤とされる。これらいずれの製法においても、薬効成分と各種添加剤をそれぞれ篩過したのち、両者を混合する操作を経て調製され、薬効成分の多くは、その混合操作の過程で、1錠剤中の成分含量に応じて所定量となるように倍散作業が行われる。 錠剤は、上述のとおり、最も多用されている経口投与用の固形製剤ではあるが、生物活性の高い薬効成分の場合には投与量が少なく、錠剤中に含有せしめる量が極めて少なくなって、倍散作業によっても粉体同士の混合作業であるために、極微量の薬効成分を各種の添加物と共に均一に混合することが難しく、錠剤間の成分含量にバラツキが生じ易いという問題がある。さらに、薬効成分が吸湿性の化合物である場合、あるいは、薬効成分と添加剤との組合せが悪いなどの場合には、錠剤中の薬効成分の含有量を一定に維持することが一層困難となり、歩留まりを悪くする原因になっている。 生物活性が高く一回当たりの投与量が少ない薬物としては、メストラノール、エチニルエストラジオールなどの卵胞ホルモン剤、あるいは、骨そしょう症の治療剤として用いられている活性ビタミンD3 などがある。これら薬物の一回当たりの投与量は、0.25〜35μg程度で、錠剤1錠当たりの含有量は極めて微量でなければならない。 一方で、錠剤における薬効成分の含量均一性試験の判定値は15%未満と規定されており(第14改正日本薬局方)、特に、生物活性が高い薬物について上述の倍散法による製造法によって判定値を満たす錠剤を得るためには、厳重な生産管理のもとで行わなければならず、極めて効率の悪いものとなっている。 さらに、錠剤は、判定値15%未満の規定に合致するだけでなく、体内での崩壊性および薬効成分の溶出速度と生体内利用性から、また生産性のうえからも、適切な添加剤を選択し製剤化が容易に行える方法でなければならない。 上述のメストラノールやエチニルエストラジオールのような生物活性が高く、投与量が極めて少ない薬物は、錠剤中の含量が極めて少なくなり、倍散によって、判定値15%未満の規格を確保することが難しい。本発明者は、上記の判定値を満たす錠剤を得るべく、撹拌造粒法、押出造粒法あるいは流動層造粒法など各種の方法によって製剤化を試みたが、一応の規格内にある錠剤を得ることができても、造粒粉末の特性により成型性が悪く、かつ、錠剤の強度(硬度)に問題が生じ、崩壊性と薬効成分の溶出特性などの物性を満足する錠剤を安定して得ることが困難であった。 このような状況下において、本発明の目的は、投与量が少ない薬物について、直接粉末圧縮法に準じた方法で、手間がかからず、判定値が15%未満という規定を満たし、崩壊性、溶出性に問題がなく、しかも、生産性の高い錠剤の製造方法を開発することにある。 本発明者らは、上記課題を解決するため、倍散法に拠らない製剤化方法について鋭意検討を行ったところ、薬効成分を含む低濃度の溶液を、撹拌下の賦形剤に滴下もしくは噴霧により均一に添加し、これを乾燥した後、造粒乳糖を加えて、さらによく混合して得られた粉末を錠剤に成型することによって、薬効成分含量が均一で、かつ、成型性も優れていることを見出し、本発明をなすに至った。 すなわち、本発明は、極めて少ない量の薬効成分を含有する錠剤の製造法であって、薬効成分を含有する溶液を撹拌下の賦形剤に滴下または噴霧により全体に均一に添加し、充分混合した後、乾燥した粉末に、賦形剤として造粒乳糖を加えて均一に混合した粉末を成型することを特徴とする第14改正日本薬局方規定の含量均一性試験における判定値が15%未満である、薬効成分含量が均一、かつ、成型性が優れた錠剤の製造方法を提供するものである。 本発明の薬効成分の溶液を賦形剤に加えて均一に混合した後、追加の賦形剤として造粒乳糖を加えて成型する直接粉末圧縮法に準じた格別の技術を要しない方法によって、極めて少ない量の薬効成分が均一、かつ、一定量配合された錠剤を高い歩留まりで得ることができる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明の錠剤の製造法が適用される薬物は、特に限定されないが、生物活性が高く、投与量が少ない薬物で、代表的には、プロスタグランジン誘導体、活性型ビタミンD3 、副腎皮質ホルモン剤、男性ホルモン剤、メストラノール、エチニルエストラジオールなどの卵胞ホルモン剤やプロゲステロン、ノルエチステロンなどの黄体ホルモン剤、あるいは、それらの混合ホルモン剤などである。混合ホルモン剤としては、男性ホルモンと卵胞ホルモンとの配合剤、経口避妊薬としてのピルに用いられる卵胞ホルモンや黄体ホルモンとの配合剤などが挙げられる。なお、一方の薬物が投与量(含量)の多い配合剤にも適用することが可能である。 本発明の錠剤の製造方法において、投与量が少ない薬効成分は、賦形剤を2回に分けて使用し、その初回の賦形剤に当該薬効成分の溶液を滴下または噴霧により全体にゆきわたるように添加される。この薬効成分が加えられた混合物を均一に攪拌混合したのち、追加の賦形剤として造粒乳糖を加え、さらに攪拌混合されて錠剤に成型される。初回の賦形剤としては、乳糖、無水乳糖などのほか、結晶セルロース、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、あるいはそれらの混合物など公知の賦形剤が用いられる。初回の賦形剤の使用量は、賦形剤全量に対して40〜80質量%程度が好ましく、より好ましくは、50〜70質量%である。また、後に加える造粒乳糖の量は10質量%以上であり、好ましくは、10〜30質量%である。この造粒乳糖を用いることによって、成型性がよく、また、崩壊性に優れた錠剤を得ることができる。造粒乳糖としては、「日本薬局方第14局」掲載の造粒乳糖が主に用いられる。 また、溶剤は、薬効成分を溶解する溶媒であれば特に制限されないが、人に対して安全なエタノール、イソプロパノールが適しており、通常エタノールを用いる。 一方の投与量(錠剤への含有量)が多い薬物との配合剤については、これを最初の賦形剤に、公知の篩過・倍散による方法を適用してそれらの混合物とした後、当該含有量の極めて少ない薬物に対して本発明の製造方法が適用される。 なお、本発明の錠剤には、その特性を損なわない範囲で、通常用いられている添加剤の適量を加えることは差し支えない。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースやカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムやショ糖脂肪酸エステルなどの滑沢剤、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン、ポリソルベート、ヒドロキシプロピルセルロースやメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどの結合剤、或いは各種の着色剤が所望により添加される。 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。[実施例1] 表1の処方により、次のようにして錠剤を製造した。賦形剤の無水乳糖と結合剤の部分アルファー化デンプンとの混合物にノルエチステロンを加え篩過・混合して、倍散とする。この混合物に転動造粒機中で撹拌混合下、エタノールに溶解したエチニルエストラジオール溶液を全体に滴下し、充分混合したのち乾燥し、さらに乳糖を加えて、均一に混合後、打錠する。賦形剤全量に対する造粒乳糖の割合は26%である。[実施例2] 表2の処方により、実施例1に記載した方法に準じて錠剤を製造した。賦形剤全量に対する造粒乳糖の割合は14%である。[比較例1] 表3の処方により、次のようにして錠剤を製造した。賦形剤の無水乳糖と結合剤の部分アルファー化デンプンとの混合物の一部を取り、ノルエチステロンと篩過・混合して、倍散とする。この混合物に転動造粒機中で撹拌混合下、エタノールに溶解したエチニルエストラジオール溶液を滴下し、充分混合した後乾燥し、さらに残りの無水乳糖と部分アルファー化デンプンとの混合物を添加して、充分混合の後、打錠した。このものは約10万錠あまり打錠した時点でスティッキングを起こした。1)含量均一性試験 薬効成分として、エチニルエストラジオールを含有する錠剤について、本発明の方法と公知の直接粉末圧縮法により製造した錠剤の含量均一性試験を行った。その結果を表4に示す。表4の結果から明らかなように、本発明の方法により得た錠剤は、公知方法による錠剤に比べて、判定値が54.667 → 3.864 と大幅な改善が認められた。2)硬度・キャッピング試験 本発明の方法による錠剤と賦形剤として造粒乳糖を用いないで成型した錠剤について、硬度・キャッピング試験を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、硬度が、2.32 (kg) → 5.11 (kg) と有意な改善効果が認められた。 以上説明したように、本発明により、薬効成分の含有量の極めて少ない錠剤を、直接粉末圧縮法に準じた簡便な方法により効率よく生産することが可能となった。したがって、本発明の錠剤の製造方法は、生物活性が高く、投与量が少ない医薬品に向けた錠剤の製法として極めて利用価値が高い。 極めて少ない量の薬効成分を含有する錠剤の製造法であって、薬効成分を含有する溶液を撹拌下の賦形剤に滴下または噴霧により全体に均一に添加し、充分混合した後、乾燥した粉末に、造粒乳糖を加えて均一に混合した粉末を成型することを特徴とする第14改正日本薬局方規定の含量均一性試験における判定値が15%未満である錠剤の製造方法。 薬効成分が、ホルモン剤である請求項1に記載の錠剤の製造方法。 薬効成分が、卵胞ホルモン剤である請求項1に記載の錠剤の製造方法。 薬効成分が、エチニルエストラジオールである請求項1に記載の錠剤の製造方法。 造粒乳糖の使用量が、その全量に対して10質量%以上である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の錠剤の製造方法。 【課題】投与量が少ない薬物について、簡便な方法で、薬効成分の含量均一性が確保され、かつ、崩壊性、溶出性、成型性の優れた錠剤の製造方法を開発する。【解決手段】低含量の薬効成分を含有する錠剤の製造において、薬効成分を含有する溶液を撹拌下の賦形剤に滴下または噴霧により添加し、均一に混合せしめた後乾燥して得られた粉末に、さらに造粒乳糖を加えて均一に混合した粉末を打錠することによる第14改正日本薬局方規定の含量均一性試験における判定値が15%未満である含量均一性、成型性、崩壊性、溶出性が改良された錠剤の製造方法。


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特許公報(B2)_低成分含量の錠剤の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_低成分含量の錠剤の製造方法
出願番号:2004248485
年次:2011
IPC分類:A61K 9/20,A61K 31/565,A61K 31/567,A61K 31/593,A61K 47/26,A61P 5/30


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亀澤 真也 金山 良成 JP 4756153 特許公報(B2) 20110610 2004248485 20040827 低成分含量の錠剤の製造方法 富士製薬工業株式会社 591166400 ノーベルファーマ株式会社 504237832 川上 宣男 100098844 亀澤 真也 金山 良成 20110824 A61K 9/20 20060101AFI20110804BHJP A61K 31/565 20060101ALI20110804BHJP A61K 31/567 20060101ALI20110804BHJP A61K 31/593 20060101ALI20110804BHJP A61K 47/26 20060101ALI20110804BHJP A61P 5/30 20060101ALI20110804BHJP JPA61K9/20A61K31/565A61K31/567A61K31/593A61K47/26A61P5/30 A61K 9/20 A61K 31/565 A61K 31/567 A61K 31/593 A61K 47/26 A61P 5/30 国際公開第2003/099291(WO,A1) 特開平07−196513(JP,A) 特表2004−503467(JP,A) 特開昭51−144722(JP,A) 特開2003−081876(JP,A) 2 2006063030 20060309 7 20070824 岩下 直人 本発明は、極めて少ない量の薬効成分が均一に配合され、かつ、成型性、崩壊性に優れた錠剤の製造方法に関する。 錠剤は、薬効成分および添加剤を含む混合物を、円盤形、楕円形などに圧縮成型したもので、一錠当たりの薬効成分の含有量が正確であること、薬効成分の発現部位(胃、腸など)を調節することが可能であること、調剤がし易いこと、あるいは大量生産が可能で経済的であること、など多くの利点を有していることから、経口投与用製剤として最も多用されている製剤である。その製法としては、薬効成分や添加剤の物性によって、通常、直接粉末圧縮法、乾式顆粒圧縮法あるいは湿式顆粒圧縮法の3法から適した製法が選ばれて錠剤とされる。これらいずれの製法においても、薬効成分と各種添加剤をそれぞれ篩過したのち、両者を混合する操作を経て調製され、薬効成分の多くは、その混合操作の過程で、1錠剤中の成分含量に応じて所定量となるように倍散作業が行われる。 錠剤は、上述のとおり、最も多用されている経口投与用の固形製剤ではあるが、生物活性の高い薬効成分の場合には投与量が少なく、錠剤中に含有せしめる量が極めて少なくなって、倍散作業によっても粉体同士の混合作業であるために、極微量の薬効成分を各種の添加物と共に均一に混合することが難しく、錠剤間の成分含量にバラツキが生じ易いという問題がある。さらに、薬効成分が吸湿性の化合物である場合、あるいは、薬効成分と添加剤との組合せが悪いなどの場合には、錠剤中の薬効成分の含有量を一定に維持することが一層困難となり、歩留まりを悪くする原因になっている。 生物活性が高く一回当たりの投与量が少ない薬物としては、メストラノール、エチニルエストラジオールなどの卵胞ホルモン剤、あるいは、骨そしょう症の治療剤として用いられている活性ビタミンD3 などがある。これら薬物の一回当たりの投与量は、0.25〜35μg程度で、錠剤1錠当たりの含有量は極めて微量でなければならない。 一方で、錠剤における薬効成分の含量均一性試験の判定値は15%未満と規定されており(第14改正日本薬局方)、特に、生物活性が高い薬物について上述の倍散法による製造法によって判定値を満たす錠剤を得るためには、厳重な生産管理のもとで行わなければならず、極めて効率の悪いものとなっている。 さらに、錠剤は、判定値15%未満の規定に合致するだけでなく、体内での崩壊性および薬効成分の溶出速度と生体内利用性から、また生産性のうえからも、適切な添加剤を選択し製剤化が容易に行える方法でなければならない。 上述のメストラノールやエチニルエストラジオールのような生物活性が高く、投与量が極めて少ない薬物は、錠剤中の含量が極めて少なくなり、倍散によって、判定値15%未満の規格を確保することが難しい。本発明者は、上記の判定値を満たす錠剤を得るべく、撹拌造粒法、押出造粒法あるいは流動層造粒法など各種の方法によって製剤化を試みたが、一応の規格内にある錠剤を得ることができても、造粒粉末の特性により成型性が悪く、かつ、錠剤の強度(硬度)に問題が生じ、崩壊性と薬効成分の溶出特性などの物性を満足する錠剤を安定して得ることが困難であった。 このような状況下において、本発明の目的は、投与量が少ない薬物について、直接粉末圧縮法に準じた方法で、手間がかからず、判定値が15%未満という規定を満たし、崩壊性、溶出性に問題がなく、しかも、生産性の高い錠剤の製造方法を開発することにある。 本発明者らは、上記課題を解決するため、倍散法に拠らない製剤化方法について鋭意検討を行ったところ、薬効成分を含む低濃度の溶液を、撹拌下の賦形剤に滴下もしくは噴霧により均一に添加し、これを乾燥した後、造粒乳糖を加えて、さらによく混合して得られた粉末を錠剤に成型することによって、薬効成分含量が均一で、かつ成型性も優れていることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、メストラノール、エチニルエストラジオールまたは活性ビタミンD3から選択された薬効成分0,25〜35μgを含有する錠剤の製造方法であって、当該薬効成分を含有する溶液を撹拌下の賦形剤に滴下または噴霧により全体にいきわたるように添加し、さらに均一に撹拌混合した後、乾燥した粉末に、造粒乳糖を加えて均一に混合した粉末を成型することを特徴とする第14改正日本薬局方規定の含量均一性試験における判定値が15%未満である、薬効成分が均一、かつ、成形性が優れた錠剤の製造方法を提供するものである。 本発明の薬効成分の溶液を賦形剤に加えて均一に混合した後、追加の賦形剤として造粒乳糖を加えて成型する直接粉末圧縮法に準じた格別の技術を要しない方法によって、極めて少ない量の薬効成分が均一、かつ、一定量配合された錠剤を高い歩留まりで得ることができる。以下、本発明について詳細に説明する。本発明の錠剤の製造法が適用される薬物は、生物活性が高く、投与量が少ないメストラノール、エチニルエストラジオールまたは活性ビタミンD3から選択された薬物である。これらの錠剤中には、副腎皮質ホルモン、男性ホルモンあるいは経口避妊薬との混合ホルモン剤としてもよい。また、その他投与量の多い薬物などを配合することも可能である。 本発明の錠剤の製造方法において、投与量が少ない薬効成分は、賦形剤を2回に分けて使用し、その初回の賦形剤に当該薬効成分の溶液を滴下または噴霧により全体にゆきわたるように添加される。この薬効成分が加えられた混合物を均一に攪拌混合したのち、追加の賦形剤として造粒乳糖を加え、さらに攪拌混合されて錠剤に成型される。初回の賦形剤としては、乳糖、無水乳糖などのほか、結晶セルロース、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、あるいはそれらの混合物など公知の賦形剤が用いられる。初回の賦形剤の使用量は、賦形剤全量に対して40〜80質量%程度が好ましく、より好ましくは、50〜70質量%である。また、後に加える造粒乳糖の量は10質量%以上であり、好ましくは、10〜30質量%である。この造粒乳糖を用いることによって、成型性がよく、また、崩壊性に優れた錠剤を得ることができる。造粒乳糖としては、「日本薬局方第14局」掲載の造粒乳糖が主に用いられる。 また、溶剤は、薬効成分を溶解する溶媒であれば特に制限されないが、人に対して安全なエタノール、イソプロパノールが適しており、通常エタノールを用いる。 一方の投与量(錠剤への含有量)が多い薬物との配合剤については、これを最初の賦形剤に、公知の篩過・倍散による方法を適用してそれらの混合物とした後、当該含有量の極めて少ない薬物に対して本発明の製造方法が適用される。 なお、本発明の錠剤には、その特性を損なわない範囲で、通常用いられている添加剤の適量を加えることは差し支えない。例えば、トウモロコシデンプンやバレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースやカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムやショ糖脂肪酸エステルなどの滑沢剤、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン、ポリソルベート、ヒドロキシプロピルセルロースやメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどの結合剤、或いは各種の着色剤が所望により添加される。 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。[実施例1] 表1の処方により、次のようにして錠剤を製造した。賦形剤の無水乳糖と結合剤の部分アルファー化デンプンとの混合物にノルエチステロンを加え篩過・混合して、倍散とする。この混合物に転動造粒機中で撹拌混合下、エタノールに溶解したエチニルエストラジオール溶液を全体に滴下し、充分混合したのち乾燥し、さらに乳糖を加えて、均一に混合後、打錠する。賦形剤全量に対する造粒乳糖の割合は26%である。[実施例2] 表2の処方により、実施例1に記載した方法に準じて錠剤を製造した。賦形剤全量に対する造粒乳糖の割合は14%である。[比較例1] 表3の処方により、次のようにして錠剤を製造した。賦形剤の無水乳糖と結合剤の部分アルファー化デンプンとの混合物の一部を取り、ノルエチステロンと篩過・混合して、倍散とする。この混合物に転動造粒機中で撹拌混合下、エタノールに溶解したエチニルエストラジオール溶液を滴下し、充分混合した後乾燥し、さらに残りの無水乳糖と部分アルファー化デンプンとの混合物を添加して、充分混合の後、打錠した。このものは約10万錠あまり打錠した時点でスティッキングを起こした。1)含量均一性試験 薬効成分として、エチニルエストラジオールを含有する錠剤について、本発明の方法と公知の直接粉末圧縮法により製造した錠剤の含量均一性試験を行った。その結果を表4に示す。表4の結果から明らかなように、本発明の方法により得た錠剤は、公知方法による錠剤に比べて、判定値が54.667 → 3.864 と大幅な改善が認められた。2)硬度・キャッピング試験 本発明の方法による錠剤と賦形剤として造粒乳糖を用いないで成型した錠剤について、硬度・キャッピング試験を行った。その結果を表5に示す。表5から明らかなように、硬度が、2.32 (kg) → 5.11 (kg) と有意な改善効果が認められた。 以上説明したように、本発明により、薬効成分の含有量の極めて少ない錠剤を、直接粉末圧縮法に準じた簡便な方法により効率よく生産することが可能となった。したがって、本発明の錠剤の製造方法は、生物活性が高く、投与量が少ない医薬品に向けた錠剤の製法として極めて利用価値が高い。メストラノール、エチニルエストラジオールまたは活性ビタミンD3から選択された薬効成分0,25〜35μgを含有する錠剤の製造方法であって、当該薬効成分を含有する溶液を撹拌下の賦形剤に滴下または噴霧により全体にいきわたるように添加し、さらに均一に撹拌混合した後、乾燥した粉末に、造粒乳糖を加えて均一に混合した粉末を成型することを特徴とする第14改正日本薬局方規定の含量均一性試験における判定値が15%未満である錠剤の製造方法。造粒乳糖の使用量が、その全量に対して10質量%以上である請求項1に記載の錠剤の製造方法。


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