タイトル: | 公開特許公報(A)_脂環式アルデヒドの製造方法 |
出願番号: | 2004247874 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C07C45/59,C07C47/32,C07B61/00 |
菅原 朋宏 在間 文哉 大越 篤 加藤 金司 稲荷 雅人 JP 2005097286 公開特許公報(A) 20050414 2004247874 20040827 脂環式アルデヒドの製造方法 三菱瓦斯化学株式会社 000004466 永井 隆 100117891 菅原 朋宏 在間 文哉 大越 篤 加藤 金司 稲荷 雅人 JP 2003313903 20030905 7C07C45/59C07C47/32C07B61/00 JPC07C45/59C07C47/32C07B61/00 300 5 OL 8 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC45 4H006BA02 4H006BA23 4H006BA24 4H006BA25 4H006BA32 4H006BA51 4H006BC10 4H006BC11 4H006BE20 4H039CA40 4H039CB10 本発明は、芳香族アルデヒドの芳香環が水素化された脂環式アルデヒドの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、香料や医農薬中間体の原料として用いられる高純度の脂環式アルデヒドを、収率よく、かつ工業的に有利に製造する方法に関するものである。 脂環式アルデヒドを製造する方法としては対応する脂環式カルボン酸エステルを還元し、求める脂環式アルデヒドを得る方法(例えば、特許文献1参照。)、対応する脂環式アルコールを酸化し求める脂環式アルデヒドを得る方法(例えば、特許文献2参照。)、対応する脂環式カルボン酸を還元し、求める脂環式アルデヒドを得る方法(例えば、特許文献3あるいは4参照。)、対応する脂環式オレフィンを一酸化炭素または二酸化炭素と水素でホルミル化する方法(例えば、特許文献5あるいは6参照。)が知られている。しかし、脂環式カルボン酸エステルを還元する方法は脂環式カルボン酸をエステルにする工程を含み、プロセスとして複雑になる。また脂環式カルボン酸を還元する方法は厳しい条件下で反応を行わなければならなかったり、工業的に得にくい化合物を用いなくてならない。さらに対応するオレフィンやアルコールを出発物質とする場合でもディールスアルダー反応などの反応工程を加えなければならない。米国特許第3660416号明細書米国特許第3901896号明細書欧州特許出願公開第439115号明細書国際公開00/12457号パンフレット特開平5−246925号公報特開2001−233795号公報 本発明の目的は、脂環式アルデヒドを、高収率で、かつ工業的に有利に製造する方法を提供することにある。 本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族アルデヒドをアセタール化することにより得られる芳香族アセタールを、特定の条件下で水素化することにより脂環式アセタールとし、その後、加水分解することにより脂環式アルデヒドを選択的に製造できることを見出した。 本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。 すなわち本発明は、芳香族アセタールを、貴金属を含む触媒、およびアルカリの存在下、水素化して脂環式アセタールとし、次いで、得られた脂環式アセタールを加水分解して脂環式アルデヒドとする工程を含むことを特徴とする脂環式アルデヒドの製造方法に関する。 本発明によれば、香料、医農薬中間体などとして用いられる、高純度の脂環式アルデヒドを、収率よく、かつ工業的に有利に製造することができる。 本発明で使用する芳香族アセタールは、例えば、芳香族アルデヒドをアルコール類でアセタール化することにより得られる。以下、芳香族アセタールの製造方法について説明する。 <芳香族アルデヒドのアセタール化> 原料として用いられる芳香族アルデヒドとしては、芳香環上に1つ以上のホルミル基が導入された化合物であればよく、特に制限されず、様々な化合物の中から、使用目的に応じて適宜選択することができる。 この芳香族アルデヒドの例としては、ベンズアルデヒド、パラトルアルデヒド、オルトトルアルデヒド、メタトルアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、パラノルマルプロピルベンズアルデヒド、オルトノルマルプロピルベンズアルデヒド、メタノルマルプロピルベンズアルデヒド、パライソプロピルベンズアルデヒド、オルトイソプロピルベンズアルデヒド、メタイソプロピルベンズアルデヒド、パラノルマルブチルベンズアルデヒド、オルトノルマルブチルベンズアルデヒド、メタノルマルブチルベンズアルデヒド、パライソブチルベンズアルデヒド、オルトイソブチルベンズアルデヒド、メタイソブチルベンズアルデヒド、パラセカンダリーブチルベンズアルデヒド、オルトセカンダリーブチルベンズアルデヒド、メタセカンダリーブチルベンズアルデヒド、パラターシャリーブチルベンズアルデヒド、オルトターシャリーブチルベンズアルデヒド、メタターシャリーブチルベンズアルデヒド、α−ナフトアルデヒド、β−ナフトアルデヒド、2−テトラリンカルバルデヒド、4−ビフェニルカルバルデヒド、パラヒドロキシベンズアルデヒド、オルトヒドロキシベンズアルデヒド、パラメトキシベンズアルデヒド、オルトメトキシベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどを挙げることができる。 これらの中で、得られる脂環式アルデヒドの工業的な利用価値などの点から、ベンズアルデヒド、パラトルアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメチルベンズアルデヒド、パライソプロピルベンズアルデヒド、パライソブチルベンズアルデヒドが好適である。これらの芳香族アルデヒドの品質は、通常市販されている品質のもので構わない。 前記アセタール化反応の際用いられるアセタール化剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノ−ル、2−メチル−1−プロパノ−ル、2−ブタノ−ル、2−メチル−2−プロパノ−ル、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどのアルコール類が挙げられる。その中でも特に好適なものとしては、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトールが挙げられる。アセタール化剤の使用量は、芳香族アルデヒド1モルに対して、モノヒドロキシ化合物の場合は5〜100モル、ポリヒドロキシ化合物の場合は2〜100モルであるのが好ましい。 アセタール化に際しては、前記芳香族アルデヒドとアルコール類を適宜組合せることができる。例えば、ベンズアルデヒドとエチレングリコールから2−フェニル−1,3−ジオキソランが得られる。また、同様に、2,4−ジメチルベンズアルデヒドとエチレングリコールから2−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3−ジオキソランが得られる。 前記アセタール化反応には反応溶媒が好適に用いられ、特に炭素数が6から9までの芳香族あるいは脂肪族の炭化水素類が望ましい。反応溶媒としては、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、トルエン等が挙げられる。この時の溶媒の使用量は、反応液中の芳香族アルデヒド濃度として、1〜50重量%が好ましく、さらに好適には5〜40重量%になる量である。 前記アセタール化反応は溶媒である炭化水素類を還流させながら行った方が良い。また、脱水反応であるので反応中生じる水を除去する必要がある。反応温度は用いる溶媒の還流温度範囲から選択される。反応は通常5〜48時間で完結する。 また前記アセタール化反応の際には酸触媒が用いられ、例としては、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸、ゼオライトなどが挙げられ、芳香族アルデヒド1モルに対して0.01〜1.0モル、ゼオライトの場合には0.5〜10g用いるのが好ましい。 前記アセタール化反応後、反応液を蒸留して得られた芳香族アセタールを水素化反応に供することができる。この時の蒸留残存液をアセタール化反応器に循環利用しても構わない。残存液を戻す割合は反応に応じて適宜決めることができる。次に得られた芳香族アセタールの水素化反応について説明する。 <芳香族アセタールの水素化> 本発明における芳香族アセタールの水素化反応は反応溶媒なしでも反応溶媒があっても進行させることができる。反応溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、アルコール、脂肪族酸、水等の溶媒が挙げられるが、特にメタノール、テトラヒドロフランが好ましい。この時の反応液中の芳香族アセタール濃度としては5〜50重量%が好ましく、更に好適には10〜40重量%である。 本発明においては、水素化反応触媒として、貴金属を含む触媒を用いることが好ましく、貴金属としては、ロジウム、パラジウムおよびルテニウムから選ばれる1種以上が好ましく、特に好ましくはロジウム単独で用いることである。さらに上記貴金属が担体に担持されてなる触媒が特に好ましい。触媒の形状は特に制限はなく、水素化反応に応じて粉末や固定床用の破砕状、ペレット状などが選択される。担体への担持量は、触媒全量に対して0.5〜30重量%が好ましく、更に好適には0.5〜10重量%である。 また、反応系にアルカリを存在させることにより、水素化反応の選択率を上げることができる。アルカリとしては、ノルマルプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの無機アルカリ塩類が挙げられ、中でもトリエチルアミンおよび炭酸ナトリウムが好ましい。これらのアルカリは、2種以上を併用してもよい。このときの反応液中のアルカリ濃度としては、0.1〜20重量%が好ましく、さらに好適には0.5〜10重量%である。 本発明の製造方法においては、水素化の反応様式として、回分式や連続式の態様があり、適宜選択できる。 まず、回分式においては、芳香族アセタール100重量部に対し、前記貴金属を0.5〜10重量部の割合で含む触媒の存在下、水素分圧0.01MPa以上で芳香族アセタールを水素化する。上記貴金属の量が芳香族アセタール100重量部に対して0.5重量部未満では水素化反応が十分に進行せず、また上限は10重量部で十分であり、それを超えると経済的にむしろ不利となる。該貴金属の好ましい使用量は芳香族アセタール100重量部に対して0.5〜5.0重量部の範囲である。 次に、連続流通式においては、前記貴金属を含む触媒の充填層に、上記貴金属1重量部当たり、芳香族アセタールを1〜100重量部/hrの速度、すなわち重量時空間速度(WHSV)1〜100hr−1で供給し、水素分圧0.01MPa以上で水素化する。 上記WHSVが1hr−1未満では生産効率が低く実用的でないし、100hr−1を超えると所望の反応転化率が得られず、本発明の目的が達せられない。好ましいWHSVは3〜50hr−1の範囲である。 なお、連続式反応形式としては、満液型、かん液型などが考えられるが、かん液型がより好ましい。 水素分圧が0.01MPa未満では所望の反応転化率が得られず、本発明の目的が達せられない。好ましい水素分圧は0.01〜15MPaの範囲である。反応温度は0〜180℃の範囲が好ましい。また、反応時間は、反応温度やその他条件により左右され、一概に決めることはできないが、通常30〜360分間程度で十分である。 水素化反応装置に用いる材質としてはSUS304、SUS316、SUS316Lなどのステンレス鋼がある。 また、通常の耐圧容器に使用される鉄やステンレス鋼にグラスライニング処理を施した容器も好適に使用することができる。 メタノールやテトラヒドロフランを反応溶媒にした場合、生成物の脂環式アセタールは溶媒へ溶解しているので、必要により貴金属を含む触媒を分離した後、その濾過液を蒸留して溶媒と脂環式アセタールを分離することにより脂環式アセタールを得ることができる。 水素化に際しては、目的とする脂環式アルデヒドの種類に応じて、原料の芳香族アセタールを完全水素化してもよいし、部分水素化でもよい。完全水素化の例としては、2−フェニル−1,3−ジオキソランや2−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3−ジオキソランから、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランあるいは2−(2,4−ジメチルシクロヘキシル)−1,3−ジオキソランが得られることが挙げられる。部分水素化物としては、例えば原料がナフタレン骨格を有する芳香族アセタールの場合、テトラリン骨格を有する化合物などを挙げることができる。また、原料がビフェニル骨格や、各種連結基を介して2個のベンゼン環が結合した構造の骨格を有する芳香族アセタールの場合、一方がベンゼン環で、他方がシクロヘキサン環構造の骨格を有する化合物などを挙げることができる。 水素化反応後、脂環式アセタールを蒸留することにより得られた蒸留残存液を水素化反応器に循環利用しても構わない。残存液を戻す割合は反応に応じて適宜決めることができる。 <脂環式アセタールの加水分解> 芳香族アセタールの水素化で得られる脂環式アセタールは、更に加水分解反応させて脂環式アルデヒドとすることができる。例えば、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランを加水分解することでシクロヘキシルアルデヒドが得られ、同様に2−(2,4−ジメチルシクロヘキシル)−1,3−ジオキソランから2,4−ジメチルシクロへキシルアルデヒドが得られる。加水分解反応は、水を溶媒として行うことが好ましく、酢酸、塩酸、硫酸等の酸の共存下がより好ましく、酢酸の共存下に行うことが特に好ましい。 本発明の方法においては、前記の脂環式アセタールに対し、0.1〜10倍モルの酸、0.1〜100倍モルの水を用いて加水分解反応させることにより、脂環式アルデヒドを製造する。この際、水、酸は通常品質のものがそのまま使用できる。水、および酸がこの範囲より少ないと反応速度が充分でなく、一方、この範囲より多いと生成した脂環式アルデヒドの回収が困難であり好ましくない。 加水分解反応を有利に実施する反応温度は0〜100℃が好ましい。脂環式アセタールと水、酸の混合液を攪拌するだけでもよいし、混合液を加熱還流させても構わない。加水分解反応は、混合液を攪拌し、加水分解温度に達したら1分〜360分間程度その状態を保持することにより加水分解反応が完結する。 この加水分解反応は窒素ガス等のイナートガス雰囲気で行うのが好ましい。 更に第二の溶媒として沸点50℃以上の炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、脂肪族カルボン酸等を加えても構わない。 加水分解反応後、必要に応じて反応液をアルカリで中和したり、酢酸エステル等の有機溶媒で抽出したりした後、反応溶媒あるいは抽出溶媒をその沸点以上にまで加熱し取り除いたあと、残った残存液を脂環式アルデヒドの沸点まで加熱し蒸留することで最終製品である脂環式アルデヒドを得ることができる。 蒸留により取り除かれた溶媒、および脂環式アルデヒドを蒸留した後の残液は加水分解反応器に循環使用しても構わない。溶媒、残液を加水分解反応器に戻す割合は不純物の系内蓄積度合いに応じて適宜決めることができる。 以上のように本発明を実施することにより、簡単なプロセスで、かつ工業的に有利な方法で高純度の脂環式アルデヒドを製造することができる。 次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。 <実施例1> ベンズアルデヒド5.0g、エチレングリコール29.3g、パラトルエンスルホン酸一水和物0.09g、ベンゼン250mlを、ディーンスターク水分離器を取りつけた還流冷却管を装着した500ml三口フラスコに入れ、21時間還流させた。放冷後、反応液を飽和重曹水50ml、水50mlで洗浄した。続いて有機層を減圧濃縮したあと、減圧蒸留により目的とする2−フェニル−1,3−ジオキソランが6.3g得られた(収率89%)。得られた2−フェニル−1,3−ジオキソラン4.0gと5重量%Rh−カーボン粉末触媒0.8g(含水率50%)、テトラヒドロフラン30ml、トリエチルアミン1.6gを100ml振とう式オートクレーブに仕込み、系内を窒素ガスで2回、次いで水素ガスで3回置換した。水素圧を4.0MPaにしてから昇温し、反応温度70℃で120分間水素化反応を行った。反応液をオートクレーブから抜き出し、前記触媒を減圧濾過装置(フィルターは1.0ミクロンのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブランフィルター)で濾過分離して無色透明の濾過反応液を得た。 この濾過反応液中の有機溶媒をロータリーエバポレーターにより留去し、得られた残さをガスクロマトグラフィー法で分析したところ、2−フェニル−1,3−ジオキソラン転化率38%、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン選択率51%であった。次に、この残さを蒸留により精製し、純度98.5%の2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランを得た。得られた2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン3.0g、酢酸40ml、水10mlを200mlナス型フラスコに入れ、室温で40分間攪拌した。その後飽和重曹水100mlを加え、酢酸エチルで抽出した(100ml×2回)。有機層を減圧濃縮したところ、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランは残っておらず、純度99%以上のシクロヘキシルアルデヒド2.1gを得た(収率94%)。シクロヘキシルアルデヒドの収率は原料アルデヒド基準で16%であった。 <実施例2> 芳香族アセタールの水素化反応の反応温度を90℃とした以外は実施例1と同様の条件で行った。その結果、水素化反応の2−フェニル−1,3−ジオキソラン転化率95%、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン選択率48%であった。得られたシクロヘキシルアルデヒドの収率は原料アルデヒド基準で38%で、純度は99%以上であった。 <実施例3> 芳香族アセタールの水素化反応の仕込み化合物を以下のようなものにした以外は実施例2と同様の条件で行った。条件としては、2−フェニル−1,3−ジオキソラン4.0gと5重量%Rh−カーボン粉末触媒0.8g(含水率50%)、テトラヒドロフラン38ml、炭酸ナトリウム2.0gである。その結果、2−フェニル−1,3−ジオキソラン転化率55%、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン選択率41%であった。得られたシクロヘキシルアルデヒドの収率は原料アルデヒド基準で19%で、純度は99%以上であった。 <実施例4> 出発物質の芳香族アルデヒドを2,4−ジメチルベンズアルデヒドとした以外は実施例2と同様の条件で行った。その結果、水素化反応における2−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3−ジオキソラン転化率95%、2−(2,4−ジメチルシクロへキシル)−1,3−ジオキソラン選択率50%であった。得られた2,4−ジメチルシクロヘキシルアルデヒドの収率は原料アルデヒド基準で40%、純度は99%以上であった。 <比較例(水素化反応にアルカリを添加しない場合)> 芳香族アセタールの水素化反応の反応溶媒にトリエチルアミンを加えない以外は実施例1と同様の条件で行った。その結果、水素化反応における2−フェニル−1,3−ジオキソラン転化率100%、2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン選択率13%であった。得られたシクロヘキシルアルデヒドの収率は原料アルデヒド基準で11%で、純度は99%以上であった。芳香族アセタールを、貴金属を含む触媒、およびアルカリの存在下、水素化して脂環式アセタールとし、次いで、得られた脂環式アセタールを加水分解して脂環式アルデヒドとする工程を含むことを特徴とする脂環式アルデヒドの製造方法。芳香族アセタールが、芳香族アルデヒドをアルコール類でアセタール化したものである請求項1記載の脂環式アルデヒドの製造方法。前記貴金属が、ロジウム、パラジウムおよびルテニウムから選ばれる1種以上である請求項1または2記載の脂環式アルデヒドの製造方法。前記アルカリがアミン類及び/又は無機アルカリ塩類である請求項1〜3のいずれかに記載の脂環式アルデヒドの製造方法。芳香族アセタールの水素化において、反応温度が0〜180℃、水素分圧が0.01〜15MPaである請求項1〜4のいずれかに記載の脂環式アルデヒドの製造方法。 【課題】脂環式アルデヒドを、高収率で、かつ工業的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】芳香族アセタールを、貴金属を含む触媒、およびアルカリの存在下、水素化して脂環式アセタールとし、次いで、得られた脂環式アセタールを加水分解して脂環式アルデヒドとする工程を含むことを特徴とする脂環式アルデヒドの製造方法。 【選択図】 無