タイトル: | 公開特許公報(A)_固体状廃棄物処理方法 |
出願番号: | 2004227405 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | B09B 3/00,A62D 3/00,C07B 35/06,C07B 37/06,C07D 319/24,B09C 1/02,B09C 1/08 |
竹内 寿 川島 正毅 神尾 克久 守屋 雅文 阿部 浩士 JP 2006043570 公開特許公報(A) 20060216 2004227405 20040804 固体状廃棄物処理方法 ミヨシ油脂株式会社 000114318 細井 勇 100077573 竹内 寿 川島 正毅 神尾 克久 守屋 雅文 阿部 浩士 B09B 3/00 20060101AFI20060120BHJP A62D 3/00 20060101ALI20060120BHJP C07B 35/06 20060101ALI20060120BHJP C07B 37/06 20060101ALI20060120BHJP C07D 319/24 20060101ALI20060120BHJP B09C 1/02 20060101ALI20060120BHJP B09C 1/08 20060101ALI20060120BHJP JPB09B3/00 304GA62D3/00 320A62D3/00 640A62D3/00 651A62D3/00 654A62D3/00 662C07B35/06C07B37/06C07D319/24B09B3/00 304KB09B3/00 304Z 2 OL 8 2E191 4D004 4H006 2E191BA02 2E191BA12 2E191BB00 2E191BB01 2E191BC05 2E191BD00 4D004AA02 4D004AA36 4D004AA37 4D004AA41 4D004AA43 4D004AA50 4D004AB03 4D004AB07 4D004CA15 4D004CA22 4D004CA34 4D004CB01 4D004CB31 4D004CC03 4D004CC06 4D004CC15 4D004DA03 4D004DA06 4H006AA05 4H006AC13 4H006AC28 本発明は、飛灰等の固体状廃棄物中に含まれる有害な重金属類や、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化物を無害化処理することのできる固体状廃棄物処理方法に関する。 一方、近年のゴミの多様化に伴い飛灰中には有害な重金属類も多量に含有されている場合があり、重金属類の廃棄物埋立処理場からの溶出による環境汚染の虞も指摘されている。近年、ゴミ焼却場等において廃棄物を焼却した際に、ダイオキシン類(PCDDS、PCDFS等)のような極めて毒性の強い有機ハロゲン化物が生成し、排煙中に高濃度で含有されている場合があることが大きな社会問題となっている。また排煙中から分離した飛灰や、焼却残査である主灰中にもダイオキシン類等の有機ハロゲン化物が大量に含まれていることがあり、固体状廃棄物を埋設処理した廃棄物埋立処分場から、雨水等によって有機ハロゲン化物が溶出して地下水、河川等を汚染する等の広範な環境汚染問題を生じる虞があることが指摘されている。ダイオキシン類等の有機ハロゲン化物は、非常に安定な物質で自然環境下では半永久的に消失しないことから、その強い毒性と相まって環境汚染対策の重要化学物質とされている。 固体状廃棄物中の重金属類を処理する方法として、ジチオカルバミン酸化合物に代表される金属捕集剤を固体状廃棄物に添加して、重金属類を固定化する方法が知られている(特許文献1)。また固体状廃棄物に含まれるダイオキシン類等の量を低減化させる方法として、活性炭、シリカ系物質、ゼオライト等のダイオキシン前駆体を吸着する吸着材と、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸化合物やリン酸化合物、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム化合物、アミン化合物等のダイオキシン生成反応を抑制する抑制材とを排煙に添加する方法(特許文献2)、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタノールアミン等のアミン化合物を飛灰等に添加して処理する方法(特許文献3)等が提案されている。特開平9−122618号公報特開平10−296050号公報特開平10−272440号公報 しかしながら特許文献1に記載の方法では、重金属類の処理はできてもダイオキシン類を処理することは困難であった。一方、特許文献2、特許文献3記載の方法は、特殊な設備を必要とせずにダイオキシン類等の処理を行うことが可能であるが、重金属類の処理を行うことが困難なため、ダイオキシン類の処理と重金属類の固定化処理とを別々に行わなければならず、処理作業が煩雑となるという問題があった。 本発明は上記従来技術の問題に鑑みなされたもので、従来技術の課題を解決した固体状廃棄物処理方法を提供することを目的とする。 即ち本発明は、(1)固体状廃棄物に、アミン化合物を添加して300℃以上で加熱処理することを特徴とする固体状廃棄物処理方法、(2)300〜500℃で加熱処理する上記(1)記載の固体状廃棄物処理方法、を要旨とするものである。 本発明方法によれば、特別な処理装置等を使用することなく固体状廃棄物中に含まれる有害な重金属類も、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化物も同時に無害化処理することができ、効率よく安全に固体状廃棄物の処理を行うことができる。 本発明においてアミン化合物としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルエチルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、N−メチルへキシルアミン、N−メチルシクロへキシルアミン、N−エチルシクロへキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジアリルアミン、トリブチルアミン、アニリン、フエニルメチルアミン、フエニルエチルアミン、ピロール、ピロリジン、ピラジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、チオモルホリン、グアニジン、アミノグアニジン、グアニル尿素、トリアジンチオール、尿素、チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパノール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、アルキレンジアミン−アルキレンジクロリド縮合物、アルキレンジアミン−エピクロルヒドリン縮合物、ポリN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルベンジルアルキルアミン、キトサン、ポリビニルイミダゾリン、ポリビニルイミダゾール等のアミン類が挙げられる。 また上記アミン類に更にヒドロキシアルキル基、アシル基、アルキル基等をN−置換基として有するN−置換アミン類もアミン化合物として用いることができる。N−ヒドロキシアルキル置換基は、上記アミン類と、エポキシアルカンとを反応させることにより導入することができ、N−アシル置換基は、上記アミン類と、脂肪酸類を反応させることにより導入され、またN−アルキル置換基は上記アミン類と、ハロゲン化アルキルを作用させることにより導入される。N−ヒドロキシアルキル置換基は、アルキル基の炭素数が2〜28であることが好ましく、N−アシル置換基は炭素数2〜26であることが好ましい。またN−アルキル置換基は炭素数2〜22であることが好ましい。 更に上記アミン類、N−置換アミン類とエピハロヒドリンとが重縮合した重縮合ポリアミン、重縮合ポリエチレンイミンもアミン化合物として使用できる。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられる。 本発明においてアミン化合物として、上記アミン類、N−置換アミン類、重縮合ポリアミン、重縮合ポリエチレンイミンに、ジチオカルバミン酸基、ジチオカルバミン酸塩基、アルキレンカルボン酸基、アルキレンカルボン酸塩基、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基の1種又は2種以上を有するアミン誘導体も用いることができる。ジチオカルバミン酸基、ジチオカルバミン酸塩基を有するアミン誘導体は、上記アミン類、N−置換アミン類、重縮合ポリアミン、重縮合ポリエチレンイミン(以下、単にアミン類と呼ぶ。)に二硫化炭素を反応させて得ることができ、アルキレンカルボン酸基やアルキレンカルボン酸塩基を有するアミン誘導体は、アミン類にハロゲン化アルキルカルボン酸を反応させて得ることができ、アルキレンリン酸基やアルキレンリン酸塩基を有する化合物は、アミン類にホルムアルデヒドおよび次亜リン酸を反応させて得ることができる。アルキレンカルボン酸基(塩基)、アルキレンリン酸基(塩基)としては、アルキレンの炭素数1〜2のものが好ましい。またジチオカルバミン酸塩基、アルキレンカルボン酸塩基、アルキレンリン酸塩基における塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられるが、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩が好ましい。 アミン類と二硫化炭素との反応は、例えばアミン類を、水、アルコール等の溶媒に溶解させ、これに二硫化炭素を添加して反応させる等の方法により行うことができる。ジチオカルバミン酸型官能基は酸型であっても塩型であっても良く、上記反応終了後、アルカリ金属の水酸化物や炭酸塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)や、アルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩(例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)、或いはアンモニア等のアルカリで処理するか、アミン類と二硫化炭素との反応を、これらのアルカリの存在下で行うことにより、塩型のジチオカルバミン酸型官能基を有する金属捕集剤とすることができる。アミン類とハロゲン化アルキレンカルボン酸との反応は、例えばアミン類を、水、アルコール等の溶媒に溶解させ、これにハロゲン化アルキルカルボン酸を添加して反応させる等の方法により行うことができる。またアミン類とホルムアルデヒドおよび次亜リン酸との反応は、例えばアミン類および次亜リン酸を、水、アルコール等の溶媒に溶解させ、これにホルムアルデヒドを添加して反応させる等の方法により行うことができる。 アミン類に、上記ヒドロキシアルキル基、アシル基、アルキル基等のN−置換基入したり、アミン類とエピハロヒドリンとを重縮合したり、アミン類にジチオカルバミン酸基(塩基)、アルキレンカルボン酸基(塩基)、アルキレンリン酸基(塩基)等の基を導入する場合、これらの反応に用いるアミン類は、窒素原子に結合した活性水素が残存している必要がある。本発明方法において上記アミン化合物のうち、尿素、チオ尿素、ピペラジンビスジチオカルバミン酸カリウム、エチレンジアミンと二硫化炭素の反応物が特に好ましい。 本発明方法は、固体状廃棄物に上記アミン化合物を添加し300℃以上の温度で加熱することにより、300℃未満の低温で処理した場合にダイオキシン類は処理できても重金属類を処理することが困難なアミン類を用いた場合や、重金属類は処理できてもダイオキシン類を処理することが困難なアミン類のジチオカルバミン酸誘導体等のアミン誘導体を用いた場合でも、重金属類とダイオキシン類とを同時に効率よく処理することができる。アミン化合物の固体状廃棄物への添加量は0.1〜30%、特に1〜10%が好ましい。本発明において加熱処理温度としては300〜500℃がより好ましく、300〜400℃が更に好ましい。アミン化合物をそのまま固体状廃棄物に添加混練するだけでも良いが、アミン化合物を添加した後、水を噴霧して混練したり、アミン化合物の水溶液ないし水懸濁液を固体状廃棄物にスプレーして混練する方法等が挙げられる。固体状廃棄物を加熱下に処理する際の加熱には、角窯、丸窯、輪窯等の単独炉、トンネルキルン、ロータリーキルン等の半連続又は連続窯等を用いることができるが、トンネルキルン、ロータリーキルン等の半連続又は連続窯で処理することが好ましい。加熱方法としては、バーナー等による直火加熱、電気加熱等の方法が挙げられる。加熱処理時間は温度によっても異なるが、30分間〜1時間が好ましい。 本発明方法により処理することのできる有機ハロゲン化物としては、ダイオキシンやPCB、エチレンクロールヒドリン、塩化アリル、塩化エチル、塩化ビニル、塩化ベンジル、塩化メチル、塩化メチレン、クロールナフタリン、クロールプロピレン、クロールベンゾール、クロロプレン、四塩化アセチレン、四塩化エタン、四塩化炭素、ジクロールエタン、ジクロールベンゾール、トリクロールエチレン、ふっ化塩化炭素、ブロムベンゾール、ブロモホルム、ヘキサクロールエタン、ホスゲン等が挙げられる。また重金属類としては、例えば鉛、カドミウム、六価クロム、砒素、セレン、水銀、ニッケル、モリブデン、アンチモン、銅、亜鉛、マンガン等が挙げられる。また本発明の処理対象とする固体状廃棄物としては、飛灰や主灰、焼却炉解体廃棄物、鉱滓、汚泥、土壌等が挙げられる。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。実施例1〜6、比較例1〜3 ダイオキシン類(DXNs)含有量12ng−TEQ/g、Pb含有量7300mg/kg、Zn含有量5800mg/kg、Hg含有量3.2mg/kgの飛灰100g当たり、表1に示すアミン化合物を添加し、表1に示す温度で1時間加熱処理した。処理後の飛灰中のダイオキシン類残存量、及び処理後の飛灰からの重金属溶出濃度を測定した。結果を表2に示す。(表1)(表2)実施例7〜11、比較例4〜6 ダイオキシン類(DXNs)含有量3ng−TEQ/g、Pb含有量24mg/kg、Zn含有量305mg/kg、Hg含有量0.57mg/kgの土壌100g当たり、表3に示すアミン化合物を添加し、表3に示す温度で1時間加熱処理した。処理後の飛灰中のダイオキシン類残存量、及び処理後の土壌からの重金属溶出濃度を測定した。結果を表4に示す。(表3)(表4)固体状廃棄物に、アミン化合物を添加して300℃以上で加熱処理することを特徴とする固体状廃棄物処理方法。300〜500℃で加熱処理する請求項1記載の固体状廃棄物処理方法。 【課題】 ゴミ焼却場等から排出される飛灰や主灰等の固体状廃棄物中にはダイオキシン類等の有害な有機ハロゲン化物や重金属類が含まれている虞がある。このため焼却灰を高度な密閉雰囲気下で酸欠状態で加熱処理する方法等が提案されているが、酸欠状態を保持するためには特別な設備が必要であり、設備投資や設備の維持コストが高くつくという問題があった。また飛灰等の廃棄物中にはダイオキシン類とともに重金属も含まれていることがあるが、従来法ではダイオキシン類の処理と重金属の処理とを同時に行うことは困難であった。【解決手段】 本発明の固体状廃棄物処理方法は、固体状廃棄物に、アミン化合物を添加して300℃以上で加熱処理することを特徴とする。本発明方法において、加熱処理は300〜500℃で行うことが好ましい。【選択図】 なし。