タイトル: | 公開特許公報(A)_生物脱硫方法 |
出願番号: | 2004220162 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C10L 3/10,C12N 1/00 |
小野 純二 三崎 卓也 高梨 優一 浜本 修 斎藤 和貴 松本 奈美 渡辺 昌夫 JP 2006036961 公開特許公報(A) 20060209 2004220162 20040728 生物脱硫方法 三井造船株式会社 000005902 中島 淳 100079049 加藤 和詳 100084995 西元 勝一 100085279 福田 浩志 100099025 小野 純二 三崎 卓也 高梨 優一 浜本 修 斎藤 和貴 松本 奈美 渡辺 昌夫 C10L 3/10 20060101AFI20060113BHJP C12N 1/00 20060101ALN20060113BHJP JPC10L3/00 BC12N1/00 Q 6 OL 11 4B065 4B065AA01X 4B065AC20 4B065BB11 4B065BC02 4B065BC12 4B065BC41 4B065CA56 本発明は、種々の燃料ガス中の硫化水素を、微生物を用いて脱硫する方法に関する。 近年、家畜糞尿の有効利用のため、これを発酵し、メタンガスを主成分とするバイオガスを得、燃料として使用する技術が注目されている。 しかしながら、このバイオガス中には、硫化水素等の硫黄化合物が含まれており、これは、有毒であり、装置を腐食する原因ともなる。 また、熱分解ガス及び天然ガスも硫黄化合物を含有する。 従って、このような燃料ガスを利用するにあたっては、含有している硫黄化合物を除去しなければならない。 バイオガス中の硫化水素を除去する方法としては、バイオガスを生物脱硫槽に導入し、該生物脱硫槽内の微生物に接触させて脱硫する脱硫方法であって、メタン発酵させた際の発酵液を脱水分離して固形物を除去し前記生物脱硫槽に導入する脱硫方法が開示されている(特許文献1参照)。 しかしながら、この方法では、固形物を除去するためにカチオン系ポリマーを添加しなくてはならず、さらにこの為の装置も必要でありコストアップはまぬがれない。また、固液分離操作は自動化が可能であると言っても、頻繁な保守作業が不可欠であり、常時監視を置かない施設には適したプロセスと言い難い。特開2003−113386号公報 従って、本発明の目的は、燃料ガス中の硫黄化合物を、簡便で経済的に有利に除去する方法を提供することにある。 斯かる実状に鑑み、本発明者は、鋭意研究を行った結果、下記方法によれば、固形物を除去せずに有効利用し、かつ化学薬品をなるべく使用せずに、上記課題が解決されることを見出し本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は、次の方法を提供するものである。 <1> 燃料ガスを脱硫塔内の生物膜を有する気液接触部に接触させる生物脱硫方法であって、該気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.2〜10重量%であり、且つ、該循環液の酸化還元電位(標準酸化還元電位…水素電極基準、25℃換算)が−500〜700mVであり、pH値が5〜11の範囲であることを特徴とする燃料ガスの生物脱硫方法。 <2> 気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.5〜5重量%である<1>記載の生物脱硫方法。 <3> 気液接触部に接触し循環する液の酸化還元電位を、脱硫塔又は/及び脱硫塔外の循環液タンクに空気を導入することをにより調整する<1>又は<2>記載の生物脱硫方法。 <4> 気液接触部に接触し循環する液のpHを、該循環液の交換又は/及び固形物の添加により調整することを特徴とする<1>、<2>又は<3>記載の生物脱硫方法。 <5> 脱硫休止時においても、気液接触部に接触し循環する液を気液接触部に供給することを特徴とする<1>〜<4>の何れか1項記載の生物脱硫方法。 <6> 気液接触部に接触し循環する液の酸化還元電位を、脱硫塔又は/及び脱硫塔外の循環液タンクに空気を導入することにより調整し、かつ該循環液のpHを、該循環液の交換又は/及び固形物の添加により調整することを特徴とする請求項<5>記載の生物脱硫方法。 本発明の生物脱硫方法によれば、燃料ガス中の硫黄化合物を、簡便かつ経済的に除去することができる。 本発明の脱硫方法は、燃料ガスを脱硫塔内の生物膜を有する気液接触部に接触させる生物脱硫方法であって、該気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.2〜10重量%であり、且つ、該循環液の酸化還元電位(標準酸化還元電位…水素電極基準、25℃換算)が−500〜+700mVであり、pH値が5〜11の範囲であることを特徴とする。 すなわち、本発明は、pHと酸化還元電位を調整した0.2〜10重量%揮発性固形物を含有する液を循環することで、生物脱硫塔充填層のバクテリア(硫黄酸化細菌)に対して必要かつ十分なアルカリ、栄養物質を供給して、微生物の活動に適した環境も維持し、効率よく燃料ガスを脱硫せんとするものである。 以下、詳細に説明する。[燃料ガス] 本発明に供する硫黄化合物を含有する燃料ガスとしては、例えば、次のものが挙げられる。1.バイオガス…メタン45〜65体積%、二酸化炭素35〜55体積%、硫化水素 数100ppm〜数1,000ppm、その他の硫黄化合物(メチルメルカプタンなどのメルカプタン類、硫化メチルなどの炭化水素系硫化物類)数ppm〜数十ppm、飽和水蒸気の主要成分からなる。 本発明の脱硫工程前の前処理は不要である。生物脱硫においては上記いずれの硫黄化合物も除去することができる。2.熱分解ガス…炭化水素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、水蒸気の他に、硫化水素や硫化カルボニル(COS)等のガスが共存し、各濃度は原料や熱分解条件によって大きく異なってくる。このほかにタールも含有し、一般にタール類は硫黄酸化細菌の活動に阻害効果があり、前処理として除去する必要がある。除去方法としては、ろ材(膜充填剤など)によるろ過法が挙げられる。また、タール類が生物脱硫塔内に侵入するのをほぼ完全に防止するため、活性炭層を最終段に用いることが好ましい。生物脱硫では化学的に除去しにくい硫化カルボニルも十分な馴養によって除去可能である。3.天然ガス…主成分はメタンであるが、天然ガス中には硫化水素等の硫黄化合物が数100ppm〜数1,000ppmと比較的高濃度に共存する場合がある。天然ガスでは前処理しておくべき共存成分は一般にない。[揮発性固形物を含む循環液] 本発明に用いる揮発性固形物を含み気液接触部に接触し循環する液(以下、単に「循環液」ということがある)は、例えば、嫌気性発酵残査やその処理水、通常の廃水処理において発生する濃縮汚泥、各種の有機物を溶解、分散させた液、浚渫汚泥等を含む各種有機性汚泥などが挙げられる。 これらの液中に粗大な固形物(例えば直径3mm以上の汚泥塊など)があると、充填層や循環ラインのストレーナ目詰まりの原因となる危険性があるので、ラフなスクリーンでろ過し用いることが好ましい。また、これらの液は循環使用前に曝気処理を行うことが好ましい。曝気処理されることによって、有機物が安定化(例えば、還元性の官能基、水酸基やアルデヒド基など、が減少する。)すると共に嫌気下でも直ちに液性状が卑(嫌気性)になるのが防止される。 循環液は、生物脱硫塔充填層のバクテリア(硫黄酸化細菌)に対して必要かつ十分なアルカリ度、栄養物質を供給して、微生物の活動に適した環境も維持するためのものである。このため、揮発性固形物量、pH及び酸化還元電位を調整する必要がある。揮発性固形物量 揮発性固形物の含有量の測定方法は、一般の揮発性有機物量の測定方法と同じく、試料液を約110℃で乾燥後秤量し、空気中約600℃で強熱した後秤量し、その強熱減量(重量減)から求める。重量減に関与する物質は主に有機物(窒素等を含む。)であり、カルボキシル基やアミノ基を有し、循環液のpH干渉性に大きく寄与する。揮発性有機物濃度が10重量%を超えると流動性が大きく低下し、十分な性能が得られなくなる。好ましくは0.5〜5重量%の範囲であり、最も好ましい範囲は対象とするガス中の硫黄化合物濃度によって決まり、それが1000ppmレベルでは、例えば1〜2重量%である。揮発性固形物含有循環液としては、次のものが挙げられる。1.下水処理施設濃縮汚泥 この一例としては、110℃乾燥法で測定された固形物濃度4重量%、600℃強熱法で測定された揮発性固形物濃度3重量%程度である。これを下水処理水で希釈すれば、0.2重量%以上、3重量%以下程度の循環液を調製できる。2.嫌気性発酵残査 完全混合型リアクターによる発酵残査の固形物濃度(110℃乾燥処理)は10重量%程度であり、揮発性固形物濃度(600℃強熱処理)はその50〜80%程度である。これもそのまま循環液として使用することも可能であり、また、バイオガスの除湿工程で発生する凝縮水で希釈するなどして、0.2重量%から約10重量%までの液とすることができる。発酵残査は粗大な固形物を含む場合もあり、使用前にスクリーンで処理することが好ましい。3.浚渫汚泥 強熱減量分が数十%(〜30%)以上あればスクリーンによる粗大混入物の除去、固形物濃度が高すぎるときは水による希釈によって本循環液として良好に使用できる。4.有機性物質含有水 食品廃棄物スラリーや堆肥設備からの廃水などで、スクリーン処理、希釈処理によって、0.2重量%から10重量%の範囲に調製して使用できる。 循環液の酸化還元電位の調整はエアレーションで行うことができる。エアレーションは循環液タンクや配管に空気を吹き込む方法、脱硫塔内燃料ガス中に空気を吹き込む方法があるが、後者は燃料ガス中に過剰空気(酸素)を混入してしまうことのないように注意する必要がある。一方、pHの調整はアルカリ添加も可能であるが、循環液そのものを交換することが、薬剤を何も消費しないという点で好ましい。天然ガスや熱分解ガスの脱硫プロセスの場合、新たな循環液を施設内で入手できないことがある。その場合は、近くの水処理施設やバイオガスプラントから、汚泥や発酵液を調達する方法がある。[脱硫装置] 基本型は脱硫塔、循環液タンクからなる。循環液タンクにおいて循環液pHと酸化還元電位を調整できるものが好ましい。また、脱硫塔下部を循環タンクとして、一塔のみで構成してもよい。 脱硫塔は通常の充填塔、棚段塔や生物脱臭装置と同じくバーク(樹皮)などと用いる充填塔で良い。いずれの場合も充填物や棚段は生物膜の基材としての機能を持つ。 脱硫塔における充填層は、ラヒシリングなど樹脂製、磁製充填材(これに適したサイズとしては、充填層の高さ、断面積、気液接触比などによって変わり、例えば外径として10mm〜100mm程度になる。この他、バーク、コンポストなどを用いることができ、その層厚は圧力損失を大きくしない配慮から200〜500mm程度が好ましい。 充填層を通過した循環液は塔内底部に貯留されるか、塔外部に設けられた循環液タンクに貯留される。脱硫塔、循環液タンクは樹脂製、鋼製のいずれも良く、樹脂製は大型化に際しては、金属枠などによる補強が必要である。鋼製の場合はステンレス製にするか、あるいは内面を樹脂被覆又は陰極防蝕することが腐食対策上好ましい。液を循環するポンプは、通常の遠心式渦巻きポンプなどが好ましく使用される。 循環液の酸化還元電位は、上述の如く規定されているので、酸化還元電位を測定することは重要である。しかし、酸化還元電位の測定器を備えることが本発明の必要条件ではない。 酸化還元電位は検出極として貴金属系、および/又は炭素系の電極と参照極との組み合わせによって測定することが好ましい。参照極の代わりに電位を一定に保持できるような対極(例えば大面積の金属配管面など)を用いてもよい。検出極の設置場所(測定位置)は循環液と接するところならば、配管内を含めいずれのところでも良いが、特に、循環液が貯蔵(滞留)される循環タンク、脱硫等底部などが安定した計測を行う上で好ましい。計測は計測器を固定して常時測定する必要はなく、運転に人手をかけられるときは、携帯用の測定器を持って間欠的に測定することでも良い。また、プロセスの運転方法と酸化還元電位との関係が把握できれば、その後の計測は必要なくなる。 循環液のpHは、硝子電極のpHメータ、比色式のpH測定器、pH試験紙を用いて、連続的あるいは間歇的に測定する。 本発明の脱硫方法を実施する装置としては、例えば図1に示すものが挙げられる。[脱硫方法] 被処理燃料ガスは、脱硫工程前に空気を混入することが好ましい。空気注入量は被処理ガス流量および/もしくは硫化水素濃度の測定によって決定し、空気ポンプ、電磁弁を用いて燃料ガスに注入する。 燃料ガスは、主として脱硫塔下部から入れ、バクテリアが担持された充填層に接触し、脱硫される。充填層を通過する燃料ガスの見掛けの線速度は0.05cmsec-1〜1.00cmsec-1、好ましくは0.1cmsec-1〜0.5cmsec-1、充填層部の温度は常温から70℃、特に45〜55℃とすることが好ましい。 一方、循環液は、発酵槽から脱硫塔に供給される。脱硫塔内では、循環液は、充填層に散布される。充填層を通過した循環液は塔内底部に貯留されるか、塔外部に設けられた循環液タンクに貯留される。この循環液タンクでは、循環液の酸化還元電位(ORP)及びpHの測定を行ない、必要により、空気注入や循環液の追加、交換を行ない、酸化還元電位及びpHを調整する。そして、循環液タンクの循環液は、再び脱硫塔に送られる。 循環液の酸化還元電位(標準酸化還元電位…水素電極基準、25℃換算)は、−500〜700mVであるが、−300〜100mVが好ましい。酸化還元電位が、−500未満であると硫黄酸化細菌の活動が不活発になり、300mVを超えると硝化反応が進み、脱硫を持続するためのアルカリ度が不足する。但し、窒素含有量が少ない系、例えば循環液の全窒素量が数百mg/L以下のときは、300mVを超えても問題はない。 循環液のpH値は、5〜11の範囲であるが、6〜10が好ましい。循環液のpHが、5未満では硫黄単体の析出が顕著になり、11を超えると二酸化炭素によるアルカリ成分の消耗が激しくなり、不経済である。 脱硫塔の停止時に、空気注入を行わない場合、塔内は嫌気状態になる。この状態で再稼動しても、菌はしばらく活動できず、脱硫能力は大きく低下したままになる。これを回避するためには、本発明に規定した条件より好気化している循環液を微量づつ、あるいは間歇的に脱硫塔に供給、循環することが好ましい。実施例および比較例1 生物脱硫塔を有するバイオガスプラント(処理量15t/日)の生物脱硫装置(外径20mmポリプロピレン製円筒型充填材を径1m、高さ0.8mに充填した脱硫塔)に図1に示す循環液タンク(ポリエチレン製0.52m3角型タンク)を設置し、槽内で循環液の酸化還元電位(白金指示極)とpH(硝子電極)を監視した。本プラントバイオガスの充填層滞留時間は0.5cmsec-1であった。循環液は発酵槽からの消化液(搾乳牛糞尿の高温メタン発酵液、発酵槽より流出したもの)とバイオガス凝縮水(脱硫塔後のガスクーラーにおける凝縮水、約35℃)の混合物(容量混合比おおよそ1:20)を使用し、揮発性固形物濃度は0.3重量%であった。脱硫塔内の温度は約50℃、この液を循環液として塩酸添加およびエアレーションによってpH値4.5〜8.8、酸化還元電位ー0.6〜+0.4Vに調整して硫化水素除去試験を行った。(送液量約20L/min.の循環液ポンプは5分間稼動して液を循環、10分間休止する運転方法とした。)被処理ガス(バイオガス)中の脱硫前硫化水素濃度は約1,800ppmであった。これに脱硫塔出口の被処理ガス中酸素濃度が0.2%になるように空気を注入して脱硫し、検知管を用いて脱硫率を比較した。また、メチルメルカプタン類等の硫黄化合物はFPD検出器のガスクロマトグラフを用いて測定した。 結果を表1に示す。 上記比較例および実施例(pH7.5、酸化還元電位―0.63Vおよび+0.20V)において、ガスシリンジに採取した処理後のガスに対してガスクロマトグラフを用いてメチルメルカプタン(MM)、硫化メチル(MS)、硫化ジメチル(DMS)を定量した。結果は表2の通りである。実施例および比較例2 内径400mmのPVC製円筒を脱硫塔とし、充填層の高さが300mmになるように小型プラスチック(径約15mm)充填材を充填した。容量約100Lの循環液タンクに硝子電極のpH計と白金電極の酸化還元電極、およびエアレーション装置を設け、充填層温度約20℃で天然ガス(硫化水素濃度43ppm)30L/min.を処理した。(充填層部における見掛けの線速度0.4cmsec-1、滞留時間75sec.)循環液には上記実施例1で用いたバイオガスプラントの発酵液(消化液)をスクリーンで濾過し、水で揮発性固形物濃度2重量%にしたものを使用した。脱硫時のガス中への空気導入量等は前実施例、比較例1の1/2とした。液の循環間隔(約10L/min.のポンプ稼動時間)は前実施例、比較例1と同様とした。結果を表3に示す。 天然ガスを都市ガスとして使用する場合、硫化水素濃度は0ppmであること要求される。しかし、硫化水素を5ppm程度までに下げることができれば、あとは吸着法による精製などで十分に対応(0ppm化)できる。 この脱硫はpH値と酸化還元電位が所定の範囲に維持されている限り、また、気液接触条件に変わりがない限り、5日間の連続試験において性能に変化はなかった。実施例および比較例3 上記、実施例/比較例2の装置を用いて熱分解ガスの脱硫を行った。熱分解ガスは脱硫前に活性炭充填塔を通してタール分を除去した(粒状活性炭充填塔も実施例および比較例2の脱硫塔と同じ形状とし、充填層サイズも同じとした)。その後の脱硫条件は実施例/比較例2と同様とした。結果を表4に示す。 本実験においてもガスエンジン側の要求により、出口硫化水素濃度は200ppm以下であることを必要条件とした。上記実験の比較例(pH7.3、E−0.52V)および実施例(pH7.3、E+0.33V)について、出口ガスを採取し、ガスクロマトグラフを用いてガス中の硫化カルボニルを定量した。結果は次表の通りであった。実施例/比較例4. 実施例/比較例1のプラントにおいて脱硫塔への夜間(約10時間)ガス供給を停止した。このとき脱硫塔への循環液供給も停止した場合と循環液(pH7.0、E+0.15V)を脱硫時の1/2の量で供給した場合との、運転再開時の脱硫性能を比較した。その結果、循環液の供給を停止していた場合は、循環によって液の酸化還元電位が大きく卑側にずれ、循環液量を3倍、循環液タンクへの空気導入量を最大にしても約一時間、期待する脱硫率は得られなかった。(脱硫塔からの戻り液はpH6.8、酸化還元電位―0.61Vであった。出口硫化水素濃度510ppm)一方、脱硫停止中も液を供給していた場合は、戻り液の酸化還元電位の低下がなく、脱硫再開直後から良好に脱硫を行えた。(出口硫化水素濃度 0ppm) 本発明の生物脱硫方法によれば、燃料ガス中の硫黄化合物を、簡便かつ経済的に除去することができる。生物脱硫装置示す図である。符号の説明1 発酵層2 循環液タンク3 脱硫塔 燃料ガスを脱硫塔内の生物膜を有する気液接触部に接触させる生物脱硫方法であって、該気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.2〜10重量%であり、且つ、該循環液の酸化還元電位(標準酸化還元電位…水素電極基準、25℃換算)が−500〜700mVであり、pH値が5〜11の範囲であることを特徴とする燃料ガスの生物脱硫方法。 気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.5〜5重量%である請求項1記載の生物脱硫方法。 気液接触部に接触し循環する液の酸化還元電位を、脱硫塔又は/及び脱硫塔外の循環液タンクに空気を導入することをにより調整する請求項1又は2記載の生物脱硫方法。 気液接触部に接触し循環する液のpHを、該循環液の交換又は/及び固形物の添加により調整することを特徴とする請求項1、2又は3記載の生物脱硫方法。 脱硫休止時においても、気液接触部に接触し循環する液を気液接触部に供給することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の生物脱硫方法。 気液接触部に接触し循環する液の酸化還元電位を、脱硫塔又は/及び脱硫塔外の循環液タンクに空気を導入することにより調整し、かつ該循環液のpHを、該循環液の交換又は/及び固形物の添加により調整することを特徴とする請求項5記載の生物脱硫方法。 【課題】 燃料ガス中の硫黄化合物を、簡便かつ経済的に除去すること。【解決手段】 燃料ガスを脱硫塔内の生物膜を有する気液接触部に接触させる生物脱硫方法であって、該気液接触部に接触し循環する液の揮発性固形物濃度が0.2〜10重量%であり、且つ、該循環液の酸化還元電位(標準酸化還元電位…水素電極基準、25℃換算)が−500〜700mVであり、pH値が5〜11の範囲であることを特徴とする燃料ガスの生物脱硫方法。【選択図】なし