生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_DFA含有経皮吸収促進剤
出願番号:2004215190
年次:2006
IPC分類:A61K 47/26,A61K 8/60,A61K 8/67,A61K 8/00,A61Q 19/02,A61Q 19/00


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吉野 崇 JP 2006036656 公開特許公報(A) 20060209 2004215190 20040723 DFA含有経皮吸収促進剤 株式会社ファンケル 593106918 児玉 喜博 100105061 長谷部 善太郎 100122954 吉野 崇 A61K 47/26 20060101AFI20060113BHJP A61K 8/60 20060101ALI20060113BHJP A61K 8/67 20060101ALI20060113BHJP A61K 8/00 20060101ALI20060113BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20060113BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20060113BHJP JPA61K47/26A61K7/00 FA61K7/00 HA61K7/00 XA61K7/48 5 1 OL 10 4C076 4C083 4C076BB31 4C076CC18 4C076DD67 4C076FF34 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC482 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD211 4C083AD212 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD391 4C083AD392 4C083AD532 4C083AD641 4C083AD642 4C083CC05 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083EE03 4C083EE16 本発明はダイフラクトース アンハイドライドを含有する経皮吸収促進剤並びに、ダイフラクトース アンハイドライドとビタミンC誘導体を含有する美白化粧料に関する。 皮膚外用剤の有効成分の経皮吸収を促進させることは、有効成分の効果を高めるために重要である。今まで、数多くの経皮吸収促進物質が開示されてきた。例えば、ポリシロキサン系経皮吸収促進剤(特許文献1:特開平5−139997号公報)、脂肪族アルコール若しくは脂肪族アルコールの乳酸エステル又はイソプロピルアルコールの脂肪酸エステル(特許文献2:特開平6−247846号公報)、カルボン酸アミド(特許文献3:特開昭62−215537号公報)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(特許文献4:特開平7−316046号公報)、グリセロール若しくはポリグリセロールの脂肪酸エステル(特許文献5:特開昭61−85328号公報)、フォスファチジルグリセロール(特許文献6:特開平8−3068号公報)、アミンオキシド(特許文献7:特開平1−224329号公報)、グアニジン誘導体若しくはα−モノグリセリルエーテル又は尿素(特許文献8:特開平9−157129号公報)、セリン又はアラニン(特許文献9:特開平11−222412号公報)、ショ糖脂肪酸エステル(特許文献10:特開2003−238446号公報)等が挙げられる。このように、各種製剤に適した経皮吸収促進剤が求められ続けている。 本発明の難消化性の二糖類であるダイフラクトース アンハイドライドに関しては、ダイフラクトース アンハイドライドIII(以下DFAIIIということもある)が腸管の粘膜上皮細胞間隙に存在するタイトジャンクションの透過性を高めることによりCaの吸収を亢進することが知られている(非特許文献1:峯尾仁ら、難消化性糖は細胞間経路を介して腸管のカルシウム吸収を促進する、消化と吸収、2001年、24巻、pp.56−60)(特許文献11:特開平11−43438号公報)。しかしながら、DFAIIIが経皮吸収促進効果を有することは知られていなかった。また、本発明の美白剤としてビタミンC誘導体が挙げられるが、ビタミンC誘導体であるアスコルビン酸2−グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウムが経皮吸収され、アスコルビン酸に加水分解されて尿中に排泄されることが報告されている(非特許文献2:Y. Kumanoら、J. of Nutritional Science and Vitaminology、1998年、44巻、pp.345−359)。また、アスコルビン酸2−グルコシドをアシル化することにより、経皮吸収が増大することが報告されている(非特許文献3:I. Yamamotoら、J. of Medical Chemistry、2002年、45巻、pp.462−468)。しかしながら、ビタミンC誘導体の経皮吸収を促進する技術は十分に確立されていない。特開平5−139997号公報特開平6−247846号公報特開昭62−215537号公報特開平7−316046号公報特開昭61−85328号公報特開平8−3068号公報特開平1−224329号公報特開平9−157129号公報特開平11−222412号公報特開2003−238446号公報特開平11−43438号公報峯尾仁ら、難消化性糖は細胞間経路を介して腸管のカルシウム吸収を促進する、消化と吸収、2001年、24巻、pp.56−60Y. Kumanoら、J. of Nutritional Science and Vitaminology、1998年、44巻、pp.345−359I. Yamamotoら、J. of Medical Chemistry、2002年、45巻、pp.462−468 本発明は、新規な経皮吸収促進剤を提供すること、そして、その経皮吸収促進剤によりビタミンC誘導体の経皮吸収を促進する美白化粧料を提供することを課題とする。 本発明の主な構成は、次のとおりである。1.ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする経皮吸収促進剤。2.ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする美白剤の経皮吸収促進剤。3.美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドである1.に記載の経皮吸収促進剤。4.ダイフラクトース アンハイドライドと美白剤を含有する美白化粧料。5.美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドである4.に記載の美白化粧料。 新規な経皮吸収促進剤として、DFAを見いだした。ビタミンC誘導体と併用することにより、効果的な美白化粧料を実現できた。 以下、本発明の詳細を説明する。 本発明はDFAを皮膚への薬剤の吸収を促進させるために用いることを見いだしたものである。 本発明でいうダイフラクトース アンハイドライド(DFA)とは、2個のフラクトースの還元末端が、互いに一方の還元末端以外の水酸基に結合した環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAVと称される。本発明でいうDFAとは、それら全てをいうが、本発明では、もっぱら、工業的生産の効率、精製してからの安定性などが優れているDFAIII(di-D-fructofuranose-1,2’: 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di-D-fructofuranose-2,6’:6,2’dianhydride)が好ましく使用される。 本発明のダイフラクトース アンハイドライドの配合量は必ずしも制限されないが、皮膚外用剤全量に対し、0.001〜30質量%が好ましい。 本発明の美白剤としてビタミンC誘導体、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、グルタチオン、美白効果を有する植物抽出エキスが挙げられる。ビタミンC誘導体としてはアスコルビン酸2−グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビン酸塩、テトライソパルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル等が挙げられる。美白効果を有する植物抽出エキスとしてはソウハクヒ、ボタンピ、ユキノシタ、カンゾウ等が挙げられる。 DFAと併用する皮膚から吸収させる剤としては皮膚外用剤である皮膚外用医薬品、皮膚外用医薬部外品、皮膚化粧料が含まれる。皮膚外用医薬品としては、抗炎症外用剤、抗ニキビ外用剤、殺菌外用剤等を挙げることができる。皮膚外用医薬部外品としては美白用医薬部外品、肌荒れ改善用医薬部外品、ニキビ用医薬部外品等を挙げることができる。本発明の皮膚化粧料としてはローション、乳液、スキンクリーム、ハンドクリーム、ボディミルク、サンスクリーン剤、リキッドファンデーション等が挙げられる。 本発明の化粧料には、その用途、使用目的、剤形などに応じて、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。 油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等があげられる。 高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等があげられる。 高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。 アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等があげられる。 カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等があげられる。 両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等があげられる。 非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体があげられる。 防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等をあげることができる。 金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩をあげることができる。 べたつきを抑えたり、色を付けたりするために、粉末成分として、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等のタール色素をあげることができる。 紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等をあげることができる。 紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等をあげることができる。 保湿剤として、例えば、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等があげられる。 薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類をあげることができる。 そのほかに、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等をあげることができる。 さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を配合することができる。 (皮膚透過性試験) 試験サンプル 表1の組成の試験サンプルを調製した。 *) AA−2G : アスコルビン酸2−グルコシド **)PBS(−): KCl:0.2g/L、KH2PO4:0.2g/L、NaCl:8.0g/L、Na2HPO4:1.15g/L、Dithioreitol:0.5g/L、Kanamycin:0.5g/Lのリン酸塩緩衝液 試験は、下記の条件で、Franz型拡散セルを用いて行った。 サンプル1〜3を、Franz型拡散セルの上部に100μL充填し、透過膜で挟んで下部にレセプターの溶液を充填して32℃の水浴中に浸し、各サンプル中の透過膜を拡散するアスコルビン酸2−グルコシドの拡散量を求めた。 ユカタンミニブタ皮膚を60℃で1分加熱し、表皮と真皮を剥離し、表皮を透過膜として用いた。透過部分の有効面積は0.95cm2であった。レセプターは、pH7.4のリン酸塩緩衝液(phosphate buffered saline)の4mLを使用した。即ち、KCl:0.2g/L、KH2PO4:0.2g/L、NaCl:8.0g/L、Na2HPO4:1.15g/L、Dithioreitol:0.5g/L、Kanamycin:0.5g/Lのリン酸塩緩衝液である。水浴に浸している間、Franz型拡散セル内は、攪拌子で攪拌を行った。 試験開始後、経時的にレセプター相を採取し、アスコルビン酸2−グルコシドをHPLCにて測定した。 HPLCの測定条件は、分析機器:HPLC(島津製作所製)、カラム:TSK−GEL ODS−80Ts 4.6mmφ×150mm、カラム温度:40℃、検出器:UV240nm、流量:0.7mL/分、試料注入量:10μL、移動相:0.1Mリン酸−リン酸2水素ナトリウム緩衝液(pH2.0)である。 結果を図1に示す。 試験回数n:DFAIII0.0% n=8、DFAIII3.3% n=7、DFAIII16.8% n=10 図1に示されるように、DFAIII0.0質量%のサンプル1と比べて、DFAIII3.3質量%のサンプル2、DFAIII16.8質量%のサンプル3において、アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚透過量が多い。試験開始9時間後のサンプル2,3のアスコルビン酸2−グルコシドの皮膚透過量はサンプル1の約5倍である。また、20時間後においては、3倍以上になっている。従って、DFAIIIはアスコルビン酸2−グルコシドの経皮吸収を促進することがわかる。一方、サンプル2とサンプル3の皮膚透過量にはあまり差がない。DFAIIIを3.3質量%添加することによって、十分に経皮吸収促進効果が期待できる。処方例1 下記の処方により、美白ローションを製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)グリセリン 9.5 (2)1,3-ブチレングリコール 4.5(3)DFAIII 1.5(4)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(5)カルボキシビニルポリマー 0.02 (6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 (7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1(8)クエン酸 0.05(9)クエン酸ナトリウム 0.1 (10)水酸化ナトリウム 0.26(11)ボタンピエキス 0.5(12)イオン交換水 残余 [製法]室温下で、上記成分(12)に(1)〜(11)の成分を加え攪拌溶解し、均一に溶解して美白ローションを得た。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。本ローションは美白効果が高い。処方例2下記の処方により、美白乳液を製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)スクワラン 6.0(2)ホホバ油 3.0(3)POE(20)セチルエーテル 0.5(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0(5)ステアリン酸 2.0(6)ベヘニルアルコール 3.0(7)パラオキシ安息香酸エチル 0.15(8)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1(9)1,3−ブチレングリコール 7.0(10)濃グリセリン 2.5(11)DFAIII 3.0(12)アスコルビルリン酸マグネシウム 3.0(13)キサンタンガム 0.2(14)ユキノシタエキス 0.2(15)水酸化ナトリウム 0.3(16)精製水 残余 [製法]油相成分(1)〜(8)と水相成分(9)〜(16)をそれぞれ78〜85℃に加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、美白乳液とした。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。処方例3 下記の処方により、美白乳液を製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)スクワラン 5.0(2)ホホバ油 3.0(3)POE(20)セチルエーテル 0.5(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0(5)ステアリン酸 2.0(6)ベヘニルアルコール 3.0(7)スクレロチウムガム 0.4(8)1,2−ペンタンジオール 1.0(9)1,3−ブチレングリコール 7.0(10)濃グリセリン 1.0(11)DFAIII 3.0(12)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(13)キサンタンガム 0.05(13)タイソウエキス 0.2(14)ユキノシタエキス 0.2(15)水酸化カリウム 0.4(16)精製水 残余 [製法]水相成分(7)と(16)を混合し、60℃にて乳化機で攪拌溶解する。次いで、水相成分(8)〜(15)を混合溶解する。油相成分(1)〜(8)を約80℃で加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、美白乳液とした。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。処方例4 下記の処方により、美白クリームを製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)精製水 残余(2)ジプロピレングリコール 10.0(3)キサンタンガム 0.3(4)ケイ酸アルミニウム/マグネシウム 0.2(5)グリセリン 3.0(6)ベタイン 3.0(7)DFAIII 3.0(8)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(9)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1(10)ホホバ油 8.5(11)スクワラン 10.0(12)ジメチルポリシロキサン(50cs) 2.0(13)新油型モノステアリン酸グリセリン 3.0(14)モノステアリン酸ソルビタン 1.5(15)モノステアリン酸ポリオキシエチレン 1.0 ソルビタン(20E.O.) (16)パセリエキス 0.1(17)ブドウ種子エキス 0.1(18)水酸化カリウム 0.4[製法]水相成分(1)〜(9)と油相成分(10)〜(15)をそれぞれ加熱溶解し、油相成分を水相成分に混合し、乳化機にて乳化する。冷却後、成分(16)〜(18)を混合して美白クリームを得た。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、肌への刺激がない。DFAIIIのAA2G透過に与える影響を示したグラフ。 ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする経皮吸収促進剤。 ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする美白剤の経皮吸収促進剤。 美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドである請求項2に記載の経皮吸収促進剤。 ダイフラクトース アンハイドライドと美白剤を含有する美白化粧料。 美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドである請求項4に記載の美白化粧料。 【課題】新規な経皮吸収促進剤及びビタミンC誘導体と併用した美白化粧料を提供する。【解決手段】DFA(ダイフラクト−スアンハイドライド)を有効成分とする経皮吸収促進剤、DFAを含有する美白化粧料。【選択図】図1


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特許公報(B2)_DFA含有経皮吸収促進剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_DFA含有経皮吸収促進剤
出願番号:2004215190
年次:2011
IPC分類:A61K 8/60,A61K 8/67,A61Q 19/02


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吉野 崇 JP 4804728 特許公報(B2) 20110819 2004215190 20040723 DFA含有経皮吸収促進剤 株式会社ファンケル 593106918 児玉 喜博 100105061 長谷部 善太郎 100122954 吉野 崇 20111102 A61K 8/60 20060101AFI20111013BHJP A61K 8/67 20060101ALI20111013BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20111013BHJP JPA61K8/60A61K8/67A61Q19/02 A61K 8/00− 8/99 A61K 9/00− 9/72 A61K 47/00−47/48 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) 特開平11−043438(JP,A) 特開2004−149427(JP,A) 特表2002−544241(JP,A) 2 2006036656 20060209 9 20070507 遠藤 広介 本発明はダイフラクトース アンハイドライドを含有する経皮吸収促進剤並びに、ダイフラクトース アンハイドライドとビタミンC誘導体を含有する美白化粧料に関する。 皮膚外用剤の有効成分の経皮吸収を促進させることは、有効成分の効果を高めるために重要である。今まで、数多くの経皮吸収促進物質が開示されてきた。例えば、ポリシロキサン系経皮吸収促進剤(特許文献1:特開平5−139997号公報)、脂肪族アルコール若しくは脂肪族アルコールの乳酸エステル又はイソプロピルアルコールの脂肪酸エステル(特許文献2:特開平6−247846号公報)、カルボン酸アミド(特許文献3:特開昭62−215537号公報)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(特許文献4:特開平7−316046号公報)、グリセロール若しくはポリグリセロールの脂肪酸エステル(特許文献5:特開昭61−85328号公報)、フォスファチジルグリセロール(特許文献6:特開平8−3068号公報)、アミンオキシド(特許文献7:特開平1−224329号公報)、グアニジン誘導体若しくはα−モノグリセリルエーテル又は尿素(特許文献8:特開平9−157129号公報)、セリン又はアラニン(特許文献9:特開平11−222412号公報)、ショ糖脂肪酸エステル(特許文献10:特開2003−238446号公報)等が挙げられる。このように、各種製剤に適した経皮吸収促進剤が求められ続けている。 本発明の難消化性の二糖類であるダイフラクトース アンハイドライドに関しては、ダイフラクトース アンハイドライドIII(以下DFAIIIということもある)が腸管の粘膜上皮細胞間隙に存在するタイトジャンクションの透過性を高めることによりCaの吸収を亢進することが知られている(非特許文献1:峯尾仁ら、難消化性糖は細胞間経路を介して腸管のカルシウム吸収を促進する、消化と吸収、2001年、24巻、pp.56−60)(特許文献11:特開平11−43438号公報)。しかしながら、DFAIIIが経皮吸収促進効果を有することは知られていなかった。また、本発明の美白剤としてビタミンC誘導体が挙げられるが、ビタミンC誘導体であるアスコルビン酸2−グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウムが経皮吸収され、アスコルビン酸に加水分解されて尿中に排泄されることが報告されている(非特許文献2:Y. Kumanoら、J. of Nutritional Science and Vitaminology、1998年、44巻、pp.345−359)。また、アスコルビン酸2−グルコシドをアシル化することにより、経皮吸収が増大することが報告されている(非特許文献3:I. Yamamotoら、J. of Medical Chemistry、2002年、45巻、pp.462−468)。しかしながら、ビタミンC誘導体の経皮吸収を促進する技術は十分に確立されていない。特開平5−139997号公報特開平6−247846号公報特開昭62−215537号公報特開平7−316046号公報特開昭61−85328号公報特開平8−3068号公報特開平1−224329号公報特開平9−157129号公報特開平11−222412号公報特開2003−238446号公報特開平11−43438号公報峯尾仁ら、難消化性糖は細胞間経路を介して腸管のカルシウム吸収を促進する、消化と吸収、2001年、24巻、pp.56−60Y. Kumanoら、J. of Nutritional Science and Vitaminology、1998年、44巻、pp.345−359I. Yamamotoら、J. of Medical Chemistry、2002年、45巻、pp.462−468 本発明は、新規な経皮吸収促進剤を提供すること、そして、その経皮吸収促進剤によりビタミンC誘導体の経皮吸収を促進する美白化粧料を提供することを課題とする。 本発明の主な構成は、次のとおりである。1.ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする美白剤の経皮吸収促進剤であって、美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドであることを特徴とする経皮吸収促進剤。2.ダイフラクトース アンハイドライドと美白剤を含有する美白化粧料であって、美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドであることを特徴とする美白化粧料。 新規な経皮吸収促進剤として、DFAを見いだした。ビタミンC誘導体と併用することにより、効果的な美白化粧料を実現できた。 以下、本発明の詳細を説明する。 本発明はDFAを皮膚への薬剤の吸収を促進させるために用いることを見いだしたものである。 本発明でいうダイフラクトース アンハイドライド(DFA)とは、2個のフラクトースの還元末端が、互いに一方の還元末端以外の水酸基に結合した環状二糖である。従来、カラメルなどに存在することが知られていたが、工業的には、イヌリンをイヌリン分解酵素、例えば、Arthrobacter sp.H65−7株が産生するイヌリンフラクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.93)により発酵させたり、レヴァンをArthrobacter nicotinovorans GS−9が産生するレヴァンフルクトトランスフェラーゼ(EC2.4.1.10)により発酵させたりすることにより製造することができる。二分子のフラクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAVと称される。本発明でいうDFAとは、それら全てをいうが、本発明では、もっぱら、工業的生産の効率、精製してからの安定性などが優れているDFAIII(di-D-fructofuranose-1,2’: 2,3’ dianhydride)、DFAIV(di-D-fructofuranose-2,6’:6,2’dianhydride)が好ましく使用される。 本発明のダイフラクトース アンハイドライドの配合量は必ずしも制限されないが、皮膚外用剤全量に対し、0.001〜30質量%が好ましい。 本発明の美白剤としてビタミンC誘導体、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、グルタチオン、美白効果を有する植物抽出エキスが挙げられる。ビタミンC誘導体としてはアスコルビン酸2−グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビン酸塩、テトライソパルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル等が挙げられる。美白効果を有する植物抽出エキスとしてはソウハクヒ、ボタンピ、ユキノシタ、カンゾウ等が挙げられる。 DFAと併用する皮膚から吸収させる剤としては皮膚外用剤である皮膚外用医薬品、皮膚外用医薬部外品、皮膚化粧料が含まれる。皮膚外用医薬品としては、抗炎症外用剤、抗ニキビ外用剤、殺菌外用剤等を挙げることができる。皮膚外用医薬部外品としては美白用医薬部外品、肌荒れ改善用医薬部外品、ニキビ用医薬部外品等を挙げることができる。本発明の皮膚化粧料としてはローション、乳液、スキンクリーム、ハンドクリーム、ボディミルク、サンスクリーン剤、リキッドファンデーション等が挙げられる。 本発明の化粧料には、その用途、使用目的、剤形などに応じて、植物油のような油脂類、高級脂肪酸、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ヒアルロン酸のような保湿剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。 油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等があげられる。 高級脂肪酸として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等があげられる。 高級アルコールとして、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等があげられる。 アニオン界面活性剤として、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等があげられる。 カチオン界面活性剤として、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等があげられる。 両性界面活性剤として、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等があげられる。 非イオン界面活性剤として、例えば、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体があげられる。 防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等をあげることができる。 金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩をあげることができる。 べたつきを抑えたり、色を付けたりするために、粉末成分として、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等のタール色素をあげることができる。 紫外線吸収剤として、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等をあげることができる。 紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等をあげることができる。 保湿剤として、例えば、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等があげられる。 薬効成分として、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類をあげることができる。 そのほかに、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等をあげることができる。 さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を配合することができる。 (皮膚透過性試験) 試験サンプル 表1の組成の試験サンプルを調製した。 *) AA−2G : アスコルビン酸2−グルコシド **)PBS(−): KCl:0.2g/L、KH2PO4:0.2g/L、NaCl:8.0g/L、Na2HPO4:1.15g/L、Dithioreitol:0.5g/L、Kanamycin:0.5g/Lのリン酸塩緩衝液 試験は、下記の条件で、Franz型拡散セルを用いて行った。 サンプル1〜3を、Franz型拡散セルの上部に100μL充填し、透過膜で挟んで下部にレセプターの溶液を充填して32℃の水浴中に浸し、各サンプル中の透過膜を拡散するアスコルビン酸2−グルコシドの拡散量を求めた。 ユカタンミニブタ皮膚を60℃で1分加熱し、表皮と真皮を剥離し、表皮を透過膜として用いた。透過部分の有効面積は0.95cm2であった。レセプターは、pH7.4のリン酸塩緩衝液(phosphate buffered saline)の4mLを使用した。即ち、KCl:0.2g/L、KH2PO4:0.2g/L、NaCl:8.0g/L、Na2HPO4:1.15g/L、Dithioreitol:0.5g/L、Kanamycin:0.5g/Lのリン酸塩緩衝液である。水浴に浸している間、Franz型拡散セル内は、攪拌子で攪拌を行った。 試験開始後、経時的にレセプター相を採取し、アスコルビン酸2−グルコシドをHPLCにて測定した。 HPLCの測定条件は、分析機器:HPLC(島津製作所製)、カラム:TSK−GEL ODS−80Ts 4.6mmφ×150mm、カラム温度:40℃、検出器:UV240nm、流量:0.7mL/分、試料注入量:10μL、移動相:0.1Mリン酸−リン酸2水素ナトリウム緩衝液(pH2.0)である。 結果を図1に示す。 試験回数n:DFAIII0.0% n=8、DFAIII3.3% n=7、DFAIII16.8% n=10 図1に示されるように、DFAIII0.0質量%のサンプル1と比べて、DFAIII3.3質量%のサンプル2、DFAIII16.8質量%のサンプル3において、アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚透過量が多い。試験開始9時間後のサンプル2,3のアスコルビン酸2−グルコシドの皮膚透過量はサンプル1の約5倍である。また、20時間後においては、3倍以上になっている。従って、DFAIIIはアスコルビン酸2−グルコシドの経皮吸収を促進することがわかる。一方、サンプル2とサンプル3の皮膚透過量にはあまり差がない。DFAIIIを3.3質量%添加することによって、十分に経皮吸収促進効果が期待できる。処方例1 下記の処方により、美白ローションを製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)グリセリン 9.5 (2)1,3-ブチレングリコール 4.5(3)DFAIII 1.5(4)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(5)カルボキシビニルポリマー 0.02 (6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 (7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1(8)クエン酸 0.05(9)クエン酸ナトリウム 0.1 (10)水酸化ナトリウム 0.26(11)ボタンピエキス 0.5(12)イオン交換水 残余 [製法]室温下で、上記成分(12)に(1)〜(11)の成分を加え攪拌溶解し、均一に溶解して美白ローションを得た。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。本ローションは美白効果が高い。処方例2下記の処方により、美白乳液を製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)スクワラン 6.0(2)ホホバ油 3.0(3)POE(20)セチルエーテル 0.5(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0(5)ステアリン酸 2.0(6)ベヘニルアルコール 3.0(7)パラオキシ安息香酸エチル 0.15(8)パラオキシ安息香酸プロピル 0.1(9)1,3−ブチレングリコール 7.0(10)濃グリセリン 2.5(11)DFAIII 3.0(12)アスコルビルリン酸マグネシウム 3.0(13)キサンタンガム 0.2(14)ユキノシタエキス 0.2(15)水酸化ナトリウム 0.3(16)精製水 残余 [製法]油相成分(1)〜(8)と水相成分(9)〜(16)をそれぞれ78〜85℃に加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、美白乳液とした。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。処方例3 下記の処方により、美白乳液を製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)スクワラン 5.0(2)ホホバ油 3.0(3)POE(20)セチルエーテル 0.5(4)POE(50)硬化ヒマシ油 1.0(5)ステアリン酸 2.0(6)ベヘニルアルコール 3.0(7)スクレロチウムガム 0.4(8)1,2−ペンタンジオール 1.0(9)1,3−ブチレングリコール 7.0(10)濃グリセリン 1.0(11)DFAIII 3.0(12)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(13)キサンタンガム 0.05(13)タイソウエキス 0.2(14)ユキノシタエキス 0.2(15)水酸化カリウム 0.4(16)精製水 残余 [製法]水相成分(7)と(16)を混合し、60℃にて乳化機で攪拌溶解する。次いで、水相成分(8)〜(15)を混合溶解する。油相成分(1)〜(8)を約80℃で加熱し完全に溶解する。油相成分を水相成分に加えて、乳化機で乳化する。得られた乳化物を冷却し、美白乳液とした。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、皮膚への刺激がない。処方例4 下記の処方により、美白クリームを製造した。 成分名 配合量(質量%)(1)精製水 残余(2)ジプロピレングリコール 10.0(3)キサンタンガム 0.3(4)ケイ酸アルミニウム/マグネシウム 0.2(5)グリセリン 3.0(6)ベタイン 3.0(7)DFAIII 3.0(8)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0(9)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1(10)ホホバ油 8.5(11)スクワラン 10.0(12)ジメチルポリシロキサン(50cs) 2.0(13)新油型モノステアリン酸グリセリン 3.0(14)モノステアリン酸ソルビタン 1.5(15)モノステアリン酸ポリオキシエチレン 1.0 ソルビタン(20E.O.) (16)パセリエキス 0.1(17)ブドウ種子エキス 0.1(18)水酸化カリウム 0.4[製法]水相成分(1)〜(9)と油相成分(10)〜(15)をそれぞれ加熱溶解し、油相成分を水相成分に混合し、乳化機にて乳化する。冷却後、成分(16)〜(18)を混合して美白クリームを得た。 [使用感] しっとり感が高く、べたつかず、なじんだ後にきしまず、肌への刺激がない。DFAIIIのAA2G透過に与える影響を示したグラフ。ダイフラクトース アンハイドライドを有効成分とする美白剤の経皮吸収促進剤であって、美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドであることを特徴とする経皮吸収促進剤。ダイフラクトース アンハイドライドと美白剤を含有する美白化粧料であって、美白剤がアスコルビン酸2−グルコシドであることを特徴とする美白化粧料。


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