生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_バルサミコ酢含有健康飲料
出願番号:2004204415
年次:2006
IPC分類:A23L 2/38,C12J 1/00,A23L 2/52


特許情報キャッシュ

藤井 和之 河原市 奈美 JP 2006025610 公開特許公報(A) 20060202 2004204415 20040712 バルサミコ酢含有健康飲料 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 000175283 藤井 和之 河原市 奈美 A23L 2/38 20060101AFI20060106BHJP C12J 1/00 20060101ALI20060106BHJP A23L 2/52 20060101ALI20060106BHJP JPA23L2/38 RC12J1/00 ZA23L2/00 F 1 OL 5 4B017 4B028 4B017LC03 4B017LE10 4B017LK26 4B028BC05 4B028BL07 4B028BP24 本発明は、バルサミコ酢を添加することを特徴とする健康飲料に関する。 近年、健康食品ブームの影響から、食酢を調味料として使用するだけでなく、直接飲むことが広く行われている。 食酢に含まれている酢には様々な効果があることが知られている。例えば疲労回復効果、筋肉を柔軟にする、血圧を安定化させ動脈硬化を予防する、栄養素の体内消費を促進させる等の効果が開示されている(特許文献1)。 食酢は化学合成によって合成された合成酢と、醸造することにより作られる醸造酢がある。醸造酢はさらに細かく穀物酢、果実酢、それ以外の醸造酢に分類されている(JAS規格及び品質表示基準)。 穀物酢の例としては黒酢、玄米酢などの米酢と、米酢以外の穀物酢に分けられ、果実酢はリンゴ酢、ブドウ酢、それ以外の果実酢に分けられている。 これらの中でも特にブドウ酢の1種であるバルサミコ酢は、他の酢に比べて糖類、カリウム、ポリフェノールが非常に多く含まれており、これら成分に由来する健康増進効果を目的として摂取するのに適している。 しかし、バルサミコ酢に限らず酢には強烈な酸味、収斂味があり、酢をそのまま飲用することには抵抗感が強い。そのため、酢を水で割ったり、酸味の緩和のためにミラクリンを含有する食酢飲料(特許文献2)のようにして飲みやすくする方法が開示されている。また、酢の健康機能性に着目し、柿酢を含有する飲料組成物(特許文献3)、サルノコシカケ科の硬質キノコ及びハーブ類を食用醸造酢と有機酸で抽出した液を主成分とする健康飲料酢(特許文献4)、醸造酢類を酸味料の1種として使用し、特定のグルカンを添加した飲料(特許文献5)、海藻類ミネラルと天然醸造酢を含有する海草類ミネラル清涼飲料(特許文献6)、ワインビネガー入り飲料(特許文献7)などが開示されている。 ところが、何れもバルサミコ酢に着目したものではなく、バルサミコ酢を有効に利用する方法を開示するものではなかった。特開平9−173029号公報特開平2−238871号公報特開平9−173029号公報特公平4−30269号公報特開2003−289837号公報特開2000−125827号公報特開平11−318403号公報 上述のように、様々な健康増進効果を有する食酢を継続的に摂取するために、酢独特の酸味、収斂味を和らげ、容易に飲用でき、さらに、従来の食酢以上の効果を有する食酢含有飲料が求められていた。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、バルサミコ酢を飲料に添加し、食酢含有健康飲料とすることで、食酢の有する健康増進効果と、バルサミコ酢に含まれる効果を併せ持つ、高付加価値を有する飲料を得るに至った。本発明はこれらの知見に基づき達成されたものである。 本発明に係るバルサミコ酢含有健康飲料を摂取することにより、バルサミコ酢が有している馥郁たる香りと奥深い味わいを有する健康飲料を簡便に調製することができ、また酢が有する疲労回復効果、筋肉を柔軟にする、血圧を安定化させ動脈硬化を予防する、栄養素の体内消費を促進させる等の健康増進効果と、他の食酢に比べバルサミコ酢に特に多く含まれている糖類、カリウム、ポリフェノールが奏する効果を期待することができる。 本発明に係るバルサミコ酢含有健康飲料は、バルサミコ酢を含有することを特徴とする健康飲料である。 本発明で使用するバルサミコ酢は、ブドウ果汁を煮詰めて濃縮し、木の樽に入れ熟成させて得られるもので、一般のワインビネガーとは全く異なるものである。一般でも市販されており、本発明ではこれらを制限なく利用することができる。具体的にはアドリアーノ・グロソリ社、フランコ・ファッビ社、ポンティ社、マニカルディ社のバルサミコ酢が例示できる。 本発明に係る健康飲料は、特に制限されないが、単にバルサミコ酢を水、炭酸水等で薄めた物をはじめ、従来公知の飲料に任意の量のバルサミコ酢を添加して得ることができる。 従来公知の飲料の例としては、食酢入り清涼飲料、乳類入り清涼飲料、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、果汁又は果汁入り飲料が挙げられる。上記乳類としては、牛乳、豆乳及びそれらの加工品等が挙げられ、加工品としては、例えば全脂練乳、脱脂練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、生クリームなどが挙げられる。これらは単独で含まれていてもよいし、また2種以上の組み合わせで含まれていてもよい。 これらの飲料に対するバルサミコ酢の添加量は、特に制限されないが、飲料100重量に対し0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部が例示できる。もちろんバルサミコ酢をそのまま健康飲料として摂取してもよい。 また、本発明に係るバルサミコ酢含有健康飲料には、従来より利用されている添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。例えば、食品の分野で広く用いられている糖類、乳原料、ゲル化剤、起泡性素材、酸味料、調味料、中和剤、カラメル、色素、香料、ピューレ、保存料、エキス、pH調整剤、糊料、洋酒、ビタミン、その他ミネラル類、ゼリービーズや数mm角にカットした果実、柑橘系果実のさのう等が例示できる。 糖類の例として、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)などを挙げることができる。また、従来公知若しくは将来知られうる甘味成分も糖類の代わりに用いることができる。具体的には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末などの甘味成分を用いても良い。 本発明に係るバルサミコ酢含有健康飲料の製造方法は、飲料の原材料の一つとしてバルサミコ酢を利用し、製造の段階で他の材料と併せて添加混合するだけでよく、特別な製造装置や工程を必要としないため、工業的にも簡便に製造することができる。 本発明に係るバルサミコ酢を用いた健康飲料を摂取することにより、他の酢に比べ多く含まれている糖類、カリウム、ポリフェノールの効果を期待することができる。具体的には、バルサミコ酢100mlあたりの糖類の含量は20.8g(穀物酢は1.8g、米酢5.8g、黒酢1.7g)、カリウムの含量は430.6mg(同じく穀物酢21.7mg、米酢35.6mg、黒酢136.4mg)、ポリフェノールの含量は259.4mg(穀物酢6.4mg、米酢18.7mg、黒酢78.5mg)が含まれていることが知られている(農林水産消費技術センター広報誌2001年9月 第59号)。この中のカリウムは、生体内において神経・筋肉の機能維持、細胞内外の浸透圧の平衡維持、エネルギー代謝、酸素活性の調節等に関わり、不足すると神経・筋肉の機能障害、しびれ、脱力、さらには四肢麻痺や不整脈をおこし、一方、カリウムの摂取量は高血圧予防の観点から3500mg/日(15歳以上)が望ましいとされているが、本発明に係るバルサミコ酢含有健康飲料により摂取される量は問題ない量である。また、ポリフェノールには抗酸化力や活性酸素を抑える効果がよく知られており、これら生体にとって有用な成分を含有するバルサミコ酢を飲みやすい健康飲料とすることにより、より一層の健康増進を図ることができる。また、バルサミコ酢独特の馥郁たる香りと奥深い味わいを簡便に飲料に付与することができる。 以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限り、部は重量部を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を表し、文中の「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。実施例1 バルサミコ酢含有清涼飲料<処方> 果糖ブドウ糖液糖 13.3 バルサミコ酢(酸度6%) 8.5 水にて合計 100 上記原料を混合後瓶に小分けし、70℃20分間殺菌しバルサミコ酢含有清涼飲料を得た。得られた健康飲料は、バルサミコ酢独特に風味を有しており、飲みやすい健康飲料となっていた。実施例2 バルサミコ酢含有乳入り清涼飲料<処方> 牛乳 5 脱脂粉乳 1.4 砂糖 6 果糖ブドウ糖液糖 2 安定剤(SM−1200*) 0.2 乳化剤(ホモゲン※NO.1728*) 0.1 バルサミコ酢(酸度6%) 6.7 香料 0.1 (ヨーグルトフレーバーNo.59737*) クエン酸 0.12 水にて合計 100 上記原料を公知の製法に基づき混合し、瓶に小分けし70℃20分間殺菌し、バルサミコ酢含有乳入り清涼飲料を得た。得られた健康飲料は、バルサミコ酢の酸味と乳の風味がマッチした美味な健康飲料であった。実施例3 バルサミコ酢含有乳飲料<処方> 牛乳 30 砂糖 7 乳化剤(ホモゲン※No.870*) 0.1 バルサミコ酢(酸度6%) 1 炭酸水素ナトリウム 0.25 香料 0.03 (ミルククリームフレーバーNo.59377*) 水にて合計 100 上記原料を公知の製法に基づき混合し、瓶に小分けし85℃30分間殺菌し、バルサミコ酢含有乳飲料を得た。得られた健康飲料は、バルサミコ酢の酸味と乳の風味がマッチした美味な健康飲料であった。実施例4 バルサミコ酢含有コーヒー<処方> 砂糖 3.5 コーヒーエキス C−100* 6.5 バルサミコ酢(酸度6%) 2.5 炭酸水素ナトリウム 0.13 香料 0.05 (ローストコーヒーエッセンス*) 水にて合計 100 上記原料を公知の製法に基づき混合し、缶に小分けし121℃4分間殺菌し、バルサミコ酢含有コーヒーを得た。得られた健康飲料は、バルサミコ酢の独特の風味がコーヒーの風味に奥深さを与え、美味な健康飲料となった。バルサミコ酢を含有することを特徴とする健康飲料。 【課題】健康増進効果を有する食酢を、飲みやすい健康飲料として提供する。【解決手段】健康増進効果を有する食酢の中でも、特に糖類、カリウム、ポリフェノールの含有量が多いバルサミコ酢を用いて酢含有健康飲料を製造することで、酢を容易に摂取できるように、かつバルサミコ酢特有の風味を飲料に付与し、機能性を期待できるバルサミコ酢含有健康飲料を製造する。


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