生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び液晶組成物
出願番号:2004191207
年次:2006
IPC分類:C07D 309/30,C09K 19/34,C09K 19/42


特許情報キャッシュ

岩窪 昌幸 楠本 哲生 JP 2006008632 公開特許公報(A) 20060112 2004191207 20040629 6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び液晶組成物 大日本インキ化学工業株式会社 000002886 河野 通洋 100124970 岩窪 昌幸 楠本 哲生 C07D 309/30 20060101AFI20051209BHJP C09K 19/34 20060101ALI20051209BHJP C09K 19/42 20060101ALI20051209BHJP JPC07D309/30 DC09K19/34C09K19/42 10 OL 16 4C062 4H027 4C062BB57 4H027BA01 4H027BB13 4H027BD07 4H027BD11 4H027CM01 4H027CM05 4H027CT02 4H027CT05 4H027CW01 4H027CW02 4H027DH01 4H027DH02 本発明は、6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び当該化合物を構成部材とする誘電率異方性が負の液晶組成物、さらに、当該液晶組成物を構成部材とする液晶表示素子に関する。 液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとしては、家庭用各種電気機器、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式として、VA方式は高速で広視野角の要求される表示素子として、特にテレビ等への応用が現在も期待されている。 これまで、VA方式に必要は誘電率異方性が負の液晶材料についてはそれほど多くの化合物が知られているわけではない。実際には2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基を有する化合物(特許文献1参照)に限られているのが実情である。そのため、Δεの絶対値が十分に大きくないことから低電圧駆動等の特性に問題があった。 一方、6員環ラクトン構造を有する液晶化合物のいくつかは既に知られている(特許文献2及び3参照)。しかしながら、従来6員環ラクトン構造を有する化合物はエステル構造を有することから、主として誘電性液晶組成物への応用が検討されてきた。そのため、ネマチック液晶、特にn型ネマチック液晶組成物への応用は遅れていた。特開昭57−114532号公報(2頁)特開平1−199959号公報(2頁)特開平6−25210号公報(2頁) 本発明が解決しようとする課題は、6員環ラクトン骨格を有する誘電率異方性が負であって絶対値の大きい液晶化合物提供し、さらにそれを用いたn型液晶組成物及び当該液晶組成物を構成部材とするVA方式用の液晶表示素子を提供することにある。 本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物及びこれを用いた液晶組成物、さらにこれを用いた液晶表示素子を提供する。 本発明のラクトン誘導体は、誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、屈折率の異方性が小さい特徴を有する。当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子は、垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子として有用である。一般式(1)で表される化合物は多くの化合物を包含するものであるが、次に記載の化合物が好ましい。 一般式(1)においてR1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシル基を表すことが好ましく、具体的には-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-OCH3、-OCH2CH3、-O(CH2)2CH3、-O(CH2)3CH3、-O(CH2)4CH3、-OCF3又は-OCF2Hを表すことが特に好ましい。 さらに詳述すると、一般式(1)の化合物の中で、特に好ましい化合物として式群1に記載した化合物を挙げることができる。(式中、R1及びR2は各々独立的に-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3を表す。) 一般式(1)で表される化合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。 本願発明においては、一般式(1)で表される化合物を含有する液晶組成物を提供する。この場合、一般式(1)で表される化合物を1種のみ含有していても良く、2種以上含有することも好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有率は、2から40質量%が好ましく、2から30質量%であることがより好ましい。 本願発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物以外に一般式(2)(式中、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B1及びB2はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、Y2及びB2が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、pは0、1又は2を表す。)で表される化合物を化合物を含有することが好ましい。 一般式(2)において、R3及びR4はそれぞれ独立的に、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基、炭素数1から12のアルコキシル基、炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された素数1から7のアルキル基又は炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された炭素数2から7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基がより好ましく、具体的には−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましいが、置換する環が芳香環の場合、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましい。 B1及びB2はそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基が酸素原子に置換されているものを含む。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個のCH基が窒素原子に置換されているものを含む。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基もしくはこれらの水素原子がフッ素原子で置換された置換基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基又は1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がさらに好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が特に好ましい。 Y1及びY2はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことが好ましいが、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがより好ましく、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−C≡C−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがさらに好ましく、−CH2CH2−又は単結合を表すことが特に好ましい。 pは1又は2を表すことが好ましい。 一般式(2)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(2−1)から一般式(2−22)で表される構造が好ましい。(式中、R13及びR14は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 本願発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物以外に一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)からなる群(式中、R5は水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B3、B4及びB5はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、q及びrはそれぞれ独立的に0、1又は2を表すが、q及びrの和は2以下であり、L3及びL9はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CN、−CF3、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−CH2CF3又はR5と同じ意味を表す。)から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。 一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)において、R5は炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基、炭素数1から12のアルコキシル基、炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された素数1から7のアルキル基又は炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された炭素数2から7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基がより好ましく、具体的には−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましいが、置換する環が芳香環の場合、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましい。 B3、B4及びB5はそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基が酸素原子に置換されているものを含む。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個のCH基が窒素原子に置換されているものを含む)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基もしくはこれらの水素原子がフッ素原子で置換された置換基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基又は1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がさらに好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が特に好ましい。 Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことが好ましいが、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−又は単結合がより好ましく、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−(E体)又は単結合がさらに好ましく、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−又は単結合が特に好ましい。 L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表すが、少なくとも一つはフッ素原子を表すことが好ましく、二つ又は三つのフッ素原子を有することも好ましい。一般式(3a)においては、L1及びL2が水素原子を表し、L4及びL5がフッ素原子を表すこと好ましい。一般式(3b)においては、L6、L7及びL8からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L10、L11及びL12は全て水素原子であることが好ましく、L10、L11及びL12からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L6、L7及びL8は全て水素原子であることが好ましい。一般式(3c)においては、L10及びL11からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L8は水素原子であることが好ましく、L8はフッ素原子を表す場合、L10及びL11は水素原子を表すことが好ましい。 一般式(3a)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3a−1)から一般式(3a−10)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2又は−(CH2)2CH=CHCH3(E体)を表す。) 一般式(3b)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3b−1)から一般式(3b−8)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 一般式(3c)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3c−1)から一般式(3c−3)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 本願発明の液晶組成物においては、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3a)から一般式(3c)からなる群より選ばれる化合物を含有することがより好ましい。 液晶組成物の誘電率異方性は−0.2であることが好ましく、−0.4以下であることがより好ましい。 本発明において、一般式(1)の化合物について、製造例を以下に挙げる。勿論本発明の主旨、及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。 (製法) 一般式(8)(式中、R2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるラクトン誘導体をルイス酸存在下、もしくは非存在下で塩基と反応させてエノラートを生成させる。このとき用いる好ましい塩基の例として金属水素化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アルコラート、金属アミド又は含窒素有機塩基等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属アミド又は含窒素有機塩基が好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化ナトリウム、水素化カリウムを、アルカリ金属アルコラートとしてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドを、アルカリ金属アミドとしてはリチウムジイソプロピルアミド、リチウム 2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、カリウム ヘキサメチルジシラジドを、含窒素有機塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミンのような3級アミンやピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5. 4. 0]-7-ウンデカンをそれぞれ好ましく挙げることができる。 このときルイス酸を共存させても、しなくても良いが、共存させるルイス酸としては、金属ハロゲン化物、金属アルコラート、金属トリフルオロメタンスルホネート等をあげることができる。金属ハロゲン化物としては、塩化チタン、塩化すず、フッ化ホウ素、塩化シラン、塩化ジルコニウム等を、金属アルコラートとしては、チタンテトラアルコキシド、モノクロロチタントリアルコキシド、アルミニウムトリアルコキシド等を、金属トリフルオロメタンスルホネートとしてはジアルキルボロン トリフルオロメタンスルホネート、ジアルキルすず トリフルオロメタンスルホネート等を用いることができる。 ルイス酸と塩基の組み合わせは、特にチタンテトラアルコキシドと3級アミン、チタンテトラアルコキシドとカリウムtert-ブトキシド、ジアルキルボロン トリフルオロメタンスルホネートと3級アミンの組み合わせが好ましい。ルイス酸が共存しない場合は、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム 2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、カリウム ヘキサメチルジシラジドが好ましい。 このとき溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等のエーテル系溶媒及びジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等の塩素系溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。 反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、-78℃から0℃が好ましい。得られたエノレートにさらに一般式(9)(式中、R1及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるアルデヒド誘導体と反応させ、一般式(10)(式中、R1、R2及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。得られた一般式(10) の化合物を水素添加して、一般式(11)(式中、R1、R2及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるラクトン誘導体を得ることができる。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。セル厚3.5μmのVA-LCD用表示セルを作製し、液晶組成物をこのセルに注入して液晶表示装置を構成した。実施例中、測定した特性は以下の通りである。TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)Δε :誘電異方性(25℃及び1kHz)Δn :複屈折(20℃及び589nm)Vth :しきい値電圧(V)(25℃)(実施例1)6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オンの合成。窒素雰囲気下、6‐テトラヒドロピラン-2-オン(14.2 g)及びジイソプロピルエチルアミン(16.8 g)のジクロロメタン(100 mL)溶液に、-78℃でジブチルボリル トリフルオロメタンスルホネートの1.1 mol/Lジクロロメタン溶液(109 mL)を滴下した。1時間攪拌した後、トランス-4-プロピルビシクロヘキシル-4-イルアセトアルデヒド(20.0 g)のジクロロメタン(40 mL)溶液を滴下した。1時間かけて−20℃まで昇温した。反応溶液を10%塩酸にあけてしばらく撹拌した後、有機層を分取し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、粗生成物34.2 gを得た。粗生成物(34.2 g)とパラジウム/炭素(50%含水品、3.2 g)のテトラヒドロフラン(250 mL)を、水素雰囲気下(0.5 Mpa)室温で5時間攪拌した。セルロースを用いてろ過し、ろ液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、再結晶をおこなうことにより、6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン(6.98 g)を白色粉末として得た。融点 175℃MS m/z : 376 (M+, 100)1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ(ppm): 0.80-1.05 (m, 10H), 0.86 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 1.08 1.62 (m, 14 H), 1.64 1.80 (m, 9 H), 1.84 2.00 (m, 2 H), 2.00 2.12 (m, 1 H), 2.30 2.44 (m, 1 H), 4.21 4.31 (m, 1H).(実施例2)組成物の調製1以下の組成からなるホスト液晶組成物(H1)を調製した。ここで(H1)の物性値は以下の通りである。 ネマチック相上限温度(TN-I): 103.0 ℃ 誘電率異方性(Δε): 0.04 屈折率異方性(Δn): 0.0983この母体液晶(H)90%と実施例1で得られた6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン10%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。 ネマチック相上限温度(TN-I): 107.5 ℃ 誘電率異方性(Δε): -0.53 屈折率異方性(Δn): 0.0951 本発明の化合物(1)を含有する液晶組成物(M-1)は、母体液晶(H)に比べ、ネマチック相上限温度(TN-I)は上昇し、誘電率異方性(Δε)は減少して負の値となった。このことから、本発明の化合物は(1)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。 (実施例3及び比較例1) 液晶組成物の調整2 以下の液晶組成物(H2)を作成した。実施例3の液晶組成物として、実施例1で得られた6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン 10%及び(H2)の90%からなる液晶組成物(M−2)を調整した。 比較例として(H2)を含めたこれらの液晶組成物の物性を測定しその結果を表1に示す。 表1より、実施例3は大きい負の誘電率異方性の絶対値を有することがわかる。 本発明の液晶組成物により、優れた表示品位のVA型液晶表示素子を作成することができた。一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物。一般式(1)において、R1及びR2がそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を表す請求項1記載の化合物。一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物を含有し、誘電率異方性が負であることを特徴とするネマチック液晶組成物。一般式(2)(式中、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B1及びB2はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y1及びY2はそれぞれ独立的に−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、Y2及びB2が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、pは0、1又は2を表す。)で表される化合物を1種以上含有する請求項3記載の液晶組成物。一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)からなる群(式中、R5は水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B3、B4及びB5はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、q及びrはそれぞれ独立的に0、1又は2を表すが、q及びrの和は2以下であり、L3及びL9はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CN、−CF3、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−CH2CF3又はR5と同じ意味を表す。)から選ばれる1種以上の化合物を含有する請求項3又は4記載の液晶組成物。一般式(1)で表される化合物の含有率が2から30質量%の範囲である請求項3から5のいずれかに記載の液晶組成物。誘電率異方性値が−2以下である請求項3から6のいずれかに記載の液晶組成物。請求項3から7のいずれかに記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。アクティブマトリックス方式である請求項8記載の液晶表示素子。配向膜の配向方向が基盤面に対して垂直である請求項9記載の液晶表示素子。 【課題】 6員環ラクトン骨格を有する誘電率異方性が負であって絶対値の大きい液晶化合物提供し、さらにそれを用いたn型液晶組成物及び当該液晶組成物を構成部材とするVA方式用の液晶表示素子を提供する。【解決手段】 一般式(1)【化1】で表される化合物及びこれを用いた液晶組成物、さらにこれを用いた液晶表示素子を提供する。当該化合物は誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、屈折率の異方性が小さい特徴を有する。当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子は、垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子として有用である【選択図】 なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び液晶組成物

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び液晶組成物
出願番号:2004191207
年次:2011
IPC分類:C07D 309/30,C09K 19/34,C09K 19/42,G02F 1/13


特許情報キャッシュ

岩窪 昌幸 楠本 哲生 JP 4735928 特許公報(B2) 20110513 2004191207 20040629 6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び液晶組成物 DIC株式会社 000002886 河野 通洋 100124970 岩窪 昌幸 楠本 哲生 20110727 C07D 309/30 20060101AFI20110707BHJP C09K 19/34 20060101ALI20110707BHJP C09K 19/42 20060101ALI20110707BHJP G02F 1/13 20060101ALI20110707BHJP JPC07D309/30 DC09K19/34C09K19/42G02F1/13 C07D 309/30 C09K 19/ G02F 1/ CA/REGISTRY(STN) 特開昭57−114532(JP,A) 特開平01−199959(JP,A) 特開平06−025210(JP,A) 9 2006008632 20060112 17 20070608 井上 典之 本発明は、6員環ラクトン骨格を有する液晶性化合物及び当該化合物を構成部材とする誘電率異方性が負の液晶組成物、さらに、当該液晶組成物を構成部材とする液晶表示素子に関する。 液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとしては、家庭用各種電気機器、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式として、VA方式は高速で広視野角の要求される表示素子として、特にテレビ等への応用が現在も期待されている。 これまで、VA方式に必要は誘電率異方性が負の液晶材料についてはそれほど多くの化合物が知られているわけではない。実際には2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基を有する化合物(特許文献1参照)に限られているのが実情である。そのため、Δεの絶対値が十分に大きくないことから低電圧駆動等の特性に問題があった。 一方、6員環ラクトン構造を有する液晶化合物のいくつかは既に知られている(特許文献2及び3参照)。しかしながら、従来6員環ラクトン構造を有する化合物はエステル構造を有することから、主として誘電性液晶組成物への応用が検討されてきた。そのため、ネマチック液晶、特にn型ネマチック液晶組成物への応用は遅れていた。特開昭57−114532号公報(2頁)特開平1−199959号公報(2頁)特開平6−25210号公報(2頁) 本発明が解決しようとする課題は、6員環ラクトン骨格を有する誘電率異方性が負であって絶対値の大きい液晶化合物提供し、さらにそれを用いたn型液晶組成物及び当該液晶組成物を構成部材とするVA方式用の液晶表示素子を提供することにある。 本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物及びこれを用いた液晶組成物、さらにこれを用いた液晶表示素子を提供する。 本発明のラクトン誘導体は、誘電率異方性が負であってその絶対値が大きく、屈折率の異方性が小さい特徴を有する。当該化合物を構成部材とする液晶組成物及び液晶表示素子は、垂直配向方式、IPS等の液晶表示素子として有用である。一般式(1)で表される化合物は多くの化合物を包含するものであるが、次に記載の化合物が好ましい。 一般式(1)においてR1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシル基を表すことが好ましく、具体的には-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-OCH3、-OCH2CH3、-O(CH2)2CH3、-O(CH2)3CH3又は-O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましい。 さらに詳述すると、一般式(1)の化合物の中で、特に好ましい化合物として式群1に記載した化合物を挙げることができる。(式中、R1及びR2は各々独立的に-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3を表す。) 一般式(1)で表される化合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第一成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の第二から第四成分から少なくとも1種含有することが好ましい。 本願発明においては、一般式(1)で表される化合物を含有する液晶組成物を提供する。この場合、一般式(1)で表される化合物を1種のみ含有していても良く、2種以上含有することも好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有率は、2から40質量%が好ましく、2から30質量%であることがより好ましい。 本願発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物以外に一般式(2)(式中、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B1及びB2はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、Y2及びB2が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、pは0、1又は2を表す。)で表される化合物を化合物を含有することが好ましい。 一般式(2)において、R3及びR4はそれぞれ独立的に、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基、炭素数1から12のアルコキシル基、炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された素数1から7のアルキル基又は炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された炭素数2から7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基がより好ましく、具体的には−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましいが、置換する環が芳香環の場合、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましい。 B1及びB2はそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基が酸素原子に置換されているものを含む。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個のCH基が窒素原子に置換されているものを含む。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基もしくはこれらの水素原子がフッ素原子で置換された置換基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基又は1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がさらに好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が特に好ましい。 Y1及びY2はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことが好ましいが、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがより好ましく、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−C≡C−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことがさらに好ましく、−CH2CH2−又は単結合を表すことが特に好ましい。 pは1又は2を表すことが好ましい。 一般式(2)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(2−1)から一般式(2−22)で表される構造が好ましい。(式中、R13及びR14は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 本願発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物以外に一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)からなる群(式中、R5は水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B3、B4及びB5はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子又は硫黄原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、q及びrはそれぞれ独立的に0、1又は2を表すが、q及びrの和は2以下であり、L3及びL9はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CN、−CF3、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−CH2CF3又はR5と同じ意味を表す。)から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。 一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)において、R5は炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基、炭素数1から12のアルコキシル基、炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された素数1から7のアルキル基又は炭素数1から5のアルコキシル基によって置換された炭素数2から7のアルケニル基を表すことが好ましく、炭素数1から12のアルキル基、炭素数2から12のアルケニル基がより好ましく、具体的には−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましいが、置換する環が芳香環の場合、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−(CH2)7CH3、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−(CH2)4CH=CH2、−(CH2)4CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表すことが特に好ましい。 B3、B4及びB5はそれぞれ独立的に、トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基が酸素原子に置換されているものを含む。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個のCH基が窒素原子に置換されているものを含む)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基もしくはこれらの水素原子がフッ素原子で置換された置換基を表すことが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基又は1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基がさらに好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基が特に好ましい。 Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、又は単結合を表すことが好ましいが、−CH2CH2−、−CH=CH−(E体)、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−(E体)、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−又は単結合がより好ましく、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−(E体)又は単結合がさらに好ましく、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−又は単結合が特に好ましい。 L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表すが、少なくとも一つはフッ素原子を表すことが好ましく、二つ又は三つのフッ素原子を有することも好ましい。一般式(3a)においては、L1及びL2が水素原子を表し、L4及びL5がフッ素原子を表すこと好ましい。一般式(3b)においては、L6、L7及びL8からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L10、L11及びL12は全て水素原子であることが好ましく、L10、L11及びL12からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L6、L7及びL8は全て水素原子であることが好ましい。一般式(3c)においては、L10及びL11からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L8は水素原子であることが好ましく、L8はフッ素原子を表す場合、L10及びL11は水素原子を表すことが好ましい。 一般式(3a)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3a−1)から一般式(3a−10)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2又は−(CH2)2CH=CHCH3(E体)を表す。) 一般式(3b)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3b−1)から一般式(3b−8)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 一般式(3c)で表される化合物は具体的には次に記載する一般式(3c−1)から一般式(3c−3)で表される構造が好ましい。(式中、R5及びR15は各々独立的に−CH3、−CH2CH3、−(CH2)2CH3、−(CH2)3CH3、−(CH2)4CH3、−(CH2)5CH3、−(CH2)6CH3、−CH=CH2、−CH=CHCH3(E体)、−(CH2)2CH=CH2、−(CH2)2CH=CHCH3(E体)、−OCH3、−OCH2CH3、−O(CH2)2CH3、−O(CH2)3CH3又は−O(CH2)4CH3を表す。) 本願発明の液晶組成物においては、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3a)から一般式(3c)からなる群より選ばれる化合物を含有することがより好ましい。 液晶組成物の誘電率異方性は−0.4以下であることが好ましい。 本発明において、一般式(1)の化合物について、製造例を以下に挙げる。勿論本発明の主旨、及び適用範囲は、これら製造例により制限されるものではない。 (製法) 一般式(8)(式中、R2は一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるラクトン誘導体をルイス酸存在下、もしくは非存在下で塩基と反応させてエノラートを生成させる。このとき用いる好ましい塩基の例として金属水素化物、金属炭酸塩、金属水酸化物、金属カルボン酸塩、金属アルコラート、金属アミド又は含窒素有機塩基等を挙げることができ、中でもアルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属アミド又は含窒素有機塩基が好ましい。アルカリ金属水素化物としては水素化ナトリウム、水素化カリウムを、アルカリ金属アルコラートとしてはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドを、アルカリ金属アミドとしてはリチウムジイソプロピルアミド、リチウム 2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、カリウム ヘキサメチルジシラジドを、含窒素有機塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミンのような3級アミンやピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5. 4. 0]-7-ウンデカンをそれぞれ好ましく挙げることができる。 このときルイス酸を共存させても、しなくても良いが、共存させるルイス酸としては、金属ハロゲン化物、金属アルコラート、金属トリフルオロメタンスルホネート等をあげることができる。金属ハロゲン化物としては、塩化チタン、塩化すず、フッ化ホウ素、塩化シラン、塩化ジルコニウム等を、金属アルコラートとしては、チタンテトラアルコキシド、モノクロロチタントリアルコキシド、アルミニウムトリアルコキシド等を、金属トリフルオロメタンスルホネートとしてはジアルキルボロン トリフルオロメタンスルホネート、ジアルキルすず トリフルオロメタンスルホネート等を用いることができる。 ルイス酸と塩基の組み合わせは、特にチタンテトラアルコキシドと3級アミン、チタンテトラアルコキシドとカリウムtert-ブトキシド、ジアルキルボロン トリフルオロメタンスルホネートと3級アミンの組み合わせが好ましい。ルイス酸が共存しない場合は、リチウム ジイソプロピルアミド、リチウム 2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、カリウム ヘキサメチルジシラジドが好ましい。 このとき溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒、塩素系溶、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、極性溶媒等を好ましく用いることができる。エーテル系溶媒としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル等を、塩素系溶媒としてはジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等を、芳香族系溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を、極性溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を好例として挙げることができる。中でも、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等のエーテル系溶媒及びジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等の塩素系溶媒がより好ましい。また、前記の各溶媒を単独で使用しても、2種もしくはそれ以上の溶媒を混合して使用してもよい。 反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、-78℃から0℃が好ましい。得られたエノレートにさらに一般式(9)(式中、R1及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるアルデヒド誘導体と反応させ、一般式(10)(式中、R1、R2及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る。得られた一般式(10) の化合物を水素添加して、一般式(11)(式中、R1、R2及びnはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表されるラクトン誘導体を得ることができる。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。セル厚3.5μmのVA-LCD用表示セルを作製し、液晶組成物をこのセルに注入して液晶表示装置を構成した。実施例中、測定した特性は以下の通りである。TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)Δε :誘電異方性(25℃及び1kHz)Δn :複屈折(20℃及び589nm)Vth :しきい値電圧(V)(25℃)(実施例1)6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オンの合成。窒素雰囲気下、6‐テトラヒドロピラン-2-オン(14.2 g)及びジイソプロピルエチルアミン(16.8 g)のジクロロメタン(100 mL)溶液に、-78℃でジブチルボリル トリフルオロメタンスルホネートの1.1 mol/Lジクロロメタン溶液(109 mL)を滴下した。1時間攪拌した後、トランス-4-プロピルビシクロヘキシル-4-イルアセトアルデヒド(20.0 g)のジクロロメタン(40 mL)溶液を滴下した。1時間かけて−20℃まで昇温した。反応溶液を10%塩酸にあけてしばらく撹拌した後、有機層を分取し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、粗生成物34.2 gを得た。粗生成物(34.2 g)とパラジウム/炭素(50%含水品、3.2 g)のテトラヒドロフラン(250 mL)を、水素雰囲気下(0.5 Mpa)室温で5時間攪拌した。セルロースを用いてろ過し、ろ液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、再結晶をおこなうことにより、6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン(6.98 g)を白色粉末として得た。融点 175℃MS m/z : 376 (M+, 100)1H-NMR (400 MHz, CDCl3)δ(ppm): 0.80-1.05 (m, 10H), 0.86 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 1.08 1.62 (m, 14 H), 1.64 1.80 (m, 9 H), 1.84 2.00 (m, 2 H), 2.00 2.12 (m, 1 H), 2.30 2.44 (m, 1 H), 4.21 4.31 (m, 1H).(実施例2)組成物の調製1以下の組成からなるホスト液晶組成物(H1)を調製した。ここで(H1)の物性値は以下の通りである。 ネマチック相上限温度(TN-I): 103.0 ℃ 誘電率異方性(Δε): 0.04 屈折率異方性(Δn): 0.0983この母体液晶(H)90%と実施例1で得られた6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン10%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。 ネマチック相上限温度(TN-I): 107.5 ℃ 誘電率異方性(Δε): -0.53 屈折率異方性(Δn): 0.0951 本発明の化合物(1)を含有する液晶組成物(M-1)は、母体液晶(H)に比べ、ネマチック相上限温度(TN-I)は上昇し、誘電率異方性(Δε)は減少して負の値となった。このことから、本発明の化合物は(1)は、高い温度でも安定してネマチック相を発現し、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。 (実施例3及び比較例1) 液晶組成物の調整2 以下の液晶組成物(H2)を作成した。実施例3の液晶組成物として、実施例1で得られた6-プロピル-3-[2-(4'-プロピルビシクロヘキシル-4-イル)エチル]テトラヒドロピラン-2-オン 10%及び(H2)の90%からなる液晶組成物(M−2)を調整した。 比較例として(H2)を含めたこれらの液晶組成物の物性を測定しその結果を表1に示す。 表1より、実施例3は大きい負の誘電率異方性の絶対値を有することがわかる。 本発明の液晶組成物により、優れた表示品位のVA型液晶表示素子を作成することができた。一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物。一般式(1)において、R1及びR2がそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を表す請求項1記載の化合物。一般式(1) (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物を含有するネマチック液晶組成物。一般式(2)(式中、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B1及びB2はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Y2及びB2が複数存在する場合は、それらは同一でも良く異なっていても良く、pは0、1又は2を表す。)で表される化合物を1種以上含有する請求項3記載の液晶組成物。一般式(3a)、一般式(3b)及び一般式(3c)からなる群(式中、R5は水素原子、炭素数1から12のアルキル基又は炭素数2から12のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は酸素原子に置換されても良く、又、これらの基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子に置換されても良く、B3、B4及びB5はそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個のCH2基は酸素原子に置換されても良い。)、1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個又は2個以上のCH基は窒素原子に置換されても良い。)、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表し、これらの基中に存在する水素原子は−CN又はハロゲンで置換されていても良く、Y3、Y4及びY5はそれぞれ独立的に−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CF2CF2−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−OCH(CH3)−、−CH(CH3)O−、−(CH2)4−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−C≡C−、−CF2O−、−OCF2−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−又は単結合を表し、L1、L2、L4、L5、L6、L7、L8、L10、L11及びL12はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表すが、一般式(3a)においては、L1及びL2が水素原子を表し、L4及びL5がフッ素原子を表し、一般式(3b)においては、L6、L7、L8、L10、L11及びL12のうち少なくとも一つはフッ素原子を表し、L6、L7及びL8からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L10、L11及びL12は全て水素原子を表し、L10、L11及びL12からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L6、L7及びL8は全て水素原子を表し、一般式(3c)においては、L8、L10及びL11のうち少なくとも一つはフッ素原子を表し、L10及びL11からなる置換基群に一つでもフッ素原子が置換している場合、L8は水素原子を表し、L8がフッ素原子を表す場合、L10及びL11は水素原子を表し、q及びrはそれぞれ独立的に0、1又は2を表すが、q及びrの和は2以下であり、L3及びL9はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、−CN、−CF3、−OCH2F、−OCHF2、−OCF3、−CH2CF3又はR5と同じ意味を表す。)から選ばれる1種以上の化合物を含有する請求項3又は4記載の液晶組成物。一般式(1)で表される化合物の含有率が2から30質量%の範囲である請求項3から5のいずれかに記載の液晶組成物。請求項3から6のいずれかに記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子。アクティブマトリックス方式である請求項7記載の液晶表示素子。配向膜の配向方向が基盤面に対して垂直である請求項8記載の液晶表示素子。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る