生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_IgE抗体抑制剤および食品
出願番号:2004186898
年次:2006
IPC分類:A61K 31/724,A23L 1/30,A61P 11/02,A61P 11/06,A61P 17/00,A61P 37/06,A61P 37/08,C08B 37/16


特許情報キャッシュ

寺尾 啓二 舘 巌 中田 大介 JP 2006008568 公開特許公報(A) 20060112 2004186898 20040624 IgE抗体抑制剤および食品 株式会社シクロケム 503065302 藤野 清也 100090941 藤野 清規 100076244 吉見 京子 100113837 後藤 さなえ 100127421 寺尾 啓二 舘 巌 中田 大介 A61K 31/724 20060101AFI20051209BHJP A23L 1/30 20060101ALI20051209BHJP A61P 11/02 20060101ALI20051209BHJP A61P 11/06 20060101ALI20051209BHJP A61P 17/00 20060101ALI20051209BHJP A61P 37/06 20060101ALI20051209BHJP A61P 37/08 20060101ALI20051209BHJP C08B 37/16 20060101ALI20051209BHJP JPA61K31/724A23L1/30 ZA61P11/02A61P11/06A61P17/00A61P37/06A61P37/08C08B37/16 4 OL 7 4B018 4C086 4C090 4B018MD36 4B018ME07 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA20 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086NA06 4C086NA14 4C086ZA34 4C086ZA59 4C086ZA89 4C086ZB08 4C086ZB13 4C090AA09 4C090BA09 4C090DA09 4C090DA23 4C090DA27 本発明は、新規なIgE抗体抑制剤および食品の提供に関する。更に詳しくは、αシクロデキストリンを含有せしめることを特徴とするアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制剤および食品の提供に関する。 アレルギー疾患の罹患率及び死亡率は食生活や居住環境の変化等に伴い、この10年間で世界的に増加傾向にある。現在わが国では3名に1名が、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患の症状を示している(例えば、非特許文献1参照)。 これらの症状は、体内で起こる抗原抗体反応により免疫グロブリン(IgE)が産生され、これが結果的に肥満細胞の細胞膜を刺激しヒスタミン、ロイコトリエンを放出することによって起こることが知られている。放出されたこれらの物質は血管透過性を促進させる、平滑筋を収縮させる等の作用があるため、白血球やたんぱく質が血管から漏出したり、あるいは炎症により気管支を収縮させ喘息を起こしたりする。アレルギー症状を軽減するためには、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、クロモリン、トラニラスト等の肥満細胞膜安定化剤、あるいは副腎皮質ホルモン等が経口投与により、あるいは軟膏として用いられてきた。 しかしながら、抗ヒスタミン剤は眠気や口渇等の副作用があり、また、肥満細胞安定剤はすでに起こってしまった症状を軽減する効果は期待できない。一方、副腎皮質ホルモンは、胃腸障害、肝臓障害、糖尿病、高血圧等の副作用を伴う。さらに、これらは、いずれも一時的な治療に用いられ、使用を中断すれば再び症状が出る等の問題があった。 そこで、副作用が少なく安全なIgE抗体抑制剤として、こんにゃく精粉から得た食物繊維を90%以上含量する精製グルコマンナンを用い、粉砕処理を施すことで易水溶性としたIgE抗体抑制剤が開発されている。これは、こんにゃくを由来とすることから食品としても利用できる(例えば、特許文献1参照)。しかし、このIgE抗体抑制剤および食品は製造に手間がかかるため、より簡便に製造ができ、かつ安全に摂取できるIgE抗体抑制剤および食品の提供が望まれている。新薬開発の現状と将来 1991年度版、株式会社シードプランニング特開2003−55233号公報 本発明は、このような副作用がなく、簡易に製造し、安全に摂取することのできる新規なIgE抗体抑制剤および食品の提供を課題とする。 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、αシクロデキストリンがIgE抗体抑制能を有することを見出した。αシクロデキストリンは血糖値低下効果や、中性脂肪減少効果を有する難消化性デキストリンで、機能性食品添加物として市販されている。本発明者らは、このαシクロデキストリンを添加することで、IgEアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制剤および食品が得て、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は次の(1)〜(4)である。(1)αシクロデキストリンを含有せしめることを特徴とするアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制剤。(2)アレルギー疾患が気管支喘息、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性鼻炎である前記(1)に記載のIgE抗体抑制剤。(3)αシクロデキストリンを含有せしめることを特徴とするアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制食品。(4)アレルギー疾患が気管支喘息、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性鼻炎である前記(3)に記載のIgE抗体抑制食品。 本発明のIgE抗体抑制剤および食品は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患に有効である。これらのIgE抗体抑制剤および食品は、機能性食品添加物として認可されているαシクロデキストリンを有効成分として含むことから、安全性が高く、広く一般に簡単に利用され得る。 本発明の有効成分に含まれるαシクロデキストリンは、トウモロコシ、ジャガイモ等の天然物から製造したものを用いることができるが、安価に利用できるトウモロコシが特に好ましい。また、本発明のαシクロデキストリンには市販のαシクロデキストリンも用いられる。本発明のIgE抗体抑制剤は粉末、顆粒、カプセル、チュアブル、錠剤等の形態で用いることができる。この場合、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の製剤に通常用いられている添加物を加えて、適宜製剤することができる。また、必要な場合は、製剤上普通に知られている結合剤、崩壊剤、界面活性剤、矯味剤、着色料、香料等を直接添加しても良い。このIgE抗体抑制剤および食品における成人の1日の有効摂取量は、有効成分として含まれるαシクロデキストリンの含有量が100mg、好ましくは5g以上であり、上限は特にない。症状に応じて摂取することが好ましい。摂取はいつでも可能であるが、睡眠前か、朝、昼、夜の食事時または食間に経口的に摂取することが好ましい。 本発明のIgE抗体抑制食品にはαシクロデキストリンを含有させた液状、ゲル状、ゾル状、固形状等の食品が含まれる。液状の食品としては、ミネラルウォーター、お茶、スポーツドリンク、リンゴジュース、オレンジジュース、ビール、ワイン等の飲料にαシクロデキストリンを溶かしたIgE抗体抑制飲料が例示される。また、ゲル状の食品としては、αシクロデキストリンを含む固形状ゼリー、豆腐、卵豆腐等が含まれる。また、ゾル状の食品としてはαシクロデキストリンを含む液状ゼリー等が含まれる。さらに固形状の食品としては、米、穀物粉等にαシクロデキストリンを添加して、αシクロデキストリンを含むように炊飯・調理・加工し、可食状態とした食品が含まれ、例えば精白米または玄米を炊飯した米飯や、または穀物粉を主原料とする加工食品、例えばうどん、素麺、そば、中華麺、焼きそば、マカロニ、春雨、ビーフン等の麺類、餅、各種パン類等も含まれる。米飯食品には、カレーライス等の各種具材が添加されているもの、電子レンジ等で加熱すれば食することができるようパック詰めされた常温保存米飯、チルド米飯、冷凍米飯をも含み、麺類は生麺、乾麺のいずれをも含む。IgE抗体抑制剤の製造 トウモロコシから得られるデンプンの酵素反応によって製造したαシクロデキストリンを含むCAVAMAX W6 Food(商標登録、Wacker社製)をIgE抗体抑制剤とした。このIgE抗体抑制剤は、成人1人当たりの摂取量として、1日当り5g〜15gを目安として直接あるいは水等の液体に溶かしたり、米等の食品に混ぜたりすることで経口摂取した。IgE抗体抑食品の製造(1)トウモロコシから得られるデンプンの酵素反応によって製造したαシクロデキストリンを含むCAVAMAX W6 Food(商標登録、Wacker社製)を5g/100mlとなるようにミネラルウォーター、お茶、スポーツドリンク、リンゴジュース、オレンジジュース、ビール、ワイン等の飲料に溶かし、IgE抗体抑制飲料を製造した。(2)またαシクロデキストリンを精米または玄米1合当り5g含むIgE抗体抑制米飯を製造した。さらにこのIgE抗体抑制米飯を用いたおにぎりやリゾット、カレーライス等のレトルト食品を製造した。(3)また、αシクロデキストリンを100g当り6g含むうどん、素麺、そば、中華麺、焼きそば、マカロニ、春雨、ビーフン等のIgE抗体抑制麺を製造した。αシクロデキストリンを添加することによる、これらの飲料または食品における味覚変化の影響はなかった。試験例1(1)試験方法 実施例1で得たIgE抗体抑制剤5gを100mlの水に溶かして、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎のそれぞれの症状を示す被験者に、毎日睡眠前に、2ヶ月に亘って服用してもらい、その症状の変化を報告した。(2)結果 気管支喘息の症状を示す被験者4名のうち、いずれの被験者においても試験以前に使用していたステロイド類、気管支拡張剤等を使用することなく症状が消失し、4名全員が完治した。また、アトピー性皮膚炎の症状を示す被験者7名のうち2名においては、皮膚の発赤、出血、浮腫、乾燥皮膚、痒み等の症状が消失し、問題のあった皮膚部と普通の皮膚部が識別できない程に完治した。また、4名においては、皮膚部の識別はできるが痒みが殆どなくなり、症状が改善した。効果不明は1名のみであった。さらに、アレルギー性鼻炎の症状を示す被験者12名のうち、7名においては、翌年の春には花粉症等の症状が全く出ない程に完治した。また、3名においては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが軽減し、症状が改善した。効果不明は2名のみであった。それぞれのアレルギー症状に対するIgE抗体抑制剤の効果を患者の性別、年齢とともに表1に示した。試験例2 なお、喘息の治癒例として、完治した47歳の男性の経歴は次のようである。子供時代は小児喘息であり、中学時代に野球を始め、喘息は一旦治まった。36歳で再び喘息が発生し、以降月1回喘息が起こり、10年間続き、年齢とともに発作が激しくなっていた。その間、ステロイド剤、抗生物質、経口消炎解熱剤を服用していた。本発明の実施例1によるIgE抗体抑制剤を試験例1と同様に服用し、2ヶ月試験した。試験以前より、飲酒、喫煙も継続しているが喘息の症状は全く現れなかった。また、その後半年服用を継続しているが、症状は現れなかった。 従って、本発明のIgE抗体阻害剤が、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患に高い治癒率を有することが示された。効果不明の場合の被験者においても、さらに継続して摂取することで症状の改善や完治が期待され得る。 気管支喘息/完治:症状消失、改善:咳き込み回数の減少、効果不明:変化なし アレルギー性皮膚炎/完治:症状消失、改善:痒みの減少、効果不明:変化なし アレルギー性鼻炎/完治:症状消失、改善:くしゃみ、鼻づまり、鼻水の減少、 効果不明:変化なし 本発明のIgE抗体抑制剤および食品は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患に有効である。これらのIgE抗体抑制剤および食品は、機能性食品として安全性を認められ、さらに安価かつ大量に得られるαシクロデキストリンを有効成分として用いていることから、経済性が高く、広く一般に利用され得る。αシクロデキストリンを含有せしめることを特徴とするアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制剤。アレルギー疾患が気管支喘息、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性鼻炎である請求項1に記載のIgE抗体抑制剤。αシクロデキストリンを含有せしめることを特徴とするアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制食品。アレルギー疾患が気管支喘息、アトピー性皮膚炎またはアレルギー性鼻炎である請求項3に記載のIgE抗体抑制食品。 【課題】 本発明は、安全で高い治癒率を示すIgE抗体抑制剤および食品の提供を課題とする。【解決手段】αシクロデキストリンを有効成分に含有せしめることで、IgEアレルギー疾患の改善に効果を有するIgE抗体抑制剤および食品。【選択図】 なし


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