タイトル: | 公開特許公報(A)_プラスチック製品の形状保持特性の評価方法 |
出願番号: | 2004186029 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | G01N 25/20 |
水沼 考二 JP 2006010425 公開特許公報(A) 20060112 2004186029 20040624 プラスチック製品の形状保持特性の評価方法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 中山 亨 100113000 榎本 雅之 100119471 水沼 考二 G01N 25/20 20060101AFI20051209BHJP JPG01N25/20 B 2 1 OL 4 2G040 2G040AA00 2G040AB05 2G040AB12 2G040BA25 2G040CA03 2G040CA11 2G040EC09 本発明は、プラスチック製品の形状保持特性の評価方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、プラスチック製品の形状保持特性の評価方法であって、少量のサンプルで正確かつ迅速に測定することで評価できるという優れた効果を有するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法に関するものである。 本発明における「形状保持特性」とは、成形加工したプラスチックがその形状を保持する性質を意味する。 天然及び合成樹脂を主原料にした成形品等のプラスチック製品の形状保持特性は、製品を成形加工時の安定した形状で使用するための観点から重要な特性である。 プラスチック製品の形状保持特性の評価方法としては、例えば寸法安定性及び残留歪の測定法(非特許文献1参照。)や、一般的には温度による形状変化を直接目視観察する方法が知られている。 しかしながら、従来の方法においては、プラスチックの種類によっては評価が困難であったり、あるいは少量サンプルで正確かつ迅速に評価できないという問題点があった。「高分子材料の試験方法と評価」高分子学会編(培風館) かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、プラスチック製品の形状保持特性を評価方法であって、少量のサンプルで正確かつ迅速に測定することで評価できるという優れた効果を有するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法を提供する点にある。 すなわち、本発明は、プラスチック製品の形状保持特性を評価する方法であって、プラスチック製品を形成するプラスチックをDSC法(示差走査熱量分析法)による測定に付し、該測定結果によりプラスチック製品中の歪応力を測定するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法に係るものである。 本発明により、プラスチック製品の形状保持特性を評価方法であって、少量のサンプルで正確かつ迅速に測定することで評価できるという優れた効果を有するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法を提供することができる。 本発明にいうプラスチック製品とは、熱可塑性樹脂を使用した成形品として、例えば糸、フィルム、シート及びボトル等各種成形品等をあげることができる。プラスチックとしては、一例としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、各種ナイロン等をあげることができる。 プラスチック製品の形状保持特性とは、成形加工したプラスチックがその形状を保持する性質を意味する。 本発明においては、該プラスチックをDSC法(示差走査熱量分析法)による測定結果により製品中の歪応力を測定する。 DSC法(示差走査熱量分析法)とは、試料と基準物質の温度を一定のプログラムに従って変化させながら、その試料と基準物質へ流入する熱量差を温度の関数として測定する方法である。DSC法に内でも、温度変調DSC法を用い、不可逆的吸熱を測定することが、評価の正確性の観点から好ましい。ここで、温度変調DSC法とは、通常のリニアー昇温の上にサイン波状あるいはステップ状に温度変調を加えて昇温する測定法であり、不可逆的吸熱とは歪による応力緩和である。 本発明によりプラスチック製品の形状保持特性を評価できる理由は次のとおりである。 本発明によると、プラスチック中に残存する歪応力が形状を変化させる原因となるが、DSC法はこの歪応力を少量サンプルで正確・迅速に測定できるのである。 次に、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。 実施例1 ポリエチレンを用いた繊維状成形品(A品及びB品)の一部をそのまま切り出し(約5mg)サンプリングした。DSC(パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSC)及び温度変調DSC(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製MDSC)を予熱処理なし(1st Run)、それぞれ通常条件で測定した。DSC測定では僅かな吸熱ピークが、温度変調DSCでは明確な不可逆的吸熱ピークがそれぞれ約45℃(A品)及び約60℃(B品)付近に観測され、製品のこの温度での変形が評価された。 これらの繊維状成形品を用いて編んだネットを加熱試験した。A品では約45℃付近でB品では約60℃付近で縮み変形が観察された。 ポリエチレン性延伸フィルムの一部をそのまま切り抜き(約5mg)サンプリングし、温度変調DSCを1st Runの通常条件で測定した。約35℃付近に明確な不可逆的吸熱ピークが観測された。この延伸フィルムは目的の約35℃付近で熱固定されていることが確認できた。 比較例1 通常のフィルム変形観察では大きな変化が見られなかった。実施例1のポリエチレンフィルムのDSCチャートである。「←」(矢印)のピークが不可逆的吸熱ピークである。プラスチック製品の形状保持特性を評価する方法であって、プラスチック製品を形成するプラスチックをDSC法(示差走査熱量分析法)による測定に付し、該測定結果によりプラスチック製品中の歪応力を測定するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法。温度変調DSC法により不可逆的吸熱を測定する請求項1記載の方法。 【課題】 プラスチック製品の形状保持特性を評価方法であって、少量のサンプルで正確かつ迅速に測定することで評価できるという優れた効果を有するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法を提供する。【解決手段】 プラスチック製品の形状保持特性を評価する方法であって、プラスチック製品を形成するプラスチックをDSC法(示差走査熱量分析法)による測定に付し、該測定結果によりプラスチック製品中の歪応力を測定するプラスチック製品の形状保持特性の評価方法。DSC法に内でも、温度変調DSC法を用い、不可逆的吸熱を測定することが、評価の正確性の観点から好ましい。ここで、温度変調DSC法とは、通常のリニアー昇温の上にサイン波状あるいはステップ状に温度変調を加えて昇温する測定法であり、不可逆的吸熱とは歪による応力緩和である。【選択図】 図1