タイトル: | 公開特許公報(A)_リボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節因子及びリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたイニシエーションファクター並びにリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節方法 |
出願番号: | 2004180996 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N15/09 |
保科 定頼 JP 2005230001 公開特許公報(A) 20050902 2004180996 20040618 リボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節因子及びリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたイニシエーションファクター並びにリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節方法 有限会社 マリウス 502210600 高橋 邦明 100116285 保科 定頼 JP 2004012053 20040120 7C12N15/09 JPC12N15/00 A 6 1 OL 10 4B024 4B024AA11 4B024AA20 4B024BA80 4B024CA01 4B024CA11 4B024CA12 4B024CA20 4B024DA02 4B024DA06 4B024FA01 4B024GA30 4B024HA20 本発明は細胞のたんぱく質翻訳調節因子及びイニシエーションファクター並びに細胞のたんぱく質翻訳調節方法に関するものである。 たんぱく質翻訳はリボソームの仲介によってメッセンジャーRNA(以下、「mRNA」とする。)と転移RNA(以下、「tRNA」とする。)の相互作用により行われる。tRNAに備わったアンチコドンは相補的にmRNAに結合するがリボソームにも相互的に作用する。リボソームのtRNA結合部はP site(peptidyl trsnsferase center)と呼ばれ、高Mg2+濃度状態ではmRNAが存在しなくても結合が起こる。P siteは16SリボソームRNA(以下、「16SrRNA」という。)の特定の位置の塩基であろうと考えられている。カリフォルニア大学サンタクルーズのNoller HFらのグループはリボソームのsmall subunitの一部である16SrRNAの966番、1401番のグアニンをメチル化することによってP siteにおけるmRNAとtRNAの結合を阻害することを明らかにした。また、926番のグアニンをメチル化すると先程の高Mg2+濃度状態でのP siteへのtRNA結合を阻害するようになる。これらのリボソームRNA上の位置は古くから微生物に広く塩基配列が保存された領域、すなわちarchae bacteria(古細菌)から原核生物に至るまで16SrRNAに4ヶ所認められ、約20塩基長のオリゴマーとして存在する。これらの保存領域に挟まれた数百塩基長のRNA配列は、属あるいは種として分類学上規定される特異的な菌の集団におおむね一致して同じ配列がみられる。このRNA塩基配列は実際はDNAとしてコードされている。DNAにコードされたRNA塩基配列はrrnオペロンと呼ばれ、二つのプロモーターの後ろに16SrRNA、tRNA、23SrRNA、5SrRNA、tRNAの順にスペーサー領域を介して連結している。それぞれのtRNAは二つのtRNAGluの組み合わせか、あるいはtRNAlleとtRNAAlaの組み合わせで存在し、この2種類のrrnオペロンが数個染色体上に存在する。リボソームRNAの保存領域に関しては重要な機能を担う配列が保存されているとの認識が早くからみられ、リボソームRNA上の1本鎖RNA構造にその機能が託されていると考え、その検索がアミノアシルtRNAの解析方法に則って行われるようになった。 ドイツのマックスブランク研究所のErdmann VAらのグループは配列が明らかなオリゴヌクレオチドを合成し、リボソームRNAとの相補的結合能をみてリボソームRNAの1本鎖構造上の位置と配列を決定している。すなわちE.coliとB.stearothermophilusの5SrRNA配列の二次構造にみられる1本鎖領域と2本鎖領域が存在することを推定しそれを決定することを行った。彼らはあらかじめ配列のわかっているオリゴマー(3、4塩基)を合成し、常温でハイブリダイズさせ、1本鎖状態を保持している位置と配列を特定している。5SrRNAの約120塩基配列の10番、30番、60番、70番、85番、95番の塩基位置に1本鎖領域が認められ、二次構造が提案されている。 その後ブラウン大学のGerbi SA、エジンバラ大学のCox RAのグループでは、真核細胞同士のリボソームRNAの比較あるいは原核細胞との比較を行って機能部位の検索を行つている。真核生物としてXenopus laevis、Neurospora crassa、Drosophila melanogaster、原核生物としてEscherichia coliを用い28S、23S、18S(真核生物)、16S(原核生物)を対象にしている。ここでもリボソームRNAの機能領域を明確にするため進化の過程で保存された領域に着目している。制限酵素で50〜300塩基毎にマッピングを行いそれについて異種同士から抽出したヌクレオチドをブローブにしてDNA−DNAあるいはDNA−RNAハイブリダイゼーションを行って異種間で共通の塩基配列すなわち保存された領域を特定する作業を行っている。その結果、(1)各種間に普遍的な保存領域が認められ、(2)その保存領域はリボソームRNAのDNAコード領域内に認められスベーサー領域にはほとんど認められない。(3)18SrRNAあるいは16SrRNAの3’末端側の保存領域は生物全般に広く認められ、mRNAの結合域Shine and Dalgarno boxを強く推定している。(4)16S、18S内には他にもいくつかの保存域がみつけられている。(5)またtRNAの結合域とrRNAのメチル化についての相関についても予想を立てている。 さらにE coli(1978)、Proteus vulgaris(1981)の16SrRNA、Zea maysの葉緑体rRNA(1980)、Saccharomyces cerevisiaeの18SrRNA(1980)、Xenopus laevisの18SrRNA(1981)、ヒトとマウスのミトコンドリア12SrRNA(1980)、S.cerevisiaeミトコンドリア15SrRNA(1980)の塩基配列がほぼ同時期に発表された。また、E.coliの16SrRNAの二次構造が5ヶ所から提出され細菌に普遍的な二次構造として認められた。これによってペプチド結合を触媒するリボソームの機能が保存配列に存在し、二次構造上に位置が推定されることが確実になってきた。このように1980年代初頭になされたリボソームRNAの構造と機能の研究は冒頭に述べたNoller HFらの成果に繋がっていくことになった。 リボソームRNAの保存塩基配列は16SrRNA、18SrRNAの3’末端部にShine and Dalgarno領域があるが、他にもグアニンがメチル化することによって、mRNA、tRNAの結合が阻害される領域として4ヶ所、その他に4ヶ所見出されている。1987年の時点で発明者Hoshina Sらはかかる機能が明らかになる前にそのうちの2ヶ所を任意に用いることで本来無菌的状態を維持している生体部位に起こる細菌感染症を普遍的に検出し、その病原体を識別する方法を提案した(特許第3135909号)。16SrRNAに存在する保存的配列は各々約20塩基あり、生体内でもこれをプライマーとする複製酵素の伸展反応があるのだろうと推定される。そこでこの共通な塩基配列の中から二つを選んでプライマーとし、いわゆる遺伝子増幅を行えば、原因菌に特異的な配列を検出可能な量だけ得られることになるのである。 さらに、細胞のたんぱく質翻訳調節因子としては明確になっていないグロースファクターやホルモンは転写調節を行っている。グロースファクターは、例えば細胞内のリン酸がたんぱく質の受容体を刺激しその刺激が次々と他のたんぱく質に伝達されるという信号伝達が生じ細胞の分裂が促進される。ホルモンは転写調節遺伝子に直接結合しその結果細胞の分裂が促進されることがある。 次にイニシエーションファクターについて述べる。16SrRNAや18SrRNAの塩基配列の中には細菌、真菌、植物、動物など細胞で共通の配列がみられる。特に530ループ、926倍位、1401倍位は塩基配列の共通する領域で二次構造、立体構造も共通した性状を示している。これらの領域は16SrRNAや18SrRNAのP site中に存在しておりmRNAのコドンをtRNAのアンチコドンが認識するデコーディング機能にかかわる部位である。即ちリボソームのsmall subunit(16SrRNA、18SrRNAとリボソームたんぱく質の複合体)にmRNAとtRNAが会合する場所である。 たんぱく質翻訳の開始には、第1段階としてこのP site部位にホルミル化されたメチオニン−tRNA(fMet−tRNAiMet:UAC)とmRNAの転写開始コドン(AUG)が相補的に結合したものが定着する。つぎにリボソームのlarge subunit(23SrRNA、28SrRNAとリボソームたんぱく質の複合体)がかぶさっていわゆるリボソーム粒子が形成される。そして、small subunitとlarge subunitが結合した段階でペプチド鎖伸長反応が始まる。さらにリボソーム、tRNA複合体のmRNAに対する1コドンの移動(トランスロケーション)が引き続いて起こる。このリボソームのsmall subunit中にある530ループ、926倍位、1401倍位は立体構造でその位置を決めると70〜100Åの間に入る。リボソーム上でのたんぱく質翻訳の第1段階ではP siteにfMet−tRNAiMetが結合する反応が起こる時、fMet−tRNAiMetがA siteに誤って結合しなく、引き続きmRNAの開始コドンAUGがfMet−tRNAiMetのアンチコドンと結合する。この時、fMet−tRNAiMetとP siteの結合の後につぎのtRNAが会合してこないことがみられる。さらにlarge subunitが最後まで会合してこないことなど一連の阻害反応がみられ、この現象を担う因子が存在する。 この現象のそれぞれを役割分担してたんぱく質翻訳を開始し、たんぱく質翻訳が順調に正確に進むための働きをしている因子をイニシエーションファクター(Initiation Factor、IF)という。イニシエーションファクターには原核生物ではIF1、IF2、IF3の3種類があり、このうちIF2はGTPを脱リン酸化するGTPaseである。また、IF2はたんぱく質翻訳の第1段階で働きfMet−tRNAiMetがmRNAのAUGに結合する際に関与する。真核生物ではイニシエーションファクターとしてeIF2がIF2と同様の働きをしている。IF1はリボソームsmall subunitに最初に結合してfMet−tRNAiMetがP siteに結合するための空間を提供し、IF3はlarge subunitが結合するのを防ぐ「くさび」の役をしていると考えられるが、IF1とIF3はまだ本体が明らかになっていない。特許第3135909号公報Sadayori Hoshina, Marius Ueffing, and I. Bernard Weinstein.Growth factor-induced DNA synthesis in cells that overproduce protein kinase C.Journal of Cellular Physiology,145: 262-268,1990. 新規のたんぱく質翻訳調節因子及び新規のイニシエーションファクター並びに新規のたんぱく質翻訳調節方法を提供する。 リボソームRNAに存在する保存的配列を合成した1本鎖DNAオリゴマーを細胞内に取込ませると増殖性細胞がさらに増殖することが見出された。 本発明によれば、例えば、細胞を用いて有用たんぱく質を多量に生産できる。再生医療で組織細胞を増殖させる場合に上皮細胞増殖因子(Epidermal growth factor)と本発明であるオリゴマーDNAを加えると細胞が良く増殖し、必要な臓器再生技術を早期に得られる。あるいは免疫細胞に本発明であるオリゴマーDNAを与えれば、免疫細胞のたんばく質合成能力を制御でき、免疫機能をコントロールでき、免疫能を賦活できる。あるいは、がん細胞に本発明であるオリゴマーDNAを与えると、がん細胞のたんばく質合成能力を制御でき、がん細胞を殺せる可能性がある。細菌に本発明であるオリゴマーDNAを与えれば抗生物質のように使える可能性がある。細菌の16SリボソームRNAだけに存在し、ヒトや植物の18SリボソームRNAに無いオリゴマー配列が認められているので、識別して使うことができる。さらに、イニシエーションファクターとして使用することにより、より効果的に細胞のたんぱく質合成能力を制御できる。 図1はE.coliの16SrRNAの塩基配列図である。表1に示すようにE.coliのリボソームの保存領域のうち16SRRU1(5’CAGCAGCCGCGGTAATAC3’(配列番号1))と人の18SrRNAとラットの18SrRNAとの一致率は100%であり、E.coliのリボソームの保存領域のうち16SRRU5(GCACACACCGCCCGT(配列番号3))と人の18SrRNAとの一致率が93%、ラットの18SrRNAとの一致率が100%であり、E.coliリボソームの保存領域のうち16SRRU2(CCGTCAATTCCTTTGAGTTT(配列番号3))と人の18SrRNAとラットの18SrRNAとの一致率が95%であるようにE.coliや高等の哺乳類の間で進化の進み具合に差があるにも関わらず共通の遺伝子配列を持つものがある。 リボソーム塩基配列の保存領域はたんぱく質合成機能を行う場の領域とされ、リボソーム立体構造では1本鎖で存在することが徐々に明らかになってきた。ラット繊維芽細胞Rat6の18SrRNA塩基配列に相補的なDNA塩基配列を3つ合成した。3つのDNAオリゴマーは、SRR11(5’CAGCAGCCGCGGTAATAC3’(配列番号1))、SRR22(CCGTCAATTCCTTTGAGTTT(配列番号2))、SRR53(GCACACACCGCCCGT(配列番号3))である。 ラット線維芽細胞Rat6を96ウエル培養シャーレで上皮細胞増殖因子(以下、「EGF」という。)加DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)を入れて2週間培養した。その後たんぱく質合成機能領域のDNAオリゴマーSRR11とSRR22の10ng/mLを上記EGF(10ng/mL)添加DMEMに加えてさらに培養を3週間続けた。EGFを加えたがDNAを加えていないRat6細胞を(あ)ケース、EGFを加えDNAを加えたものを(い)ケースとする。これらの条件培地に馴化したRat6細胞を一般に使われる10%子牛血清(CS)とEGF(10ng/mL)を加えていない培地(以下、「Aケース」という。)、一般に使われる10%子牛血清(CS)を加えEGF(10ng/mL)を加えていない培地(以下、「Bケース」という。)、DNAオリゴマーを除いたEGF(10ng/mL)を加えた培地(以下、「Cケース」という。)に戻して培養を1週間から3週間行った。培地交換はその間3から4日ごとに適宜行った。その結果を表2に示す。 (あ)ケースで培養したRat6細胞をAケースの培地に置き換えると11個のコロニーを形成した。Bケースに置き換えた場合ではコロニー数は61個に増加した。Cケースで培養を行うとコロニー数は170個であった。一方、(い)ケースで培養を行ったRat6細胞はBケースに置き換えた場合コロニー数は77個であった。Cケースではコロニー数は832個であった。(あ)ケースで培養をし続けた場合に比べ、それにオリゴマーDNAを添加して培養を続けた(い)ケースのRat6細胞では、Bケースの標準培地に戻したものではコロニー数はわずかに増加したが、Cケースに戻した場合ではコロニー数が強く増加した。また、SRR11の代わりにSRR53を加えて同様の実験を試みたところ細胞増殖能が認められた。 以下参考に詳細な実験経過を記載する。第1日(11月9日)Rat6細胞を約2週間EGFで培養する。第13日(11月22日)Rat6細胞をEGF(10ng/mL)のみとEGF(10ng/mL)とオリゴDNA(SRR11+SRR22)(10ng/mL)を添加した条件培地に交換。Rat6細胞は正常発育。第18日(11月27日)EGF(20ng/mL)を増量。第22日(12月1日)EGF(10ng/mL)に減量。Rat6細胞の発育は正常を維持している。第26日(12月5日)EGF+オリゴDNA(SRR11+SRR22)を添加した培地でのRat6細胞の発育が増殖性に変換し、コロニー形成が見られる。EGFのみを添加した培地でのRat6細胞の発育が増殖性に変換し、コロニー形成が見られる。また、SRR22+SRR53(GCACACACCGCCCGT)を添加した系でもRat6細胞の発育が増殖性を示した。特にSRR11+SRR22を添加した場合の細胞増殖能が最も強力であった。第26日(12月5日)96ウェルプレートにそれらのコロニーを選び、細胞を1×105cell/wellづつ軟寒天培地に植え継ぐ。A:上層を0.3%寒天にEGFのみ添加、B:上層を0.3%寒天にEGFとオリゴDNA(SRR11、SRR22)を添加、下層はすべて0.5%寒天で何も添加せず。第33日(12月12日)96ウェルプレートにそれらのコロニーを選び、細胞を8×103/wellづつ接種。条件培地は10%CSとEGF(10ng/mL)をそれぞれ添加した培地に戻した。第39日(12月18日)増殖性細胞に一般に見られるフォーカス形成とコロニー形成が見られた。第54日(1月2日)結果観察した。 実験ではDNAオリゴマーSRR22を加えた場合にコロニー数が最も増加したことから、SRR22の塩基配列の位置がたんぱく質翻訳の主たる場を提供していると考えられる。リボソームRNAの1本鎖領域で塩基配列が進化の過程で保存された部位に(SRR22にはTが多く見られる)mRNAのポリAテールが結合する。そこで1本鎖DNAオリゴマーSRR22をDNA合成して細胞に与えると、フリーのmRNAが結合しそれがリボソームRNAのSRR22部位に結合しやすくなる。mRNAとrRNAの結合する速度を加速して触媒反応を行うと推測される。1本鎖DNAが化学物質としてたんぱく質合成やリボソームの働きについて触媒のように寄与していると推測される。本発明では1本鎖DNAオリゴマーによるたんぱく質翻訳調節因子を提供する。また、本発明では細胞に本発明である1本鎖DNAオリゴマーを細胞内に取込ませ細胞を培養したんぱく質翻訳調節する方法を提供する。 さらに、イニシエーションファクターとしてのリボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーについて述べる。イニシエーションファクターは、たんぱく質合成において、P siteにfMet−tRNAiMetが結合する反応が起こる時、fMet−tRNAiMetがA siteに誤って結合しなく、引き続きmRNAの開始コドンAUGがfMet−tRNAiMetのアンチコドンと結合するなどたんぱく質翻訳の開始、たんぱく質翻訳が順調に正確に進むための働きをしている。そして、本発明によるリボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーはイニシエーションファクターとして作用しfMet−tRNAiMetをP siteに誘引する働きなどたんぱく質翻訳の開始、たんぱく質翻訳が順調に正確に進むための働をするため急激なたんぱく質合成を促し、その結果急激な細胞の増殖に至ったと考えられる。本発明ではイニシエーションファクターとしてのリボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーを提供する。 最後に、イニシエーションファクターの働きをもったリボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーについて述べる。リボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーには細胞を急激に増殖させる働きがあるがイニシエーションファクターそのものではない可能性が科学上ある。しかし、イニシエーションファクターと同様ないしイニシエーションファクターに匹敵する働きを有することから、本発明では、イニシエーションファクターの働きをもったリボソームRNA塩基配列に相補的な一本鎖DNAオリゴマーを提供する。 新たに細胞内でたんぱく質を多量に生産させることができ医学的実験や治験に貢献し、さらには細胞を増殖させたり増殖を制限させるなどすることで、がん細胞のたんぱく質合成能力を制御できる可能性があるなど新規の医薬品の開発に繋がる。E.coliの16SrRNAの塩基配列図符号の説明 1 SRR1 2 SRR2 3 SRR5 たんぱく質翻訳調節因子としてのリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマー リボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節方法 イニシエーションファクターとしてのリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマー イニシエーションファクターとしてのリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節方法 イニシエーションファクターの働きをもったリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマー イニシエーションファクターの働きをもったリボソームRNA塩基配列に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを用いたたんぱく質翻訳調節方法 【課題】新規のたんぱく質翻訳調節因子及び新規のイニシエーションファクターを提供し、新規のたんぱく質翻訳調節方法を提供する。【解決手段】リボソーム塩基配列の保存領域に相補的な1本鎖DNAオリゴマーを合成して、細胞内に取込ませ細胞を培養する。1本鎖DNAオリゴマーがリボソームにおけるたんぱく質合成のたんぱく質翻訳調節因子となり、1本鎖DNAオリゴマーがリボソームにおけるイニシエーションファクターとなって1本鎖DNAオリゴマーを使用してたんぱく質翻訳の調節をさせることができる。【選択図】図1配列表