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タイトル:特許公報(B2)_シクロヘキシルベンゼン製造用触媒及びシクロヘキシルベンゼンの製造方法
出願番号:2004166746
年次:2010
IPC分類:B01J 29/80,C07C 2/74,C07C 13/28,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

山本 祥史 福田 行正 春田 淳 JP 4457761 特許公報(B2) 20100219 2004166746 20040604 シクロヘキシルベンゼン製造用触媒及びシクロヘキシルベンゼンの製造方法 宇部興産株式会社 000000206 山本 祥史 福田 行正 春田 淳 20100428 B01J 29/80 20060101AFI20100408BHJP C07C 2/74 20060101ALI20100408BHJP C07C 13/28 20060101ALI20100408BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100408BHJP JPB01J29/80 ZC07C2/74C07C13/28C07B61/00 300 B01J 21/00−38/74 C07C 1/00−409/44 C07B 61/00 特開昭48−096566(JP,A) 特開2002−154990(JP,A) 特開2003−342018(JP,A) 特開昭52−062253(JP,A) 特表平08−509999(JP,A) 特開平08−141396(JP,A) 特表2002−542210(JP,A) 3 2005342644 20051215 10 20060714 廣野 知子 本発明は、ベンゼンと水素を接触させてシクロヘキシルベンゼンを製造する方法で使用する触媒(シクロヘキシルベンゼン製造用触媒)に関する。シクロヘキシルベンゼンは、シクロヘキシルベンゼンヒドロペルオキシド、そしてフェノール及びシクロヘキサノン、更にはε−カプロラクタムの製造原料として有用なものである。 従来、前記のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒としては、(a)ヘテロポリ酸と水添触媒を含む触媒(特許文献1)、(b)塩化アルミニウムと白金又はパラジウムとを含む触媒(特許文献2)、(c)VIII族金属がシリカ/アルミナに担持された触媒(特許文献3)、(d)アルカリ金属がアルミナ又は活性炭に担持された触媒(特許文献4)、(e)タングステン及び水添活性成分(ニッケル、白金、又はパラジウム)及びハロゲンが酸性担体に担持された触媒(特許文献5)などが知られている。しかし、(a)〜(c)の触媒はシクロヘキシルベンゼンの選択率が低い、(d)の触媒はベンゼン中の水により寿命が著しく短い、(e)の触媒は系が複雑であるという問題をそれぞれ有していて、いずれも工業的には不適当であり充分に満足できるプロセスを構築できるものではなかった。 更に、(f)希土類元素及び水添活性成分がゼオライトに担持された触媒(特許文献6)、(g)水添触媒と希土類元素が担持されたゼオライトとからなる触媒(特許文献7)、(h)水添活性成分及びアルカリ土類金属及びゼオライトからなる触媒(特許文献8)なども知られているが、いずれも工業的に満足できる活性と選択性を有するものではなかった。特に高価な水添活性成分当たりの活性の低いことが問題であった。米国特許第3153678号明細書米国特許第3274276号明細書米国特許第3317611号明細書米国特許第3347945号明細書米国特許第3412165号明細書特開昭48−40753号公報特開昭48−96566号公報特開昭52−62253号公報 本発明は、ベンゼンと水素を接触させてシクロヘキシルベンゼンを製造する方法において前記の問題を解決して工業的に満足できる活性と選択性を与える触媒、即ち、工業的に満足できる活性と選択性を有するシクロヘキシルベンゼン製造用触媒を提供することを課題とする。 本発明者らは、前記問題点を克服できる触媒を開発すべく鋭意研究を行った結果、メソ多孔体を担体とする水添触媒と2族金属又は3族金属で修飾されている固体酸触媒とを含んでなる触媒が、工業的に満足できる活性と選択性を発現するシクロヘキシルベンゼン製造用触媒となることを見出して、本発明を完成するに至った。なお、本発明において、各金属の周期律表における「族」は1989年改訂のIUPAC無機化学命名法に従うものとする。 即ち、本発明は、(1)メソ多孔体を担体とする水添触媒と2族金属又は3族金属で修飾されている固体酸触媒とを含んでなるシクロヘキシルベンゼン製造用触媒、(2)窒素吸着等温線においてP/P0=0.2〜0.6の範囲の窒素吸着量が全吸着量の20〜60%であるメソ多孔体を使用する、前記(1)記載のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒、(3)8族金属、9族金属、及び10族金属から選ばれる少なくとも一種の金属がメソ多孔体に担持されている水添触媒を使用する、前記(1)記載のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒、(4)固体酸がアルミノケイ酸塩である、前記(1)記載のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒、(5)ベンゼンと水素を前記(1)記載の触媒の存在下で接触させることを特徴とするシクロヘキシルベンゼンの製造方法にある。 本発明により、ベンゼンと水素を接触させてシクロヘキシルベンゼンを製造する方法において、前記の問題を解決して工業的に満足できる活性と選択性を与える触媒、即ち、工業的に満足できる活性と選択性を有するシクロヘキシルベンゼン製造用触媒を提供することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒を構成する水添触媒は、メソ多孔体を担体とすることを特徴とする。このメソ多孔体としては、ケイ素とアルミニウムを主成分とする、窒素又は空気雰囲気下での焼成後においても細孔直径が2nm以上であり、X線回折パターン(Cu−Kα線)において低角度領域(2θ=2.0〜2.5°の範囲)に六方晶のd100に帰属されるピークを有し、窒素吸着等温線においてP/P0が0.2〜0.6の間に急勾配な吸着を示す(特にこの範囲の窒素吸着量が全吸着量の20〜60%である)ものが好ましく挙げられる。メソ多孔体のSi/Al(原子比)は5以上、更には50以上であることが好ましく、また、1000以下、更には500以下であることが好ましい。そして、比表面積は700m2/g以上、特に700〜1200m2/gであることが好ましい。 なお、前記焼成は通常のメソ多孔体の調製における脱テンプレート処理に相当するもので、例えば、400〜900℃及び30分〜4時間の範囲で条件を選んで行われる。また、X線回折パターン(Cu−Kα線)は粉末X線回折測定により、窒素吸着等温線及び比表面積は窒素吸着によるBET比表面積測定により、Si/Al(原子比)はICP分析により測定される。 メソ多孔体としては、例えば、ケイ素とアルミニウムからなる前記物性を有するメソ多孔体が挙げられ、具体的には、MCM41(特表平5−503499号公報)、FSM16(特開平4−238810号公報)、HMS(Nature,368(1994),321)などが挙げられる。また、メソ多孔体は、ケイ素源、アルミニウム源、有機溶媒、水、テンプレートを原料として公知の方法により調製することができ、更に水熱合成法によっても合成することができ、その調製方法は、前記物性を有するものが得られる方法であれば特に制限されない。メソ多孔体の一調製例を以下に示す。(1)混合液1の調製:ケイ素源1モルと有機溶媒1〜20モルを混合し、これにアルミニウム源を所定のSi/Al(原子比)になるように加えて、50〜100℃で10分〜5時間攪拌する。得られる溶液を「混合液1」とする。(2)混合液2の調製:ケイ素源に対して、0.1〜10倍モルのテンプレート剤と10〜50倍モルの水を混合する。得られる溶液を「混合液2」とする。(3)ゲル形成及び熟成:混合液1を混合液2に加えて0〜50℃(但し、水熱合成の場合は0〜150℃)で10分〜5時間激しく攪拌してゲルを形成させ、その後、同温度範囲で12〜400時間熟成させる。次いで、濾過により得られる白色固体を水及びエタノールで洗浄して、80〜120℃で乾燥する。(4)脱テンプレート処理(焼成):乾燥後の固体を、空気中又は不活性ガス雰囲気下(好ましくは空気又は不活性ガスを流通させながら)、0.1〜20℃/分(好ましくは0.5〜5℃/分)で所定温度まで昇温して、400〜900℃、10分〜4時間の範囲で温度及び時間を選んでテンプレート剤が除去されるまで焼成する。なお、該固体からのテンプレート剤の除去は赤外吸収スペクトル分析や熱重量分析により確認される。 水添触媒は、水添活性成分として、8族金属、9族金属、及び10族金属から選ばれる少なくとも一種の金属がメソ多孔体に担持されているものが好ましいが、中でも白金族金属から選ばれる少なくとも一種の金属(特にパラジウム及び/又はロジウム)がメソ多孔体に担持されているものが更に好ましい。水添活性成分である金属の担持量は、メソ多孔体に対して、0.01〜10重量%、更には0.1〜5重量%であることが好ましい。 水添触媒は、上記金属の化合物を担持して該化合物を上記金属に還元することにより調製される。このとき、担持方法は特に限定されるものではなく、通常行われる方法、例えば、蒸発乾固法、ポアフィリング法、イオン交換法などが使用できる。但し、金属の分散性の向上を考慮すれば、ポアフィリング法やイオン交換法が好ましい。なお、この金属化合物から金属への還元は、シクロヘキシルベンゼンを製造する反応の前に予め水素等の還元剤で行ってもよく、該反応開始時に反応原料の水素で還元することで行ってもよい。 前記の8族金属としては、鉄、ルテニウム、9族金属としては、コバルト、ロジウム、イリジウム、10族金属としては、ニッケル、パラジウム、白金がそれぞれ挙げられる。これら金属の中では、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金(白金族金属)が好ましく、中でもパラジウムとロジウムが特に好ましい。触媒調製の際には、これら金属の無機酸塩、有機酸塩、錯化合物などがこれら金属の化合物として使用される。 具体的には、例えば、パラジウム化合物として、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム等のパラジウムの無機酸塩や、酢酸パラジウム、シュウ酸パラジウム等のパラジウムの有機酸塩や、アセチルアセトナトパラジウム等のパラジウムの錯化合物などが挙げられる。錯化合物には、パラジウムに他の配位子(一酸化炭素、ニトリル、アミン、ホスフィン等)が配位したものも更に挙げられ、例えば、Pd(NH3)4Cl2、PdCl2(CH3CN)2、PdCl2(PPh3)2などがある。パラジウム化合物の中では、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、Pd(NH3)4Cl2が好ましい。 また、ロジウム化合物としては、塩化ロジウム、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、硝酸ロジウム等のロジウムの無機酸塩や、酢酸ロジウム等のロジウムの有機酸塩や、アセチルアセトナトロジウム等のロジウムの錯化合物などが挙げられる。錯化合物には、ロジウムに他の配位子(一酸化炭素、二トリル、アミン、ホスフィン等)が配位したものも更に挙げられ、例えば、Rh(NH3)6Cl3、Rh[(NH3)5Cl]Cl2、Rh6(CO)16などがある。ロジウム化合物の中では、塩化ロジウム、酢酸ロジウム、Rh(NH3)6Cl3が好ましい。 本発明のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒は、前記の水添触媒に加えて、2族金属又は3族金属で修飾されている固体酸触媒を含んでなる。その中でも、固体酸がアルミノケイ酸塩であるもの(即ち、2族金属又は3族金属で修飾されているアルミノケイ酸塩)が特に好ましい。アルミノケイ酸塩として、具体的には、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、モルデナイトなどが使用でき、その中では、Y型ゼオライト、β型ゼオライトが好ましい。 アルミノケイ酸塩の修飾に使用される2族金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムが好ましく挙げられ、具体的には、これら金属の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩などが使用される。2族金属の中では、ストロンチウムが好ましい。また、アルミノケイ酸塩の修飾に使用される3族金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、アクチノイドが挙げられ、具体的には、これら金属の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩などが使用される。3族金属の中では、イットリウム、ランタンが好ましい。 固体酸触媒の修飾は、例えば、前記金属の化合物をアルミノケイ酸塩に担持させることによって行うことができる。担持方法は、蒸発乾固法やポアフィリング法により前記金属の化合物を単に担持させるだけでもよいが、イオン交換法により担持させるのが更に好ましい。前者の場合は、担持後に焼成を行うのが好ましく、特に該金属化合物の分解温度を目安として空気雰囲気下に400〜600℃で数時間焼成するのが好ましい。2族金属又は3族金属の担持量は、アルミノケイ酸塩に対して、1〜30重量%、特に3〜20重量%であることが好ましい。 本発明のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒は前記の水添触媒と固体酸触媒とを含んでなり、本発明では、ベンゼンと水素をこのようなシクロヘキシルベンゼン製造用触媒の存在下で接触させることにより、工業的に満足できる活性及び選択性でシクロヘキシルベンゼンを製造することができる。このとき、シクロヘキシルベンゼン製造用触媒は、水添活性成分がベンゼンに対してモル比で10−8〜10−2の範囲になるように使用することが好ましい。水添活性成分が10−8より少なくなると反応は進行するが反応時間が長くなり、10−2より多くなると反応面での差し支えはないが触媒コストの面から経済的に不利になる。また、水添活性成分が特にパラジウムであれば、パラジウム量がベンゼンに対してモル比で10−7〜10−2の範囲になるように、水添活性成分が特にロジウムであれば、ロジウム量がベンゼンに対してモル比で10−7〜10−3の範囲になるように使用することが好ましい。なお、シクロヘキシルベンゼン製造用触媒において、水添触媒と固体酸触媒の割合は、水添触媒1重量部に対して、固体酸触媒が0.1〜1000重量部、更には1〜500重量部であることが好ましい。 シクロヘキシルベンゼンの製造において、反応温度は20〜300℃、更には80〜250℃の範囲、反応圧力は全圧で1〜300気圧、更には1〜150気圧の範囲、水素分圧は1〜50気圧の範囲であることがそれぞれ好ましい。反応時間は反応条件により異なるが、通常は数分から数時間程度である。なお、水素は、高純度のものはもとより、アルゴン、二酸化炭素などの反応に影響を及ぼさない他のガスで希釈されているものであってもよい。反応方式は、回分式、連続式のいずれでもよく、また、固定床、懸濁床、流動床、移動床など、任意の反応方法をとることができる。生成物は反応後に蒸留などにより分離できる。 なお、反応では必要に応じて溶媒を使用することもでき、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルなどの不活性溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、べンゼンに対して10000当量以下、更には1000当量以下の範囲であればよい。 以下、実施例及び比較例に挙げて本発明を具体的に説明する。なお、シクロヘキシルベンゼンの選択率(%)は、「選択率(%)=(2×シクロヘキシルベンゼン生成量/ベンゼン消費量)×100」の計算式によりモル基準で求めた。〔実施例1〕「水添触媒の調製」 テトラエチルオルトシリケート200mmolとエタノール1.3molとイソプロパノール200mmolの混合液にアルミニウムイソプロポキシド1.7mmolを加えて70℃で20分間撹拌し、得られた液を、ドデシルアミン60mmolと水7.2molの混合液に加えて室温で1時間間激しく撹拌した。生成した白色ゾルを室温で48時間熟成させて濾別し、水とエタノールで洗浄した後、105℃で24時間乾燥させて400℃で2時間焼成した。得られた白色粉末は、Si/Al(原子比)=111のメソ多孔体であった。なお、Si/Al(原子比)はICP分析により、メソ多孔体であることは、窒素吸着等温線(BET比表面積測定による)においてP/P0=0.2〜0.6の範囲の窒素吸着量が全吸着量の28%であること及びX線回折パターン(Cu−Kα線)より確認した。比表面積(SSA)は920m2/gであった。 このようにして得られたメソ多孔体2gにイオン交換水100mlを加え、ここに、硝酸ナトリウム1gをイオン交換水50mlに溶解させた液を滴下して、メソ多孔体を室温で一晩処理した。その後、固体分を遠心分離し、イオン交換水で洗浄して(30ml×5回)乾燥させた(105℃、5時間)。得られたメソ多孔体(Naイオン交換体)をイオン交換水50mlに懸濁させ、この懸濁液に、Pd(NH3)4Cl20.05gをイオン交換水30mlに溶解させた液を30分かけて滴下して室温で一晩撹拌した。その後、固体分を遠心分離し、Clイオンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄して105℃で乾燥させた。この触媒のPd担持量はICP分析により1.0重量%であった。以下、この触媒を1%Pd/Al−MS−1と略記する。「固体酸触媒の調製」 東ソー製H型Yゼオライト(HSZ−320HOA;以下、HYと略記する)5gにイオン交換水200mlを加え、この懸濁液に、硝酸ランタン六水和物2gをイオン交換水100mlに溶解させた液を室温で滴下して、90℃で3時間処理した。固体分を遠心分離し、イオン交換水45mlで5回洗浄した後、85℃で一晩乾燥させて空気雰囲気下で500℃で2時間焼成した。この触媒のLa担持量はICP分析により5.6重量%であった。以下、この触媒をLa/HYと略記する。「シクロヘキシルベンゼンの製造」 50ml容SUS製オートクレーブにガラス内挿管を入れ、この内挿管に、水添触媒としてPd0.2μmol相当分(約0.002g)の1%Pd/Al−MS−1を秤り取り、酸触媒としてLa/HY0.03gを加え、ベンゼン5mlとトリデカン(内標)0.03gを加えた。次いで系内を水素ガスで3回置換した後、水素ガス5MPa−Gを圧入して、予め150℃に設定しておいたオイルバス中で反応を開始した。2.5時間後に反応器を水冷し、未反応水素ガスを放出して溶液部分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、シクロヘキシルベンゼン(以下、CHBと略記する)が3.18mmol生成していて、その選択率は75.7%であった。〔比較例1〕 実施例1において、固体酸触媒であるLa/HYを入れなかった以外は、実施例1と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは0.01mmol生成しているのみで、その選択率は0.1%未満であった。主な生成物はシクロヘキサン(以下、CHXと略記する)6.32mmolであった。〔比較例2〕 実施例1において、固体酸触媒をHY0.03gに代えた以外は、実施例1と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは0.21mmol生成しているのみで、その選択率は13.2%であった。主な生成物はCHX2.77mmolであった。〔実施例2〕 実施例1において、硝酸ランタン六水和物を硝酸イットリウム六水和物gに代えた以外は、実施例1と同様に固体酸触媒を調製してCHBの製造を行った。その結果、CHBは1.69mmol生成していて、その選択率は68.4%であった。なお、この固体酸触媒(Y/HYと略記する)のY担持量はICP分析により4.6重量%であった。〔実施例3〕 実施例1において、HYを東ソー製Na型Yゼオライト(HSZ−320NAA;以下、NaYと略記する)5gに代えた以外は、実施例1と同様に固体酸触媒を調製してCHBの製造を行った。その結果、CHBは1.83mmol生成していて、その選択率は72.9%であった。なお、この固体酸触媒(La/NaYと略記する)のLa担持量はICP分析により5.2重量%であった。〔実施例4〕 実施例1において、水素圧を3MPa−Gに代えた以外は、実施例1と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは2.01mmol生成していて、その選択率は80.2%であった。〔実施例5〕 実施例4において、硝酸ランタン六水和物を硝酸ストロンチウム六水和物gに代えた以外は、実施例4と同様に固体酸触媒を調製してCHBの製造を行った。その結果、CHBは1.40mmol生成していて、その選択率は70.7%であった。なお、この固体酸触媒(Sr/HYと略記する)のSr担持量はICP分析により4.6重量%であった。〔実施例6〕 実施例1において、Pd(NH3)4Cl2をRh(NH3)6Cl30.05gに代えた以外は、実施例1と同様に水添触媒を調製してCHBの製造を行った。その結果、CHBは3.63mmol生成していて、その選択率は67.0%であった。なお、この水添触媒(1%Rh/Al−MS−1と略記する)のRh担持量はICP分析により1.0重量%であった。実施例1〜6及び比較例1〜2の結果をまとめて表1に示す。〔実施例7〕「水添触媒の調製」 セチルトリメチルアンモニウムブロミド5.98gをイオン交換水100mlに溶解させた液に、硝酸アルミニウム六水和物0.6gとケイ酸ナトリウム水溶液(27%SiO2;アルドリッチ製)20mlをイオン交換水70mlに予め溶解させた液を加えて、室温で3時間撹拌した後、0.5N塩酸でpH8.5に調整した。得られた液をテフロン(登録商標)内挿管付きSUS製オートクレーブに入れて封じ込め、これを110℃のオイルバスに浸けて水熱合成を1日行った。水熱合成終了後、水冷してテフロン(登録商標)内挿管から白色固体を濾別して、イオン交換水500mlで洗浄した後、85℃で一晩乾燥させて空気気流下に600℃で2時間焼成した。得られた白色粉末はSi/Al(原子比)=68のメソ多孔体で、そのSSAは905m2/gであった。なお、このものは公知のMCM41と同様のX線回折パターン(Cu−Kα線)を示し、P/P0=0.2〜0.6の範囲の窒素吸着量が全吸着量の42%であった。 このようにして得られたメソ多孔体3gにイオン交換水100mlを加え、ここに、硝酸ナトリウム1gをイオン交換水50mlに溶解させた液を滴下して、メソ多孔体を室温で一晩処理した。その後、固体分を遠心分離し、イオン交換水で洗浄して(30ml×5回)乾燥させた(105℃、5時間)。得られたメソ多孔体(Naイオン交換体)をイオン交換水50mlに懸濁させ、この懸濁液に、Pd(NH3)4Cl20.04gをイオン交換水30mlに溶解させた液を30分かけて滴下して室温で一晩撹拌した。その後、固体分を遠心分離し、Clイオンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄して105℃で乾燥させた。この触媒のPd担持量はICP分析により0.5重量%であった。以下、この触媒を0.5%Pd/Al−MS−2と略記する。「シクロヘキシルベンゼンの製造」 SUS製オートクレーブに50ml容ガラス内挿管を入れ、この内挿管に、水添触媒としてPd0.15μmol相当分の0.5%Pd/Al−MS−2を秤り取り、酸触媒としてLa/HY0.03gを加え、ベンゼン5mlとトリデカン(内標)0.03gを加えた。次いで系内を水素ガスで3回置換した後、水素ガス3MPa−Gを圧入して、予め180℃に設定しておいたオイルバス中で反応を開始した。1時間後に反応器を水冷し、未反応水素ガスを放出して溶液部分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、シクロヘキシルベンゼン(以下、CHBと略記する)が2.23mmol生成していて、その選択率は86.6%であった。〔実施例8〕「水添触媒の調製」 テトラエチルオルトシリケート200mmolとエタノール1.3molとイソプロパノール200mmolの混合液にアルミニウムイソプロポキシド0.8mmolを加えて70℃で20分間撹拌し、得られた液を、ドデシルアミン60mmolと水7.2molの混合液に加えて室温で1時間間激しく撹拌した。生成した白色ゾルを室温で48時間熟成させて濾別し、水とエタノールで洗浄した後、105℃で24時間乾燥させて400℃で2時間焼成した。得られた白色粉末は、Si/Al(原子比)=240のメソ多孔体で、そのSSAは935m2/gであった。 このようにして得られたメソ多孔体1gにイオン交換水100mlを加え、ここに、硝酸ナトリウム0.5gをイオン交換水50mlに溶解させた液を滴下して、メソ多孔体を室温で一晩処理した。その後、固体分を遠心分離し、イオン交換水で洗浄して(30ml×5回)乾燥させた(105℃、5時間)。得られたメソ多孔体(Naイオン交換体)をイオン交換水50mlに懸濁させ、この懸濁液に、Pd(NH3)4Cl20.015gをイオン交換水30mlに溶解させた液を30分かけて滴下して室温で一晩撹拌した。その後、固体分を遠心分離し、Clイオンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄して105℃で乾燥させた。この触媒のPd担持量はICP分析により0.5重量%であった。以下、この触媒を0.5%Pd/Al−MS−3と略記する。「シクロヘキシルベンゼンの製造」 実施例7において、水添触媒を0.5%Pd/Al−MS−3に代えた以外は、実施例7と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは2.21mmol生成していて、その選択率は84.3%であった。〔比較例3〕 実施例7において、メソ多孔体(Naイオン交換体)をNaY5gに代えて水添触媒(0.5%Pd/NaYと略記する)を調製し、水添触媒をこの触媒に代えた以外は、実施例7と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは1.19mmol生成していて、その選択率は83.7%であった。〔比較例4〕 実施例7において、水添触媒を0.5%Pd/SiO2(NEケムキャット製)に代えた以外は、実施例7と同様にCHBの製造を行った。その結果、CHBは1.31mmol生成していて、その選択率は86.5%であった。実施例7〜8及び比較例3〜4の結果を表2に示す。 本発明のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒は、ベンゼンと水素を接触させてシクロヘキシルベンゼンを製造する方法において非常に有用であり、シクロヘキシルベンゼンを工業的に満足できる活性及び選択性で製造することができる。メソ多孔体を担体とする触媒活性成分がPd又はRhの水添触媒と2族金属又は3族金属で修飾されているゼオライトとを含んでなるシクロヘキシルベンゼン製造用触媒。窒素吸着等温線においてP/P0=0.2〜0.6の範囲の窒素吸着量が全吸着量の20〜60%であるメソ多孔体を使用する、請求項1記載のシクロヘキシルベンゼン製造用触媒。ベンゼンと水素を請求項1記載の触媒の存在下で接触させることを特徴とするシクロヘキシルベンゼンの製造方法。


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