生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_発毛剤
出願番号:2004165642
年次:2011
IPC分類:A61K 8/97,A61K 36/00,A61P 17/14,A61Q 7/00


特許情報キャッシュ

浅野 嘉久 野村 文江 JP 4758620 特許公報(B2) 20110610 2004165642 20040603 発毛剤 株式会社野口医学研究所 504215612 社本 一夫 100089705 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 松本 謙 100108899 浅野 嘉久 野村 文江 20110831 A61K 8/97 20060101AFI20110811BHJP A61K 36/00 20060101ALI20110811BHJP A61P 17/14 20060101ALI20110811BHJP A61Q 7/00 20060101ALI20110811BHJP JPA61K8/97A61K35/78 WA61P17/14A61Q7/00 A61K 8/00, 35/78 特開平11−209246(JP,A) 特開平10−265349(JP,A) 特開2003−104844(JP,A) 特表2004−507505(JP,A) 6 2005343825 20051215 14 20051026 2007022781 20070820 川上 美秀 平井 裕彰 内藤 伸一 本発明は、活性酸素の生成を抑制する効果及び/又は活性酸素を除去する効果を有する動植物抽出物を含む発毛剤に関する。 中高齢層の男性に一般的にみられる薄毛や脱毛は、一般に男性型脱毛症と呼ばれる。近年、食生活の変化やストレスの増大により、脱毛症は中高齢層の男性だけでなく若年齢層や女性にも拡大している。そこで、薄毛や脱毛を防止し発毛を促進する発毛剤が求められている。 これまでにも、様々な発毛剤の開発が行われてきた。発毛効果を有する既知の成分の中で代表的なものは、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤である(例えば、特許文献1を参照)。テストステロンはアンドロゲンの一種であり、標的器官の細胞に取り込まれると5α−リダクターゼによりジヒドロステロンに転換される。そして、過剰にジヒドロステロンが産生されると、細胞に応じて男性型脱毛症、前立腺肥大、アクネ等を引き起こすとされている。従って、5α−リダクターゼの作用を阻害することにより、脱毛症を防止できると考えられる。 しかし、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤として従来使用されてきた薬剤は化学合成されたものであり、その副作用が懸念されている。 養毛効果を有する成分として植物抽出物を用いた発毛剤も報告されている(特許文献2及び3を参照)。これらの発毛剤は天然由来の成分を有効成分として含むため、安全性という面で優れている。しかし、幅広い使用者に十分な効果をもたらしているとは必ずしもいえず、一般に使用されるには至っていない。 そこで、安全性が高く発毛作用の大きい新たな発毛剤が求められている。特開2002−179582号公報特開平10−59829号公報特開平11−79948号公報 本発明は上記の課題に鑑みなされたものであり、天然由来の成分を有効成分として含む発毛剤を提供することを目的とする。 本発明者らは鋭意研究の結果、特定の動植物抽出物を組み合わせることにより優れた発毛効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明の発毛剤は、活性酸素活性酸素の生成を抑制する効果及び/又は活性酸素を除去する効果を有する成分を含むため、老廃物や皮脂が酸化されて毛穴を閉塞することを防ぐことができる。本発明の発毛剤は、新陳代謝を促進する成分、並びに、抗炎症作用及び/又は抗アレルギー作用を有する成分をさらに含む。本発明の発毛剤は、タンパク質及び/又は脂肪を分解する成分をさらに含んでもよい。また、本発明の発毛剤は、血行を促進する成分をさらに含んでもよい。これらの成分の相乗効果により、各々を単独で使用する場合と比較して、優れた養毛効果が得られる。 すなわち、本発明は以下のものを提供する。(1) ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、ゴボウ抽出物、又はこれらの組み合わせ;ヨクイニン抽出物;及び、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、又はこれらの組み合わせ;を含む発毛剤。(2) コムギ抽出物を含む(1)に記載の発毛剤。(3) パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物、又はこれらの組み合わせを含む(1)又は(2)の発毛剤。(4) ローズマリー抽出物、ダイコン抽出物、又はこれらの組み合わせを含む(1)−(3)の何れかに記載の発毛剤。(5) 散剤の形態にある(1)−(4)の何れかに記載の発毛剤。(6) ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、ゴボウ抽出物、又はこれらの組み合わせ;ヨクイニン抽出物;及び、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、又はこれらの組み合わせ;を含む発毛剤を、不活性ガス雰囲気下又は真空下で保存する方法。(7) (a) ヨクイニン抽出物を含む組成物;及び、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物;を混合し、(b) 該混合物を−10℃〜15℃において暗所で保存し、(c) 保存後の混合物に、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物、ローズマリー抽出物、及びダイコン抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物を添加する;工程を含む、発毛剤の製造方法。(8) ヨクイニン抽出物を含む組成物;及び、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物;の少なくとも1つがコムギ抽出物をさらに含む、(7)に記載の方法。(9) 工程(a)で使用されるヨクイニン抽出物を含む組成物が、ヨクイニン抽出物及びコムギ抽出物を混合し、−10℃〜15℃において暗所で保存する工程によって得られる組成物である、(7)または(8)に記載の方法。(10) 工程(c)で使用されるカミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物、ローズマリー抽出物、及びダイコン抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物が、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物、ローズマリー抽出物、及びダイコン抽出物からなる群より選択される1種以上をコムギ抽出物と混合し、該混合物を−10℃〜15℃において暗所で保存する工程によって得られる組成物である、(7)−(9)の何れかに記載の方法。 本明細書で、発毛とは育毛及び養毛を含み、発毛及び髪の成長を促進し、発毛面積を拡大し、毛髪密度を向上させ、抜け毛を防止し、毛髪を太くすることをいう。 本発明の発毛剤は、活性酸素活性酸素の生成を抑制する効果及び/又は活性酸素を除去する効果を有する成分(以下、「抗活性酸素成分」と記載する)と;新陳代謝を促進する成分(以下、「新陳代謝促進成分」と記載する)と;抗炎症作用及び/又は抗アレルギー作用(以下、「抗炎症成分」と記載する)と;を含む。本発明の発毛剤は、頭皮の老廃物等を吸収する成分(以下、「吸収成分」と記載する)、タンパク質及び/又は脂肪を分解する成分(以下、「タンパク質分解成分」と記載する)、及び血行を促進する成分(以下、「血行促進成分」と記載する)の1種以上をさらに含んでもよい。これらの成分を組み合わせて使用することにより、顕著な養毛効果が得られる。さらに、これらの成分として天然に産生した動植物の抽出物、好ましくは植物の抽出物を用いるため、安全性の面でも優れている。 抗活性酸素成分としては、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物が挙げられる。これらの成分は単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。組み合わせて使用する場合には、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、及びセージ抽出物の2種以上の混合物(例えば、ウイキョウ抽出物及びセージ抽出物の混合物やホップ抽出物及びセージ抽出物の混合物);並びに、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、及びセージ抽出物の混合物を使用できるが、これらに限定されない。 ウイキョウ抽出物は活性酸素の生成を抑制し;ホップ抽出物及びカキ葉抽出物は生成した活性酸素のスカベンジャーとして作用し;セージ抽出物は体内に侵入したウイルスや細菌を攻撃するため、ウイルスや細菌に対する免疫機構の過剰反応を防ぎ、免疫機構による活性酸素生成を防ぐ作用を有するとも考えられる。 何れの理論にも拘束されるものではないが、活性酸素は、毛母細胞に損傷を与えたり、頭皮において皮脂や汗に含有される物質を酸化して毛穴を閉塞させることにより、毛髪の成長を阻害しているとも考えられる。抗活性酸素成分は、活性酸素の好ましくない作用を阻害するため、養毛効果に寄与しうる。 新陳代謝促進成分としては、ヨクイニン抽出物が挙げられる。ヨクイニン抽出物にはコイクセラノイド等の新陳代謝を促進する物質が含まれる。新陳代謝促進成分は、頭皮の細胞、例えば毛母細胞の活動を促進することにより、発毛効果に寄与しうる。 抗炎症成分の例として、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、及びハッカ抽出物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、及びハッカ抽出物の2以上を組み合わせて使用することが好ましく、3つ全てを組み合わせて使用することがさらに好ましい。抗炎症成分は、頭皮において損傷を受けた組織や細胞を回復させるため、養毛効果に寄与しうる。 カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、及びハッカ抽出物には、抗炎症作用や抗アレルギー作用を有する物質が含まれる。例えば、カミツレ抽出物中のカマズレン、カンゾウ抽出物中のグリチルリチン、ハッカ抽出物中のビネン、カンフェン、リモネン等である。 タンパク質分解成分としては、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。パイナップル抽出物及びパパイヤ抽出物は何れも、タンパク質や脂肪を分解する酵素を含んでいるため、頭皮のタンパク質及び/又は脂肪を分解し、頭皮の毛穴の閉塞の緩和及び予防に寄与すると考えられる。パイナップル抽出物は酸性領域で優れたタンパク質分解効果を示し、パパイヤ抽出物はアルカリ性領域で優れたタンパク質分解効果を示す。従って、被験者の頭皮の状態に応じて、パイナップル抽出物及びパパイヤ抽出物の配合比を適宜選択することができる。 血行促進成分としては、ローズマリー抽出物、ダイコン抽出物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ローズマリー抽出物は頭皮の血行を促進するだけでなく、毛母細胞の細胞分裂も促進しうる。 吸収成分としては、コムギ抽出物が挙げられる。ここでコムギ抽出物には、コムギの様々な部位から得られる抽出物、例えばコムギ粉、コムギ胚芽抽出物(例えばコムギ胚芽粉末)、コムギデンプンも含まれる。これらのコムギ抽出物は、頭皮の皮脂や汗の吸着剤として機能し、抗酸化成分、新陳代謝促進成分、抗炎症成分、及び血行促進成分のキャリアとしても機能しうる。なお、コムギ抽出物は上記の機能を有するだけでなく、後述する製造過程において各成分の作用効果を増進する場合がある。 本発明の発毛剤中の各抽出物の含有量は、発毛効果が得られる限り特に制限はないが、一般的には以下の通りである。なお、本明細書において特に断らない限り、抽出物の含有量は、発毛剤中の動植物抽出物の総和に対する重量%で表記する。 ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、及びセージ抽出物の含有量は、それぞれ1重量%以上、好ましくは2重量%以上であり、10重量%以下、好ましくは7重量%以下である;カキ葉抽出物の含有量は、0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、8重量%以下、好ましくは5重量%以下である;ゴボウ抽出物の含有量は、0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上であり、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。ヨクイニン抽出物の含有量は、10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、50重量%以下、好ましくは40重量%以下である。カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、及びハッカ抽出物の含有量は、それぞれ1重量%以上、好ましくは2重量%以上であり、10重量%以下、好ましくは7重量%以下である。パイナップル抽出物及びパパイヤ抽出物の含有量は、それぞれ0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上であり、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。ローズマリー抽出物の含有量は、1重量%以上、好ましくは2重量%以上であり、10重量%以下、好ましくは7重量%以下である;ダイコン抽出物の含有量は、0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上であり、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。コムギ抽出物の含有量は、10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。 なお、X抽出物の含有量とは、X由来の抽出物の総含有量を指す。例えば、コムギ抽出物としてコムギ粉末、コムギデンプン、コムギ胚芽粉末を使用する場合には、これらの含有量の総和をコムギ抽出物含有量とする。 一般的に、コムギ粉の含有量は、10重量%以上、好ましくは20重量%以上であり、60重量%以下、好ましくは50重量%以下である;コムギデンプンの含有量は1重量%以上、好ましくは2重量%以上であり、10重量%以下、好ましくは7重量%以下である;コムギ胚芽粉末の含有量は0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、8重量%以下、好ましくは5重量%以下である。 例えば、本発明の発毛剤の組成として以下の表1の組成が挙げられる。表1では、各成分の割合を重量%で表記する。 本発明の発毛剤の剤形に特に制限はなく、散剤、軟膏剤、溶液剤、懸濁液剤、乳剤、錠剤、カプセル剤が挙げられる。具体的には、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアミスト、ヘアフォーム、ヘアクリーム、ヘアジェル、エアゾール等の剤形が挙げられる。 本発明の発毛剤の使用態様に特に制限はなく、剤形に応じて選択される。本発明の発毛剤が散剤の形態にある場合には、使用時に水等の溶媒を加えて液状にしてもよく、頭皮に直接散布してもよい。なお、液状とは溶液に限られず、懸濁液及び乳剤の形態も含む。散剤を水と混合して使用すると、頭皮に均一に散布できるため有利である。混合する水の量は、散剤に対し重量で比較して1〜3倍の範囲にあることが好ましい。本発明の発毛剤が散剤の形態にある場合、該剤をシャンプー、リンス、及び石けんと併用することもできる。 本発明の発毛剤の一回の使用量は、剤形、被験者、発毛が求められる領域の面積に依存して決定される。発毛剤が散剤の形態にある場合、一般には、頭皮1cm2あたり0.01g以上、好ましくは0.02g以上、0.2g以下、好ましくは0.1g以下の発毛剤を使用する。平均的な発毛領域は700cm2であるため、1cm2あたり0.04gの発毛剤を使用する場合、使用量は28gとなる。散剤の使用量が上記範囲を超えると経済的でなく、上記範囲未満では発毛効果が十分得られないことがある。 本発明の発毛剤がヘアトニック、ヘアローション、ヘアミスト、ヘアフォーム、ヘアクリーム、ヘアジェル、及びエアゾールである場合には、頭皮の洗浄後に使用すると効果的である。 本発明の発毛剤中に含まれる動植物抽出物の製造方法に特に制限はなく、動植物の全部又は一部を溶媒中で抽出してもよく、溶媒で抽出した液を乾固して粉末にしてもよい。また、植物の全部又は一部をそのまま又は乾燥後に圧搾し、液状の抽出物を得ることもできる。抽出物には、動植物の全部又は一部を粉砕して粉末としたものも含まれる。粉砕の前に乾燥を行ってもよい。 植物抽出物の場合、根、茎、葉、枝、実等の各部位を用いて抽出物を製造することができる。抽出後に、精製や分画操作をさらに行い、純度を高めてもよい。また、複数の部位の抽出物を組み合わせて用いてもよい。 溶媒で抽出する方法としては、従来公知の方法を何れも用いることができる。例えば、溶媒中に植物の全部又は一部を室温で抽出する方法や、加熱して抽出する方法が挙げられる。抽出後、さらに濾過して固形分を除去してもよく、溶媒を留去してもよい。抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル;及び、これらの混合物が挙げられる。 本発明の発毛剤は、前述した抽出物以外の動植物抽出物、血行促進剤、細胞賦活剤、油性成分、保湿剤、抗菌剤、卵胞ホルモン、角質溶解剤、ビタミン、アミノ酸、抗脂漏剤、界面活性剤、多糖類、局所刺激剤、乳化剤、防腐剤、色素、香料、染料、抗酸化剤、抗炎症剤、収斂剤、皮脂抑制剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、アジュバント、バインダー、又はそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。1つの成分が複数の機能を果たしてもよい。 その他の動植物抽出物としては、アセンヤク抽出物、アルニカ抽出物、イチョウ抽出物、ウコン抽出物、エンメイソウ抽出物、オオムギ抽出物、オトギリソウ抽出物、オレンジ抽出物、キク抽出物、キンギンカ抽出物、クロレラ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、コンフリー抽出物、サンザシ抽出物、シソ抽出物、シャクヤク抽出物、スギナ抽出物、ステビア抽出物、センブリ抽出物、ソウハクヒ抽出物、ダイズ抽出物、タイセイ抽出物、タイソウ抽出物、タイム抽出物、チクセツニンジン抽出物、チャ抽出物、チョウジ抽出物、チョウジ抽出物、チョウセンアサガオ抽出物、チョウセンニンジン抽出物、トウガラシ抽出物、トウヒ抽出物、ニンジン抽出物、ビワ抽出物、プランタ抽出物、ペパーミント抽出物、ユリ抽出物、ヨモギ抽出物、レイシ抽出物、ローヤルゼリー、酵母抽出物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。 油性成分としては、各種の高級脂肪酸、スクワラン、オリーブ油が挙げられる。保湿剤としては、尿素、グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩が挙げられる。抗菌剤としては、ヒノキチオール、ビチオノールが挙げられる。卵胞ホルモンとしては、エストロン、エストラジオール、エチニルエストラジオールが挙げられる。角質溶解剤としては、乳酸、レゾルシンが挙げられる。ビタミンとしては、ビタミンA、B2、B6、B12、Dが挙げられる。アミノ酸としては、システイン、セリン、メチオニン、ロイシン、トリプトファンが挙げられる。抗脂漏剤としては、イオウ、レシチン、チオキソロンが挙げられる。金属封鎖剤としては、クエン酸、コハク酸、グルコン酸が挙げられる。多糖類としては、グアガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストランが挙げられる。これらの成分は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。 本発明の発毛剤は抗活性酸素成分を含むため、酸素と接触させると劣化する場合がある。従って、本発明の発毛剤は酸素を含有しない雰囲気中又は真空下で保存することが好ましい。酸素を含有しない雰囲気としては、酸素含有量が1 vol.%、好ましくは0.1 vol.%、さらに好ましくは0.01 vol.%以下である不活性ガス雰囲気が挙げられる。不活性ガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、及びそれらの混合物が含まれる。真空下での保存には、1 Torr以下、好ましくは0.1 Torr以下、より好ましくは0.01 Torr以下での保存が含まれる。 本発明の発毛剤は、前述の各種抽出物を混合することによって得られるが、冷暗所で保存することによって発毛作用を増進することができる。本明細書において、冷暗所とは−10℃以上、好ましくは−5℃以上、さらに好ましくは0℃以上、15℃以下、好ましくは10℃以下、さらに好ましくは5℃であって、直射日光が当たらない場所をいう。冷暗所での保存は、全ての抽出物を混合した後に行ってもよく、一部の抽出物を混合した後に行ってもよい。また、冷暗所保存は繰り返し行ってもよい。 本発明の具体的な製造方法の例を以下に示す。まず、ヨクイニン抽出物を含む組成物と、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物とを混合する。ここで、ヨクイニン抽出物を含む組成物はコムギ抽出物をさらに含んでもよく、ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物はコムギ抽出物をさらに含んでもよい。コムギ抽出物としては、コムギ粉が好ましい。 ヨクイニン抽出物を含む組成物がコムギ抽出物を含む場合、該組成物は、ヨクイニン抽出物とコムギ抽出物とを混合し、冷暗所で保存することによって得ることができる。ヨクイニン抽出物及びコムギ抽出物を混合した後の冷暗所における保存期間は、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、典型的には15日以上、好ましくは30日以上、さらに好ましくは45日以上であり、180日以下、好ましくは120日以下、さらに好ましくは90日以下である。混合物は密閉された容器中に保存し、大気と接触しないことが好ましい。何れの理論にも拘束されるものではないが、冷暗所における保存中に化学変化が起き、発毛剤の有効成分の作用が増進されるとも考えられる。 ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物がコムギ抽出物を含む場合、前述のヨクイニン抽出物を含む組成物がコムギ抽出物を含む場合と同様の条件で冷暗所で保存した後、ヨクイニン抽出物を含む組成物と混合することが好ましい。 次に、ヨクイニン抽出物を含む組成物と;ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物からなる群より選択される1種以上を含む組成物と;の該混合物を、冷暗所にて保存する。保存期間に特に制限はないが、15日以上、好ましくは30日以上であり、120日以下、好ましくは90日以下である。 冷暗所で保存後の該混合物に、残りの抽出物を含む組成物を添加し、発毛剤とする。残りの抽出物を含む組成物は、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物、ローズマリー抽出物、及びダイコン抽出物からなる群より選択される1種以上を含む。該組成物は、コムギ胚芽粉末及び/又はコムギデンプンをさらに含んでもよい。 該組成物として、上記抽出物群の1種以上とコムギ抽出物(例えばコムギ粉末)とを混合し、冷暗所で保存したものを用いてもよい。冷暗所で保存する期間に制限はないが、24時間以上、好ましくは48時間以上であり、144時間以下、好ましくは108時間以下である。 この様にして得た発毛剤は、速やかに不活性ガス雰囲気下又は真空下に移すことが好ましい。不活性ガス雰囲気下又は真空下への移動は、48時間以内、好ましくは24時間以内に行うことが好ましい。 以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に制限されるものではない。[製造例] 発毛剤A 表1の例1に記載した組成の発毛剤(以下、発毛剤Aと表記する)を、以下のように製造した。原料として、窒素ガスを充填して密閉包装し保存した粉末を用いた。コムギ粉を除き、何れの粉末も植物を乾燥させて粉砕したものであった。発毛剤Aの製造方法の概略を図1に示す。 まず、300gのヨクイニン粉末と150gのコムギ粉とを秤量し混合した後、冷暗所に45−90日間保存した。このヨクイニン粉末及びコムギ粉の混合物に、44gのウイキョウ粉末、36gのホップ粉末、36gのセージ粉末、24gのカキ葉粉末、6gのゴボウ粉末をさらに添加して混合し、さらに冷暗所で45日間保存した(以下、この混合物を「混合物I」とする)。 別途、44gのカミツレ粉末、44gのカンゾウ粉末、36gのハッカ粉末、24gのコムギ胚芽粉末、44gのコムギデンプン、6gのパイナップル粉末、6gのパパイヤ粉末、44gのローズマリー粉末、6gのダイコン粉末、及び150gのコムギ粉を秤量し、混合した後、冷暗所で3日間(72時間)保存した(以下、この混合物を「混合物II」とする)。 そして、混合物I及びIIを混合して発毛剤とした。該発毛剤を容器に移し、容器内を窒素ガスで置換、充填し、密閉して包装した。包装された剤は、施用直前に開封した。容器としてアルミラミネートを用いた。 発毛剤B 発毛剤Bも、発毛剤Aと同じ方法により製造した。発毛剤Aと相違する点は、ゴボウ粉末、パイナップル粉末、パパイヤ粉末、及びダイコン粉末を使用せず、それに代えてカキ葉粉末及びコムギ胚芽粉末の量を共に36gに増量した点であった。[試験例1] 製造例1で製造した発毛剤A及びBを使用して、発毛作用の評価試験を行った。発毛剤A及び発毛剤Bはそれぞれ週1回ずつ、計週2回、使用した。発毛剤Aは被験者以外の者が施用し、発毛剤Bは被験者自身が施用した。被験者は10名であり、何れも男性であった。被験者のうち、図1に示すa型(前頭M型)に該当する被験者が4名(被験者I〜IV)、b型(頭頂型)が3名(V〜VII)、c型(前頭型)が2名(VIII及びIX)、円形脱毛症が1名(X)であった。a−c型の分類は、図2に示す通りである。なお、発毛剤A及び発毛剤Bは何れも、真空包装して保存し、使用直前に開封した。 発毛剤の使用態様について、以下に説明する。発毛剤の使用の前に、被験者の頭皮及び頭髪をぬるま湯で洗浄して汚れを落とし、頭髪の水分をタオルで拭き取った。次に、発毛剤25gに水35mlを加え混ぜ合わせ、その混合物を被験者の頭皮全体に付着させ、頭皮全体が発毛剤に覆われるようにした。その後、指にお湯をつけながら20〜25分かけて1回目の頭皮及び髪の洗浄を行い、約4Lのお湯ですすぎ洗いを行った。すすぎ洗いに用いたお湯を回収し、2回目の洗浄に用いた。2回目の洗浄は、約10分かけて行った。なお、2回目の洗浄には発毛剤を補充しなかった。その後、お湯で頭皮及び髪を洗い流し、水分を拭き取り、頭皮を乾燥させた。 発毛の状態は、1週間毎に被験者に評価させた。発毛状態の評価基準は、以下の通りである。 0:発毛剤の使用開始時の状態 1:抜け毛の減少 2:髪の立ち上がり 3:触覚による発毛の知覚 4:髪の増量 5:本人の希望した状態の到達 結果を図3−6に示す。これらの結果から、本発明の発毛剤が顕著な発毛効果を有することがわかる。 被験者Vについて、本発明の発毛剤の使用開始時と24週間後の頭部の写真を図7に示す。使用を開始してから1週間後に脱毛が抑制され、24週間後には新生毛の密度が増加し、発毛面積が増大した。 被験者IXについて、本発明の発毛剤の使用開始時と23週間後の頭部の写真を図8に示す。使用を開始してから1週間後に脱毛が抑制され、4週間後には頭髪が根元から立ち上がるようになり、8週間後には密集した新生毛が観察された。23週間後には生え際に新生毛が観察され、発毛面積が増大した。 以上の結果は、本発明の発毛剤が優れた特性を有することを示す。図1は、本発明の発毛剤の製造方法の例を示す概略図である。図2は、脱毛症の各種の状態を分類したものである。図3は、頭頂M型(a型)脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の効果を示す。図4は、頭頂型(b型)脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の効果を示す。図5は、前頭型(c型)脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の効果を示す。図6は、円形脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の効果を示す。図7は、a型脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の発毛状態の変化を示す。図8は、c型脱毛症の被験者に本発明の発毛剤を施用した場合の発毛状態の変化を示す。 ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、ゴボウ抽出物及びこれらの組み合わせからなる群より選択される抗活性酸素成分; ヨクイニン抽出物からなる新陳代謝促進成分; カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物及びこれらの組み合わせからなる群より選択される抗炎症成分; コムギ抽出物からなる吸収成分;並びに ローズマリー抽出物、ダイコン抽出物及びこれらの組み合わせからなる群より選択される血行促進成分を含み、コムギ抽出物の量が、発毛剤中の抽出物成分の総和に対する重量を基準に10重量%〜60重量%含有し、散剤の形態にある発毛剤。 パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質・脂肪分解成分をさらに含む、請求項1の発毛剤。 (a) ヨクイニン抽出物からなる新陳代謝促進成分;ウイキョウ抽出物、ホップ抽出物、セージ抽出物、カキ葉抽出物、及びゴボウ抽出物及びこれらの組合せからなる群より選択される抗活性酸素成分;並びにコムギ抽出物からなる吸収成分;を混合し、 (b) 該混合物を−10℃〜15℃において暗所で保存し、 (c) 保存後の混合物に、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ハッカ抽出物及びこれらの組合せからなる群より選択される抗炎症成分、ローズマリー抽出物、ダイコン抽出物及びこれらの組合せからなる群より選択される血行促進成分、並びにコムギ抽出物からなる吸収成分を添加する工程を含む、請求項1の発毛剤の製造方法。工程(c)において、パイナップル抽出物、パパイヤ抽出物及びこれらの組合せからなる群より選択されるタンパク質・脂肪分解成分をさらに加える、請求項3の発毛剤の製造方法。 工程(a)において、前記新陳代謝成分に前記吸収成分を混合し、 −10℃〜15℃において暗所で保存してから前記抗活性酸素成分と混合する、請求項3または4に記載の方法。 工程(c)において、各成分の混合物を−10℃〜15℃において暗所で保存してから使用する、請求項3〜5の何れかに記載の方法。


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