生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_経口用真皮健全化剤、経口用皮膚水分保持能改善剤
出願番号:2004160105
年次:2012
IPC分類:A61K 36/899,A61K 36/06,A61P 17/16


特許情報キャッシュ

徳山 孝 JP 4883889 特許公報(B2) 20111216 2004160105 20040528 経口用真皮健全化剤、経口用皮膚水分保持能改善剤 株式会社創研 591002795 伊藤 温 100105315 徳山 孝 20120222 A61K 36/899 20060101AFI20120202BHJP A61K 36/06 20060101ALI20120202BHJP A61P 17/16 20060101ALI20120202BHJP JPA61K35/78 UA61K35/70A61K35/72A61P17/16 A61K 36/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 特開平07−252129(JP,A) 特開平08−073367(JP,A) 特開平07−010767(JP,A) 食品と開発,2000年,Vol.35, No.9,Page.56-59 6 2005336132 20051208 13 20070528 金子 亜希 本発明は、米由来成分を有効成分とする、経口用真皮健全化剤及び経口用皮膚水分保持能改善剤に関するものである。 皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層から構成されるが、中でも表皮の下に位置する真皮は、その名の通り皮膚の本態である。表皮が皮膚のバリア機能や水分保持機能を担っているのに対して、真皮は、皮膚にしなやかさや弾力性、強さを与える役割を果たし、ハリや硬さ等にも影響を及ぼしている。真皮は、表皮の約10倍の厚さで、重量の70%をコラーゲンが占め、また割合としては少ないがエラスチンが2%含まれており、これらの線維性タンパク質が皮膚の強さや弾力性に関係していると考えられている。 真皮が健康で若々しく保たれていると、しなやかでハリ・弾力があり、シワやくすみもない美しい皮膚となる。反対に、真皮が衰えると、ハリ・弾力の低下、皮膚のたるみ、くすみ、深いシワの発生などにつながる。 従来は、真皮に対する改善作用を期待して、コラーゲンの塗布や飲用が行われてきた。しかしながら、塗布した場合、コラーゲンは分子量約30万(低分子化されたものでも分子量3000)であるところ、皮膚を透過できる分子量は1000以下であり皮膚には浸透しないので、実際には皮膚に対する効果は無い。また、飲用した場合、アミノ酸に分解され吸収されるため、単なる栄養機能しかもたないと考えられていた。即ち、コラーゲンの外用や内服は、いずれもイメージのみが先行し、真皮に対する改善効果は認められていなかった。したがって、深いシワやたるみなど真皮における各症状に対しては、コラーゲンの注入等外科的な手術以外に方法はなかった。しかしながら、手術となると、安全性、副作用、費用の問題等、患者への負担が大きいことから、安全、安価に真皮を健全化する技術が求められていた。 そこで本発明者は、まず、表皮を健全化することにより真皮をも健全化する外用素材の開発に取組み、これを完成させた(特許文献1)。本素材は、角質層に直接作用し皮膚水分保持能を改善し、更には角化細胞を健全化し、健全な角化細胞、角質層を作り出し、表皮全体を健全化する効果をもつもので、この作用が表皮下層の真皮にも影響を及ぼし、健全化するというものであった。PCT/JP02/12518 しかしながら、外用による表皮健全化による真皮健全化では、真皮組織まで変化した深いシワやたるみ、弾力の低下、血行不良によるくすみに対する効果は、必ずしも十分ではなかった。また老化に関しても、ストレスや加齢など、内因性の要因による真皮の老化は、表皮からの作用では必ずしも十分ではなかった。 本発明者は、驚くべきことに、経口摂取によると、理由は不明であるが、「外用剤」より効率的に真皮を健全化し得ると共に、皮膚水分保持能を改善し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明(1)は、米の粉砕物を有効成分として含有する経口用真皮健全化剤である。ここで、「健全化」とは、適用者の年齢や体質等を考慮して前記適用者が本来持つべき健康な真皮の状態を基準として、不健全な真皮を現状より改善し、場合により、前記基準状態を超えたより健康な(例えば「若々しい」)真皮の状態にすることを意味する。例えば、深いシワやたるみの改善、皮膚の弾力の向上、血行不良によるくすみの改善を挙げることができる。 本発明(2)は、米の抽出物を有効成分として含有する経口用真皮健全化剤である。 本発明(3)は、米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する経口用真皮健全化剤である。 本発明(4)は、米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する経口用真皮健全化剤である。 本発明(5)は、米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する経口用真皮健全化剤である。 本発明(6)は、表皮健全化作用を有する、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの経口用真皮健全化剤である。 本発明(7)は、表皮健全化作用が皮膚水分保持能改善を含む、前記発明(6)の経口用真皮健全化剤である。 本発明(8)は、米の粉砕物を有効成分として含有する経口用皮膚水分保持能改善剤である。 本発明(9)は、米の抽出物を有効成分として含有する経口用皮膚水分保持能改善剤である。 本発明(10)は、米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する経口用皮膚水分保持能改善剤である。 本発明(11)は、米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する経口用皮膚水分保持能改善剤である。 本発明(12)は、米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する経口用皮膚水分保持能改善剤である。 本発明(1)〜(6)は、真皮健全化作用を有するので、真皮が不健全であることに由来する深いシワやたるみの改善、皮膚の弾力の向上、血行不良によるくすみの改善効果を奏する。ここで、本発明(6)は、更に表皮健全化作用を奏するので、外用剤を作用させなくとも、角質層や表皮角化細胞を健全化することができ、健全な角質層を作り出すことができる。また、本発明(7)は、更に皮膚水分保持能改善作用を奏するので、外用剤を作用させなくとも、角質層内に水分を保つことができ、肌をきめ細かく、みずみずしく、しっとりさせるという効果も奏する。 本発明(8)〜(12)は、皮膚水分保持能改善作用を奏するので、外用剤を作用させなくとも、角質層内に水分を保つことができ、肌をきめ細かく、みずみずしく、しっとりさせるという効果も奏する。 また、本発明(1)〜(12)の原料である米は、今まで主食とされてきたものであり、安全性も実証されているので、さまざまな医薬品、医薬部外品、健康食品、飲食品に利用できる非常に有意義な発明といえる。また、米の過剰生産といわれている現在、新たな米の利用用途を見出したこと、および米のイメージアップによる消費拡大を図りうることは、極めて有意義なことである。 以下、本発明を実施するための最良の形態につき説明する。尚、本発明の本質は、材料と用途であり、それ以外の要素(例えば、投与量、剤型、作用機序等)は何ら本発明を限定するものではない。まず、本発明に係る「米」とは、白米、玄米及び発芽させた米といった米だけでなく、白糠及び赤糠等といった米の一部も含む概念である。但し、白米部分を必須的に含むもの、即ち、白米、玄米、発芽させた米、白糠を用いることが好適である。ここで、白米及び玄米に関しては、ジャポニカ、インディカ米を問わず、うるち米、および餅米等の玄米および白米を指し、品種、種類は問わない。また、白糠及び赤糠とは、一般に、精白時に出てくる92%以上の赤糠や92%以下の白糠を指すが、両者が混合したものを使用してもよい。なお、有効成分は、熱および光に対して安定であるため、上記の原料は、浸漬、蒸煮、焙煎(砂焙り、網焙り、熱風焙煎等全てを指す)、蒸煮焙煎、凍結乾燥等の表面変性、UV照射等の光変性、パットライス等の加圧焙煎、揚げる等の原料処理をしてもよい。白米、玄米及び発芽させた米は、そのまま用いても有効であるが、実用上の面から粉砕して用いるのが好ましい。白米、玄米及び発芽させた米を粉砕して粉体化するには、粉砕機または精米機を用い一般的な方法で行なえばよい。 発芽させた米を製造する場合、胚芽のついた米を水に浸漬あるいは水を噴霧して発芽させる。発芽させる時の温度は5〜70℃である。ただし、発芽さえすれば、温度および時間は問わない。また、発芽中に水が腐敗する危険性がある場合は、腐敗しないように水を取り替えるか、何らかの防腐を行うのが好ましい。ここで、発芽とは、発芽する直前から発芽したものまで全てを指す。この発芽させた米をよく洗浄して用いる。この時、乾燥して用いてもよい。米を抽出、あるいは酵素分解または麹を作用させる場合、原料の米を粉砕して顆粒あるいは粉体化すると、表面積が大きくなるため効率がよくなる。粉砕しなくてもよいが、この場合には、米組織の分解および抽出に長時間を要する。 米を水抽出する場合、抽出温度は、高温が効率的であるが、低温でも十分に抽出を行うことができる。ただし、40℃以下の低温の場合は、pHを酸性あるいはアルカリ性にするか、防腐剤あるいはアルコールを加えて、米が腐敗しないように処理することが望ましい。抽出時間は、有効成分さえ抽出できれば、長くても短くてもよく、抽出温度により定めればよい。また、抽出は、加圧下または常圧下で行っても、減圧下で行ってもよい。水抽出の場合、最も問題になるのは糊化現象である。糊状になれば、抽出効率が悪くなるばかりでなく、実作業においては困難を極める。これを防ぐためには、アミラーゼを加えて反応させるか、塩酸などで酸性にして澱粉を切ってやればよく、この方法を用いることにより、十分に解決でき、実用上も全く問題はない。 抽出物中の有効成分は、酸,アルカリに安定であるためか、酸分解抽出、あるいはアルカリ分解抽出を行うのも有効である。この場合、必要により中和、脱塩を行う。有機溶媒で抽出する場合も、米はなるべく微粉砕または粉体化して抽出することが望ましい。有機溶媒はアルコール,アセトン,n―へキサン,メタノール等の一般的な有機溶媒でよいが、人体に対して有害なものは抽出後、溶媒を完全に除去する必要があるので安全なものがよい。また、米を酸素分解、または麹を作用させてもよい。ここで言う酸素分解とは、澱粉分解酵素(液化酵素、糖化酵素),蛋白分解酵素,脂肪分解酵素,繊維分解酵素,リグニン分解酵素,ペクチン分解酵素等米に働く酵素を1種または2種以上作用させることをいう。例えば、液化酵素と糖化酵素との組み合わせを挙げることができる。また、麹として麹菌の種類および米の品種,種類は問わない。 さらに、前記の抽出を行うに当り、抽出の前、抽出と同時または抽出の後に、上記の酵素分解および麹を作用させてもよい。本発明においては、さらに上記の処理を行なうと同時または処理後、アルコール発酵あるいは乳酸発酵、酢酸発酵等の有機酸発酵を行うと、次のような点でも有効である。アルコール発酵を行なえば、濃縮がしやすく、有効成分の濃縮が容易になる。なお、酵母による通気発酵、アルコール沈殿等を行なって除糖してもよい。 以上のようにして得られた本発明品は、残渣を分離することなくそのまま、あるいは圧搾、濾過して用いる。そのまま用いるときは、殺菌あるいは除菌して製品にする。なお、本発明品は実際の用途に応じ、エアゾール剤、液剤、ゼリー剤、エリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、散剤、細粒剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、トローチ剤、リモナーデ剤等の剤型で用いることもできる。更には、食品や飲料に添加する処方もあり得る。なお、用途に応じて、他の配合成分や薬剤を添加してもよい。尚、本発明品の添加量は、添加対象となる医薬品、飲食品等の種類にもよるが、一般的に、製品100重量部当たり、本発明品エキスを0.0001〜90重量部、好適には0.01〜60重量部、最も好適には0.1〜30重量部添加する。また、本発明品の摂取量は、体重1kg当たり、一日0.0001〜100ml、好適には一日0.001〜50ml、最も好適には0.01〜20mlである。 ここで、実際の製品との関係では、例えば、皮膚水分保持能改善のために用いられるものである旨の表示を直接又は間接的に付することが好適である。該表示を付する対象としては、製品(例えば、薬剤、化粧品、飲食品)のパッケージ、パンフレット、取扱説明書等を挙げることができる。このような表示を付することにより、本発明品がそのような効果を奏することが、ユーザに一目瞭然となる。ここで、「皮膚水分保持能改善のために用いられるものである旨の表示」とは、皮膚水分保持能改善を明記した場合のみならず、皮膚水分保持能改善を示唆する表示も包含する。 尚、本発明に係る真皮健全化剤の有効成分は、原料が無数の化学成分からなる天然物であるために特定されるに至っていないが、外用剤として用いるよりも経口剤として用いたときの方が真皮健全化が図られることから、当該改善剤中の特定物質(或いは複数の特定物質)が、体内の各種酵素により分解された結果、真皮健全化作用を有する消化物を生み出すものと理解される。更に、本発明に係る皮膚水分保持能改善剤に関しても同様である。実施例1 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例2 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に麹250gと水3Lを添加し、55℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.6Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例3 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に澱粉分解酵素5gと水3Lを添加し、55℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例4 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に蛋白質分解酵素5gと水3Lを添加し、50℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.3Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例5 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に繊維分解酵素5gと水3Lを添加し、50℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.2Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例6 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に脂肪分解酵素5gと水3Lを添加し、50℃で16時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.1Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例7 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.6Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例8 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、蛋白質分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例9 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、脂肪分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例10 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、繊維分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例11 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に1/10N塩酸3Lを添加し、よく撹拌し24時間放置した。その後、濾過器を用いて固液分離を行い、苛性ソーダで中和し、2.3Lの抽出液を得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例12 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に95%エタノール3Lを添加し、よく撹拌し4日間放置した。その後、濾過器を用いて固液分離を行い、2Lの抽出液を得た。このろ液に水4Lを加え、ロータリーエバポレーターでエタノールを留去し2Lとした。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例13 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後冷却し酵母を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.5Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例14 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後加熱殺菌し、冷却後乳酸菌を加え、37℃で2日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.3Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。実施例15 白米を粉砕機にかけ、白米の粉砕物1kgを得た。この粉砕物に液化酵素5gと水3Lを添加し、60℃で4時間放置した。その後、加熱昇温させ、冷却した後、澱粉分解酵素5gを加え、55℃で4時間放置した。その後95%エタノール150 mLと酢酸菌を加え、15日間発酵を行った。その後濾過器を用いて固液分離を行い、ろ液2.4Lを得た。これを85℃で30分加熱して本発明品を得た。試験例1.評価項目 真皮健全化効果は、皮膚の弾力性を測定することにより評価した。また真皮健全化による皮膚水分保持能改善効果は、生体角質層水負荷試験により評価した。2.被験物質 実施例1、実施例2、実施例8、実施例13〜153.被験者 健常人21名を各実施例群、およびコントロール群に分けた(1群各3名)。4.投与量、投与方法、投与期間投与量:10ml/日投与方法:就寝前に被験物質10mlを飲用した。なお、コントロール群は水10mlを飲用した。投与期間:8週間5.試験方法(1)皮膚弾力性の測定測定部位:左頬中央測定時期:投与前、投与8週間後測定装置:皮膚粘弾性装置皮膚弾力性測定の手順: 測定部位を石鹸で洗浄し、温度20℃、湿度50%に設定した恒温恒湿室内で60分間安静にする。皮膚粘弾性装置のプローブを測定部位に押しつけ、皮膚弾力性パラメータ(UR/UF)を測定する。(2)皮膚水分保持能の測定(生体角質層水負荷試験)測定部位:左上腕内側測定時期:投与前、投与8週間後、投与中止2週間後測定装置:皮表角質水分量測定装置(3.5MHz高周波伝導度測定装置)生体角質層水負荷試験の手順:測定部位を石鹸で洗浄し、温度20℃、湿度50%に設定した恒温恒湿室内で60分間安静にする。はじめに、何も処理していない測定部位の、角層水分含有量を測定する(装置の電極を一定の力で皮膚に当てると、角層水分含有量として電気伝導度(μΩ-1)が表示される)。次に測定部位に蒸留水を一滴のせ、ガーゼで軽くふき取り、拭き取り直後、30、60、90、120秒後に同部位の角層水分含有量を測定する。以下の式に従い、皮膚水分保持能(%)を求める: 被験物質投与前の水分保持能(%)を1.0として、投与8週間後、投与中止2週間後の水分保持能(%)の比率を求めグラフ化する。試験結果(1)皮膚弾力性 皮膚弾力性の変化を表1に示す。コントロール群では、投与前と比較して投与8週間後も皮膚弾力性に変化が認められなかった。他方、実施例群はいずれも、投与前と比較して投与8週間後は皮膚弾力性が17〜25%上昇した。また「皮膚の弾力」、「皮膚のたるみ」に対する官能評価の平均値を表2に示す。コントロール群では、官能評価においても弾力、たるみ改善効果は認められなかった。他方実施例1〜6群は、いずれの群も飲料した被験者全員が、皮膚の弾力、たるみが改善されたと評価した。この結果、本発明は顕著な真皮健全化効果をもつことが判明した。(2)皮膚水分保持能 皮膚水分保持能の変化を表3、図1に示す。コントロール群では、投与前と比較すると投与8週間後、投与中止2週間後いずれも皮膚水分保持能に変化は認められなかった。一方実施例群は投与前と比較すると投与8週間後には顕著な皮膚水分保持能増大が認められた。この結果、本発明は、皮膚水分保持能を改善することが証明された。また、投与中止2週間後も高い水分保持能が維持されたことから、角質層のみならず表皮角化細胞をも健全化し、表皮全体を健全化することが明らかとなった。この表皮健全化作用のメカニズムは、皮膚弾力性試験の結果から、真皮が健全化されたことに拠るものと理解される。図1は、試験例に従い、実施例1、2、8、14及び15に係る皮膚水分保持能改善剤の、投与前、8週間投与後、投与中止2週間後の皮膚水分保持能比率を示したものである。 米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用真皮健全化剤。 米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用真皮健全化剤。 米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用真皮健全化剤。 米の加水物を酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用皮膚水分保持能改善剤。 米を抽出するに当たり、その抽出前、抽出と同時または抽出後に酵素分解または麹を作用させたものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用皮膚水分保持能改善剤。 米の抽出物あるいは酵素分解または麹を作用させたものに、アルコール発酵あるいは有機酸発酵を行ったものを有効成分として含有する、医薬品又は医薬部外品としての経口用皮膚水分保持能改善剤。


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