生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_採尿容器
出願番号:2004148213
年次:2006
IPC分類:G01N 33/48,G01N 1/10


特許情報キャッシュ

福富 悌 JP 3795501 特許公報(B2) 20060421 2004148213 20040518 採尿容器 有限会社 福富ヘルスサイエンスアンドサービス 598106485 西尾 章 100109597 福富 悌 20060712 G01N 33/48 20060101AFI20060622BHJP G01N 1/10 20060101ALI20060622BHJP JPG01N33/48 FG01N1/10 V G01N 33/48−33/98 G01N 1/10 実開平04−047660(JP,U) 特開平10−104227(JP,A) 実開昭63−113959(JP,U) 特開平09−113422(JP,A) 特開2001−108672(JP,A) 登録実用新案第3088494(JP,U) 4 2005331293 20051202 8 20040520 加々美 一恵 本発明は、検査などに用いる尿を採取する容器に関する。 医療機関、学校、会社などでは診療や健康診断の目的で採尿容器に尿を採取して尿検査が行われることがある。採尿容器は、従来より一般的なコップタイプのものが用いられ、所定量の尿が採取される。ところが、患者が小児である場合や尿検査のあることを予期していなかった患者の場合、十分な量の尿を採取できないことがある。一方、近年、尿検査により検査できる項目は多岐に亘り、これに伴い試薬の種類が増加し尿検査試験スティックや尿検査試験紙の長さが長くなる傾向にある。したがって、十分な量の尿が採取された場合でも、尿検査試験スティックや尿検査試験紙などを検査のために採尿容器に溜められた尿に浸漬することが面倒となりつつあり、特に採取された尿が少量の場合は検査が非常に困難になるという問題があった。 また、従来のコップタイプの採尿容器は、上端縁が水平であるため男性にとっても採尿し難いばかりか、女性にとっては特に採尿し難く、尿が採尿容器から漏れたり飛び散るという問題があった。さらに、尿を精密検査に供する目的などのために採尿容器からスピッツなどの他の容器に移す作業が行われることがあるが、上記と同様の理由によりこの作業は煩雑で難しいという問題があった。 従来、上記のような問題を解決することを目的とする提案がある。採尿容器に溜められた尿が少ない場合の検査の容易化を目的とするものに、有底筒状のカップ本体と、該カップ本体の上縁部に沿って折り曲げ可能に該上縁部の一部に取り付けられた舌部と、を有する、採尿カップの提案がある(特許文献1参照)。また、尿の漏れや飛び散りを防止することを目的とするものに、患者の尿検査に使用する広口状の採尿コップにおいて、該採尿コップの上部開口部を傾斜状に形成した採尿コップの提案がある(特許文献2参照)。さらに、検査容器に溜められた尿を容易に小分けできることを目的とするものに、少なくとも1本の注ぎ口形成用の折目をコップの上端部に外向きに形成してなり、前記コップの胴部は、手指によって両側から挟むように把持すると、前記折目を介して外向きに変形して口部に注ぎ口を形成し、手指から開放すると、元の形状に復元する一方、前記折目の位置を把持すると、前記口部が殆ど変形しない検尿コップの提案がある(特許文献3参照)。特開2001−108672号公報特開平9−89883号公報特許第3360158号明細書 しかし、特許文献1に記載の発明は、少量の尿の検査を容易化するために舌部を設けるものの、尿の液面が舌部上で安定化するとは限らず、採尿カップから尿がこぼれ落ちるおそれもあり、また、毛管現象を利用できるのは尿検査試験紙に限られ、合成樹脂のシートに試薬が貼着される尿検査試験スティックでは難しいという問題があった。さらに、この採尿コップは尿の採取の容易化や尿をスピッツなど他の容器に移す作業の容易化に関する提案はない。また、特許文献2に記載の発明は、採尿が容易になるものの、少量の尿の検査の容易化や採尿コップの尿をスピッツなどの他の容器に移す作業の容易化に関する提案はない。特許文献3の発明は、検尿コップの尿をスピッツなどの他の容器に移す作業が容易化されるものの、尿の採取の容易化や少量の尿の検査の容易化に関する提案はない。 本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、採取された尿が少量の場合でも尿検査試験スティックや尿検査試験紙を用いる検査を容易かつ確実に行え、また、尿の採取が容易に行えると共に尿をスピッツなど他の容器に移す作業が容易である多機能な採尿容器を提供することを課題とする。 上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明は、下方から上方に向け拡径する有底筒状の採尿容器であって、側面視における上端縁は一方の側が他方の側より高くなるように形成され、また、正面視における前面より後方側は略台形状又は略矩形状をなす尿導入部が形成され、胴部の前記尿導入部の近傍は上端縁から下方に向けて少なくとも2本の第1の折り目が対向して形成され、対向する2つの前記第1の折り目を内側に向けて押圧することにより尿導入部に凹溝を形成できることを特徴とする採尿容器を要旨とする。 上記の構成により、尿導入部に形成される凹溝に尿を導入できるので、尿の液面の幅を凹溝の幅まで狭くでき、また尿の液面を安定化できる。なお、略台形状又は略矩形状には各辺が直線状ではなく多少湾曲する場合をも含む。 また、上記の発明において、第1の折り目を斜め後方に向けて形成しても良い。これにより、第1の折り目を内側に押圧することにより尿導入部に凹溝を形成することが容易になる。 また、上記の各発明において、正面視における尿導入部の上辺相当部の上端縁から下方向に向けて2本の第2の折り目が平行に形成しても良い。これにより第1の折り目の内側への押圧による凹溝の形成が容易になる。 また、上記の各発明において、2本の第2の折り目間の幅を尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の短手幅より少し広くしても良い。これにより凹溝の幅が投入される尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の短手幅とほぼ同じになるので、凹溝に導入される尿の液面の幅を狭くでき、より少ない量の尿の検査が可能となる。 本発明の採尿容器は、尿の採取が行い易く、特に女性にとっても尿の採取が容易である。また、従来検査が難しかった少量の尿でも、尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙を用いて検査を容易かつ確実に行うことができ、加えて採取される尿は少量で足りるので、試験後の尿の処理がし易くなる。さらに、採尿容器に溜められた尿を精密検査などのためスピッツなど間口の狭い容器に移す作業も尿をこぼすことなく容易に行うことができる。 以下、図面を参照しながら本発明を実施の形態により詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕 本実施形態の採尿容器30は、紙により形成され、図1及び図2に示すように側面視において、上端縁は一方の側より他方の側が高くなるように形成されている。そして、上端縁は低い側から高い側まで湾曲しながら次第に高くなるように形成されている。また、上端縁は、紙が折り返されてリブ15が形成されている。 また、採尿容器30は、図3に示すように正面視において、前面の後方側は上辺が下辺より短辺となる略台形状をなす尿導入部10が形成されている。胴部14の尿導入部10近傍には、上端縁から斜め後方に向けて2本の第1の折り目11が対向して形成されている。 採尿容器の底部13は、図4に示すように尿の濁り検出用のマーカー16が付されている。 また、図3に示すように、尿導入部10の上辺相当部の上端縁から下方に向けて2本の第2の折り目12が尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の短手幅より少し広い幅で平行に形成されている。また、胴部14の下方の内側には、10mlの容量を示すマーカー17が付されている。 上記のように構成される採尿容器30は、図5の展開図で示す紙の上端縁を折り返してリブ15を形成させ、次いで胴部取り付け代18を糊付けする。そして、図示しない円形の底部を底部取り付け代19を折り返して糊付けすることにより製造できる。なお、この製造方法は、一例であり他の方法によって製造することも可能である。 次いで、本発明の採尿容器30の使用方法について説明する。被検者が男性の場合は尿導入部10が前方に位置するように、女性の場合は尿導入部10が後方に位置するようにそれぞれ採尿容器30を手で持って尿を採取する。この採尿容器30は、前方が広く開口しているので、男性は勿論、特に女性では尿の採取が容易になり、一方、後方は尿導入部10が略台形状に形成されているので尿が飛散し難いようになっている。このように、本実施形態の採尿容器30によれば、従来の一般的なコップタイプの採尿容器に比べ、尿の採取が容易かつ円滑に行える。なお、尿は10mlを目途として採取すれば良い。 尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙を用いる検査は以下のように行うことができる。尿が溜められた採尿容器30を一方の手で持ち、2本の第1の折り目11を指により内側に押圧する。これにより尿導入部10の略台形状をなす側辺相当部21は、図6に示すように第2の折り目12に沿い内側へと折れ曲がり、尿導入部10に凹溝20が形成される。次いで、第1の折り目11を押圧したまま採尿容器30を尿導入部10が下になるように傾けることにより尿を凹溝20に導入させることができる。そして、他方の手で持つ図示しない尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙を凹溝20内に投入し、尿に浸漬することにより検査ができる。従来のコップタイプの採尿容器は、少量の尿の検査のため採尿容器を下向きに傾けると尿の液面が前後左右に流動し易いことから不安定になり、採尿容器を下方向に傾けると被検尿が採尿容器からこぼれ落ちることもあり、採尿容器を傾けて尿に尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙を浸漬することは極めて困難であった。これに対し、本実施形態の採尿容器30は、尿が尿導入部10の凹溝20内に導入されることにより、尿の液面の幅を尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の短手幅とほぼ同じ程度に狭くでき、また、尿が凹溝20内に導入されることで尿の液面の左右方向への流動は完全に抑制されて液面が安定化するので、例えば10ml程度の少量の尿でも検査を容易かつ確実に行うことが可能となる。 また、本実施形態の採尿容器30は、上記の尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙を用いて検査する場合と同様に2本の第1の折り目11を押圧して尿導入部10に凹溝20を形成させれば、凹溝20の幅はスピッツの口径より小さいので、採尿容器30に溜められた尿を容易にスピッツなどの他の容器に移す作業を容易に行うことができる。 〔第2の実施形態〜第3の実施形態〕 次いで、本発明の採尿容器の別の形態を第2の実施形態及び第3の実施形態により説明する。これらの採尿容器40、50は、尿導入部35、45の形状が第1の実施形態と異なるのみで、図面において同一の構成要素については同一の符号を付する。第2の実施形態の採尿容器40は、図7、図8に示すように正面視における尿導入部35が略矩形状に形成され、胴部14に第1の折り目11及び尿導入部35に第2の折り目12が形成されている。また、第3の実施形態の採尿容器50は、図9、図10に示すように正面視における尿導入部45が略台形状に形成される点では第1の実施形態と同様であるが、第1の実施の形態の採尿容器30が側面視において一方の側から湾曲しながら他方の側が高くなるように形成されるのに対して、本実施形態の採尿容器50は一方の側から一定範囲は同じ高さを保ち、それから次第に湾曲しながら他方の側が高くなるように形成され、胴部14に第1の折り目11及び尿導入部45に第2の折り目12が形成されている。 本発明は、その技術的思想に包含される限り種々形態を変更して具体化できるので、以下に例示する。(1)本発明の採尿容器は、紙に限定されず、合成樹脂などにより製造することもできる。(2)本発明の採尿容器は、第2の折り目を形成することが好ましいが、形成しない構成としても良い。(3)本発明の採尿容器は、第1の折り目を上端縁から斜め後方に向けて形成することが好ましいが、上端縁から下方向に形成される限りこれに限定されない。(4)正面視において尿導入部が略台形状又は略矩形状に形成される限り、その形態は特に限定されない。(5)上記の各実施の形態の採尿容器の高さ寸法は、凹溝に尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の全体を一度に浸漬できるよう従来のコップタイプのものより少し高く設定されているが、従来のコップタイプのものと同じような高さ寸法に設定しても良い。(6)本発明の採用容器は、リブを設けない構成としても良い。第1の実施形態における採尿容器の右側面図である。第1の実施形態における採尿容器の左側面図である。第1の実施形態における採尿容器の正面図である。第1の実施形態における採尿容器の平面図である。第1の実施形態における採尿容器の展開図である。第1の実施形態における採尿容器を前方側から手で掴み、親指と人差し指で第1の折り目を内側に押圧した状態の平面図である。第2の実施形態における採尿容器の右側面図である。第2の実施形態における採尿容器の正面図である。第3の実施形態における採尿容器の右側面図である。第3の実施形態における採尿容器の正面図である。符号の説明 10、35、45 尿導入部 11 第1の折り目 12 第2の折り目 13 底部 14 胴部 20 凹溝 21 側辺相当部 30、40、50 採尿容器 下方から上方に向け拡径する有底筒状の採尿容器であって、側面視における上端縁は一方の側が他方の側より高くなるように形成され、また、正面視における前面より後方側は略台形状又は略矩形状をなす尿導入部が形成され、胴部の前記尿導入部の近傍は上端縁から下方に向けて少なくとも2本の第1の折り目が対向して形成され、対向する前記第1の折り目を内側に向けて押圧することにより尿導入部に凹溝を形成できることを特徴とする採尿容器。 第1の折り目は斜め後方に向けて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の採尿容器。 正面視における尿導入部の上辺相当部の上端縁から下方向に向けて2本の第2の折り目が平行に形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の採尿容器。 2本の第2の折り目間の幅が尿検査試験スティックあるいは尿検査試験紙の短手幅より少し広いことを特徴とする請求項3に記載の採尿容器。


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