生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_含フッ素アセチレンアルコール類
出願番号:2004148173
年次:2009
IPC分類:C07C 33/42


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坂野 安則 小池 則之 JP 4305914 特許公報(B2) 20090515 2004148173 20040518 含フッ素アセチレンアルコール類 信越化学工業株式会社 000002060 松井 光夫 100085545 坂野 安則 小池 則之 20090729 C07C 33/42 20060101AFI20090709BHJP JPC07C33/42 C07C 33/42 CA/REGISTRY(STN) 特開平11−286484(JP,A) 特開昭57−209239(JP,A) 特開昭49−082650(JP,A) 特開平11−166122(JP,A) David O'Hagan and Naveed A.Zaidi,The Resolution of Tertiary α-Acetylene-Acetate Esters by the Lipase from Candida Cylindracea,Tetrahedrom Asymmetry,英国,Elsevier Science Ltd,1994年,vol 5, No 6,P1111-1118 2 2005330196 20051202 9 20060516 服部 智 本発明は、新規の含フッ素アセチレンアルコール類に関する。 アセチレンアルコール類は、例えば「オルフィン」(日信化学工業株式会社)の商品名で3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール 2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール等が、また「サーフィノール」(エアープロダクツ)の商品名で各種アセチレングリコール類が市販されている。 これらアセチレンアルコール類は化合物の中間体原料として用いられる他に、金属表面処理剤、低発泡性の濡れ剤、消泡剤、顔料分散剤などの非イオン系界面活性剤としての用途で、また遷移金属への高い配位能を利用したヒドロシリル化反応の制御剤として、工業的にも広く用いられているきわめて有用な化合物である(特許文献1〜3参照)。 しかし、アセチレンアルコール類をフッ素含有率の高い反応系で使用しようとした場合、比重差や溶解性などの問題により期待した効果が得られないことがある。例えばフッ素含有率の高いポリマーのヒドロシリル化による硬化反応の制御剤としての用途では、アセチレンアルコール類の分離により反応にムラが生じ硬化不良が発生するなど大きな問題がある。 かかる問題を解決するために、フッ素含有有機ケイ素化合物及びその製造方法が開示されている(特許文献4参照)。このものは、フッ素含有率の高いフロロシリコーン、パーフルオロポリマーなどに完全相溶するために、分離することもなく、実用的には十分なヒドロシリル化反応の制御効果を有する。しかし、この化合物は、アセチルアルコール型の制御剤と比較すると、硬化反応の厳密な制御が困難な傾向にあり、さらに白金化合物との混合後の保存安定性が低いなどの問題点があった。 またアセチレンアルコール類に適度なフッ素基を導入することが出来れば、非イオン系界面活性剤としての大きな特徴である水への溶解性の制御や、揮発性の向上が可能になり、その用途はさらに広がることが期待できる。このため、近年、フッ素基を含有する新規のアセチレンアルコールへの要求が高まっていた。特公昭44−31476号公報特開平6−329917号公報特開平9−143371号公報特開2000−53685号公報 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、フッ素基を含有する新規のアセチルアルコール化合物を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記目的を達成するため検討を行った結果、含フッ素ケトンとアセチリドあるいはアセチレングリニャール試薬とを反応させることで下記一般式(1)で示される含フッ素アセチレンアルコール類が合成可能であることを見出し、本発明をなすに至ったものである。(但し、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基で、途中エーテル結合を含んでいてもよく、分岐していても良い。aは0もしくは1、Zは炭素数1〜10の2価の有機基であり、R1は炭素数1〜10の一価の炭化水素基である) 本発明の新規の含フッ素アセチルアルコール化合物は、非イオン系界面活性剤、化合物の中間体、ヒドロシリル化の反応制御剤としてきわめて有用である。 以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明の含フッ素アセチレンアルコールは下記一般式(1)で示されるものである。Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基で、途中エーテル結合を含んでいてもよく、分岐していても良い。 Rfとしては以下のような構造が挙げられる。 ここで、a=0、1であり、Zは炭素数1〜10の2価の有機基である。Zは炭素数1〜10の2価の有機基であれば特に制限されるものではないが、途中に酸素、窒素、カルボニル基などを介してもよく、例えば以下の構造が挙げられる。(R2およびR3は、それぞれ独立に炭素数1〜9のアルキル基もしくは水素原子で、炭素数の和が9以下である。R2およびR3として具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、シクロヘキシルなどが挙げられる) R1は炭素数1〜10の一価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。特に、メチル基、シクロヘキシル基が好ましい。 本発明の含フッ素アセチレンアルコールは、一般的なアセチレンアルコールの合成法(例えば、丸善刊、実験化学講座第4版第21巻、P85)で開示されている方法により合成可能であり、アセセチレンのグリニヤール試薬やリチウム試薬とカルボニル化合物との付加反応を利用して合成することが出来る。 具体的には、下記一般式(4)(但し、Rf、a、Z、R1は前述の通り)で示される含フッ素ケトンとナトリウムアセチリド、リチウムアセチリドもしくはそれらアセチリドのアミン塩、あるいはアセチレンのグリニャール試薬とを反応させることで合成が可能である。 ここで用いられる含フッ素ケトンとしては、特に以下一般式(5)で表されるものが好適に用いられる。 ここで、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基で、途中エーテル結合を含んでいてもよく、分岐していても良いが、具体的には以下のパーフルオロアルキル基、パーフルオロエーテル基が好ましい。 またアセチレンの導入試薬としては、特にリチウムアセチリド、リチウムアセチリドのエチレンジアミン塩、アセチルマグネシウムブロマイド、アセチルマグネシウムクロライドが好適である。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 [実施例1] 下記式(6)で示される含フッ素ケトン 12.8g(45.2mol)をジムロート、温度計を装着した500ml三口フラスコに仕込むんだ。窒素雰囲気下でリチウムアセチリド−チレンジアミン塩 12.0g(130.4g)をTHF 300mlで希釈した溶液を室温で添加し、マグネチックスターラーで室温中72h攪拌した。攪拌後、過剰の希塩酸に投入し、有機層を400mlのジエチルエーテルで抽出した後にエバポレーターで濃縮した。濃縮した成分から、減圧蒸留により沸点63℃/2.0 kPaの成分 1.7g(GC純度 96%)を得た。 この化合物の1NMRスペクトルを図1、2に示す。それぞれのピークの帰属は以下の通りである。図1 1H NMRスペクトル(CDCl3溶媒中) : 1.56 ppm (3H,−CH3) : 1.83〜2.03 ppm (2H,−CH2−C−OH) : 2.21 ppm (1H,−OH) : 2.21〜2.53 ppm (2H,−CF2−CH2−) : 2.51 ppm (1H,−C≡CH)図29F NMRスペクトル(CDCl3溶媒中) :− 81.7 ppm (3F,−CF3) :−114.9 ppm (2F,−CF2−CF3) :−125.0 ppm (2F,−CF2−CF2−CF3) :−126.7 ppm (3F,−CH2−CF2−) また、この化合物のIRスペクトルを図3に示す。3200〜3700cm−1にOH基の吸収、3300cm−1に−C≡C−H構造に由来する吸収が存在する。 以上の結果から、得られた化合物が(7)の構造を持つことを確認した。[図1][図2][図3]下記一般式(2)で示される含フッ素アセチレンアルコール類。(但し、Rfは炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基で、途中エーテル結合を含んでいてもよく、分岐していても良い。R1は炭素数1〜10の一価の炭化水素基である)下記一般式(3)で示される請求項1記載の含フッ素アセチレンアルコール。(但し、Rfは請求項1の一般式(2)に記載の通り)


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