タイトル: | 公開特許公報(A)_可溶化助剤および可溶化組成物 |
出願番号: | 2004136890 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,B01F1/00,A61K7/00,A61K7/46,A61K7/50,A61L9/01 |
伊藤 茂樹 佐々木 義雄 伊藤 誠 JP 2005288427 公開特許公報(A) 20051020 2004136890 20040401 可溶化助剤および可溶化組成物 松本油脂製薬株式会社 000188951 伊藤 茂樹 佐々木 義雄 伊藤 誠 7B01F1/00A61K7/00A61K7/46A61K7/50A61L9/01 JPB01F1/00 GA61K7/00 NA61K7/46A61K7/50A61L9/01 Q 7 書面 11 4C080 4C083 4G035 4C080AA04 4C080BB03 4C080CC01 4C080HH03 4C080MM12 4C080QQ03 4C083AA121 4C083AA122 4C083AC011 4C083AC012 4C083AD051 4C083AD052 4C083BB01 4C083CC25 4C083DD01 4C083DD31 4G035AA28 本発明は非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際に用いられる可溶化助剤およびそれを用いた可溶化組成物に関する。可溶化組成物とは、例示するならば、居間や寝室などの居室やトイレ、風呂場、玄関などに代表される住居や自動車などに用いられる透明な外観を有する芳香剤組成物や、油主体(オイルベース)の透明外観を有する入浴剤組成物などが挙げられる。 芳香剤は適切な臭気を付与する為に住居や自動車など、居住空間に設置される。香料だけでは臭気が強すぎ、また引火の危険性もあることから、一般に水などに可溶化、乳化させたり、ゲル格子間に保持させたり、固形基材で固めたりする。即ち、芳香剤には液体、固体、ゲル状のものなど、様々な形態のものがある。 液体の芳香剤は香料を界面活性剤により溶媒に可溶化させて成る。溶媒は多くの場合は水であるが、水だけでなく、水溶性有機化合物を溶媒の一部に用いることがある。これは非イオン性界面活性剤と水とを混合する際にゲル状態となることを防いだり、香料を徐放させる為に用いられる徐放芯の中でゲル化することを防ぐ為である。ゲル状の芳香剤は、香料を水に可溶化させた後に天然高分子や合成高分子などによりゲル状にするか、水に可溶化させた香料をゲル剤に浸漬させて成る。尚、ゲル状芳香剤は一般に液体芳香剤をゲル化あるいはゲルおよび/またはゾルに含浸させて成る。 これら香料を可溶化させた透明な芳香剤は、見た目に美しく、清潔感、清涼感に富む為に好まれる傾向がある。しかしながら透明な芳香剤は、経時的に或いは温度などの影響により濁ったり、場合によっては香料若しくは溶媒が分離することがある。香料が溶媒に可溶化された状態は、香料が界面活性剤により微小なミセルを形成し、ミセルが人間の目に見える大きさより十分小さい為に可溶化されて見えている。しかし、ミセルは合一やクリーミングなどの現象により大きくなりがちで、また、温度などのショックによりミセル自体が崩壊することなどにより、結果的に透明な芳香剤が濁ってしまうことになる。 芳香剤の外観が経時的に変化することを防ぐ為に、特開2000−254216号公報の如く、はじめから透明な外観をさせるのではなく、パール光沢を付与することも一つの手段ではある。しかし、透明な芳香剤の如く、見た目の美しさ、清潔感、清涼感を得ることはできない。特開平11−71572号公報には揮発性物質、ポリN−ビニルカルボン酸アミド系架橋体、界面活性剤及び水から成る揮発性物質の徐放出性ゲル状組成物が開示されている。また、特開平9−66095号公報には特定のカチオン性増粘剤、香料、界面活性剤、水及びエタノールから成る液状乃至ゲル状芳香剤が開示されている。これらの報告は温度変化を与えることなくゲルを形成させる、即ち室温でゲルを調整できたり、或いは香料揮散量の経時変化の防止などに効果的であり、優れた報告であると認められるが、界面活性剤、即ち香料の可溶化剤に関しては考察されておらず、経時的な外観の変化や温度による外観の変化については不十分である。特に温度による外観の変化に関して不十分であると言えよう。 芳香剤は家庭や乗り物などで使用される。一般に芳香剤を使用される環境は温度が常に変化し、冬季には摂氏零下に、夏季には40℃若しくは50℃といった状況も稀ではない。故に幅広い温度領域で一定の外観を保つことが見た目の美しさ、清潔感、清涼感の為に透明な芳香剤には求められる。尚、後述する常用の広い温度範囲とは、この温度範囲を指す。具体的には本報では−5℃〜50℃を指すものとする。 芳香剤について、水溶性有機化合物に関する応用研究については、詳細な報告が少ない。ゲル化を防止するという効果については、公知である。水溶性多価アルコールが可溶化状態に与える影響に関する研究としては、鷺谷氏らにより、油化学、1984年、第33巻、第3号、30頁に非イオン界面活性剤の水中における会合状態に及ぼす多価アルコールの影響・油の可溶化量を増加させるための多価アルコールの利用、として著名な報告がなされている。該報告には多価アルコールが油の可溶化量を変化させること、多価アルコールの種類によって可溶化量を増やすものや反対に減じるものがあること、曇点についても多価アルコールの種類によって上昇させるものと下降させるものがあること、が記載されている。しかし、これらの挙動に与える影響は、多量の多価アルコールを加えることにより顕著に現れ、少量では影響が小さい。即ち、該報告における多価アルコールの影響はハイドロトロープ効果の範疇にある。 水溶性多価アルコールは揮発性が低く、実質的に不揮発性と考えてよい。芳香剤に加えた場合、水溶性多価アルコールは界面活性剤と同じく、芳香剤中の不揮発性成分となる。芳香剤は使用されるにつれ、その体積は減少することから、多量の不揮発性成分の使用は不適切である。つまり、香料と溶媒が揮発した後に不揮発性成分が多量、残存することとなる。これは見た目の美しさ、清潔感、清涼感という観点からも好ましくない。即ち、芳香剤中の不揮発性成分は極力減じることが好ましい。 界面活性剤や水溶性有機化合物などの不揮発性成分が低添加量で、幅広い温度領域で一定の外観を保つことは難しく、これまでには十分かつ適切な研究が成されていない。敢えて言うなれば、各香料にそれぞれ特有の可溶化剤を配合し、配合者の経験とノウハウが活かされてきた。 油主体(オイルベース)の透明外観を有する入浴剤組成物についても、ゲル化を防止する目的で水溶性有機化合物を添加される。油と界面活性剤の混合物を湯の中に加えた場合、油滴周辺でゲル化が起こり入浴剤が分散され難い。それを防止する為に水溶性有機物と水を加えて分散性を向上させる。この場合、油の中に水が可溶化されることとなるが、製剤の安定性として常用の温度範囲で可溶化状態が保持される必要がある。 本発明は非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際、ゲル化を防止するとともに常用の広い温度範囲で可溶化状態を保持すること、およびそれを達成する為の化合物を提供することを目的とする。またゲル化を防止し、常用の広い温度範囲で安定に透明外観を有する芳香剤や入浴剤などの可溶化組成物を提供することを目的とする。 本発明は、非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際、一般式1で表される可溶化助剤を使用するところに特徴を有する。 PhO−(CH2CH2O)n−H (1)但し、Phはフェニル基を表す。nは平均重合度を表し、2〜6である。 本発明により、ゲル化を防止し、常用の広い温度範囲で安定に透明外観を有する可溶化組成物を提供することができる。 本発明は、非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際に用いる請求項1記載の可溶化助剤、およびこれを使用した可溶化組成物に関する。即ち、一般式1で表される可溶化助剤、および該可溶化助剤を使用することを特徴とする可溶化組成物である。さらには可溶化組成物が非水溶性油類を界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水へ可溶化させた事を特徴とする可溶化組成物、香料を界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水へ可溶化させた事を特徴とする透明外観を有する芳香剤、香料が0.1〜5重量%であり界面活性剤が重量比で香料の0.5〜3倍且つ請求項1記載の可溶化助剤が重量比で香料の0.4〜2倍であることを特徴とする請求項4記載の芳香剤、界面活性剤が非イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤でありその非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤との重量比が100/0〜70/30であることを特徴とする請求項5記載の芳香剤、あるいはミネラルオイル、エステル油、精油から選ばれる1種以上に界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水を可溶化せしめた事を特徴とする透明外観を有するオイルベース入浴剤に関する。 PhO−(CH2CH2O)n−H (1)但し、Phはフェニル基を表す。nは平均重合度を表し、2〜6である。 請求項1記載の可溶化助剤は化学式1で表され、ポリオキシエチレンフェニルエーテルの1種である。酸化エチレンの平均重合度は2〜6である。平均重合度が高ければゲル化防止効果が低く、高濃度の場合には粘稠な状態となる。平均重合度が低くては水溶性が低下し、安定な透明外観を常用の広い温度範囲で保つことができなくなる。 PhO−(CH2CH2O)n−H (1)但し、Phはフェニル基を表す。nは平均重合度を表し、2〜6である。 非水溶性油類とは、植物抽出油、配合香料、精油、テルペン類などの香気成分、ミネラルオイル、脂肪族炭化水素油、芳香族炭化水素油、エステル油などをいう。植物抽出油とは、例えるならばラベンダーオイル、オレンジオイル、レモンオイル、薔薇抽出油、ライムオイル、ヒノキ抽出油、ハーブ抽出油などがある。配合香料としては、ローズ、シトラス、レモン、コーヒー、アプリコット、フローラル、ピーチなど、種々の成分を人工的に配合することによりそれに似せた香気を与えたものをいう。精油としては、樟脳白油、ヒノキ精油、テレビン油、ユーカリ油、薄荷油などが例示される。テルペン類香気成分としては、p−メンタジエン、d−リモネン、p−メンタン、ピナン、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ペリラアルデヒド、ローズオキサイド、ボルネオール、カンフル、カルベオール、カルボンオキサイド、カルビルアセテート、カリオフィレン、シネオール、シトロネラール、シトロネロール、サイメン、サイメン−8−オール、ジヒドロカルベオール、ジヒドロカルボン、ジヒドロカルビルアセテート、リモネンオキサイド、フラノイド、ピラノイド、p−メンタン、メントール、メントン、メンチルアセテート、ミルテナール、ミルテノール、ミルテニルアセテート、ペリリルアルコール、ペリリルアセテート、ピネン、ピネンオキサイド、ゲラニオール、酢酸イソアミル、アニソール、アミルシンナミックアルデヒド、アンスラニル酸メチルなどが例示される。ミネラルオイルとしては流動パラフィン、軽油、スピンドル油などが、脂肪族炭化水素油としてはヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オクタンなどが、芳香族炭化水素油としてはトルエン、キシレンなどが例示される。エステル油としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸オレイル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−エチルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸エチルなど、脂肪酸とアルコールから成るエステルなどが例示される。 界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤が好ましい。特に非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤が好ましい。これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。併用する場合は、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤、あるいは非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤の組み合わせで用いる。陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤を同時に用いることは好ましくない。これは電気的に両界面活性剤が相互作用を起こす為である。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンソルビタン脂肪酸エステルなどが例示される。好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルカノールアミドであり、より好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルである。例示されるもののうち、アルキル基や脂肪酸残基を有するものは直鎖状でも分岐状でもかまわない。好ましくは直鎖である。また、脂肪酸は飽和でも不飽和でもよく、また単一脂肪酸、混合脂肪酸の何れも問わない。陰イオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アシルメチルタウリン酸塩、アラニネート塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などが例示される。好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩であり、より好ましくはα−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩である。ここで表される塩は、アルカリ金属塩および/またはトリエタノールアミン塩を指す。また、アルキル基、アシル基は直鎖でも分岐でもよいが、好ましくは直鎖である。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などが例示される。好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩である。ここでいう塩とは、塩化物や臭素化物などのハロゲン化物や、水酸化物、過塩素酸塩などが挙げられるが、好ましくは塩化物である。ここでいうアルキル基は直鎖状でも分岐状でも良いが、好ましくは直鎖状である。陽イオン性界面活性剤は一般に水溶液で流通しており、一般に副生する塩が未処理のまま混入している。しかし、本用途の場合、塩の存在により塩析効果を生じる危険があり好ましいとはいえない。脱塩処理を施したものがより好ましい。これら界面活性剤のアルキル基、アルケニル基、脂肪酸残基などの種類はそれぞれの香料や使用濃度、使用条件などにより最適なものを適宜選択し、利用できる。 用いる界面活性剤としては非イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤で、その非イオン性界面活性剤量と陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤との比が100/0〜70/30であることが好ましい。即ち、陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤が配合されなくとも、非イオン性界面活性剤のみでもかまわない。 非水溶性油類、界面活性剤、可溶化助剤の使用量については、用途や使用条件により種々の使用量が考えられ、限定されない。しかし、芳香剤についてはそれらの使用量を限定することは可能である。芳香剤について述べる。芳香剤では、香料が0.1〜5重量%、界面活性剤が重量比で香料の0.5〜3倍、請求項1記載の可溶化助剤が重量比で香料の0.4〜2倍用いられることが好ましい。特にこの範囲が実用上優れている。より好ましくは香料が0.5〜1.5重量%、界面活性剤が重量比で香料の0.8〜1.8倍、請求項1記載の可溶化助剤が重量比で香料の0.5〜1.5倍である。一方、オイルベースの入浴剤に関しては組成物中高い割合で非水溶性油類が占める為、芳香剤のような配合量を限定することは難しい。適宜、最適な条件を選択できる。 可溶化組成物には他の添加剤を用いることもできる。例えば、消泡剤、防腐剤、抗菌剤、粘度調整剤、増粘剤、色素、高分子化合物、保湿剤など、特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。 以下に実施例、比較例、参考例を示す。本発明はこれら実施例に制限されるものではない。実施例1 ラベンダーオイルを1.5重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレン(9)第2級アルキル(C12〜14)エーテルとポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油とジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの55:35:10混合物を1.9重量部、可溶化助剤としてポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルを1.5重量部用意し、攪拌しながらイオン交換水を加えて総量を100重量部とし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図1に示す。また、これを−5℃の恒温器中に3日間保存したところ、透明な状態を保持した。比較例1 ポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルを0.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図1に示す。また、これを−5℃の恒温器中に3日間保存したところ、透明な状態を保持した。比較例2 ポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルを用いないこと以外は実施例1と同様にし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にゲル化状態を経た。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図1〜3に示す。また、これを−5℃の恒温器中に3日間保存したところ、白濁した。比較例3 水溶性有機化合物として3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを用い、これを7.5重量部、ラベンダーオイルを1.5重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレン(9)第2級アルキル(C12〜14)エーテルとポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油とジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの55:35:10混合物を1.9重量部用意し、攪拌しながらイオン交換水を加えて総量を100重量部とし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図2に示す。比較例4 3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを3.0重量部に変更した以外は比較例3と同様にし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図2に示す。比較例5 3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを1.5重量部に変更した以外は比較例3と同様にし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図2に示す。比較例6 水溶性有機化合物としてプロピレングリコールを用い、これを7.5重量部、ラベンダーオイルを1.5重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレン(9)第2級アルキル(C12〜14)エーテルとポリオキシエチレン(60)硬化ひまし油とジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの55:35:10混合物を1.9重量部用意し、攪拌しながらイオン交換水を加えて送料を100重量部とし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際にはゲル化状態を経なかった。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図3に示す。比較例7 プロピレングリコールを1.5重量部に変更した以外は比較例6と同様にし、透明な外観を有する液体芳香剤を作成した。水を添加する際には弱いながらゲル化状態を経た。この芳香剤を20℃から50℃に昇温した際の吸光度変化を図3に示す。実施例2〜6 表1に記すように、各種非水溶性油類、界面活性剤、可溶化助剤、イオン交換水を用いて可溶化組成物を作成し、−5℃、20℃、40℃、50℃の各温度で3日間保存した際の外観を観察した。結果を表1に併せて記す。実施例2〜5は芳香剤、実施例6は入浴剤を意味する。比較例8〜12 表1に記すように、各種非水溶性油類、界面活性剤、可溶化助剤、イオン交換水を用いて可溶化組成物を作成し、−5℃、20℃、40℃、50℃の各温度で3日間保存した際の外観を観察した。結果を表1に併せて記す。比較例8〜11は芳香剤、比較例12は入浴剤を意味する。参考例 請求項1記載の可溶化助剤は界面活性剤類似の化学構造を有するが、界面活性剤でないことを証明する。可溶化助剤であるポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルおよび界面活性剤であるポリオキシエチレン(7)第2級アルキル(C12〜14)エーテルの種々の濃度で測定した表面張力データを図4に記す。 本発明の技術は上述の芳香剤、入浴剤のほかに、クレンジング料、洗浄剤などに利用可能である。 横軸に温度、縦軸に吸光度を記す。昇温速度は1℃/分、測定波長は600nmである。縦軸が上方ほど濁っている状態を表す。可溶化助剤を用いなければ高温域で透明性を損なう(濁る)のに対し、請求項記載の可溶化剤を適正量用いることにより透明性を維持している。横軸に温度、縦軸に吸光度を記す。昇温速度は1℃/分、測定波長は600nmである。縦軸が上方ほど濁っている状態を表す。可溶化助剤を用いなければ高温域で透明性を損なう(濁る)のに対し、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを添加するにつれ透明な温度範囲が拡がるが、請求項記載の可溶化助剤に比して多量を要することがわかる。横軸に温度、縦軸に吸光度を記す。昇温速度は1℃/分、測定波長は600nmである。縦軸が上方ほど濁っている状態を表す。可溶化助剤を用いなければ高温域で透明性を損なう(濁る)のに対し、プロピレングリコールを添加するにつれ透明な温度範囲が拡がるが、請求項記載の可溶化助剤や3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールに比して多量を要することがわかる。横軸に濃度(対数表示)、縦軸に表面張力を記した。説明の為に補助線を書き加えた。図中Aで示す界面活性剤であるポリオキシエチレン(7)第2級アルキル(C12〜14)エーテルは希薄な状態から臨界ミセル濃度に達するまでは徐々に表面張力を低下させ、臨界ミセル濃度以上では一定の表面張力を与える。これは界面活性剤に特徴的な挙動である。しかしながら、図中Bで示す、本発明の可溶化助剤であるポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルは表面張力低下を殆ど示さない。このことは可溶化助剤であるポリオキシエチレン(4)フェニルエーテルは界面活性剤でない証の一つといえる。 符号の説明 一般式1で表される可溶化助剤。 PhO−(CH2CH2O)n−H (1)但し、Phはフェニル基を表す。nは平均重合度を表し、2〜6である。 請求項1記載の可溶化助剤を使用することを特徴とする可溶化組成物。 可溶化組成物が非水溶性油類を界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水へ可溶化させた事を特徴とする可溶化組成物。 香料を界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水へ可溶化させた事を特徴とする透明外観を有する芳香剤。 香料が0.1〜5重量%、界面活性剤が重量比で香料の0.5〜3倍、請求項1記載の可溶化助剤が重量比で香料の0.4〜2倍であることを特徴とする、請求項4記載の芳香剤。 界面活性剤が非イオン性界面活性剤および陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤であり、その非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤との重量比が100/0〜70/30であることを特徴とする請求項5記載の芳香剤。 ミネラルオイル、エステル油、精油から選ばれる1種以上に界面活性剤および請求項1記載の可溶化助剤により水を可溶化せしめた事を特徴とする透明外観を有するオイルベース入浴剤。 【課題】本発明は非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際、ゲル化を防止するとともに常用の広い温度範囲で可溶化状態を保持すること、およびそれを達成する為の化合物を提供することを目的とする。またゲル化を防止し、常用の広い温度範囲で安定に透明外観を有する芳香剤や入浴剤などの可溶化組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、非水溶性油類を界面活性剤により水へ、あるいは水を界面活性剤により非水溶性油類中へ可溶化させる際、一般式1で表される可溶化助剤を使用するところに特徴を有する。 PhO−(CH2CH2O)n−H (1)但し、Phはフェニル基を表す。nは平均重合度を表し、2〜6である。【選択図】なし。