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タイトル:公開特許公報(A)_海産渦鞭毛藻類(Dinoflagellata)を用いた発光健康食品材料とその製造方法
出願番号:2004117337
年次:2005
IPC分類:7,A23L1/30,C12N1/12,C12N9/00


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杉本 正志 JP 2005261401 公開特許公報(A) 20050929 2004117337 20040317 海産渦鞭毛藻類(Dinoflagellata)を用いた発光健康食品材料とその製造方法 杉本 正志 595063433 杉本 正志 7A23L1/30C12N1/12C12N9/00 JPA23L1/30 ZC12N1/12 AC12N9/00 6 書面 5 4B018 4B050 4B065 4B018LE01 4B018MD89 4B018ME04 4B018ME06 4B018MF01 4B050CC07 4B050DD01 4B050EE02 4B050EE03 4B050FF03E 4B050LL02 4B065AA83X 4B065BB02 4B065BB12 4B065BB20 4B065BB22 4B065BC48 4B065BD01 4B065BD15 4B065BD18 4B065CA18 4B065CA24 4B065CA28 4B065CA41 海産渦鞭毛藻類(Dinoflagellata)である発光渦鞭毛藻は海洋性の単細胞藻である。海水、炭酸ガス、無機塩類を原料に、光合成を行って成長、分裂していくが、驚くべきはその生命力で通気せずに半年以上繁殖し続けpH低下に対しても抵抗性が非常に高い。また、発光渦鞭毛虫である夜光虫は植物プランクトンとして取り扱われているが、光合成色素を持たないアンモニアを含有した従属栄養生物である。夜光虫は発光渦鞭毛藻とおなじようにクロロフィル代謝産物を基質としたルシフェリン・ルシフェラーゼ発光反応を行い、多量のクロロフィルを含んでいる。増血、血栓予防、血圧低下、解毒、コレステロール低下、免疫増強などの作用のほか、クロロフィルには、遺伝子が傷つくのを防ぐ働きがあることが、最近の研究で明らかにされた。遺伝子が傷ついて突然変異を起こすと、ガンができることがわかっているが、クロロフィルはこれを阻む抗ガン成分として注目されている。また、クロロフィルには体内でビタミンAに変わるカロチンも多く、そのほか、海産渦鞭毛藻類には種々な生物活性物質を含み、ビタミン(B1、B2、B6、B12、C、E)ナイアシン、パントテン酸やカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも豊富で、健康食品として既に市販されているクロレラ、スピルリナに勝るとも劣らない栄養補助食品になりえる材料といえる。さらに植物性たんぱく質も多く、体内で作れない8種類の良質なたんぱく質をふくんでいる。そのうえ発光反応は、日常生活の中で類似の現象を体験しない分だけ、感動は大きく、生理的、心理的作用に大変効用がある。 オワンクラゲ由来の発光たんぱく質をカルシウムに発光反応させた発光材料、ホタルなどの生物発光反応の仕組みを利用した発光材料等がある。 しかし、いずれも天然物直接の抽出物、濃縮物、含有成分そのものでなく化学合成品や遺伝子組換え材料である。また、発光渦鞭毛藻類の仲間であるペリディニーダ科(Peridiniidae)には毒性があったり、大量増殖に多くの問題があったりと、生物発光物質や健康食品としての栄養成分を補給するといった効用があっても、発光健康食品材料にするには問題が多い。 特表平11−504822日本水産学会編:有毒プランクトン(1982)。 発光渦鞭毛藻類は健康食品としての栄養成分効用に非常に興味深く、また発光反応は、ふだんの生活の中で類似の現象を体験しない分だけ、感動は大きく、生理的、心理的作用にも大変効用があり、新しい多目的健康食品の創出の可能性がある。しかしながら天然で大量に入手することや、栄養成分、発光物質の抽出が非常に難しく困難である。そのため、発光渦鞭毛藻類の人工栽培技術と健康食品としての栄養成分抽出技術の開発、発光物質を不活性化または分解が起こらないように回収率を高めることが要求されている。 発光渦鞭毛藻類である渦鞭毛藻を培養する培地はProvasoliのES培地やESMと称する培地を基本に改良した培地を使用し、照明は500〜1000luxとし、1日当たり16時間以内明、8時間以上暗の条件で、通気はしない(適宜攪拌)。培養槽は通常15〜20℃の低温室に設置する培養方法渦鞭毛虫である夜光虫は以上のような各工程を最適な環境条件で行いながら植物プランクトンやバクテリア、人工餌料を摂餌させ、天然のものとほぼ同一の渦鞭毛藻類を短期間で季節に関わらず大量に、安価に入手できる。発光物質、栄養成分の抽出は、加熱した酸化防止剤を単一種か数種類含有した緩衝液に試料を入れる抽出方法で、健康食品としての栄養成分、発光物質を不活性化または分解が起こらないように回収することが可能である。 以上のように本発明の人工栽培方法・抽出方法によれば、天然のものを短期間で季節に関わらず大量に、安価に入手でき、健康食品としての栄養成分発光物質を不活性化または分解が起こらないように回収し、廉価に大量に提供できる。 次に、本発明の実施方法とその実験結果を例にあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 本発明では、発光渦鞭毛藻(Pyrocystis lunula)接種にあたって、滅菌海水1Lに対してProvasoliのES培地やESM培地を基本に改良した保存用培地を1ccづつを添加して培養水100Lを作成した。照明は500luxとし、1日当たり12時間明、12時間暗の条件で、通気はしない(適宜攪拌)培養槽は20℃の定温室で1ヶ月培養し、藻体湿重量80gを得た。この収量はバクテリアやクロレラなどにくらべると1/10程度であった。この藻体を以下の方法で健康食品としての栄養成分、発光物質を抽出した。1、栄養成分含有ルシフェリンの抽出 培養した藻体を沈殿凝集させた後、ミュラーガーゼ(HD−10)で濾し集められた発光渦鞭毛藻(ピロキスティス・ルヌラ)湿重量40gを、加熱した酸化防止剤としてDTT(ジチオトレイトール/5mM)とビタミンC(アスコルビン酸/0.5M)を含有したリン酸緩衝液(2mM/pH8.5)に入れ、酵素を変性させた後、エタノール(99%)を70cc加え、乳鉢中でよく磨砕し、遠心分離器(7000〜8000rpm,10分)で処理することで上清100ccと沈澱(残渣、塩)を得た。この上清液100ccをロータリーエバポレーターに収容し、加温(60℃)しながらアスピレーターで減圧(60分)し、エタノールを蒸発、濃縮乾固させた。これに再度エタノール(99%)で脱塩後蒸発、濃縮乾固させ、栄養成分含有ルシフェリン個体とした。2、栄養成分含有ルシフェラーゼの抽出 培養した藻体を沈殿凝集させた後、ミュラーガーゼ(HD−10)で濾し集められた発光渦鞭毛藻(ピロキスティス・ルヌラ)湿重量40gに、塩酸でpH調整したリン酸緩衝液(2mM/pH5.5)を70cc加えて、乳鉢中でよく磨砕し遠心分離器(7000〜8000rpm,10分)で処理することで上清100ccと沈澱(残渣、塩)を得た。この上清液100ccを栄養成分含有ルシフェラーゼ液とした。このようにして藻体湿重量80gから栄養成分含有ルシフェリン個体と栄養成分含有ルシフラーゼ液100ccを作成し、その発光の度合と栄養成分を調査した。発光反応は、暗闇で栄養成分含有ルシフェリン個体に栄養成分含有ルシフェラーゼ液(pH6.0)を加え観察した。結果、強い発光を見ることができた。発光反応試験後、溶液100ccを栄養基礎成分分析に供した。分析したところ、たんぱく質4.6g、脂質1.7g、炭水化物2.4g、ナトリウム4mg、葉緑素110mgが検出できた。 クロロフィル代謝産物を基質としたルシフェリン・ルシフェラーゼ発光反応で解るように、多量のクロロフィルを含んでいる。増血、血栓予防、血圧低下、解毒、コレステロール低下、免疫増強などの作用のほか、クロロフィルには、遺伝子が傷つくのを防ぐ働きがあることが、最近の研究で明らかにされた。遺伝子が傷ついて突然変異を起こすと、ガンができることがわかっているが、クロロフィルはこれを阻む抗ガン成分として注目されている。また、クロロフィルには体内でビタミンAに変わるカロチンも多く、そのほか種々な生物活性物質を含み、ビタミン(B1、B2、B6、B12、C、E)ナイアシン、パントテン酸やカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも豊富な海産渦鞭毛藻類で、健康食品として既に市販されているクロレラ、スピルリナに勝るとも劣らない栄養補助食品といえる。さらに植物性たんぱく質も多く、体内で作れない8種類の良質なたんぱく質をふくんでいる。そのうえ発光反応は、ふだんの生活の中で類似の現象を体験しない分だけ、感動は大きく、生理的、心理的作用に大変効用がある。また、各種パーティやイベント等の水と光の演出材料としての可能性もある。 海産渦鞭毛藻類(Dinoflagellata)のノクチルシダ(Noctilucidae)科のノクチルカ・シンチランス(Noctiluca scintillans)、ピロキスティス(Pyrocytanceae)科のピロキスティス・ルヌラ(Pyrocystis lunula)、ピロキスティス・ノクテルカ(Pyrocystis noctiluca)ピロキスティス・ハムルス(Pyrocystis hamulus)、ピロキスティス・フシフオルミス(Pyrocystis fusiformis)を用した発光健康食品材料。 請求項1の発光健康食品材料を酒類、飲料水、ソフトドリンク類、氷、果汁類、乳汁類、シロップ類、茶類、スープ類、澱粉類、寒天類、ゼラチン類調味料類、蜂蜜、健康食品、美容液、化粧水、マッサージオイル、化粧品、入浴剤、天然高分子類(澱粉系、セルコール系)に含有させることを目的に形態を液状、丸錠、錠剤、変形錠、粉末状、カプセル型、顆粒状、茶状、ティーバッグ状、飴状、ゲル状、ペースト状にした製造物品。 請求項1の発光渦鞭毛藻類である渦鞭毛藻(ピロキスティス科)を培養する培地はProvasoliのES培地やESMと称する基本培地を改良した培地を使用し、照明は500〜1000luxとし1日当たり16時間以内明、8時間以上暗の条件で、通気はしない(適宜攪拌)。培養槽は通常15〜20℃の低温室に設置する。以上のような植物プランクトン株の保存培養に似ることを特徴とする培養方法。 請求項1の発光渦鞭毛藻類である渦鞭毛虫(ノクチルシダ科)を培養する培地はProvasoliのES培地やESMと称する培地を基本に改良した培地を使用し照明は500〜1000luxとし1日当たり16時間以内明、8時間以上暗の条件で、通気はしない(適宜攪拌)。培養槽は通常15〜20℃の低温室に設置する。以上のような各工程を最適な環境条件で行いながら、薬や栄養補助食品として効能がある植物プランクトン、バクテリア、人工餌料を摂餌させることを特徴とする培養方法。 栄養成分含有ルシフェリンの抽出方法濾し集められた請求項1の発光渦鞭毛藻類を、加熱した酸化防止剤である2−メルカプトエタノール/5mM以上)、DTT(ジチオトレイトール/5mM以上)、ビタミンC(アスコルビン酸/0.5M以上)を単一種か数種類含有したリン酸緩衝液(2mM以上/pH8.5)かトリスバッファー(0.1M以上/pH8.5)に入れ、酵素を変性させた後、エタノール(60%以上)を加え、破砕し、遠心分離することで上清と沈澱(残渣、塩)を得る。この上清液を減圧、加温し、エタノールを蒸発、濃縮させる。このようにルシフェリンの酸化防止を高めるために、加熱した酸化防止剤を単一種か数種類含有した緩衝液に試料を入れることを特徴とする抽出方法である。 栄養成分含有ルシフェラーゼの抽出方法濾し集められた請求項1の発光渦鞭毛藻類に、酸でpHを5.5〜6.0に調整したリン酸緩衝液(2mM以上)かトリスバッファー(0.1M以上)を加え破砕し、遠心分離することで上清と沈澱(残渣、塩)を得る。この上清液を栄養成分含有ルシフェラーゼ液とする。これはルシフェリン・ルシフェラーゼ発光反応を強くするために、酸性栄養成分含有ルシフェラーゼ液(pH5.5〜6.0)を作成することを特徴とする抽出方法である。 【課題】海産渦鞭毛藻類は海洋性の単細胞藻で健康食品都市の栄養効果、生理的、心理的作用が大きく、新しい健康食品の創出の可能性が高い。発酵物質を不活性化または分解が起こらないように回収率を高めることが要求されている。【解決手段】渦鞭毛藻類を培養する培地はES培地やESM培地を基本に使用し、照明下で通気せずに植物プランクトン、バクテリア、人工飼料を摂取させ天然のものとほぼ同一の渦鞭毛藻類を短期間で季節に関わらず大量、安価に培養できる。発光物質、栄養物質の抽出は酸化防止剤を含有した緩衝液に試料をいれて行う。【選択図】なし


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