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タイトル:公開特許公報(A)_フタロシアニンの製造方法
出願番号:2004109664
年次:2005
IPC分類:7,C09B47/30,C07D487/22,C09B47/06,C09B47/067,C09B47/20,C09B47/26,G03G5/06


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高橋 慶太 塚瀬 正昭 渡辺 哲也 JP 2005290282 公開特許公報(A) 20051020 2004109664 20040402 フタロシアニンの製造方法 富士写真フイルム株式会社 000005201 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 高松 猛 100115107 濱田 百合子 100090343 高橋 慶太 塚瀬 正昭 渡辺 哲也 7C09B47/30C07D487/22C09B47/06C09B47/067C09B47/20C09B47/26G03G5/06 JPC09B47/30C07D487/22C09B47/06C09B47/067C09B47/20C09B47/26G03G5/06 371 10 OL 33 2H068 4C050 2H068AA19 2H068BA38 2H068BA39 2H068EA04 4C050PA14 本発明は、インクジェット用インク、昇華転写方式カラーコピー、インク染料、カラーフィルター、ハロゲン化銀感光材料、印刷、光記録媒体に用いられる無金属フタロシアニン、及びこれより導かれる金属フタロシアニンの製造方法に関するものである。その中でも本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に適した新規化合物に関するものである。特に本発明は、波長450nm以下の短波長レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に適した色素に関するものである。 無金属フタロシアニンの合成法としては(1)フタロニトリルを強塩基存在下、反応させる方法、(2)金属リチウムをアルコール溶媒に溶かし、その後フタロニトリルを添加する方法、(3)ジイミノイソインドリンを高温で加熱する方法、(4)電解質として塩化リチウムを用いる電解質法、により得る方法が一般的である(非特許文献1.2等)。この他には添加物として三塩化セリウムを用いる系(非特許文献3)やハイドロキノンを用いる系(非特許文献4)が報告されている。またサブフタロシアニンとジイミノイソインドリンを用いて非対称無金属フタロシアニンを得る方法も報告されている(非特許文献5)。また金属フタロシアニンの中心金属を変換する方法も報告されている(特許文献1.2)。さらに無置換フタロニトリルと1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンとリチウム化合物をアルコール溶媒中で加熱攪拌するとモノリチウムフタロシアニンと1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンから成る高次化合物が得られるとの報告もある(特許文献3)。 これらの方法のうち、本発明者らの検討によれば、フタロニトリルが電子求引性置換基を有している場合には前記一般的方法のうち(1)や(3)の方法では極めて収率が低いことが判明した。また(2)は金属リチウムの安全性の観点から製造に不向きであり、(4)の方法は生産量の観点から現実的ではなかった。また三塩化セリウムやハイドロキノンを添加物として用いた系でもフタロニトリルが電子求引性置換基を有する場合には低収率である欠点があった。またサブフタロシアニンとジイミノイソインドリンを用いた対称無金属フタロシアニンを合成する場合、イソインドリンを過剰用いなければならないといった欠点があった。また金属フタロシアニンの中心金属を変換する方法は極めて高温(250度から300度程度)が必要である。また電子求引性置換基を有するフタロニトリルを塩化リチウム存在下、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンとアルコール溶媒中で加熱攪拌する方法は低収率であった。このため新たな製造方法を開発する必要があった。 金属フタロシアニンの一般的な合成法は、(1)フタロニトリルと金属源を強塩基存在下高温で反応させる方法、(2)ジイミノイソインドリンと金属源を高温で反応させる方法が代表例である。 しかし、上記方法により金属フタロシアニンを収率良く得るには、ルイス酸性の高い金属を用いなければならず、ルイス酸性の低い金属を用いる場合は収率が低く、また強いルイス酸を用いた場合には置換基が損なわれるケースがあり、収率良く多様な置換金属フタロシアニンを得ることが難しかった。白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」1〜62頁C. C. Leznoff - A. B. P. Lever共著,VCH発行‘Phtalocyanines・ Properties and Applications’ 1〜54頁Tetrahedron Lett.2003年,43巻,4211頁.J. Am. Chem. Soc.,1984年, 106巻, 1579頁.J. Org. Chem. 1996年, 61巻, 8591頁.特開平6-200175号公報特開平7-33995号公報特開昭61-186386号公報 本発明は、金属フタロシアニン合成の有用な前駆体である無金属フタロシアニンを、穏和な条件で安全にかつ置換基を損なうことなく高収率で得る方法を提供するものである。 更に本発明は無金属フタロシアニンを用いて、様々な金属フタロシアニンに簡便に変換する方法を提供するものである。 本発明者らは、酸で処理することで無金属フタロシアニンに変換できる、ジリチオフタロシアニンに注目した。ジリチオフタロシアニンの一般的な合成方法は金属リチウムをアルコール溶媒に溶かし系中でアルコキシドを調製した後に、フタロニトリルを添加する方法である。しかし金属リチウムを用いるため製造適性の点で問題があった。ここで、系中で発生するリチウムアルコキシドのうち、アルコキシドは反応を促進する塩基として働き、リチウムカチオンは窒素に配位してフタロシアニン骨格形成を促進する。またリチウム塩は置換基を損ねるほどルイス酸性が高くはなく、適度なルイス酸性を備えていると本発明者らは考えた。そこで本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、リチウム塩を共存させておけば高収率で無金属フタロシアニンを合成することを見出し、本発明を完成させた。 また置換基を有する無金属フタロシアニンを合成し、それを鋳型として用いることで中心金属に多様性を持たせた置換金属フタロシアニンの一群を合成することができる。 すなわち本発明は(1) 一般式(1)〜(6)のいずれかで表される化合物群中の少なくとも1つの化合物に少なくとも1つのリチウム塩を添加して反応を行い、後処理を施すことを特徴とする下記一般式(7)の無金属フタロシアニンの製造方法。(式中R11〜R14は各々独立に水素原子または置換基を表す。)一般式(7)(式中R201〜R216は各々独立に水素原子または置換基を表す。)(2) 一般式(7)におけるR201〜R216の少なくとも一つが、下記一般式(8)または(9)であることを特徴とする(1)に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(式中R31,R41,R42は独立に水素原子または置換基を表す。)(3) 一般式(8)または(9)で表される置換基を一般式(7)におけるR 201,R204,R205,R208,R209,R212,R213,R216のいずれかに有することを特徴とする(2)に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(4) 該後処理が反応を中和する酸(好ましくは塩酸または硫酸、より好ましくは硫酸)によって行われることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(5) 該後処理を施す前に無機塩基を共存させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(6) 一般式(1)で表される化合物にリチウム塩およびアルコキシド誘導体(好ましくはメタルアルコキシド、より好ましくはナトリウムアルコキシド)を添加することを特徴とする一般式(7)で表される(1)〜(4)のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(7) 一般式(4)で表される化合物にリチウム塩を添加し、配位性有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(7)で表される(1)〜(4)のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(8) (1)〜(7)に示される製造方法によって得られた無金属フタロシアニンと金属源を混合することを特徴とする金属フタロシアニンの製造方法。(9) 混合する金属源に含まれる金属種がマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、スズ、プラチナ、チタン、バナジウム、ユーロピウム、ルテチウム、セリウムまたはこれらの酸化物であることを特徴とする(8)に記載の金属フタロシアニンの製造方法。(10) 反応系に塩基を添加することを特徴とする(8)または(9)に記載の金属フタロシアニンの製造方法。 本発明は、無金属フタロシアニンを穏和な条件で安全にかつ置換基を損なうことなく高収率で得る方法を提供するものである。更に本発明は、無金属フタロシアニンを用いて、種々の金属フタロシアニンに簡便に変換する方法を提供するものである。 一般式(1)〜(7)において、R11〜R14、R201〜R216はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。また、R11〜R14、R201〜R216はそれぞれ互いに連結して環を形成しても良い。 更に詳しくは、R11〜R14、R201〜R216はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホンアミド、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5,−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。 上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。またR11〜R14、R201〜R216は更に置換基によって置換されていても良い。 一般式(1)〜(7)において、R11〜R14、R201〜R 216として更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、スルファモイル基である。 一般式(8)においてR31はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基が挙げられる。また、R31は更に置換基によって置換されていても良い。 R31として更に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基がより好ましい。 最も好ましくは炭素数1から18の置換もしくは無置換のアルキル基と炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基が最も好ましい。 一般式(9)においてR41、R42はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が挙げられる。また、R41、R42はそれぞれ互いに連結して環を形成しても良い。また、R41、R42は更に置換基によって置換されていても良い。 R41、R42として更に好ましくは分岐したアルキル基、最も好ましくは3級アルキル基である。 フタロシアニン誘導体に置換される一般式(8)および(9)の置換位置はフタロシアニン環のα位であることが好ましい。フタロシアニン環のα位とは、一般にフタロシアニン環を形成する部分構造であるベンゾピロール環においてピロール環に近い側の置換位置を指し、具体的には下記一般構造式(7)においてR201,R204,R205,R208,R209,R212,R213,R216が置換している位置である。 なお下記一般構造においてR201,R204,R205,R208,R209,R212,R213,R216 とR202,R203,R206,R207,R210,R211,R214,R215の互いに隣接するものは環を形成しても良いが、R201,R204,R205,R208,R209,R212,R213,R216とR202,R203,R206,R207,R210,R211,R214,R215はすべて環を形成していないものであることが好ましい。 一般式(7) 本発明のフタロシアニン誘導体は一般式(8)および(9)以外の置換基を有していてもよく、その例としてはR11〜R14、R201〜R216の例として挙げたものが挙げられる。 下記の一覧表に、本発明で用いる(1)〜(6)で表される化合物を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、無置換の場合、即ち水素原子が置換している場合は表記を省略している。 またこれらの化合物の合成法については以下の文献に詳細な記載がある。(1)特開2003−94828号公報(2)特開2002−301870号公報(3)特開2001−64283号公報(4)Synthesis,1993年,194頁. 一般式(7)の無金属フタロシアニンを合成する際に用いるリチウム塩として好ましいものは、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化リチウム、酢酸リチウム、リチウムアセチルアセトネート、ギ酸リチウム、酸化リチウム、硫酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、リチウムトリフルオロメタンスルフォネート等である。更に好ましくはハロゲン化リチウムであり、最も好ましくは塩化リチウムである。 添加するリチウム塩の使用量は一般式(1)〜(6)で表される化合物1モルに対して0.25〜100倍モルが好ましい。更に好ましくは0.5〜5倍モルである。もっとも好ましくは0.5〜1倍モルである。 一般式(7)の無金属フタロシアニンを合成する際に用いる無機塩基としては、好ましくはメタルアルコキシド(例えばナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド等)、アルコール溶媒中から形成されるアルコキシド誘導体(例えば、汎用のアルコール溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)と金属(例えばナトリウム、カリウム、リチウム等)から形成されるもの)、アルキルメタル(例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム等)等である。更に好ましくはメタルアルコキシドであり。最も好ましくはナトリウムアルコキシドやその溶液である。有機強塩基、たとえば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンや1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン等は基質を損ねるので好ましくない。 用いる溶媒は、本反応を阻害するものでなければどのような溶媒でもよく、例えば、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec-ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等)、塩基性有機溶媒(例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モルフォリン、ピロリジン、ピペリジン、アニリン、1−アミノナフタレン、ピリジン、キノリン、2−メトキシエチレンアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン等)、フェノール類(フェノール、o−クレゾール等)、アルキルチオール類(エタンチオール、n-ブタンチオール、sec-ブタンチオール、tert-ブタンチオール等)アリールチオール類(チオフェノール、4−メルカプトピリジン等)、尿素類(尿素、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、極性非プロトン性溶媒類(例えばホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等)、鎖上又は環状エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロナフタレン、ジクロロベンゼン等)、カルボン酸等の有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)、ニトロ化合物(例えばニトロメタン、ニトロエタン等)、エステル化合物(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、オクタン)、脂環式炭化水素(例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、水、アンモニア、これらの混合溶媒、などが挙げられる。好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エチレングリコール等のアルコール類であり、より好ましくはエタノールと2−ジメチルアミノエタノール、エチレングリコールである。 ただし、一般式(2),(3),(5),(6)は尿素溶媒または、塩基存在下ホルムアミド溶媒を用いるか、あるいは上記溶媒中でアンモニア(ガス、液体もしくは水溶液でも構わない)を併用することが好ましい。 溶媒の使用量は一般式(1)〜(6)で表される化合物の1〜100質量倍が好ましく、より好ましくは3から50質量倍である。最も好ましくは5から20質量倍である。 反応温度は用いる反応剤の種類により最適温度は異なるが、−20〜200℃で行うのが好ましく、より好ましくは0℃〜170℃である。最も好ましくは20℃〜150℃である。また反応時間は温度等により異なるが、10分〜20時間が好ましく、30分〜10時間がより好ましい。 後処理に用いる酸としては、鉱酸類(例えば硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸等)、有機カルボン酸類(例えば酢酸、蓚酸、ギ酸、プロピオン酸、安息香酸等)、スルホン酸類(例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)を用いるのが好ましく、より好ましくは硫酸、塩酸、臭化水素酸、酢酸であり、最も好ましくは硫酸と塩酸である。なおこれらの酸は、単独または二種以上を混合して使用しても良い。 一般式(1)で表される化合物から一般式(7)の無金属フタロシアニンを合成する際に用いるアルコキシド誘導体として好ましくは、メタルアルコキシド(例えばナトリウムアルコキシド(例えばナトリウムメトキシドやそのメタノール溶液やナトリウムエトキシドやそのエタノール溶液等)、リチウムアルコキシド等)、アルコール溶媒中から形成されるアルコキシド誘導体(例えば、汎用のアルコール溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)と金属(例えばナトリウム、カリウム、リチウム等)から形成されるもの)等である。更に好ましくはナトリウムアルコキシドであり、最も好ましくはナトリウムメトキシドやそのメタノール溶液とナトリウムエトキシドやそのエタノール溶液である。有機強塩基、たとえば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンや1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン等は基質を損ねるので好ましくない。 一般式(4)から一般式(7)の無金属フタロシアニンを合成する際に用いる配位性有機溶媒とは、鎖上または環状ジオール類(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、シス及びトランス−1,2−シクロヘキサンジオール、シス及びトランス−1,2−シクロペンタンジオール、等)、カテコール類(カテコール、3−メチルカテコール等)、鎖上または環状ジアミン類(例えばエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、シス及びトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、シス及びトランス−1,2−シクロペンタンジアミン等)、1,2−フェニレンジアミン、または酸素原子と窒素原子を分子内に同時に有するもの(例えば2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−メトキシエチレンアミン等)であり、これらのものが好ましい。より好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、シス−1,2−シクロヘキサンジオール、シス−1,2−シクロペンタンジオール、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−メトキシエチレンアミンであり、最も好ましくはエチレングリコール、2−ジメチルアミノエタノール、エチレンジアミンである。 次に、一般式(7)の無金属フタロシアニンから変換できる金属フタロシアニンの中心金属としては特に限定されないが、金属は酸化物であっても、配位子を有していても良い。好ましくは、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、珪素、リン、カルシウム、ゲルマニウム、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコン、ロジウム、ルテニウム、インジウム、イリジウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、スズ、白金、チタン、バナジウム、ユーロピウム、ルテチウム、セリウム、ストロンチウム、バリウムであり、これらの酸化物であっても、配位子を有していても良い。最も好ましくはマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、スズ、プラチナ、チタン、バナジウム、ユーロピウム、ルテチウム、セリウムであり、これらの酸化物であっても、配位子を有していても良い。 一般式(7)の無金属フタロシアニンから金属フタロシアニンへと変換する際に用いる塩基として好ましくは、有機塩基、アルキルメタル、メタルハイドライド(例えばナトリウムハイドライド等)等である。更に好ましくはトリエチルアミンやナトリウムハイドライドである。最も好ましくはトリエチルアミンである。 用いる溶媒は、本反応を阻害するものでなければどのような溶媒でもよいが、好ましくは非プロトン性極性溶媒であり、最も好ましくはN,N−ジメチルアセトアミドである。 溶媒の使用量は一般式(7)で表される化合物の1〜100質量倍が好ましく、より好ましくは3から50質量倍である。最も好ましくは5から20質量倍である。 反応温度は用いる反応剤の種類により最適温度は異なるが、−20〜200℃で行うのが好ましく、より好ましくは0℃〜170℃である。最も好ましくは20℃〜150℃である。 本発明のフタロシアニン誘導体は任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。 本発明のフタロシアニン誘導体は、特定の誘導体単独で使用してもよく、また構造の異なったものを複数種混合して用いてもよい。 以下に、本発明の方法により合成することのできる無金属フタロシアニンの好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。 下表1において、例えばR201/R204という表記はR201又はR204のいずれか一方という意味を表しており、従ってこの表記のある化合物は置換位置異性体の混合物である。また無置換の場合、即ち水素原子が置換している場合は表記を省略している。表1 本発明の方法により合成することのできる無金属フタロシアニンの例[実施例] 次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。[化合物(I-1)の合成] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、塩化リチウム0.21gにエタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールとジメチルスルホキシドで再結晶させて化合物(I-1)0.8g(収率32%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。 3-secブチルスルホニル−1,3−ジイミノイソインドリン2.5g、塩化リチウム0.21gに2−ジメチルアミノエタノール25mlを加え、リフラックス下、還流下4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、メタノールと水を加え、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールで洗浄して化合物(I-1)1.0g(収率40%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[比較例1] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル2.5gにブタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分を確認できなかった。[比較例2] 3-secブチルスルホニル−1,3−ジイミノイソインドリン2.5にキノリン15mlを加え、180℃で2時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、イソプロピルアルコールをいれると結晶の析出を確認する。濾過して得られた結晶をイソプロピルアルコールで洗浄したのち、シリカゲルカラム精製をして化合物(I-1)0.2g(収率8%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[比較例3] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、三塩化セリウム0.15gにペンタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを6.0g加え、160℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分をわずかしか確認できなかった。[比較例4] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、ハイドロキノン0.27gにペンタノール25mlを加え、80℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを6.0g加え、140℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分をわずかしか確認できなかった。[比較例5] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル0.93g、トリス(3−secブチルスルホニル)サブフタロシアニン0.42gに1−クロロナフタレン1.25ml、ジメチルスルホキシド2.5mlを加え、80℃に加熱攪拌する。反応液を室温まで戻してイソプロピルアルコールで結晶を析出させ濾過する。化合物(I-1)0.04g(サブフタロシアニンに基づく収率35%)を得た。[比較例6] 3-secブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、塩化リチウム0.21gにブタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分を確認したが、系が複雑になり分離不能であった。[化合物(I-2)の合成] 3-tertブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、塩化リチウム0.21gにエタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールとジメチルスルホキシドで再結晶させて化合物(I-2)0.8g(収率32%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。 3-tertブチルスルホニル−1,3−ジイミノイソインドリン2.5g、塩化リチウム0.21gに2−ジメチルアミノエタノール25mlを加え、リフラックス下、還流下4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、メタノールと水を加え反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールで洗浄して化合物(I-2)0.8g(収率32%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[比較例7] 3-tertブチルスルホニルフタロニトリル2.5gにブタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分を確認できなかった。[比較例8] 3-tertブチルスルホニル−1,3−ジイミノイソインドリン2.5にキノリン15mlを加え、190℃で2時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、イソプロピルアルコールを加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた結晶をイソプロピルアルコールで洗浄したのち、シリカゲルカラム精製をして化合物(I-1)0.2g(収率8%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[比較例9] 3-tertブチルスルホニルフタロニトリル2.5g、塩化リチウム0.21gにブタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これに1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンを0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌したが、色素成分を確認したが、系が複雑になり分離不能であった。[化合物(I-3)の合成] 3-isoプロピルスルホニルフタロニトリル2.3g、塩化リチウム0.21gにエタノール23mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールとジメチルスルホキシドで再結晶させて化合物(I-3)0.7g(収率30%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。 3-isoプロピルスルホニル−1,3−ジイミノイソインドリン2.5g、塩化リチウム0.21gに2−ジメチルアミノエタノール25mlを加え、リフラックス下、還流下4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、メタノールと水を加え反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールで洗浄して化合物(I-3)1.0g(収率43%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(I-4)の合成] 3-nプロピルスルホニルフタロニトリル2.3g、塩化リチウム0.21gにエタノール23mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールとジメチルスルホキシドで再結晶させて化合物(I-3)0.8g(収率34%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(I-5)の合成] 3-エチルスルホニルフタロニトリル2.2g、塩化リチウム0.21gにエタノール25mlを加え、60℃に加熱攪拌する。これにナトリウムメトキシド28%メタノール溶液を0.5g加え、80℃で4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールとジメチルスルホキシドで再結晶させて化合物(I-4)0.9g(収率41%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(I-6)の合成] 3-フェニルスルホニル1,3−ジイミノイソインドリン2.9g、塩化リチウム0.21gに2−ジメチルアミノエタノール29mlを加え、リフラックス下、還流下4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、メタノールと水を加え、反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールで洗浄して化合物(I-5)1.3g(収率48%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(I-7)の合成] 3-ピリジルスルホニル1,3−ジイミノイソインドリン2.9g、塩化リチウム0.21gに2−ジメチルアミノエタノール29mlを加え、リフラックス下、還流下4時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、メタノールと水を加え反応系が中和する量の硫酸を加えると結晶の析出を確認する。濾過して得られた粗結晶をメタノールで洗浄して化合物(I-6)1.3g(収率48%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。 下表2に、実施例と比較例の一覧を記載する。 表2 *トリス(3−secブチルスルホニル)サブフタロシアニンに基づく収率 **複雑な混合物を与えたため分離不能であった。 上表に示す通り、本発明により無金属フタロシアニンを穏和な条件で安全にかつ置換基を損なうことなく高収率で得る方法を提供することができた。 次に、無金属フタロシアニンに中心金属を導入する実施例を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例11〜29のそれぞれで合成された化合物をそれぞれ化合物(II-1)〜化合物(II-19)とした。[化合物(II-1)の合成] 化合物(I-1)1.0g、ヨウ化銅1.2gにN,N−ジメチルアセトアミド8mlを加え、80℃で5時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-1)0.8g(収率76%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-2)の合成] 化合物(I-1)1.0g、バナジルアセチルアセトナート0.27gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、100℃で6時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-2)0.7g(収率66%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-3)の合成] 化合物(I-2)1.0g、バナジルアセチルアセトナート0.27gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、100℃で6時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-3)0.7g(収率66%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-4)の合成] 化合物(I-3)0.6g、バナジルアセチルアセトナート0.26gにN,N−ジメチルアセトアミド6mlを加え、140℃で5時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶を水とメタノールで洗浄して化合物(II-4)0.3g(収率47%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-5)の合成] 化合物(I-1)1.0g、チタニウム(IV)ブトキシド0.34gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、130℃で2時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-5)0.3g(収率28%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-6)の合成] 化合物(I-1)0.2g、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)プラチナ(II)0.35gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、さらにトリエチルアミン0.1gを滴下し、100℃で8時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、希塩酸と酢酸エチルで分液し、有機層をエバポレーターで濃縮する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-6)0.2g(収率84%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-7)の合成] 化合物(I-1)0.5g、酢酸マンガン(II)0.15gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、室温で30分攪拌する。水と酢酸エチルで分液し、有機層をエバポレーターで濃縮する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-7)0.2g(収率38%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-8)の合成] 化合物(I-1)0.5g、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム(II)ポリマー0.22gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、さらにトリエチルアミン0.1mlを滴下し、室温で6時間攪拌する。反応液に水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-8)0.32g(収率50%)を得た。MALDI-MSと1HNMRより構造を確認した。[化合物(II-9)の合成] 化合物(I-1)0.5g、二塩化スズ(II)0.14gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、140℃で3時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応液に水を加え、析出した結晶を濾過し、さらに無機塩を落とすためにジクロロエタンで洗浄する。得られた溶液を濃縮し、粗結晶をジクロロエタンとエタノールを用いて再結晶し、化合物(II-9)0.3g(収率54%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II-10)の合成] 化合物(I-1)0.4g、三塩化ガリウム(III)0.35gにキノリン5mlを加え、150℃で2時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、反応液に希塩酸を加え、析出した結晶を濾過し、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-10)0.18g(収率42%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−11)の合成] 化合物(I-1)1.0g、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(O)0.55gにN,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、100℃で2時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-11)0.5g(収率48%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−12)の合成] 化合物(I-1)0.5g、酢酸亜鉛(II)0.22gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で1時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、化合物(II-12)0.4g(収率76%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−13)の合成] 化合物(I-1)0.5g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物 0.23gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で5時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで攪拌洗浄し化合物(II-13)0.45g(収率88%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−14)の合成] 化合物(I-2)0.5g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物0.23gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で5時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで攪拌洗浄し化合物(II-14)0.45g(収率88%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−15)の合成] 化合物(I-3)0.6g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物0.27gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で1時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで攪拌洗浄し化合物(II-15)0.53g(収率86%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−16)の合成] 化合物(I-4)0.6g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物0.27gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で1時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで攪拌洗浄し化合物(II-16)0.6g(収率98%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−17)の合成] 化合物(I-5)0.5g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物0.23gにN,N−ジメチルアセトアミド5mlを加え、140℃で5時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで攪拌洗浄し化合物(II-17)0.45g(収率88%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−18)の合成] 化合物(I-6)0.7g、酢酸マグネシウム(II)・四水和物0.28gにN,N−ジメチルアセトアミド7mlを加え、140℃で3時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過する。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して化合物(II-18)0.25g(収率28%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。[化合物(II−19)の合成] 化合物(I-1)0.3g、ユーロピウム(2,2,6,6−テトラメチル−3,5,−ヘプタンジオナト)0.42gにN,N−ジメチルアセトアミド3mlを加え、140℃で1時間加熱攪拌する。反応液を室温まで冷却し、水を加え、析出した結晶を濾過し、酢酸エチルで抽出し、水と飽和食塩水で分液する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで脱水させ、エバポレーターで濃縮し化合物(II-19)0.25g(収率63%)を得た。MALDI-MSにより構造を確認した。 下表3に、実施例の一覧を記載する。 下表3において、Mは中心金属を表し、金属の酸化物や配位子を有するという意味である。 表3 *DMAc N,N−ジメチルアセトアミドの略称 **tmhd 2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタジオナトの略称 上表に示す通り、本発明で得られた無金属フタロシアニンは、種々の金属フタロシアニンに簡便に変換できる。 一般式(1)〜(6)のいずれかで表される化合物群中の少なくとも1つの化合物に少なくとも1つのリチウム塩を添加して反応を行い、後処理を施すことを特徴とする下記一般式(7)の無金属フタロシアニンの製造方法。(式中R11〜R14は各々独立に水素原子または置換基を表す。) 一般式(7)(式中R201〜R216は各々独立に水素原子または置換基を表す。) 一般式(7)におけるR201〜R216の少なくとも一つが、下記一般式(8) または(9)であることを特徴とする、請求項1に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。(式中R31,R41,R42は独立に水素原子または置換基を表す。) 一般式(8)または(9)で表される置換基を一般式(7)におけるR201,R204,R205,R208,R209,R212,R213,R216のいずれかに有することを特徴とする、請求項2に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。 該後処理が反応を中和する酸によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。 該後処理を施す前に無機塩基を共存させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無金属フタロシアニンの製造方法。 一般式(1)で表される化合物にリチウム塩およびアルコキシド誘導体を添加することを特徴とする一般式(7)で表される請求項1〜4に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。 一般式(4)で表される化合物にリチウム塩を添加し、配位性有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(7)で表される請求項1〜4に記載の無金属フタロシアニンの製造方法。 請求項1〜7に示される製造方法によって得られた無金属フタロシアニンと、金属源を混合することを特徴とする金属フタロシアニンの製造方法。 混合する金属源に含まれる金属種がマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、スズ、プラチナ、チタン、バナジウム、ユーロピウム、ルテチウム、セリウムまたはこれらの酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の金属フタロシアニンの製造方法。 反応系に塩基を添加することを特徴とする請求項8または9に記載の金属フタロシアニンの製造方法。 【課題】 本発明は、無金属フタロシアニンを、リチウム塩を用いることによって穏和な条件で安全にかつ置換基を損なうことなく高収率で得る方法を提供するものである。更に本発明は、無金属フタロシアニンを用いて、種々の金属フタロシアニンに簡便に変換する方法を提供するものである。【解決手段】一般式(1)〜(6)で表される化合物群のいずれかの化合物にリチウム塩を添加して反応を行い、後処理を施す下記一般式(7)の無金属フタロシアニンの製造方法。上記無金属フタロシアニンと、金属源を混合する金属フタロシアニンの製造方法。 【化1】 式中R11〜R14は各々独立に水素原子または置換基を表す。R201〜R216は各々独立に水素原子または置換基を表す。【選択図】 なし


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