生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_フタルアミド類の製造方法
出願番号:2004108762
年次:2005
IPC分類:7,C07C231/10,C07C233/65


特許情報キャッシュ

葉賀 徹 渡部 知之 JP 2005289920 公開特許公報(A) 20051020 2004108762 20040401 フタルアミド類の製造方法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 中山 亨 100113000 榎本 雅之 100119471 葉賀 徹 渡部 知之 7C07C231/10C07C233/65 JPC07C231/10C07C233/65 3 OL 5 4H006 4H006AA02 4H006AC53 4H006BB70 4H006BB71 4H006BC31 4H006BE14 4H006BJ50 4H006BM30 4H006BV71 本発明はフタルイミド類からフタルアミド類を製造する方法に関する。フタルアミド類は、医薬、農薬、電子材料、色素や、それらの原料乃至中間体等として有用である。 フタルアミド類を製造する方法として、フタルイミド類とアンモニアを有機溶媒中や水溶媒中で反応させる方法が知られている。例えば、特開2003−48873号公報(特許文献1)や特開2003−55335号公報(特許文献2)には、4−ブロモフタルアミドを製造する際、アンモニアを溶媒に溶解させたアンモニア溶液に、4−ブロモフタルイミドを添加して反応させることが記載されており、この溶媒として水や各種有機溶媒が用いられることが記載されている。特開2003−48873号公報特開2003−55335号公報 しかしながら、上記従来の方法では、反応が遅かったり、フタルアミド類の選択性が低かったりして、フタルアミド類が十分な収率で得られないことがあった。また、反応後のフタルアミド類の分離精製に手間がかかり、操作性の点で満足できないことがあった。そこで、本発明の目的は、フタルイミド類からフタルアミド類を高収率で操作性良く製造しうる方法を提供することにある。 本発明者等は鋭意研究を行った結果、有機溶媒や水溶媒を使用することなくフタルイミド類とアンモニアを反応させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、反応系内に有機溶媒及び水を実質的に存在させずに、フタルイミド類をアンモニアと反応させることにより、フタルアミド類を製造する方法を提供するものである。 本発明によれば、フタルイミド類からフタルアミド類を高収率で操作性良く製造することができる。 本発明で原料に用いられるフタルイミド類は、無置換のフタルイミド又はベンゼン環上に置換基を有する置換フタルイミドであり、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。フタルイミド類の典型的な例は、次の式(1)で示すことができる。(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す) Rがハロゲン原子である場合、このハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることができる。また、Rがアルキル基である場合、このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等が挙げられ、その炭素数は通常1〜20程度である。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基の例としては、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、オキソ基、シリル基、N,N−2置換アミノカルボニル基、ジアゾ基、シアノ基、ビニル基、プロパルギル基等が挙げられる。 フタルイミド類として上記式(1)で示される化合物を用いることにより、フタルアミド類として次の式(2)で示される化合物を製造することができる。(式中、Rは前記と同じ意味を表す) 上記フタルイミド類をアンモニアと反応させて、対応するフタルアミド類を生成させる。アンモニアとしては、アンモニアガスを用いるよりも、液体アンモニアを用いるのが、フタルアミド類の収率や操作性の点で好ましい。また、アンモニアの使用量は、理論上はフタルイミド類の1モル倍であるが、過剰に使用して、反応中は溶媒としても機能させるのがよく、また、反応後は回収して再使用できるので、フタルイミド類の10〜120モル倍、好ましくは50〜70モル倍を使用するのがよい。 本発明では、フタルイミド類とアンモニアとの反応を、有機溶媒も水溶媒も使用することなく行う。このように、反応系内に有機溶媒及び水を実質的に存在させずに反応を行うことにより、フタルアミド類を良好な収率で製造することができ、また、反応後はアンモニアを留去するだけの簡単な操作でフタルアミド類を回収することができる。なお、反応系内に有機溶媒及び水を実質的に存在させないということは、反応溶媒、すなわちフタルイミド類とアンモニアを反応させるための媒体として機能しうる量の有機溶媒や水を反応系内に存在させないことを意味している。したがって、フタルイミド類やアンモニア中に不純物として含まれうる程度の量の有機溶媒乃至水は、反応系内に存在してもよい。例えば、原料として使用するフタルイミド類やアンモニアに有機溶媒乃至水が含まれていても、その量が2重量%程度までなら、かかるフタルイミド類やアンモニアをそのまま反応に使用して、それらに含まれる有機溶媒乃至水が反応系内に存在することになってもよい。ただし、フタルアミド類が加水分解され易い化合物であるため、水は極力存在させないようにするのが望ましい。 反応は耐圧容器を使用して行うのがよく、反応温度は通常10〜80℃、好ましくは20〜30℃である。また、反応時間は、フタルイミド類乃至アンモニアの使用量や反応温度等にもよるが、通常1〜12時間程度である。 反応後は、過剰に存在しうるアンモニアを蒸発させることにより、フタルアミド類を分離することができる。蒸発したアンモニアは低温トラップ等で回収して、再使用するのがよい。得られたフタルアミド類は、晶析や蒸留等の精製操作に付してもよい。 次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、生成物の分析は液体クロマトグラフィー(検出:UV254nm)により行い、クロマトグラムの面積比から割合乃至純度を算出した。実施例1 200mlのステンレススチール製オートクレーブを窒素置換後、フタルイミド10gを入れて−40℃に冷却した。この中に液体アンモニア68.8gを入れ、密閉して攪拌した後、常温に戻し、内温23℃にて2.5時間反応させた。密閉を解いて常圧に戻し、アンモニアを蒸発させた後、フタルアミドのウェットケーキを取り出し、40℃にて乾燥した。得られたフタルアミドのドライケーキ10.8gを液体クロマトグラフィーで分析した結果、純度は99.8%であり、収率は97%であった。比較例1 200mlの丸底フラスコを窒素置換後、フタルイミド20g及びN,N−ジメチルホルムアミド106gを入れ、攪拌しながら内温を10℃に冷却した。この中に、アンモニア10.1gを1時間かけてガス状で吹き込んだ後、内温を23℃として20時間反応させ、次いで、追加のアンモニア9.26gを6時間かけてガス状で吹き込んだ。反応混合物を分析したところ、生成物の割合はフタルアミド/原料フタルイミド/副生物=41/44/15であった。この反応混合物を濾過し、濾残をアセトニトリルで洗浄後、40℃、60torr(7.9kPa)にて15時間乾燥した。得られたフタルアミドのドライケーキ5.67gを分析した結果、純度は99.8%であり、収率は25%であった。 反応系内に有機溶媒及び水を実質的に存在させずに、フタルイミド類をアンモニアと反応させることを特徴とするフタルアミド類の製造方法。 フタルイミド類が式(1)(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す)で示される化合物である請求項1に記載の製造方法。 アンモニアが液体アンモニアであり、その使用量がフタルイミド類1モルに対し10〜120モルである請求項1又は2に記載の製造方法。 【課題】フタルイミド類からフタルアミド類を高収率で操作性良く製造しうる方法を提供する。【解決手段】反応系内に有機溶媒及び水を実質的に存在させずに、下記式(1)(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す)で示される如きフタルイミド類を、アンモニアと反応させることにより、フタルアミド類を製造する。アンモニアとしては液体アンモニアを使用するのがよく、その使用量はフタルイミド類1モルに対し10〜120モルとするのがよい。【選択図】なし


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