タイトル: | 公開特許公報(A)_医薬組成物 |
出願番号: | 2004108431 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K31/192,A61K31/485,A61K31/704 |
田中 広幸 落司 幸生 根岸 宗広 内野 泰秀 JP 2005289905 公開特許公報(A) 20051020 2004108431 20040331 医薬組成物 ゼリア新薬工業株式会社 000108339 田中 広幸 落司 幸生 根岸 宗広 内野 泰秀 7A61K31/192A61K31/485A61K31/704 JPA61K31/192A61K31/485A61K31/704 5 OL 11 4C086 4C206 4C086BC27 4C086EA10 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA09 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA41 4C086NA03 4C086ZA07 4C086ZA08 4C086ZA62 4C086ZB11 4C086ZB13 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA24 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA17 4C206MA28 4C206MA55 4C206MA57 4C206MA61 4C206NA03 4C206ZA07 4C206ZA08 4C206ZA62 4C206ZB11 4C206ZB13 本発明は、解熱鎮痛成分のイブプロフェンを主薬とした医薬組成物に関するものである。更に詳しくは、イブプロフェンに鎮咳成分のジメモルファンまたはその塩および抗炎症成分のグリチルリチン酸またはその塩を配合することにより、褐変などの配合変化が効果的に抑えられ、長期安定性が格段に向上した配合剤である医薬組成物に関するものである。 風邪症候群は、そのほとんどがウイルスに由来する呼吸器感染症であるが、その主な症状は、咳嗽、のどの痛み、鼻づまり、鼻汁分泌亢進、喀痰などの局所的な症状から発熱、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感等の全身症状まで多岐にわたっている。 これらの症状を早期に消失させるべく、感冒薬には、痛みや発熱を緩和する解熱鎮痛成分や、喉の腫れ、炎症を抑える抗炎症成分、また、咳嗽症状の改善を目的とした鎮咳成分など、種々の成分が配合されている(非特許文献1)。 イブプロフェンは、強力な解熱鎮痛作用を有する非ステロイド系抗炎症剤であり、慢性関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛、神経炎、頸腕症候群、風邪症候群等に対する消炎・鎮痛剤としての効果を有している(非特許文献2)。従来からイブプロフェンは、医療用医薬品(非特許文献3)としてこれらの疾患に使用されてきたが、その有効性と安全性から、近年、一般用の総合感冒薬としても販売されるようになっている(非特許文献4)。 しかしイブプロフェンは、融点が75〜77℃と低く、他剤と配合した場合、配合された他の成分の融点降下を起こすことがあり、このため、他の活性成分とイブプロフェンとが配合された製剤は安定性が悪く、有効成分の含量低下、外観変化等を伴いがちである(非特許文献5)。例えば、イブプロフェンとフマル酸クレマスチンを配合した場合、経時的な褐変を起こしやすく、現在流通しているイブプロフェン、フマル酸クレマスチン含有の感冒薬において、錠剤のような剤形では、この経時的な褐変を隠蔽するため製剤の表面を水溶性高分子化合物やショ糖などで被覆している場合が多い。被覆は褐変を隠蔽するために有効な手段ではあるが、問題の根本的な解決とはなっていない。また被覆することによって薬物の溶出の時間が遅延し、薬効発現に時間を要するため、即効性が求められる感冒薬にとっては大きな痛手である。 また、鎮咳薬として、ヒベンズ酸ピペチジンがイブプロフェンと同時に配合された製剤でも、経時的な褐変化が起こりやすいことが知られている。 さらに、抗炎症・消炎酵素薬である塩化リゾチームは塩基性のタンパク質であり、酸性基を有するイブプロフェンとの配合変化により安定性が損なわれる(非特許文献2)。 イブプロフェンを含む配合剤に関しては、イブプロフェンのほか、グリチルリチン酸またはその塩が付着又は、被覆されてなる咽頭刺激性が改善されたイブプロフェン加工粉末に関する技術(特許文献1)、ジメモルファンまたはその塩とイブプロフェンなどを含むことにより、鎮咳効果が向上した鎮咳薬(特許文献2)など有効性に関する技術がすでに知られているが、いずれも、それら配合製剤の色調変化を抑える安定性改善に関する技術への応用には至っていない。 ジメモルファンまたはその塩は、非麻薬性鎮咳薬として代表される有効成分であり、低用量で延髄の咳中枢に直接作用して、鎮咳作用をあらわし、イヌ、ネコを用いた薬理試験では、リン酸コデインやデキストロメトルファンよりも優れた鎮咳効果を発揮することが知られている。また、グリチルリチン酸は坑炎症薬として汎用される有効成分である。しかしながら、イブプロフェンに、ジメモルファンまたはその塩およびグリチルリチン酸またはその塩を同時に配合した医薬組成物はこれまで知られていなかった。特開2000−264838号公報特開2001−97856号公報セピーゴールドカプセル添付文書(ゼリア新薬工業株式会社)第14改正 日本薬局方解説書 C−268(廣川書店プルフェン錠・錠200・顆粒添付文書(科研製薬株式会社)セピーIPゴールド添付文書(ゼリア新薬工業株式会社)佐藤 薬局Vol.27,No.12(1976) 本発明の目的は、イブプロフェンに風邪症候群に有効な成分を配合した製剤であって、褐変などの配合変化を効果的に抑え、しかも長期的にも安定性を格段に向上させた、製品価値の高い医薬組成物を提供することである。 本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イブプロフェンに、ジメモルファンまたはその塩およびグリチルリチン酸またはその塩を配合することにより、経時的な色調変化が抑えられた効果的で安定な医薬組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(A)イブプロフェンに(B)ジメモルファンまたはその塩および(C)グリチルリチン酸またはその塩を含有することを特徴とする医薬組成物である。 本発明によれば、(A)イブプロフェンに(B)ジメモルファンまたはその塩および(C)グリチルリチン酸またはその塩を含有することにより、経時的な色調変化が抑えられた安定な医薬組成物を提供する。 本発明のイブプロフェンは、通常の医薬品に使用されるものであればよく、例えば日本薬局方収載品を使用することができる。イブプロフェンの濃度は、適宜増減して含有させることが可能であるが、その配合量は成人に対する1日投与量として400〜600mgが好ましく、特に、400〜500mgが好ましい。イブプロフェンの量が、400mg未満であると、前述の薬効、効果が期待できず、また、600mgを超えると安全性の観点において、疑問が生じるため好ましくない。 本発明でのジメモルファンまたはその塩は、その塩については、通常の医薬品に使用されるものであればよく、例えば日本薬局方外医薬品成分規格収載品であるリン酸塩を用いることが望ましいが、他の塩として、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩または、フマル酸塩を用いることができる。その配合量としては、イブプロフェン100重量部に対し、1.2〜20.0重量部、特に好ましくは、1.6〜15.0重量部とすることが良い。ジメモルファンまたはその塩の量が、1.2重量部未満であると、前述の薬効、効果が期待できず、また、20.0重量部を超えると安全性の観点において、疑問が生じるため好ましくない。 本発明のグリチルリチン酸またはその塩は、医薬品に使用されるものであればよい。例えばグリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二アンモニウムなどがあげられるが、好ましくはグリチルリチン酸がよい。グリチルリチン酸の濃度は、薬効を呈する配合量であれば良いが、好ましくはイブプロフェン100重量部に対し、1.0〜50.0重量部配合したものが好ましく、さらに好ましくは、2.0〜45.0重量部の比率で配合するのが良い。グリチルリチン酸またはその塩の量が、1.0重量部未満になると、前述の期待する効果が得られず、薬効の面でも好ましくない。また、50.0重量部を超えて配合した場合、安全性の観点で疑問が生じるため、好ましくない。 さらにこの医薬組成物には、上記必須成分のほかに必要に応じて、他の解熱鎮痛薬、他の鎮咳薬、他の去痰薬、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、抗炎症・消炎酵素薬、眠気防止薬(中枢神経興奮薬)、ビタミン類、生薬、漢方薬、制酸剤から選ばれる1種または2種以上を配合することができる。 具体的には、他の解熱鎮痛薬として、アスピリンまたはその塩、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェンまたはその塩、プラノプロフェン、ジクロフェナックまたはその塩、抗ヒスタミン薬として、マレイン酸クロルフェニラミン(d体、dl体を含む)、メキタジン、マレイン酸カルビノキサミン、ジフェンヒドラミンまたはその塩、プロメタジンまたはその塩、ホモクロルシクリジンまたはその塩、他の抗炎症・消炎酵素薬として、塩化リゾチーム、セミアルカリプロティナーゼ、トラネキサム酸、セラペプターゼ、ブロメラインおよびその類縁物質などを配合し、抗コリン成分として、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ロートエキスなどを配合し、他の鎮咳薬として、ジヒドロコデインまたはその塩、コデインまたはその塩、デキストロメトルファンまたはその塩、ノスカピンまたはその塩、エプラジノンまたはその塩、メトキシフェナミンまたはその塩などを配合し、気管支拡張薬として、塩酸メチルエフェドリン(d体、dl体を含む)、塩酸エフェドリン、塩酸メトキシフェナミン、塩酸トリメトキノール、テオフィリン、アミノフィリンなどを配合し、去痰薬として、クレゾールスルホン酸カリウム、グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸L−メチルシステイン、塩酸L−エチルシステインなどを配合し、眠気防止薬(中枢神経興奮薬)としてカフェイン類などを配合し、ビタミン類として、ビタミンB1もしくはその誘導体またはそれらの塩、ビタミンB2もしくはその誘導体またはそれらの塩、ビタミンCなど、生薬、漢方薬、制酸剤などを配合でき、これらは、単独または2種以上をあわせて用いることができる。ここで塩とは、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、臭化水素酸塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などがあげられる。 固形剤において製剤の調製に使用する担体としては、結晶セルロース、乳糖、デンプン、マルトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、硬化ヒマシ油、タルク、マクロゴールなどの滑沢剤、軽質無水ケイ酸などの流動促進剤があり、この他必要に応じて崩壊補助剤、緩衝剤、保存剤、香料、色素、矯味剤などを使用することができる。 本発明の医薬組成物は、通常の方法により錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、チュアブル剤、ドロップ剤、発泡剤、口腔内崩壊剤などの経口投与形態の製剤に調製することができる。そのうち、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、またはカプセル剤に調製するのがよく、更に好ましくは、錠剤、顆粒剤、細粒剤がよく、特に好ましくは錠剤がよい。 本発明の医薬組成物は、通常成人に対して1日あたり1回あるいは数回に分けて経口投与することができ、その投与量は、年齢、体重、病状により適宜増減することができる。 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。実施例1 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 べラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 メキタジン 0.16 リン酸ジメモルファン 1.19 グリチルリチン酸 5.56 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 63.75 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)実施例2 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 べラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 d−マレイン酸クロルフェニラミン 0.14 リン酸ジメモルファン 1.19 グリチルリチン酸 5.56 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 63.77 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)実施例3 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 メキタジン 0.16 リン酸ジメモルファン 0.40 グリチルリチン酸 7.94 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 62.16 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)実施例4 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 23.81 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリ 2.98 メキタジン 0.16 リン酸ジメモルファン 0.40 グルチルリチン酸 0.40 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 63.75 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)実施例5 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 メキタジン 0.16 リン酸ジメモルファン 3.17 グリチルリチン酸 0.40 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 66.93 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)実施例6 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 15.87 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 メキタジン 0.16 リン酸ジメモルファン 3.17 グリチルリチン酸 7.94 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 61.38 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)比較例1 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 フマル酸クレマスチン 0.05 ヒベンズ酸チペピジン 2.98 グリチルリチン酸 5.56 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 62.07 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)比較例2 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 メキタジン 0.24 ヒベンズ酸チペピジン 2.98 クレゾールスルホン酸カリウム 9.92 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 57.52 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)比較例3 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 フマル酸クレマスチン 0.05 ヒベンズ酸チペピジン 2.98 クレゾールスルホン酸カリウム 9.92 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 57.71 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部)比較例4 下記成分および重量配合比に従って秤量し、均一に混合した後、得られた混合末を直接圧縮法にて、1錠重量280mgの錠剤を得た。 イブプロフェン 17.86 ベラドンナ総アルカロイド 0.02 dl−塩酸メチルエフェドリン 2.98 フマル酸クレマスチン 0.05 ヒベンズ酸チペピジン 2.98 塩化リゾチーム 3.57 無水カフェイン 2.98 結晶セルロース 64.06 クロスカルメロースナトリウム 4.00 軽質無水ケイ酸 0.50 ステアリン酸マグネシウム 1.00 (重量部) 試験例1[色差評価試験]実施例1〜6および比較例1〜4で得られた錠剤を各々、密閉ガラス瓶に入れ、60℃の温度条件下で7日間保存し、保存前と保存後の錠剤の色調を測定した。色調測定は、カラーテスター (MODELSC−3 ; スガ試験機株式会社) を用い、各試料の色調パラメーター、L(明度)、a(色相)およびb(彩度)から下記数式1により色差を算出し、保存前後の色調の変化を評価した。 試験結果を表1に示す。 結果は,表1に示すように本発明による処方(実施例1〜6、イブプロフェン、グリチルリチン酸、ジメモルファン配合群)が、比較例1(ジメモルファン非配合群)、比較例2〜4(グリチルリチン酸、ジメモルファン非配合群)に比べて劇的に色調変化が改善されていることが証明された。試験例2[配合製剤の風邪症候群局所症状改善効果試験例] 前述の実施例1の医薬組成物を用いて、その風邪症候群に対しての効果を評価するべく、著明な風邪症候群による代表的な局所症状4種(鼻づまり、鼻汁分泌亢進、喀痰、咳嗽各症状)を有する、風邪症候群に罹患した成人男女12名を対象に、1回3錠、1日3回毎食後、4日間経口投与し、各症状改善効果を評価した。 改善効果の判定には、 著明改善 : 3症状あるいは、4症状すべてが消失した。 改善 : 2症状が消失あるいは、服用前に比べて、すべての症状が緩和した。 軽度改善 : 服用前に比べて、2症状以上が緩和した。 不変 : 服用前の状態と変わらない。 悪化 : 服用前の状態よりもひどくなった。以上の5段階による評価を行った。 試験結果は、風邪症候群による局所症状に対する改善率(軽度改善以上)を表2に示した。結果、表に示すように発明製剤が風邪症候群の局所症状に対して、優れた改善効果を示していることが確認された。 本発明により経時的な色調変化が抑えられ、製剤の長期安定性が格段に向上したイブプロフェン含有の医薬組成物を提供することが可能になった。経時的な色調変化が抑えられるだけでなく、風邪症候群における局所症状に対しても、高い有効性を示した。 (A)イブプロフェンに、(B)ジメモルファンまたはその塩、および(C)グリチルリチン酸またはその塩を含有することを特徴とする医薬組成物。 (B)ジメモルファンまたはその塩の配合比率が、(A)イブプロフェン100重量部に対して1.2〜20.0重量部である請求項1記載の医薬組成物。 (C)グリチルリチン酸またはその塩の配合比率が、(A)イブプロフェン100重量部に対して1.0〜50.0重量部である請求項1記載の医薬組成物。 錠剤、細粒剤、散剤、顆粒剤または、カプセル剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。 (A)イブプロフェンを含有する医薬組成物において、(B)ジメモルファンまたはその塩および(C)グリチルリチン酸またはその塩を配合することにより、製剤の色調変化が抑えられ配合変化を防止する方法。 【課題】 風邪症候群などに有効な成分であるが、他の有効成分との配合性が悪く、安定な製剤化が難しかったイブプロフェンに、抗炎症成分、鎮咳成分を同時に配合することによって、褐変などの配合変化を効果的に抑えて安定性を向上させた製品価値の高い医薬組成物を提供することを課題とする。【解決手段】 イブプロフェンに、鎮咳成分としてジメモルファンまたはその塩を、抗炎症成分としてグリチルリチン酸またはその塩を配合することにより、経時的な色調変化が抑えられた医薬組成物が得られることを見いだした。これらの成分を配合する本発明は、経時的な色調変化が抑えられることを特徴とする医薬組成物となった。