タイトル: | 公開特許公報(A)_レディミクストコンクリートの骨材の吸水量を除いた水量の測定方法 |
出願番号: | 2004098357 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N9/36,B28C7/00 |
赤坂 成保 赤坂 紀美子 山崎 知子 赤坂 恭一 赤坂 悦子 JP 2005283363 公開特許公報(A) 20051013 2004098357 20040330 レディミクストコンクリートの骨材の吸水量を除いた水量の測定方法 赤坂 成保 303022787 赤坂 紀美子 303022798 山崎 知子 303022640 赤坂 恭一 303022813 赤坂 悦子 303022802 大野 克躬 100068124 大野 令子 100073117 赤坂 成保 赤坂 紀美子 山崎 知子 赤坂 恭一 赤坂 悦子 7G01N9/36B28C7/00 JPG01N9/36 CB28C7/00 4 4 OL 15 4G056 4G056AA06 4G056CB13 4G056DA05 4G056DA08 本発明は、混練したレディミクストコンクリートが製造施工に使用されるまでの、レディミクストコンクリートの骨材の吸水量を除いた水量を測定するための方法に関する。 混練したレディミクストコンクリートのスランプは施工現場で保証しなければならない。納入する施工現場のスランプ変動の補正、現場から要求されるスランプの多少の変更は、製造時に調整する。これを調整する方法は、一般に細骨材の表面水補正値を調整する事によって実施される事が多いが、これによって単位水量が変動する。この単位水量を迅速に知る方法はない。現状は電子レンジ法、減圧加熱法、静電容量法、ラジオアイソトープ法、エアーメータ法等で測定する装置が商品化されているが満足できる状態にない。何故なら、電子レンジ法、減圧加熱法、静電容量法、ラジオアイソトープ法は骨材の吸水率の影響を受け、エアーメータ法は骨材の表乾密度の影響を受けるからである。 骨材の表乾密度及び吸水率の試験方法はJIS A 1109、JIS A 1110に規定されている。一方JIS A 0203、番号3106に吸水率、番号3108に表乾密度が定義されているが試験結果と定義とが一致しない。結果も場合によって異なったものが測定され、試験する時間も長く、試験試料も少ないので測定値の信頼度が低い。 このような理由でJIS A 1109、JIS A 1110の試験は実施される事は少なく過去使用しているデータを使用して配合設計をする。配合表に使用される密度は混練容積を知るために使用され、現場配合で容積補正をする。 製造工程管理として骨材の表面水率をJIS A 1111、JIS A 1125で試験するようになっている。表乾密度、吸水率の測定は表乾密度の平均値及び標準偏差で知ることができるが、試験する時間が30時間程度かかり、標準偏差を知るだけのデータ数が取れない。ある会社の社内規格では、1日数回骨材の表面水率を測定する事になっている。しかしながら、表乾密度を使用してJIS A 1111で測定した表面水率H11、吸水率を使用してJIS A 1125で測定した表面水率H25とは、結果としてH11≠H25になり、その違いが大き過ぎるのでこれを実施している工場はなく細骨材の表面水率を正しく知る事が出来ない状況にある。 骨材の表乾密度、吸水率、表面水率については特許文献1に測定方法が開示され、上記骨材の表乾密度及び吸水率を規定するJISの内容については特許文献2に詳細に記載されている。最近、レディミクストコンクリートの発注者側が積極的に『単位水量』の検査をする様になり、『単位水量』を高精度で迅速に測定する要求が高まっている。特許第3398863号公報特開2003−57231号公報 レディミクストコンクリートに使用する骨材は、最大骨材寸法径が5mm以下で水分を含んでいる場合を湿潤細骨材、水が蒸発して乾燥状態の場合を絶乾細骨材、5mmより大きいもので水分を含んでいる状態を湿潤粗骨材、水が蒸発して乾燥状態の場合を絶乾粗骨材と呼ぶ。レディミクストコンクリートを製造するにあたり配合表が必要であり、配合表には「示方配合」「現場配合」がある。示方配合は、仕様書によって指示されたものであり、「現場配合」は「示方配合」のコンクリートが得られるように、現場における材料の状態及び計量方法に応じて定めた配合である。「単位量」はコンクリート1m3をつくるときに用いる各材料の使用量で単位セメント量、単位水量、単位粗骨材量、単位細骨材量、単位混和剤がある。「示方配合」を使用して〔JIS A 1138〕によって試験練りが実施される。これを使用する材料は、材料準備に規定してある。この材料は製造に使用する材料とは異なっており、この異なった部分を「現場配合」で修正するようになっているが、この方法には技術的に問題が多い。 この作られた骨材は一般的に泥分が除去され、粒度が調整されている。この状態で発現するスランプは設計値通りのものであっても、製造に使用する骨材ではスランプが正常に発現しない。このため細骨材、粗骨材の比率設定変更、容積補正、過大粒、過小粒等を補正をして「現場配合」を作る。これで技術的に満足なものが製造出来るかといえば、保証出来ないことがスランプ測定で現場では確認されている。これを満足させるためには骨材の表面水率を調整する。これはスランプを水量で調整する事になるので「単位水量」が違って来る。 コンクリートの単位水量が多くなると、乾燥収縮、ブリーディング、打ち込み後の沈降等が大きくなり、構造体コンクリートに乾燥収縮及びひび割れや沈下ひび割れを誘発するなど、耐久性上好ましくない性質が多くなる。単位水量の推定法としては、エアメーター法による単位水量推定法が知られている。しかしながら、コンクリートの質量の大半は骨材が占めるために、骨材の密度が正確に把握されていないと、単位水量の推定精度は低下する。本発明は、骨材、セメントの平均密度を正確に把握し、レディミクストコンクリートの吸水量を除いた水量を測定することを目的とする。 請求項1、請求項2に記載した本出願の発明は、配合表による試験練のときに、粗骨材(G)、細骨材(S)、セメント(C)の合成密度を計測、算出する方法に関する。 請求項3、請求項4に記載した本出願の発明は、請求項1、請求項2に記載した発明により得た粗骨材、細骨材、セメントの合成密度を用いてレディミクストコンクリートの単位水量を測定、管理する方法である。 即ち、請求項1の発明は、表乾状態に近い粗骨材と細骨材、セメント、水、混和剤の配合表に示されている量をそれぞれ計量し、これらを混練してレディミクストコンクリートを製造し、該レディミクストコンクリートから採取した試料を、空気量の測定に使用する内容積Vの容器に詰め、試料重量tを測定した後、空気量A%を測定し、粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、試料重量tの空気量を含まない容積をL、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度をρGSC、水の密度をμ、縮合量をRとすると、R=t/Tであり、総重量Tのレディミクストコンクリートの空気量を含まない容積は、 L/R=(G+S+C)/ρGSC+(W+AE)/μであるので、 ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R}の式により、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを求めてレディミクストコンクリートを製造する方法である。 請求項2の発明は、細骨材は、絶乾重量D、絶対容積S、吸水量q、表面水量hを測定して表面水率H=100h/(D+q)を求め、 補正細骨材重量=S(1+H/100) 補正水量=W−S×H/100より求めた補正細骨材重量、補正水量、粗骨材、セメント、混和剤を混練するミキサーに適合するように配合表の各材料を補正計量し、これらを混練して各材料の総重量Tを求め、得たレディミクストコンクリートから採取した試料を、空気量の測定に使用する内容積Vの容器に詰め、試料重量tを測定した後、空気量A%を測定し、粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、試料重量tの空気量を含まない容積をL、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度をρGSC、水の密度をμ、縮合量をRとすると、R=t/Tであり、総重量Tのレディミクストコンクリートの空気量を含まない容積は、 L/R=(G+S+C)/ρGSC+(W+AE)/μであるので、 ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R}の式により、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを求め、レディミクストコンクリートを製造する方法の発明である。 請求項3及び請求項4の発明は、請求項1又は請求項2によって得られた粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCをそれぞれ使用して、製造されたレディミクストコンクリートの単位水量を測定管理する方法の発明である。即ち、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを用いて各材料を配合してレディミクストコンクリートを製造し、試料重量t、空気量A%を測定して粗骨材G、細骨材S、セメントC、水Wの総重量をT、該容積をM、空気量を含まない容積をL、水の密度をμ、R=t/Tとすると、骨材とセメントよりなる固形分重量Kは、 K=(t−L×μ)×ρGSC/(ρGSC−μ) レディミクストコンクリートに含まれている水量WX=T−K/RTの混練容積MはV/Rであるので 単位水量MMIX=WX/Mにより単位水量を求め、製造されたレディミクストコンクリートの単位水量を測定管理する方法である。 本発明によれば、粗骨材、細骨材、セメントの合成密度を試験練りのときに計測し、製造したレディミクストコンクリートを採取して、空気量測定容器に詰めて試料重量と空気量を計測し、該粗骨材、細骨材、セメントの合成密度を用いて単位水量を算出し、単位水量を管理することができる。この事によって製造しているレディミクストコンクリートが試験練りをしたときの状態で維持されているかどうかを判断する事が出来、レディミクストコンクリートの品質を均一に保つことが可能となり、乾燥収縮、ブリーディング、打ち込み後の沈降等がなく、構造体コンクリートに乾燥収縮及びひび割れや沈下ひび割れを誘発することのない、優れたレディミクストコンクリートを得ることができる。 レディミクストコンクリートは表乾骨材、セメント、水、混和剤をミキサーで一定時間混練して製造する。レディミクストコンクリートは(表乾骨材+セメント)の固形物、(水+混和剤)の液体及び気泡の混合物よりなっている。固形物の密度、液体の密度を知れば、レディミクストコンクリートを定量容器に入れ、これの重量を測定し、気泡量を測定することによって液体量を知ることができる。液体は水と混和剤との混合で混和剤は、水の重量に比して1.5%程度であるから液体は水として扱う。レディミクストコンクリートの製造は粗骨材、細骨材、セメント、水、混和剤のそれぞれの重量を計量して一定時間混練する。粗骨材、細骨材には表面水が含まれているため、これを補正する。このようにして出来たレディミクストコンクリートの空気量、スランプ、コンクリート温度を検査して出荷し、納入現場でも確認する。 レディミクストコンクリートの製造は配合表で指示され、これにより試験練りを実施する。試験練りを実施する材料は骨材については表乾材料のものを用意するか、表面水率補正をして表乾重量に補正する。配合表にある量は、試験練りをするミキサーに適合しない場合がある。このような場合は、配合表のコンクリートが得られるように、各材料を1/r倍してこれらを計量し、ミキサーで一定時間混練してレディミクストコンクリートを作り、内容積Vの容器に詰め、試料重量tを測定し、空気量A%を測定する。配合表で指示されている各材料の重量合計をTとすれば 空気量を含まない容積L=V/(1+A/100)これより 空気量を含まないTの容積M=L×T/t 粗骨材の表乾重量G、細骨材の表乾重量S、セメントの重量C、水の重量Wとする。 T=G+S+C+W水の密度をμ、粗骨材、細骨材、セメントの合成密度をρGSCとすれば、 M=(G+S+C)/ρGSC+W/μしたがって、 ρGSC=(G+S+C)μ/(M×μ−W)このρGSCを「粗骨材、細骨材、セメントの合成密度」とし、基本データとして使用する。 次に、実際に実施する工程について説明する。まず、材料は、製造に使用するものを用意する。粗骨材は表乾状態にすることは容易である。即ち、防水シート上に薄く広げ、暖かい風を静かに送って表面水を飛散させ、目視で表面水がないことを確認し、防水シートで覆いをしておく。泥分等は取り除かない。セメントは、現場で使用するものを用意する。次いで、細骨材の表面水率を測定する。製造に使用する細骨材を現状のまま採取する。これを均一に混合して図1に示すように均等に混合する(a)。(a)の細骨材より数個所から1kg程度抜き取り(b)、これを均等に混合(c)して約500g程度(Eg)の等量の試料X、Yを採取する(d)。 図2に示す栓1付きピクノメータ2(栓をしたときの内容積V)を用意する。付属品として栓3付き受け皿4を用意して(a)、これをピクノメータ2にセットし、受け皿4に試料Xを入れ加水5し(b)、受け皿4の加水栓3を抜き、試料Xと水5を流し込む(c)。更に 満水にして10秒程度放置し水中の気泡を浮上させ、満水にして栓をし(d)、内容積の重量T1を測定する。栓をしたときのピクノメータの内容積をV、水量w、水の密度をμ、試料Xの絶乾重量D、絶乾容積S、吸水量qとする。 T1=D+q+w V=S+w/μ q=T1−D−(V−S)μ …………………………………… (1) 試料Yを絶乾状態にして熱砂重量Dを測定する。第3図に示すように試料Yを温度100〜110℃に管理して、ときどき箆でかき混ぜながら絶乾状態にし、これの確認は硝子板で容器を約10秒程度蓋をして水蒸気による曇りが発生しない事を確認して絶乾状態とする。熱砂重量Dを測定する。Eは、試料Yの重量である。 E=D+q+h ……………………………………………………(2) 図3に示すようにこれを金属製冷却容器6に入れ(a)、冷却水7に浮かべ冷却する(b)。ピクノメータ2に冷却試料Yを覆うだけの冷却水8を入れ(c)栓付き受け皿の水分を除去して、冷却試料Yを全量入れ、栓を静かに引き上げピクノメータ2中に流し込む(d)。栓付き受け皿に加水してピクノメータを満水にして内容積の重量T2を測定する(e)。このときピクノメータに刺激を与えて脱泡操作をしないようにする。 T2=D+w ………………………………………………………(3) V=S+w/μ ……………………………………………………(4)(3)、(4)式より S=V−(T2−D)/μ ………………………………………(5)(1)(5)式よりqを求める。 q=T1−D−(V−S)μ h=E−(D+q) S=V−(T2−D)/μ このようにして試料X、又は試料Yのベクトル成分、絶乾重量(D)、絶乾容積(S)、吸水量q、表面水量hが求められる。 このベクトル成分から 表面水率H=100×h/(D+q) …………………………(6) 試験練りをしたときの細骨材が、絶乾重量(D)、絶乾容積(S)、吸水量q、表面水量hであるから、このベクトル成分から表面水率、含水率、吸水率、表乾密度ρW、絶乾密度は、以下のように求められる。 表面水率H=100×h/(D+q) 含水率Z=100(q+h)/D 吸水率Q=100×q/D 表乾密度ρW=(D+Q)/S 絶乾密度ρO=D/S これらの値を計算して保存し、レディミクストコンクリートの製造を行うとき製造工程管理として1日数回測定を実施し、製造に使用している細骨材が、試験練りの時と変化がないかどうか、表面水補正が正しく行われているか、これを試験室で実施管理する。 別の方法として、防水シート上に採取した細骨材を薄く平らに広げ暖かい風を送り絶乾に近い状態にするか、又は天日で絶乾に近い状態にして、吸水量に相当する水量を噴霧状態で散布し、ミキサーで混合し、24時間防水シートで覆いをしたものを表乾細骨材とする。この試料については表面水率=0%として取り扱う。 〔表1〕は配合表である。これを試験練りするために粗骨材については表乾状態のものを用意し、細骨材については表面水率H%を測定する。 これらの材料を粗骨材=G、表乾補正した細骨材=S(1+H/100)、セメント=C、表乾補正をした水量で補正した水=(W−S×H/100)、混和剤=AEを、配合表のコンクリートが得られる様に試験練りをするが、試験練りミキサーに適応する様に各材料を1/r倍してこれらを計量し、一定時間混練してレディミクストコンクリートを作る。 図4に示すように空気量を測定する器具を用意する。 内容積Vの容器にJIS A1128の手順に従ってレディミクストコンクリートを詰めて内容積重量tを測定し、更に空気量A%を測定する。空気量を除いた内容積重量tの容積Lは、 L=V/(1+A/100) レディミクストコンクリートの重量Tは、 T=G+S+C+W+AE……………………………………………………(7) レディミクストコンクリート縮合比をRとすると、 R=t/T レディミクストコンクリートTの空気量を含まない容積ML=L/R L/R=(G+S+C)/ρGSC+(W+AE)/μ ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R}……(8) 容器内の空気量のない試料tは骨材とセメントの固形分重量Kと水量wが含まれる。 t=K+w …………………………………………………………………(9) L=K/ρGSC+W/μ ……………………………………………………(10)(9)(10)式より K=(t−L×μ)ρGSC/(ρGSC−μ)………………………………(11)レディミクストコンクリートに含まれている水量WX WX=T−K/R=w/R …………………………………………………(12) レディミクストコンクリートTの混練容積MMIX=V/R 単位水量WMIX=WX/MMIX このようにしてレディミクストコンクリートの単位水量を知ることができる。 粗骨材は表乾状態にしたものを使用しているが、hGの表面水が残っていたとすると単位水量MX=(WX+hG)/Mと成る。粗骨材の表面積は細骨材の表面積に比して小さいので問題になることはない。製造されたレディミクストコンクリートが試験練のときと同じかどうかを管理する方法は少なくとも湿潤細骨材ベクトル[DSqh]を管理しなければならない。 〔表2〕が実施した配合表、〔表3〕が表2の重量を1.015倍して実施した現場配合表である。〔湿潤細骨材の[DSqh]を測定する〕 試験練りに使用する湿潤細骨材を均一に混合して、5か所から約1kg強の試料を採取してこれを均一に混合し、試料A、試料B、重量E=500gを2組取り出す。試料X(図2参照)内容積V=752ccの栓付きピクノメータと栓付き受け皿を用意する。これらを組合わせて受け皿にE=500gを入れて満水にし栓を静かに引き上げる。E=500gは水と共にピクノメータに入れる。(水温20℃)E=500gは底に沈殿し、表面水によって出来ている気泡は水中に分離する。少し時間を置いて気泡のない事を確認する。確認後ピクノメータが満水になるまで加水し栓をする。内容積重量T1=1052g試料Y(図3参照)試料Bを加熱容器に入れ、かき混ぜながら110℃程度を超えないように箆でかき混ぜながら水分を飛散させる。絶乾状態の確認は硝子板を加熱容器に5〜10秒程度蓋をして水蒸気による曇りのない事で確認する。冷却容器を計量器に乗せ、熱砂試料重量を測定する。D=480.5g 冷却容器内の試料を平らにして厚さ3mmのアクリル板で蓋をし、水温20℃の冷却水に浮かべ試料の温度が20℃になるまで冷却する。 冷却試料を十分覆うだけの冷却水をピクノメータに入れ栓付き受け皿の水分を除去して、冷却試料を全量入れ、栓を静かに引き上げ流し込む。栓付き受け皿に加水してピクノメータを満水にして内容積の重量T2を測定する。T2=1045.5g測定値のまとめ VP=752cc E=500g T1=1052g D=480.5g T2=1045.5g S=V−(T2−D)/μ=186.0 …………………………………(5)式より q=(S−V)μ+(T1−D)=6.5 ………………………………(1)式より h=E−q−D=13 ………………………………………………………(2)式より 表乾密度=(D+q)/S=2.618 絶乾密度=D/S=2.583 表面水率H=100h/(D+q)=2.7 吸水率=100q/D=1.35 含水率=100(h+q)/D=4.1 表2の各値を下記のように細骨材の表面水補正をして表4に示す。 細骨材=767(1+2.7/100)=788.0 水=163−767×2.7/100=142各材料を計量してミキサーで混練する。出来上がったレディミクストコンクリートの重量 T=2310.0kg、温度21℃。 粗骨材は製造現場から試験練りに使用する量を採取したものを防水シート上に薄く広げ暖かい風を静かに送って表面水を飛散させる。目視で表面水がない事を確認して防水シートで覆いをして置く。泥分等は取り除かない。セメントは現場で使用するものを用意する。細骨材については表面水率2.7%が測定されている。試験練りをするミキサーは0.5m3用である。配合表は1m3で設計してあるのでこれらの材料を1/r=0.5倍する。 粗骨材=767(1+2.7/100)×0.5=393.8 セメント=330.0×0.5=165 水=(163−767×2.7/100)×0.5=71.2 AE=0.099×0.5=0.05を計量して一定時間混練してレディミクストコンクリートを作る。コンクリートは温度21℃であった。 配合表にあるレディミクストコンクリートの重量T=2310.0kg、空気量を測定する容器の内容積V=6.940リッター。この容器にレディミクストコンクリートを詰めて試料重量tを測定したところ16.110kgであった。空気量を測定したところA=5.0%の値が得られた。空気量を含まない試料容積L L=V/(1+A/100) L=6.940/(1+5.0/100)=6.60952〔表2〕より T=G+S+C+W+AE=2310.0 G+S+C=2147.0 R=16.110/2310.1=0.006974 μ=0.99799(4)式より ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R} ρGSC=2.737配合表で製造するレディミクストコンクリートに含まれる固形分の密度はρGSCを基本データとして使用する。(5)式より K=(t−L×μ)×ρGSC/(ρGSC−μ) K=14.973 K/R=2147=G+S+C〔表2〕で作ったレディミクストコンクリートには使用した骨材は表乾状態であるから表面水量=0、即ち設計配合水(W+AE)以外の水はない。レディミクストコンクリートに含まれている水量は(6)式より WX=2310.0−2147.0=163 〔表2〕の混練容積MX=V/1000R MX=6.940×2310.1/16110=0.9951〔表2〕の密度を使用して計算した容積MMIX MMIX=(1050.0/2.70+767.0/2.6+330.0/3.04+163/0.99799)×1.05/1000=1.005 MMIX−MX=1.005−0.9951=0.0099この誤差は密度誤差から発生している。 単位水量MW=WX/MX=163/0.9951=163.8 上記のように、本発明により粗骨材G、細骨材S、セメントCの合成密度を試験練りのときに計測、算出し、製造されたレディミクストコンクリートを採取して、空気量測定容器に詰めて試料重量と空気量を計測して単位水量を管理することができる。また、製造工程管理に於いて絶乾重量D、絶乾容積S、給水量q、表面水量hを計測してこれの成分から表面水率を算出し、製造に使用されている計量制御盤の表面水補正を管理することができる。現場から、製造に使用している細骨材試料の採取過程を示す説明図である。ピクノメーターを使用して、採取された試料の表面水率、含水率、吸水率、表乾密度、絶乾密度を計算するための測定方法を示す説明図である。ピクノメーターを使用して、採取された試料を絶乾状態にし、表面水率、含水率、吸水率、表乾密度、絶乾密度を計算するための測定方法を示す説明図である。空気量測定器を示す。符号の説明 1 ピクノメーター栓 2 ピクノメーター 3 栓 4 受け皿 5 水 6 皿 7 冷却水 X 試料 Y 試料 T1 内容積の重量 T2 内容積の重量 G 粗骨材 S 細骨材 C セメント AE 混和剤 A 空気量 V 測定器の内容積 L 測定器内の空気量を含まない試料容積 D 試料Xの絶乾重量 S 試料Xの絶対容積 q 試料Xの吸水量 h 試料Xの表面水量 t 試料重量 H 表面水率 W 水 μ 水の密度 ρGSC G・S・Cの合成密度 K 骨材とセメントよりなる固形分重量 T レディイミクストコンクリート総重量 M レディイミクストコンクリートの混練容積 WX レディイミクストコンクリートに含まれる水量 MMIX レディイミクストコンクリートの単位水量 R レディイミクストコンクリートの縮合量 表乾状態に近い粗骨材と細骨材、セメント、水、混和剤の配合表に示されている量をそれぞれ計量し、これらを混練してレディミクストコンクリートを製造し、該レディミクストコンクリートから採取した試料を、空気量の測定に使用する内容積Vの容器に詰め、試料重量tを測定した後、空気量A%を測定し、粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、試料重量tの空気量を含まない容積をL、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度をρGSC、水の密度をμ、縮合量をRとすると、R=t/Tであり、総重量Tのレディミクストコンクリートの空気量を含まない容積は、 L/R=(G+S+C)/ρGSC+(W+AE)/μであるので、 ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R}の式により、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを求め、レディミクストコンクリートを製造する方法。 細骨材は、絶乾重量D、絶対容積S、吸水量q、表面水量hを測定して表面水率H=100h/(D+q)を求め、 補正細骨材重量=S(1+H/100) 補正水量=W−S×H/100より求めた補正細骨材重量、補正水量、粗骨材、セメント、混和剤を混練するミキサーに適合するように配合表の各材料を補正計量し、これらを混練して各材料の総重量Tを求め、得たレディミクストコンクリートから採取した試料を、空気量の測定に使用する内容積Vの容器に詰め、試料重量tを測定した後、空気量A%を測定し、粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、試料重量tの空気量を含まない容積をL、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度をρGSC、水の密度をμ、縮合量をRとすると、R=t/Tであり、総重量Tのレディミクストコンクリートの空気量を含まない容積は、 L/R=(G+S+C)/ρGSC+(W+AE)/μであるので、 ρGSC=(G+S+C)×R×μ/{L×μ−(W+AE)×R}の式により、粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを求め、レディミクストコンクリートを製造する方法。 請求項1に記載の方法によって得られた粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを用いて各材料を配合してレディミクストコンクリートを製造し、試料重量t、空気量A%を測定して粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、該容積をM、空気量を含まない容積をL、水の密度をμ、R=t/Tとすると、骨材とセメントよりなる固形分重量Kは、 K=(t−L×μ)×ρGSC/(ρGSC−μ) レディミクストコンクリートに含まれている水量WX=T−K/RTの混練容積MはV/Rであるので 単位水量MMIX=WX/Mにより単位水量を求め、製造されたレディミクストコンクリートの単位水量を測定管理する方法。 請求項2に記載の方法によって得られた粗骨材G・細骨材S・セメントCの合成密度ρGSCを用いて各材料を配合してレディミクストコンクリートを製造し、試料重量t、空気量A%を測定して粗骨材G、細骨材S、セメントC、水W、混和剤AEの総重量をT、該容積をM、空気量を含まない容積をL、水の密度をμ、R=t/Tとすると、骨材とセメントよりなる固形分重量Kは、 K=(t−L×μ)×ρGSC/(ρGSC−μ) レディミクストコンクリートに含まれている水量WX=T−K/RTの混練容積MはV/Rであるので 単位水量MMIX=WX/Mにより単位水量を求め、製造されたレディミクストコンクリートの単位水量を測定管理する方法。 【課題】製造施工に使用されるまでのレディミクストコンクリートの吸水量を除いた水量を測定する方法を確立する。【解決手段】 配合表の粗骨材、細骨材の配合量を表面水補正するか、又は絶乾状態にして、レディミクストコンクリートの空気量を測定し、粗骨材(G)、細骨材(S)、セメント(C)の合成密度を計測、算出する。また、算出された合成密度を用いて、配合表の配合を補正したレディミクストコンクリートの空気量を測定することによりレディミクストコンクリートの単位水量を算出し、単位水量を管理する。【選択図】図4