タイトル: | 公開特許公報(A)_アセチルコリンエステラーゼ阻害剤 |
出願番号: | 2004092454 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K35/78,A61K7/46,A61K7/50,A61K31/025,A61P25/28,A61P43/00 |
宮澤 三雄 山藤 千佳子 川添 秀樹 梅本 和泰 JP 2005272421 公開特許公報(A) 20051006 2004092454 20040326 アセチルコリンエステラーゼ阻害剤 アース・スタジオ株式会社 599030194 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 小原 健志 100086427 斎藤 健治 100099988 藤井 淳 100105821 関 仁士 100099911 中野 睦子 100108084 宮澤 三雄 山藤 千佳子 川添 秀樹 梅本 和泰 7A61K35/78A61K7/46A61K7/50A61K31/025A61P25/28A61P43/00 JPA61K35/78 TA61K7/46 AA61K7/50A61K31/025A61P25/28A61P43/00 111 13 OL 11 特許法第30条第1項適用申請有り 平成15年10月30日 日本化学会発行の「第47回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会講演要旨集」に発表 4C083 4C088 4C206 4C083AA111 4C083CC25 4C088AB26 4C088BA08 4C088NA14 4C088ZA15 4C088ZA16 4C206AA01 4C206AA02 4C206BA03 4C206MA03 4C206NA14 4C206ZA15 4C206ZA16 本発明は、キダチコンギク(Aster pilosus)の精油を有効成分として含有するアセチルコリンエステラーゼ(以下「AchE」とも表記する)阻害剤、及びその用途に関する。 近年、高齢化社会が進展し、老人性痴呆患者の増加、その中でもアルツハイマー型痴呆患者が増加している。このアルツハイマー型痴呆症は、その原因は未解明であるが、患者の脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンのレベルの低下が認められるため、コリン作動性神経の機能低下が原因の一つであると考えられている(非特許文献1)。そのため、アルツハイマー型痴呆症に対しては、アセチルコリンの濃度を高めてコリン作動性神経の機能低下を防ぐことを目的とする治療方法が主流となっている。 アセチルコリンは、アセチルコリントランスフェラーゼによって合成され、アセチルコリンエステラーゼにより分解されることにより一定の濃度に保たれている。そのため、アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害してアセチルコリンの分解を抑制してアセチルコリンの減少を抑える方法である。この方法では、症状を完全に治療することはできないものの、症状を改善したり、症状の進行を遅らせることができることが分かっている。 ところで、植物の精油の香りは、抗菌作用、心理作用及び生体リズムの調節作用を示すことが知られており、植物の香りによって心と体を癒すアロマセラピー(芳香療法)が注目されている。 近年、ハッカ、ラベンダー又はグレープフルーツの精油といった植物の香気成分が、その芳香だけでなくAchE阻害活性を示すことが報告されている。また、イチョウ葉エキスが、脳機能障害改善作用やアルツハイマー型痴呆症の症状の改善作用を有するともいわれている(非特許文献2等)。 このような天然由来の成分が、アルツハイマー型痴呆症の治療と関連づけられるAchE阻害活性を有することが確認されたことは非常に興味深いものである。 しかし、キダチコンギク(Aster pilosus)の精油成分が、AchE阻害活性を有することは、これまでに報告例はない。Weinstock M.: Neurodegeneration, 4, pp.349-356, 1995FOOD Style 21 2001.5 p67-72 本発明は、キダチコンギクの精油を有効成分とする新規なAChE阻害剤及びその用途を提供することを目的とする。 本発明者らは、キダチコンギク(Aster pilosus)の精油成分が、強いAChE阻害活性を示すことを見出し、さらにこれに検討を加えて、本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は以下のアセチルコリンエステラーゼ阻害等を提供する。 項1.キダチコンギクの精油を有効成分として含有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。 項2.キダチコンギクの精油を有効成分として含有する老人性痴呆症の治療又は予防薬。 項3.キダチコンギクの精油を有効成分として含有する脳機能障害改善薬。 項4.キダチコンギクの精油を有効成分として含有するアルツハイマー型痴呆症の治療又は予防薬。 項5.老人性痴呆症の予防又は治療薬の製造のためのキダチコンギクの精油の使用。 項6.老人性痴呆症患者に、製剤学的有効量のキダチコンギクの精油を投与することを特徴とする老人性痴呆症の治療方法。 項7.キダチコンギクの精油を含有する入浴剤。 項8.キダチコンギクの精油を含有する芳香剤。 項9.キダチコンギクの精油を含有するアロマテラピー用エッセンシャルオイル。 項10.α−ピネン、β−ピネン及びリモネンを有効成分として含有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。 項11.α−ピネン15〜35重量部、β−ピネン13〜33重量部及びリモネン3〜23重量部を含有する請求項10に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。 項12.請求項1,10又は11に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含有する老人性痴呆症の治療又は予防薬。 項13.老人性痴呆症患者の日常生活能力機能を向上させるための請求項1,10又は11に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明のAchE阻害剤は、キダチコンギクからの抽出物である精油を有効成分として含有する。 本発明で用いられるキダチコンギク(Aster pilosus)とは、秋に花を咲かせる北米原産のキク科シオン属の多年草で、朝鮮動乱のあった1950年代前半に国連の軍用物資と共に北九州市に渡来し帰化したといわれている。その後、日本各地に広まっている。 本発明のキダチコンギクの精油は、キダチコンギクから抽出される成分を意味し、根、茎、葉、花、実、種等いずれの部位から抽出されたものでもよい。中でも、キダチコンギクの地上部分(茎、葉、花、実、種等)から抽出したものが好ましい。キダチコンギクは、そのまま抽出に供することができるが、乾燥した後粉砕したうえで抽出に供してもよい。 キダチコンギクの精油の抽出方法としては、精油成分の沸点が低いことから、水蒸気蒸留法、圧搾法、溶剤抽出法、油脂吸収法、揮発性溶剤抽出法、超臨界流体抽出法等の公知の方法が用いられる。中でも、水蒸気蒸留法が好ましく採用される。 上記した方法によってキダチコンギクから精油を得た後、本発明では得られた抽出液をそのままAchE阻害剤として用いることが可能である。或いは、必要に応じて、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、精油を得ることができる。 更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を1種若しくは2種以上組み合わせて、AchE阻害活性のある画分又は化合物を取り出して、AchE阻害剤とすることができる。溶出溶媒は、公知のものを用いればよいが、沸点が低い無極性有機溶媒を主成分とするのが好適である。これにより、少量の精油で優れた活性を発揮させることができる。 キダチコンギクの精油は、それ自身で強いAchE阻害活性を有している。該精油に主要成分として含まれるα−ピネン、β−ピネン、リモネン等の個々のテルペノイドが含まれており、これらのテルペノイドは、それぞれキダチコンギクの精油に比してやや低いものの、強いAchE阻害活性を有している。 これらのテルペノイドを、所定の混合比で混合することによりキダチコンギクの精油とほぼ同等の高いAchE阻害活性が発揮される。上記の所定の混合比とは、キダチコンギクの精油中に含まれる各テルペノイドの含有比(α−ピネン:β−ピネン:リモネン=25:23:13、重量比)に近似させた混合比である。例えば、α−ピネン15〜35重量部、β−ピネン13〜33重量部及びリモネン3〜23重量部を含む混合物が挙げられ、特にα−ピネン20〜30重量部、β−ピネン18〜28重量部及びリモネン8〜18重量部を含むの混合物が好適である。これらは、キダチコンギクの精油とほぼ同等の強いAchE阻害活性を示す。 これは、キダチコンギクの精油のAchE阻害作用は、それに含まれる単独の強い活性成分により発現されるものではなく、精油成分間の競合作用によるためであると考えられる。かかる知見は、本発明者らが初めて見出したものであり、興味深い挙動といえる。この点は、例えば、実施例1の記載から容易に理解できる。 上記のキダチコンギクの精油及び所定の混合比で混合されたテルペノイド混合物(以下、「テルペノイド混合物」とも表記する)は、強いAchE阻害活性を有するため、広くAchE阻害剤として用いられる。 例えば、医薬品として用いる場合、哺乳動物(特に、ヒト)における老人性痴呆患症の予防又は治療薬、特にアルツハイマー型痴呆症の予防又は治療薬として用いられる。また、脳機能障害の改善薬としても有効である。 キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物は、慣用されている方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することができる。 製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分及び配合量を適宜選択して常法により製剤化される。 本発明の医薬製剤を投与する場合、その形態は特に限定されず、通常用いられる方法であればよく、経口投与でも非経口投与でもよい。本発明にかかる医薬の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて、製剤学的な有効量を適宜選ぶことができる。 また、キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物は、強いAchE阻害活性を有するとともに、心地よい芳香性を有するため、例えば、入浴剤、石鹸、芳香剤、アロマテラピー用エッセンシャルオイル、皮膚洗浄剤、消臭剤、ペットのための精神安定剤、マスキング剤等として、或いはそれらに含有させて用いることができる。キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物は、各製品に対し、通常0.001〜100重量%程度(好ましくは、0.1〜10重量%程度)含有していればよい。空中拡散させて用いる場合は、高濃度、例えば50〜100重量%程度のものであっても良い。 キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物を、かかる用途に用いた場合には、ストレスの多い現代社会において、精油の香りによるリラクゼーション作用により、心身の癒し効果が発揮される。さらに、本発明の精油及びテルペノイドは、AchE阻害活性を有するため、高齢者、病人などが日常生活する環境で用いることにより、老人性痴呆症を改善させたり、老人の日常生活能力機能を向上させたりすることも可能である。 特に、キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物を、アロマテラピー用エッセンシャルオイルとして用いた場合、他の天然植物精油と混合して用いることもできる。また、該アロマテラピー用エッセンシャルオイルを所定の場所に撒布して、吸入し得る形態で使用することもできる。撒布場所としては、例えば、家庭の部屋内、ホテルの部屋、会議室、病室の他、人の集まる催し物会場、休憩広場、各種リラクゼーション施設等に撒布することができる。中でも、老人性痴呆症の患者が生活する病院、施設などで用いることにより、痴呆症の改善効果が期待される。 また、キダチコンギクの精油及びテルペノイド混合物は、例えば、清涼飲料、乳製品(加工乳、ヨーグルト)、菓子類(ゼリー、チョコレート、ビスケット、ガム、錠菓)等の各種飲食品に配合することもできる。その配合量はとくに限定はないが、通常0.01〜10重量%程度であればよい。 キダチコンギクの精油は、強いAChE阻害活性を有し、AChE阻害剤として用いられ、脳機能障害改善薬、老人性痴呆症(特に、アルツハイマー型痴呆症)の治療又は予防薬として有用である。また、キダチコンギクの精油は、その香気及び強いAChE阻害剤により、芳香剤、入浴剤、アロマテラピーエッセンシャルオイル等に含有させて、リラクゼーション効果、リフレッシュ効果等の心身の癒し効果と痴呆症の予防・改善効果が同時に達成される。 次に、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。 実施例1(1)愛知県瀬戸市で採取したキダチコンギクの地上部分6.2 kgについて水蒸気蒸留を行った。水蒸気蒸留は、ステンレス製の釜に細かく刻んだ材料(キダチコンギク)を入れ、別の容器で作成した水蒸気を釜の内側の下部より送り込む。釜上部に設置した流出口より排出される水蒸気を、冷却機を用いて冷却し水蒸気と共に出てくる精油と水を分液ロートを用いて分離した。その結果、グリーンノートを有する精油1.9 gが得られた(収率:0.031%)。 得られた精油を下記の表1の条件でGC−MSを用いて成分検索を行ったところ、モノテルペンの炭化水素化合物が主な構成成分であることが分かった。具体的には、主成分としてα−ピネン(15.31%)、β−ピネン(22.52%)、リモネン(25.41%)が、その他の主要構成成分として、β−ミルセン、ボルニルアセテート、ゲルマクレンDが検出された(表2)。(2)AChE阻害試験法は、G. L.Ellman, K. D. Courtney, V. Andres. Jr., R. M. Featherstone. Biochem. Pharmacol. 7, 88-95 (1961)の方法に従って行った。0.04 unit/ml AChE溶液、0.1Mリン酸緩衝液、阻害剤(精油又はモノテルペン)及び発色剤 (5,5'-ジチオビス(2-ニトロベンゾイックアシッド;DTNB)を試験管内にて25 ℃、5分間プレインキュベーション後、基質 (アセチルチオコリン アイオダイド;ATC)を加え、25 ℃、20分間インキュベーションした。その後、AchEによる基質の加水分解反応により生じる黄色に呈色するアニオン(TNB)の412nmにおける吸光度を測定した(図1)。精油未添加のものをコントロールの値とし、その値と比較することにより阻害活性の値を算出した。各サンプルについて少なくとも3回測定を行った。 なお、AchEは、シグマ株式会社(Sigma Co. Ltd.)製のウシ赤血球のAchEを用いた。DTNB及びATCは、東京化成株式会社(Tokyo Chemical Industry Co. Ltd. (TCI)) 製を用いた。テルペノイドは、東京化成株式会社及び和光純薬株式会社製を用いた。(3)まず、精油を無極性溶媒(例えば、ヘキサン)を用いてカラムクロマトグラフィーを展開すると、低極性物質(炭化水素分画)がまず溶出し、続いて極性溶媒を用いて溶出することにより高極性物質(含酸素分画)が得られた。得られた炭化水素分画及び含酸素分画の酵素阻害試験の結果を図2に示す。図2より、精油は強い阻害活性を示し、50%阻害濃度であるIC50値は42.8μg/mlであった。また、炭化水素分画は、精油とほぼ同等の阻害活性を示し、IC50値は49.5μg/mlであった。 次に、強い阻害活性を示した炭化水素分画の活性成分を検索したところ、精油の主成分である、リモネン、β−ピネン、α−ピネンの3成分が確認され、それぞれ比較的強い阻害活性を示していることが明らかとなった(図2)。しかし、各成分単独では精油に及ばない活性値を示した。(4)主成分である、リモネン、β−ピネン、α−ピネンの3化合物について、精油中での存在比25:23:13(重量比)と同様の混合物を調製し阻害試験を行った結果、IC50値は50.0μg/mlとなり、精油及び炭化水素分画とほぼ同等の阻害活性であることが分かった(図3)。このことから、キダチコンギクの精油のAcnE阻害活性は、単独の強い阻害活性成分によるものではなく、精油成分間の競合作用(synergistic effect)によるものであることが示唆された。(5)次に、精油の酵素阻害形式を検討した。方法は、速度論法に汎用される、Lineweaver-Burk plot法及びDixon plot法を用いた。阻害剤濃度を3種の値に固定し、それぞれについて基質濃度の逆数に対して反応速度の逆数をプロットしたLineweaver-Burk plotにおいて、3直線が第2象限で交差した(図4)。また、基質濃度を固定し、阻害剤濃度に対し反応速度の逆数をプロットしたDixon plotにおいて、2直線が第2象限で交差した(図4)。これらの結果より、阻害形式は、拮抗、非拮抗、不拮抗型阻害が混ざり合った型の阻害形式である混合型阻害であることが明らかとなった。Dixon plotにおける2直線の交点からKiを求めると、46.4μg/mlであった。(6)さらに、上記(4)で調製した混合物について上記(5)と同様に検討したところ、混合型阻害であることが下記らかとなった。そのKiは、45.4μg/mlであり、精油と比較してほぼ同等の阻害活性を示した(図5)。(7)精油の主成分であるリモネン、β−ピネンについて阻害形式の検討を行ったところ、ともに遊離の酵素とのみ結合し酵素反応を阻害する拮抗型阻害であることが分かり、そのKiはそれぞれ2.34μg/ml、0.86μg/mlであった(図6)。(8)同様に最も阻害活性の強かったα−ピネンについて検討したところ、Dixon plotにおいて3直線が平行となり交点しないことから、α−ピネンは酵素基質複合体とのみ結合し酵素反応を阻害する不拮抗阻害であることが分かった(図7の左のグラフ)。 さらに、基質濃度の逆数を縦軸にしてリプロットして得られるグラフ(図7の右のグラフ)では、3直線が第2象限で交差し、その交点からKiを求めると、0.15μg/mlであった。このことから、キダチコンギクのAchE阻害活性は、単独の強い活性成分によるものではなく、精油間の競合作用によるものであることが示唆された。 以上のように、キダチコンギクの精油は、IC50値が42.8μg/mlと強いAchE阻害活性を示した。主成分のリモネン、β−ピネン及びα−ピネンを精油中の存在比で調製した混合物は、精油とほぼ同等の活性を示した。これより、キダチコンギクの精油の阻害活性は、精油成分間の競合作用の発現に基づいていることが明らかとなった。実施例1で用いられるAchE阻害活性試験の概略を示す図である。実施例1におけるキダチコンギクの精油とその主成分のAchE阻害活性試験の結果を示す図である。実施例1におけるリモネン、α−ピネン及びβ−ピネンからなる混合物のAchE阻害活性試験の結果を示す図である。実施例1におけるキダチコンギクの精油のAchE阻害活性から導かれるLineweaver-Burk plot及びDixon plotの結果を示す図である。実施例1におけるリモネン、α−ピネン及びβ−ピネンからなる混合物のAchE阻害活性から導かれるLineweaver-Burk plot及びDixon plotの結果を示す図である。実施例1におけるリモネン及びβ−ピネンのAchE阻害活性から導かれるDixon plotの結果を示す図である。実施例1におけるα−ピネンのAchE阻害活性から導かれるDixon plotの結果を示す図である。キダチコンギクの精油を有効成分として含有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。キダチコンギクの精油を有効成分として含有する老人性痴呆症の治療又は予防薬。キダチコンギクの精油を有効成分として含有する脳機能障害改善薬。キダチコンギクの精油を有効成分として含有するアルツハイマー型痴呆症の治療又は予防薬。老人性痴呆症の予防又は治療薬の製造のためのキダチコンギクの精油の使用。老人性痴呆症患者に、製剤学的有効量のキダチコンギクの精油を投与することを特徴とする老人性痴呆症の治療方法。キダチコンギクの精油を含有する入浴剤。キダチコンギクの精油を含有する芳香剤。キダチコンギクの精油を含有するアロマテラピー用エッセンシャルオイル。α−ピネン、β−ピネン及びリモネンを有効成分として含有するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。α−ピネン15〜35重量部、β−ピネン13〜33重量部及びリモネン3〜23重量部を含有する請求項10に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤。請求項1,10又は11に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含有する老人性痴呆症の治療又は予防薬。老人性痴呆症患者の日常生活能力機能を向上させるための請求項1,10又は11に記載のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用。 【課題】キダチコンギクの精油を有効成分とする新規なアセチルコリンエステラーゼ(AchE)阻害剤及びその用途を提供する。【解決手段】キダチコンギクの精油を有効成分として含有するAchE阻害剤、老人性痴呆症、脳機能障害改善薬、アルツハイマー型痴呆症、入浴剤、芳香剤。別に、キダチコンギク精油の主成分として含まれるα−ピネン15〜35重量部、β−ピネン13〜33重量部及びリモネン3〜23重量部のテルペノイド混合物は精油とほぼ同等のAchE阻害活性を有する。【選択図】なし