タイトル: | 公開特許公報(A)_光重合開始剤 |
出願番号: | 2004080047 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C08F2/50,C07C67/26,C07C69/54,C07C69/76 |
秦野 望 清水 格 JP 2005264024 公開特許公報(A) 20050929 2004080047 20040319 光重合開始剤 東洋インキ製造株式会社 000222118 秦野 望 清水 格 7C08F2/50C07C67/26C07C69/54C07C69/76 JPC08F2/50C07C67/26C07C69/54 AC07C69/76 A 7 OL 21 4H006 4J011 4H006AA01 4H006AA02 4H006AB40 4H006AB46 4H006AC48 4H006BJ50 4H006BN10 4H006BP10 4H006BP30 4H006BR30 4H006BR60 4H006KA19 4J011AA10 4J011SA01 4J011SA61 4J011UA01 4J011WA02 4J011WA05 4J011WA06 本発明は、エチレン性不飽和化合物含有系の光重合のための光重合開始剤に関する。当該開始剤は、光重合後の硬化塗膜中に残留する光開始剤の滲出や臭気等が問題となっている用途において、硬化塗膜からの滲出や臭気等を大幅に低減もしくは完全に排除することができる。 近年、光硬化性組成物、特に紫外線による硬化性組成物が多量に使用されてきている。例えば、印刷インキ、オーバーコートワニス、塗料、接着剤、フォトレジスト等を挙げることができる。これらは、光開始剤、樹脂(ラジカル重合性を有する樹脂およびラジカル重合性を有しない樹脂の両者を含む)、ラジカル重合性を有するモノマー、顔料(含有されない場合もある)、添加剤等から成る。 一般的に使用される光開始剤として、o-ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4-フェノキシ-2,2-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、4’-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(o-ベンゾイルオキシム)]等のオキシム系、ベンジルジメチルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン系等を挙げることができる。 これらの光開始剤は、光硬化性組成物に使用されている樹脂(ラジカル重合性を有する樹脂およびラジカル重合性を有しない樹脂の両者を含む)や、ラジカル重合性を有するモノマーと共重合性を有しない。従って、これらの光開始剤は、過剰の未反応残留物として、または光反応によって生成した分解生成物として、最終硬化皮膜中に残留することになり、例えば以下に示すような形で問題が生じる。 残留物が一部揮発し、印刷・塗工現場、あるいは印刷物・塗工物の臭気の原因となる。 フィルムやオーバーコートワニス等の、透明性が要求される用途の場合、残留物が、経時で生じる色の変化、例えばの黄変の原因となる。 印刷物・塗工物を積み重ねたり巻き取っておいたりする過程で、残留物が、印刷面または塗工面から他の面へ滲出・移行し、このように滲出・移行したものが内包物等に触れることで、内包物に好ましくない影響を与える(たとえば飲料などの場合、味覚が変わるなど)。 電子材料等に用いられる場合、残留物が周辺媒体中へ拡散し、黄変・臭気などの問題に加えて電気的トラブルを生じる。 このような問題を解決するために、これまで、光開始剤誘導体の共重合体を用いる方法や、光硬化性組成物に使用されている樹脂(ラジカル重合性を有する樹脂およびラジカル重合性を有しない樹脂の両者を含む)やラジカル重合性を有するモノマーに対して、共重合性を有する光開始剤が開示されている。 例えば、ベンゾフェノン誘導体を重合導入したポリマー型やコポリマー型開始剤が開示されているが、これらはいずれも臭気・滲出・移行の面では改善されているものの、ベンゾフェノン誘導体の紫外線に対する反応性が低く、実用的な照射量では充分な硬化性は得られなかった(特許文献1〜3参照)。 また、共重合可能なモノアクリレート光開始剤が開示されているが、モノアクリレートは紫外線照射時に共重合される確率が低く、臭気・滲出・移行を完全に防ぐことはできなかった(特許文献4参照)。 さらに、共反応性光開始剤として、光開始剤骨格と、共重合性官能基または共反応性基を併有する開始剤が開示されている。 しかし、これらの開始剤は共重合性官能基を1つしか持たないため、紫外線照射時に共重合される確率が低く、臭気・滲出・移行を完全に防ぐことはできないうえに、これらの共反応性基は光重合系に比べて反応速度が遅く、実用的な光照射量では未反応で残存する可能性が高く、このような官能基が光硬化性組成物中に未反応で残存した場合、光照射による硬化系で問題となっている臭気・滲出・移行以外に、未反応官能基由来の新たな問題(組成物の経時安定性不良、副反応、黄変など)が生じる場合があったり、これらの官能基を完全に反応させようとした場合、光照射に加えて、加熱などの別の所作が必要となる場合が多かった(特許文献5参照)。 また、2官能以上の(メタ)アクリル基を有するベンゾフェノン系開始剤が開示されている。2官能以上にすることで、紫外線照射時に共重合される確立は高くなるが、ベンゾフェノン骨格そのものの紫外線に対する反応性が低く、特に顔料を含む系において、実用的な照射量では充分な硬化性は得られなかった(特許文献6,7参照)。欧州特許公開第0017364号ドイツ特許出願公開2411169号欧州特許公開第2046848号欧州特許(EP)第377191号特開平10−175908号公報特開平9−20729号公報特開平10−195026号公報 本発明は、光重合後の硬化塗膜からの光重合開始剤由来の化合物の滲出や臭気を低減もしくは排除することを目的とする。 紫外線に対して高い反応性を有し、かつ光反応後の残査が系内に残存しにくい光開始剤骨格、すなわち、少なくとも2つの一般式(1)で示される官能基と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤を用いることで、これまでに挙げた問題点が解決できることを見出した。 即ち、本発明は、少なくとも2つの下記一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤に関する。一般式(1)(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、一体となって環を形成しても良い。R3は、水素原子または置換基を示す。) また、本発明は、下記一般式(2)で示される上記光重合開始剤に関する。一般式(2)(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、R1とR2、R4とR5は一体となって環を形成しても良い。R9は、4価の有機残基を示す。R10〜R13は、2価の有機残基を示す。Ar1、Ar2は、それぞれ独立に置換されてもよいアリーレン基を示す。) また、本発明は、上記光重合開始剤(A)と、(A)以外の重合性不飽和二重結合基を有する化合物とを含んでなる光重合性組成物に関する。 また、本発明は、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物と、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基を有する化合物(X)と、を反応させてなるカルボキシル基を有する化合物(Y)、およびカルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(Z)を反応させる工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの下記一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤の製造方法であって、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、下記一般式(1)で示される部分構造を有するものであり、かつ、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、不飽和二重結合基を有するものである光重合開始剤の製造方法。一般式(1)(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、一体となって環を形成しても良い。R3は、水素原子または置換基を示す。) また、本発明は、化合物(X)が、一般式(1)で示される部分構造を有するものであり、かつ、化合物(Z)が、不飽和二重結合基を有するものである上記光重合開始剤の製造方法に関する。 また、本発明は、上記光重合開始剤にエネルギー線を照射して重合させることを特徴とする重合物の製造方法に関する。 また、本発明は、上記光重合性組成物にエネルギー線を照射して重合させることを特徴とする重合物の製造方法に関する。 本発明により、光重合後の硬化塗膜からの、重合開始剤由来の化合物の滲出や、臭気が、低減された。 本発明で用いられる光重合開始剤(A)は、一般式(1)で示される部分構造を少なくとも2つ、の重合性不飽和二重結合基を少なくとも2つ有する光重合開始剤である。 一般式(1)で示される部分構造において、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示し、また、一体になってシクロ環等の環を形成しても良い。R3は、水素原子または置換基を示す。 ここで、置換基とは、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、1価の有機残基が挙げられる。 1価の有機残基としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などの芳香族基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。 一般式(1)の部分構造は、一般式(1)の左側のベンゼン環の水素原子のいずれかが、結合手となり、光開始剤(A)のそのほかの構造と結合される。結合手の位置としては、特に限定はされないが、前記ベンゼン環のp位に相当する位置のものが入手しやすい。 一般式(1)の部分構造として、具体的には、例えば、下記に示されるものが挙げられる。 などが挙げられる。 特に、(i)で示される部分構造の光照射時に解裂して生じる解裂切片は、光重合反応に直接関与しない場合において、一方は光開始剤(A)のそのほかの構造と結合されているため、滲出や臭気の原因にはならないし、そのほかの構造と結合しないもう一方はわずかなアセトンガスとなり、瞬時に揮発するため、滲出や臭気(特に不快臭)の原因にはなりにくい。 本発明の、重合性不飽和二重結合基とは、一般式(1)で示される部分構造にエネルギー線を照射することにより開始する重合機構に関与できるものであれば何でも良いが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。 光重合開始剤(A)の好ましい形態として、一般式(2)で示される化合物が例示される。 一般式(2)において、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。ここで、置換基は、一般式(1)のR1〜R3で説明したものと同じものを例示できる。 R1とR2、R4とR5は一体となって環を形成しても良い。 R9は、4価の有機残基を示す。また、R10〜R13は、2価の有機残基を示す。本発明で言う有機残基は、一般式(1)のR1〜R3で説明した有機残基である。 Ar1、Ar2は、それぞれ独立に置換されてもよいアリーレン基である。アリーレン基は、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環などの芳香環の2価の官能基であり、置換基を有していてもよい。また、結合の形態は、ベンゼン環で有れば、o−、m−、p−、ナフタレン環であれば、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−、1,5−など特に限定するものではない。 少なくとも2つの一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する化合物としては、例えば、一般式(2)で示される化合物が挙げられ、一般式(2)で示される化合物は、例えば、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物と、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基を有する化合物(X)と、を反応させてなるカルボキシル基を有する化合物(Y)を合成などして入手した後、当該化合物(Y)と、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(Z)と、を反応させることによって得られる。このとき、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、一般式(1)で示される部分構造を有するものであり、かつ、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、不飽和二重結合基を有するものである。 本発明の、カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物とは、1分子内に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する化合物であれば何でも良く、例えば、テトラカルボン酸二無水物、ヘキサカルボン酸三無水物、無水マレイン酸共重合樹脂などの多価カルボン酸無水物類が挙げられる。本発明において、これらの化合物を単独使用または併用で使用できる。 さらに詳しく例示すると、 テトラカルボン酸二無水物としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、新日本理化株式会社製「リカシッドTMTA-C」、「リカシッドMTA-10」、「リカシッドMTA-15」、「リカシッドTMEGシリーズ」、「リカシッドTDA」などが挙げられる。 無水マレイン酸共重合樹脂としては、サートマー社製SMAレジンシリーズ、株式会社岐阜セラック製造所製GSMシリーズなどのスチレン無水マレイン酸共重合樹脂、ポリエチレン無水マレイン酸などのα-オレフィン無水マレイン酸共重合樹脂、ダイセル化学工業株式会社製「VEMA」(メチルビニルエ−テルと無水マレイン酸の共重合体)、無水マレイン酸アクリル変性ポリオレフィン(「アウローレンシリーズ」:日本製紙ケミカル株式会社製)、無水マレイン酸共重合アクリル樹脂などが挙げられる。 上記カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物は、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基を有する化合物(X)と反応してカルボキシル基を有する化合物(Y)となる。 本発明の、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基とは、例えば、水酸基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、イソシアネート基、チオイソシアネート基などが挙げられるが、その他、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基であれば何でも良い。 カルボン酸無水物基と反応しうる官能基を有する化合物(X)として、具体的に例示する。 まず、不飽和二重結合基を有するものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルアクリレート、ジグリセリンポリグリシジルエーテルアクリレート、日本化薬株式会社製「KAYARAD R-167」、「KAYARAD DPHA」、東亞合成株式会社製「アロニックスM−215」、「アロニックスM−233」、「アロニックスM−305」、「アロニックスM−5700」、新中村化学工業株式会社製「NKオリゴ EA-5520」、「NKオリゴ EA-5720」、「NKオリゴ EA-5821」、日本油脂株式会社製「ブレンマーGMR」、「ブレンマーGAM」、「ブレンマーG-FA」、「ブレンマーG-O」、「ブレンマーG-SB」、「ブレンマーQA」、「ブレンマーE」、「ブレンマーPE-90」、「ブレンマーPE-200」、「ブレンマーPE-350」、「ブレンマーAE-90」、「ブレンマーAE-200」、「ブレンマーAE-400」、「ブレンマーP」、「ブレンマーPP-1000」、「ブレンマーPP-500」、「ブレンマーPP-800」、「ブレンマーAP-150」、「ブレンマーAP-400」、「ブレンマーAP-550」、「ブレンマーAP-800」、「ブレンマー50PEP-300」、「ブレンマー70PEP-350B」、「ブレンマーAEP」、「ブレンマー55PET-400」、「ブレンマー30PET-800」、「ブレンマー55PET-800」、「ブレンマーAET」、「ブレンマー30PPT-800」、「ブレンマー50PPT-800」、「ブレンマー70PPT-800」、「ブレンマーAPT」、「ブレンマー10PPB-500B」、「ブレンマー10APB-500B」、多官能水酸基含有化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などの水酸基含有(メタ)アクリレート類、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ダイセル化学工業株式会社製「CYCLOMER M-100」、「CYCLOMER A-200」、「M-GMA」、多官能エポキシ化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などの不飽和二重結合基含有エポキシ化合物類、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、多官能イソシアネート化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などのイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類、メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、メタクリロイルイソチオシアネート、アクリロイルイソチオシアネート、多官能イソチオシアネート化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などのイソチオシアネート基含有(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、多官能水酸基含有化合物の部分ビニルエーテル化化合物などの水酸基含有ビニルエーテル類、グリシジルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルグリシジルエーテル、トリシクロデカンエポキシビニルエーテル、多官能エポキシ化合物の部分ビニルエーテル化化合物などのエポキシ基含有ビニルエーテル類、ビニロイルオキシエチルイソシアネート、ビニリロイルイソシアネート、多官能イソシアネート化合物の部分ビニルエーテル化化合物などのイソシアネート基含有ビニルエーテル類、ビニロイルオキシエチルイソチオシアネート、ビニリロイルイソチオシアネート、多官能イソチオシアネート化合物の部分ビニルエーテル化化合物などのイソチオシアネート基含有ビニルエーテル類などが挙げられる。 また、特定の構造を有しない一般的なものとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−tert−ブチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルイソプロピルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピル−n−ステアリルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルエンスルホンアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−m−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシプロピルベンジルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルピペラジン、N,N−ジヒドロキシプロピルピペラジン、多官能アルコールなどの水酸基含有化合物、フェニルグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、N-グリシジルフタルイミド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、多官能エポキシ化合物などのエポキシ基含有化合物、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ラウリルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ステアリルアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド、多官能アミン化合物などのアミノ基含有化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネートなどのイソシアネート基含有化合物、2,4−トリレンジイソチオシアネート、2,6−トリレンジイソチオシアネート、m−フェニレンジイソチオシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、テトラメチレンジイソチオシアネート、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、キシリレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネート、イソホロンジイソチオシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソチオシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソチオシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソチオシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソチオシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソチオシアネート、1,5−ナフタレンジイソチオシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソチオシアネートなどのイソチオシアネート基含有化合物などが挙げられる。 また、本発明の、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基と一般式(1)で示される部分構造とを有する化合物としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−[2−(オキシラニルメトキシ)−エトキシ]−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−(2−アミノエトキシ)−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−オキシラニルメトキシフェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−(オキシラニルメトキシカルボニルメトキシ)−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−オキシラニルメトキシフェニル−α−イソプロポキシベンジルケトン、4−オキシラニルメトキシフェニル−α,α−ジメトキシベンジルケトン、4−(2−イソシアナトエトキシ)−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−(2−イソチオシアナトエトキシ)−フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−フェノキシアセトアミド、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−フェノキシアセトヒドラジド、N−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−フェノキシアセチル]−ヒドロキシルアミン、4−イソシアナトメトキシフェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、4−イソチオシアナトメトキシフェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、などが挙げられる。本発明において、これらの化合物を単独使用または併用で使用できる。 上記カルボキシル基を有する化合物(Y)は、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(Z)と反応して一般式(1)で示される化合物となる。 本発明の、カルボキシル基と反応しうる官能基とは、例えば、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、ビニルエーテル基、オキサゾリン基などが挙げられるが、その他、カルボキシル基と反応しうる官能基であれば何でも良い。 本発明の、カルボキシル基と反応しうる官能基と重合性不飽和二重結合基とを有する化合物として、具体的には、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテル、ダイセル化学工業株式会社製「CYCLOMER M-100」、「CYCLOMER A-200」、「M-GMA」、多官能エポキシ化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などのエポキシ基含有(メタ)アクリレート類、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、多官能イソシアネートの部分(メタ)アクリレート化化合物などのイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類、メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、メタクリロイルイソチオシアネート、アクリロイルイソチオシアネート、多官能イソチオシアネートの部分アクリレート化化合物などのイソチオシアネート基含有(メタ)アクリレート類、多官能カルボジイミド化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などのカルボジイミド基含有(メタ)アクリレート類、アクリル酸−2−ビニロキシエチル、メタクリル酸−2−ビニロキシエチル、アクリル酸−2−(2'−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸−2−(2'−ビニロキシエトキシ)エチルなどのビニルオキシ基含有(メタ)アクリレート、2−ビニロキシエトキシスチレン、2−ビニロキシエチルスチレンなどのビニルオキシ基含有スチレン、日本触媒株式会社製「FX-VEEA」、「FX-VEEM」、多官能ビニルエーテル化合物の部分(メタ)アクリレート化化合物などのビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート類、ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン、株式会社興人製「VOZO」、「IPOZO」などの重合性不飽和二重結合基含有オキサゾリン誘導体類などが挙げられる。本発明において、これらの化合物を単独使用または併用で使用できる。 カルボン酸無水物基と、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基との反応、あるいは、カルボキシル基と、カルボキシル基と反応しうる官能基との反応は、公知の反応条件を利用できる。 本発明の、(A)以外の重合性不飽和二重結合基を有する化合物とは、少なくとも1つの重合性不飽和二重結合基を有する化合物であれば何でも良いが、例えば、(メタ)アクリレート系化合物、窒素含有不飽和化合物、脂肪酸ビニル化合物、α-オレフィン化合物、ビニル化合物、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。本発明において、これらの化合物を単独使用または併用で使用できる。 さらに詳しく例示すると、モノ(メタ)アクリレート系化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル系(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール系(メタ)アクリレートなどが挙げられ、また、2つ以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物としては、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビス(メタクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート:日本化薬製カヤラッドR−167、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート:日本化薬製カヤラッドHXシリーズなどのアルキル型(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート:長瀬産業デナコールDA(M)−811、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート:長瀬産業デナコールDA(M)−851、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロレングリコールジ(メタ)アクリレート:長瀬産業デナコールDA(M)−911などのアルキレングリコール型(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート:日本化薬製カヤラッドR−604、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:サートマーSR−454、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:日本化薬製TPA−310、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート:長瀬産業DA(M)−321などのトリメチロールプロパン型(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート:東亜合成アロニックスM−233、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート類:日本化薬製カヤラッドD−310,320,330など、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート類:日本化薬製カヤラッドDPCA−20,30,60,120などのペンタエリスリトール型(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート:長瀬産業デナコールDA(M)−314、トリグリセロールジ(メタ)アクリレートなどのグリセロール型(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート:山陽国策パルプCAM−200などの脂環式(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート:東亜合成アロニックスM−315、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート型(メタ)アクリレートなどが挙げられる。 さらに、(メタ)アクリレート系化合物のうち、ウレタン結合を有する化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学AH−600、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学AT−600、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学UA―306H、フェニルグリシジルエーテルアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学AI−600、グリセリンジメタクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学UA−101T、グリセリンジメタクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学UA−101I、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学UA―306T、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー:共栄社化学UA―306Iなどが挙げられる。 また、(メタ)アクリレート系化合物のうち、エステル結合を有する化合物としてポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ基を変性することで得られる化合物として、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。 窒素含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルキロール(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系不飽和化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基を有する不飽和化合物および対イオンとしてCl-,Br-,I-等のハロゲンイオンまたはQSO3-(Q:炭素数1〜12アルキル基)を有するジアルキルアミノ基含有不飽和化合物の4級アンモニウム塩などが挙げられる。 脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。 α-オレフィン化合物としては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられる。 ビニル化合物としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、などが挙げられる。 ビニルエーテル化合物としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンモノビニルエーテル、シクロヘキサンジビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルモノビニルエーテル、エチルシクロヘキサノールビニルエーテル、ターシャリーブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、トリシクロデカンエポキシビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどが挙げられる。 本発明の、エネルギー線とは、X線、α線、β線、γ線、中性子線、紫外線、可視光、赤外線、電波などが挙げられ、本発明は、とりわけ紫外線または可視光の場合に特に有用である。 以下に製造例、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の製造例、実施例において、特に断らない限り「部」は重量部を意味する。<開始剤(a)の製造>攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、ピロメリット酸二無水物 32部、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン 68部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.5部、メチルエチルケトン 25部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、窒素雰囲気下、90度で反応させた。反応物のIR測定で、酸無水基のピークすなわち、1780cm-1および1850cm-1付近のピークが消滅していることを確認した後、冷却し、反応を停止させた。この時点で反応物の酸価を慣用の方法で測定したところ、173mgKOH/gであった。続いて、この溶液中に4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成株式会社製)64部、ジメチルベンジルアミン 0.5部、メトキノン 0.02部、を投入し、徐々に昇温し、乾燥空気存在下、90度で反応させた。反応を継続しながら定期的に反応物の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になったところで、冷却し、反応を停止させた。得られた開始剤(a)の最終的な酸価は、2mgKOH/gであった。<開始剤(b)の製造>攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物 30部、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン 70部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.5部、メチルエチルケトン 25部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、窒素雰囲気下、90度で反応させた。反応物のIR測定で、酸無水基のピークすなわち、1780cm-1および1850cm-1付近のピークが消滅していることを確認した後、冷却し、反応を停止させた。この時点で反応物の酸価を慣用の方法で測定したところ、178mgKOH/gであった。続いて、この溶液中に4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成株式会社製)66部、ジメチルベンジルアミン 0.5部、メトキノン 0.02部、を投入し、徐々に昇温し、乾燥空気存在下、90度で反応させた。反応を継続しながら定期的に反応物の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になったところで、冷却し、反応を停止させた。得られた開始剤(a)の最終的な酸価は、3mgKOH/gであった。<開始剤(c)の製造>攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 42部、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン 58部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.5部、メチルエチルケトン 25部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、窒素雰囲気下、90度で反応させた。反応物のIR測定で、酸無水基のピークすなわち、1780cm-1および1850cm-1付近のピークが消滅していることを確認した後、冷却し、反応を停止させた。この時点で反応物の酸価を慣用の方法で測定したところ、150mgKOH/gであった。続いて、この溶液中に4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成株式会社製)56部、ジメチルベンジルアミン 0.4部、メトキノン 0.02部、を投入し、徐々に昇温し、乾燥空気存在下、90度で反応させた。反応を継続しながら定期的に反応物の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になったところで、冷却し、反応を停止させた。得られた開始剤(a)の最終的な酸価は、3mgKOH/gであった。<開始剤(d)の製造>攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 41部、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン 59部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.5部、メチルエチルケトン 25部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、窒素雰囲気下、90度で反応させた。反応物のIR測定で、酸無水基のピークすなわち、1780cm-1および1850cm-1付近のピークが消滅していることを確認した後、冷却し、反応を停止させた。この時点で反応物の酸価を慣用の方法で測定したところ、150mgKOH/gであった。続いて、この溶液中にグリシジルメタクリレート 38部、ジメチルベンジルアミン 0.3部、メトキノン 0.01部、を投入し、徐々に昇温し、乾燥空気存在下、90度で反応させた。反応を継続しながら定期的に反応物の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になったところで、冷却し、反応を停止させた。得られた開始剤(a)の最終的な酸価は、5mgKOH/gであった。<開始剤(e)の製造>攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 57部、β−ヒドロキシエチルアクリレート 43部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン 0.5部、メチルエチルケトン 25部を仕込み、攪拌しながら徐々に昇温し、窒素雰囲気下、90度で反応させた。反応物のIR測定で、酸無水基のピークすなわち、1780cm-1および1850cm-1付近のピークが消滅していることを確認した後、冷却し、反応を停止させた。この時点で反応物の酸価を慣用の方法で測定したところ、213mgKOH/gであった。続いて、この溶液中に4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成株式会社製)76部、ジメチルベンジルアミン 0.6部、メトキノン 0.02部、を投入し、徐々に昇温し、乾燥空気存在下、90度で反応させた。反応を継続しながら定期的に反応物の酸価を測定し、酸価が5mgKOH/g以下になったところで、冷却し、反応を停止させた。得られた開始剤(a)の最終的な酸価は、4mgKOH/gであった。(実施例1〜4,比較例1〜4)表1に表す部数の配合により、感光性樹脂組成物を溶解混合し、調整した。性能評価は下記の方法で行った。(1)タック 汎用のPETフィルムに、表1に表す配合により調整した感光性樹脂組成物を、バーコーター#8で塗工し、紫外線照射(120W/cmメタルハライドランプ、1灯)後、指触によりタックフリー(乾燥硬化)になった時の紫外線照射回数(1回=111mJ/cm2) 数値が小さい方が、硬化速度が速いことを示す。(2)MEKラビング回数 タックと同条件で硬化した塗工物を、メチルエチルケトンを滲み込ませた綿棒でこすり、塗膜が剥がれて下地のPETフィルムが露出したときのラビング回数。 数値が大きい方が、硬化性が良好であることを示す。(3)臭気 タックと同条件で硬化した塗工物を、細かくカットし、ガラス瓶に詰め、一晩放置後、5人のパネラーが臭気性を相対的に判定したものであり、(不良)1〜5(良好)とした。(4)滲出物ピーク強度 タック評価と同条件で硬化した塗工物に、汎用のポリエチレンコート紙(15cm×10cm)を重ね、20kgの重りを乗せて50℃のオーブンに24時間放置した。重ねたポリエチレンコート紙を細かく刻み、20gのエタノールに24時間浸漬し、上澄み液15gを濃縮した後、内部標準として0.1mg/mlのポリスチレン標準サンプル(Mw=37200)のテトラヒドロフラン溶液を0.1ml添加し、さらにテトラヒドロフラン 2gで希釈してゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定を行った。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの検出は、UV検出器(波長254nm)により行い、得られたチャートと、予め測定しておいたポリエチレンコート紙のみのチャートについて、ポリスチレンのピーク強度が同じになるように補正した。補正後のチャートからポリエチレンコート紙のみのチャートを減算し、減算後のピーク強度を、エタノールによって抽出された滲出成分として定量した。 数値が小さいほど、塗工物からの滲出成分が少なく、良好であることを示す。HCPK(1) : 光重合開始剤 1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンMOBB(2) : 光重合開始剤 メチル-2-ベンゾイル安息香酸Ebecryl P36(3) : 光重合開始剤 ダイセル・ユーシービー株式会社製 アクリル化ベンゾフェノン化合物M-350(4) : 東亞合成株式会社製:トリメチロールプロパンEO変性(3モル)トリアクリレートM-309(5) : 東亞合成株式会社製:トリメチロールプロパントリアクリレートM-210(6) : 東亞合成株式会社製:ビスフェノールAEO変性(4モル)ジアクリレートMDA(7) : N−メチルジエタノールアミン 表1の、「タック」および「MEKラビング回数」の評価結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤は、従来の一般的な光重合開始剤と同等以上の光硬化性を示した。また、同時に、表1の、「臭気」および「滲出物ピーク強度」の評価結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤を含む光重合性組成物は、従来の一般的な光重合開始剤を用いた場合に比べ、臭気および滲出物を大幅に低減した。 本発明の光重合性開始剤は、光硬化性に優れており、本発明の光重合開始剤を含む光重合性組成物は、各種塗料、印刷インキ、コーティング剤等に適している。少なくとも2つの下記一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤。一般式(1)(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、一体となって環を形成しても良い。R3は、水素原子または置換基を示す。)下記一般式(2)で示される請求項1記載の光重合開始剤。一般式(2)(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、R1とR2、R4とR5は一体となって環を形成しても良い。R9は、4価の有機残基を示す。R10〜R13は、2価の有機残基を示す。Ar1、Ar2は、それぞれ独立に置換されてもよいアリーレン基を示す。)請求項1記載の光重合開始剤(A)と、(A)以外の重合性不飽和二重結合基を有する化合物とを含んでなる光重合性組成物。カルボン酸無水物基を2つ以上有する化合物と、カルボン酸無水物基と反応しうる官能基を有する化合物(X)と、を反応させてなるカルボキシル基を有する化合物(Y)、およびカルボキシル基と反応しうる官能基を有する化合物(Z)を反応させる工程を含むことを特徴とする少なくとも2つの下記一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤の製造方法であって、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、下記一般式(1)で示される部分構造を有するものであり、かつ、化合物(X)および化合物(Z)の少なくとも一方が、不飽和二重結合基を有するものである光重合開始剤の製造方法。一般式(1)(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。また、一体となって環を形成しても良い。R3は、水素原子または置換基を示す。)化合物(X)が、一般式(1)で示される部分構造を有するものであり、かつ、化合物(Z)が、不飽和二重結合基を有するものである請求項4記載の光重合開始剤の製造方法。請求項1または2記載の光重合開始剤にエネルギー線を照射して重合させることを特徴とする重合物の製造方法。請求項3記載の光重合性組成物にエネルギー線を照射して重合させることを特徴とする重合物の製造方法。 【課題】光重合後の硬化塗膜からの光重合開始剤由来の化合物の滲出や臭気を低減もしくは排除することを目的とする。【解決手段】少なくとも2つの下記一般式(1)で示される部分構造と、少なくとも2つの重合性不飽和二重結合基とを有する光重合開始剤。一般式(1)(式中、R1、R2は、水素原子など示す。R3は、水素原子などを示す。)【選択図】なし