生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_高温槽の壁厚測定装置および方法
出願番号:2004074657
年次:2005
IPC分類:7,G01B17/02,G01N29/18


特許情報キャッシュ

垣田 秀樹 笹原 利彦 景山 盛男 古川 喜久男 JP 2005265456 公開特許公報(A) 20050929 2004074657 20040316 高温槽の壁厚測定装置および方法 石川島検査計測株式会社 000198318 堀田 実 100097515 垣田 秀樹 笹原 利彦 景山 盛男 古川 喜久男 7G01B17/02G01N29/18 JPG01B17/02 ZG01N29/18 12 1 OL 11 2F068 2G047 2F068AA29 2F068BB15 2F068BB29 2F068DD12 2F068EE01 2F068FF03 2F068FF12 2F068FF13 2F068FF25 2F068KK04 2F068NN01 2F068QQ10 2G047AA06 2G047BA03 2G047BC02 2G047BC11 2G047BC18 2G047CA01 2G047EA04 2G047EA10 2G047GA01 2G047GA03 2G047GB21 2G047GB27 2G047GG12 2G047GG30 2G047GG41 2G047GG44 本発明は、溶融めっき等に用いられる高温槽の壁厚測定装置および方法に関する。 溶融めっき(hot dipping)とは、溶融金属中に処理しようとする素材を浸せきし、引き上げて表面に付着した溶融金属を凝固させ、被膜層を形成するめっき手段である。素材は主として鉄鋼で、めっき金属は亜鉛(融点約420℃)、すず(同:約232℃)、アルミニウム(同:約660℃)、鉛(同:約328℃)など比較的融点の低いものが用いられる。 このような溶融めっき等に用いられる高温槽(一般に釜と呼ぶ)の側壁は、溶融金属より融点の高い金属(例えば鉄)で構成される。しかし、長期間の使用により、高温槽の側壁は徐々に減肉するため、これを定期的に計測し、釜の交換時期を適切に判断することが従来から強く求められていた。 非破壊検査法の1つである超音波探傷試験(ultrasonic test:UT)は、内部欠陥の検査等に広く用いられており、これを用いて高温配管の減肉量を配管の外側から計測する手段が特許文献2に開示されている。 また、耐熱許容限界温度を550〜600℃まで高められる超音波探傷試験用の探触子として、特許文献1が開示されている。 特許文献1の「超音波探傷装置の探触子」は、図6に示すように、被探傷物51に取り付けられる超音波伝達部材54に、一対の電極56a、56bの間に挟まれた振動子55を積層してなる超音波探傷装置の探触子52において、振動子55をニオブ酸リチウムで形成すると共に、この振動子55と超音波伝達部材54との間に、これらを直接アルミ系ろう材で接合してアルミ系の耐熱性電極層Aを形成し、これを電極としたものである。なおこの図で、53は接触媒体である。 特許文献2の「高温構造物への超音波センサーの取付方法及び装置」は、図7に示すように、高温構造物61の表面に、超音波センサー62のセンサーヘッド62aの先端面を、軟質緩衝金属板69を介して当接配置した後、センサーヘッド62aを高温構造物1の表面へ向けて押し付けることにより、軟質緩衝金属板69を塑性変形させ密着させた状態として、超音波センサー62を取り付けるものである。特公平07−46095号公報、「超音波探傷装置の探触子」特開平11−304777号公報、「高温構造物への超音波センサーの取付方法及び装置」 上述したように、溶融めっき等に用いられる高温槽(釜)の側壁は、長期間の使用により徐々に減肉するため、これを定期的に計測し、釜の交換時期を適切に判断することが従来から強く求められていた。 この要望を満たすために、特許文献2に開示された手段を用いて、高温槽の外側から減肉量を計測することは、原理的には可能である。しかし、高温槽(釜)の外側は通常厚い断熱材で覆われているため、壁厚を測定するためには、断熱材を剥がす必要があり、計測準備に時間と手間がかかるばかりでなく、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を計測することが事実上できない問題点があった。 そのため、現在は高温槽の上部から細長い棒(触診棒)を槽内に挿入し、その下端を内面に接触させて、減肉状態を熟練者が経験により判断しているが、誤差が大きく釜の交換時期を正確に決定できなかった。 さらに、亜鉛めっきのように、溶融金属と側壁を構成する金属(例えば鉄)が合金を形成する場合、高温槽の内面に硬い合金層ができて見掛け上の壁厚が増大しているため、触診棒での判断では減肉量は過小評価され、釜の交換時期を逸するおそれさえもあった。 従って、高温槽(釜)の壁厚(すなわち減肉量)を正確に測ることはこれまでは夢に近い技術であった。 本発明は、かかる要望を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、高温槽(釜)の断熱材を剥がすことなく、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を短時間に計測することができる高温槽の壁厚測定方法および装置を提供することにある。 また第2の目的は、高温槽の内面に硬い合金層ができて見掛け上の壁厚が増大している場合でも、合金層を除く実際の壁厚(すなわち減肉量)を正確に計測することができる高温槽の壁厚測定装置および方法を提供することにある。 本発明によれば、内部に高温液体を保有する高温槽の壁厚を測定する壁厚測定装置であって、 前記高温液体より高い温度で超音波を発しその反射波を検出可能な高温用超音波センサと、 該高温用超音波センサを前記高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するセンサ保持具と、 高温用超音波センサで検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する波形解析装置と、を備えたことを特徴とする高温槽の壁厚測定装置が提供される。 また、本発明によれば、内部に高温液体を保有する高温槽の壁厚を測定する壁厚測定方法であって、 高温用超音波センサを高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するセンサ保持ステップと、 高温用超音波センサで検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する波形解析ステップと、を備えたことを特徴とする高温槽の壁厚測定方法が提供される。 上記本発明の装置及び方法によれば、センサ保持具を用いてセンサ保持ステップにおいて、高温用超音波センサを高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するので、高温槽(釜)の断熱材を剥がすことなく、高温液体中で超音波を発し、壁内面を通して高温槽の壁内に超音波を伝播させ、壁外面で反射した反射波をそのセンサで検出することができる。 また、波形解析装置により波形解析ステップにおいて、検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出するので、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を短時間に計測することができる。 本発明の好ましい実施形態によれば、前記波形解析装置により、波形解析ステップにおいて、壁外面からの最初の第1反射波B1とこれが壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波B2とを検出し、その時間差と超音波伝播速度から壁厚を算出する。 この手段により、第1反射波B1と第2反射波B2は高いS/N比で検出でき、かつ高温槽を構成する壁の材質(例えば鉄)の温度−超音波伝播速度(すなわち音速)の関係から壁厚を容易に算出することができる。 また、前記波形解析装置により、波形解析ステップにおいて、検出した反射波の波形を周波数解析して、合金反射波G1をノイズエコーから識別する、ことが好ましい。 この手段により、合金反射波G1のS/N比が低い場合でも、ノイズエコーから合金反射波G1を識別することができる。従って、高温槽の内面に硬い合金層ができて見掛け上の壁厚が増大している場合でも、合金層を除く実際の壁厚(すなわち減肉量)を正確に計測することができる。 また、前記波形解析装置により、波形解析ステップにおいて、第1反射波B1が合金層界面と壁外面で再反射した合金反射波G1を検出し、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差で前記壁厚を補正する。 この手段により、高温槽の内面に成長する合金層の組成(例えばZn-Fe)とその温度−超音波伝播速度(すなわち音速)の関係から合金層厚を容易に算出することができる。 また本発明の好ましい実施形態によれば、前記高温用超音波センサは、超音波振動子と、これを挟んでろう付けされた1対の電極板と、その一方にろう付けされ高温液体の濡れ性の高いシュー板と、からなり、 前記電極に信号線が直付けされ、シュー板の探傷面に高温液体の濡れ性の高いメッキが施されている。 この構成により、高温用超音波センサを高温液体中に直接浸漬した場合のセンサ全体の耐熱温度を高めることができると共に、探傷面の高温液体の濡れ性を高め、超音波の透過性を高めることができる。 前記センサ保持具は、高温用超音波センサを下端部に保持し上方に延びる鉛直棒部材と、該鉛直棒部材を水平軸を中心に揺動可能に吊り下げ高温槽の上部に取付可能な吊下保持部材とを備える。 この構成により、吊下保持部材を高温槽の上部に取付け、この吊下保持部材から鉛直棒部材を吊り下げ、鉛直棒部材を水平軸を中心に揺動させることにより、下端部に保持した高温用超音波センサを被計測部の壁内面に向けて押し付け、あるいは所定の間隔で保持することができる。 前記鉛直棒部材は、高温液体による浮力を低減するためのカウンタウエイト兼ドロス侵入防止ブロックを有する、ことが好ましい。 かかるカウンタウエイト兼ドロス侵入防止ブロックにより、高温液体による鉛直棒部材の浮力を低減または無くすことができ、高温用超音波センサの位置変更を容易に行うことができる。 前記鉛直棒部材は、高温用超音波センサの探傷面を壁内面に向けて一定の距離で位置決めするための位置決め部材を有する、ことが好ましい。 この構成により、位置決め部材を壁内面に向けて押し付けるだけで、高温用超音波センサの探傷面を壁内面に向けて一定の距離で位置決めすることができる。 上述したように、本発明の高温槽の壁厚測定装置および方法は、高温槽(釜)の断熱材を剥がすことなく、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を短時間に計測することができ、かつ、高温槽の内面に硬い合金層ができて見掛け上の壁厚が増大している場合でも、合金層を除く実際の壁厚(すなわち減肉量)を正確に計測することができる等の優れた効果を有する。 以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。 図1Aは、本発明の高温槽の壁厚測定装置の全体構成図である。この例において、高温液体1は、溶融亜鉛であり、約450℃の溶融状態に保持されている。また、高温槽2は、溶融めっき用の高温槽であり、この例では鉄製である。本発明の壁厚測定装置10は、内部に高温液体1を保有する溶融めっき用の高温槽2の壁厚を測定する装置である。 なお、高温槽2の内面に合金層3が成長する場合、高温槽2の内面2aは合金層の分だけ見掛け上厚くなる。この場合の合金層の界面を3aとする。 本発明の壁厚測定装置10は、高温用超音波センサ12、センサ保持具20、及び波形解析装置30を備える。 高温用超音波センサ12は、高温液体1より高い温度で超音波を発し、その反射波を検出する機能を有する。この高温用超音波センサ12は、図1Bに示すように、超音波振動子13と、これを挟んでろう付けされた1対の電極板14と、その一方にろう付けされ高温液体の濡れ性の高いシュー板15とからなる。また、電極14に信号線16(この例で白金リード線)が直付けされ、シュー板15の探傷面15aに高温液体の濡れ性の高いメッキ17(この例では亜鉛メッキ)が施されている。この場合のろう付け及び直付けは、高温液体よりも高い融点を有するろう材(例えばニッケル)を用いる。なお、高温用超音波センサ12は、全体を水密容器内に収容するのが好ましい。また信号線16は、耐熱性の保護管18の内部を通して波形解析装置30まで検出データを伝達する。更に、高温用超音波センサ12に熱電対を備え、高温液体1の温度を計測するのが好ましい。 センサ保持具20は、高温用超音波センサ12を高温液体1中に直接浸漬し、その探傷面15aを被計測部の壁内面2aに向けて保持する機能を有する。 この例において、センサ保持具20は、鉛直棒部材22と吊下保持部材24とからなる。鉛直棒部材22は、高温用超音波センサ12を下端部に保持し上方に延びる細長い棒部材であり、例えばステンレスのアングル材で構成する。吊下保持部材24は、鉛直棒部材22を水平軸23を中心に揺動可能に吊り下げ、かつ高温槽の上部(例えば壁上端部)にボルト等の固定具25で取付られる。 この例において、鉛直棒部材22の下端には、カウンタウエイト兼ドロス侵入防止ブロック21が取り付けられ、高温液体1による浮力を低減するようになっている。 また、鉛直棒部材22は、高温用超音波センサ12の探傷面15aを壁内面2aに向けて一定の距離で位置決めするための位置決め部材26を有する。位置決め部材26は、この例では、高温用超音波センサ12を囲んで配置された3本(図では2本のみ示す)の棒材であり、その先端(図で右端)を通る平面が、探傷面15aと一致するか、一定の距離離して設定されている。 この構成により、位置決め部材26の先端を壁内面2aに向けて押し付けるだけで、高温用超音波センサ12の探傷面15aを壁内面に向けて一定の距離で位置決めすることができる。 波形解析装置30は、超音波センサ用の電源、記憶装置、演算装置等を内蔵し、高温用超音波センサ12で検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する。 図2は、本発明の高温槽の壁厚測定方法の全体フロー図である。この図に示すように、本発明の壁厚測定方法は、センサ保持ステップS1と波形解析ステップS2からなる。 センサ保持ステップS1では、上述したセンサ保持具20を用いて高温用超音波センサ12を高温液体1中に直接浸漬し、その探傷面15aを被計測部の壁内面2aに向けて保持する。 波形解析ステップS2では、高温用超音波センサ12で検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する。 波形解析ステップS2は、この例では壁厚算出ステップS21、合金層識別ステップS22、及び壁厚補正ステップS23からなる。 壁厚算出ステップS21では、壁外面からの最初の第1反射波B1とこれが壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波B2とを検出し、その時間差と超音波伝播速度から壁厚を算出する。 合金層識別ステップS22では、検出した反射波の波形を周波数解析して、合金反射波G1をノイズエコーから識別する。 壁厚補正ステップS23では、第1反射波B1が合金層界面と壁外面で再反射した合金反射波G1を検出し、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差で前記壁厚を補正する。 図3は、本発明の第1実施例を示す図である。この図において、(A)は合金層が成長しないか無視できる場合の模式図であり、(B)は検出された検出反射波(エコー)である。なお図3Bにおいて、横軸は時間、縦軸は反射波音圧の波形であり、エコーは0を中心に上下に振動する波形となる。 図3A,Bにおいて、B1は壁外面からの最初の第1反射波であり、B2は第1反射波が壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波である。 図3Bから明らかなように、超音波を発した直後の検出反射波(エコー)は、変動が大きく壁内面からの反射波を識別するのが困難であるのに対して、第1反射波B1と第2反射波B2はS/N比が比較的高く、容易に検出できる。従って、 壁厚算出ステップS21において、壁外面からの最初の第1反射波B1とこれが壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波B2とを検出し、その時間差Δt1と壁(鉄)内の超音波伝播速度v1から壁厚L1を例えばL1=v1×Δt1/2・・・(式1)で算出することができる。 合金層が成長しないか無視できる場合には、式1で求めた値が被計測部の壁厚L1であり、新設時の厚さとの差ΔLが減肉量である。 図4は、本発明の第2実施例を示す図である。この図において、(A)は合金層が無視できない場合の模式図であり、(B)は検出された検出反射波(エコー)である。なお図4Bは図3Bと同様に、横軸は時間、縦軸は反射波音圧の波形である。 合金層3が無視できない場合、図4Bに示す合金反射波G1、すなわち第1反射波B1が合金層界面3aと壁外面で再反射した合金反射波G1は、S/N比が小さくノイズエコーからの識別が困難である。 そこで、この場合、合金層識別ステップS22において、検出した反射波の波形を周波数解析して、合金反射波G1をノイズエコーから識別する。すなわち、図4Bの波形にうち、第2反射波B2より前にある波形を狭い時間幅で周波数解析すると、それがノイズエコーである場合には不安定なピーク周波数を示し、合金界面でのエコーの場合には安定したピーク周波数(例えば超音波センサの固有周波数に近い値)を示す。従って、周波数解析する位置を徐々に変えることにより、合金反射波G1をノイズエコーから識別することができる。 図4Aにおいて、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差Δt2は、超音波が合金層を1回通過する時間である。従って、壁厚補正ステップS23において、第1反射波B1が合金層界面と壁外面で再反射した合金反射波G1を検出し、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差Δt2を求め、この時間差Δt2で壁厚算出ステップS21で求めた壁厚L1を補正する。 例えば、L2=v1×(Δt1-Δt2)/2・・・(式2)で算出することができ、新設時の厚さとの差ΔLが減肉量である。 図5は、本発明の実施例1、2で得られた壁厚測定結果である。この図において、横軸は高温槽の壁厚、縦軸は深さ(液深)である。また、図中の△と○は合金層を無視した実施例1の結果、□は合金層を補正した実施例2の結果である。 またこの例は、溶融亜鉛(約450℃)の鉄製の壁厚を計測した結果である。 図5の実施例1の結果から、本発明の装置及び方法により、高温槽(釜)の断熱材を剥がすことなく、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を短時間に計測することができることが確認された。 しかし、鉄製の壁厚は、新設時に60mmであり、実施例1の結果から内面に合金層が形成されていることが実施例1から新規に明らかとなった。そこで、上述した実施例2により合金層界面3aの位置を検出し、その分の補正を行った。この結果、図5の実施例2に示すように、合金層の厚さが約5〜6mmに達しており、壁厚の真の値は約58mmであり、新設時より約2mmの減肉量があることが分かった。 上述したように、本発明によれば、従来の人の感覚に頼った定性的な計測方法に比べて、減肉量が定量的に計れるようになり、メッキ釜の寿命を正確に予測できるようになる。 また、白金リード線を高温用超音波センサに直付けしているので、冷却無しで約450℃の溶融亜鉛中にどぶ漬けして計測することができる。 その結果、上記実施例において、長時間(約7時間)連続で使用しても、センサの性能劣化は認められなかった。 また高温用超音波センサのシュー材質を鉄にして、探傷面に予め亜鉛メッキをしておくことにより、溶融亜鉛への超音波透過性が上がり肉厚測定が可能となった。 また超音波による肉厚計測の場合、計測対象物の温度によって音速が違い、見かけ上の肉厚値が厚くなるが、Feの温度と音速の関係を求め、温度・音速テーブルを作成して音速補正を行うことにより、正しい肉厚を計測することができた。 さらにZn-Fe合金の温度と音速との関係を求め、温度・音速テーブルを作成して音速補正を行い、肉厚計測値から合金層肉厚を差し引いて釜本体の肉厚を正しく割り出すことができた。 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。本発明の高温槽の壁厚測定装置の全体構成図である。本発明の高温槽の壁厚測定方法の全体フロー図である。本発明の第1実施例における検出反射波(エコー)である。本発明の第2実施例における検出反射波(エコー)である。本発明の実施例で得られた壁厚測定結果である。特許文献1の「超音波探傷装置の探触子」の模式図である。特許文献2の「高温構造物への超音波センサーの取付方法及び装置」の模式図である。符号の説明1 高温液体、2 高温槽、2a 壁内面、3 合金層、3a合金層界面、10 壁厚測定装置、12 高温用超音波センサ、13 超音波振動子、14 電極板、15 シュー板、15a 探傷面、16 信号線(白金リード線)、17 メッキ、18 保護管、20 センサ保持具、21 カウンタウエイト兼ドロス侵入防止ブロック、22 鉛直棒部材、23 水平軸、24 吊下保持部材、25 固定具、26 位置決め部材、30 波形解析装置 内部に高温液体を保有する高温槽の壁厚を測定する壁厚測定装置であって、 前記高温液体より高い温度で超音波を発しその反射波を検出可能な高温用超音波センサと、 該高温用超音波センサを前記高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するセンサ保持具と、 高温用超音波センサで検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する波形解析装置と、を備えたことを特徴とする高温槽の壁厚測定装置。 前記波形解析装置により、壁外面からの最初の第1反射波B1とこれが壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波B2とを検出し、その時間差と超音波伝播速度から壁厚を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記波形解析装置により、検出した反射波の波形を周波数解析して、合金反射波G1をノイズエコーから識別する、ことを特徴とする請求項1に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記波形解析装置により、第1反射波B1が合金層界面と壁外面で再反射した合金反射波G1を検出し、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差で前記壁厚を補正する、ことを特徴とする請求項2に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記高温用超音波センサは、超音波振動子と、これを挟んでろう付けされた1対の電極板と、その一方にろう付けされ高温液体の濡れ性の高いシュー板と、からなり、 前記電極に信号線が直付けされ、シュー板の探傷面に高温液体の濡れ性の高いメッキが施されている、ことを特徴とする請求項1に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記センサ保持具は、高温用超音波センサを下端部に保持し上方に延びる鉛直棒部材と、該鉛直棒部材を水平軸を中心に揺動可能に吊り下げ高温槽の上部に取付可能な吊下保持部材とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記鉛直棒部材は、高温液体による浮力を低減するためのカウンタウエイト兼ドロス侵入防止ブロックを有する、ことを特徴とする請求項6に記載の高温槽の壁厚測定装置。 前記鉛直棒部材は、高温用超音波センサの探傷面を壁内面に向けて一定の距離で位置決めするための位置決め部材を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の高温槽の壁厚測定装置。 内部に高温液体を保有する高温槽の壁厚を測定する壁厚測定方法であって、 高温用超音波センサを高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するセンサ保持ステップと、 高温用超音波センサで検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する波形解析ステップと、を備えたことを特徴とする高温槽の壁厚測定方法。 前記波形解析ステップにおいて、壁外面からの最初の第1反射波B1とこれが壁内面と壁外面で再反射した2回目の第2反射波B2とを検出し、その時間差と超音波伝播速度から壁厚を算出する、ことを特徴とする請求項9に記載の高温槽の壁厚測定方法。 前記波形解析ステップにおいて、検出した反射波の波形を周波数解析して、合金反射波G1をノイズエコーから識別する、ことを特徴とする9に記載の高温槽の壁厚測定方法。 前記波形解析ステップにおいて、第1反射波B1が合金層界面と壁外面で再反射した合金反射波G1を検出し、第2反射波B2と合金反射波G1の時間差で前記壁厚を補正する、ことを特徴とする請求項10に記載の高温槽の壁厚測定方法。 【課題】 高温槽(釜)の断熱材を剥がすことなく、高温槽の広い範囲の壁厚(すなわち減肉量)を短時間に計測することができ、高温槽の内面に硬い合金層ができて見掛け上の壁厚が増大している場合でも、合金層を除く実際の壁厚(すなわち減肉量)を正確に計測することができる高温槽の壁厚測定装置および方法を提供する。【解決手段】 高温液体より高い温度で超音波を発しその反射波を検出可能な高温用超音波センサと、高温用超音波センサを高温液体中に直接浸漬しその探傷面を被計測部の壁内面に向けて保持するセンサ保持具と、高温用超音波センサで検出した反射波の波形を解析し壁厚を算出する波形解析装置とを備える。【選択図】 図1


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