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タイトル:公開特許公報(A)_電着塗料の電導度測定方法と管理方法
出願番号:2004060946
年次:2005
IPC分類:7,G01N27/74,C25D13/22


特許情報キャッシュ

信藤 健一 中岡 豊人 JP 2005249605 公開特許公報(A) 20050915 2004060946 20040304 電着塗料の電導度測定方法と管理方法 関西ペイント株式会社 000001409 小田島 平吉 100060782 江角 洋治 100074217 安田 修 100080241 信藤 健一 中岡 豊人 7G01N27/74C25D13/22 JPG01N27/74C25D13/22 304B 8 1 OL 9 2G053 2G053AB27 2G053BA05 2G053BB03 2G053BC14 2G053CA03 2G053CB13 2G053DA02 本発明は、電着塗料の電導度を連続的に測定できる電着塗料の電導度測定方法と管理方法に関する。 従来から電着塗料は、自動車ボディや部品などの下塗り塗料として用いられ、多くの塗装ラインにて用いられている。このような塗装ラインは、電着槽に電着塗料を満たし、被塗物をコンベアなどで搬送して電圧を印加して電着塗装を行った後、焼き付け乾燥することによって塗膜を得る自動化塗装が行われており、自動車ボディは連続的に塗装されて塗料が持ち出され、一定の塗装台数をカウントすると新たに塗料が補給されて一定の電着塗料特性を保っている。 電着塗料特性(例えば、pH、電導度、固形分、顔料分、酸濃度)を測定するためには、電着塗料槽から電着塗料浴をサンプリングし、その塗料を実験室に持ち帰って電着塗料特性を求めていた。しかしこれらのデータが揃うまでには、1時間〜3日間を要していた。その間にも塗装ラインが変化し続ける為、ライン対応が遅れ、仕上り性の異常が発生することがあった。 この電着塗料特性の中でも電導度の測定は、例えば、WM−50EG、CM−30G(東亜ディーケーケー社製、商品名)、DS−12、DS−14(HORIBA社製、商品名)等の電導率計を用いて測定する。これらの電導率計は、白金板などの電極とセルを試料液中に浸漬し、電極とセルの間のインピーダンスを計測して溶液の電導度を求めている。 従来の発明として、電導度計を塗装ラインに設置して電導度を測定し、そのデータを遠隔地の管理者側に配信して管理できる塗装設備システムが提案されている[特許文献1]。しかし上記システムにおいては、連続的にかつ長期間に亘って電導度を測定した場合、電極やセルの汚染や欠損などによって測定値がバラついたりして安定して得られないことがあった。 他に、液体の電導度の測定を目的とした電導度計が提案されている[特許文献2]。この電導度計を単に電着塗料浴の塗装ラインの配管に設置して電導度の測定に用いた場合、電着塗料は塗料固形分が15〜25重量%と低いために顔料が配管内に沈降し易いといった問題がある。また顔料の沈降防止に配管内に一定の流速を与えることを目的としてポンプを設置すると、塗料の凝集ブツが電導度の測定値に誤差を生じることがあった。 このようなことから電着塗料の塗装ラインに設置しても電極やセルの汚染や欠損がなく、連続的に測定でき、かつ長期間に亘ってメンテナンスすることなく電導度を測定できる電着塗料浴の電導度測定方法が求められていた。特開2003−13289号公報米国特許第5157332号 発明が解決しようとする課題は、電着塗料の塗装ラインに設置しても電極やセルの汚染や欠損がなく、連続的に測定でき、かつ長期間に亘ってメンテナンスすることなく、電導度を測定できる電着塗料の電導度測定方法を見出すことである。 本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、無電極型電磁誘導式電導度計(A)と電着塗料を循環するための配管(B)とを具備する装置によって、電着塗料の電導度を連続的に測定できることを見出し、発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、 1.電着塗料槽と共に循環路を形成する配管内において、0.01〜0.7m/秒の範囲の一定の流速で、塗料を移動させること、 該配管に無電極型電磁誘導式電導度計を設けて、塗料の電導度を測定することを含むことを特徴とする電着塗料の電導度測定方法、 2.無電極型電磁誘導式電導度計が、送信コイルと受信コイルを有する電磁誘導式の無電極型電導度計である請求項1に記載の電着塗料の電導度測定方法、 3.配管内の電着塗料が一定の流速を得る為に、配管内に、塗料が擦れる摺動部分がないポンプが設けられている請求項1に記載の電着塗料の電導度測定方法、 4.無電極型電磁誘導式電導度計(A)における送信コイルと受信コイルが、電着塗料浴を循環するための配管(B)の外側に配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法、 5.配管の管内径が、1mmφ〜100mmφである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電着塗料浴の電導度測定方法、 6.無電極型電磁誘導式電導度計(A)で測定可能な電導度の範囲が、500μS/cm〜2500μS/cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法、 7.請求項1〜6のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法を用いて得られた電導度のデータを、通信回線を通じて配信して電着塗料浴を管理する電着塗料浴の管理方法、 8.請求項1〜6のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法を用いた電着塗料浴の管理方法、に関する。 本発明の電着塗料の電導度測定方法は、電極の洗浄などのメンテナンスの必要がなく、電着塗料の塗装ラインで連続的かつ長期間に亘って電導度の測定が可能である。電導度計の電極やセルを塗料中に浸漬し、電導度を測定していた従来法では、測定後の洗浄が必要であったが、本発明においては測定後の洗浄の必要がなくなった。 さらに本発明において測定データを、インターネットなどの通信回線によって送受信することによって、適時に電着塗料の電導度を把握することが可能である。塗装ラインにおいては、連続的に電着塗料の電導度を把握できることから、つきまわり性や膜厚の変化を予測でき、塗膜性能に優れた製品の供給に寄与することができる。 本発明の電着塗料の電導度測定方法は、モデル図としては図1のように示され、無電極型電導度計(1)と電着塗料浴の塗料を循環させるための配管(8)を具備する装置を用いた方法であって、電着塗料の電導度を連続的に測定できる。さらに配管に一定の流速を得るために、場合に応じて、電着塗料が擦れる摺動部分がないことを特徴とするポンプ(10)を取り付けて、配管内に一定の流速を与えることができる。 このポンプの一例としては、インペラが磁気により浮上し、電着塗料を循環する時にポンプを回転した際に、ポンプ内に擦れる部分がないことを特徴とするものを挙げることができる。 ポンプの市販品としては、例えば、レヒドロポンプ(イワキ社製、商品名)が挙げられる。この様なポンプを用いることにより電着塗料の凝集の問題を解決でき、より正確な電導度を得ることができる。 無電極型電磁誘導式電導度計(1)は、発信器(4)によって送信コイル(2)に交流を流して磁界(6)を発生させ、受信コイル(3)で電磁誘導により発生した電圧(V)を検出器(5)によって測定する。この電圧(V)の値から配管(8)を流れる電着塗料浴(9)の電導度を求めることができる。 無電極型電磁誘導式電導度計(1)の一例について、詳細を図2に示す。図2の型は、送信コイル(2)を2つ有する形式のもので、受信コイル(3)で電磁誘導により発生した電圧(V)を検出する。次に、発信器(4)(図示せず)からケーブル(21)を通じて送信コイル(2)へ交流を流し、電磁誘導にて受信コイル(3)側に発生した電圧(V)を、ケーブル(22)を通じて検出器(5)(図示せず)にて検出して電導度に換算する。 図3は、無電極型電磁誘導式電導度計(1)を配管に設置したモデル図を示すものであり、無電極型電導度計(1)における送信コイルと受信コイルが、電着塗料浴の塗料を循環させるための配管(8)の外側に配置してあり、塗料に電極を接触させずに電導度を測定できるので、電極やセルの汚れや欠損がなく正確な測定値を得ることができるものである。このことから塗装ラインに設置しても、連続的に電導度の測定が可能である。 無電極型電磁誘導式電導度計(1)の配管への取り付け方としては、図3のように、配管の周りに取り付け、電着塗料に直接接触することはない。配管の材質としては、ステンレス、銅、亜鉛メッキ管などがあるが、一般的にはステンレスが多く用いられている。 上記の無電極型電磁誘導式電導度計(1)の市販品としては、センサー871FTシリーズ(Foxboro Company製、商品名、無電極型電導度計)が挙げられる。 具体的には、871FT−1C (管内径1/2インチ(注)、1,000μS/cm〜2,000mS/cm)、871FT−1D (管内径3/4インチ、電導度測定範囲 500μS/cm〜2,000mS/cm)、871FT−1E (管内径1インチ 、電導度測定範囲500μS/cm〜2,000mS/cm)、871FT−1F (管内径、1〜1/2インチ、電導度測定範囲 100μS/cm〜1,000mS/cm)、871FT−1G (管内径2インチ、電導度測定範囲 100μS/cm〜1,000mS/cm)、871FT−1H (管内径3インチ、電導度測定範囲 100μS/cm〜1,000mS/cm)、871FT−1J (管内径4インチ、電導度測定範囲 50μS/cm〜500mS/cm)等が挙げられる。 これらの製品を単に電着塗料に適用した場合には、顔料の沈降や、機械的なシェアによって発生する微小な塗料凝集ブツによって電導度が正確な値が得られなかったのを、連続的にかつ長期間に亘って電導度の測定が可能としたのは、発明者等が鋭意検討して見出したことである。 (注)1インチ=約25.4mm 図1における無電極型電磁誘導式電導度計(1)から得られた電着塗料の電導度のデータは、外部出力(30)を通じてパソコン等に取り込むことができ、インターネットなどの通信回線を介して、測定データを遠隔地に配信することによって、電着塗料浴の特性を遠隔地にて管理できる。 電着塗料を循環するための配管(8)の管内径は、1mmφ〜100mmφ、好ましくは10mmφ〜80mmφの範囲が、電着塗料を沈降せずに、かつ一定の流速で循環させるためにも好ましい。配管内の電着塗料の流速は、電着塗料が配管(8)内で塗料が沈降しないで、かつ安定に測定できる範囲がよく、流速としては0.01m/秒〜0.7m/秒、好ましくは0.1m/秒〜0.5m/秒が通じている電着塗料浴(9)から電着塗料を配管内を循環(7)させて電導度を測定する。 本発明の電導度測定方法は、塗装ラインに設置した場合でも電極の汚染や欠損を解消できることから、連続的にかつ長期間に亘って塗装ラインでの電導度の測定が可能となった。 例えば、昨日の電着塗料の電導度が1,550μS/cmであったが、電着塗料に有機酸を添加したので、本日は電導度が1,650μS/cmである。とか、急に電導度が1,400μS/cmまで低下しているので、ろ液、極液の廃棄を抑制する。あるいは電導度が1,750μS/cmまで上昇しているので、ろ液、極液の廃棄をする。との判断を短時間で行えるようになった。 本発明の電着塗料の電導度測定方法は、塗装ラインに設置して電導度を測定する以外に、実験室においても配管内に塗料を満たして循環させる塗料の量があれば、電導度の測定が可能である。 電着塗料について: 本発明に適用できる電着塗料としては、従来から既知の電着塗料を用いることができ、カチオン電着塗料でもアニオン電着塗料のいずれでもかまわないが防錆性の面からカチオン電着塗料が主流となってきており、カチオン電着塗料について説明する。 カチオン電着塗料は、基体樹脂として、例えば、アミン付加型エポキシ樹脂やアミン付加型アクリル樹脂を用い、例えば、硬化剤としてのブロック化ポリイソシアネート、表面調整剤、触媒、界面活性剤、有機溶剤、有機酸を加えて水分散してなるエマルションと、着色顔料、体質顔料、触媒を分散樹脂とともに顔料分散してなる顔料ペーストを加え、脱イオン水で希釈して製造されたものを例示できる。 このようなカチオン電着塗料の固形分としては、通常、0.1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量、pHは5.0〜7.5、好ましくは5.5〜7.0範囲、電導度は1,000μS/cm〜2,500μS/cm、好ましくは1,300μS/cm〜2,200μS/cm、さらに好ましくは1,500μS/cm〜2,000μS/cmの範囲である。本発明における測定に必要な電着塗料の量としては、10ml〜300m3、好ましくは100ml〜200m3の間で、配管内に塗料が沈降しない程度の流速が確保できれば適用が可能であり、塗装ラインに設置して連続した電導度の測定ができる。本発明の電導度測定方法は、電着塗料の電導度測定に限らず、例えば、隔膜電極における極液、化成処理液、UF濾液などの電導度測定にも応用できる。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。 実施例1 塗装ラインAにおいて、センサー871FT−1E(Foxboro Company製、商品名、無電極型電磁誘導式電導度計)を図3のように、塗装ラインの配管に設置し、配管内に電着塗料を流速0.3m/秒で流して電着塗料の電導度を自動的に計測した。その結果、電導度=1,550μS/cmのデータを得た。電導度の測定後において、電導度の感知部分は塗料と非接触な為、洗浄の必要はなく連続して測定可能である。 実施例2 塗装ラインBにおいて、センサー871FT−1E(Foxboro Company製、商品名、無電極型電磁誘導式電導度計)、及びレヒドロポンプ(イワキ社製、商品名、摺動部分がないことを特徴とするポンプ)を図1の(10)ように設置し、配管内を電着塗料を流速0.5m/秒で流して電着塗料の電導度を自動的に計測した。 塗装ライン稼動時に1日3回の電導度の測定を行うために3時間毎に、1回目の電導度=1,650μS/cm、2回目の電導度=1,670μS/cm、3回目の電導度=1,660μS/cmを自動的に計測し、インターネットを介して、遠隔地の塗料管理者側へ配信した。電導度の測定後において、電導度の感知部分は塗料と非接触な為、洗浄の必要はなく連続して測定可能である。 比較例1 実施例1と同様の塗装ラインAの電着塗料をサンプリングして実験室に搬送した。次に、CM−30G(東亜ディーケーケー社製、商品名、電導度計)を用いて、電導度=1,550μS/cmを測定した。電導度の測定後、電極を洗浄して、次の測定に備えた。 比較例2 実施例2と同様の塗装ラインBの電着塗料を、1日3回の電導度を行うために電着塗料から3時間ごとにサンプリングを行った。次に、CM−30G(東亜ディーケーケー社製、商品名、電導度計)を用い、1回目の電導度=1,650μS/cmを得た後、次に電極を洗浄し、2回目の1,670μS/cmを得た。次にまた電極を洗浄して測定し、3回目の1,660μS/cmを得た。電導度の測定後、電極を洗浄して、次の測定に備えた。 本発明は、電着塗料浴の電導度を連続的に算出できる。例えば、塗装ラインにおいて電着塗料の変化の対策を早急に図れるため品質に優れる塗装物品を供給できる。電着塗料の電導度測定方法のモデル図である。無電極型電磁誘導式電導度計の内部を示したモデル図である。無電極型電磁誘導式電導度計の外観のモデル図である。符号の説明1.無電極型電磁誘導式電導度計2.送信コイル3.受信コイル4.発信機5.検出機6.磁界7.電着塗料の流れ8.配管9.電着塗料浴10.摺動部分がないことを特徴とするポンプ20.保護のための樹脂21.発信機へのケーブル22.検出機へのケーブル30.外部出力のためのケーブル 電着塗料槽と共に循環路を形成する配管内において、0.01〜0.7m/秒の範囲の一定の流速で、塗料を移動させること、 該配管に無電極型電磁誘導式電導度計を設けて、塗料の電導度を測定することを含むことを特徴とする電着塗料の電導度測定方法。 無電極型電磁誘導式電導度計が、送信コイルと受信コイルを有する電磁誘導式の無電極型電導度計である請求項1に記載の電着塗料の電導度測定方法。 配管内の電着塗料が一定の流速を得る為に、配管内に、塗料が擦れる摺動部分がないポンプが設けられている請求項1に記載の電着塗料の電導度測定方法。 無電極型電磁誘導式電導度計(A)における送信コイルと受信コイルが、電着塗料浴を循環するための配管(B)の外側に配置してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法。 配管の管内径が、1mmφ〜100mmφである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電着塗料浴の電導度測定方法。 無電極型電磁誘導式電導度計(A)で測定可能な電導度の範囲が、500μS/cm〜2500μS/cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法を用いて得られた電導度のデータを、通信回線を通じて配信して電着塗料浴を管理する電着塗料浴の管理方法。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電着塗料の電導度測定方法を用いた電着塗料浴の管理方法。 【課題】 電着塗料の電導度を連続的に測定できる電導度測定方法を見出し、電着塗料を管理すること。【解決手段】 電着塗料槽と共に循環路を形成する配管内において、0.01〜0.7m/秒の範囲の一定の流速で、塗料を移動させること、該配管に無電極型電磁誘導式電導度計を設けて、塗料の電導度を測定することを含むことを特徴とする電着塗料の電導度測定方法。【選択図】 図1


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