タイトル: | 公開特許公報(A)_組換えインフルエンザウイルスおよびそれを用いたワクチン |
出願番号: | 2004059969 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N7/04,A61K39/102,A61P31/16,C12N15/09 |
榎並 正芳 田代 眞人 板村 繁之 JP 2005245302 公開特許公報(A) 20050915 2004059969 20040304 組換えインフルエンザウイルスおよびそれを用いたワクチン 有限会社金沢大学ティ・エル・オー 803000023 榎並 正芳 田代 眞人 板村 繁之 7C12N7/04A61K39/102A61P31/16C12N15/09 JPC12N7/04A61K39/102A61P31/16C12N15/00 A 12 1 OL 9 4B024 4B065 4C085 4B024AA01 4B024BA32 4B024CA04 4B024CA05 4B024CA11 4B024DA02 4B024EA02 4B024HA01 4B065AA90X 4B065AA95Y 4B065AB01 4B065CA24 4B065CA45 4C085AA03 4C085BA18 4C085CC07 4C085DD01 4C085DD22 4C085DD62 4C085EE01本発明は、組換えインフルエンザウイルス、より詳細には、強毒型である高病原性H5N1型インフルエンザウイルスの表面抗原遺伝子を改変した塩基配列を用いて遺伝子組換えを行った弱毒化インフルエンザウイルス、およびそれを用いたインフルエンザワクチンに関する。 インフルエンザは世界的規模で流行することがある重大なウイルス感染疾患の一つであり、効果的な予防法の確立が強く望まれている。しかし、インフルエンザウイルスは抗原変異の頻度が比較的高く、変異した抗原を有するインフルエンザウイルスに充分対応できインフルエンザ感染を高確率で予防できるワクチンは未だ開発されていないのが現状である。インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子表面に存在する主要な表面抗原であるヘマグルチニン(HA)タンパク質またはノイラミニダーゼ(NA)タンパク質の型によって、例えばAソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)等の亜型に分類される。トリを宿主とする亜型H5や亜型H7等のインフルエンザウイルスは強毒型として知られている(非特許文献1および2)。また、トリなどの他種動物を宿主とするインフルエンザウイルスが直接ヒトへ感染することも知られるようになり(非特許文献3)、実際1997年5月以降、それまでトリで確認されていたがヒトでは見つかっていなかった亜型H5インフルエンザウイルス(H5N1)の感染者が複数確認され、これらのインフルエンザウイルスに対するワクチンを一刻も早く製造することが求められている。Y. Kawaoka et al., Virology 158: 218-227 (1987)J.A. Walker and Y. Kawaoka, J.General Virol. 74: 311-314 (1993)K.Subbarao et al., Science 279: 393-396 (1998)インフルエンザウイルスに対するワクチンを製造するには、通常、インフルエンザウイルスを受精後10日前後の発育鶏卵の尿膜腔内に接種する。ウイルスは尿膜腔内にのみ感染し、漿尿液中にウイルスが蓄積する。その後漿尿液からウイルスを回収し、濃縮してワクチンの原料となるウイルスが製造される。これから、ホルマリン等で不活化したウイルス全粒子ワクチンや、ウイルスを分解しHAタンパク質画分から製造されるHAサブユニットワクチン等が製造される。ところが、亜型H5や亜型H7等の強毒型のウイルスは鶏卵に感染させると感染が胚へおよび、早期に胚が致死となるため、ワクチンを製造するために十分な量のウイルスを製造することが著しく困難であった。また安全上の観点からも強毒型ウイルスを直接取り扱わなくてすむワクチンの製造方法が望まれていた。 そこで、本発明では、クローン化遺伝子から感染性ウイルスを作製するリバースジェネティクスの手法を用いてH5N1型インフルエンザウイルスのHA遺伝子に弱毒化の変異を導入し、ワクチン製造に使用する弱毒化ワクチン株を作製することを目的とした。インフルエンザウイルスが細胞に感染するためには、HAタンパク質(HA0)がトリプシン様タンパク質分解酵素によって一部切断され、HA1及びHA2に開裂する必要がある。HA1が細胞表面のシアル酸受容体に吸着すると、エンドサイトーシスによりウイルス粒子が細胞内リソゾームに取り込まれ、酸性条件下で膜融合が起こって感染が成立する。従来型のインフルエンザウイルスは、肺や上気道にのみ存在するトリプシン様タンパク質分解酵素によって、HAタンパク質のGln/Arg-X-Arg のC端側が切断され開裂し、隣接した細胞に再感染が成立するため、インフルエンザの感染部位は気道部周辺に限られていた(Robert A. Lamb and Robert M. Krug, 'Orthomyxoviridae: The Viruses and Their Replication'in Fields Virology, Third ed., edited by B.N. Fields et al., Lippincon-Raven Publishers, Philadelphia, pp.1353-1445, 1996)。それに対して、高病原性H5N1型トリインフルエンザウイルスのようなH5亜型やH7亜型の一部のウイルスは、HAタンパク質の開裂部位に塩基性アミノ酸(Arg-X-Lys/Arg-Arg)が並んで存在し、広い細胞種に存在するFurin様酵素により開裂されるため、感染が全身におよび致死率が非常に高くなる。本発明者らは、前述したH5N1型インフルエンザウイルスのHAタンパク質の開裂部位に着目し、並んで存在する塩基性アミノ酸数を減らすことにより、ウイルス表面のHAタンパク質が受けるプロテアーゼの影響を抑え、その結果、感染性の低い弱毒化ウイルス株を作製することに成功した。また、同弱毒化ウイルス株は基となったH5N1型インフルエンザウイルス株と同程度の免疫原性を示し、ワクチン製造に使用するワクチン株として非常に優れていることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。すなわち、本発明によれば、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列をゲノム内に有することを特徴とする組換えインフルエンザウイルスが提供される。ここで、本発明の組換えインフルエンザウイルスの一態様では、ヘマグルチニンの型はH5型である。さらに、本発明の組換えインフルエンザウイルスの一態様では、ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列がコードするアミノ酸配列が、配列番号1記載のアミノ酸配列である。また、本発明の組換えインフルエンザウイルスの一態様では、ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列が、配列番号2記載の塩基配列である。さらに、本発明の組換えインフルエンザウイルスの一態様では、基となったインフルエンザウイルスが、H5N1型である。加えて、本発明の組換えインフルエンザウイルスの一態様では、基となったインフルエンザウイルスが、A/HK/156/97株である。 また、本発明によれば、本発明の組換えインフルエンザウイルスより製造されるインフルエンザワクチンが提供される。ここで、本発明のインフルエンザワクチンの一態様では、インフルエンザワクチンは、弱毒生ワクチン、不活化したウイルス全粒子ワクチン、またはヘマグルチニンサブユニットワクチンである。また、本発明のインフルエンザワクチンの一態様では、インフルエンザワクチンは、前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列を有するDNAを含むDNAワクチンである。さらに、本発明のインフルエンザワクチンの一態様では、前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列が、配列番号2記載の塩基配列である。 さらに、本発明によれば、本発明のインフルエンザワクチンを含む医薬組成物が提供される。ここで、本発明の医薬組成物の一態様では、医薬組成物は本発明のインフルエンザワクチンとは異なる別の1または2以上のインフルエンザワクチンをさらに含んでいる。 本発明の組換えインフルエンザウイルスは、HA遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列をゲノム内に有している。したがって、ウイルス粒子表面のHAタンパク質はプロテアーゼの影響を受けにくくなり、開裂されないため、該組換えインフルエンザウイルスは感染性の低い弱毒型となる。また、本発明の組換えインフルエンザウイルスの有する免疫原性は基となったH5N1型インフルエンザウイルスの抗原性を保持している。したがって、病原性が低く、且つH5N1型インフルエンザに対する防御応答を高頻度で惹起しうる本発明の組換えインフルエンザウイルスは、安全性が高く、優れたワクチン株として利用することが可能である。 以下、本発明の組換えインフルエンザウイルスについて詳細に記述する。 組換えインフルエンザウイルスを作製するにあたって、まず、強毒型インフルエンザウイルスからウイルスゲノムRNAを精製する。精製には、例えばRNeasy Mini Kit(Qiagen 社製)を用いることが望ましい。次に、上記ウイルスゲノムRNAを鋳型としてHA遺伝子に特異的なプライマーを用いてRT−PCR法によりHA遺伝子の全長をcDNAとして増幅し、ベクターを用いてクローニングを行う。ここで、用いるベクターとしては、pUC19が望ましい。ひきつづき、クローニング後のHA遺伝子のプロテアーゼ切断部位に変異を導入する。具体的には、並んで複数存在する塩基性アミノ酸を減少させるため、塩基性アミノ酸をコードする部分の塩基配列を欠失するか、または他のアミノ酸(例えば、酸性アミノ酸であるグルタミン酸、水酸基を有するスレオニン等)に置換すべく変異を導入する。変異の導入には、QuickChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社製)を用いて行うことが望ましい。 次に、榎並らの方法(J.Virol. 74, 5556-5561, 2000)に従った遺伝子組み換えにより、弱毒型トリインフルエンザウイルスのHA遺伝子を、前記変異を導入したHA遺伝子と置換して、遺伝子組換えインフルエンザウイルスを得る。すなわち、同組換えインフルエンザウイルスは、適当な宿主細胞にDEAEデキストラン法等の常法を用いてウイルスRNP(ウイルスRNA核蛋白複合体)をトランスフェクションすることにより産生され、増殖、単離精製を行うことができる。ここで、宿主細胞の例としては、MDBK細胞、MDCK細胞が挙げられる。 上述した方法で得られた組換えインフルエンザウイルスは、病原性が低いため、受精鶏卵尿膜腔内に接種しても鶏卵胚には感染せず、胚を死に至らしめることなく尿膜腔内でウイルスを増殖させることができる。さらに、同組換えインフルエンザウイルスは、免疫原性を有しているため、受精鶏卵で増殖したウイルスは、回収し、弱毒生ワクチンとして用いることができる。また、ホルマリン等で不活化処理を行い、不活化ワクチンとして用いることができる。くわえて、ウイルスを分解したHAタンパク質画分から製造されるHAサブユニットワクチンとして用いることもできる。これらのワクチンは、常法に従い投与することができる。 さらに、本発明で遺伝子組換えに用いた変異導入HA遺伝子は、適切な発現ベクターと連結させることにより、DNAワクチンとして利用することができる。ここで、発現ベクターは好ましくはプラスミドベクターである。発現ベクターの作製において有用なベクターとしては、構成性プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、あるいはインフルエンザウイルスのHAタンパク質由来のプロモーター等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。上記DNAワクチンは、CpGアジュバント等の適切なアジュバントを選択し組み合わせることにより投与することができる。 以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。1、遺伝子組み換えウイルスの作成強毒型トリインフルエンザウイルスA/HK/156/97 (H5N1)(以下の文中においてHK156と略称) からRNeasy Mini Kit(Qiagen 社)により精製したウイルスゲノムRNAを鋳型とし、HA遺伝子特異的合成DNAプライマー(forwardプライマー1:配列番号3、及びreverseプライマー2:配列番号4)を用いてRT−PCR法により全長のHA遺伝子(H5亜型)をcDNAとして増幅し、pUC19にクローン化した。QuickChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社製)と合成DNAプライマー(forwardプライマー3:配列番号5とreverseプライマー4:配列番号6)を用いて、HA遺伝子のプロテアーゼ切断部位に変異を導入した。具体的には、HA遺伝子の第1037位のAから第1048位のAまでの12塩基(AGAGAGAGAAGA)の欠失、第1052位のAをGに置換、第1056位のAをCに置換、及び第1057位のGをCに置換した。その結果、プロテアーゼ切断部位の塩基配列がコードするアミノ酸配列は、強毒型(PQRERRRKKR)から弱毒型(PQRETR)に変わった(図1)。次に、榎並らの方法(J.Viro. 74, 5556-5561, 2000)を用い、弱毒型トリインフルエンザウイルスA/duck/HK/836/80(H3N1) (以下の文中においてHK836と略称) のHA遺伝子を、上述した方法で弱毒化の変異を導入した上記H5亜型HA遺伝子と置換し、遺伝子組み換えウイルスHK/9-1-1 (H5N1) を得た。すなわち、HK836ウイルス粒子から精製し、HA遺伝子のみを分解除去したRNPと、試験管内で再構成した上記H5亜型HA遺伝子のRNPを共に、MDBK細胞またはMDCK細胞にトランスフェクションし、ウイルスプラークを形成させた。得られた遺伝子組換えウイルスはMDCK細胞を用いてプラーク単離し増殖を行った。また、パイロットワクチン作製のため同HK/9-1-1を10日目受精鶏卵尿膜腔に接種し、増殖した。2、マウスとニワトリでの病原性(弱毒化)の検証5 X 105 pfuのウイルスを4週齢ddYマウス(日本エスエルシー株式会社より購入)に経鼻接種すると、強毒型のHK156接種群では8日以内にすべて死亡したのに対して、HK/9-1-1接種群では全く症状を示さなかった(図2)。また、LD50で比較すると104以上弱毒化されていた(表1)。また、105.7 EID50のウイルスを1日齢雛に脳内接種(IC)、あるいは106.7 EID50のウイルスを6週齢鶏に静脈内接種(IV)すると、HK156接種群ではいずれの場合も顕著な病原性(PI)を示し、前者で100% (10/10)、後者で60% (6/10) の死亡率を示したのに対し、HK/9-1-1及びHK836接種群では全く症状を示さなかった(表1)。3、マウスを用いた免疫原性と感染防御能の検証HK/9-1-1ウイルスの弱毒生ワクチン又は不活化ワクチンとしての有効性を確認するため、HK156とこれとは若干抗原性の異なる分離株の強毒型トリインフルエンザウイルスA/HK/483/97 (H5N1)(以下の文中においてHK483と略称)を対象にして、免疫原性と感染防御能をマウスモデル動物により検証した。また、感染マウス血清中のHI抗体価と中和抗体価の上昇を確認した。4週齢ddYマウス群に、105 pfuのHK/9-1-1ウイルス(生ワクチン)を経鼻接種(免疫)、あるいは25μg(0.5 ml)のホルマリン固定不活化HK/9-1-1ウイルス(不活化ワクチン)を腹腔内接種(免疫)した。対照群は0.5 ml PBSを腹腔内接種した。免疫3週間後にそれぞれ3匹ずつのマウスを殺し血清を得た。HK156とHK483ウイルスに対する血清中和抗体価の上昇を確認した(表2)。同様に免疫3週間後に、1,000LD50のHK156またはHK483ウイルスを経鼻接種(チャレンジ)し、2週間観察を行った。チャレンジ4日後に、それぞれ3匹ずつのマウスを殺し、肺と脳内のウイルスの増殖を調べた。不活化HK/9-1-1免疫群では肺及び脳内でウイルスの増殖は確認されなかった(表2)。生HK/9-1-1ウイルス免疫群では肺での僅かなウイルスの増殖が見られたがPBS群と比べ10-5以下であった。HK156とHK483のPBS対照群(□)での致死率は92%と100%であったが、感染防御効果を致死率でみると、不活化ワクチン群(○)では83〜86%、生ワクチン群(●)ではいずれのウイルスに対しても100%の防御効果を示した(表2)。マウスの体重減少で比較しても、ワクチン接種による顕著な感染防御が確認できた(図3)。一方、HK156とHK483に対する防御効果の有意な違いはないと思われた。また、感染マウス血清中のHI抗体価の上昇も確認した(表3)。 本発明のインフルエンザワクチンは、近年流行が報告され問題となっているH5N1型インフルエンザに対する有効且つ安全なワクチンとして利用することができる。図1は、本発明の組換えインフルエンザウイルスの遺伝子改変部位の模式図である。Ksp632Iは制限酵素切断部位を、Nは非コード領域を、T3はT3プロモーター部位を示す。図2は、病原性の検証を行うため、HK/9−1−1ウイルスをマウスに経鼻接種した後の生存率を経時観察したグラフである。図3は、生ワクチン、不活化ワクチン、または対照実験のPBS接種による感染防御を、マウスの体重変化および生存率を指標として確認した図である。(A)および(B)は免疫3週間後にHK156株をチャレンジした後の経過、(C)および(D)はHK483株をチャレンジした後の経過を示す。インフルエンザウイルスのヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列をゲノム内に有することを特徴とする組換えインフルエンザウイルス。前記ヘマグルチニンが、H5型であることを特徴とする請求項1記載の組換えインフルエンザウイルス。前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列がコードするアミノ酸配列が、配列番号1記載のアミノ酸配列であることを特徴とする請求項1または2記載の組換えインフルエンザウイルス。前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列が、配列番号2記載の塩基配列であることを特徴とする請求項4記載の組換えインフルエンザウイルス。前記インフルエンザウイルスが、H5N1型であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の組換えインフルエンザウイルス。前記インフルエンザウイルスが、A/HK/156/97株であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の組換えインフルエンザウイルス。請求項1から6のいずれかに記載の組換えインフルエンザウイルスより製造されるインフルエンザワクチン。前記インフルエンザワクチンが、弱毒生ワクチン、不活化したウイルス全粒子ワクチン、またはヘマグルチニンサブユニットワクチンであることを特徴とする請求項7記載のインフルエンザワクチン。前記インフルエンザワクチンが、前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列を有するDNAを含むDNAワクチンであることを特徴とする請求項7記載のインフルエンザワクチン。前記ヘマグルチニン遺伝子のプロテアーゼ切断部位を改変した塩基配列が、配列番号2記載の塩基配列であることを特徴とする請求項9記載のインフルエンザワクチン。請求項7から10のいずれかに記載のインフルエンザワクチンを含むことを特徴とする医薬組成物。請求項7から10のいずれかに記載のインフルエンザワクチンとは異なる別の1または2以上のインフルエンザワクチンをさらに含むことを特徴とする、請求項9記載の医薬生成物。 【課題】 H5N1型インフルエンザに対する有効なワクチンを提供する。【解決手段】 H5N1型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質の開裂部位に並んで存在する塩基性アミノ酸の数を減少させるべくヘマグルチニン遺伝子を改変し作製した、病原性が低く免疫原性の高いウイルス株、およびそれを用いて作製するワクチン。【選択図】 図1配列表