生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酸性の還元水を用いた化粧水または化粧品
出願番号:2004039220
年次:2005
IPC分類:7,A61K7/00


特許情報キャッシュ

久保田 昌治 吉崎 正治 JP 2005232015 公開特許公報(A) 20050902 2004039220 20040217 酸性の還元水を用いた化粧水または化粧品 久保田 昌治 501072924 株式会社 ナチュラル 501208497 後田 春紀 100068308 久保田 昌治 吉崎 正治 7A61K7/00 JPA61K7/00 BA61K7/00 M 1 1 OL 8 4C083 4C083AB051 4C083AB052 4C083CC04 4C083EE12本発明は、紫外線に基因する染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみや、しわ等の肌の老化を防止、またはその回復を図ることのできる酸性の還元水を用いた化粧水または化粧品に関するものである。紫外線は、波長の長さによって長い順にUV−A、UV−BおよびUV−Cの3種類に分けられる。このうち、UV−Cは大気のオゾン層に吸収され、地表にはほとんど届かず、肌に影響を与えることはないが、UV−Bは、日やけの原因となり、大量に浴びると炎症を伴う日やけとなる。更に、UV−Bはそのほとんどが表皮内で散乱、吸収され、真皮に届くのは10%程度であるが、表皮の基底層にある色素細胞(メラノサイト)を活性化し、メラニン色素を多く作り出し、染みや、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル原因となる。一方、UV−Aは表皮を透過して真皮にまで達する。そして、酸素を真皮層内で老化の原因といわれる活性酸素に変えて、コラーゲン繊維層を切断し、肌にたるみや、しわを生じさせ、老化を早める原因となる。従来、前記のような紫外線に基因する染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみや、しわ等の老化の防止、または回復を図るため、種々の化粧品や薬剤が使用されているが、本出願人の特許出願に係る特開2002−348208号公報に開示された「還元水を用いた化粧水または化粧品」も、その中の1つである。特開2002−348208号公報しかしながら、前記従来の化粧品や薬剤では、紫外線に起因する肌のトラブルや、肌の老化を十分に解決できないという問題があった。前記特許文献1に記載された化粧水、または化粧品の原料となる還元水は、pHが強アルカリ性である。この強アルカリ性の還元水は、優れた柔軟性や、還元性を持っているが、特にアトピー等の皮膚疾患には、アルカリ性の化粧水、または化粧品は合わないので、配合する製品に制約があるという問題があった。本発明が解決しようとする課題は、酸性の還元水を、化粧水、または化粧品の原料水として使用することにより、電子を豊富に含む還元水が肌の酸化を防止すると共に、活性酸素の発生を抑制して、染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみや、しわ等の肌の老化を防止しようとする点にある。本発明は、3室型電解槽を用いて純水を電気分解して得られた還元水であって、生成時におけるpHが3.5〜5.5程度であり、且つORP(酸化還元電位)が−200〜−550mV(vs.Ag/AgCl)程度の還元水を、化粧水、または化粧品の原料水とすることを最も主要な特徴としている。3室型電解槽を用いて純水を電気分解して得られた電子を豊富に含む酸性の還元水を原料水とした化粧水、または化粧品を肌に使用することにより、紫外線により酸化された状態の肌に電子が供給され、前記酸化された肌が元の状態に戻り、また紫外線に当る前から前記化粧水、または化粧品を塗布しておくと、肌の酸化が防止され、紫外線に基因する染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみや、しわ等の肌の老化を防止、または回復を図ることができる。更に、本発明の化粧水、または化粧品の原料水として使用する還元水は、弱酸性の還元水であるため、アトピー等の皮膚疾患に適用できる化粧水、または化粧品を得ることができる。本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本発明に使用する酸性の還元水は、純水を電気分解して生成された還元水を使用する。従来、汎用されている2室型電解槽では、水道水レベルの水でも電気分解が起きにくいため、原水中に食塩を入れて電気を通り易くして電気分解している。しかしながら、前記2室型電解槽で得られた生成水中には、そのまま食塩が残留してしまうので、本発明では採用することができない。本発明に使用する還元水は、図1に示す3室型電解槽Aを用いて生成された還元水を使用する。すなわち、図1に示す電解槽は、カソード室1とアノード室2との間に、間隔を有して隔膜3・4を配設して中間室5を設け、且つ前記カソード室1とアノード室2の中に、それぞれカソード極6とアノード極7を配設して形成されている。そして、カソード室1とアノード室2に純水を入れると共に、中間室5にクエン酸を入れて電気分解すると、カソード室1内においては還元水が生成され、一方アノード室2内においては酸性水が生成される。通常、強アルカリイオン水を生成するときは、中間室5内に食塩などを入れるが、本発明においては、中間室5内にクエン酸を入れることによって、カソード室1内で酸性の還元水を生成することに成功した。また、前記中間室5内に入れる酸は、前記クエン酸以外のアスコルビン酸やその他の有機酸、または塩酸、その他の無機酸でも、酸性の還元水を生成することは可能である。本発明においては、カソード室1内において生成された酸性の還元水を、化粧水または化粧品の原料水として使用する。そして、前記生成された還元水の生成時におけるpHと酸化還元電位(ORP)を測定すると、pHは3.5〜5.5、ORPが−200〜−550mV(vs.Ag/AgCl)程度であって、マイナスの酸化還元電位をもちながら、pHが中酸性の還元水であることが判った。一般に、pHが中酸性である場合の酸化還元電位は、プラスの数値を示すが、本発明で採用される還元水は、前記したように、マイナスの酸化還元電位をもつ特殊な水ということができる。前記本発明で採用される酸性の還元水は、精製水等で希釈することにより、弱酸性のpHに調整できるので、該pHの調整により、あらゆる肌質向けの化粧水、あるいは化粧品の原料水とすることができる。更に、前記方法によって得られた酸性の還元水は、高純度で、洗浄能力において優れており、化粧水や化粧品の原料水として適していることが判った。特に、後述するテストの結果から、生成時におけるpHが4.5程度で、且つORPが−350mV程度の還元水が、本発明化粧水や化粧品の原料水として最適であることが判った。表1は還元水の1ヶ月ごとのpH数値の経時変化を示す図であるが、本発明に使用する還元水は、10ヶ月経過してもpHはほとんど変わらず、長期安定した品質を維持することができることが判明した。なお、前記経時変化を測定した還元水の最初の測定時のpHは4.0であった。そして、生成時におけるpHが4.5で、且つORPが−350mV(vs.Ag/AgCl)である還元水100%をそのまま(香料等の成分を全く添加していない状態)、22歳の女性の手の甲および腕に塗布してテストした。そして、その経過を株式会社アイ・ティ・オー製の商品名「ビューティースコープEX−400」(最新型小型高性能ビデオルーペ40倍率レンズ)で、肌の変化と持続性につき調査した結果を図3・図4の写真に示す。図2(1)に示す写真は、腕に前記還元水を塗付する前の状態を示す写真で、皮膚にくすみ(血行が悪くなり、肌の色が悪い状態)があると共に、皮膚がめくれ上がってかさついている状態であることが判る。図2(2)に示す写真は、前記図2(1)の状態の腕に前記還元水を塗付して十分乾燥させて10分程度後の状態を示す写真で、図2(1)の写真に示す状態に比べてくすみが少なくなり、且つかさつき部分が少なくなっていることが判る。また、図2(3)に示す写真は、風呂上がりに1週間毎日、腕に前記還元水を塗付し、1週間後の状態を示す写真で、前記図2(1)・(2)の写真に示す状態に比べて、くすみが少なくなり、且つかさつき部分が少なくなっていることが判る。すなわち、くすみが少なくなり、且つかさつき部分が少なくなったのは、前記還元水で肌細胞が活性化されたためであると共に、活性酸素の消去作用のあるSOD酵素を活性化させ、肌の老化の原因である活性酸素が除去されたためであると考えられる。前記のテストにより、前記酸性の還元水は、くすみや、かさつきを治すだけでなく、皮膚の状態を変えながら治す力を持っていることが判った。また、1度かさつきをなくすことで、皮膚の持つ本来の質を保持する効果があるので、一度還元した皮膚は、再度皮膚表面がかさつくことがなく、皮膚が再度かさつきにくい皮膚質に変えていくということが判った。以上のことより、本発明に使用される還元水は持続性および免疫力があるという確証が得られた。なお、前記テストは還元水をそのまま化粧水として使用した場合のものであるが、還元水をクリーム等の化粧品の原料水と使用しても、同様の効果が得られると考えられる。前記テストの結果のように、還元水を利用すると、肌のトラブルおよび肌の老化に有用であるのは下記の理由による。すなわち、前記生成された還元水は、電子を豊富に含む水である。一方、肌に紫外線が当ると電子が肌から飛び出して、肌は酸化された状態となる。そして、前記酸化された状態の肌に、電子量の多い還元水を塗布すると、肌に電子が供給され、元の状態に戻るからである。従って、紫外線に当る前から前記還元水を原料とする化粧水、または化粧品を塗布しておくと、肌の酸化が防止されることになる。前記肌の酸化が防止されることにより、当然ながら染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみや、しわ等の肌の老化の防止にも効果があることになる。また、前記還元水は、弱酸性の還元水であるため、アルカリ性の還元水では合わなかったアトピー等の皮膚疾患に適用できるのである。また、本発明に使用する還元水の洗浄能力についてのテスト結果を図3の写真に示す。テスト方法は手の甲にマスカラ(油性)を塗り込み、汎用の2槽式電解槽による電気分解により得られた生成水を染み込ませたコットンと、生成時におけるpHが4.5で、且つORPが−350mV(vs.Ag/AgCl)である還元水を染み込ませたコットンで拭き取り、その違いを評価したものである。図3(1)に示す写真は、拭き取り前の写真であり、図3(2)に示す写真は、精製水コットンでの拭き取り後の写真であり、また、図3(3)に示す写真は還元水コットンでの拭き取り後の写真である。前記各写真から判るように、図3(2)に示す精製水の方は、伸びるようにうっすら消えるものの、余り落ちない。一方、図3(3)に示す還元水の方は、伸びることなく、少し固形化して落ちていることが判る。すなわち、前記テストから、還元水は洗浄能力において優れていることが立証できたので、肌についた汚れで、洗顔クリーム、石けん等で容易に落ちないものでも、還元水を使用すると、当然ながら汚れが極めて簡単に落ちると考えられる。前記各特性を有する生成時におけるpHが4.5で、且つORPが−350mVである還元水100%を化粧水としてスプレーで噴霧するようにして、20〜40代の女性にモニターになってもらい、2〜3週間使用した感想をアンケートに取った結果を以下に示す。なお、その使用方法は、朝晩洗顔後に顔全体にスプレーした後、軽くパッティングし、更に乳液等の保湿成分(テスト用の還元水には保湿成分が配合されていないため)を塗布するよう指示したが、保湿成分を塗布しなかったモニターが数名あった。・ 20代後半(女性) 肌のかさつきが、酸性の還元水を使ってみたところなくなった。・ 20代半ば(女性) アトピー症状の悪化がなく、かゆみが少し軽くなった。・ 30代前半(女性) 化粧ののりが良くなり、肌のくすみも改善された。・ 30代後半(女性) 化粧ののりが良くなった。また、化粧がくずれにくくなった。・ 40代半ば(女性) 肌のつやが良くなった。・ 30代後半(女性) 肌のかさつきが改善され、化粧くずれがしにくくなった。・ 20代後半(女性) ざらついていた肌がすべすべになった。・ 20代後半(女性) 化粧水を使用したときの保湿感の持続が長くなった。・ 40代前半(女性) 肌荒れ気味だったのだが、つけはじめてから症状が軽くなった。・ 20代半ば(女性) 顔に出来たニキビの赤みが少しずつ引いた。前記アンケートの結果から、前記還元水を原料水とした化粧水または化粧品は、紫外線により酸化された肌が元の状態に戻り、染み、そばかす、くすみやかさつき等の肌のトラブル、およびたるみやしわ等の肌の老化を防止することができることが推奨される。本発明に使用する性還元水を生成する3室型電解槽の概略説明図である。本発明に使用する還元水を腕に塗布する前の状態を示す写真である。本発明に使用する還元水を腕に塗布し、10分経過後の状態を示す写真である。本発明に使用する還元水を風呂上がりに1週間毎日腕に塗布し、1週間後の結果を示す写真である。本発明に使用する還元水の洗浄効果を示すための写真であって、手の甲にマスカラを塗りこんで拭き取り前の状態を示す写真である。本発明に使用する還元水の洗浄効果を示すための写真であって、手の甲にマスカラを塗りこんで、精製水コットンで拭き取った後の状態を示す写真である。本発明に使用する還元水洗浄効果を示すための写真であって、手の甲にマスカラを塗りこんで、還元水コットンで拭き取った後の状態を示す写真である。符号の説明 A 3室型電解槽: 1 カソード室: 2 アノード室: 3・4 隔膜: 5 中間室: 6 カソード極: 7 アノード極 3室型電解槽を用いて純水を電気分解して得られた還元水であって、生成時におけるpHが3.5〜5.5程度であり、且つORP(酸化還元電位)が−200〜−550mV(vs.Ag/AgCl)程度の還元水を、原料水とすることを特徴とする酸性の還元水を用いた化粧水または化粧品。 【課題】紫外線に基因する染み、そばかす、くすみや、かさつき等の肌のトラブル、あるいは、たるみやしわ等の肌の老化を防止、またはその回復を図ることができる還元水を用いた化粧水または化粧品を提供する。【解決手段】3室型電解槽を用いて純水を電気分解して得られた還元水であって、生成時におけるpHが3.5〜5.5程度であり、且つORP(酸化還元電位)が−200〜−550mV(vs.Ag/AgCl)程度の還元水を、化粧水または化粧品の原料水とする。【選択図】図1


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