タイトル: | 再公表特許(A1)_低血糖症状回復用補助食品 |
出願番号: | 2004003156 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 31/7004,A23L 1/30,A61P 3/02 |
佐々木 貴生 山田 靖子 JP WO2004080469 20040923 JP2004003156 20040310 低血糖症状回復用補助食品 アークレイ株式会社 000141897 矢野 寿一郎 100080621 佐々木 貴生 山田 靖子 JP 2003065813 20030311 A61K 31/7004 20060101AFI20060512BHJP A23L 1/30 20060101ALI20060512BHJP A61P 3/02 20060101ALI20060512BHJP JPA61K31/7004A23L1/30 ZA61P3/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20060608 2005503554 16 4B018 4C086 4B018LB10 4B018LE04 4B018LE05 4B018MD28 4B018ME03 4B018ME14 4B018MF14 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA01 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA28 4C086MA52 4C086NA12 4C086ZC21 本発明は、糖尿病患者がインスリンの投与した後等に発生する、低血糖症状を回復する為の低血糖症状回復用補助食品に関するものである。 従来から、糖分を含有した低血糖症状回復用補助食品が発明され、製品化されているが、いずれも就寝中の低血糖症状を回復させるために、糖の放出に持続性を持たせたものばかりであり、短時間の作用を期待したものではなかった。例えば、特表2000−509258号の『糖尿病用補足バー』や、特表平9−512792号の『糖尿病患者の低血糖を減少させるための複合炭水化物の使用』等の技術である。 また、従来から、図12・図13・図14に図示したような低血糖症状回復用補助食品も公知とされている。図12は、ブドウ糖分包10の状態の低血糖症状回復用補助食品の斜視図、図13は、キャンディ状の低血糖症状回復用補助食品11の斜視図、図14は、ラムネ・タブレット状の低血糖症状回復用補助食品12の斜視図である。ところが、低血糖症状を回復させるための純粋なグルコースは、数社から供給されているものの、いずれも図12のブドウ糖分包10のような顆粒状や、図13や図14のキャンディ状の低血糖症状回復用補助食品11や、ラムネ・タブレット状の低血糖症状回復用補助食品12のようなタブレット状であり、咀嚼機能が低下している患者、唾液分泌機能が低下している患者らにとっては、噛み砕いたり、咀嚼したり、嚥下したりする必要があり、極めて摂取しにくかったのである。その他に、コーヒーや紅茶を飲用する際に使用するスティックシュガー等も、簡易的に低血糖症状回復用補助食品として使用されているのである。しかし、スティックシュガーや、図12の粉末状のブドウ糖分包10は、乾燥した粉末状であるので、低血糖症状の患者にとっては極めて摂取しにくいのである。また、スティックシュガーの場合には、砂糖はグルコースとフルクトースからなる二糖であるが、砂糖(スクロース)を、フルクトースとグルコースへ分解できない患者(αグルコシターゼ阻害剤の服用患者)も存在することから、グルコースそのものを摂取することが最も望ましい。 上記のような持続性のある低血糖症状回復用補助食品では、例えば、決められた食事時間の前に低血糖症状に陥った場合、持続性を持たせた低血糖症状回復用補助食品を摂取すると、低血糖回復後も血糖値が高い状態が続き、その状態で食事を摂ることとなり、結果的に血糖値のコントロールに失敗するという不具合があったのである。 [従来の低血糖症状回復用補助食品との比較対比] 下記のような従来技術が存在したのである。 しかし、低血糖時に要求されるポイントをすべて兼ね備えた商品が存在しなかった。 次に上記の従来技術の欠点について説明する。 ブドウ糖(粉末分包)の場合には、αグルコシダーゼ阻害薬の常用者に対して、サービス的に提供されているものであり、患者や医療関係者等の一部の人のみ入手が可能である。分包されて適量とは言え、粉末であるために嚥下しにくい上に、低血糖時に震えのある手では散逸してしまう。ブドウ糖タブレットは固形であるために過度に甘く感じ、水なしの摂食は困難である。また、ブリスターパックにブドウ糖タブレットが1個ずつシーリングされた分包容器タイプでは、低血糖時に震えのある手では開封しにくい。また、ブドウ糖タブレットは、1個が2から5gのタブレットになっており、食べると口が渇き、不快となる。適量のグルコースを摂取するためには1回で2個以上を食べることが必要になるが、2個以上を食べることは容易ではない。飴状タイプの場合には、携帯性は良いが、溶けるのに時間がかかるため、緊急性を要する場合には適さない。また、最近はシュガーレス飴なども多く、誤食の可能性もあった。ジュースの場合には、携帯に負担がかかり、ブドウ糖量の多い飲料はあまり存在せずに限られている。また、低血糖で震えると封を開けづらく、量も100ml以上の摂取が求められる。 本発明においては、グルコースとしたが、その他に、ショ糖を加水分解した果糖ブドウ糖液糖も主成分としても良いものである。 血漿中の糖である血糖は、ほとんどがグルコース(ブドウ糖)であり、哺乳類にとって重要なエネルギー源である。 特に人間の大脳を始めとする中枢神経系では、グルコースが唯一のエネルギー源になっている。空腹時(食後5時間以降)では肝臓から1時間あたり8グラム程度のグルコースが放出され、そのうちの約2分の1を脳が、筋肉と赤血球がそれぞれ4分の1を消費している。血糖値は通常、腸からの吸収と肝臓での産生による上昇と筋肉などでの消費による低下とのバランスの上に厳密に調整されている。しかし、この調整が上手くいかなくなると高血糖症状や低血糖症状が発生するのである。 高血糖状態が続くのを糖尿病といい、これは膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンがさまざまな原因で働かなくなり、細胞が血液中のグルコースを利用できなくなることによって発生する。高血糖状態が続くと過剰のグルコースは血管を作っている細胞の蛋白と結合して細胞本来の機能を失わせてしまう。このために目や腎や神経の微細な血管が障害されて、糖尿病性の網膜症、腎症、神経症に罹り、重篤な場合は失明したり、腎不全で透析をしなければならなくなったり、歩行が困難になったりする。また、動脈硬化により心筋梗塞を起こしやすくなる。これが、糖尿病の症状である。現在、糖尿病患者数は、約600万人で、その内60万人がインスリン治療を要すると言われており、そして、インスリン治療を要する概略6万人が入院、残り54万人が自宅治療をしている。 低血糖症状は、上記した糖尿病の治療薬のインスリン注射薬や血糖降下薬により、逆に、必要以上に血糖値が下がってしまい発生する症状である。 通常の人間の基準値は70〜109mg/dlであるが、低血糖症状は、おおよそ血糖値は50mg/dl以下の状態が目安となる。低血糖を起こす原因としては、インスリン等の薬そのものの量が多い,食事が遅れる,少ししか食べない,飲酒や,激しい運動や,下痢や,嘔吐や,別の薬との併用などが上げられる。そして、時間的には食前の空腹時に現れやすい。低血糖症状が現れても、直ぐに甘いもの即ち糖分を摂取すれば、間もなく回復するのである。 低血糖症状としては、震え、寒け、動悸、冷や汗、強い空腹感、力の抜けた感じ、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、ぼんやり等がある。更に症状が重くなると、異常な言動や、痙攣や、昏睡や意識朦朧等を発症することもある。低血糖症状の予防や対策としては、低血糖症状が現れたら、直ぐに甘いものを摂取することが大事である。 しかし、低血糖時は、思考能力が低下しており、冷静な判断はできない状況である。その中で適切な糖分の補充がなされない場合、手当たり次第、食べる傾向に陥る。その為低血糖回復後の血糖コントロールは乱れ、更に精神衛生上良くない状況となる。 低血糖症においては、ショック症状の発症、あるいは頭部へのエネルギー補給能力の低下による危篤状態の発生などが知られている。 また、普段は甘いものを制限している患者の中には「低血糖になったら甘いものを食べて良い」と考える患者も少なくない。このような考え方は、糖尿病の治療において厳密には誤った考え方であり、適切な血糖コントロールを維持できない。そのような考え方をする理由は、低血糖時には「砂糖を摂取すること」と指導していること、適切な専用の商品が存在しないことが一因と考えられる。 糖尿病患者の中でも入院患者は、専門医の治療を受けているのでたとえインスリン注射後等に血中グルコース濃度が極端に低くなる低血糖症になった場合にも、速やかに医師の治療が受けられる。しかし一方、自宅治療の患者は、低血糖症になった時、緊急の対応が必要となる。 通常、前記の自宅治療の糖尿病患者でも、自宅にいる場合であれば、食事時間を早めるなどの対応が可能であるが、学校,勤務中など、決められた食事時間がある場合や、会議中,運転中など、食物を摂取しづらい状況にある場合は、スティックシュガーを摂り、血糖値を上げるような対応を行う。 しかし、砂糖は乾燥した粉末状、またはタブレット状であり、極めて摂取しにくい。また、砂糖はグルコースとフルクトースからなる二糖であるが、砂糖をフルクトースとグルコースへ代謝できない患者(αグルコシターゼ阻害剤の服用患者)も存在することから、グルコースそのものを摂取することが最も望ましい。 ところが、低血糖症状を回復させるための純粋なグルコースは、数社から供給されているものの、先述のようにいずれも顆粒状・タブレット状であり、咀嚼機能が低下している患者、唾液分泌機能が低下している患者らにとっては、極めて摂取しにくいことに変わりない。 低血糖症状回復用補助食品は、携帯しやすく少量で有効量を喫食しやすいことが必須条件である。 そこで、低血糖症状に陥った場合、手軽に摂取でき、瞬時に低血糖症状を回復でき、しかも回復後は持続性を有することのない低血糖症状回復用補助食品を提供するものである。 本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。 請求項1においては、低血糖症状時の低血糖回復用糖分の主成分としてグルコースを主成分とし、該グルコースを含む補助食品をゼリー状食品としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品である。 請求項2においては、請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品を、1包装に10〜20gのグルコースを含む食品としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品である。 請求項3においては、請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、グルコース濃度は20〜65%としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品である。 請求項4においては、請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、1包装に、15〜50gの全体容量で包装されることを特徴とする低血糖症状回復用補助食品である。 請求項5においては、請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、ゼリー状の性状は、20℃でゼリー強度が10〜100g/cm2であることを特徴とする低血糖症状回復用補助食品である。 本発明は以上のように構成した低血糖症状回復用補助食品であるので、次のような効果を奏するものである。 第1に、グルコースをゼリー状にすることで、大量の糖でも水がなくても摂取しやすい状態になる。水が無くても、多量の糖・高濃度の糖を手軽に摂取できるという効果を奏する。 第2に、ゼリー状なので高濃度のグルコースが摂取しやすい。 第3に、糖をゼリー状にすることで、ゲル化剤のマスキング効果により、強烈な甘味を緩和することができる。 第4に、グルコースを、低血糖回復用糖分の主成分とし、該グルコースを10g以上含むので、血糖値が速やかに上昇する。 第5に、30g程度の小包装の手の平サイズであるため、携帯性がよい。 第6に、水が無くても、多量の糖・高濃度の糖を手軽に摂取できる。 第7に、グルコースを主成分としているのでαグルコシターゼ阻害薬を使用している人も使える。 第8に、低血糖時はグルコースもしくは低分子の糖を摂取することで、速やかに血糖値を回復することができる。 第1図はラミネートチューブ包装の実施例を示す平面図。 第2図は同じく図1の斜視図。 第3図は同じく服用状態の斜視図。 第4図は折曲操作だけで抽出口2bが開口できる、折曲開口容器2の実施例を示す斜視図。 第5図は同じく折曲開口容器2の表側を示す斜視図。 第6図は同じく折曲開口容器2を開口して服用している状態の斜視図。 第7図はラミネート包装であるが、抽出部には螺子蓋4が設けられた実施例の斜視図。 第8図は樹脂製小型容器と螺子蓋4の組み合わせた型の容器の斜視図。 第9図は樹脂製小型容器と折曲切片型の容器の斜視図。 第10図はアルミ箔もしくは樹脂製チューブ型容器の斜視図。 第11図はグルコースの摂取形態と血糖値変化を示す図。 第12図は食べ物を飲みこむ過程を示す図。 第13図は喉頭蓋近傍における食物の流入過程を示す図。 第14図はグルコースを含むゲル状物の吸収状態を示す模式図。 第15図はブドウ糖分包10の状態の低血糖症状回復用補助食品の斜視図。 第16図はキャンディ状の低血糖症状回復用補助食品11の斜視図。 第17図はラムネ・タブレット状の低血糖症状回復用補助食品12の斜視図。 本発明は、グルコースを、低血糖回復用糖分の主成分とするものである。 グルコースとは、アルドヘキソースの1つ、D−グルコースはブドウ糖ともいい、代表的なアルドースである。単糖類のうちD−フルクトースとともに最も分布が広く、遊離状態では甘い果実中に多量に存在し、また血液、脳脊髄液、リンパ液中にも少量含まれ、糖尿病患者の尿中には多量に存在する。また二糖類(マルトース、サッカロース、ラクトースなど)ないし多糖類(セルロース、デンプン、グリコゲンなど)、さらに配糖体の構成成分として存在する量は非常に多く、これらの加水分解によって得られる。D−グルコースは水に溶けやすく甘味をもつ、還元糖である。 グルコースはアルコールには溶け難く、エーテルに不溶。種々環状異性体が知られており、ピラノース環をもつものにはα−およびβ−D−グルコピラノースがある。 水から結晶したものは1分子の結晶水をもつα型で、融点86℃。エチルアルコール、メチルアルコールから結晶したものは結晶水をもたないβ型で、融点146.5℃、比旋光度[α]D=+109.6度。β型はα型をピリジン中で加熱し0℃で結晶化すると得られ、融点148〜150℃、比旋光度[α]D=+20.5度である。両型とも水溶液中では変旋光を示し、終極値は[α]D=+52.3度である。この平衡状態への移動はアルカリにより著しく促進される。フラノース環をもつものにも、α−およびβ−グルコフラノースがあるが、ピラノース型にくらべて不安定で、結晶状に得られたものはエチルグルコシドそのほか数種の誘導体だけである。D−グルコースのフェニルヒドラゾンは左旋性、融点160℃(α型)、141℃(β型)でD−グルコサゾンは左旋性、融点145℃(α型)、205℃(β型)である。 そのほか種々のグルコシド、エーテル、エステルなどが天然あるいは人工的に知られている。酸化すればD−グルコン酸、D−糖酸を還元すればD−ソルビットを与え、真空蒸留によりα−グルコンサン、β−グルコンサンを生ずる。種々生物体のエネルギー源として利用され、酵母により発酵する。L−グルコースは天然には存在せず天然産のL−アラビノースから増成して得られる。融点は143℃(α型)、比旋光度[α]D=−51.4度(終極値)である。そのグルコンサゾンは右旋性、ジフェニルヒドラゾンはは融点163℃で難溶性である。DL−グルコースはD−グルコース、L−グルコースの等量を混合溶解するか、DL−グルコン酸ラクトンの還元によって人工的に合成される。DL−グルコサゾンは融点218℃である。 本発明においては、上記したグルコースを、1包装に10〜20g(糖尿病療養指導要領に記載の量)を含むように構成している。 そして、全体に対するグルコース濃度は20〜65%に設定している。 本発明の低血糖症状回復用補助食品は、これにゲル化剤や風味料やビタミン類やミネラル類等を加えて、1包装に、15〜50g、好ましくは30gの全体容量で包装されている。そして、低血糖症状回復用補助食品をゲル状からジャム状に近いゼリー状の物質に構成して、咀嚼や嚥下を容易にしているのである。そのゼリー状の性状は、グミキャンデーレベルの歯ごたえが無いように構成しており、これにより咀嚼の必要がなく、嚥下が容易になるように構成しているのである。 ゼリー状とする為の糊料としては、例えば寒天、ゼラチン、ペクチン、増粘多糖類、レシチン(例えば卵または大豆由来)、修飾レシチン(例えば酵素処理またはアセチル化されたもの)、カラーギナン、キサンタン・ガム、モノー及びジグリセリド、グアー・ガム、カルボキシメチル・セルロース、ステアロイル・ラクチレートコハク酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリドのジアチル酒石酸エステル、脂肪酸のポリグリセロース・エステル等を用いることができる。 本発明に係る低血糖症状回復用補助食品は、美的概観を高めるために、天然又は人工の着色料や酸味料を添加することができる。酸味料を添加することで、甘味を軽減することもできる。 また、本発明の低血糖症状回復補助食品は、場合により、嗜好性を高め、より口に合うものとするために、それに風味料を加えることもできる。 風味料は風味のある抽出物、エステル、揮発性油、チョコレート風味料、レーズン、チョコレート、ココナッツ、ピーナッツ等、またはストロベリー、チェリー、オレンジ、バニラ、ナツメグ、シナモン等の香辛料、バニラ又はいずれかの商業的に入手可能な天然又は人口香味料等を1種以上添加する形態であることができる。 風味料は風味のある抽出物、例えば純粋なアニス抽出物、模造バナナ抽出物、模造チェリー抽出物、チョコレート抽出物、純粋なレモン抽出物、純粋なオレンジ抽出物、純粋なペパーミント抽出物、模造パイナップル抽出物、模造ラム抽出物、模造イチゴ抽出物又は純粋なバニラ抽出物;あるいは揮発性油、例えばバーム油、ベイ油、ベルガモット油、シーダー材油、チェリー油、シナモン油、クローブ油、はっか油又はペパーミント油の形態であることができる。 本発明の低血糖症状回復用補助食品の保存寿命を延ばすために、防腐剤をそれに加えることもできる。好ましくはソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム又はEDTAカルシウムナトリウムなどの防腐剤が用いられる。 本発明の低血糖症状回復用補助食品には、さらにビタミン類及びミネラル類を添加するのが好ましい。ここで、前記のビタミン類とは、具体的には、例えばビタミンA1、A2,A3、ビタミンB1(チアミン)、B2(リボフラミン)、B6(ピリドキシン)、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD1、D2、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH(ビオチン)ビタミンK、ビタミンP及びL−カルニチン(ビタミンBT)、ビタミンU、ナイアシン(ニコチン酸)等、あるいは、ベータカロチン等のビタミン類の前駆体も挙げられる。また、他に、イノシトール、葉酸、パントテン酸、コリン酸が挙げられる。前記のミネラル類とは、例えば、カルシウム、リン、ヨウ素、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、塩化物、カリウム、ナトリウム、セレン、クロム、およびモリブデン等が挙げられる。 実施例(処方) アスコルビン酸は酸味料である。アスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムで、緩衝液となる。 精製水へ、グルコースとゼラチンと寒天を混合し、攪拌分散し、85℃で5分間加熱して、ゲル成分を溶解させた。そこへヨーグルトフレーバーを添加混合し、アスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムでpHを4.0に調製した。 ゲル状の性状については、咀嚼が必要なく、嚥下が容易となるように、ゼリー強度・粘度を次の如く調製した。 20℃でゼリー強度が10〜100g/cm2であることが望ましい。ゼリー強度が10g/cm2未満であると、嚥下において誤嚥下を生じやすくなる。またゼリー強度が100g/cm2を超えると、咀嚼困難者にとっては咀嚼が困難になる。歯茎や舌でつぶせる食品の堅さとして、堅さを一定速度で圧縮した時の抵抗(N/m2)で示すと、5×104N/m2)以下である(財団法人日本健康・栄養食品協会 栄養食品部編集特別用途食品申請の手引き(第1版) 高齢者用食品の規格より)。また、5×103N/m2以下であると、咀嚼しなくても嚥下できるとされる。 得られたゲル状溶液を、内容量が30グラム相当になるように、ポリエチレンバックに充填し、卓上インパルスシーラーにて封をした。85℃で20分間ボイル殺菌し、その後、水冷した。 次に本発明の低血糖症状回復用補助食品の、包装状態の実施例を説明する。 第1図はラミネートチューブ包装の実施例を示す平面図、第2図は同じく第1図の斜視図、第3図は同じく服用状態の斜視図である。該ラミネートチューブ1による包装においては、抽出口1bを突設し、該ラミネートチューブ1の縁部に切断切り込み1aが設けられている。低血糖症状の患者は、素早く切断切り込み1aを切断して、第3図の如く、内部の低血糖症状回復用補助食品を押し出しながら、嚥下するのである。 第4図は、折曲操作だけで抽出口2bが開口できる、折曲開口容器2の実施例を示す斜視図、第5図は同じく折曲開口容器2の表側を示す斜視図、第6図は同じく折曲開口容器2を開口して服用している状態の斜視図である。該折曲開口容器2の場合には、表側に容器部2cが左右に分包状態で設けられており、左右の容器部2cの間を第5図の連結溝2dで連結している。そして、左右の容器部2cの中央に折曲線2aが構成されており、該折曲線2aで折曲が容易に出来るように構成されている。該折曲線2aの線で、服用者は左右の端部を押して折り曲げて、裏面側を突出側にすることにより、連結溝2dの中央の抽出口2bが開口して、低血糖症状回復用補助食品が、特別な開封操作をすることなく、押し出し吐出できるのである。この場合には、左右から折曲開口容器2を折り曲げる操作だけであるので、簡単な開封操作で低血糖症状回復用補助食品を取り出すことが出来るという特徴がある。 第7図はラミネート包装であるが、抽出部には螺子蓋4が設けられた実施例の斜視図、第8図は、樹脂製小型容器と螺子蓋4の組み合わせた型の容器の斜視図、第9図は、樹脂製小型容器と折曲切片型の容器の斜視図、第10図は、アルミ箔もしくは樹脂製チューブ型容器の斜視図である。第7図と第8図の実施例では、螺子蓋4を螺子回して外して開封する必要があるが、携帯中には簡単に開封しないという利点が存在する。第9図の場合には、折曲げることにより切断して開封することが出来るので、容易に開封することが出来る。第10図の場合には、より確実な容器となっている。螺子蓋4の場合には、低血糖症状が出ても、ある程度、確実な意識が存在する患者の場合に使用できる。 次に、ゼリー状の低血糖症状回復用補助食品の摂取による血糖値の時間変化について説明する。複数の被験者にグルコースを異なる形態で摂取させ、血糖値の時間変化を測定した。この結果に基づいて説明する。 第11図はグルコースの摂取形態と血糖値の時間変化を示す図である。 まず、グルコースを含む4種類の食品を作成し、被験者達に摂取させて血糖値の変化を一定時間測定した。4種類の食品は、グルコース5gをゼリーに混ぜたもの、10gをゼリーに混ぜたもの、グルコース10gを水で溶かしたもの、そして10gのグルコース粉末であった。 グルコース5gをゼリーに混ぜたものは、表2の処方におけるゲル化剤6.6gにグルコースを5g加えてゲル化したものであり、グルコース濃度は43重量%である。なお、ゲル化剤は重量比で、精製水63.5に対して、ゼラチン2と、寒天0.05を加えたものである。精製水にゼラチン、寒天およびグルコースを加えて攪拌した後に、85℃で5分間加熱する。この後に、冷却してゼリー状の低血糖症状回復用補助食品を得たものである。 グルコース10gをゼリーに混ぜたものは、表2の処方におけるゲル化剤20gにグルコースを10g加えてゲル化したものであり、33重量%であった。 グルコース10gを水で溶かしたものは、20gの水に10gのグルコースを溶解させたものであった。 そして、10gのグルコース粉末は、摂取において、被験者の唾液により嚥下するものであり、飲み込むために飲料水を用いなかった。 第11図の横軸は時間軸であり、食品の摂取直後の時間を0とした。縦軸は食品の摂取後における血糖値の変化量を示すものである。第11図において、グルコース5gをゼリーに混ぜたものはひし形のポイントで示し、Gg5であらわした。10gをゼリーに混ぜたものは四角形のポイントで示し、Gg10であらわした。グルコース10gを水で溶かしたものは三角形のポイントで示し、Ga10であらわした。そして10gのグルコース粉末はX形のポイントで示し、Gs10であらわした。 第11図に示されるごとく、いずれの食品においても摂取後の60分間において血糖値の上昇がみられた。グルコース10gをゼリーに混ぜたものと、10gのグルコース粉末においては、摂取5分後に若干の血糖値の低下があったものの、摂取10分後には摂取直後よりも血糖値の上昇が見られた。グルコース5gをゼリーに混ぜたものは、摂取20分後が血糖値上昇のピークとなり、その後血糖値の上昇量が緩やかにさがった。10gをゼリーに混ぜたもの、グルコース10gを水で溶かしたもの、10gのグルコース粉末においては、摂取30分後が血糖値上昇のピークとなり、その後血糖値の上昇量が緩やかにさがった。10gをゼリーに混ぜたものと、10gのグルコース粉末とは、60分間の測定において、血糖値上昇量の変化が似たものであった。 すなわち、グルコースを摂取する場合に、ゼリーに混ぜた状態においても、粉末状態においても、血糖値にあたえる変化はほぼ同じである。このため、グルコースをゼリーに混ぜることにより、グルコース粉末のように血糖値上昇に即効性があるとともに、食し易すい低血糖症状回復用補助食品を提供できるものである。 次に、ゲル状低血糖症状回復用補助食品が摂取される過程について説明する。第12図は食べ物を飲みこむ過程を示す図であり、(a)は舌上に食塊が位置する状態を示す図であり、(b)は食塊が喉頭蓋に到達した状態を示す図であり、(c)は食塊が食道に送り込まれた状態を示す図である。 一般に、食べ物は噛み砕かれる過程で、分泌された唾液と混ぜ合わせられる。そして、飲み込みやすい塊(食塊)となり、口からのど(咽頭)へと送り込まれる。食塊が食道へと飲み込まれる過程では、喉頭蓋が重要な役割をはたしており、この喉頭蓋により食物の気管への流入を阻止している。図12を用いて説明する。食べ物は噛み砕かれ唾液と混ぜ合わせられ食塊35となり、舌31により咽頭へと送られる。そして、舌31が持ち上がり食塊35が咽頭に達すると、喉頭蓋33が下がり気管32の入口がふさがれる。そして、食道34の入口部が開き、呼吸がいったん停止した状態で、食塊35が食道を下方に送られる。 食べ物を食べる時には、目で見て判断し、唾液が分泌され、咀嚼により食塊が作られ、舌で咽頭へと送り込み、呼吸を止めて、食道に流すなど、瞬時にとても複雑な動きがなされる。しかし、体調不良などにより、この一連の動作が困難になる場合も考えられる。特に問題となるのは、喉頭蓋33により気管32が十分に閉じる前に食物が送られる場合である。 第13図は喉頭蓋近傍における食物の流入過程を示す図であり、(a)は粘性の低い食物の流入過程を示す図であり、(b)は粘性の高い食物の流入過程を示す図である。(a)に示すごとく、粉末やジュースを飲みこむ場合には、粘性が低く流動性が高いため、食物38が急速にのどへと流入する可能性が高い。このとき喉頭蓋33が十分に閉じていないと、食物38が喉頭蓋33をすり抜けて気管32内に流入する場合がある。気管32内に食物が流入すると、むせる等の反射により口内の食物が排出される。このため、低血糖症状回復用補助食品として、粉末やジュースは適さない場合がある。特に、粉末状の低血糖症状回復用補助食品においては、かならず唾液の分泌が必要となり、状況によって摂取困難となりうる。これに対して、(b)に示すごとく、粘性のあるゲル状食品37においては、粘性のため、口内壁面もくしはのど壁面に沿って喉頭蓋33にいたるものであり、意に反して急速に喉頭蓋33に到達しにくく、むせにくいものである。また、ゲル状であるため唾液が十分に分泌されていない状態でも、飲み込みやすいものである。 本発明は、食べ易さのみならず、グルコースの吸収性が低下しないように構成するものである。第11図に示したように、グルコース5をゼリーに混ぜてゲル状にしたものは、粉末や液体と同等の吸収性を示すものである。このゲル状物は水にグルコースを溶かし、ゼラチンおよび寒天を加えてゲル化したものである。これは、グルコースをゼリー状オブラートで包んだものや、ゼラチン製カプセルにグルコースを詰めたものとは大きくことなるものである。 第14図はグルコースを含むゲル状物の吸収状態を示す模式図であり、(a)は本発明のゲル状物の吸収状態を示す模式図であり、(b)はグルコースをゼリー状オブラートで包んだものの吸収状態を示す模式図である。本発明は第14図(a)に示すように、ゲル状物45において、グルコース43が水にとかされた後にゲル化されるものである。このため、グルコース43が水に溶けた状態で、ゲルを構成する高分子体45に保持された状態となる。そして、グルコース43が人体の吸収面41に接触しやすく、容易に吸収されるものである。すなわち、吸収面41に接触するゼリーにグルコースが分散しているので、容易に吸収されるものである。しかし、第14図(b)に示すように、グルコースをゼリー状オブラートで包んだものにおいては、高分子体45により構成されるゼリー46が吸収面41とグルコース43との間に介在するため、グルコース43が吸収面41に到達するためにはゼリー46を通る必要があり、グルコースの吸収が迅速に行われない。ゼラチン製カプセルにグルコースを詰める構成においても同様であり、ゼラチン製カプセルが消化液などにより溶かされる必要があり、グルコースの吸収までに時間がかかる。低血糖症状回復用補助食品において、摂取者の状態によっては十分な唾液や胃酸の分泌、胃壁の運動、さらには、咀嚼を必要としないものが望ましく、人体の糖吸収面に低血糖症状回復用補助食品が到達することにより容易にグルコースの吸収が行われることが望まれるものである。本発明のゲル状低血糖症状回復用補助食品はグルコースを均一に溶解させた液をゼリーとしているため、急速にのどに供給する場合においてもむせにくく、容易かつ迅速にグルコースの吸収を行うことができるものである。 本発明は、低血糖症状回復用補助食品の構成であるが、摂取者に栄養素を補給するものであって、十分な唾液や胃酸の分泌、胃壁の運動、咀嚼が困難な場合においても栄養素を供給するものに利用可能である。 低血糖症状時の低血糖回復用糖分の主成分としてグルコースを主成分とし、該グルコースを含む補助食品をゼリー状食品としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品。 請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品を、1包装に10〜20gのグルコースを含む食品としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品。 請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、グルコース濃度は20〜65%としたことを特徴とする低血糖症状回復用補助食品。 請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、1包装に、15〜50gの全体容量で包装されることを特徴とする低血糖症状回復用補助食品。 請求項1記載の低血糖症状回復用補助食品において、ゼリー状の性状は、20℃でゼリー強度が10〜100g/cm2であることを特徴とする低血糖症状回復用補助食品。 自宅療養の糖尿病患者が低血糖症状に陥った場合、手軽に摂取でき、瞬時に低血糖症状を回復でき、しかも回復後は持続性を有することのない低血糖症状回復用補助食品を提供することを目的とし、低血糖症状時の低血糖回復用糖分の主成分として、グルコースを主成分とし、該グルコースを含む補助食品をゼリー状食品とし、1包装に10〜20gのグルコースを含む食品とした。