生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_分岐アジピン酸の製造方法
出願番号:2004001403
年次:2006
IPC分類:C07C 51/295,C07C 55/02


特許情報キャッシュ

磯貝 幸宏 石黒 友康 原田 謙司 久保田 善康 岩澤 真純 斎藤 誠司 清水 幾夫 JP WO2004069780 20040819 JP2004001403 20040210 分岐アジピン酸の製造方法 協和発酵ケミカル株式会社 000162607 岩橋 和幸 100106574 磯貝 幸宏 石黒 友康 原田 謙司 久保田 善康 岩澤 真純 斎藤 誠司 清水 幾夫 JP 2003032090 20030210 C07C 51/295 20060101AFI20060421BHJP C07C 55/02 20060101ALI20060421BHJP JPC07C51/295C07C55/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20060525 2005504918 8 4H006 4H006AA02 4H006AC46 4H006BS10 本発明は、ポリアミド改質剤、ポリエステル改質剤、化粧品基剤、ポリエステルまたはポリアミドの原料等の用途に有用である分岐アジピン酸の製造方法に関する。 従来、分岐アジピン酸の製造方法として以下の▲1▼、▲2▼の方法が知られている。▲1▼2,5−ジエチルアジピン酸の製造方法としては、1,3−ブタジエンと金属ナトリウムをジメチルエーテル中、−70℃で反応させた後、臭化マグネシウムおよび二酸化炭素を順次反応させ、目的とする2,5−ジエチルアジピン酸を製造する方法が知られている(米国特許第3375272号明細書参照)。▲2▼2,5−ジメチルアジピン酸の製造方法としては、ジtert−ブチルパーオキサイド等の過酸化物を触媒として用い、n−ノナン中、プロピオン酸とアセチレンとを120℃で反応させ、目的とする2,5−ジメチルアジピン酸を製造する方法が知られている(米国特許第3549697号明細書参照)。 しかしながら、▲1▼2,5−ジエチルアジピン酸の製造方法の場合には、金属ナトリウムを使用しており、この化合物は、自然発火性があり、水と反応して爆発する等の性質を有しているため安全性上の問題がある。 また、▲2▼2,5−ジメチルアジピン酸を製造する方法の場合には、加熱、衝撃等により爆発する性質をもつ過酸化物および空気または酸素との混合により非常に広い爆発限界を有するアセチレンを使用するため安全性上の問題がある。 以上のように、これら2つの方法は、工業的な製造方法としては、実用上、満足される方法ではない。 本発明の目的は、分岐アジピン酸の工業的に適した製造方法を提供することにある。 本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。(1)一般式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一または異なって水素原子またはアルキルを表し、R7は、ホルミルまたはヒドロキシメチルを表し、は、単結合または二重結合を表す。ただし、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも1つは、アルキルである)で表される化合物を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の存在下、反応させる工程を含むことを特徴とする一般式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ前記と同義である)で表される分岐アジピン酸の製造方法。(2)R1およびR6がアルキルであり、R2、R3、R4およびR5が水素原子である上記(1)記載の分岐アジピン酸の製造方法。(3)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである上記(1)または(2)に記載の分岐アジピン酸の製造方法。 以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)と、一般式(II)で表される分岐アジピン酸を化合物(II)と表現することもある。 一般式中の各基の定義において、アルキルとしては、例えば、炭素数1〜10の、直鎖または分岐状のアルキルがあげられ、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等があげられ、中でも、メチルまたはエチルが好ましい。 本発明の製造方法の原料である化合物(I)は、公知の方法(米国特許第2910520号等)またはこれらに準じた方法により、例えば、アクロレイン誘導体を環化するか、または、必要に応じて、得られたジヒドロピラン誘導体を水素還元することにより得ることができる。 アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等があげられる。これらは、単独で、または2種類以上、併用して使用してもよい。 アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の使用量は、化合物(I)1モルに対して、1.5モル以上であるのが好ましく、さらには1.5〜5.0モルであるのが好ましく、さらには、1.8〜3.0モルであるのがより好ましい。 本発明の製造方法において、反応温度は、200〜320℃であるのが好ましく、さらには200〜250℃であるのが好ましく、さらには220〜250℃であるのがより好ましい。 反応は、常圧または加圧条件下、好ましくは2.0MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下で行われる。 反応時間は特に限定されないが、5時間以上であることが好ましく、5〜20時間であるのがより好ましい。 反応において、反応溶媒を使用してもよく、該反応溶媒は、反応に影響をおよぼさないものであれば、特に限定されない。該反応溶媒としては、例えば、ジベンジルエーテル等のエーテル系溶媒、流動パラフィン等の炭化水素系溶媒等があげられ、これらを混合して用いてもよい。反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、化合物(I)に対して、好ましくは50〜200重量%、より好ましくは70〜150重量%である。 また、反応時間の短縮や収率の向上を目的として、酸化亜鉛や酸化銅等の金属酸化物等を触媒として添加して反応を行ってもよい。該触媒の使用量は、化合物(I)に対して、0.1〜5重量%であるのが好ましい。 反応後、化合物(II)は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩の形態で得られるが、これに、硫酸、塩酸等の水溶液等を加えることにより、化合物(II)を得ることができる。 また、得られた化合物(II)は、その純度を向上させるために、反応液等から、抽出、晶析、蒸留等の精製操作に付してもよい。 本発明の製造方法は、簡易であり、安価であり、安全性にも優れる、工業的に適した製造方法である。 化合物(II)は、ポリアミド改質剤、ポリエステル改質剤、化粧品基剤、ポリエステルまたはポリアミドの原料等の用途に有用である。 実施例1:2,5−ジエチルアジピン酸の合成 2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−メタノール170.0g(1.0mol)、水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製)170.0g(2.4mol)および流動パラフィン60S(中央化成株式会社製)200gを還流器、圧力コントロール弁および温度コントロール可能な電熱炉を備えた1Lニッケル製オートクレーブに仕込み、1.0MPa以下で加熱攪拌した。発生する水素ガスをガスメーターで測定し、反応の進行をチェックしながら220〜230℃にて、10時間反応させた。反応後、2,5−ジエチルアジピン酸二ナトリウム塩を含む反応液を100℃以下まで冷却し、蒸留水400gに溶解させ、さらに30%硫酸420gを滴下することにより析出した粗2,5−ジエチルアジピン酸を濾取した。得られた粗2,5−ジエチルアジピン酸をメチルイソブチルケトン300mlに溶解し、水洗後、60℃にて減圧濃縮することにより2,5−ジエチルアジピン酸を含む残渣183gを得た。この残渣をn−ヘキサンより結晶化することにより、白色結晶の2,5−ジエチルアジピン酸170g(収率85%)を得た。得られた2,5−ジエチルアジピン酸の物性値を以下に示す。1H−NMR(400MHz、CDCl3、TMS)δ(ppm):0.90(t,6H)、1.48−1.63(m,8H)、2.23−2.25(m,2H)13C−NMR(100MHz、CDCl3、TMS)δ(ppm):11.92、25.81、30.38、47.55、177.23GC−MS(CI):(ジメチルエステル体へと誘導した後、分析)保持時間 8.50分(m/z):230(M+1)保持時間 8.60分(m/z):230(M+1)GC−MS分析条件およびジメメチルエステル体調製法カラム:キャピラリーカラムCP−Wax58(FFAP)CB(GLサイエンス社製)(25m×0.2μm)カラム温度:100℃で1分保持後、8℃/分で270℃まで昇温注入温度:270℃検出器温度:280℃ サンプルをベンゼン/メタノール(3/7容量/容量)溶液に溶解後、トリメチルシリルジアゾメタン(10%n−ヘキサン溶液)を加え室温で30分間、攪拌することによりジメチルエステル体溶液を調製した。実施例2:2,5−ジエチルアジピン酸の合成 原料を2,5−ジエチルテトラヒドロピラン−2−メタノール172.0g(1.0mol)、水酸化カリウム(関東化学株式会社製)99.0g(3.0mol)および流動パラフィン60S(中央化成株式会社製)200gに変更する以外は実施例1と同様な操作を行い、白色結晶の2,5−ジエチルアジピン酸158g(収率79%)を得た。実施例3:2,5−ジエチルアジピン酸の合成 原料を2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボアルデヒド168.0g(1.0mol)、水酸化カリウム(関東化学株式会社製)99.0g(3.0mol)および流動パラフィン60S(中央化成株式会社製)200gに変更する以外は実施例1と同様な操作を行い、白色結晶の2,5−ジエチルアジピン酸131g(収率65%)を得た。参考例1:2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボアルデヒドの合成 攪拌チップを入れた内容積100mlのオートクレーブに2−エチルアクロレイン50g(Aldrich社製、純度85%)を加え、150〜160℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を減圧蒸留に付すことにより、82〜84℃/50Paの留分として2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボアルデヒド36.8gが得られた(収率87%)。参考例2:2,5−ジエチルテトラヒドロピラン−2−メタノールの合成 攪拌チップを入れた内容積100mlのオートクレーブに、2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボアルデヒド10.0gおよびスポンジニッケル触媒(日揮化学株式会社製N−113)0.3gを加え、水素圧2.0MPa、温度150℃で、6時間、反応させた。反応終了後、反応液よりスポンジニッケル触媒を濾別し、得られた濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1(容量比)]に付すことにより、2,5−ジエチルテトラヒドロピラン−2−メタノール9.8gが得られた(収率98%)。参考例3:2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−メタノールの合成 攪拌チップを入れた内容積100mlのオートクレーブに、2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボアルデヒド10.0gおよびCu−Cr系触媒(HARSHAW製、0202P)0.5gを加え、水素圧2.0MPa、温度130℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液よりCu−Cr系触媒を濾別し、得られた濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1(容量比)]に付すことにより、2,5−ジエチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−メタノール9.6gが得られた(収率95%)。 本発明により、ポリアミド改質剤、ポリエステル改質剤、化粧品基剤、ポリエステルまたはポリアミドの原料等の用途に有用である分岐アジピン酸の工業的に適した製造方法が提供される。 一般式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一または異なって水素原子またはアルキルを表し、R7は、ホルミルまたはヒドロキシメチルを表し、は、単結合または二重結合を表す。ただし、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも1つは、アルキルである)で表される化合物を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の存在下、反応させる工程を含むことを特徴とする一般式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ前記と同義である)で表される分岐アジピン酸の製造方法。 R1およびR6がアルキルであり、R2、R3、R4およびR5が水素原子である請求の範囲1記載の分岐アジピン酸の製造方法。 アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである請求の範囲1または2に記載の分岐アジピン酸の製造方法。 本発明は、一般式(I)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一または異なって水素原子またはアルキルを表し、R7は、ホルミルまたはヒドロキシメチルを表し、は、単結合または二重結合を表す。ただし、R1、R2、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも1つは、アルキルである)で表される化合物を、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の存在下、反応させる工程を含むことを特徴とする一般式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ前記と同義である)で表される分岐アジピン酸の製造方法を提供する。


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