生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_L−スレオニンの製造方法
出願番号:2003578568
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12N 1/21,C12P 13/08,C12R 1/19


特許情報キャッシュ

パーク ジェ−ヨン リー ビョウン−チューン キム デ−チョエル リー ジン−ホー チョー ジェ−ヨン パーク ヨウン−フーン JP 4034737 特許公報(B2) 20071102 2003578568 20020516 L−スレオニンの製造方法 シージェイ コーポレーション 500437371 CJ Corporation 清水 初志 100102978 橋本 一憲 100108774 新見 浩一 100128048 パーク ジェ−ヨン リー ビョウン−チューン キム デ−チョエル リー ジン−ホー チョー ジェ−ヨン パーク ヨウン−フーン KR 2002-15380 20020321 20080116 C12N 15/09 20060101AFI20071220BHJP C12N 1/21 20060101ALI20071220BHJP C12P 13/08 20060101ALI20071220BHJP C12R 1/19 20060101ALN20071220BHJP JPC12N15/00 AC12N1/21C12P13/08 CC12P13/08 CC12R1:19 C12N 15/00 C12P 13/08 特開平03−216196(JP,A) 特開2002−051787(JP,A) J. Bacteriol., Vol.170, No.11, pp.5360-5363 (1988) 2 KCCM 10236 KCCM 10353 KR2002000920 20020516 WO2003080843 20031002 2005520548 20050714 12 20041208 田村 明照技術分野 本発明は、微生物が関与するL-スレオニンの生産に関する。さらに詳細には、本発明は、微生物のゲノムDNAのスレオニンデヒドラターゼ(tdc)遺伝子の一部を、組換え技術によって不活性化させることにより、L-スレオニンの収率を著しく増大させる、微生物を用いてL-スレオニンを高収率で生産する方法に関する。背景技術 必須アミノ酸の一種であるL-スレオニンは、動物飼料および食品への添加物として、ならびに医学的および薬学的用途のために液体、合成材料として使用される。L-スレオニンは、大腸菌(Escherichia coli)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、セラチア属(Serratia)、プロビデンシア属(Providencia)の野生型に由来する合成変異株を使用する発酵により生産される。これらの変異体は、アミノ酸類似体および薬剤耐性変異体、ならびにジアミノピメリン酸、メチオニン、リジン、イソロイシン栄養要求性を付与したそれらの合成変異体を含むことが公知である(特開平2-219582号、Appl. Microbiol. Biotechnol., 29, 550-553, (1988)、および韓国特許公報第92-8365号)。韓国特許出願第90-22965号では、メチオニン要求性であり、かつスレオニン類似体(AHV:α-アミノ-β-ヒドロキシバレリン酸)に対する耐性、リジン類似体(AEC:S-(2-アミノエチル)-L-システイン)に対する耐性、イソロイシン類似体(α-アミノ酪酸)に対する耐性、およびメチオニンの類似体(エチオニン)に対する耐性を示す、L-スレオニン生産株のTF4076(KFCC10718)が開示されている。 一般的に特定遺伝子の発現レベルを増大させるための方法には、微生物中の遺伝子数を増加させるために、微生物に多数のコピー数を与えるプラスミドが使用される(Sambrookら、Molecular cloning、第2版、1989、1.3〜1.5)。標的遺伝子をプラスミドに組み込み、その組換え型プラスミドで宿主微生物を形質転換することにより、プラスミドのコピー数に従って宿主内の遺伝子数が増加する。スレオニンの生産性を向上させるこのタイプの手法における部分的な成功が、米国特許第5,538,873号において報告された。しかし、このようなプラスミドを利用したほとんどの技術は、特定遺伝子を過剰発現させ、このことは宿主微生物にとって望ましくなく、組換え型菌株の培養中にプラスミドを消失するようなプラスミド不安定性に対する問題を引き起こす。 この問題に対処するため、培養培地中に抗生物質を添加する手法、または発現調節プラスミドを使用する手法が提唱された(Sambrookら、Molecular cloning、第2版、1989、1.5〜1.6 & 1.9〜1.11)。発現調節プラスミドを使用して特定産物を得る手法においては、成長段階において非発現条件下で細胞培養を行い宿主微生物に対する不都合を減少させ、微生物の完全成長後に一過性発現を誘導する。しかし、これらの発現調節プラスミドのほとんどは、最終産物がタンパク質である場合にのみ用いられる。 生産する一次代謝産物は微生物の成長と密接な関連があるために、成長段階に標的遺伝子が発現されない限り、一次代謝産物の収率を増加させることは難しい。一次代謝産物であるスレオニンもこのようなケースである。 この短所を補完するための努力として、スレオニン生産のために特定のスレオニン生合成遺伝子を染色体DNA内に組み込まれた(米国特許第5,939,307号)。しかし、この手法は誘導性プロモーターで置換した遺伝子によって染色体遺伝子するため、スレオニンオペロン遺伝子の著しい発現増加は期待し難かった。 したがって本発明者らは、スレオニン分解経路の一つに関与する染色体中のスレオニンデヒドラターゼ(tdc)遺伝子を不活性化させ、宿主微生物本来の遺伝子の機能を維持しつつスレオニン分解を阻害することによってスレオニンの収率を高めることにより、本発明を完成した。 スレオニン収率増大に応用される現在の遺伝工学技術のほとんどは、オキサロ酢酸で開始する生合成経路に注目していた。しかし本発明には、スレオニン収率を効率的かつ著しく増大するために、スレオニン分解経路におけるスレオニンデヒドラターゼ(tdc)遺伝子の活性も関与する。発明の開示 前記の問題を解決するため、本発明の目的は、組換え型プラスミドを保持する菌株で生じるプラスミドの不安定性および成長阻害の問題を排除し、スレオニンデヒドラターゼの活性を抑制することによりスレオニン生産性を著しく増大させる、高収率L-スレオニン生産方法を提供することである。 本発明の目的を達成するために、不活性化tdc(スレオニンデヒドラターゼ)遺伝子が組み込まれた組換え型プラスミドを提供する。 本発明の目的を達成する一つの態様において、スレオニン生産微生物のtdcオペロンは、tdcオペロンのtdcBおよびtdcCの部位を切断し、切断部位に抗生物質マーカーを有するカセットを挿入することによって不活性化されうる。好ましくは、スレオニン生産微生物は大腸菌株である。 本発明のもう一つの態様において、大腸菌株はスレオニン類似体、リジン類似体、イソロイシン類似体、およびメチオニン類似体に対して耐性を示しうる。本発明のさらに別の態様において、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(ppc)遺伝子およびスレオニンオペロンのそれぞれの追加の1つまたは複数のコピーが、大腸菌株の染色体DNA内に組み込まれる。好ましくは、大腸菌は受託番号KCCM-10236のpGmTN-PPC12という名称である。 本発明はまた、前記組換え型プラスミドで形質転換された大腸菌株を提供する。組換え型プラスミドに由来する抗生物質マーカーを含むtdcBおよびtdcC遺伝子断片が、大腸菌株のゲノムに挿入されうる。好ましくは、抗生物質マーカーを含むtdcBおよびtdcC遺伝子断片は、図2のΔtdc::loxpKanである。最も好ましくは、大腸菌は受託番号KCCM-10353のTRN212という名称である。 本発明の目的は、前記大腸菌株、好ましくは受託番号KCCM-10353のTRN212という名称の大腸菌株を利用する、L-スレオニンを生産する方法により達成される。 以下に、本発明をさらに詳細に説明する。 数種のL-スレオニン代謝経路が知られており(Neidhardt FC ら編、Escherichia coli and Salmonella:Cellular and Molecular Biology, 2nd edn. ASM Press, Washington DC, pp.369-370)、それには以下の主要な三つの経路が含まれる:スレオニンをα-アミノ-β-ケトブチレート(これはその後アセチル-CoAおよびグリシンに変換されるか、またはさらに分解されてアミノアセトンを形成し、ピルビン酸に変換される)に分解するのを触媒するスレオニンデヒドロゲナーゼが関与する第一の経路;プロピオニル-CoAに代謝され最終的にスクシニル-CoA(TCAサイクルの中間物質)になるα-ケトブチレートを生成するスレオニンデヒドラターゼが関与する第二の経路;ならびに、スレオニンアルドラーゼが関与する第三の経路。 本発明は、L-スレオニン代謝経路において、スレオニンデヒドラターゼの活性を抑制することにより、スレオニンの蓄積を最大化させることを特徴とする。 本発明のL-スレオニン生産方法において、大腸菌TF4076(KFCC10718、韓国特許出願第90-22965号)に由来するpGmTN-PPC12(KCCM-10236、同出願人により出願された韓国特許出願第01-6976号)をL-スレオニン生産株として使用した。このpGmTN-PPC12株(KCCM-10236)は、L-スレオニン生産菌株であるTF4076(KFCC 10718)の染色体からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して得たホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(ppc)遺伝子、および同染色体からクローニングされたスレオニンオペロンを、宿主大腸菌株TF4076の染色体に挿入し、染色体DNA内のppc遺伝子とスレオニンオペロンがTF4076株の2倍になるようにして得られる。pGmTN-PPC12株は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)からスレオニン生合成前駆体であるオキサロ酢酸への変換に関与するppc遺伝子の発現、ならびにオキサロ酢酸からスレオニンを合成する経路に関与する遺伝子(thrA(アスパルトキナーゼI-ホモセリンデヒドロゲナーゼ)、thrB(ホモセリンキナーゼ)、thrC(スレオニンシンターゼ))の発現量を増強することができ、それによってL-スレオニンの生産性を向上させることができる。pGmTN-PPC12株は、2001年1月5日付けで韓国微生物保存施設(Korean Collection for Type Cultures(KCTC))に寄託し、受託番号KCCM 10236を付与された。 本発明では、pGmTN-PPC12(KCCM-10236)のスレオニン代謝経路に関与するスレオニンデヒドラターゼ(tdc)遺伝子を不活性化し、L-スレオニンの収率を増加させる。 スレオニンデヒドラターゼは、低レベルの酸素および高レベルのスレオニン濃度の条件下で発現するオペロンであることが知られている。tdcオペロンの発現は、発酵後半期に見られるような低グルコース量においても誘導される。したがって、高処理量のスレオニン生産株を発見するためにはスレオニンヒドラターゼを不活性化させることが必要である。発明を実施するための最良の形態 本発明によるL-スレオニン生産方法を、以下でさらに詳細に説明する。1. 組換え型プラスミドの構築 スレオニン生産株から染色体DNAを単離する。この染色体DNAを鋳型として使用して、tdcオペロンのtdcBおよびtdcCを含む組換え型プラスミドpT7Blue/tdcを得る。制限されることなく任意のクローニングベクターを使用することができるが、pT7Blueクローニングベクターが好ましい。 lox p部位を含むカナマイシン耐性遺伝子断片を組換え型プラスミドPT7Blue/tdcに組み込むことにより、欠損tdc遺伝子を含む組換え型プラスミドpT7Δtdc::loxpKanを得る。2.組換え型プラスミドの組み込みおよびスクリーニング 大腸菌を組換え型プラスミドpT7Δtdc::loxpKanで形質転換する。プラスミドDNAを単離し、制限酵素で消化し、電気泳動により消化物からDNA断片(Δtdc::loxpKan)を得る。この過程を図2に図示する。 スレオニン生産株を得られたDNA断片Δtdc::loxpKanで形質転換する。この形質転換は、大腸菌株本来のtdc遺伝子領域を組換え型DNA断片pT7Δtdc::loxpKanで置換させる相同的組換えを介して行われる。 得られた形質転換体をカナマイシン含有固体培地に接種してコロニーを回収する。最終的に、tdc遺伝子が不活性化された標的組換え型菌株が得られる。 組換え型菌株に関しては、菌株が成長をしてもtdc遺伝子は欠損したままであり、宿主菌株に比べて20%高いすぐれたスレオニン生産能を示す。 組換え型プラスミドは、公知の方法、例えばアルカリ溶液を利用した方法(Sambrookら、Molecular Cloning、Vol.1、1.25-1.28)を用いて形質転換株から回収することができる。特に、溶液1(50mMグルコース、25mMトリス塩酸、および10mM EDTA)を添加して形質転換体の細胞膜を弱化させた後、溶液2(0.2N NaOH、1% SDS)を添加して細胞膜を破壊し、細胞の構成成分であるタンパク質および染色体を変性させた後、溶液3(5M 酢酸カリウム、酢酸)を添加して組換え型プラスミドを除く他の成分を凝集させる。遠心分離により組換え型プラスミド画分を分離した後、エタノールを用いて組換え型プラスミドだけを沈殿させ、回収する。 以下の実施例を参照して本発明を説明する。以下の実施例は例示を目的とするものであって、本発明の範囲を限定することを意図しない。実施例1:組換え型プラスミド構築および組換え型プラスミドを利用したtdc遺伝子ノックアウト QIAGEN Genomic-tipシステムを利用して、スレオニン生産株pGmTN-PPC12(KCCM-10236)からゲノムDNAを単離した。tdcBおよびtdcCを含むtdcオペロン(5295bp)の約3.1kbの遺伝子断片を、ゲノムDNAを鋳型として用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して増幅した。使われたプライマーは、5'-agg agg gga tcc ggt atg tct tct gag gcg-3'および5'-agg agg gaa ttc atc ggc aac agg cac ag-3'であった。PCRは、それぞれのサイクルが94℃で30秒間の変性、56℃で30秒間のアニーリング、および72℃で3分30秒間の伸張を含む、30サイクルの増幅を介して達成された。 このPCR産物を0.7%アガロースゲルで電気泳動した後、所望の大きさのバンドを溶出した。溶出したバンドをpT7Blueクローニングベクター(Novagen Co.)との平滑末端ライゲーションにより16℃で一晩ライゲーションし、組換え型プラスミドpT7Blue/tdcを得た(図1参照)。得られた組換え型プラスミドpT7Blue/tdcで大腸菌DH5 αを形質転換し、アンピシリン50mg/Lを含有する固体培地にプレーティングし、37℃で一晩インキュベートした。 コロニーをつまようじで採取(tooth-pick)し、液体培地3mLに接種して200rpmで一晩インキュベートした。QIAGENミニプレップキットを利用して培養物からプラスミドDNAを単離し、プラスミドDNAの大きさを同定した。プラスミドDNAを制限酵素(Sma I、Pst I)で処理し、0.7%アガロースゲルで電気泳動してその配向がtdc R-A-B-Cであるか否かを同定した。同定されたプラスミドDNA(pT7Blue/tdc)を制限酵素Bgl II、Hpa Iで消化した後(各々は約1.1kb)、0.7%アガロースゲル上にロードして約4.9kbバンドを溶出した。溶出バンドをKlenow酵素と反応させて平滑末端を生成した。プラスミドpUG6(Ulrichら、A new efficient gene disruption cassette for repeated use in budding yeast, Nucleic Acids Research, 1996, 24, pp.2519-2524)を制限酵素Hinc IIおよびEcoR Vと反応させて得た、lox p部位を含むカナマイシン耐性遺伝子断片(約1.7kb)を、単離したpT7Blue/tdcに平滑末端ライゲーションし、それにより組換え型プラスミドpT7Δtdc::loxpKanを得た。実施例2:組換え型プラスミドが組み込まれた菌株のスクリーニング 組換え型プラスミドpT7Δtdc::loxpKanで形質転換した大腸菌DH5 αを、50mg/Lのアンピシリンおよび15mg/Lカナマイシンを含有する固体培地にプレーティングし、37℃で一晩中インキュベートした。コロニーを培養物から選択し、アンピシリンおよびカナマイシンを含有する液体培地3mLに接種して200rpmで一晩インキュベートした。QIAGENミニプレップキットを利用して培養物からプラスミドDNAを単離し、プラスミドDNAの大きさを同定した。プラスミドDNAを制限酵素で消化した後0.7%アガロースゲルにロードし、その配向を同定した。同定されたプラスミドDNAを制限酵素PVU IIで消化した後、0.7%アガロースゲルで電気泳動して約3840bpのDNA断片(Δtdc::loxpKan)を溶出した。このDNA断片(Δtdc::loxpKan)でスレオニン生産株(pGmTN-PPC12)を形質転換し、カナマイシン含有固体培地にプレーティングしてコロニーをスクリーニングすることにより、tdc遺伝子が不活性化された組換え型菌株を得た。実施例3:得られた組換え型菌株に関するフラスコ培養におけるスレオニン生産性の比較 実施例2においてカナマイシン含有固体培地で培養した組換え菌株の単一コロニー30個を、エルレンマイヤーフラスコ内のスレオニン力価培地(threonine titer media)を使用してスレオニン生産性の比較に関してスクリーニングした。各々の場合において用いたスレオニン力価培地の組成を表1に示す。 (表1)スレオニン力価培地の組成 インキュベータ内で、単一コロニーをLB固体培地上で一晩32℃で培養した。25mlの力価培地に各培養物の1白金耳分(loopful)を接種して、32℃、250rpmで48時間培養した。分析結果を表2に示す。新規組換え型菌株の30コロニー中28コロニーがすぐれた生産性を示し、それらは、23g/Lのスレオニンを生産した宿主菌株pGmTN-PPC 12と比較して、26g/Lまたは以上のスレオニンを生産した8コロニーを含む。収率が宿主菌株より約17.4%高い27g/Lの最も高いスレオニン生産性を記録した組換え型菌株が認められ、TRN212と命名された。この変異株TRN212を2002年2月19日付で韓国微生物保存施設(Korean Collection for Type Cultures(KCTC))に寄託し、受託番号第KCCM-10353号を付与された。 (図2)組換え型菌株のフラスコ力価試験の結果実施例4:サザンブロッティング分析を利用したtdc遺伝子のノックアウトの確認 実施例3で得られた組換え型菌株のtdc遺伝子の特異的なノックアウトを確認するために、サザンブロッティングを行った。宿主菌株であるpGmTN-PPC12および組換え型菌株TRN212(KCCM-10353)菌株を、30mlの液体培地中で一晩200rpmでインキュベートした後、QIAGENゲノミックキット20を利用してゲノムDNAを単離した。単離したゲノムDNAを制限酵素EcoR Iで消化し、0.7%アガロースゲルで電気泳動してDNA断片を大きさによって分離した。大きさで分離したDNA断片を、電気泳動ゲルの毛細管転写(capillary transfer)(Molecular Cloning Vol. 1、6.31〜6.38)を利用して一晩ナイロンメンブレン(YOUNG Sci. Biodyne B Membrane)に付着させ、その後メンブレンを乾燥させ、UV照射(120mJ/cm2、SpectroLinker (商標))によりDNA断片をナイロンメンブレンに固定した(Molecular Cloning, Vol 1, 6.45)。ナイロンメンブレンに付着させたDNA断片を、Prehybridization Buffer I(Roche #1093657)中で55℃で2時間プレハイブリダイゼーションし、次いで予め変性させたDNAプローブを添加してハイブリダイゼーションオーブン(BAMBINO 230300)内でハイブリダイズさせた。 使用したプローブは次の通り調製した。QIAGENキットを利用して単離したプラスミドpUG6を制限酵素Hinc II、EcoR Vで消化して、lox p部位を含む約1.7kbのカナマイシン耐性遺伝子断片を得た。この遺伝子断片を100℃の熱湯で5分間加熱した後、氷で5分間冷却して一本鎖DNAにする。この一本鎖DNAを、DiG Labelling and Detection Kit(Roche #1093657)を使用して37℃で一晩反応させて、DiG-UDP結合DNAプローブを生成した。 ハイブリダイゼーション後、Washing Solution IおよびII(Roche #1093657)を利用してメンブレンに非特異的に付着したDNAを除去した。次いで、マスキングのため常温で30分間Prehybridization Buffer 2(Roche #1093657)でメンブレンを処理した後、DiG-UTPに特異的に結合する抗DiG抗体を添加して常温で30分間反応させた。Washing Solution III(Roche #1093657)を利用して非特異的にメンブレンに付着した抗DiG抗体を除去し、Labeling and Detection Kit(Roche #1093657)を使用してバンドが現れるまで常温で発色反応させた。図3に結果を示す。カナマイシン遺伝子を有しない宿主菌株pGmTN-PPC12(レーン1)では、バンドが現れなかった。一方、本発明による新規組換え菌株TRN212(KCCM-10353)では、予想されたように約7kbのバンドが観察された。制限酵素EcoR Iによる消化で得た約5.3kbのtdc遺伝子断片、および約1.7kbのカナマイシン耐性遺伝子を合わせて約7.0kbになる。レーン1および4はサイズマーカーである。実施例5:発酵槽を利用したL-スレオニン生産性の比較 宿主菌株pGmTN-PPC12と、実施例2でスクリーニングされ実施例4で遺伝子ノックアウトを確認する試験を受けた、不活性化tdc遺伝子を有する組換え菌株TRN212(KCCM-10353)との間で、5L発酵槽におけるL-スレオニン生産性を比較した。使用した初期培地組成は表3に示した。種培養にはブドウ糖10g/LおよびL-メチオニン0.1g/Lをさらに含むLB培地を使用し、発酵槽への初期接種体積は標的初期培養物の体積の3〜5%に決定した。ブドウ糖は、全部で6回にわたって、各回最終濃度が5重量%となるまで1重量%のKH2PO4とともに添加した。ここで、各々のブドウ糖の追加は、ブドウ糖の欠失によって決定される。初期培養体積は1.5Lであり、最終培養体積は3.0Lである。発酵を通して添加されたブドウ糖の全濃度は250g/Lであった。発酵中は、培地を700〜1000rpmで撹拌し、温度を32℃に制御し、pHを25〜28%アンモニア水で7.0に調整した。通気速度は0.5vvmに調整した。結果を表4に示す。表4に示すように、宿主菌株は93.5g/LのL-スレオニンを生産し、ブドウ糖消費に対して37.4%の収率を示した。一方、組換え型菌株TRN212は112g/LのL-スレオニンを生産し、45.2%の収率を示した。また、組換え型菌株では、宿主菌株と類似した発酵パターンが観察され、成長阻害により組換え型菌株に頻繁に現れる発酵中の糖消費の減少は無かった。 (表3)5L発酵槽における初期培地組成 (表4)組換え型菌株による発酵生産の結果 本発明の新規の組換え型菌株はL-スレオニンの生産に使用され、成長阻害により組換え型菌株に頻繁に現れる発酵中の糖消費の減少を伴わずに、量と収率の両方が宿主菌株に比べて20%を超えて改善される。組換え型プラスミドpT7Blue/tdcの構築過程を図示したものである。組換え型プラスミドpT7Δtdc::loxpKanおよびDNA断片Δtdc::loxpKanの構築過程を図示したものである。FLA-5000イメージングシステム(FUJIFILM)を利用したイメージスキャンにより得られるサザンブロット分析結果であり、レーン1および4はサイズマーカーを示し、レーン2および4はTRN212(KCCM-10353)および宿主菌株pGmTN-PPC12を示す。 受託番号KCCM-10353のTRN212という名称を有する、大腸菌株。 請求項1記載の大腸菌株を培養することを含むL-スレオニンを生産する方法。


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