タイトル: | 特許公報(B2)_高い彩度を有する光沢顔料 |
出願番号: | 2003574732 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C09C 1/28,C09C 3/06,A61K 8/25 |
ブヤルト,パトリーチェ JP 4312607 特許公報(B2) 20090522 2003574732 20030304 高い彩度を有する光沢顔料 チバ ホールディング インコーポレーテッド 396023948 Ciba Holding Inc. 津国 肇 100078662 篠田 文雄 100075225 ブヤルト,パトリーチェ CH 2002 0418/02 20020311 CH 2002 1334/02 20020730 20090812 C09C 1/28 20060101AFI20090723BHJP C09C 3/06 20060101ALI20090723BHJP A61K 8/25 20060101ALI20090723BHJP JPC09C1/28C09C3/06A61K8/25 C09C 1/28 A61K 8/25 C09C 3/06 特開平10−060303(JP,A) 特開平10−298449(JP,A) 国際公開第00/043457(WO,A1) 5 EP2003002196 20030304 WO2003076520 20030918 2005521760 20050721 17 20060227 森 健一 本発明は、組成SiO0.03〜SiO0.95の酸化ケイ素の透明なコアと、場合によっては、二酸化ケイ素、炭素、部分的に透明な金属及び/又は高屈折率の誘電体のさらなるコーティングとを含む、特定の粒子寸法を有する有色光沢顔料に関し、低酸素分圧の存在下で金属ケイ素を蒸着させる、それに適したコーティング法に関し、プラスチック、表面コーティング、印刷インク及び化粧品組成物を着色する際の当該光沢顔料の使用に関し、そして当該光沢顔料を含む着色された組成物にも関する。 本発明は、エフェクト顔料(特殊効果顔料)、すなわち、平坦面に対する角度に依存して、放射線反射が、異なる明るさ及び/又は異なる反射スペクトルを有する、平坦な反射性粒子の分野に属する。エフェクト顔料を使用してコーティングされた表面では、たとえば、そのエフェクト顔料粒子は、表面コーティングの中で、表面に対して実質的に平行に配向する傾向を有し、その結果、コーティングの着色された表面は、一定の白色光源からの照明を受けると、視角及びエフェクト顔料の性質に依存して異なる色を呈示することができる。したがって、たとえば車のボディに塗布される表面コーティング層に組み込まれるエフェクト顔料は、魅力的な外観、ひいてはより大きな価値をその車に与える。 エフェクト顔料に入射する光は、その非常に大きな部分が反射されるが、その比較的小さな部分は吸収される。薄い層を平坦な顔料コアに適用することが干渉現象を生じさせ、反射光線の強さ及びスペクトルが入射角及び視角にしたがって変化する。 この原理から出発して、すでに多数のエフェクト顔料が提案されているが、そのいずれも、高い要求特性を所望の程度にまで満たすことはできない。高い光沢、最適なダイクロイズム、高度な耐光・耐候堅ろう性、すべての適用媒体との適合性、皮膚及び食品中の許容性、取り扱いやすさ及び他の使用者による要求特性の他にも、廉価であり、簡単であり、色特性の点で厳密に再現可能な製造が望ましい。 US−5766335は、組成SiO0.25〜SiO0.95の酸化ケイ素のコーティングが、透明な、又は金属質的に反射するコアに適用されているエフェクト顔料を開示している。場合によっては、二酸化ケイ素又は二酸化チタンのさらなるコーティングが適用される。 EP0874026A2は、連続的に可変性の組成を有する有色エフェクト顔料を提案している。たとえば、このようなコーティングは、ケイ素とチタンの酸化物からなる。 WO00/18978は、水溶性又はアルコール可溶性の無機化合物への蒸着による、面平行のフレークの形態にある光沢顔料の製造を記載している。 WO00/43565は、一酸化ケイ素層を空気中150〜500℃での熱処理(tempering)によって、SiO2に酸化させる蒸着を記載している。 WO01/57287は、たとえば酸化ケイ素層をキャリヤ層として使用し、酸化チタンを金属酸化物層として使用する、蒸着による光沢顔料の製造を記載している。 本発明は、粒子が、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ50nm〜1.5μmを有し、長さ対厚さの比が少なくとも2:1であり、粒子が、二つの実質的に平行な面を有するコアSDを有し、それらの面の間の距離がコアの最短軸であり、場合によっては、これら平行な面又は全表面に適用された層QZ及び/又はDMを有する顔料であって、・コアSDが、20〜350nmの厚さを有し、ケイ素を50〜97原子%含み、このケイ素が、ケイ素100原子%あたり3〜95原子%の酸素に結合しており、・場合によっては、厚さ0〜500nmの層QZが存在し、この層がコアSDに適用され、ケイ素を17〜51原子%含み、このケイ素が、ケイ素100原子%あたり95原子%を超える酸素に結合しており、・場合によっては、厚さ0〜300nmの層DMが存在し、この層が、粒子の最大可視反射の波長で50〜100%の透明度及び複素屈折率:(ただし、条件:による)を有し、実質的に炭素、有機化合物、金属、誘電体又はそれらの混合物からなり、コアSD上にあるか、層QZが存在するならば、その層QZによってコアSDから隔てられている顔料に関する。 他に断らない限り、原子%は、全原子の合計に関していう。ケイ素100原子%あたりケイ素に結合した酸素の原子%の数は、コアSD又は層QZ中の酸化ケイ素の平均化学量論的量を表し、その場合、不純物は、そのものが酸素を含む場合(たとえばFe2O3の場合)でも無視する。化学組成又は化学量論的量が厚さ方向で可変性である場合、ケイ素100原子%あたり酸素95原子%が、コアSDと層QZとの境界とみなされる。厚さ方向のコアSDならびに層QZ及びDMの組成は、たとえば、ESCA(化学分析用電子分光)によって測定することができる。可視光は、400〜700nmの波長である。複素屈折率:(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 82nd Edition, pages 12-133)は、たとえば、偏光解析(R. M. A. Azzam & N. M. Bashera, Ellipsometry and Polarized Light, North Holland, New Amsterdam 1997)によって測定することができる。 層QZ及び/又はDMは、好ましくは、コアSDを中心に対称に配置されて、いずれも、その化学組成及び化学量論的量ならびにその厚さに関して、粒子の中心を通過する厚さ軸に対して垂直な対称面を有している。 場合によっては存在する層QZ及び/又はDMに加えて、いかなる所望のさらなる層が存在してもよいが、結果として、多くの場合、望みに反して製造費が増す。高価値の用途、たとえば自動車仕上げ塗装では、たとえば、nD≦1.6の無機誘電体(たとえばSiO2、SiO(OH)2など)の厚さ2〜250nm(好ましくは厚さ10〜100nm)のさらなる保護層によって、耐候性を高めることが可能である。 本発明の顔料は、好ましくは少なくとも一つの層DM又はQZ、特に少なくとも一つの層DM、とりわけ層DM及び層QZの両方を有する粒子を含む。したがって、特に好ましいものは、層順QZ−SD−QZ及びDM−QZ−SD−QZ−DMを有する粒子である。 図1は、粒子QZ−SD−QZの厚さ軸の断面図である。図2は、粒子DM−QZ−SD−QZ−DMの厚さ軸の断面図である。 顔料粒子は、好ましくは、長さ及び幅が5〜20μmであり、厚さが60nm〜1.0μmである。コアSDは、好ましくはケイ素を60〜93原子%、特にケイ素を65〜91原子%含む。コア中のケイ素は、ケイ素100原子%あたり好ましくは5〜50原子%の酸素、特に10〜30原子%の酸素に結合している。 層QZは、厚さが好ましくは20〜250nmであり、好ましくは、ケイ素100原子%あたり150原子%の酸素に結合しているケイ素を20〜40原子%含み、特に、ケイ素100原子%あたり178原子%を超える酸素に結合しているケイ素を30〜36原子%含む。とりわけ、層QZは、少なくとも90モル%のSiO2からなる。層DMは、厚さが好ましくは20〜200nm、特に30〜100nmである。 層QZ及びDMは、存在しなくてもよいが、個々に及び組み合わさって、色特性及び安定性に関して利点を提供する。場合によっては、さらなる層がそれに適用されてもよい。層DMは、特に蒸着工程で最終層として適用される場合、又は蒸着の直後に形成される場合に、有用な実用的利点を提供する。そして、比較的簡単な、たとえば化学的方法を使用して、さらなる層を適用することができる。 しかし、層順DM−SD−DMを有する粒子を製造することも可能である。層DMに有用な材料は、たとえば、金属、たとえばAg、Al、Au、Cu、Co、Cr、Fe、Ge、Mo、Nb、Ni、Si、Ti、V、これらの合金、無機又は有機顔料又は着色剤、グラファイト及びEP0982376に開示されているグラファイトに類似した化合物、MoS2、金属酸化物、たとえばTiO2、ZrO2、SiO、SiO2、SnO2、GeO2、ZnO、Al2O3、V2O5、Fe2O3、Cr2O3、PbTiO3又はCuOならびにそれらの混合物である。しかし、層DMはまた、たとえば、同じく当業者には周知である、電気固有抵抗が従来の定義にしたがって少なくとも1010Ω・cmである、数多くの誘電体のいずれからなることもできる。 好ましいものは、TiO2又はTiO2と他の金属酸化物との混合物であり、TiO2は特にルチル相である。TiO2のルチル相は、たとえば、そのもの公知の方法で、たとえばTiO2を、TiO2に基づいて通例1〜5重量%の量のSnO2の存在で、700〜1000℃でか焼することによって得ることができる。 層DMの透明度は、有利には、少なくとも50%であり、最大で50%の反射率に相当する。金属を使用して、当業者は、適切な薄さの層によって、たとえば約3nmまでのAlもしくはAu、又は約10nmまでのCoもしくはCuを使用して、これを達成する方法を知っているであろう。無色又は有色の誘電体の場合、より大きな厚さが可能である。 等モル量未満の酸素含量を有する酸化ケイ素(SiOx、ただし0.03≦x≦0.95、特に0.05≦x≦0.5、とりわけ0.1≦x≦0.3)は、酸化に対して驚くほど高い安定性を有する一方、薄い層でさえ高い屈折率を有する。加水分解、又は酸素の存在下、150〜500℃、好ましくは200〜300℃での加熱が、予想外にも、非常に薄い、たとえば厚さ約20nmの表面的な二酸化ケイ素層だけを生じさせ、これが、層順QZ−SD−QZを有する構造を製造する非常に好都合な方法の代表である。より厚い二酸化ケイ素層が望まれるならば、それは、WO00/43565の第二の実施例の方法と同様にして、一酸化ケイ素の蒸着及びその後の熱処理によって、好都合に製造することができる。同明細書では、二酸化ケイ素の下に位置し、等モル量未満の酸素含量を有する酸化ケイ素の層が変化しないままでいるということが有利である。 その後、たとえば、層順QZ−SD−QZを有する構造にさらなる層を適用して、DM−QZ−SD−QZ−DMを得ることができる。これは、層順QZ−SD−QZを有する構造に層DMを湿式化学の適用により、特に簡便に製造することができる。 コアSDは、たとえば、DE19844357、EP0990715、US−5135812、US−6270840、WO93/08237、WO00/18978、WO01/57287又はそれらの中で引用されている参考文献のいずれかで開示されているように、後で簡単に溶解除去することができる媒体への蒸着によって製造される。コアSDを蒸着するためには、金属ケイ素(高純度である必要はない)を使用することが有利である。むしろ、Si99.999重量%未満、たとえばSi50〜99.9重量%、具体的にはSi60〜99重量%、より具体的にはSi90〜99重量%、非常に具体的にはSi95〜98.5重量%の含有率を有するケイ素を使用することが好ましい。不純物、たとえば13、14及び15主族の元素及び/又は遷移元素、たとえばFe、Al、Ge、Sn及び/又はSbが存在してもよい。 層QZ又はDMは、たとえば、同様な方法の蒸着によって製造することができるが、この場合、すなわち対称構造の場合、蒸着は、層DM又はQZから開始し、その上にコア、次にさらなる層QZ又はDMを蒸着する。層QZ及びDMがいずれも望まれる場合、手順は、たとえば、本明細書で先に記載したとおりである。 本発明の顔料の粒子は、適切な場合には、トナー粒子の多くの変形態様で、それ自体が公知である乳化重合によって、あるいは熱可塑性樹脂又はポリマー分散液もしくは溶液への組込みよって、ポリマーと組み合わせることができる。 本発明の顔料は、すべての通例の目的に、たとえばポリマーの練込み着色、表面コーティング(自動車分野のためのものをはじめとする特殊効果仕上げ塗装を含む)及び印刷インク、ならびにたとえば化粧品への適用に使用することができる。このような用途は、参考文献、たとえば"Industrielle Organische Pigmente"(W. Herbst + K. Hunger, VCH Weinheim/New York、新たな版が引き続きドイツ語及び英語で発行)から公知である。 しかし、本発明の顔料は、これまで得ることができたエフェクト顔料では完全に満足とはいえなかった用途のためにしばしば考慮することができるような、抜群の品質であることが見出された。当業者は、これに関して適切な試験を実施することが特に推奨される。 本発明の顔料は、ゴニオクロマチック(角度依存呈色性)であり、鮮やかで高彩度の(光沢のある)色を生じさせる。特に有利な色特性は、垂直方向に視ると高彩度の赤に見え、フラットな方向に視ると黄色に見える、≧600nmに主反射率を有するエフェクト顔料が有する色特性である。この色特性は、これまで公知のエフェクト顔料によっては達成されていない。 したがって、本発明の顔料は、従来の透明顔料、たとえば有機顔料、たとえばジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、イソインドリノンなどとの組み合わせに特に適し、透明顔料がエフェクト顔料と類似した色を有することが可能になる。しかし、たとえばEP388932又はEP402943と同様に、透明顔料の色とエフェクト顔料の色とが補色である場合に、特に興味深い組み合わせ効果が得られる。 高分子量有機材料を着色するために本発明の顔料を使用すると、優れた結果を得ることができる。 本発明の顔料又は顔料組成物を使用して着色することができる高分子量有機材料は、天然起源であっても合成起源であってもよい。高分子量有機材料は通常、103〜108g/mol又はそれを超える分子量を有する。これらは、たとえば、天然樹脂、乾性油、ゴムもしくはカゼイン又はそれらから誘導される天然物質、たとえば塩素化ゴム、油改質アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルもしくはエステル、たとえばエチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロースもしくはニトロセルロースであることができるが、特に、重合、重縮合又は重付加によって得られるような完全合成有機ポリマー(熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂)である。重合樹脂のクラスのうち、特にポリオレフィン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン又はポリイソブチレン及び置換ポリオレフィン、たとえば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はブタジエンの重合物、ならびに前記モノマーの共重合物、たとえば特にABS又はEVAを挙げることができる。 重付加樹脂及び重縮合樹脂の系のうち、ホルムアルデヒドとフェノール類との縮合物、いわゆるフェノプラスト、及びホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素又はメラミンとの縮合物、いわゆるアミノプラスト、ならびに表面コーティング樹脂として使用されるポリエステル、アルキド樹脂のような飽和樹脂又はマレイン酸樹脂のような不飽和樹脂;ならびに直鎖状ポリエステル及びポリアミド、ポリウレタン又はシリコーンを挙げることができる。 前記高分子量化合物は、単独又は混合物として存在してもよいし、プラスチック素材又は溶融体の形態で存在してもよい。これらはまた、それらのモノマーの形態で存在することもできるし、重合状態で、表面コーティング又は印刷インクのための膜形成剤又はバインダー、たとえば煮アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂又はアクリル樹脂として溶解した形態で存在することもできる。 使用目的に依存して、本発明のエフェクト顔料又はエフェクト顔料組成物は、トナーとして又は調製物の形態で使用することが有利であることがわかった。コンディショニング法又は意図する用途に依存して、高分子量有機材料、特にポリエチレンを着色するためのエフェクト顔料の使用に悪影響を及ぼさないという条件で、コンディショニング工程の前又は後に、特定量の質感改善剤をエフェクト顔料に加えることが有利かもしれない。適切な薬剤は、特に、炭素原子を少なくとも18個含有する脂肪酸、たとえばステアリン酸もしくはベヘン酸又はそれらのアミドもしくは金属塩、特にマグネシウム塩、及び可塑剤、ロウ、樹脂酸、たとえばアビエチン酸、ロジン石鹸、アルキルフェノール類又は脂肪族アルコール、たとえばステアリルアルコール又は炭素原子8〜22個を含有する脂肪族1,2−ジヒドロキシ化合物、たとえば1,2−ドデカンジオール、ならびに変性ロジンマレイン酸樹脂又はフマル酸ロジン樹脂である。質感改善剤は、最終生成物に基づいて好ましくは0.1〜30重量%、特に2〜15重量%の量で加えられる。 本発明のエフェクト顔料は、着色される高分子量有機材料に、着色有効量で加えることができる。高分子量有機材料と、高分子量有機材料に基づいて0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の、本発明の顔料とを含む着色された組成物が有利である。多くの場合、1〜20重量%、特に約10重量%の濃度を実施で使用することができる。 高い濃度、たとえば30重量%を超える濃度は、普通、比較的低い顔料含量を有する色付き材料を製造するための着色剤として使用することができる濃縮物(「マスタバッチ」)の形態にあるが、本発明の顔料は、通例の配合物中で異例に低い粘度を有するため、それでも十分に加工することができる。 有機材料を着色する目的には、本発明のエフェクト顔料を単独で使用してもよい。しかし、異なる色相又は色効果を達成するために、本発明のエフェクト顔料に加えて、所望の量の他の色付与成分、たとえば白、有色、黒又はエフェクト顔料を高分子量有機物質に加えることも可能である。有色顔料が本発明のエフェクト顔料と混合して使用される場合、合計量は、高分子量有機材料に基づいて好ましくは0.1〜10重量%である。本発明のエフェクト顔料と、別の色、特に補色の有色顔料との好ましい組み合わせによって、特に高い角度依存呈色性が得られ、この場合、エフェクト顔料を使用して得られる着色と、有色顔料を使用して得られる着色とは、10°の計測角で、20〜340、特に150〜210の色相差(△H*)を示す。 好ましくは、本発明のエフェクト顔料は、透明な有色顔料と組み合わされ、この場合、透明な有色顔料は、本発明のエフェクト顔料と同じ媒体中に存在することもできるし、隣接媒体中に存在することもできる。エフェクト顔料と有色顔料とが有利には隣接媒体中に存在する配置の例は、多層エフェクト表面コーティングである。 本発明の顔料による高分子量有機物質の着色は、たとえば、ロールミル又は混合もしくは粉砕装置を使用して、適切な場合にはマスタバッチの形態にある当該顔料を、基材と混合することによって実施される。そして、着色された材料を、それ自体は公知の方法、たとえばカレンダー加工、圧縮成形、押出し成形、コーティング、注型又は射出成形によって、所望の最終形態にする。プラスチック工業で通例の添加物、たとえば可塑剤、充填剤又は安定剤を、通例の量で、顔料の組込みの前又は後にポリマーに加えることができる。特に、非剛性の成形物を製造する、又はそれらの脆性を下げるためには、成形の前に可塑剤、たとえばリン酸、フタル酸又はセバシン酸のエステルを、高分子量化合物に加えることが望ましい。 表面コーティング及び印刷インクを着色する場合、高分子量有機材料及び本発明のエフェクト顔料を、適切な場合には通例の添加物、たとえば充填剤、他の顔料、乾燥剤又は可塑剤とともに、同じ有機溶媒又は溶媒混合物中に微分散又は溶解させる。この場合、個々の成分を別々に溶解又は分散させることも可能であるし、いくつかの成分をいっしょに溶解又は分散させ、その後ではじめてすべての成分を合わせることも可能である。 着色される高分子量有機材料中への本発明のエフェクト顔料の分散、及び本発明の顔料組成物の加工は、好ましくは、エフェクト顔料がより小さな部分に砕かれないように、比較的弱い剪断力しか発生しない条件下で実施する。許容しうる剪断力は、高分子量有機材料中に同様な寸法の雲母を穏やかに分散させるのに適し、当業者が一般に精通している剪断力にほぼ相当する。 たとえばプラスチック、表面コーティング又は印刷インク、特に表面コーティング又は印刷インク、とりわけ表面コーティングで得られる着色は、優れた性質、特に極めて高い彩度、抜群の堅ろう性及び高い角度依存呈色性によって際立っている。 着色される高分子量有機材料が表面コーティングである場合、それは特に特殊表面コーティング、とりわけ自動車仕上げ塗装である。 本発明の顔料はまた、唇や肌のメイクアップ及び髪や爪の着色にも適している。 したがって、本発明は、そのものの全重量に基づいて、本発明の顔料0.0001〜90重量%及び化粧品に適したキャリヤ材料10〜99.9999%を含む化粧品調製物又は配合物に関する。 このような化粧品調製物又は配合物は、たとえば、リップスティック、ほお紅、ファンデーション、ネイルエナメル及びヘアシャンプーである。 顔料は、単独で使用してもよいし、混合物の形態で使用してもよい。加えて、本発明の顔料を、他の顔料及び/又は着色剤とともに、たとえば本明細書で先に記載したように、又は化粧品調製物で公知であるように、組み合わせて使用することが可能である。 本発明の化粧品調製物及び配合物は、好ましくは、本発明の顔料を、調製物の全重量に基づいて0.005〜50重量%の量で含有する。 本発明の化粧品調製物及び配合物に適したキャリヤ材料は、そのような組成物に使用される通例の物質を包含する。 本発明の化粧品調製物及び配合物は、たとえばスティック、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、分散液、粉末又は溶液の形態であってもよい。これらは、たとえば、リップスティック、マスカラ剤、ほお紅、アイシャドー、ファンデーション、アイライナー、パウダー又はネイルエナメルである。 調製物がスティック、たとえばリップスティック、アイシャドー、ほお紅又はファンデーションの形態にあるならば、調製物は、そのかなりの部分が、1種以上のロウ、たとえばオゾケライト、ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンロウ、蜜ロウ、カンデリラロウ、微晶質ロウ、カルナウバロウ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ココアバター、ラノリン脂肪酸、ペトロラタム、石油ゼリー、25℃で固体であるモノ−、ジ−もしくはトリ−グリセリド類又はそれらの脂肪エステル類、シリコーンロウ、たとえばメチルオクタデカノキシポリシロキサン及びポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシシロキサン、ステアリン酸モノエタノールアミン、マツ脂及びその誘導体、たとえばアビエチン酸グリコール及びアビエチン酸グリセリン、25℃で固体である水添油、糖グリセリド、ならびにカルシウム、マグネシウム、ジルコニウム及びアルミニウムのオレイン酸塩、ミリスチン酸塩、ラノリン脂肪酸塩、ステアリン酸塩及びジヒドロキシステアリン酸塩からなることができる脂肪成分からなる。 脂肪成分はまた、少なくとも1種のロウと、少なくとも1種の油との混合物からなることもでき、その場合、たとえば以下の油が適当である。パラフィン油、パーセリン油、ペルヒドロキシスクアラン、スイートアーモンド油、アボカド油、カロフィラム油、ヒマシ油、ゴマ油、ホホバ油、約310〜410℃の沸点を有する鉱油、シリコーン油、たとえばポリジメチルシロキサン、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、オレイルアルコール、穀粒油、たとえば小麦胚芽油、イソプロピルラノラート、イソプロピルパルミタート、イソプロピルミリスタート、ブチルミリスタート、セチルミリスタート、ヘキサデシルステアラート、ブチルステアラート、デシルオレアート、アセチルグリセリド、アルコール及びポリアルコール、たとえばグリコール及びグリセリンのオクタノアート及びデカノアート、アルコール及びポリアルコール、たとえばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルラノラート、イソプロピルアジパート、ヘキシルラウラート及びオクチルドデカノールのリシノレアート。 スティックの形態のこのような調製物中の脂肪成分は、一般に、調製物の全重量の99.91重量%までを構成することができる。 本発明の化粧品調製物及び配合物は、さらなる成分、たとえばグリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノアルカノールアミド、無着色のポリマー性、無機又は有機充填剤、防腐剤、UVフィルタ又は化粧品で通例である他の補助剤及び添加物を、さらに含むことができる。 これらは、たとえば、天然又は合成もしくは部分的に合成のジ−もしくはトリ−グリセリド、鉱油、シリコーン油、ロウ、脂肪アルコール、ゲルベ(Guerbet)アルコール又はそれらのエステル、親油性機能的化粧品有効成分、たとえば日焼け止めフィルタ又はそれらの物質の混合物を含む。 皮膚化粧品に適した親油性機能的化粧品有効成分、有効成分又は有効成分抽出物は、経皮的又は局所的な適用に関して認可されている成分又は成分の混合物である。例として以下を挙げることができる。―皮膚表面及び毛髪に対して清浄作用を有する有効成分。これらは、皮膚を清浄するように働くすべての物質、たとえば油、石鹸、合成洗剤及び固形物質を含む。―脱臭及び発汗抑制作用を有する有効成分。これらは、アルミニウム塩又は亜鉛塩に基づく制汗剤、殺菌性又は静菌性脱臭物質、たとえばトリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコール類及びカチオン性物質、たとえば第四級アンモニウム塩を含む脱臭剤ならびに吸臭剤、たとえばGrillocin(登録商標)(リシノール酸亜鉛と種々の添加剤との組み合わせ)又はクエン酸トリエチル(場合によっては酸化防止剤、たとえばブチルヒドロキシトルエンと組み合わされている)又はイオン交換樹脂を含む。―陽光に対する保護を提供する有効成分(UVフィルタ)。適切な有効成分は、陽光からのUV線を吸収し、それを熱に転換することができるフィルター物質(日焼け止め)である。所望の作用に依存して、以下の光保護剤が好ましい。約280〜315nmの範囲(UV−B吸収剤)の、日焼けを生じさせる高エネルギーUV線を選択的に吸収し、より長い、たとえば315〜400nmの波長範囲(UV−A範囲)を透過させる光保護剤、ならびにより長い315〜400nmのUV−A範囲の放射線だけを吸収する光保護剤(UV−A吸収剤)。 適当な光保護剤は、たとえば、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリラート誘導体、ベンゾフラン誘導体、1個以上の有機ケイ素基を含むポリマーUV吸収剤、ケイ皮酸誘導体、ショウノウ誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びその塩、メンチルアントラニラート、ベンゾトリアゾール誘導体のクラスからの有機UV吸収剤及び/又は酸化アルミニウムもしくは二酸化ケイ素でコーティングされたTiO2、酸化亜鉛もしくは雲母から選択される無機マイクロ顔料である。―昆虫に対する有効成分(忌避剤)は、昆虫が皮膚に触れ、そこで活性化することを防ぐための薬剤である。昆虫を駆逐し、ゆっくりと揮発する。もっともよく使用される忌避剤は、ジエチルトルアミド(DEET)である。他の一般的な忌避剤は、たとえば、"Pflegekosmetik"(W. Raab 及び U. Kindl, Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York, 1991)の161頁に見られる。―化学的及び機械的な影響に対する保護のための有効成分。これらは、皮膚と外部の有害物質との間にバリヤを形成するすべての物質、たとえばパラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL製品、及び水性溶液に対する保護のためのラノリン、膜形成剤、たとえばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミン、ポリアクリラート、ポリビニルアルコール、又は有機溶媒の影響に対する保護のためのセルロースエーテル、あるいは皮膚に対する激しい機械的応力に対する保護のための「潤滑剤」としての、鉱油、植物油又はシリコーン油に基づく物質を含む。―保湿物質。たとえば以下の物質が、湿分調整剤(保湿剤)として使用される。乳酸ナトリウム、尿素、アルコール類、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチン及びヒアルロン酸。―角質新生効果を有する有効成分。過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、コロイド硫黄及びレゾルシノール。―抗微生物剤、たとえばトリクロサン又は第四級アンモニウム化合物。―経皮的に塗布することができる油性もしくは油溶性のビタミン又はビタミン誘導体、たとえばビタミンA(遊離酸の形態のレチノール又はその誘導体)、パンテノール、パントテン酸、葉酸及びそれらの組み合わせ、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF、必須脂肪酸又はナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)。―ビタミンベースの胎盤抽出物、特にビタミンA、C、E1、B2、B6、B12、葉酸及びビオチンを含む有効成分組成物、アミノ酸及び酵素ならびに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄又は銅の化合物。―ビフィズス族の細菌の不活性化及び壊変培養物から得られる皮膚修復複合体。―植物及び植物抽出物、たとえばアルニカ、アロエ、サルオガセ、ツタ、イラクサ、チョウセンニンジン、ヘンナ、カミツレ、マリゴールド、ローズマリー、セージ、トクサ又はタイム。―動物抽出物、たとえばロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質又は胸腺抽出物。―経皮的に塗布することができる化粧油:Miglyol 812タイプの中性油、アプリコット核油、アボカド油、ババス油、綿実油、ルリヂサ油、アザミ油、落花生油、ガンマ−オリザノール、バラ種子油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、クロフサスグリ種子油、ホホバ油、サクランボ種子油、サーモン油、アマニ油、コーンシード油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、月見草油、ミンク油、オリーブ油、ピーカンナッツ油、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米油、ヒマシ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、グレープシード油又は小麦胚芽油。 スティック形態の調製物は、好ましくは無水であるが、特定の場合には、一般に化粧品調製物の全重量に基づいて40重量%を超えない一定量の水を含んでもよい。 本発明の化粧品調製物及び配合物が半固形生成物の形態、すなわち軟膏又はクリームの形態にあるならば、それも同じく無水であってもよいし、水性であってもよい。このような調製物及び配合物は、たとえば、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、ほお紅、アイシャドー又は目の下のくまを手入れするための組成物である。 他方、このような軟膏又はクリームが水性であるならば、それは特に、顔料とは別に脂肪相1〜98.8重量%、水相1〜98.8重量%及び乳化剤0.2〜30重量%を含む油中水型又は水中油型のエマルションである。 このような軟膏及びクリームはまた、さらなる従来の添加物、たとえば芳香剤、酸化防止剤、防腐剤、ゲル形成剤、UVフィルタ、着色剤、顔料、パールエッセンス剤、無着色ポリマー及び無機又は有機充填剤を含むことができる。 調製物が粉末の形態にあるならば、それは実質的に鉱物又は無機もしくは有機充填剤、たとえば滑石粉、カオリン、デンプン、ポリエチレン粉末又はポリアミド粉末ならびに補助剤、たとえばバインダー、着色剤などからなる。 このような調製物も同じく、化粧品で従来から使用されている種々の補助剤、たとえば芳香剤、酸化防止剤、防腐剤などを含むことができる。 本発明の化粧品調製物及び配合物がネイルエナメルであるならば、それは本質的に溶媒系の溶液の形態のニトロセルロース及び天然又は合成のポリマーからなり、その溶液が他の補助剤、たとえばパールエッセンス剤を含むことが可能である。 その実施態様では、着色されたポリマーは、約0.1〜5重量%の量で存在する。 本発明の化粧品調製物及び配合物はまた、毛髪を着色するのに使用することができ、その場合、化粧品工業で従来から使用されるベース物質及び本発明の顔料からなるシャンプー、クリーム又はゲルの形態で使用される。 本発明の化粧品調製物及び配合物は、従来の方法で、たとえば各成分を、場合によっては混合物が融解するよう加熱しながら、いっしょに混合又は撹拌することによって調製される。 以下の例が本発明を説明するが、その範囲を限定することはない(他に断りがない限り、「%」は常に重量%である)。例1 ケイ素粒体(純度:Si98.3重量%、Fe0.72重量%、Al0.6重量%、O痕跡量)を入れた1個のグラファイトるつぼ及び塩化ナトリウムを入れた1個のグラファイトるつぼを、蒸着させる材料として、回転アルミニウムドラムを標的として有する真空蒸着チャンバに入れた。約0.1Paの圧力で、まず塩化ナトリウム100nmを蒸着させ、次に、100秒かけて、低酸化物化合物の形態(存在する酸素の一部との反応による)のケイ素100nmを蒸着させた。コーティングされたアルミニウムドラムを水に浸漬した。粒子状に砕かれた生成物をろ過によって回収し、水ですすぎ、空気中、150℃で乾燥させた。ゴニオクロマチック効果を有する鮮やかな緑色の粉末が得られた。例2 低酸化物化合物の形態のケイ素120nmを蒸着させたことを除き、手順は例1と同様であった。ゴニオクロマチック効果を有する鮮やかなオレンジ赤色の粉末が得られた。例3 低酸化物化合物の形態のケイ素125nmを蒸着させたことを除き、手順は例1と同様であった。ゴニオクロマチック効果を有する鮮やかな赤色の粉末が得られた。例4 低酸化物化合物の形態のケイ素130nmを蒸着させたことを除き、手順は例1と同様であった。ゴニオクロマチック効果を有する鮮やかな紫色の粉末が得られた。例5 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次に一酸化ケイ素25nm、低酸化物化合物の形態のケイ素90nm及び再び一酸化ケイ素25nmを蒸着させたことを除き、手順は例1と同様であった。その後、空気中、250℃で1時間加熱を実施すると、外側の層が二酸化ケイ素に転換され、同時に厚さが増した。強いゴニオクロマチック効果を有する鮮やかな紫色の粉末が得られた。例6 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO250nm、二酸化ケイ素25nm、低酸化物化合物の形態のケイ素100nm、二酸化ケイ素25nm及びTiO250を蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。強いゴニオクロマチック効果を有する鮮やかな青緑色の粉末が得られた。例7 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO250nm、二酸化ケイ素25nm、低酸化物化合物の形態のケイ素50nm、二酸化ケイ素25nm及びTiO250nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。強いゴニオクロマチック効果を有する紫色の粉末が得られた。30°と60°との間の彩度の顕著な差が、特に注目に値した。例8 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO250nm、二酸化ケイ素50nm、低酸化物化合物の形態のケイ素50nm、二酸化ケイ素50nm及びTiO250nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。高い彩度及び強いゴニオクロマチック効果を有する青色の粉末が得られた。彩度に関して最大値が約30°で達成されたという事実が、注目に値した。例9 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO250nm、二酸化ケイ素100nm、低酸化物化合物の形態のケイ素50nm、二酸化ケイ素100nm及びTiO250nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。強いゴニオクロマチック効果を有する黄緑色の粉末が得られた。30°と60°との間の色相の顕著な差が、特に注目に値した。例10 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO2100nm、二酸化ケイ素100nm、低酸化物化合物の形態のケイ素100nm、二酸化ケイ素100nm及びTiO2100nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。赤紫色の粉末が得られた。例11 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO2100nm、二酸化ケイ素50nm、低酸化物化合物の形態のケイ素100nm、二酸化ケイ素50nm及びTiO2100nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。オレンジ色の粉末が得られた。例12 まず塩化ナトリウム100nmを蒸着し、次にTiO2100nm、二酸化ケイ素25nm、低酸化物化合物の形態のケイ素100nm、二酸化ケイ素25nm及びTiO2100nmを蒸着させたことを除き、手順は例5と同様であった。黄色の粉末が得られた。例13 リップスティックは、以下の組成を有するものであった。 物質8〜10を混合し、得られた混合物中に物質13及び14を分散させた。そして、得られたペースト状物を三本ロール装置に数回通した。その間に、物質1〜6を融解させ、均質になるまで撹拌した後、物質7、11及び12を加えて撹拌した。そして、二つの混合物を熱い状態で均一な分散が達成されるまで混合した。そして、熱い素材をリップスティック型に流し込み、冷ました。得られたリップスティックは、抜群の耐光堅ろう性及び非常に良好な光沢を有する強い青みがかった赤色を有し、ブリードを見せなかった。例14〜25 ゴニオクロマチック効果を計測するために、例1〜12を繰り返した。ただし、塩化ナトリウムを蒸着するのではなく、ガラスに対して蒸着を実施した。コーティングされたガラスプレートを黒い背景に対して配置し、ゴニオフォトスペクトロメータ(たとえばZeiss社)によって、D65照明を用いて、10°、30°及び60°の視覚で、CIE64変換を使用して計測した。図3〜5は、CIE1976L*C*h色座標を角度の関数として示す。Y軸は、L*及びC*に関して0〜100の目盛りであり、hに関して0〜360の目盛りである。図3は、例7と同様なガラスへのコーティングに対応し、図4は、例8と同様なガラスへのコーティングに対応し、図5は、例9と同様なガラスへのコーティングに対応する。例26〜37 例1〜12のいずれかの顔料7.8重量部、Alkydal(登録商標)F310(Bayer、Solventnaphtha(登録商標)100中60%)45.4重量部、Disperbyk(登録商標)161(Byk Chemie、n−ブチルアセタート/1−メトキシ−2−プロピルアセタート1:6中30%)4重量部、キシレン中1%のシリコーン油0.8重量部、1−メトキシ−2−プロパノール3.3重量部、n−ブタノール3.3重量部、キシレン15.4重量部、Maprenal(登録商標)MF650(Solutia Inc.、イソブタノール/1−ブタノール/キシレン40:2:2中30%最大)19.4重量部及びTinuvin(登録商標)123 0.6重量部を含む配合物100重量部を、分散機中、ガラスビーズ230重量部を使用して約40℃で2時間分散させた。ガラスビーズを分別した後、適合する層厚さの表面コーティングを、黒く下塗りしたアルミニウムシートに吹付けした。その際、1シートあたり塗布した量は約10、20、30又は40g/m2であった。そして、表面コーティングから溶媒を約25℃で30分間気化させた後、130℃で30分間焼付けした。表面に対して垂直な方向でのD65の反射を、表面に対して10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°及び80°の角度で計測した(CIE1976L*C*h色座標)。すべての表面コーティングはゴニオクロマチックであった。粒子QZ−SD−QZの厚さ軸の断面図である。粒子DM−QZ−SD−QZ−DMの厚さ軸の断面図である。例7と同様なガラスへのコーティングに対応する、CIE1976L*C*h色座標の角度の関数である。例8と同様なガラスへのコーティングに対応する、CIE1976L*C*h色座標の角度の関数である。例9と同様なガラスへのコーティングに対応する、CIE1976L*C*h色座標の角度の関数である。 粒子が、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ50nm〜1.5μmを有し、長さ対厚さの比が少なくとも2:1であり、粒子が、二つの実質的に平行な面を有するコアSDを有し、それらの面の間の距離が前記コアの最短軸であり、場合によっては、これら平行な面又は全表面に適用された層QZ及び/又はDMを有する顔料であって、・前記コアSDが、20〜350nmの厚さを有し、ケイ素を50〜97原子%含み、このケイ素が、ケイ素100原子%あたり3〜95原子%の酸素に結合しており、・場合によっては、厚さ0〜500nmの層QZが存在し、この層がコアSDに適用され、ケイ素を17〜51原子%含み、このケイ素が、ケイ素100原子%あたり95原子%を超える酸素に結合しており、・場合によっては、厚さ0〜300nmの層DMが存在し、この層が、粒子の最大可視反射の波長で50〜100%の透明度及び複素屈折率:(ただし、条件:による)を有し、実質的に炭素、有機化合物、金属、誘電体又はそれらの混合物からなり、前記コアSD上にあるか、又は層QZが存在するならば、その層QZによって前記コアSDから隔てられている顔料。 厚さ2〜250nm、好ましくは10〜100nmの、nD≦1.6の無機誘電体のさらなる層によってさらに包囲されている、請求項1記載の顔料。 前記さらなる層の誘電体が、場合によっては部分的又は完全に加水分解されていてもよい酸化ケイ素である、請求項2記載の顔料。 高分子量有機材料と、前記高分子量有機材料に基づいて0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の請求項1、2又は3記載の顔料とを含む組成物。 化粧品調製物又は配合物の全重量に基づいて0.0001〜90重量%の請求項1、2又は3記載の顔料と、10〜99.9999重量%の化粧品に適したキャリヤ材料とを含む化粧品調製物又は配合物。