タイトル: | 特許公報(B2)_広範なtRNAアミノアシル化活性を有するリボザイム |
出願番号: | 2003569647 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 9/10,C12P 21/00 |
菅,裕明 村上,裕 斉藤,博英 JP 4464684 特許公報(B2) 20100226 2003569647 20030218 広範なtRNAアミノアシル化活性を有するリボザイム ザ リサーチ ファウンデイション オブ ステイト ユニバーシティー オブ ニューヨーク アト バッファロー 504308165 特許業務法人みのり特許事務所 110000475 菅,裕明 村上,裕 斉藤,博英 US 60/357,424 20020215 20100519 C12N 15/09 20060101AFI20100422BHJP C12N 9/10 20060101ALI20100422BHJP C12P 21/00 20060101ALI20100422BHJP JPC12N15/00 AC12N9/10C12P21/00 A C12N 15/00-15/90 C12P 21/00-21/08 C12N 9/10 GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq 国際公開第01/038582(WO,A1) 国際公開第00/061725(WO,A1) SAITO,RNA,2001年,V7,P1867-1878 LEE,NATURE STRUCTUAL BIOLOGY,2000年 1月,V7 N1,P28-33 SAITO,J.AM.CHEM.SOC.,2001年,V123,P7178-7179 31 US2003005007 20030218 WO2003070740 20030828 2005528090 20050922 44 20051124 吉田 知美 本出願は、その開示を出典明示により本明細書中に組み込む、2002年2月15日出願の、米国仮出願第60/357,424号の優先権を主張する。 本発明は概して、触媒RNA分子に関する分野および特に、tRNAをアミノアシル化する能力を有する触媒RNA分子に関する。 非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質は、生物医学的および治療的目的において非常に有望なものである。そのようなアミノ酸は、タンパク質の構造および機能的精査、コンビナトリアルケミストリーのためのペプチドライブラリーの構築およびプロテオミクスにおいて、特に有用たり得る。しかし、そのようなタンパク質の合成は、非常にコストがかかり、非能率的であった。現在天然に存在していることが公知の翻訳システムにおける、遺伝子コーディング機構の一部は、翻訳機構により成長しているポリペプチド鎖に正確にアミノ酸が導入されるよう、その特異的tRNAにアミノ酸を充填するタンパク質である、アミノアシル-tRNAシンセターゼ(ARSs)により行われる。 ARSは、20個の異なる形態で存在し、そのそれぞれが単一のアミノ酸のその特異的tRNAイソアクセプターへのエステル化を特異的に触媒し、それによりアミノ酸をその対応する3つ組アンチコドンと直接連結させる。関連のないアミノ酸のtRNAへの誤った充填により、その細胞内活性にとって致命的たり得る細胞タンパク質へアミノ酸が誤って導入されることになるので、ARSによるアミノアシル化反応の忠実性は、極めて高くなければならない。この重要なタスクを達成するために、ARSは、特異的アミノ酸とtRNAを選択的に認識するための非常に精巧な機構を用いている。tRNAの認識を決定する要素は、アンチコドンループからアクセプターステムおよびリン酸リボース骨格と、様々である。これらの複雑性のために、非天然tRNAおよびアミノ酸に対する所望の特異性を有するARSの操作は達成されていない。その結果、核酸が注目されている。 多年にわたり、核酸は情報分子であるとのみ考えられていた。しかし、Cechおよび共働者の開拓的研究(Cech、1987、サイエンス、236: 1532-1549; McCorkleら、 1987、コンセプツ バイオケム. 64: 221-226)により、触媒として作用し得る天然のRNA(リボザイム)の存在が確証された。しかし、これらの天然RNA触媒は、切断およびスプライシングのためのリボ核酸物質において作用することが立証されているのみであったが、リボザイムの人工的開発の発展により、種々の化学反応に対する触媒のレパートリーが拡がっている。例えば、RNAが、DNAにおけるホスホジエステル切断(Beaudryら、1992、サイエンス、257: 635)、アミノアシルエステルの加水分解(Piccirilliら、1992、サイエンス、256: 1420-1424)、自己切断(Panら、1992、バイオケミストリー、31: 3887)、3'OHを有するオリゴヌクレオチドの触媒の5'トリホスフェートへのライゲーション(Bartelら、1993、サイエンス、261:1411-1418)、ビフェニルイソメラーゼ活性(Schultzら、1994、サイエンス、264: 1924-1927)、およびポリヌクレオチドキナーゼ活性(Lorschら、1994、ネイチャー、371: 31-36)を触媒することが報告されている。 新規な触媒を同定するために、Brennenら(1992、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 89: 5381-5383)は、巨大分子の異成分から成るプールを構築し、インビトロ選択プロセスを用いて、所望の反応を触媒する分子を単離した。このアプローチの変法が、Goldらにより用いられている(米国特許第5,475,096号)。指数的リガンド連続強化法(SELEX)として知られるこの方法により、様々な標的分子と特異的、非共有相互作用を形成する能力を有する核酸が同定される。関連特許(米国特許第5,990,142号)は、SELEX法に基づくものであるが、これは、標的との共有結合の形成を触媒することができる変更および非変更RNA分子を潜在的に同定することができる。近年、同様のアプローチを用いて、ホスホジエステラーゼおよびアミダーゼ活性を有する触媒RNA分子が同定された(米国特許第6,063,566、Joyceによる)。 加えて、研究により、自身の(2')3'-末端におけるアミノアシル-RNA結合を触媒することができるRNA分子(Illangakekareら、1995、サイエンス267: 643-647)および、1つのRNA分子から他のものへとアミノ酸を輸送することができるRNA分子が同定されている。アミノアシル-tRNAのインビトロ合成のための主な方法は、現在、操作されたtRNAフラグメントの酵素ライゲーションを後で行う、ジヌクレオチドの化学的アミノアシル化によるものである。これらのステップは不幸にも時間を消費するものであり、かつ苦労を要する(Hecklerら、バイオケミストリー、1984(23) 1468-1473)。従って、選択されるあらゆるtRNAを所望のアミノ酸でアミノアシル化することができる、tRNAのアミノアシル化のための方法が必要とされている。発明の概要 本発明により、tRNAをアミノアシル化することができる触媒RNA分子が提供される。これらの触媒RNA分子を用いて、所望の天然または非天然アミノ酸でtRNAをアミノアシル化することができる。 本発明により、また、そのような触媒RNA分子を構築する方法も提供される。この方法は、特に無作為化されたリボザイム配列の別個のプールを構築し、プールにおいて特異的エボリューションをせしめ、所望のアミノアシル化活性に関してプールをスクリーニングし、次いで所望のアミノアシル化活性を有する配列を選択および特定する工程を含む。 本発明により、また、本発明によるアミノアシル化tRNAを作製するための触媒RNAの使用方法も提供される。該方法は、触媒RNA分子を提供すること、触媒RNA分子を所望の天然または非天然アミノ酸およびtRNAと接触させることおよび、アミノアシル化tRNAを単離することから成る工程を含む。 さらに、本発明により、特定の位置に所望のアミノ酸(天然または非天然)を導入せしめたポリペプチドを作製するためのタンパク質翻訳において、非特異的tRNAでアミノアシル化されたアミノアシル化tRNAを用いるための方法が提供される。本方法は、特定の位置に同定または操作されたコドンを有するmRNAを提供すること、所望の天然または非天然アミノ酸でアミノアシル化された、mRNAの同定または操作されたコドンに対応するアンチコドンを有するtRNAを提供すること、mRNAから作製されるポリペプチドにおいて選択された位置に所望の天然または非天然アミノ酸が導入されるように、mRNAおよびアミノアシル化tRNAを所望により翻訳システムと共に組み合わせることから成る工程を含む。 本発明により、広範なアミノアシルtRNA合成活性を有するリボザイムが提供される。このリボザイムは、非特異的アミノ酸および非天然アミノ酸でtRNAをアシル化することができる。 本発明により、選択された位置に所望のアミノ酸(天然または非天然)を有するポリペプチドを合成するための翻訳システムに用いることができる、非特異的アミノ酸でアミノアシル化されたtRNA分子も提供される。 本発明により、非特異的アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAを作製するためのおよび、選択された位置に所望のアミノ酸(非天然アミノ酸を含む)を含んでいるポリペプチドを作製するためのキットがさらに提供される。発明の詳細な記載 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いる「リボザイム」なる用語は、「触媒RNA」と交換して用いることができ、化学反応を触媒することができるRNA分子を意味する。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いられる「特異的天然アミノ酸」または「特異的アミノ酸」なる用語は、それにてtRNAがインビボで通常チャージされるアミノ酸を意味する。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いられる「非-特異的アミノ酸」なる用語は、それにてtRNAが通常はアミノアシル化されないあらゆるアミノ酸を意味し、ストップコドンまたは4つの塩基コドンを有するtRNAにおいてアミノアシル化されるあらゆるアミノ酸を含む。本明細書および請求の範囲のための「非-特異的アミノ酸」なる用語は、ビオチン化されたアミノ酸を含まない。さらに、本明細書および請求の範囲のための「非特異的アミノ酸」なる用語は、mRNA由来のポリペプチドに導入されたアミノ酸であって、ポリペプチドにおける当該アミノ酸の位置に対応しているコドンがその遺伝子コード下のアミノ酸に対応するコドンではないものを示す。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いる「チャージ」なる用語は、「アミノアシル化」と交換して用いることができる。 明細書および請求の範囲の目的のために本明細書中に用いる「天然アミノ酸」なる用語は、生きている細胞中のtRNAにおいて通常アミノアシル化される20個のアミノ酸の中のいずれかのアミノ酸を意味する。そのようなアミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸である。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いられる「非-天然アミノ酸」なる用語は、前記のもの以外のアミノ酸を意味する。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いられる「tRNA」なる用語は、AARによりアミノアシル化されることが公知の、tRNAの公知のクローバー-リーフ二次構造と同様の二次構造であると認めることができるRNA分子を意味する。tRNAの例には、tRNAPheまたはtRNALeuなどの天然tRNAが含まれ、また、アンバーサプレッサーtRNAGln2由来であるが、細菌のアミノアシルtRNAシンセターゼ(ARS)によっては認識されない人工の直交性サプレッサーtRNA(otRNA)などの非天然tRNAも含まれる。種々の生物体由来のまたはそれから単離されたアンバーサプレッサーtRNAは、tRNAのさらなる例である。 明細書および請求の範囲のために本明細書中に用いられる「ポリペプチド」なる用語は、ペプチド結合により結合された2またはそれ以上のアミノ酸から成るアミノ酸のあらゆる連結を意味する。 本発明により、いずれかのtRNAを非天然および天然アミノ酸でアミノアシル化することができるリボザイムが提供される。1の具体例では、リボザイムは、GGUモチーフおよびU-リッチ領域を含む。r24ミニの構造(図1A)と比較して、本発明のリボザイムは、予定されたステムが少なく、短い配列を有する。特定の理論により拘束されることを意図するものではないが、U-リッチ領域(塩基32-35)は、アミノ酸基質の認識の原因となる部分であり、GGU-モチーフ(塩基43-45)はtRNA3'末端と塩基対を形成し、アミノ酸とtRNAの両方を同時に認識し、トランスでのtRNAの3'末端のアミノアシル化を促進すると考えられる。さらに、GGCG(配列番号61)(塩基36-39)配列は、リボザイムの活性に重要であると考えられる。しかし、既に開示されている触媒RNAとは異なり、本発明のリボザイムの配列により、より広範なtRNAと非天然アミノ酸の間の反応を触媒する能力が得られる。これは、インビトロ翻訳反応における使用のための、非天然アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAを作製するのに有用である。 本発明のリボザイムは、本明細書中の実施例を通じてより完全に理解される方法で、tRNAAsnCCCG(図1C)と結合した部分的に無作為化したr24ミニ(図1A)を用いるインビトロ選択の後、活性クローンに見出されるコンセンサス配列(図3)を系統的に操作することにより、作製した。これらのリボザイムおよび特にFx3リボザイム(図4Aを参照されたい)は、Pheアナログのアレイを含む所望の天然および非天然アミノ酸でチャージされた種々のアミノアシル化-tRNAの合成のための、多目的触媒として作用することができる。 本発明により、天然アミノ酸を含む非特異的アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAも提供される。本発明のリボザイムは、本明細書の実施例によりより完全に理解される方法で、溶液中でtRNAをアミノアシル化するのに用いることができ、本発明により、tRNAをアミノアシル化することができ、アミノアシル化された産物の効果的なアフィニティ精製を可能とする基質-固定形態のリボザイムも提供される。適当な基質の例には、アガロース、セファロースおよび磁気ビーズが含まれる。例えば、リボザイムは、RNAの化学構造上の利点を用いることにより、樹脂上に固定することができる。RNAのリボースにおける3'-シス-ジオールの過ヨウ素酸酸化により対応するジアルデヒドが得られ、この官能基により、樹脂上へのRNAの固定化が可能となる。還元アミノ化により樹脂とリボザイムの間の相互作用、不可逆的な結合を形成する、安価なヒドラジド樹脂を含む種々のタイプの樹脂を用いることができる。樹脂は、例えば、反応バッファーでのリボザイム樹脂の平衡化により、複数回再利用することができる。つまり、アミノアシル-tRNAの合成を、オン-カラムアミノアシル化法によりかなり促進することができる。 アミノアシル化tRNAの単離は、様々な方法で行うことができる。1つの適当な方法は、10mMのEDTAを含む酢酸ナトリウム溶液などのバッファー、50mMのN-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(3-プロパンスルホン酸)、12.5mMのKCl、pH 7.0、10mMのEDTAを含んでいるバッファー、または単にEDTA緩衝水(pH 7.0)のみを用いて、カラムからアミノアシル化tRNAを溶離することである。 本発明のアミノアシル化tRNAは、tRNAをアミノアシル化するアミノ酸を、翻訳反応により作製されるポリペプチド中の特定の位置にて組み込むために、翻訳反応に添加することができる。本発明のアミノアシル化tRNAを用い得る翻訳システムの例には、制限されるものではないが、細胞溶解物が含まれてよい。細胞溶解物により、投入したmRNAからのポリペプチドのインビトロ翻訳に必要な反応成分が提供される。そのような反応成分の例には、制限されるものではないが、リボソームタンパク質、rRNA、アミノ酸、tRNA、GTP、ATP、翻訳開始および延長因子、および翻訳に関連する追加因子が含まれる。さらに、翻訳システムは、バッチ式翻訳またはコンパートメント化された翻訳であってよい。バッチ式翻訳システムは、単一のコンパートメント中に反応成分を組み合わせるが、コンパートメント化された翻訳システムは、翻訳効率を阻害する可能性のある反応産物から翻訳反応成分を分離するものである。そのような翻訳システムは、市場入手可能である(以下の参照されたい)。 さらに、組み合わせ転写/翻訳システムを用いてよい。組み合わせ転写/翻訳システムは、投入したDNAの対応するmRNA(これは、後に反応成分により翻訳される)への転写を、さらに可能とするものである。市場入手可能な組み合わせ転写/翻訳の例は、ラピッドトランスレーションシステム(登録商標)(RTA(登録商標))(Roche(登録商標), Inc.)である。RTS(登録商標)は、投入されたDNA鋳型からのポリペプチドの発現を可能とする組み合わせ転写/翻訳システムを利用するものである。該システムには、リボソームおよび翻訳ファクターなどの翻訳成分を提供するためのイー.コリ溶解物含有混合物が含まれる。さらに、RNAポリメラーゼが、翻訳に用いられるmRNA鋳型への投入DNAの転写のために含まれる。そのようなポリメラーゼの例は、T7 RNAポリメラーゼである。さらに、RTS(登録商標)は、供給/排出コンパートメントおよび転写/翻訳コンパートメントを含む反応コンパートメントの間に配置される膜による、反応成分のコンパートメント化を用いることができる。転写/翻訳の代謝副産物から組み合わせ転写/翻訳反応を膜に基づいて分離するために、反応副産物による反応の阻害が緩和されるため、タンパク質の収量が増す。 本発明のリボザイムによりアミノアシル化されるtRNAのアンチコドンに相補的なコドンを含んでいるまたはそのように設計されたmRNAと翻訳システムを組み合わせることにより、翻訳システムは、ポリペプチドの予め選択した位置に非天然アミノ酸を組み込むことができる。いずれにせよ限定を意図するものではなく、ポリペプチドに対して予め選択した位置へ非天然アミノ酸を組み込む例として、非天然アミノ酸を50位に有する100個のアミノ酸の仮想ポリペプチドを以下のように作製し得る。 本発明のリボザイムにより非天然アミノ酸でアミノアシル化されるtRNAのアンチコドンに相補的なコドンを50位に有するよう設計されたmRNAを、翻訳システムに添加する。mRNAは、当業者に周知の種々の転写プロトコルのいずれかを用いてDNA鋳型から転写してよい。転写に関するさらなる詳細に関しては、例えば、サムブルック(Sambrook)ら、モレキュラークローニング、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)(1990)を参照されたい。例として、mRNAは、T7RNAポリメラーゼなどの原核生物のRNAポリメラーゼを用いて転写してよい。DNA鋳型は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により作製された、または2つの化学合成された相補DNA鎖を共にアニーリングすることにより、またはプラスミドを線状化することにより作製された鎖状二本鎖DNAであってよい。DNA鋳型は、完全なプラスミドであってもよい。市場入手可能なプラスミドの例は、pGEM7Z(登録商標)プラスミドである。DNA鋳型は、特定のRNAポリメラーゼにより認識される転写プロモーターを有する。転写されるべきDNAの領域には、コドンから成る1つまたはそれ以上のオープンリーディングフレームが含まれる。コドンは、遺伝子コードから選択されるアミノ酸コドンを含み、そしてさらに、非-センス、誤-センスおよび非-天然コドン、例えば4塩基コドンなどを含んでよい。非-天然アミノ酸をポリペプチドに組み込むためには、本発明のリボザイムでアミノアシル化されるアミノアシル-tRNAのアンチコドンと対形成するコドンを有するmRNAをコードするよう、DNA鋳型を設計する。いずれにせよ限定を意味するものではなく、例として、そのようなコドンは配列UAGを結するアンバーコドンであってよい。mRNAにおけるUAGアンバーコドンは翻訳の終結を指示する。 仮想の100個のアミノ酸ポリペプチドに関しては、さもなくば100個のアミノ酸から成るオープンリーディングフレームの50位にアンバーコドンを有するmRNAをコードしているDNA鋳型から転写されたmRNAを翻訳することにより、50位のアンバーコドンにおける翻訳の終結のために49個のアミノ酸から成る仮想ポリペプチドが生じる。しかし、アンバーコドンに相補的なアンチコドンを有するアミノアシル化tRNAの添加により、別の結果が得られる。本発明のリボザイムを用いることにより、アンバーストップコドンに相補的なアンチコドンを有するtRNAを非天然アミノ酸でアミノアシル化すること、および50位にアンバーコドンを有するmRNAを用いてプログラム化した翻訳に追加することができる。この方法にて、アンバーコドンにおいて翻訳が終結する代わりに、本発明のリボザイムによりアミノアシル化されるtRNAにおいて非天然アミノ酸または所望の天然アミノ酸が50位にてポリペプチドに組み込まれ、オープンリーディングフレームの残る50コドンの端から端まで、翻訳を進行せしめることができる。さらに、それぞれアンバーまたは4塩基コドンを含む2つのサプレッサーtRNAの組み合わせを用いることにより、予め選択した位置への2つの別個の非天然アミノ酸の組み込みが可能となる(図15)。 仮想例を、本発明のリボザイムを用いる図11A-Cに図示する。図11Aは、前記実施例に記載する本発明の樹脂-固定リボザイムを含むカラムに、アミノ酸基質およびtRNAを添加することによる、非-天然アミノ酸でのアミノアシルtRNAの合成を示す。図11Bでは、アミノアシルtRNA産物を、特定の位置にアンバーコドンを含む遺伝子を転写するべく設計したインビトロ転写-翻訳組み合わせシステムに添加する。アンバーサプレッサーtRNAは、アンバーコドンを抑圧し、アンバーコドンに対応するポリペプチド中のアミノ酸位置に非天然アミノ酸を組み込む。別法として、4塩基コドンおよび4塩基サプレッサーtRNA対を用いることができ、非天然アミノ酸が、「プログラムされたフレームシフト抑圧」により組み込まれる(図13、コドン178を参照されたい)。プログラムされたフレームシフト抑圧は、4塩基コドンを通して翻訳する翻訳機構の能力を意味する。アミノアシル化された4塩基サプレッサーtRNAがなければ、翻訳反応は、未だ「ゼロリーディングフレーム」(これは、リボソームが翻訳を開始したリーディングフレームである)に留まっており、その中のストップコドンに遭遇するために、4塩基コドンの後で終結する。4塩基コドンを通り越して読むことにより、リボソームは、4塩基コドンの第4番目の塩基にて開始する、1ヌクレオチド前方にシフトしたゼロリーディングフレームである「+1」フレームにて存続することができる。リボザイムを用いて、種々のフェニルアラニンアナログを4塩基サプレッサーtRNAにおいて記載のごとくチャージする場合、非天然アミノ酸が、4塩基コドンに対応するポリペプチド位置にて正確に、ポリペプチドへと組み込まれる。 変更されたアミノ酸を有するポリペプチドの翻訳に用いるmRNAをコードするDNA鋳型を別個に転写するための別法として、ペプチドの翻訳を、組み合わせ転写翻訳システムを用いて行ってもよい。組み合わせ翻訳システムを、本発明のリボザイムにより作製されたアミノアシル化tRNAのアンチコドンに相補的なコドンを有するmRNAをコードするよう設計されたDNA鋳型と組み合わせることにより、ポリペプチドの所定の位置における、非天然アミノ酸を含む特定のアミノ酸の組み込みを、本明細書中に記載の実施例からより明らかとなる前記の方法に従い、成すことができる。 あらゆるポリペプチドが、非天然アミノ酸の組み込みに適している。本発明の方法および組成物を用いて、選択した位置に天然または非天然アミノ酸が組み込まれるよう設計し得るポリペプチドの例は、緑色蛍光タンパク質(GFP)である。本発明の方法を用いていずれかのポリペプチドに組み込むことができる非天然アミノ酸の例であって、いずれの方法においても限定するものではないものには、p-ベンゾイル-フェニルアラニン(bPhe)およびp-アゾフェニル-フェニルアラニン(aPhe)が含まれるが、これらに限定されるものではない。 これらおよび他の具体例は、以下の実施例からより明らかとなろうが、これらは例としてのみ解釈されるべきであって、いずれにせよ限定的なものではない。実施例 1:本具体例は、本発明のリボザイムの単離を記載するものである。選択反応.:選択反応を、以下の条件下で行った。:50μL (第1ラウンドでは100μL)の1 μM RNA プール、2.5 mM ビオチン-Phe-CMEの EK バッファー溶液 [50 mM N- (2-ヒドロキシエチ) ピペラジン-N'-(3-プロパンスルホン酸); EPPS, 12.5 mM KCl pH 7.5]、100 mM MgCl2および5 % エタノール。工程は以下のようである。プールRNAを95℃にて3分間加熱し、次いで25 ℃へと5分間かけて冷却した。MgCl2 (最終濃度100 mM)を添加し、次いで5分間平衡化した。反応を、ビオチン- Phe-CMEのエタノール:水(1:1)溶液の添加により開始し、30分間 (第5および第6ラウンドのためには10分間)インキュベートした。反応を、2容積のエタノールの添加により停止し、RNAを沈殿させた。RNAペレットを70 % エタノールで3回リンスし、EK2バッファー(50 mM EPPS, 500 mM KC1 pH7.5)に溶解し、次いで4ユニットのRNaseインヒビターおよび4μLのストレプトアビジン-アガロースを添加した。混合物を30分間4℃にてインキュベートし、次いで樹脂を6 回100 μLのEK2バッファーで、3回100μLの4Mの尿素で、2回100 μLの水で洗浄した。アガロースに非特異的に結合するRNAを、樹脂を30秒間95 ℃にて100 μLの20 mM EPPS pH 7.0中で加熱し、次いで100 μLの水で洗浄することにより除去した。樹脂を1μMのTR プライマー、125μM dNTPs、50 mM トリス-HCl pH 8.3、75 mM KCl、3 mM MgCl2、10 mM ジチオトレイトール(DTT)、0.2μgのストレプトアビジン、および 50ユニットのMMLV リバース トランスクリプターゼ (PROMEGA(登録商標), WI)から成る10μL溶液に添加し、次いで全反応混合物を1時間42℃にてインキュベートした。5'-および3'-プライマーおよびTaq DNAポリメラーゼを含んでいるPCRバッファーを全RT混合物 (樹脂を含む)に添加し、サーモサイクリングに供して、cDNA配列を増幅した。増幅を、3%アガロース上電気泳動により確認し、dsDNAsを標準的なプロトコルにより単離した。選択の第6ラウンドにおいて、dsDNAsをpGEM-T(登録商標)ベクター (PROMEGA(登録商標))にクローン化し、次いで、標準的なプロトコルを用いる配列決定のために、クローン化したプラスミドを回収した。基質:ビオチン-Phe-CME(α-N-ビオチニル-フェニルアラニン シアノメチル エステル)およびPhe-CME(フェニルアラニン シアノメチル エステル)を、既に記載した同じ方法により合成した。bPhe-CME(p-ベンゾイル-フェニルアラニン シアノメチル エステル)を、N-Bocアミノ酸からPhe-CMEと同じ方法を用いることにより合成した。aPhe-CME (p-アゾフェニル-フェニルアラニン シアノメチル エステル)をp-アミノ-フェニルアラニンから文献記載の方法に従って合成した。アミノアシル化 アッセイ:トランス-アミノアシル化活性を、以下の条件下にアッセイした。: 5 mM ビオチン-Phe-CMEのEKバッファー溶液、500 mM MgCl2および15% DMSO (ジメチル スルホキシド)、1 μM TRNA、2 μMリボザイムの存在下(代謝回転分析のためには、5 μM tRNA、0.02-0.5 μMリボザイムを用いた)。方法は以下のようである。tRNAおよびリボザイムをEKバッファーに別個に溶解し、95℃にて3分間加熱し、25℃へと5分かけて冷却した。MgCl2(最終濃度に関しては500mM)を添加した後、5分間平衡化した。2つの溶液を次いで混合し、5分間25℃にてインキュベートした。反応をビオチン-Phe-CMEのDMSO溶液の添加により開始し、25℃にてインキュベートした。各時点で、反応液の一部をエタノール沈殿した。ペレットを1μLの水に溶解し、次いで4μLのローディング バッファー (0.33 mg/mLストレプトアビジン、50 mM EDTA、33 mM ピペラジン-N'N-ビス-[2-エタンスルホン酸] pH 6.1, 6 M 尿素)を溶液に添加した。溶液を30秒間 95℃にて加熱し、次いで25℃へと冷却した。生じた溶液を、<20℃のゲル温度に維持するために冷却室で操作して、6%変性PAGEにより分析した。これらの条件下では、ストレプトアビジン-ビオチンコンプレックスは、アミノアシル-tRNAバンドを遅延させるには安定であるが、RNA構造は変性する。 PHe-CME、bPHe-CMEおよびaPhe-CMEの存在下でのトランス-アミノアシル化活性を、以下の条件下でアッセイした。: 10 mM アミノ酸基質のEK バッファー pH 7.0溶液、500 mM MgCl2(bPhe-CMEの場合、5 %エタノールをその沈殿を回避するべく添加した)、1μM tRNA、2 μMリボザイムの存在下。その他の方法は、反応温度(25℃の代わりに氷上で行った)および以下の方法に従うポスト-ビオチン化以外は、ビオチン-Phe-CMEに関する方法と同様である。氷上2時間のインキュベーションの後、反応を2容積のエタノールの添加により停止し、次いでRNAを沈殿させた。ペレットを2.5 μLのEPPS (0.1 M, pH 5.9)に溶解し、20 mM ビオチン-3-スルホ- N-ヒドロキシルスクシンイミド エステルを0℃にて、次いで0.86μLのEPPS-KOH(0.3 M, pH9.1)をこの溶液に添加し、これをpH 8.0とした。1時間後、反応をエタノール沈殿により終結した。ペレットを水に溶解し、記載のごとくストレプトアビジン-依存性ゲル-シフトアッセイにより分析した。 リボザイムおよびtRNAの調製:各リボザイム(Fx2リボザイム-Fx5リボザイム)のcDNA 配列を図4Aに示す。各リボザイムのcDNA 配列を化学合成し、6%変性PAGEにより精製した。各cDNAを5'-プライマー(5'-GGTAACACGC ATATGTAATA CGACTCACTA TAGGATCGAA AGATTTCCGC-3';(配列番号 37)とアニールし、Taq DNA ポリメラーゼにより拡張した。生じたdsDNAをインビトロでT7RNAポリメラーゼを用いて転写した。転写産物を6% 変性 PAGEにて精製し、切り取ったゲルからの0.3 M NAClへの溶離により単離後、エタノール沈殿を行った。同様に、tRNA dsDNA鋳型を対応する合成 cDNAおよび5'-プライマー オリゴヌクレオチドから調製し、7.5mM GMPおよび[α-32P]UTPまたは [α-32P]GTPの存在下で転写し、主鎖を放射能標識した5'-P-tRNA分子 (図1AおよびB)を調製した。結果;r24の構造-機能の関連性に関するこれまでの研究(Saito et al., RNA 2001 DEC; 7 (12):1867-78)により、リボザイムの必須の触媒コアがJ2/3およびL3の近接に位置していることが決定されている (図1A)。化学的修飾およびNAIM (ヌクレオチド アナログ干渉マッピング)データに基づき、U32-U35およびU40-U41(U-リッチ領域と呼ばれる)はPhe結合部位から成ることが考えられる(図1A)。さらに、代償性変異と化学的マッピングにより、G43-U45およびG/A/U73-C75の間の塩基対相互作用が立証された(小文字の活字はtRNA塩基の数を意味する)。しかし、リボザイムおよびtRNAの間の前記塩基対相互作用のみが結合を決定するのであれば、r24ミニがotRNAまたはtRNAAsnCCCGをアミノアシル化するよりもより有効にVl-tRNAをアミノアシル化するという所見を説明することができない。 r24ミニを試験するため、および他のtRNAsに対するより高い活性により立証されるより大きな有用性を有するリボザイムを開発するために、所定の領域に無作為化した塩基を含むr24ミニ配列に基づくRNAプールを設計した。アミノ酸とtRNAの結合部位を(G39を除いて)完全な状態に置き、プールにおいて活性が有意に損なわれることを防いだ。我々は、プール内の全ての可能な配列スペースをも調査し、それにより、プール内の19 ヌクレオチド (nt)のみの無作為配列(そのコンプレキシティは2.8×1011である)を得た。これらの考察に基づき、我々は、別個の領域に無作為配列を有する2つのプールを調製した(図2)。プールの構築.無作為配列(N)を含んでいる以下のオリゴヌクレオチドを化学合成した。:P1(5'-GGATCGTCAG TGCATTGAGA-N8-GGCCCGAAAG GGTATTGGCG TTAGGT-N11- ACTACGCTAA AAGCCTCTGTA GTTCAGTCGG T-3';(配列番号7)、P2 (5'- GGATCGTCAG TGCATTGAGA TTTCCGCAGG CCCGAAAGGG TATT-N4- TTAGGT-N15-ACTACGCTAA AAGCCTCTGT AGTTCAGTCG GT-3';(配列番号8)、T7 (5'-GGTAACACGC ATATGTAATA CGACTCACTA TAGGATCGTC AGTGCATTGA GA-3'(配列番号9) (T7 プロモーター 配列はイタリック体で記載する)、TR (5'-TGGTGCCTCT GACTGGACTC GAACCAGTGA CATACGGATT CGGGAGTCCG CCGTTCTACC GACTGAACTA CAGAGGC-3';(配列番号10)、TR3(5'-TGGTGCCTCT GACTGGACTC-3'; (配列番号11)。P 1 (20 pmol)またはP2 (20 pmol)およびTR (20 pmol)のDNA鋳型を用いる200 μL スケールのTaq DNA ポリメラーゼ拡張を、95℃2分間、50℃ 2 分間および 72℃ 10分間の熱サイクルで行った。結果的に生じた全長の産物を次いで1mLへと希釈し、T7およびTR3 プライマーの存在下での6サイクルのPCR 増幅 (95℃1 分間、55℃1分間および72℃1分間)に供した。フェノール-クロロホルム抽出およびエタノール-沈殿後、各PCR産物を定量し、10 pmolの各DNA プールを混合した。このDNA プール混合物を[α-32P]UTPの存在下に転写し、転写産物を6% 変性 PAGEにより精製した。プール1 (図2A)では、無作為の塩基を、塩基12-19および 46-56において導入した (番号を振ってある塩基はr24ミニと同じであるが、P1ステムを5'-プライマーのアニーリングのための十分な長さを提供するべく伸張したことに注意されたい。)。前者の無作為領域は、膨らんだU21およびU22ならびにJ1/2aにおける塩基が活性に寄与するのに重要な役割を果たすかどうかの疑問を解明するために設計した。後者の領域は、tRNA結合部位の下流の配列が活性を増すことができるかどうかを調べるために設計した。プール2では、無作為の塩基を、塩基36-39および46-56へと、L3(50-2-50-5)に4塩基を含めて導入した。P3部分における塩基36-39は、アミノ酸結合部位の2つの必須領域間に隣接しているため、この領域を無作為化して、この特定配列の必要性を調べた。これはまた、P3(52-55)におけるその対塩基を無作為化することにより、この無作為領域により、P3における代替の対が見出される可能性があるので行った。選択したシス-活性化リボザイムがトランスでも機能し得る蓋然性を増すために、我々は長い10-塩基のリンカーを設計したが、ここでは、前もって選択した(6塩基)配列に基づき4つのアデニンを追加して、配列を設計した。このリンカーを、プールを構築する前に、R24ミニ-リンカー-vl-tRNAを用いて調べ、この構築物の野生型活性を確認した。こうして、10-塩基リンカーを介してtRNAAsnCCCGと結合したこれら2つのプールを合成した。選択.これら2つのプールを混合し、既に報告されている同じ方法を用いてビオチン- Phe-CMEを基質として用いる選択に用いた。活性は、第4ラウンドの選択後に明らかとなり (図2C)、選択を、もっと短いインキュベーション時間で(30分→10分)継続し、より活性な産物を豊富化した。活性産物のクローニング後、18クローンをその自己アミノアシル化活性を試験するために、任意に選択し、16個の活性クローンを同定した。これらのクローンを配列決定し、整列化して、ファミリーを分類した(図3)。プール1からは2つのクローンのみが生じ、残る14クローンはプール2から生じ、活性配列がプール2においてより豊富であることが示唆された。プール1の2つの活性クローンの間で、野生型配列が、12-19無作為領域において部分的に回復していた。保存されなかった塩基はUUバルジであり、ACまたはUCA (Uは、挿入された)を得た。U14も回復されなかったが、両クローンにおいてCへと変異し、こうして、バルジのサイズが3または4ヌクレオチドへと増した。他方、残るC15-AL9は野生型配列であり、活性のためのこの特定配列の重要性が示唆される。これに対し、思いがけず、46-56無作為領域は、2つのクローンの間で野生型または類似の配列のいずれも生じないことが見出された。 プール2から単離した14クローンの間で、36-39の無作為領域は完全に、野生型配列となることが見出された。これにより、この特定配列が活性に必須であることが強く示される。これに対して、46-56領域は、野生型配列もコンセンサス配列も持たなかった。これは、プール1からの選択されるクローンにおける所見と一致し、P3ステムのみならずあらゆる構造を形成するに際しての46-56領域の重要性が示唆された。切断リボザイムの操作:上記事項を確認するのに、プール2に見出されるコンセンサス配列に基づき切断リボザイムをまず構築したが、ここにおいてtRNA結合部位 の下流(U45の上流)の全配列が欠失した。この切断リボザイムは、プール2において単離したクローンと事実上同一の活性を示した (データは示さず。)。このリボザイムを24ミニ同様、P1ステムを短くすることによりさらに切断した。つまり、tRNAAsnCCCG3'-末端に相補的な配列の長さを変化させた一連の変異(図4AにおけるFxシリーズ)を構築した。この一連の変異において、リボザイムとtRNAの間の塩基対相互作用の強さを調べた。 アミノアシル-tRNAAsnCCCGの形成の初期速度を、ストレプトアビジン(SAv) -依存性ゲル-シフト アッセイにより、全ての構築物に関して分析した(図4B)。tRNA3'-末端(A73-C75)に対して相補的な3塩基配列(G43-U45)を有するFx3 リボザイムは、試験した変異体の間で最も高い活性を示した(図4B)。Fx3リボザイムに関して認められた速度は0.069μM/分であり、r24ミニ(0.0024μM/分)よりも29倍高い活性を示した。相補的な塩基を2へと短くすることにより(Fx2リボザイム)、認められる速度が有意に低下し(0.0058μM/分)、3-塩基対相互作用の必要性を示した。他方、相補的な塩基を4へと増すことにより(Fx4リボザイム)、活性はわずかに低下した (0.052μM/分)が、5へと増すことにより(Fx5 リボザイム)、認められる速度がさらに低下した(0. 021μM/分)。これらの結果により、リボザイム 3'-末端とtRNAアクセプターステムの間の塩基対相互作用の拡張は、おそらくはリボザイムの3'末端への塩基の付加はtRNAアクセプターステムを実際上損ない得ないがために、活性を増すのに寄与しないことが示唆される。それはむしろ、G43-U45のA73-C75との必須の塩基対相互作用を干渉するネガティブなファクターとして作用すると考えられる。 我々は、アミノアシル-tRNA産物の終点をさらに分析した。Fx3リボザイムおよび Fx4 リボザイム構築物は、同じ終点を示した。Fx2 リボザイムおよびFx5 リボザイムの終点は、緩慢な速度のために90分間のインキュベーションにおいて実際には認めることができなかったが、その終点は、他の構築物とほぼ同じ終点に外挿することができた。これは、図4Bに示されるtRNAアミノアシル化に関して認められる初期速度が、各構築物の活性を反映すると考えられることを示唆する。我々は、tRNAAsnCCCGが基質である場合のあらゆる実験において、50%を越すアミノアシル-tRNAを認めることができなかった。これは、アミノアシル基を受容するためのtRNAAsnCCCGの活性フラクションが3'-末端の異種性およびtRNA構造の誤った折り畳みのために50%未満であるからである。このことは、別個のtRNAを用いた場合、終点がtRNAに依存して変化するという所見により確認した (データは示さず。)。多重代謝回転能力。tRNAAsnCCCGのアミノアシル化のために最適化したリボザイムを用い、Fx3 リボザイムの多重代謝回転能力活性を決定した。この一連の実験では、我々は、5 μMの一定のtRNA濃縮物および0.02、0.1および0.5 μMの3つのFx3 リボザイム濃縮物を用いた。期待通り、より高濃度のFx3リボザイムを用いた場合に、見かけの速度はより速かった(図5A)が、より高い代謝回転数が、Fx3リボザイムのより低い濃度にて認められる(図5B)。つまり、0.02μMのFx3 リボザイムは14の代謝回転を示したが、一方0.1および0. 5μMのFx3 リボザイムはそれぞれ、わずか6および2回の代謝回転のみしか示さなかった。0.5 μM Fx3 リボザイムを用いた場合、1 μMのアミノアシル-tRNAの形成後に、アミノアシル-tRNAがプラトーに達したことに、注意すべきである。反応は2時間以内に完了し、基質の加水分解はわずかである。これにより、代謝回転がアミノアシル-tRNA産物により阻害されることが示唆される。Fx3リボザイムに関する所見とは対照的に、r24ミニは、多重代謝回転能力能力を完全に欠いている (図5AおよびB)。種々のtRNAsのアミノアシル化:Fx3リボザイムが種々のtRNAをアミノアシル化することができるかどうかを試験するために、我々は2つの天然に生じるtRNA (tRNAfMETおよびtRNAPhe)、3つの別個の非天然tRNA(otRNAおよびv1-tRNAおよびtRNAAsnCCCG)を調製した。我々はさらに、73位 (N73、識別塩基)に別個の塩基を含んでいる3つのtRNAAsnCCCG変異を調製し、Fx3リボザイムにおける45Uによるこの塩基の認識の重要性を決定した。 我々は、tRNAの初期速度を反映する 3分のインキュベーションにおける各 tRNAのアミノアシル化収量を調べた(図6A)。2つの天然のtRNA、tRNAAsn(A)CCCGおよびtRNAAsn(G)CCCG(これら全ては、識別塩基のAまたはGを有する)は、Fx3リボザイムにより同等の初期速度でアミノアシル化された。他方、共にFx3リボザイムにおいて45Uと誤対形成するtRNAAsn(C)CCCGおよびtRNAAsn(U)CCCGは、他のtRNAと同じ速度ではアミノアシル化されなかった。特に、tRNAAsn(C)CCCGは、tRNAAsn(A)CCCGよりも5倍緩慢にアミノアシル化された。これらの結果は、tRNAAsnCCCG変異の活性における差は、Fx3リボザイムによる識別塩基の認識(これは、誤対形成tRNAに関するKMの増加を最もよく反映すると考えられる)に、その原因を帰すことができることを示唆する。 これに対して、r24ミニはFx3リボザイムよりももっと低速度でtRNAをアミノアシル化する (図6A)。ほとんどのtRNAの収量は2%未満であり、vl-tRNAのみが、これよりわずかに高い収量 (9%)を示した。つまり、Fx3 リボザイムにおいてはこのような特異的な相互作用がないために、それがより優れた触媒となる。 前記所見をもとに、我々は、より単純なtRNA、ミニへリックスRNA (図6A)をFx3 リボザイムによるアミノアシル化のための基質として試験した。r24ミニにおける我々のこれまでの研究により、それが、vl-tRNAのアクセプターおよびTステムから成るミニへリックスRNAをアミノアシル化することができるが、活性は、vl-tRNAよりも低いことが明らかになった。Fx3リボザイムは、tRNAAsnCCCGに匹敵する速度でミニへリックスRNAをアミノアシル化する(図6C)。我々はさらに、おそらくはアミノアシル-受容活性のその増加したフラクションのために、tRNAAsnCCCGと比較して、終点がわずかに増したことを認めた。非天然アミノ酸でのtRNAアミノアシル化:r24ミニとFx3リボザイムを比較するために、我々は、共に芳香族側鎖のパラ位に巨大基を有する2つのPheアナログ、p-ベンゾイル-フェニルアラニン (bPhe) およびp-アゾフェニル-フェニルアラニン (aPhe)を選択した (図7A)。前者の側鎖と後者のアミノ酸は、光-架橋結合可能なおよび光-変換可能な基である。図7Bに示すように、Fx3リボザイムはr24ミニよりも大きな、両Pheアナログに対する活性を示す。我々は、既に、tRNAAsnCCCG(イー.コリ内在性 ARSに対して不活性である)の直交性およびmRNAにおけるプログラム化されたフレームシフト変異の有効な抑制を、セルフリーの翻訳システムを用いて確認しており、Fx3リボザイムのPheアナログでtRNAAsnCCCG をチャージする能力から、非-天然アミノ酸のタンパク質への取り込みのための新規な手段が提供される。実施例2 リボザイムの樹脂への固定を、RNAの化学構造の利点を用いることにより達成される、樹脂におけるあらゆるリボザイムの固定の例としてr24ミニを用いて、本明細書中にさらに示す。RNAのリボースにおける3'-シス-ジオールの過ヨウ素酸酸化により、対応するジアルデヒドが生じる。この官能基により、安価なヒドラジド樹脂上へのRNAの固定が可能となり、還元アミノ化により、不可逆的な結合の相互作用を生ぜしめる (図8A)。必須の触媒折り畳み構造が樹脂表面によりゆらぐために、リボザイムの完全性および活性が損なわれることを回避するために、r24ミニを操作して、その3'-末端に追加の20ntアデノシンリンカーを保持せしめるよう操作した(r24ミニA20(配列番号46); 図8A)。この変更は、溶液の触媒能力に影響しなかった (図9A、レーン4)。つまり、この操作したr24ミニリボザイムを、ヒドラジド樹脂上、リボザイムの指定の部位に前もって固定した。 r24ミニ-A20で誘導体化した樹脂を使い捨て可能なカラムにパックし、次いでvl-tRNAと共にインキュベートし、リボザイム-tRNA複合体を作成した。反応は、基質1の添加にて開始した (図8A)。30分後、樹脂を酢酸ナトリウムバッファーで洗浄し、未反応の基質および少量の非結合vl-tRNAを除去した (図9A, レーン6および7)。最終的に、α-ビオチン-Phe-tRNAアナログと未反応のtRNAを樹脂から尿素 バッファーを用いて溶離した(レーン8)。オン-カラム反応に関して認められた アミノアシル-tRNAの収量は36%であり、これは、液相反応に関して認められたものに匹敵した(図9A,レーン8対4; 図9B,カラム第1対C1)。これに対して、リボザイムの不在下でのバックグラウンド反応は、ごくわずかであった(図9A, レーン5; 図9B, カラムC2)。アミノアシル-tRNAフラクションは、樹脂から漉し取られたリボザイムを混入しておらず、リボザイム-樹脂が未だ、洗浄-溶離サイクル後でも完全であったことを示す。 カラムの反応バッファーを用いた平衡化の後、オン-カラムアミノアシル化の5の更なるラウンドを行った。オン-カラム反応におけるアミノアシル化効率は、サイクル間でわずかだけ変化したことが認められた(図9A、レーン9-20)。この結果により、リボザイム-樹脂の耐久性および「再利用可能性」が立証される。これにより、アミノ酸基質およびリボザイムからのアミノアシル-tRNAの迅速かつ容易な単離が可能となる。 vl-tRNAのアミノアシル化は、5分間のインキュベーション後にのみ樹脂上で起こった(図10、レーン4)。また、オン-カラムアミノアシル化に関して認められる28%の収率は、液相に関するもの(データは示さず)に匹敵し、バックグラウンドに関して認められるもの (図10、レーン1)より大きかった。我々は、さらに、オン-カラムアミノアシル化反応を、フェニルアラニン アナログ、p-アセチルアミド-Phe-CMEを非-天然アミノ酸として用いて試験した(図8B,3)。非-天然アミノ酸を用いるオン-カラムアミノアシル化反応を続けて示すが、本試験で試験した他の基質に関して認められるものよりも低収率である。このわずかな収率は、r24ミニ-A20の3に対する不十分な活性によるものであり、これは液相反応により確認した。しかし、これは、このリボザイムを1を用いて展開したために予想される結果であり、そしてそれは、Pheの天然側鎖に対する顕著な特異性を示す。このr24ミニの欠点は、以下のごとくカラムに固定することおよび前記実施例1に記載するごとくアミノアシル化を触媒することができる本発明のリボザイムを用いて克服された。 リボザイムを基質に結合させるさらなる実施例として、樹脂-固定Fx3 リボザイムを、新鮮に調製した0.1 M NaI04 (400 μL)を28.1μM リボザイム (1 mL)に添加し、次いで混合物を0℃にて20分間インキュベートすることにより調製する。3'-酸化RNAを14 mLの2%過塩酸リチウムアセトン溶液で沈殿させた後、1mLのアセトンで洗浄する。ペレットを1.4 mLの0.1 MアセトンナトリウムpH 5.0に溶解し、次いでアジピン酸ジヒドラジド- アガロース (樹脂:水 =1:1 懸濁液1.4 mL, DEPC-処理水により洗浄)と混合する。反応溶液を室温にて3時間混合する。生じたRNA-樹脂のイミン部分を、1MのNaCNBH3(300μL)を添加することにより還元し、次いで室温にて30分間インキュベートした。アガロースを1.4 mLのW1溶液(300 mM NaCl、7.5 M 尿素、0. 01% SDS含有0.1 M酢酸ナトリウムバッファー pH 5.0)により洗浄し、2 mLのWl溶液(生じた容積は2.8 mLであった)にて懸濁した。リボザイム-樹脂は、4℃にて数ヶ月間保存することができる。樹脂などの固体支持体へと固定するために、リボザイムはその3'末端に複数のポリ-アデノシンを有していてよい。実施例は、いずれにせよ限定的なものではないので、ポリ-アデノシン 配列は10から20塩基長にて変化してよい。各リボザイム配列の3'末端における20個のアデノシンの個々の実施例は、FX2-A20リボザイム(配列番号:33)、Fx3-A20 (配列番号:34)、Fx4-A20リボザイム(配列番号:35)およびFx5-A20(配列番号:36)に関して示すものである。実施例3 以下の具体例により、少なくとも1つの所望のアミノ酸を選択された位置に有するポリペプチドの合成を示す。方法: リボザイムおよびtRNAの調製.以下のポリヌクレオチドを化学的に合成し、6%変性 PAGEにより精製した。:Fx(5'-ACCTAACGCC AATACCCTT TCGGGCCTGC GGAAATCTTT CGATCC-3'(配列番号38)、P5-1(5'-ACGCATATGT AATACGACTC ACTATAGGAT CGAAAGATTT CCGC-3')(配列番号39)、P5-2(5'-GGTAACACGC ATATGTAATA CGACTC-3')(配列番号40)、P3-1(5'-T20 ACCTAACGCC AATACCCTTT-3')(配列番号41)、P3-2(5'-T20 ACCTAACGCC-3')(配列番号42)、P5-3(5'-ACGCATATGT AATACGACTC ACTATAGCCT CTGTAGTTCAG TCGGT-3')(配列番号43)、P3-3(5'-TGGTGCCTCT GACTGGACTC-3')(配列番号44)、tR(5'-TGGTGCCTCT GACTGGACTC GAACCAGTGA CATACGGATT XXXAGTCCGC CGTTCTACCG ACTGAACTAC AGAGGC-3', XXX=TAG)(配列番号45)またはGGGT(配列番号60)。 対応する5'-および3'-プライマー(P5-1およびP3-1)を用いるPCRにより、リボザイム配列をコードしている鋳型DNAを増幅し、生じたdsDNAを、より短いプライマー(P5-2およびP3-2)を用いてさらに増幅した。操作されたtRNAAsnをコードしている鋳型DNA(tR)を、対応する5'-および3'-プライマー(P5-3およびP3-3)を用いるPCRにより増幅し、生じたdsDNAをより短いプライマー(P5-2およびP3-3)を用いてさらに増幅した。Fx dsDNAまたはtR dsDNAを、7.5mM GMP、3.75 mM各NTPの存在下にインビトロで転写し、RNA転写産物を6%変性PAGEにより精製した。アミノアシル化アッセイのために、主鎖を放射能標識したtRNAを、転写反応において[α-32P]GTPの存在下に行う以外は、同じプロトコルを用いることにより合成した。アミノ酸. Phe-CME(フェニルアラニン シアノメチル エステル)、BezPhe-CME (p-ベンゾイルフェニルアラニン シアノメチル エステル)、およびAzoPhe-CME(p-フェニルアゾフェニルアラニン シアノメチル エステル)を、既に記載されている同じ方法 (Goodman et al. , JACS Vol 88, 21 November 5,1966. pp 5010-15.) を用いて合成した。IodPhe-CME (p-ヨードフェニルアラニン シアノメチル エステル)、BiPhe-CME(p-ビフェニルアラニン シアノメチル エステル)、AzPhe-CME(p-アジドフェニルアラニン シアノメチル エステル)、およびAcPhe(p-アセチルフェニルアラニン シアノメチル エステル)を、対応するN-Boc アミノ酸から、Phe-CME と同じ方法(Saito et al., EMBO J. 2001 Apr 2; 20 (7): 1797-806)を用いることにより合成した。BioPhe (p-ビオチニル- アミノフェニルアラニン)を、N-Boc-p-アミノフェニルアラニンおよびビオチン-NHSから合成した。BioPhe-CMEを、Phe-CMEと同じ方法(Saito et al., EMBO J. 2001 Apr 2; 20 (7): 1797-806)を用いて合成した。液-および固-相アミノアシル化.液相アミノアシル化を、以下の条件下で行う。:10mM アミノ酸基質(5 mM Phe-CMEおよびIodPhe-CMEを用い、BiPhe-CMEおよびAzoPhe-CMEの場合には、その沈殿を回避するために、エタノールを5%最終濃度まで添加することを除いて)、10μM tRNA、20 μM リボザイムのEK バッファー [50 mM N- (2-ヒドロキシエチル) ピペラジン-N'- (3-プロパンスルホン酸); EPPS、12.5 mM KCl] バッファー (pH 7.0), および1.2 M MgC12。 固相アミノアシル化法は、以下のようである。tRNAを95℃にて3分間加熱し、25℃へと5分間かけて冷却する。このtRNA溶液をリボザイム-樹脂(5 μL樹脂: 水=1 : 3 懸濁液、DEPC-処理水により洗浄する)と混合し、次いで4.5 M MgC12を添加する。0.1 M アミノ酸基質を反応混合物へ添加し、pHを7へと、適量の0.25 M KOH (アミノ酸基質溶液とおよそ等容積を用いた)の添加により調整する。2時間の氷上でのインキュベーション後、上清を除去する。樹脂をアミノアシル-tRNA産物を溶離するための10 mM EDTAを含んでいる 20μLのEKバッファー(pH7.5)で洗浄する。エタノール沈殿後、ペレットを20mMビオチン-3-スルホ-N-ヒドロキシルスクシンイミド エステルを含んでいる2.5 μLのEPPS (0.1 M, pH 5.9)に溶解し、氷上にて冷却後、反応を、0.86 μLのEPPS-KOH (0.3 M, pH 9.1,これにより、pHを約8.0とする)の添加により開始する。1時間後、反応をエタノール沈殿により終結させる。ペレットを70%エタノールにより洗浄し、10μLの水に溶解する。RNA溶液の1 μL部分を4 μLのローディング バッファー (0.62 mg/mL ストレプトアビジン、50 mM EDTA、33 mM ピペラジン-N'N-ビス- [2-エタンスルホン酸] pH 6.1, 6 M 尿素と混合し、30秒間95℃にて加熱し、次いで25℃へと冷却する。このサンプルを6% 変性 PAGEにより分析し、ゲル温度を20℃未満に維持するために冷却室にて操作する。これらの条件下に、ストレプトアビジン-ビオチン複合体は、アミノアシル-tRNAバンドを遅延させるのに十分安定であるが、RNA構造は、ほとんど変性する。プラスミドの構築:GFPUV-コーディング領域を、pGFPUV(Clontech(登録商標), Palo Alto, CA)から得、His-Tag配列をPCRにより、5'-CATATGGCTA GCAAAGGAGA AGAACTTTTC ACTGG-3'(配列番号:47)および5'-ATACTCAAGC TTAGTGGTGG TGGTGGTGGT GTTTGTAGAG CTCATCCATGC-3'(配列番号:48)をプライマーとして用いて添加し、pGEMEX-1(PROMEGA(登録商標))の NheIおよびHindIII部位へとクローン化した。G72T、C192A、C193A、G240T、G312Tおよび G684Tの標準的な変異形成プロトコルによる変異。C192AおよびT193Aにおいて変異を、488nmにての蛍光スペクトルを高めるために導入し、G72T、G240T、G312TおよびG684Tにおける変異を、マイナーコドン(CGG およびGGG)を除去するためになした。変異を配列決定した後、A486Gにおけるサイレントな変異が見出された。翻訳.バッチ翻訳(2.5μL)を、ラピッド翻訳システム(RTS-100, Roche)を、35S-Metの存在下に用いてなした。反応液は、条件に関して以下のわずかな変更を用いて、製造業者のプロトコルに従い調製した。アミノ酸混合物の半量を、製造業者により推奨される量の代わりに用い、30μM(最終濃度)の、PheまたはPheアナログでチャージされたサプレッサーtRNAまたはそのtRNAを添加した。各アミノアシル-tRNAは、固相アミノアシル化に記載のプロトコルにより合成した。コントロールのために、pdC75を含んでいるPhe-tRNAを、文献記載の方法に従い調製した。30℃にて1時間のインキュベーション後、翻訳の結果を、15% SDS-PAGEにより分析した。GFPの蛍光活性を、Molecular Imager FXによりさらに分析した。この分析前に、2 μLの0. 1 Mトリス-HCl(pH 8.8)を、1μlの翻訳混合物に添加し、蛍光活性タンパク質を作製するために一晩4℃に維持した。 MSスペクトル分析のために、WTおよび変異(Tyr 151 IodPhe)を110 μLスケールで、2 mM Metを含んでいる製造業者による条件下に翻訳した。タンパク質を次いで、TALON (商標登録)(Clontech(登録商標))を用いて精製した。タンパク質の純度を、15%SDS-PAGE分析の後、GelCode(登録商標)青色染色試薬(PIRCE(登録商標))を用いて染色することにより確認した。タンパク質濃度を、Micro BCAタンパク質アッセイ試薬により、BSAをスタンダード(PIRCE(登録商標))として用いて決定した。野生型および変異に関して決定された濃度は、それぞれ178μg/mLおよび76μg/mLであった。これらの値は、19.5μgおよび8.4 μgをそれぞれ含有する110 μLの翻訳から単離される量に対応する。 翻訳後変異 35S-Metで標識された変異GFP(Tyr 151AcPhe)および野生型 GFPを、前記と同じプロトコルを用いて翻訳および精製した。3Mの酢酸ナトリウム(pH5.0)を、10μLの精製タンパク質(濃度は未知)に添加し、pHを2M HCIを添加することにより5.0へと調整した。3 μLの0.1M ビオチン-LC-ヒドラジド(PIRCE)DMSO溶液を上記タンパク質溶液へと添加し、24時間インキュベートした。この溶液を、0.75μMの1M NaCNBH3と共に24時間インキュベートし、イミン結合を減じた。過剰量のビオチン-LC-ヒドラジドを除去するために、溶液をまず200 μLの10mMトリス-HCl (pH 8. 8)で希釈し、あらゆる不溶性物質をスパンした。溶液を次いでBSA-プレコーティドMicrocon YM-10(登録商標)(MILLIPORE(登録商標))へと添加し、フィルター上の残る溶液を回収した。回収したタンパク質を、ストレプトアビジン-ゲル-シフト アッセイにより、10%ネイティブPAGEを用いて分析した。SAv-アガロース捕捉実験のために、5μLのストレプトアビジン-アガロース (PIRCE (登録商標))をタンパク質に添加し、10分間インキュベートした。生じた混合物を200μLの0.1 Mトリス-HCl(pH8.8)で希釈し、タンパク質の蛍光活性を Molecular IMAGER FX (登録商標)により分析した。結果.図12A-Cは、フェニルアラニンおよび種々の非-天然アミノ酸でチャージされた操作されたサプレッサーtRNAのリボザイムに基づくアミノアシル化を示す。 図12Aでは、本実施例にて用いた、フェニル環のp−位に「R」により示される種々の基を有するシアノメチル活性化アミノ酸を示す。本発明のリボザイムは、この位置における種々の置換に耐えることができる。図12および14に示す非天然アミノ酸の例は、フェニルアラニン、p-ヨードフェニルアラニン、p-ベンゾイルフェニルアラニン、p-ビフェニルアラニン、p-ビオチニル-アミノフェニルアラニン、p-アジドフェニルアラニン、p-フェニルアゾフェニルアランである。 さらに、以下の非天然アミノ酸を、tRNAにチャージすること、およびタンパク質に組み込むことができる。:p-ヒドロキシル-フェニルアラニン(チロシン)、トリプトファン、2-ナフチルアラニン、p-ニトロフェニルアラニン、N-メチル-フェニルアラニン、3-フェニル-2- ヒドロキシルプロピオン酸およびテトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸。 1の具体例において、ケトン基を図12Aに示すR位に付加する。ケトン基をこのR位に付加することにより、翻訳されるポリペプチドの広範な翻訳後変更が可能である。そのような変更は、十分当業者の常識の範囲内にある。図12Aに示すR位における巨大R基のケトン基を介した導入など、翻訳後変更をなすことにより、これらの基のために翻訳中に生じる構造的妨害が回避される。これは、ケトンは、ビオチン、蛍光分子、スピン標識および多くの他の実験に用いられる分子を含むヒドラジド分子のアレイを、選択的にヒドラゾン結合により結合させることができる基であるがゆえである。さらに、この可逆的結合は、還元剤、例えばシアノボロ水素化ナトリウムを用いることによるヒドラゾンの選択的還元により、不可逆的結合へと変化させることができる。 図12Bは、ストレプトアビジン (SAv)-依存性ゲル-シフト アッセイによるアミノアシル化アッセイを示す。アミノ酸特異的ビオチン化を、アミノアシル-tRNAsを検出するためのアミノアシル化反応後に行った。「+」レーンにおけるシフトしたバンドの存在は、リボザイムによるtRNAの好適なアミノアシル化を示す。図12Cにおけるデータは、 図12Bのゲルシフトデータに対応するアミノアシル化効率を示す。エラーバーの中央は、3つの別個の試験の平均スコア形態を示すが、エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。図12BおよびCに用いる省略は、以下のようである。(a),アミノアシル-tRNA-ストレプトアビジン複合体;(b), 非アミノアシル化tRNA;*,化学的アミノアシル化法により調製した dC75を含んでいるアミノアシル-tRNA;**,CUAアンチコドンの代わりにACCC4-塩基アンチコドンを有するtRNA;Phe, フェニルアラニン; Iod, p-ヨードフェニルアラニン; Bzo, p-ベンゾイルフェニルアラニン; BiPhe, p-ビフェニルアラニン; Bio, p-ビオチニル-アミノフェニルアラニン; Az, p-アジドフェニルアラニン; Azo, p-フェニルアゾフェニルアレン。 図13は、本実施例にて用いた変異遺伝子を示す。アンバー(TAG)および4-塩基 (GGGT)コドンを、単一または複数のPheアナログの組み込みのために指定された位置に導入した。151および178位のアミノ酸は、GFPの表面に存在するが、これは、折り畳みを妨害しない。 前(図13)で得た変異遺伝子由来のmRNAをインビトロ翻訳に用いた。図14A-Cは、151のアミノ酸位のGFPにおける非天然アミノ酸変異形成に関連し、以下の省略を用いる。: aa-tRNA, アミノアシル-tRNA; x, tRNAなし; −, aa-tRNAなし; +; aa-tRNA; (a), 全長タンパク質; (b), 切断されたペプチド。下のバンド(b)は、未知の切断されたペプチドであり、これは、変異タンパク質にのみならず野生型に関する翻訳物にも存在する。 図14Aは、翻訳反応のSDS-PAGE分析を示す。図13に示すアンバー「TAG」変異をこの実験に用いた。151位にTAGコドンを有するmRNAの翻訳により、本発明のリボザイムを用いてチャージされ、151位にUAGコドンに相補的なアンチコドンを有するtRNAが、レーン3に示すごとく存在しない場合に、GFPのアミノ酸151位にて翻訳の終結を生じる。151位における終結により、約17 kDaのペプチドが生じ、一方、151位におけるストップコドンによる翻訳により、約30.6 kDaのポリペプチドを得た。レーン1は、151ストップコドンを有しない野生型mRNAを含み、全長GFPを生じる(ストップコドンはUACで置換される (図.13を参照されたい))。レーン2からレーン11へと、151ストップコドンを有する転写産物を翻訳反応に用いた。レーン2においては、サプレッサーtRNAは添加せず、翻訳機構は151におけるストップコドンにより進行することができないので、全長の産物を生じない。レーン 3では、サプレッサー tRNAを添加したが、チャージしたアミノ酸は添加しなかった。;サプレッサーtRNAは内在AARSSに対して直交性(不活性)であるので、tRNAを天然アミノ酸でチャージすることができず、従って、このストップコドンを抑圧することはできない。レーン4では、公知の非-リボザイムに基づく方法を用いて化学的に合成され、dC75を含んでいるPhe-tRNAを翻訳反応に添加した。レーン5-11では、リボザイム- 樹脂により調製したアミノアシル-tRNA を翻訳に添加し、結果から、本発明の方法を用いてこれらのアミノ酸を組み込み得る可能性が立証される。用いるアミノ酸は、以下の省略により示す。: Phe, フェニルアラニン; Iod, p-ヨードフェニルアラニン; Bzo, p-ベンゾイルフェニルアラニン; BiPhe, p-ビフェニルアラニン; Bio, p-ビオチニル-アミノフェニルアラニン; Az, p-アジドフェニルアラニン; Azo, p-フェニルアゾフェニルアレン。 図14Bでは、図14Aに示す条件を用いて合成した各 GFPの蛍光活性を、Molecular Imager FXによりアッセイされるように示す。認めることができるように、非天然アミノ酸の組み込みは、GFPの蛍光を消去しない。 図14Cでは、「抑圧効率」を示す。抑圧効率は、mRNAにおける4-塩基コドン変異(178GGGT)がどれだけ効率的にACCC(アミノアシル-tRNAACCC)を有するアミノアシル-tRNAにより翻訳中に抑圧されるかどうかの基準である。エラーバーの中央は、3つの別個の試験の平均スコア形態を示す。エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。 2つの非天然アミノ酸の部位特異的組み込みを、図15A-Cに示す。 図15Aでは、翻訳反応のSDS-PAGE分析を示す。省略は、以下の通りである。: x, tRNAなし ; -, aa-tRNAなし; +; aa-tRNA; (a), 全長のタンパク質; (b),第180位で切断されたペプチド (失敗したフレームシフト);(c)第151位で切断されたペプチド (アンバーストップコドン)。図15Aにおけるレーンは、以下を示す。レーン1は、野生型、ポジティブコントロールとしての全長のGFPの翻訳およびサイズマーカーを示す。レーン2は、tRNACUA および tRNAACCC サプレッサー tRNAs両方の不在下での151TAG変異の翻訳を示す。レーン3は、tRNACUAは存在するが、フェニルアラニン アナログ Bip不在下での151TAG変異の翻訳を示す。これにより、tRNACUAの直交性が立証される。レーン4は、Bip-tRNACUA(アミノアシル化tRNACUA)の存在下での151TAG変異の翻訳を示す。レーン5は、サプレッサーtRNAの不在下での178GGGT変異の翻訳を示す。レーン6は、tRNAACCCの存在下 (しかし、フェニルアラニン アナログ Idoは存在しない)での178GGGT変異の翻訳を示す。これにより、tRNAACCCの直交性が示される。レーン 7は、Ido-tRNAACCCの存在下での178GGGT 変異の翻訳を示す。レーン8は、サプレッサーtRNAsの不在下での二重変異、151TAG/178GGGTの翻訳を示す。 レーン9は、tRNACUAおよび tRNAACCCの存在下での151TAG/178GGGT 変異の翻訳を示す。レーン10は、Bip- tRNACUAの存在下での151TAG/178GGGT 変異の翻訳を示す。レーン11は、Ido-tRNAACCCの存在下での151TAG/178GGGT 変異の翻訳を示す。レーン12は、Bip-tRNACUAおよびIdo-tRNAACCCの存在下での151TAG/178GGGT 変異の翻訳を示す。つまり、レーン12に示す178GGGTおよび151TAG/178GGGTによる翻訳により、非天然アミノ酸のポリペプチドへの組み込みのための本発明のリボザイムによりチャージされた2つの別個のアミノアシル化tRNAsの使用が立証される。 図15Bでは、モレキュラー イメイジャー(Molecular Imager) FXにより分析した各 GFPの蛍光活性を示し、本発明の方法により組み込まれた非天然アミノ酸でのGFPの蛍光能力を示す。 図15Cでは、tRNAsの抑圧効率を示す。抑圧効率は、どれだけ効果的に、mRNAにおけるアンバー変異(151TAG)および4-塩基コドン変異(178GGGT)が、CUA(アミノアシル-tRNACUA)およびACCC(アミノアシル-tRNAACCC)アンチコドンを有する対応するアミノアシル-tRNAにより翻訳中に抑圧されるかの基準である。エラーバーの真ん中は、3つの別の試験からの平均スコア形態を示す。エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。 本発明のリボザイムでアミノアシル化されたtRNAを用いた翻訳後のGFPの翻訳後修飾の可能性を、図16A-Cに示す。図16Aでは、AcPhe(p-アセチルフェニルアラニン)を第151位にて組み込んだGFPのビオチン-修飾を図示したものを示す。AcPhe基質を用いたリボザイム-樹脂-触媒tRNAアミノアシル化効率は、SAv-依存性ゲル-シフトアッセイにより45%と決定され、抑圧効率は、SDS-PAGE (データは示さず)により40%と決定された。タンパク質精製後、151AcPheのケト基はビオチン-LC- ヒドラジドにより修飾された。 図16Bは、野生型およびビオチン化151AcPhe変異GFPのSAv-依存性ゲル依存性ゲル-シフトアッセイを示す。約80%の変異GFPのバンドがSAvの添加により遅れたが、一方野生型にはシフトは全く認められなかった。これにより、第151位でのフェニルアラニンアナログのメチルケトン基における特異的ビオチン修飾が確証される。 図16Cでは、エッペンドルフチューブ中の変異GFPのSAv-アガロース (aga)捕捉を示す。ビオチン化変異GFPに結合しているSAv-アガロースは好適にGFPを捕捉し、それを樹脂上にて濃縮したが、一方、野生型に関しては、捕捉は認められなかった。 つまり、本発明により、多数の非天然アミノ酸が所望の位置で機能性ポリペプチドに組み込まれることおよび、リボザイムにより非天然アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAsを用いる、当該ポリペプチドの翻訳後の変更が立証される。 当業者は、本発明の好ましい態様に対して多くの変更および修飾をなし得ること、およびそのような変更および修飾を、本発明の精神から離れることなくなし得ることを認識するであろう。それゆえ、添付の請求の範囲は、全てのそのような均等変更事項を、本発明の真の精神および範囲内のものとして包含するものとする。Aは、r24ミニ(配列番号1)を示す。アミノ酸結合部位、tRNA結合部位および金属結合部位を示す。r24ミニのtRNA結合部位(G43-U45)は、v1-tRNAのG73-C75と塩基対を形成する。Bは、otRNA(配列番号2)およびvl-tRNA(配列番号3)(長方形の括弧入)を示す。長方形の括弧は、vl-tRNAに見出される変異および欠失(Δ)を示す。Cは、tRNAAsnCCCG(配列番号4)を示す。全tRNAにおける塩基は、tRNAナンバリング法則(Sprinzl, M.ら、ヌクレイック アシッド レス(Nucleic Acids Res.), 26, 148-153(1998))に従って番号付けしてある。Aは、プール1(配列番号5)を示す。導入された無作為の塩基をNで示す。塩基のナンバリングはr24ミニのナンバリングと同じにしたが、9個のヌクレオチドを5'プライマーアニーリングのための十分な塩基対相互作用を示すために、P1ステムに挿入した。Bは、プール2(配列番号6)を示す。プールは、50-X(X=2-5)として示す46-56領域への4塩基が挿入されている。他の点では、プール1と同じ設計を採った。Cは、選択工程中の活性集団の豊富化の進行を示す。グラフのY軸は、RNAに関する、全投入32Pで割算したストレプトアビジンアガロース上に保持された32Pのシンチレーションカウントにより決定される活性のフラクションを示す。活性クローンc8(配列番号13)、c12(配列番号14)、c5(配列番号15) 、c6(配列番号16)、c9(配列番号17)、c10(配列番号18)、c13(配列番号19) 、c14(配列番号20)、c16(配列番号21)、c17(配列番号22) 、c20(配列番号23)、c7(配列番号24)、c11(配列番号25)、c2(配列番号26)、c19(配列番号27)およびc15(配列番号28)とのwt(配列番号12)の配列アライメントを示す。括弧は、初期プールにおける無作為化した位置を示す。上下の列は、プール1および2それぞれから生じたクローンを示す。Aは、Fx2リボザイム(配列番号29)、Fx3リボザイム(配列番号30)、Fx4リボザイム(配列番号31)およびFx5リボザイム(配列番号32)のリボザイム誘導体のシリーズを示す。r24ミニにおける試験において見出される保存塩基を、太字で示す(図1Aも参照されたい)。tRNAの3'末端(A73-C75)と相補的なリボザイムの3'-末端を、各構築物において操作して、図に示すごとく、追加的塩基対を形成し(Fx4リボザイムおよびFx5リボザイム)、1塩基対を喪失させた(Fx2リボザイム)。Bは、リボザイム(Fx2-5リボザイム)およびr24ミニの間の初期速度の比較を示す。0.5-3分において得られるデータは、直線プロットに適合した。認められる速度は、Fx2リボザイム-5それぞれに関して、5.8、69、52および21 nM/分であり、r24ミニに関して2.4nM/分であった。Cは、0.5-90分におけるリボザイム活性の比較を示す。データは、第一オーダーの運動方程式に適合し、直線プロットから誘導されるものと実質上同じ値を示した。これらの実施例では、反応を1μMのtRNAAsnCCCG、2μMのリボザイムの存在下に行い、5mMのビオチン-Phe-CMEと共に25℃にてインキュベートし、アミノアシル-tRNA産物の量を、ストレプトアビジンシフトアッセイにより決定した。プロットの記号は、図4Bと同じである。Aは、多重代謝回転条件下での種々のリボザイムとr24ミニの活性の比較を示す。Bリボザイムの代謝回転数。図5Aにおいて認められるアミノアシル-tRNAの濃度を各リボザイム濃度で割算し、代謝回転数を決定した。反応は、Fx3リボザイム、vl-tRNAおよびr24ミニに関し、5μMのtRNA(tRNAAsnCCCG)および、0.02、0.1、または0.5μMのFx3リボザイムまたは0.5または0.1μMのr24ミニの存在下に行い、5mMのビオチン-Phe-CMEと共に25℃にてインキュベートした。アミノアシル-tRNA産物の量は、ストレプトアビジンシフトアッセイにより決定した。Aは、種々のtRNAに対するFx3リボザイムおよびr24ミニのアミノアシル化活性を示す。反応は、1μMのtRNAおよび2μMのFx3リボザイムまたはr24ミニの存在下に行い、5mMのビオチン-Phe-CMEと共に25℃にて3分間インキュベートした。省略:fMet、tRNAf-Met; Phe, tRNAPhe; v1, v1-tRNA; ot, otRNA; Asn, tRNAAsn; N73、tRNAの識別塩基; I ストレプトアビジンと複合体形成したアミノアシル-tRNA; II 未反応のtRNA。Bは、vl-tRNAから誘導されるミニへリックスRNA(配列番号49)の二次構造を示す。Cは、Fx3リボザイムおよびr24ミニのアミノアシル化活性の比較を示す。反応は、1μMミニへリックスRNAおよび2μMのFx3リボザイムまたはr24ミニの存在下で行い、5mMのビオチン-Phe-CMEと共に25℃にてインキュベートした。Iは、ストレプトアビジンと複合体形成したアミノアシル-RNAを示す;IIは未反応のミニへリックスRNAを示す。Aは、Pheおよびシアノメチルエステルにより活性化されたそのアナログの化学構造を示す。省略:Phe、フェニルアラニン; bPhe、p-ベンゾイル-フェニルアラニン; aPhe、p-アゾフェニル-フェニルアラニン。Bは、Fx3リボザイムおよびr24ミニのPheアナログでのアミノアシル化効率の比較を示す。反応は、1μMのtRNAおよび2μMのFx3リボザイムまたはr24ミニの存在下で行い、10mMのPheまたはPheアナログと共に、氷上2時間インキュベートした。加水分解に対するα-NH2Phe基質の不安定性のために、反応を25℃の代わりに氷上にて行ったことに注意されたい。未反応のtRNAからアミノアシル-tRNAを分離するために、ビオチンスルホ-NHSエステルを用いる生成物のポスト−ビオチン化を行い、SAv-依存性ゲルシフトアッセイをなした。本方法は、α-NH2基を選択的にビオチン化することが既に公知であった。省略は、図6A-6Cと同じである。Aは、アジピン酸ジヒドラジド樹脂において固定されたr24ミニ-A20(配列番号58)の二次構造を示す。20個のアデノシンを、野生型R24Mミニの3'-末端に付加した。Bは、アミノ酸基質を示す;1; α-n-ビオチニル-L-フェニルアラニン シアノメチルエステル(α-ビオチン-Phe-CME)、2; L-フェニルアラニンシアノメチルエステル(Phe-CME)、3; p-N-アセチルアミド-L-フェニルアラニンシアノメチルエステル(p-アセチルアミド-Phe-CME)。Aは、樹脂上反応により単離されたフラクションのオートラジオグラムを示す。 vl-tRNAおよびr24ミニを、32Pで内在的に放射能標識した。アミノアシル化vl-tRNAをストレプトアビジン-依存性ゲル移動-シフトアッセイにより解析した。反応は、10μMのvl-rRNAおよび5mMのα-ビオチン-Phe-CME(1) の存在下、30分間37℃にて行った。レーン1、vl-tRNA;2、r24ミニ-A20; 3、ストレプトアビジンの存在下での溶液中の反応;4、ストレプトアビジンの存在下でのレーン3におけるフラクション; 5、r24ミニなしでのバックグラウンド反応; 6-20; オン-カラム反応。T、反応バッファーによる洗浄のフラクション; W、0.1M NaOAc、300mMのNaClを含んでいるバッファーによる洗浄のフラクション; E、バッファー0.1 M NaOAc、300mM NaCl、7.5M尿素での溶離のフラクション。(a)ストレプトアビジンと複合体形成したα-ビオチン-Phe-tRNA、(b)r24ミニ-A20、(c)tRNA。Bは、各ラウンドのEフラクション(図9AにおけるE)のストレプトアビジン-依存性ゲル移動シフトアッセイにより決定されるアミノアシル化効率を示す。C1およびC2はそれぞれ、リボザイムの存在および不在下の溶液中のアミノアシル-tRNAの収量を示す。2(レーン1-4)および3(レーン5-8)とのvl-tRNAのオンカラム反応を示す。反応は、20mMのアミノ酸基質の存在下、5分間37℃で行った。レーン1および5、溶液中にr24ミニ-A20(配列番号)を用いないバックグラウンド反応;レーン2-4および6-7、オンカラム反応により単離されたフラクション。T、W、Eおよび(a)-(c)は、図9Aにおけるものと同じである。これらのアッセイでは、ポスト-ビオチン化を用いて、対応するビオチン-アミノアシル-tRNAを作製し、産物をストレプトアビジン-依存性ゲル移動-シフトアッセイにより分析した。Aは、ポリペプチド内の特定の位置における所望のアミノ酸の組み込みを図示したものを示す。BおよびCは、tRNAのアミノアシル化を図示したものを示す。アミノアシル-tRNA産物を、変異遺伝子を用いるインビトロ転写-翻訳組み合わせシステムに添加する。変異遺伝子は、特定の位置でアンバーコドンを含む。アンバーサプレッサーtRNAは、アンバーコドンを抑圧し、非天然アミノ酸を組み込む。Aは、本試験にて用いたシアノメチル活性化アミノ酸の例を示す。これらのアミノ酸は、フェニル環のp-位に種々の基を有する。Bは、ストレプトアビジン(SAv)依存性ゲルシフトアッセイによるアミノアシル化分析を示す。アミノ酸特異的ビオチン化を、アミノアシルtRNAを検出するために、アミノアシル化反応の後に行った。(a)は、シフトした、アミノアシル化tRNAを示す。(b)は、シフトしていない、アミノアシル化していないtRNAを示す。Cは、図12Aのアミノ酸のアミノアシル化効率を示す。エラーバーの中央が、3つの異なる試験の平均スコア形態を示す。エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。省略:(a)、アミノアシル-tRNA-ストレプトアビジン複合体;(b)、アミノアシル化されていないtRNA;*、化学的アミノアシル化法により調製された、dC75を含んでいるアミノアシル-tRNA;**、CUAアンチコドンの代わりにACCC4塩基アンチコドン(配列番号50)を有するtRNA;Phe、フェニルアラニン;Iod、p-ヨードフェニルアラニン;Bzo、p-ベンゾイルフェニルアラニン;BiPhe、p-ビフェニルアラニン;Bio、p-ビオチニル-アミノフェニルアラニン; Az、p-アジドフェニルアラニン; Azo、p-フェニルアゾフェニルアラン。本試験で用いる緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子の変異の例を示す。アンバー(TAG)および4塩基(GGGT)コドンを、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列(a)から(i)に関して示すごとく、単一または複数のPheアナログの組み込みのために指定された位置に導入した。(a)(配列番号51)、(b)(配列番号52)、(c)(配列番号53)、(d)(配列番号54)、(e)(配列番号55)、(f)(配列番号56)、(g)(配列番号57)、(h)(配列番号58)および(i)(配列番号59)。Aは、翻訳反応のSDS-PAGE分析を示す。レーン1、野生型;レーン2、サプレッサーtRNAを添加しなかった;レーン3、サプレッサーtRNAを添加した。;レーン4、化学合成されたdC75含有Phe-tRNAを添加した。;レーン5-11、リボザイム-樹脂により調製したアミノアシル-tRNAを添加した。省略:aa-tRNA、アミノアシル-tRNA;x、tRNAなし;−、aa-tRNAなし; +; aa-tRNA; (a)全長タンパク質;(b)切断されたペプチド。(b)の下のバンドは、変異型タンパク質のみならず野生型タンパク質のための翻訳において存在する未知の切断されたペプチドである。Bは、モレキュラー イメイジャー FXにより分析した各GFPの蛍光活性を示す。Cは、抑圧効率を示す。エラーバーの中央は、3つの異なる試験の平均スコア形態を示す。エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。Aは、178GGGTおよび151TAG/178GGGT変異体を用いる2つの非天然アミノ酸の部位特異的組み込みを用いた翻訳反応のSDS-PAGE分析を示す。省略; x、 tRNAなし; −、aa-tRNAなし;+; aa-tRNA;(a)、全長タンパク質;(b)、180位での切断されたペプチド(誤ったフレームシフト);(c)151位で切断されたペプチド(アンバーストップコドン)。Bは、モレキュラー イメイジャーFXにより分析された各GFPの蛍光活性を示す。Cは、抑圧効率を示す。エラーバーの中央は、3つの異なる試験からの平均スコア形態を示す。エラーバーは、全試験の標準偏差を示す。Aは、GFPの翻訳後ビオチン修飾を図示したものを示す。AcPhe(p-アセチルフェニルアラニン)を、151位に組み込んだ。AcPhe基質を用いるリボザイム-樹脂-触媒tRNAアミノアシル化効率は、SAv-依存性ゲルシフトアッセイにより45%と決定され、抑圧効率は、SDS-PAGEにより40%と決定された(データは示さず)。タンパク質精製後、151AcPheのケト基をビオチン-LC-ヒドラジドにより修飾した。Bは、野生型およびビオチン化151AcPhe変異GFPのSAv-依存性ゲルシフトアッセイを示す。変異GFPバンドの約80%が、SAvの添加により遅延したが、シフトは野生型に関しては認められなかった。Cは、変異GFPのSAv-アガロース(aga)捕捉を示す。ビオチン化された変異GFPに対するSAv-アガロースは、当該GFPを好適に捕捉し、樹脂上にそれを濃縮するが、野生型に関しては捕捉は認められなかった。[配列表] SEQUENCE LISTING<110> Suga, Hiroaki et al.<120> Ribozymes with broad tRNA aminoacylation activity<130> 11520.0290<140><141><150> 60/357,424<151> 2002-02-15<160> 61<210> 1<211> 57<212> RNA<213> artificial<220> <221> misc_RNA<222> <223> <400> 1ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggugcggg augcuac 57<210> 2<211> 76<212> RNA<213> otRNA<220><223> <400> 2ggugguaucc ccaaggggua agggaccgga uucccgaauc cggcauuccg agguucgaau 60ccucguaccg cagcca 76<210> 3<211> 74<212> RNA<213> artificial<220> <221> misc_RNA<222> <223> <400> 3ggugguaucc ccaaggguac gggaccggau ucccgaaucc ggcauucgag auucgaaucc 60ucguaccgca gcca 74<210> 4<211> 76<212> RNA<213> artificial<220> <221> misc_RNA<222> <223> <400> 4gccucuguag uucagucggu agaacggcga cucccgaauc cguaugucac ugguucgagu 60ccagucagag gcacca 76<210> 5<211> 76<212> RNA<213> artificial<220> <221> unsure<222> 21-28, 65-75<223> n is u,c,a or g <400> 5ggaucgucag ugcauugaga nnnnnnnngg cccgaaaggg uauuggcguu aggunnnnnn 60nnnnncuacg cuaaaa 76<210> 6<211> 76<212> RNA<213> artificial<220><221> unsure<222> 41-44, 61-75<223> n is u,c,a or g <400> 6ggaucgucag uugagauuuc cgcaggcccg aaacccuauu nnnnuuaggu nnnnnnnnnn 60nnnnncuacg cuaaaa 76<210> 7<211> 97<212> DNA<213> artificial<220> <221> unsure<222> 21-28,55-65<223> n is g, a, t or c<400> 7ggatcgtcag tgcattgaga nnnnnnnngg cccgaaaggg tattggcgtt aggtnnnnnn 60nnnnnactac gctaaaagcc tctgtagttc agtcggt 97<210> 8<211> 101<212> DNA<213> artificial<220><221> unsure<222> 45-48, 55-69<223> n is g, a, t or c<400> 8ggatcgtcag tgcattgaga tttccgcagg cccgaaaggg tattnnnntt aggtnnnnnn 60nnnnnnnnna ctacgctaaa agcctctgta gttcagtcgg t 101<210> 9<211> 52<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 9ggtaacacgc atatgtaata cgactcacta taggatcgtc agtgcattga ga 52<210> 10<211> 77<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 10tggtgcctct gactggactc gaaccagtga catacggatt cgggagtccg ccgttctacc 60gactgaacta cagaggc 77<210> 11<211> 20<212> DNA<213> artificial<220> <223> <400> 11tggtgcctct gactggactc 20<210> 12<211> 56<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 12tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgcggga tgctactacg ctaaaa 56<210> 13<211> 56<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 13accccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgggagg taactctacg ctaaaa 56<210> 14<211> 57<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 14tcacccgcag gcccgaaagg gtattggcgt taggtagccg acttgactac gctaaaa 57<210> 15<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 15tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtttgagc gggtctgaac tacgctaaaa 60<210> 16<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223><400> 16tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgctcct agctttctac tacactaaaa 60<210> 17<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 17tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgcatca cagggctttc tacgctaaaa 60<210> 18<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 18tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtaggccg tggcgggaac tacgctaaaa 60<210> 19<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 19tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgaacgc gaaagaggac tacgctaaaa 60<210> 20<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 20tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgcgata tccgattgcg tacgctaaaa 60<210> 21<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 21tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtaattaa gcgactcgcg tacgctaaaa 60<210> 22<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223><400> 22tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtacaaag gcgtccagcg tacgctaaaa 60<210> 23<211> 60<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 23tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgccgtt agttactgac tacgctaaaa 60<210> 24<211> 59<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 24tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgcaata gctatgaggc tagctaaaa 59<210> 25<211> 59<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 25tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggttagata gcaaataggc tcgctaaaa 59<210> 26<211> 59<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 26tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtttgcag cacagtggct acgctaaaa 59<210> 27<211> 59<212> DNA<213> artificial<220><223><400> 27tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgctgga gagttggact acgctaaaa 59<210> 28<211> 53<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 28tttccgcagg cccgaaaggg tattggcgtt aggtgtttgg ctctacgcta aaa 53<210> 29<211> 44<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 29ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uagg 44<210> 30<211> 45<212> RNA<213> artificial<220> <223><400> 30ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggu 45<210> 31<211> 46<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 31ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggug 46<210> 32<211> 47<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 32ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggugc 47<210> 33<211> 64<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 33ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggaaaaaa aaaaaaaaaa 60aaaa 64<210> 34<211> 65<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 34ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uagguaaaaa aaaaaaaaaa 60aaaaa 65<210> 35<211> 66<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 35ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggugaaaa aaaaaaaaaa 60 aaaaaa 66<210> 36<211> 67<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 36ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggugcaaa aaaaaaaaaa 60aaaaaaa 67<210> 37<211> 50<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 37ggtaacacgc atatgtaata cgactcacta taggatcgaa agatttccgc 50<210> 38<211> 45<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 38acctaacgcc aatacccttt cgggcctgcg gaaatctttc gatcc 45<210> 39<211> 44<212> DNA<213> artificial<220><223><400> 39acgcatatgt aatacgactc actataggat cgaaagattt ccgc 44<210> 40<211> 26<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 40ggtaacacgc atatgtaata cgactc 26<210> 41<211> 40<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 41tttttttttt tttttttttt acctaacgcc aatacccttt 40<210> 42<211> 30<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 42tttttttttt tttttttttt acctaacgcc 30<210> 43<211> 46<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 43acgcatatgt aatacgactc actatagcct ctgtagttca gtcggt 46<210> 44<211> 20<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 44tggtgcctct gactggactc 20<210> 45<211> 76<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 45tggtgcctct gactggactc gaaccagtga catacggatt tagagtccgc cgttctaccg 60actgaactac agaggc 76<210> 46<211> 77<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 46ggaucgaaag auuuccgcag gcccgaaagg guauuggcgu uaggugcggg augcuacaaa 60aaaaaaaaaa aaaaaaa 77<210> 47<211> 35<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 47catatggcta gcaaaggaga agaacttttc actgg 35<210> 48<211> 51<212> DNA<213> artificial<220><223><400> 48atactcaagc ttagtggtgg tggtggtggt gtttgtagag ctcatccatg c 51<210> 49<211> 35<212> RNA<213> artificial<220><223><400> 49ggugguacga gauucgaauc cucguaccgc agcca 35<210> 50<211> 4<212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 50gggt 4<210> 51<211> 15<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 51aauguauaga ucacg 15<210> 52<211> 5<212> PRT <213> artificial<220><221> unsure<222> 3<223> Xaa is any natural or modified amino acid<400> 52Asn Val Xaa Ile Thr 1 5<210> 53<211> 15<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 53aauguauaca ucacg 15<210> 54<211> 5<212> PRT<213> artificial<220><223> <400> 54Asn Val Tyr Ile Thr 1 5<210> 55<211> 16<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 55guucaagggu gcugac 16<210> 56<211> 5<212> PRT<213> artificial<220><221> unsure<222> 3<223> Xaa can be any natural or non-natural amino acid<400> 56Val Gln Xaa Ala Asp 1 5<210> 57<211> 4<212> Prt<213> artificial<220><223> <400> 57Val Gln Gly Cys 1 4<210> 58<211> 15<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 58guucaacuag cugac 15<210> 59<211> 5<212> PRT<213> artificial<220><223> <400> 59Val Gln Leu Ala Asp 1 5<210> 60<211> 77 <212> DNA<213> artificial<220><223> <400> 60tggtgcctct gactggactc gaaccagtga catacggatt gggtagtccg ccgttctacc 60gactgaacta cagaggc 77<210> 61<211> 4<212> RNA<213> artificial<220><223> <400> 61ggcg 4 非特異的アミノ酸でtRNAをアミノアシル化することができるリボザイムをコードしている配列を含むポリヌクレオチドであって、前記リボザイムをコードしている配列が、配列番号29、配列番号30、配列番号31、および配列番号32から成る群から選択される、ポリヌクレオチド。 当該非特異的アミノ酸が、天然および非天然アミノ酸から成る群から選択される、請求項1記載のポリヌクレオチド。 非天然アミノ酸が、p-ベンゾイルフェニルアラニン、p-アゾフェニルフェニルアラニン、p-ヨードフェニルアラニン、p-ビフェニルアラニン、p-アジドフェニルアラニン、およびp-フェニルアゾフェニルアラニンから成る群から選択される、請求項2記載のポリヌクレオチド。 当該非特異的アミノ酸が、遊離α-アミノ基を有する、請求項1記載のポリヌクレオチド。 当該tRNAがストップコドンに対応するアンチコドンを有する、請求項1記載のポリヌクレオチド。 当該tRNAが4つのヌクレオチドから成るアンチコドンを有する、請求項1記載のポリヌクレオチド。 リボザイムが、3'末端に複数のアデノシン残基をさらに含む、請求項1記載のポリヌクレオチド。 ポリヌクレオチドが固体基質上に固定されている、請求項7記載のポリヌクレオチド。 固体基質が、アガロース、セファロース、および磁気ビーズから成る群から選択される、請求項8記載のポリヌクレオチド。 a)非特異的アミノ酸でtRNAをアミノアシル化することができるリボザイムであって、配列番号29、配列番号30、配列番号31、および配列番号32から成る群から選択されるヌクレオチド配列を有するリボザイムを提供すること、b)tRNAを提供すること、c)非特異的アミノ酸を提供すること、およびd)a)、b)およびc)を組み合わせて、非特異的アミノ酸でのtRNAのアミノアシル化をなすこと、の工程を含む、非特異的アミノ酸でtRNAをアミノアシル化する方法。 非特異的アミノ酸が非天然アミノ酸である、請求項10記載の方法。 非天然アミノ酸が、p-ベンゾイルフェニルアラニン、p-アゾフェニルフェニルアラニン、p-ヨードフェニルアラニン、p-ビフェニルアラニン、p-アジドフェニルアラニンおよびp-フェニルアゾフェニルアラニンから成る群から選択される、請求項11記載の方法。 非特異的アミノ酸が遊離α-アミンを有する、請求項10記載の方法。 tRNAがストップコドンに対応するアンチコドンを有する、請求項10記載の方法。 tRNAが4つのヌクレオチドから成るアンチコドンを有する、請求項10記載の方法。 リボザイムが固体基質に固定されている、請求項10記載の方法。 リボザイムを、3'末端の複数のアデノシン残基を経由して固体基質へと固定してある、請求項16記載の方法。 アミノアシル化されたtRNAをリボザイムから単離する工程をさらに含む、請求項10記載の方法。 a)tRNAを非特異的アミノ酸でアミノアシル化することができるリボザイムであって、配列番号29、配列番号30、配列番号31、および配列番号32から成る群から選択されるヌクレオチド配列を有するリボザイムを提供すること、b)tRNAを非特異的アミノ酸で、a)のリボザイムによりアミノアシル化すること、c)b)のtRNAのアンチコドンに対応するコドンを有するmRNAを提供すること、および、d)b)とc)を合わせてインビトロ翻訳反応を行い、特定の位置に所望の非特異的アミノ酸を有するポリペプチドを得ること、の工程を含む、特定の位置に所望の非特異的アミノ酸を有するポリペプチドを作製する方法。 非特異的アミノ酸が、p-ベンゾイルフェニルアラニン、p-アゾフェニルフェニルアラニン、p-ヨードフェニルアラニン、p-ビフェニルアラニン、p-アジドフェニルアラニンおよびp-フェニルアゾフェニルアラニンから成る群から選択される、請求項19記載の方法。 tRNAがストップコドンに対応するアンチコドンを有する、請求項19記載の方法。 tRNAが4つのヌクレオチドから成るアンチコドンを有する、請求項19記載の方法。 工程d)のインビトロ翻訳反応を行う前に、アミノアシル化tRNAをリボザイムから単離するステップをさらに含む、請求項19記載の方法。 リボザイムを固体基質に固定してある、請求項23記載の方法。 基質がアガロース、セファロース、および磁気ビーズからなる群から選択される、請求項24記載の方法。 a)非特異的アミノ酸でtRNAをアミノアシル化することができるリボザイムであって、配列番号29、配列番号30、配列番号31、および配列番号32から成る群から選択されるヌクレオチド配列を有するリボザイム、b)1つまたはそれ以上の非特異的アミノ酸、c)tRNAを含む、非特異的アミノ酸でtRNAをアミノアシル化するためのキット。 tRNAが、ストップコドンに対応するアンチコドンを有するtRNAおよび4つのヌクレオチドから成るアンチコドンを有するtRNAから成る群から選択される、請求項26記載のキット。 リボザイムが固体基質へと固定されている、請求項26記載のキット。 固体基質が、アガロース、セファロース、および磁気ビーズからなる群から選択される、請求項28記載のキット。 固体基質がカラムにパックされている、請求項28記載のキット。 a)配列番号29、配列番号30、配列番号31、および配列番号32から成る群から選択されるヌクレオチド配列を有するリボザイムを用いて、第2のアミノ酸に対応するアンチコドンを有するtRNAを、第1のアミノ酸でアミノアシル化することにより、第2のアミノ酸に対応するアンチコドンを有し、第1のアミノ酸でアミノアシル化されているtRNAを提供する工程、b)1)ポリペプチドをコードしているmRNAであって、第2のアミノ酸のためのコドンを含むもの、2)a)からのtRNA、を合わせてインビトロ翻訳反応を行う工程、を含み、b)由来の翻訳産物が、第2のアミノ酸の代わりに第1のアミノ酸を含んでいるポリペプチドである、第2のアミノ酸の代わりに置換された第1のアミノ酸を有するポリペプチドを作製する方法。