生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_月経用タンポン
出願番号:2003569176
年次:2011
IPC分類:A61K 9/02,A61F 13/20,A61K 31/137,A61K 31/167,A61K 31/192,A61K 31/277,A61K 31/405,A61K 31/4152,A61K 31/4422,A61K 31/445,A61K 31/5415,A61K 31/554,A61K 31/565,A61K 31/57,A61K 31/616,A61K 45/00,A61M 31/00


特許情報キャッシュ

ベニータ シモン クルーガー ラム スターン テオドール JP 4663237 特許公報(B2) 20110114 2003569176 20020224 月経用タンポン ハイ−ジェニック イントラ−バージナル テクノロジーズ エルティーディー 504322091 イサム リサーチ デベロップメント カンパニー オブ ザ ヘブルー ユニバーシティ オブ エルサレム 504322105 鷲田 公一 100105050 ベニータ シモン クルーガー ラム スターン テオドール 20110406 A61K 9/02 20060101AFI20110317BHJP A61F 13/20 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/137 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/167 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/192 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/277 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/405 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/4152 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/4422 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/445 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/5415 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/554 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/565 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/57 20060101ALI20110317BHJP A61K 31/616 20060101ALI20110317BHJP A61K 45/00 20060101ALI20110317BHJP A61M 31/00 20060101ALI20110317BHJP JPA61K9/02A61F13/20 327A61F13/20 330A61F13/20 338A61K31/137A61K31/167A61K31/192A61K31/277A61K31/405A61K31/4152A61K31/4422A61K31/445A61K31/5415A61K31/554A61K31/565A61K31/57A61K31/616A61K45/00A61M31/00 A61K 9/02 A61F 13/20 A61K 31/137 A61K 31/167 A61K 31/192 A61K 31/277 A61K 31/405 A61K 31/4152 A61K 31/4422 A61K 31/445 A61K 31/5415 A61K 31/554 A61K 31/565 A61K 31/57 A61K 31/616 A61K 45/00 A61M 31/00 特表2005−536237(JP,A) 実開平03−094218(JP,U) 特開平07−000450(JP,A) 国際公開第01/080937(WO,A1) 米国特許第06197327(US,B1) 米国特許第04340055(US,A) 米国特許第05201326(US,A) 特表2003−531182(JP,A) 12 IB2002000528 20020224 WO2003070216 20030828 2005535563 20051124 19 20050216 岩下 直人 この発明は月経用タンポンに関する。 経膣での薬剤投与は女性に対する投薬手段として周知である(Woolfson, A.D., Malcolm, R.K. and Gllagher, R. (2000) Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 17:509-555)。経膣によるルートにはいくつかの利点がある。(1)非侵襲性(non-invasive)である。(2)膣は、よく発達した血液供給で高度にみなぎった(perfused)組織からなる。(3)経膣によるルートは肝臓での初回通過代謝(first-pass metabolism)を避ける。経膣のルートは局所的な薬剤治療にも全身的な薬剤吸収にも用いられる。 経膣での薬剤投与システムは主に二つのグループに分類できる。つまり、半固体の局所的システムから適応されるものと、膣内での使用のために特に調整されたものとである。周知のシステムとして次のものがある。 粘液粘着性の(mucoadhesive)ゲルおよびヒドロゲル。これらは弱く架橋結合されたポリマーであり、水分と接触すると膨張して粘液表面に広がることができる。これらは子宮頚部の化膿(cervical ripening)、殺精子避妊、ワクチンの接種、膣感染症の治療に用いられてきた。 膣用の錠剤。これらは、膣内滞留時間を延ばすために粘液粘着性のポリマーと調合されることもある。これらは、子宮頚部の化膿、殺精子避妊、妊娠中絶(pregnancy termination)、無痛法、緊迫失禁の用途に用いられてきた。 膣用のペッサリーおよび坐剤。これらは天然ゴム、脂肪酸、ミョウバン、岩塩などの物質であり、元々は古代エジプトで避妊薬として用いられた。これらは、子宮頚部の化膿、膣感染症の治療、妊娠中絶、プロゲステロン療法に用いられてきた。 ペプチドおよび蛋白質薬剤の投与のためのミクロスフェア(微小球)。 膣内用リング。これらは円環体状の重合体の器具であり、一種またはそれ以上の組み合わされた薬剤を制御された態様で放出するように調整される。膣内用リングはステロイド系および殺精子による避妊、エストロゲン置換治療に用いられてきた。 米国特許第3,918,452号(Cornfeld)は避妊薬の組成物を含浸した膣用のスポンジおよび/またはタンポンを開示する。この組成物は避妊薬を含むマイクロカプセルを含み、性交の前、間および/または後に薬剤を持続的に放出する。 米国特許第4,309,997号(Donald)は、球形構造の軟らかで多孔性の泡ボール形状の医薬用タンポンを開示する。このタンポンには避妊薬および/または性病治療のための抗生物質が含侵される。タンポンは膣に挿入されて子宮頚部を覆うが、性交が可能である。 米国特許第5,201,326号(Kubicki他)は、活性物質を放出するための棒状の医薬用タンポンを開示する。このタンポンは、圧縮された繊維から成るコアと、コアを取り巻きかつコアに接着されたカバーとを備える。カバーは、脂肪性物質などの遅延剤を含侵した、硬化コラーゲン泡または硬化ゼラチン泡からなり、放出されるべき活性物質が溶解されている。この活性物質は抗生物質、スルホンアミド、抗真菌薬、殺真菌薬、またはホルモンであってよい。 米国特許第5,417,224号(Petrus他)は、外部領域の中に放射状に形成された内部領域を有する球形の多孔性部材と、球形部材を貫通する経路に延びるひもと、内部領域の孔に装薬された殺精子薬と、外部領域の孔に装薬された潤滑剤とを備えるタンポンを開示する。 米国特許第6,086,909号(Harrison他)は月経困難症の治療のための器具および方法を開示する。この器具および方法は適切な薬剤を含む膣内薬剤投与システムを含み、薬剤は膣内に放出され、膣粘膜を介して吸収され、リンパおよび静脈系を通って子宮に至る。この薬剤投与システムは、タンポン器具、膣用リング、ペッサリー、錠剤、膣用坐剤、膣用スポンジ、生物的粘着性の(bioadhesive)錠剤、生物的粘着性の微粒子、クリーム、ローション、フォーム、軟膏、液剤、またはゲルを含んでもよい。また、システムは、付加的に、粘液粘着性の薬剤および/または浸透促進剤を含んでもよい。器具が吸収性の膣用タンポンである場合は、タンポンの一方端は薬剤を投与するための手段を有し、他端は子宮から排出される液体(例えば月経分泌液)をタンポンへ運ぶための手段を有し、これによって液体が薬剤に接触するのを防ぐことができる。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は処方箋なしで入手できる(OTC)鎮痛剤および解熱剤として世界中で販売されており、最も一般的に用いられるのはアミノフェン(aminophen)、アスピリン(aspirin)、イブプロフェン(ibuprofen)およびナプロキセン(naproxen)である。 NSAIDによる抗炎症、解熱および鎮痛効果のメカニズムの大部分は、アラキドン酸(arachidonic acid)からのプロスタグランジン(prostaglandin)合成の抑制によってもたらされる。NSAID作用のターゲットは、プロスタノイド(prostanoids)生成の重要な速度制限酵素であるPGHSである。この酵素は、連続したシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase)とペルオキシダーゼ(peroxydase)活性を含む二段階の反応メカニズムによる、アラキドン酸のPGH2への変換を触媒する。 一般的に、OTC鎮痛剤は大部分の患者にとって安全であると考えられる。しかしながら悪影響も報告されており、それらは主にNSAIDの経口での投与に関連し、大部分が胃腸管で起こる。最も一般的な副作用は消化不良であるが、しゃ血、潰瘍形成、穿孔などの深刻な悪影響がおこることもある。腎臓の悪影響の可能性も報告されているが、いくつかのNSAIDに関しては、この関係は異論が多い。しかしながら、腎臓の悪影響の大部分は鎮痛剤の服用を速やかに中止することによって逆転可能である。 カプセル、基質(matrices)またはゲルからのNSAIDの放出制御に関して多くの研究がなされてきた。注入可能な25%のポロキサマーゲル(poloxamer gel)中のコロイド状のリポソームキャリアがイブプロフェンの放出特性の研究のために用いられた。ポロキサマーゲルはリドカインとイブプロフェンの硬膜外注入のためにも用いられた。ポリ乳酸(PLA:poly lactic acid)等の生分解性の基質もまた鎮痛剤の放出の制御のために用いられた。ゲルイールディング卵アルブミンベース基質(gel-yielding egg albumin-based matrices)は薬剤放出速度論(drug release kinetics)の研究に用いられた。他の持続的放出調製品は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC:hydroxypropyl methylcellulose)基質、または、例えば架橋結合されたポリアクリル酸などの合成架橋重合体樹脂の基質を含む。 米国の妊娠可能年齢の女性の30%から50%が月経期間中の痛みまたは月経困難症の影響を受けており、それらの女性の10%から15%が毎月1ないし3日の間活動不能であると推定される。女性が経験する主な症状は下腹部の痙痛であり、この痛みは背中に広がったり大腿部に沿って広がったりする。 これらの症状の原因はプロスタグランジンE2(PGE2)およびプロスタグランジンF2α(PGF2α)の薬理学的な作用に関係するとされ、これらは月経を起こす子宮内の死滅した細胞膜のリン脂質から形成される。PGE2は小板の分離を引き起こし、血管拡張薬であり、PGF2αは痛みの感覚に影響または増強し、かつ平滑筋の収縮を起こす。 NSAIDは月経困難症の患者の77%から80%に対して鎮痛剤として効果があり、通常最初に用いられるのはイブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム(naproxen sodium)である。米国特許第3,918,452号明細書米国特許第4,309,997号明細書米国特許第5,201,326号明細書米国特許第5,417,224号明細書米国特許第6,086,909号明細書 この発明の目的は、女性の膣を介して薬剤を投与するための月経用タンポンを提供することである。 なお、本発明の明細書において、「経膣の(transvaginal)」という用語は、膣への局所的(膣内(intravaginal))投与と、全身的な効果を含む、膣を介しての身体の他の目的組織への投与との両方を含む。 本発明の投与システムで用いられる薬剤は、局所的に放出されて作用するいかなる薬剤、または膣の粘膜を介して身体の他の部位に吸収されるいかなる薬剤であってもよい。そのような薬剤の例は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:non-steroidal anti-inflammatory drugs)、抗プロスタグランジン(anti-prostaglandins)、プロスタグランジン阻害薬(prostaglandin inhibitors)、COX−2阻害薬(COX-2 inhibitors)、局所麻酔薬(local anaesthetics)、カルシウムチャネル遮断薬(calcium channel blockers)、カリウムチャネル遮断薬(potassium channel blockers)、βアドレナリンアゴニスト(β-adrenergic agonists)、ロイコトリエン遮断薬(leukotriene blocking drugs)、平滑筋阻害薬(smooth muscle inhibitors)、血管拡張薬(vasodilators)、ホルモン置換剤(hormone replacement drugs)、男性ホルモン(androgenic hormones)、およびジスキネジーの筋肉収縮(dyskinetic muscle contraction)を抑制可能な薬剤を含む。 本発明の方法での使用に適するNSAIDの非限定的な例は、アスピリン(Aspirin)、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドメタシン(Indomethacin)、フェニルブタゾン(Phenylbutazone)、ブロムフェナク(Bromfenac)、フェナメート(Fenamate)、スリンダック(Sulindac)、ナブメトン(Nabumetone)、ケトロラク(Ketorolac)、およびナプロキセン(Naproxen)を含む。局所麻酔薬の例は、リドカイン(Lidocaine)、メピバカイン(Mepivacaine)、エチドカイン(Etidocaine)、ブピバカイン(Bupivacaine)、塩酸2クロロプロカイン(2-Chloroprocaine hydrochloride)、プロカイン(Procaine)、および塩酸テトラカイン(Tetracaine hydrochloride)を含む。カルシウムチャネルアンダゴニスト(antagonists)の例は、ジルチアゼム(Diltiazem)、イスラピジエン(Israpidien)、ニモジピン(Nimodipine)、フェロジピン(Felodipine)、ベラパミル(Verapamil)、ニフェジピン(Nifedipine)、ニカルジピン(Nicardipine)、およびベプリジル(Bepridil)を含む。カリウムチャネル遮断薬の例は、デフェチリド(Defetilide)、E−4031、アルモカラント(Almokalant)、セマチリド(Sematilide)、アンバシリド(Ambasilide)、アジミリド(Azimilide)、テジサミル(Tedisamil)、RP58866、ソタロール(sotalol)、ピロキシカム(Piroxicam)、およびイブチリド(Ibutilide)を含む。βアドレナリンアゴニストの例は、テルブタリン(Terbutaline)、サルブタモール(Salbutamol)、メタプロテレノール(Metaproterenol)、およびリトドリン(Ritodrine)を含む。子宮筋肉の筋痙攣を軽減すると考えられる血管拡張薬の例は、ニトログリセリン(nitroglycerin)、イソソルビドジニトレート(isosorbide dinitrate)、およびイソソルビドモノニトレート(isosorbide mononitrate)を含む。COX−2阻害薬の例は、セレコキシブ(Celecoxib)、メロキシカム(Meloxicam)、およびフロスリド(Flosulide)である。ホルモン置換薬の例はエストロゲン(estrogen)またはエストラジオール(estradiol)およびプロゲストゲン(progestogen)である。男性ホルモンの例はテストステロン(testosterone)および他の男性ホルモンである。 薬剤は、膣の上皮への薬剤の塗布に適応可能な生体適合性の賦形剤またはキャリアと組み合わされてシステムに含まれてもよい。メカニズムは拡散制御(diffuse-controlled)されてもよいが、湿潤剤または界面活性剤などの賦形剤をも調製品に含むことが必要かもしれない。本明細書において、「効果的な量(an effective amount)」という用語は、目的となる組織または器官において治療上効果的な薬剤量を達成するのに十分な量を意味する。ある好ましい実施の形態においては、薬剤は子宮粘膜から吸収可能であり、それによって静脈およびリンパの経路を介して子宮または全般的な血液循環へと運ばれる。 堆積される薬剤または薬剤組成物は、重合体の支持材上に凝集性の堆積を生成および促進することが出来るいかなるポリマーを含んでもよい。そのようなポリマーは、ポリエステル(polyesters)、オレフィン(olefins)、セルロース(cellulose)およびセルロース誘導体(cellulose derivatives)、PVA、およびPVPを含むが、これらに限定されない。 重合体の支持体は堆積された材料の支持体となり得るいかなる重合体材料であってもよく、不織材料と織られた材料の両方を含む。そのような支持体材料の例は、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレン(polyethylene)、セルロース(cellulose)、およびセルロース誘導体(cellulose derivatives)、または繊維として加工できるいかなる他のポリマーをも含む。 重合体の支持体のある好ましい形状は矩形の細長い片であり、好ましくは一つまたはそれ以上の層から成り、例えば2−16の層から成る。他の形の片もこの発明の一部と考えられる。 本発明の薬剤投与システムで用いられ得る湿潤剤の例は、グリセロール(glycerol)、ポリエチレングリコール(PEG: polyethylene glycol)、ポリプロピレングリコール(PPG: polypropylene glycol)、およびトゥイーン80(Tween-80)等の10から18の範囲のHLBを持つ界面活性剤を含む。好ましい湿潤剤はグリセロールおよびPEG−8000である。 後に詳述されるように、本発明の投与システムは好ましくは月経用のタンポンと一緒に用いられる。 好ましくは、薬剤を全方向に放出するために、二つ以上の投与システムがタンポンの異なる側に配置される。 女性の尿生殖器管の周囲環境に薬剤を放出するための本発明の投与システムを使用する利点は、タンポンの製造プロセスの経済性とその再現性との両方に寄与するということである。加えて、所与の効果を得るためにこのシステムで用いられる薬剤の必要量は、全身的な薬剤投与法における必要量よりもはるかに少なくてよい。 本発明の局面に従うヒトの膣への挿入用の月経用タンポンは、(a)吸収性の材料を含む内部コアと、(b)透液性材料を含む外部層と、(c)経膣薬剤投与システムとを備え、 経膣薬剤投与システムは、 (i)効果的な量の薬剤を含み、かつ任意には湿潤剤を含む、堆積物と、 (ii)前記堆積物が堆積される、織布または不織布の重合体の帯状支持体とを備え、 前記経膣薬剤投与システムは、前記内部コアと前記外部層との間に位置している。 後に詳述されるように、本投与システムの一つまたはそれ以上の重合体の支持体または片がタンポンに取り付けられてもよい。好ましくは、本投与システムは前記内部コアと外部層との間に配置される。任意には、タンポンは、投与システムの片の後ろに設けられる重合体の水分不透過性のフィルムをさらに含み、このフィルムは例えば投与システムと内部コアとの間に設けられる。好ましくは、フィルムは高密度ポリエチレン(HDPE:high-density polyethylene)から成る。 好ましくは、薬剤はナプロキセン(naproxen)またはイブプロフェン(ibuprofen)などのNSAIDである。 以下、本発明の一実施の形態について説明する。 この発明を理解し、かつ発明が実務においてどのように実施されるかを示すために、添付の図面を参照して、好ましい実施の形態を非限定的な例として以下に説明する。I.投与システム(Delivery System) 本発明の投与システムは、不織ポリマー材などの重合体の支持体(polymeric support)を含み、その上に堆積物(deposition)が堆積される。堆積物(deposition)は周囲に放出(release)される薬剤を含む。そのような薬剤の例は発明の概要で列挙されたものを含む。ある実施の形態では、支持体に塗布される溶媒に薬剤が溶解される。堆積物(deposition)は溶媒の蒸発によって堆積される。 重合体の支持体はタンポンの表面の近傍に配置される。好ましくは、投与システムはタンポンの吸収性の内部コアとその外部を覆う層との間に置かれる。重合体の支持体はどのような幾何学的形状または形態を取ってもよい。好ましくは、支持体は矩形の細長い片として形成されるが、他の形状であってもよい。薬剤を全方向に放出できるように、複数のこのような細長片がタンポンの異なる側に配置されてもよい。以下の説明では、本発明に従って作成されるタンポンのいくつかの非限定的な例を示す。例1. 通常、放射方向と長さ方向の両方に膨張するタンポンは様々な塗布具と共に用いられるために製造される。一般的に、長さ方向の膨張は、膨張していない長さの10%以上である。このタイプのタンポンはセルロース繊維および/または綿繊維などの吸収性材料から成る内部コアを有し、内部コアは不織ポリマーなどの透液性材料から成る外側の層で包まれる。例えば、その材料は、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレン(polyethylene)、ポリエステル(polyester)、セルロース(cellulose)、セルロース誘導体(cellulose derivatives)、またはそれらの組み合わせである。本明細書においてこのタイプのタンポンは「折り畳み型」タンポンと称される。 図1aは発明のある実施の形態による折り畳み型タンポンの一例である例1を示しており、平坦形のタンポン2は本体4と引きひも6とを有する。タンポンの本体4は外側の層8とそれに包まれる内側の吸収性コア10とを有する。外側の層8は縫製や溶着などの技術上周知の方法で内部コアに保持される。平坦形状の本体は上面12と下面14とを有する。 本実施の形態では、三つの矩形の重合体細長片から成る発明の投与システムは、外側の層と内部のコアとの間に、本体の長さ方向の軸と平行に配置される。一つの比較的幅の広い細長片16が本体の上面12(外部層8の下)に設けられ、二つの幅の狭い細長片18が下面14に設けられる。各細長片の長さは平坦な本体の長さと略等しくてもよく、好ましくは本体の長さに等しい。また、好ましくは、幅広の片の幅は幅の狭い各片の幅の約二倍である。典型的で非限定的な寸法は以下の様に設定されてもよい。すなわち、平坦なタンポンの長さと幅はそれぞれ5−9.5および4−5cmに設定されてもよく、幅広片と各幅狭片の幅はそれぞれ1.5−2.5cmおよび0.7−1.5cmに設定されてもよい。 タンポンは折りたたまれ、長さ方向と幅方向の両方に圧縮されて図1bに示すような従来のタンポンの形に形成される。各細長片18はタンポン本体の外側表面近傍に配置される。図1cに示すように、タンポンの断面はW字状に形成される。図1cでは、内部コア10と、外部層8と、外部層の下に配置される幅広片16および各幅狭片18とが示される。図から分かるように、幅広片16の端部は内部コア10の折畳まれた部分内で折畳まれ、それによってそこに吸収された薬剤がタンポン内部と周囲のエリアに放出される。例2. 図2aに示される他の実施の形態による例2では、三つの細長い片が、平坦なタンポン28の外部層22と内部コア24との間に、タンポンの平坦な本体26の長さ方向の軸に垂直に、間隔をあけて配置される。この実施の形態では、各細長片は本体26の幅の周りに巻かれて本体の横方向の各端部30で切除される。したがって三つの細長片20が本体上面32に配置され、かつ三つの対応する細長片34が本体下面に配置される。各細長片の長さは平坦なタンポンの幅に等しい。タンポンの前端部36、つまり引きひも38と反対側の端部が月経分泌液と最初に接触する部分であるため、各細長片は好ましくはこの前端部36の近傍に配置される。 図2bに示す折畳まれたタンポン40では、環状の細長片20が示される。図2cは、タンポンの外表面近傍の、外部層22と内部コア24との間、および内部コアの折畳まれた部分内での、細長片20、34の様子を示す。例3. 主に放射状に膨張する(最大でも<10%の長さ方向の膨張)典型的なタンポンを本明細書では「ロール型」タンポンと呼称し、図3a−図3cに示す。上述の折り畳み型タンポンと同様に、ロール型タンポンは例1と同様に吸収性材料の内部コアを有し、さらに、例1と同様にコアは透液性材料から成る外部層に包まれている。ロール型タンポンが折り畳み型タンポンと特に異なるのはその寸法とタンポンの形成方法である。これらの違いは細長片の配置に影響する。 図3aに示すように、平坦なタンポン48は吸収性の層50とその上に配置された外部層52とを有する。吸収性の層50は細長い矩形のリボン状に形成される。一般的に、外部層52の材料は、吸収性の層の上面の一方の端部54の近傍にヒートシールされ、外部層の延長部56が吸収性の層の端部54から部分的に延在する。延長部56の長さは最終的に折り曲げられたタンポンの周囲と実質的に同等である。 発明のある実施の形態によれば、平行に間隔を置いて配置された三つの矩形の重合体の細長片58が、吸収性の層50と外部層52との間に、外部層の長さ方向の軸に垂直に、かつ互いに等間隔に設けられる。各細長片の端部は外部層の長さ方向の端から離れて配置され、吸収性層の端部54に最も近い細長片60はその端部から内側にずらして配置される。吸収性層の端部54から最も遠い細長片62からその端部54までの距離は折り曲げられたタンポンの周囲の長さにほぼ等しい。 タンポンの各構成要素の典型的で非限定的な寸法を例示のために以下に示す。吸収性層の長さ、幅、厚さはそれぞれ20−30cm、4−6cm、0.4−1.0cmに設定されてもよい。外部層の長さおよび幅はそれぞれ5−15cm、4−4.5cmに設定されてもよい。タンポンの周囲の長さは3−4.5cm、各細長片の長さは3.5−5.5cmに設定されてよい。 図3bに示すように、折り曲げられた形状のタンポン64は本体66と引きひも68とを有する。形成工程では、平坦形タンポン(図3a)の吸収性層は、細長片と外部層が配置された端部が外側になるように、長さ方向の軸に沿ってロール状に巻かれ、外部層の延長部56が自身の反対側の端部に熱溶着され、それによってタンポンのコアを形成する吸収性層が包まれる。三つの細長片58のうち二つは図3bに外部層を介して示されるが、もう一つの細長片はタンポン本体の後ろに位置するため示されない。図3cは発明のタンポンの三つの構成要素、つまり、巻かれた状態の内部吸収性コア50と、外部層52と、細長片58とを示す。例4. 本実施の形態では、図4a―4cに示されるように、細長片は、外部層の長さ方向の軸に垂直ではなく平行に配置される。従って、図4aでは平坦なタンポン63の吸収性層60と外部層62とは前述の例と同様に示される。三つの平行で等間隔の細長片64が外部層の長さ方向の軸と平行に、二つの層の間に設けられる。各細長片の長さは仕上済みのタンポンの周囲の長さに等しい。好ましくは、細長片は折り曲げられたタンポンの前端の近傍に配置される。 図4bと図4cは、内部コア60と、外部層62と、各細長片64とを有する折り曲げられた形状のタンポン66を示す。II.生体外での実験A.概説 以下に、発明の投与システムを用いて行われた生体外での放出研究の主な結果と結論を要約する。研究では二種類のNSAID、ナプロキセン(Naproxen)とイブプロフェン(Ibuprofen)が用いられた。 ナプロキセンとイブプロフェンは比較的疎水性であるため、月経期間中の膣での少量(5−8ml)の液体分泌物の結果としての、調製されたタンポンからの、薬剤の生物学的利用能の可能な範囲に特に注意を払う必要がある。薬剤の有効性は主に二つのプロセスに左右される。つまり、一つは膣粘膜組織浸透性であるが、これはこの場合においては制限要因とは考えられない。もう一つは調製されたタンポンからの薬剤の放出パターンであり、その依存性は主に薬剤の水溶性と拡散とに影響される。 良好な組織浸透性をもつ比較的疎水性の薬剤の生体外での放出研究の場合、実験は通常「SINK条件(SINK conditions)」で行われる。SINK条件という用語は、外と内の上皮層間の薬剤濃度勾配が常に最大であるという事実と、組織または血液は天然の「シンク」として作用するという事実、つまり薬剤は溶解した瞬間に吸収されるという事実に基づく。従って、生体内の条件では濃度の増大はなく、よって低濃度および/または穏やかな濃度勾配の阻害効果は起こらないと考えられる。生体内でのsink条件をシミュレートするために、生体外での溶解または放出速度論研究は通常は大量の溶解または放出媒質(release medium)を用いて行われるため、理想的な実験条件下では溶質濃度はその最大溶解度の5−10%を超えることはない。このような条件が維持されれば、薬剤の低い水溶性はもはや速度を制限する要因とはならない。特に指定されない限り、本明細書に述べられる生体外の試験はすべて最大溶解濃度の10%を用いてsink条件で行われた。B.材料と方法材料: 二種類の薬剤はイスラエルのTeva Pharmaceuticals, Ltd.社のご厚意で提供いただき、薬局方グレードのものであった。研究で用いられた他の成分はすべて分析的またはHPLCグレードのものであった。方法:1.投与システムの調製: 事前の知識に基づいて以下の製法が取られた。まず各薬剤をタンポン一つ当たりの薬量によって決定した濃度でエタノールに溶解し、続いて薬剤の重量ベースで計算した15%までグリセロールを加えた。グリセロールは湿潤剤(wetting agent)として働く。他の湿潤剤または界面活性剤をも調合品に含むことが必要な場合もある。不織(NW)の細長い片(7.5−8.5×2.5cm)(すなわち投薬システム)をこの調合品を含むエタノール溶液に浸し、最終的に溶媒を蒸発させることによって、調合品をNW片に装薬した。エタノールとアセトンがこの方法に適することが分かったが、毒性が非常に低いエタノールを選択した。 調合品を含む折り畳み型の細長片を軸方向の周りに2回折畳み、折畳んだ材料を1ton/cm2で30秒間プレスして長さ7.5cmの細長片を準備した。一つのPP/PE(NW)を用いて4層構造の細長片を得た。2.5cmの細長片を一枚と1.25cmの細長片二枚とを図1aに示すようにタンポンの長さ方向に貼付した。 予備的に選択された薬量はタンポン一つ当たり50mgであり、放出パターンの効率の点から、より少ない量とより多い量を含む異なる薬量と比較した。簡単かつ明瞭にするために、この研究のために選択された二種類の薬剤は別々に処理した。2.イブプロフェンの放出:生体外放出速度論(kinetics)条件: SINK条件: これらの実験で用いられた放出媒質はSorensen−Walbumの緩衝液であった。この緩衝液はUV領域での吸光度(absorbance)がなく、分析的な薬剤検出プロセスとの干渉がより少ないために選ばれた。緩衝液はグリシン(0.1M)とNaCl(0.1M)とから成り、NaOH(0.1M)でpH7.4に調節された。 SINK条件を作るために、放出条件下でのイブプロフェンの飽和濃度が決められた。大幅に過剰な量のイブプロフェンを50mlのSorensenの緩衝液に加え、密閉したフラスコ内で37℃で24時間攪拌した。 この条件下でのHPLCで決められたイブプロフェンの飽和濃度は100μg/mlであった。従ってSINK条件濃度は10μg/mlに設定した。最初に薬剤を少量のエタノールに溶解してから緩衝液と混合することによって著しく高い飽和濃度が達成できるということは言及する価値がある。しかしこれらは薬剤が生体外または生体内で放出される条件ではない。3.イブプロフェンの定量(determination)のためのHPLC方法: イブプロフェンの濃度は、Pharmaceutical Research(1998)15:482−487に記載の方法を用いて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で決定した。 カラム(Column):RP−C18、5μm、25cm、(Merck)周囲温度。 移動率(Flow rate):2ml/min。 アイソクラチック移動相:アセトニトリル:0.1M酢酸ナトリウム(35:65v/v)、氷酢酸でpH6.2に調節。 UV検出器、222nm。 検出限界:0.05μg/ml。 0−2000μg/mlの濃度範囲で得られた検定濃度に対するピークエリアのリニアリレーション(linear relation)は線形であり、0.99より高いr値を得た。4.ナプロキセンの放出:生体外放出速度論条件 SINK条件: SINK条件を作るために、イブプロフェンに関して上に述べられたと同様に、放出速度論実験条件下でのナプロキセンの飽和濃度が決められた。大幅に過剰な量のナプロキセンを50mlのSorensenの緩衝液に加え、密閉したフラスコ内で37℃で24時間攪拌した。 この条件下でのHPLCで決められたナプロキセンの飽和濃度は109μg/mlであり、イブプロフェンの飽和濃度よりもわずかに高かった。したがってSINK条件濃度を10.9μg/mlに設定した。これは飽和条件の10%にあたる。5.HPLC方法 ナプロキセンの濃度は、Acta Pharmacol. et Toxicol. (1980)47:267−273に記載の方法を用いてHPLCで決定した。 カラム:RP−C18、5μm25mm、(Merck)周囲温度。 移動率:2ml/min。 アイソクラチック移動相:アセトニトリル:100mM酢酸アンモニウム(40:60v/v)、氷酢酸でpH5.5に調節。 UV検出器、280nm。 検出限界:0.02μg/ml。 0−2000μg/mlの濃度範囲で得られた検定濃度に対するピークエリアのリニアリレーション(linear relation)は線形であり、0.99より高いr値を得た。結果1.液体の吸収 調製されたタンポン(イブプロフェンまたはナプロキセンを含む)を柔軟性のある可塑性ネットに包んだ。放出媒質の最大吸収が6mlになるようにネットをタンポンの周囲にきつく結んだ。この値は生理的条件下での月経分泌液の吸収量に近い値である。比較のために、最終的な吸収量が8−10mlになるようにネットのタイトネスの程度を減じた。 図5はイブプロフェンの放出結果の概要を示し、液体の吸収と調製品の量という二つのパラメタが薬剤の放出プロファイルに与える影響を比較している。 つまり、図5は、調製されたタンポンの放出プロファイルを示しており、このタンポンは50mgまたは25mgのイブプロフェンを含み、吸収される液体量が異なるようにネットで包まれている。図5は、4時間の保温後の最大放出値(%)を示している。図5において、●は50mg、非常にルーズなネット、10mlでの結果、■は50mg、ルーズなネット、8.9mlでの結果、□は50mg、タイトなネット、6mlでの結果、−は25mg、タイトなネット、6mlでの結果を示している。 調製品の量による影響は多少見られたが、放出プロファイルに影響を及ぼす最も重大な要因は液体の吸収量である。吸収量を6mlから8.9mlに上げ、最終的には10mlにまで上げたところ、薬剤の放出はそれぞれ32%から61%、さらに97%へと増加した。 この段階では、タンポンからの薬剤放出レートは液体の吸収に大きく依存するであろうという結論を得た。しかし、生体外では液体の吸収は主にタンポンの膨張能力に左右され、それはネットの覆いによって制限されたということが言及に値する。生体内条件では、同じ液体吸収量でもタンポンの形状はより著しく膨張する。2.HDPEサブストレートに貼付した投与システムを含むタンポンからのナプロキセンの放出研究: 薬剤放出速度を向上するために、比較的不活性でかつ疎水性で不透水性である高密度ポリエチレン(HDPE:high-density polyethylene)の薄膜に、調製した投与システムを貼付した。調製したチップに薄いHDPEサブストレートを貼付する主な意味合いは、内側への流れを最小にして薬剤の外側への拡散を促進することであった。HDPEサブストレートは綿糸で端部を縫いつけることによって投与システムに貼付した。HDPEサブストレートを内向きにした状態でチップをタンポンに取りつけた。 二つの異なる方法をテストした。一つの方法(タイプA−図6a)では、調製した各NW細長片72よりも僅かだけ大きな分離したHDPEサブストレート70を用いた。もう一つの方法(タイプB−図6b)では連続したサブストレート74を用い、調製したNW細長片76の下側のタンポンの各側部のほぼ全域を覆った。最大液体吸収が10mlとなるようにルーズなネットの覆いを用いた。3.アルブミンを含む放出媒質でのタンポンからのイブプロフェンの放出研究 テストされた様々なパラメタの中で、薬剤の溶解度、そしておそらく拡散パターンが薬剤放出プロセスの主な制限要因となる。したがって、薬剤の溶解の点から見て、Sorensen緩衝液のみを放出媒質として使用しても月経分泌液の物理化学的性質を十分には模倣できないのではないかと考えた。 従って、血漿蛋白(アルブミン)を1%と3%の濃度でSorensenの緩衝液に溶解した。後者は血液中の実際のアルブミン濃度である。4.飽和濃度の測定:SINK条件の決定: 過剰な量の薬剤(イブプロフェン)を1%か3%の溶解アルブミンを含む30mlのSorensenの緩衝液(pH7.4)に加え、密閉したフラスコ内で37℃で24時間攪拌した。溶液の濃度はHPLCで決めた。 1%と3%のアルブミン含有緩衝溶液で得られた飽和濃度はそれぞれ約730μg/mlと2100μg/mlであった。これらの濃度は、Sorensen緩衝液のみを用いて得られた100μg/ml飽和濃度よりも、それぞれ7倍から21倍高い値である。蛋白質と薬剤分子間の錯形成反応(complexation)プロセス、または溶液の溶解度パラメタの変化が薬剤飽和濃度のこのような著しい増加をもたらしたと考えられる。 1%のウシ血清アルブミンを含む1リットルの放出媒質中で、50mgと100mgのイブプロフェンを含む調製したタンポンに対して、SINK条件をそれぞれ6.8%と14%に設定した。5.生体外での薬剤放出手順: 生体外実験条件は以下のように設定した。温度制御された水浴に浸した61リットルのガラス容器から成り、制御可能な機械式攪拌システム(130rpm)を有する溶解装置を用いて、調製したタンポンからの薬剤放出を行った。放出媒質中のアルブミン濃度は1%であり、溶液は37℃の定温に維持された。 調製した各タンポンをタイトな可塑性ネットに包み、最大液体吸収を5−6mlに制限した。各タンポンはさかさまに放出媒質に浸してひもで垂直に保持した。浮きを防ぐために小さなガラスの重りをタンポンに取り付けた。すべての実験は二つのレプリカで行われた。サンプルは二つ用意して前章で述べたように処理した。 放出プロセスの後、各タンポンを50mlのエタノールで洗浄してプロセスの終了時にタンポンに残留している薬剤の量を抽出した。残留量と放出量の合計を調製したタンポンに元々含まれていた薬剤の総量と考えた。薬剤放出の割合をこのようにして計算した。6.放出研究の結果: あらかじめテストした異なる調製品の内の三つを選択して新たな実験条件下で比較した。これらの調製品はいくつかのパラメタが異なっていた。それらのパラメタとは、タンポン一つ当たりの薬剤の量、湿潤剤のタイプと量、および、タンポンに取り付けられた投与システムの内側にHDPEサブストレートを貼付するか否かであった。 選択された調製品を以下に示す。(a)100mgイブプロフェン*+25%グリセロール;分離型HDPEサブストレート(b)100mgイブプロフェン*+10%トゥイーン80(Tween 80);分離型HDPEサブストレート(c)100mgイブプロフェン*+10%トゥイーン80;連続型HDPEサブストレート(d)150mgイブプロフェン*+20%グリセロール+20%PEG1000;HDPE無し なお、*のついている値は、タンポン一つ当たりの量である。 図7,8,9にこれらの異なる調製タンポンの放出プロファイルを示す。 図7はタイトなネットの覆いを用いた状態での調製品(a)の放出プロファイルを示している。最初の2時間で調製品の大部分が放出されたことが明らかに分る。なお、図7に示すタンポンは、タイトなネットに包まれており、タイプAのHDPEサブストレートに貼付された投与システムを備えた100mgのイブプロフェンと、25%のグリセロールとを含んでいる。なお、図7は、二つのレプリカでの結果を示している。 図8に示される調製品(b)(c)の放出プロファイルからは、湿潤剤としてグリセロールの代わりにトゥイーン80を使用すると放出レートは増加せず、かえって遅くなることが分る。分離型のHDPEサブストレートと連続型のHDPEサブストレートを用いた場合の放出プロファイルには著しい違いは見られなかった。なお、図8に示すタンポンは、タイトなネットに包まれ、HDPEサブストレートに貼付された投与システムを備えた100mgのイブプロフェンと10%のトゥイーン‐80(Tween-80)とを含んでいる。図8において、◆はタイプAでの結果を示し、●はタイプBでの結果を示す。 最後に、図9から判るように、グリセロールとPEG−1000とを湿潤剤として含み、HDPEサブストレートを用いなかったタンポン(調製品(d))からの薬剤の放出プロファイルは際立って低かった。この場合には薬剤の50−60%しか120分以内に放出されなかったのに対し、HDPEサブストレートを用いた場合(図7)には同じ時間の間に薬剤の約80%が放出されている。従って、HDPEサブストレートの使用は明らかに薬剤放出のレートを促進かつ増加させると考えられる。なお、図9に示すタンポンは、タイトなネットに包まれ、150mgのイブプロフェンと20%のグリセロールと20%のPEG−900とを含み、HDPEサブストレートは用いなかった。また、図9は、二つのレプリカa(■)とb(●)での結果を示している。本発明に従う投与システムの実施の形態の一例である例1による折り畳み型タンポンの平坦形状を示す斜視平面図である。図1aに示す折り畳み型タンポンが最終的に折り畳まれてプレスされた折り畳み型タンポンの斜視図図1bにおける線1c−1cに沿う断面図本発明に従う投与システムの実施の形態の一例である例2による折り畳み型タンポンの平坦形状を示す斜視平面図である。図2aに示す折り畳み型タンポンが最終的に折り畳まれてプレスされた折り畳み型タンポンの斜視図図2bにおける線2c−2cに沿う断面図本発明に従う投与システムの実施の形態の一例である例3によるロール型タンポンの平坦形状を示す斜視平面図図3aに示す折り畳み型タンポンが最終的に巻かれてプレスされたロール型タンポンの斜視図図3bにおける線3c−3cに沿う断面図図4aは本発明に従う投与システムの実施の形態の一例である例4によるロール型タンポンの平坦形状を示す斜視平面図図4aに示すロール型タンポンが最終的に巻かれてプレスされたロール型タンポンの斜視図図4bにおける線4c−4cに沿う断面図調製されたタンポンの放出プロファイルを示す図投与システムの他の構造の実施の形態を示しており、重合体フィルムの裏材を有する投与システムであって、分離型の配置を示す図投与システムの他の構造の実施の形態を示しており、重合体フィルムの裏材を有する投与システムであって、連続型の配置を示す図タンポンの放出プロファイルを示す図タンポンの放出プロファイルを示す図タンポンの放出プロファイルを示す図 ヒトの膣への挿入用の月経用タンポンであって、 (a)吸収性材料を含む内部コアと、 (b)透液性材料を含む外部層と、 (c)経膣薬剤投与システムとを備え、 前記経膣薬剤投与システムは、 (i)効果的な量の薬剤を含み、かつ任意には湿潤剤を含む、堆積物と、 (ii)前記堆積物が堆積される、織布または不織布の重合体の帯状支持体とを備え、 前記経膣薬剤投与システムは、前記内部コアと前記外部層との間に位置している、月経用タンポン。 前記経膣薬剤投与システムと前記内部コアとの間に設けられる重合体の不透水性のフィルムをさらに備える、請求項1に記載の月経用タンポン。 前記経膣薬剤投与システムは複数の前記帯状支持体を含む、請求項1または請求項2に記載の月経用タンポン。 三つの前記帯状支持体を備える、請求項3に記載の月経用タンポン。 前記経膣薬剤投与システムと前記内部コアとの間に配置される重合体の不透水性のフィルムをさらに備える、請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の月経用タンポン。 前記重合体の不透水性のフィルムは高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、請求項5に記載の月経用タンポン。 前記薬剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン阻害薬、COX−2阻害薬、局所麻酔薬、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル遮断薬、βアドレナリンアゴニスト、ロイコトリエン遮断薬、平滑筋阻害薬、血管拡張薬、ホルモン置換剤、男性ホルモン、およびジスキネジーの筋肉収縮を抑制可能な薬剤の中から選ばれる、請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の月経用タンポン。 前記NSAIDは、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、ブロムフェナク、フェナメート、スリンダック、ナブメトン、ケトロラク、およびナプロキセンの中から選ばれ、前記局所麻酔薬は、リドカイン、メピバカイン、エチドカイン、ブピバカイン、塩酸2クロロプロカイン、プロカイン、および塩酸テトラカインの中から選ばれ、前記カルシウムチャネルアンダゴニストは、ジルチアゼム、イスラピジエン 、ニモジピン、フェロジピン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、およびベプリジルの中から選ばれ、前記カリウムチャネル遮断薬は、デフェチリド、E−4031、アルモカラント、セマチリド、アンバシリド、アジミリド、テジサミル、RP58866、ソタロール、ピロキシカム、およびイブチリドの中から選ばれ、前記βアドレナリンアゴニストは、テルブタリン、サルブタモール、メタプロテレノール、およびリトドリンの中から選ばれ、前記血管拡張薬は、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、およびイソソルビドモノニトレートの中から選ばれ、前記ホルモン置換薬は、エストロゲンまたはエストラジオールおよびプロゲストゲンの中から選ばれ、前記COX−2阻害薬は、セレコキシブ、メロキシカム、およびフロスリドの中から選ばれ、さらに、上記薬剤の誘導体であってもよい、請求項7に記載の月経用タンポン。 前記NSAIDはナプロキセンまたはイブプロフェンである、請求項8に記載の月経用タンポン。 前記堆積物の成分は溶媒に溶解され、前記堆積物は前記溶媒の蒸発によって堆積される、請求項1〜9のいずれかの請求項に記載の月経用タンポン。 前記帯状支持体は1つ以上の層から成る、請求項1〜10のいずれかの請求項に記載の月経用タンポン。 前記帯状支持体は2〜16の層から成る、請求項11に記載の月経用タンポン。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る