生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_2−シアノアジリジン−1−カルボキサミドの合成
出願番号:2003547358
年次:2010
IPC分類:C07D 203/20,C07D 487/04,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

レメレス ウィリアム イエンガー バシュヤム JP 4575666 特許公報(B2) 20100827 2003547358 20020917 2−シアノアジリジン−1−カルボキサミドの合成 ザ アリゾナ ボード オブ リージェンツ 504202678 清水 初志 100102978 春名 雅夫 100102118 山口 裕孝 100160923 刑部 俊 100119507 井上 隆一 100142929 佐藤 利光 100148699 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 大関 雅人 100114340 川本 和弥 100121072 レメレス ウィリアム イエンガー バシュヤム US 09/995,265 20011126 20101104 C07D 203/20 20060101AFI20101014BHJP C07D 487/04 20060101ALI20101014BHJP C07B 61/00 20060101ALN20101014BHJP JPC07D203/20C07D487/04 132C07B61/00 300 CA/REGISTRY(STN) 特開昭53−050153(JP,A) 特開昭53−073555(JP,A) 特開昭52−010290(JP,A) 独国特許出願公開第00110492(DE,A1) 12 US2002029646 20020917 WO2003045906 20030605 2005510561 20050421 10 20050825 鈴木 智雄米国連邦政府が後援する研究開発の下に行われた発明の権利に関する声明 米国政府はこの発明についての支払い済みのランセンスを有し、制限された状況において、国立衛生研究所によって授与された交付番号SR01 GM52795-06の文言によってという条件の下で、特許権所有者に、妥当な条件で、他者に使用を許可することを要求する権利を有する。発明の分野 本発明は、アジリジン-1-カルボキサミド化合物を製造する方法、及びアジリジン-1-カルボキサミド化合物から4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オン化合物を製造する方法に関する。発明の背景 アジリジン-1-カルボキサミド化合物及びその誘導体には、免疫刺激活性のようなさまざまな治療上有用な活性がある。例えば、米国特許第4,376,731号を参照。それに加えて、アジリジン-1-カルボキサミド化合物は、4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オン化合物及びその誘導体を含む、さまざまな薬学的に活性な化合物の有用な中間体である。例えば、米国特許第4,083,987号参照。これらの参考文献が示すように、2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドまたはその誘導体は、薬剤としても、他の薬学的に有用な化合物の中間体としても特に有用である。 しかし、2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドの製造のための従来の方法のいくつかは、有毒な反応物の発生及び/または潜在的に爆発性の反応条件を伴う。例えば、東ドイツ特許第110,492号においてUwe Bickerにより開示された、2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドを製造するための合成方法は、シアヌル酸の熱分解により発生した熱い有毒なイソシアン酸をエーテルに通すことを伴う。これは、エーテルの高い可燃性と、非常に毒性の高い、発疱性の薬剤であるイソシアン酸の生成のために危険な工程である。さらに、危険な条件により、この方法のために、特別な装置が通常要求される。 したがって、アジリジン-1-カルボキサミド化合物の製造のための、より安全な代替の方法が必要とされている。発明の概要 本発明の一つの態様は、以下の式のアジリジン-1-カルボキサミドを製造する方法を提供し、前記方法は、(a)式のアジリジンを、式R5-N=C=Oのイソシアネートに、式(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素またはC1-C6アルキルであり、R4は、シアノ、カルボキサミド、またはカルボン酸エステルであり、R5は、式-C(=O)-R6である部分であり、ここでR6はハロアルキルである)のN-アシル化されたアジリジンを合成するのに十分な条件下で接触させる段階、ならびに(b) N-アシル化されたアジリジンを、式Iのアジリジン-1-カルボキサミドを製造するのに十分な条件下で求核試薬に接触させることにより、R5基を除去する段階を含む。 本発明のもう一つの局面は、式の4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オンを、式Iのアジリジン-1-カルボキサミドから製造する方法を提供し、ここでR1、R2、及びR3は、上記で定義されたものである。定義 「アルキル」とは、1個から10個、好ましくは1個から6個の炭素原子を持つ直鎖の完全に飽和された炭化水素部分、または3個から10個、好ましくは3個から6個の炭素原子を持つ分枝した完全に飽和された炭化水素部分をいう。 「カルボキサミド」とは、式-C(=O)NRaRbの部分をいい、Ra及びRbはそれぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキルである。 「カルボン酸エステル」とは、式-C(=O)ORaの基をいい、Raはアルキル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキルである。 「ハロアルキル」とは、炭素骨格に結合した一つまたは複数の水素原子が、一つまたは複数のハロゲン化物、好ましくは塩化物、臭化物、またはフッ化物で置換された、上記で定義したアルキル部分をいう。例示的なハロアルキル基は、モノ-、ジ-、及びトリクロロメチル、モノ-、ジ-、及びトリフルオロメチルなどを含む。 化学反応について言及する場合、「処理する」、「接触させる」、及び「反応させる」という表現は、本明細書中において交換して用いることができ、二つまたはそれ以上の試薬を、指示された、及び/または所望の生成物を製造するために適切な条件の下で添加または混合することをいう。指示された、及び/または所望の生成物を製造する反応が、必ずしも当初加えられた二つの試薬の組み合わせから直接起こるとは限らず、すなわち、指示された、及び/または所望の生成物を最終的に形成する一つまたは複数の中間体が混合物中に製造されうることが認識されるべきである。 本明細書中では、変化するものに言及するときの「上記で定義されたもの」及び「本明細書に定義されたもの」という表現は、もしあれば、好ましい、より好ましい、及び最も好ましい定義と共に、その変化するものの広い定義を参照として組み入れる。発明の詳細な説明 本発明の一つの様態は、以下の式のアジリジン-1-カルボキサミドを製造する方法を提供し、ここでR1、R2、R3、及びR4は上記で定義されたものである。本発明の方法は、式のアジリジンを、式R5-N=C=Oのイソシアネートに、式のN-アシル化されたアジリジンを製造するのに十分な条件下で接触させる段階を含み、ここでR1、R2、R3、R4、及びR5は上記で定義されたものである。 本発明の方法は、式IIIのN-アシル化されたアジリジンを、式Iのアジリジン-1-カルボキサミドを製造するのに十分な条件下で求核試薬に接触させることにより、R5基を除去する段階も含む。 好ましくは、R5はハロアセチルである。さらに好ましくはR5はトリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチルまたはトリブロモアセチルである。さらに好ましくは、R5はトリクロロアセチルである。 好ましくは、R4はシアノである。 一つの特定の態様では、R1、R2、及びR3は水素である。 式IIのアジリジン-1-カルボキサミドとイソシアネートの反応は、不活性の溶媒中、すなわち、出発物質に無反応の溶媒中で、幅広い反応温度で行うことができる。しかし、反応は室温またはそれ未満で行うことが便利である。典型的には、反応温度の幅は、約-10℃から約5℃である。適切な反応溶媒は不活性な非プロトン性の溶媒、例えばトルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル、ならびにジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化された溶媒を含む。 得られた式IIIのN-アシル化されたアジリジンはR5基を除去する前に精製されうる。しかし、式IIIのN-アシル化されたアジリジンは、しばしばさらに精製することなく直接次のステップに用いられうる。 R5基は、式Iのアジリジン-1-カルボキサミドを製造するために、求核試薬と反応させることにより、式IIIのN-アシル化されたアジリジンから除去されうる。その反応は、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びプロパノールのような無水アルコール溶媒中で行うのが便利である。適切な求核試薬はアンモニア及びアミンを含む。典型的には、メタノール中のアンモニアの混合物が、式IIIのN-アシル化されたアジリジンからR5基を除去するのに用いられる。しばしば、その反応は約0℃で都合よく行われる。 本発明の方法は、式IIのアジリジンから式Iのアジリジン-1-カルボキサミドを、全収率少なくとも約70%で提供する。好ましくは、全収率少なくとも約75%、さらに好ましくは少なくとも約80%である。 本発明の方法の有利な点の一つは、出発物質の熱分解が全く必要でないため、潜在的に可燃性の条件の必要性を取り除くことを含む。それに加えて、本発明の方法は、有毒なイソシアン酸の生成を避ける。さらに、本発明の出発物質は市販されているか、または特別な装置を必要とせずに容易に準備することができる。 R1、R2、R3、及びR4の少なくとも一つがシアノであるとき、式Iのアジリジン-1-カルボキサミドは4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オンに変換することができる。例えば、式の2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドは上記の方法を用いて準備されうる。この式IVの2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドは、塩基と反応させることにより、式の4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オンに変換することができる。 式Vの4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オンは下記に示すように一つまたは複数の互変異性体で存在しうる。したがって、「式Vの4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オン」という表現は上記で示されたすべての互変異性体を含む。 典型的には、上記の環化は、実質的に無水の、極性有機溶媒中、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びプロパノールのようなアルコール溶媒中で行われる。いくつかの場合においては、特にR1、R2、及びR3が水素の場合は、得られた式Vの4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オンは、反応溶媒からたやすく結晶化し、それによって生成物の分離を単純かつ容易にする。 環化を促進するために十分なpKaをもつ任意の塩基を用いることができるが、本発明はアルコール及びエトキシラート、アルコキシラート、特にtriton B(登録商標)(Union Carbide)を含む界面活性剤が、式IVの2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドから式Vの4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン−2−オンを製造するのに、特に有用であることを見出した。 本発明の更なる目的、利点、及び新規な特徴は、下記の実施例の考察において、当業者に明らかであるが、それらは制限的であるとは意図されない。実施例実施例1 本実施例は、2-シアノアジリジン-1-[N-(トリクロロアセチル)]-カルボキサミドの合成を説明する。 メカニカルスターラー、熱電対、及び窒素ガス導入口を取り付けた1Lの三首フラスコを200mLのトルエンと80gのトリクロロアセチルイソシアネートで満たした。混合物をドライアイス/エタノール浴で-10℃に冷却し、混合物の温度を-10℃と5℃の間に保ちながら、トルエンの28.6gの2-シアノアジリジン(Aldrich Chemical Co.、 Milwaukee、 WI)懸濁液を1時間以上かけて少しずつ加えた。添加が終了した後、反応混合物を0℃で1時間攪拌した。次に、それを一晩5℃で冷蔵庫に保管した。分離した固体をろ過により集め、トルエンで洗浄した。その後、それを300mLのメチルtert-ブチルエーテルで1時間粉砕した。その混合物をろ過し、固体を真空で乾燥させ、90g(収率83%)の2-シアノアジリジン-1-[N-(トリクロロアセチル)]-カルボキサミドを得た。NMR(CDCl3)δ:1.6(bs,1H),2.87(d,1H),2.97(d,1H),3.35(q,1H),および8.75(bs,1H)実施例2 本実施例は、2-シアノアジリジン-1-カルボキサミドの合成を説明する。 マグネチックスターラー及び窒素ガス導入口を取り付けた1L丸底フラスコを350mLのメタノールと154mLの7Nのアンモニアのメタノール溶液で満たした。その混合物を0℃に冷却し、102gの2-シアノアジリジン-1-[N-(トリクロロアセチル)]-カルボキサミド(実施例1参照)を5〜10分かけて少しずつ加えた。反応混合物を0℃で1.5時間攪拌した。その後反応混合物を、真空でアンモニアとメタノールを取り除くことにより濃縮した。得られた残渣の固体をトルエンで処理し、トリクロロアセトアミド副生成物を溶解した。固体残渣は45.8gの表記の化合物を含み、次のステップで、更なる精製を行わずに用いた(実施例3参照)。NMR(CDCl3)δ:1.7(bs,1H),2.55(d,1H),2.58(d,1H),3.06(dd,1H)および8.75(bd,2H)実施例3 本実施例は、4-イミノ-1,3-ジアザビシクロ[3.1.0]-ヘキサン-2-オン、すなわちイメキソンの合成を説明する。 マグネチックスターラーと窒素ガス導入口を取り付けた1L丸底フラスコを400mLのメタノールと45.8gの2-シアノアジリジン-1-カルボキサミド(実施例2参照)で満たした。この混合物に、40%のtriton B(登録商標)のメタノール溶液10mLを加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、その後0℃に冷却した。その後、固体生成物をろ過し、続いてエタノール及びメタノールで洗浄し、真空乾燥させ、イメキソンの基準試料と同一のNMRスペクトルをもつ、27g(2-シアノアジリジン-1-[N-(トリクロロアセチル)]-カルボキサミドからの収率61%)の表記の化合物を得た。 本明細書に記載した実施例及び態様は、例示のためのみのものであり、それらに鑑みさまざまな修正または変更が当業者に示唆され、それらは本出願の趣旨及び範囲ならびに添付された特許請求の範囲に含まれると理解される。本明細書で引用されたすべての刊行物、特許、特許出願は、参照により本明細書に完全に組み入れられる。 以下の式のアジリジン−1−カルボキサミドを製造する方法であり、(a)式のアジリジンを、式R5−N=C=Oのイソシアネートに接触させ、式(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素またはC1−C6アルキルであり、R4は、シアノ、またはカルボキサミドであり、R5は、式−C(=O)−R6である部分であり、ここでR6はハロアルキルである)のN−アシル化されたアジリジンを製造する段階、ならびに(b)N−アシル化されたアジリジンを、アンモニアに接触させることにより、R5基を除去し、式Iのアジリジン−1−カルボキサミドを製造する段階を含む方法。 R5がトリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、トリブロモアセチル、及びトリフルオロアセチルからなる群から選択される、請求項1記載の方法。 R5がトリクロロアセチルである、請求項2記載の方法。 R1、R2、及びR3が水素であり、R4がシアノである、請求項1記載の方法。 以下の式の4−イミノ−1,3−ジアザビシクロ[3.1.0]−ヘキサン−2−オンまたはその互変異性体を製造する方法であり、(a)式の2−シアノアジリジンを、式R5−N=C=Oのイソシアネートに接触させ、式のN−アシル化された2−シアノアジリジンを製造する段階、(b)N−アシル化されたアジリジンをアンモニアに接触させることにより、R5基を除去し、式の2−シアノアジリジン−1−カルボキサミドを製造する段階、ならびに(c)2−シアノアジリジン−1−カルボキサミドを塩基に接触させて、4−イミノ−1,3−ジアザビシクロ[3.1.0]−ヘキサン−2−オンを製造する段階を含む方法(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素またはC1−C6アルキルであり、R5は、式−C(=O)−R6で示された基であり、ここでR6はハロアルキルである)。 R5が、トリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、トリブロモアセチル、及びトリフルオロアセチルからなる群から選択される、請求項5記載の方法。 R5がトリクロロアセチルである、請求項6記載の方法。 R1、R2、及びR3が水素である、請求項5記載の方法。 以下の式の化合物:(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して水素またはC1−C6アルキルであり、R4は、カルボキサミド、またはカルボン酸エステルであり、R5は、式−C(=O)−R6である部分であり、ここでR6はハロアルキルである)。 R1、R2、及びR3が水素である、請求項9記載の化合物。 R5が、トリクロロアセチル、ジクロロアセチル、クロロアセチル、トリブロモアセチル、及びトリフルオロアセチルからなる群から選択される、請求項10記載の化合物。 R5がトリクロロアセチルである、請求項11記載の化合物。


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