タイトル: | 公表特許公報(A)_微生物個別細胞培養物の培養方法及び解析方法 |
出願番号: | 2003529888 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,C12N1/00,C12N1/02 |
ヒリガー,マティアス ミューラー,ペーター−ユルゲン ロス,マルティン グロス,イングリッド クンマー,クリステル マルティン,カーリン シュローク,ヴォルケ メッツェ,ヨゼフ コーラー,ミヒャエル ヘンケル,トーマス ガストロック,ギュンター レムキ,カレン JP 2005502378 公表特許公報(A) 20050127 2003529888 20020913 微生物個別細胞培養物の培養方法及び解析方法 ハンス−クノール−インスティテュート フュア ナテュールシュトッフ−フォルシュング エー.ファウ. 500564172 インスティテュート フュア バイオプロゼス−ウント アナライゼンメステクニーク エー.ファウ. 504096572 インスティトゥート フュア フィジカーリッシェ ホッホテヒノロギー エー.ファウ. 501078454 斎藤 侑 100061284 ヒリガー,マティアス ミューラー,ペーター−ユルゲン ロス,マルティン グロス,イングリッド クンマー,クリステル マルティン,カーリン シュローク,ヴォルケ メッツェ,ヨゼフ コーラー,ミヒャエル ヘンケル,トーマス ガストロック,ギュンター レムキ,カレン DE 101 45 568.2 20010914 7 C12N1/00 C12N1/02 JP C12N1/00 A C12N1/00 T C12N1/02 EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,SK,TR),AE,AU,BA,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,DZ,EE,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KR,LT,MA,MK,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SG,SI,SK,UA,US,YU,ZA DE2002003451 20020913 WO2003025113 20030327 39 20040311 4B065 4B065BA21 4B065BA30 4B065CA46 【技術分野】【0001】本発明は、微生物学において最も頻繁に行われる基本操作である微生物の個別分離及び並行培養において、従来は不可能であった多数の微生物個体を対象とする個々の微生物の個別分離及び並行培養を可能とする。【背景技術】【0002】個別分離を行う目的の一つは、際立った特質を有する微生物を見出すことである。通常、際立った特質を有する微生物は微生物培養物や微生物集団に極めて少数しか存在しない。このような微生物は自発的な突然変異の結果、あらゆる微生物集団内に常に存在しているが、突然変異、トランスフェクション、形質転換、遺伝子工学的手法等により人為的に発生させることもあり、培養物中の汚染物として存在することもある。【0003】新規でより好ましい性質を有する新規微生物を探し出すこと(スクリーニング)や、病原性その他の好ましくない性質を有する微生物の同定は、土壌や培地等、自然界の又は人為的に作成された場所や産物の懸濁物としての試料において、廃水処理設備等の水系の微生物の生息場所において、あるいは生息する高等生物体について行われる。【0004】本発明によれば、微生物種に関して均一又は不均一の大集団から新規な或いは際立った機能や特徴を有する個々の微生物を見出すことが可能となり、微生物の有する機能をより良く利用する道を開くことができる。【0005】同様に本発明は、微生物の生命活動を指標として利用して、培地や、抗生物質や必須栄養素等の生育や代謝に関するエフェクターを定量的又は定性的に検出する場合にも有利であり、これによって培養に用いる培地の栄養素組成を最適化することもできる。【0006】上記のような研究を、極めて多数のモノクローナル細胞や、ミクロ純粋培養物としての培養物に対して行うこともできる。本発明は、バイオテクノロジーや遺伝子工学、医療微生物学、薬学、微生物学、食品微生物学、環境微生物学等の、微生物の活動や機能についての研究や応用、改良、分析を行う分野すべてに利用することができる。【0007】純粋培養物やモノクローナル培養物、汚染を受けていない培養物の作成は微生物学における基本的一操作である[1]。純粋培養は単一の細胞の後代から成り、それに属する細胞はすべて同一の生育及び代謝挙動を示す。純粋培養物を得るためには、接種に用いるのための単一の細胞を分離する必要がある。【0008】しかしながら、極めて多数の個体を含む液中培養物(液体培養物)や細胞懸濁物から興味ある個体を見出し分離することは、従来より十分に解決されていない科学的・技術的問題である[2]。従来この作業は寒天表面に極めて薄く被覆した希薄懸濁物培地で行うことや、レーザピペット等を用いる機械的な操作により個々の細胞を分離すること等、不十分な方法でしか行うことができなかった[3]。分離対象の生物体が極めて多数であることから、機械的に細胞を分離する方法は多大の時間を要するため、現在の技術水準において実用化に至っていない。【0009】多数の培養を並行して行う場合、理論的には極めて小さい培養容器を使用することができる。主として微細加工技術を用いて作成したキャビティや通路を生物工学的培養に利用することが既に提案されている[4]。このような微小系の技術を実用化する最初の試みにおいて、大腸菌(Escherichia coli)の16個の微小培養が0.1μLスケールで可能であることが示されている[5]。微生物のピペット操作は分注器を用いて行うことができる[6]。【0010】接種に使用する微生物を105〜108個の多数の細胞から成る集団から個別分離しようとすると、極めて多数の微小培養容器が必要となるため、この種の個別分離はこれまで行われていない。【0011】一連のバイオ技術の使用において、微生物を微小ゲル液滴(gel micorodroplets;GMD)に封入することが行われる。微生物と水溶性のゲル形成物質とを含む懸濁液を特殊なノズル系を通して可能な限り小さな、単一の細胞を含む液滴とした後、固化してGMDとするか、あるいはマイクロカプセル化してGMDとする[7〜9]。微生物を培養するためにはGMDを液体培地内でインキュベートする。個々のGMP内での微生物の生育度合とそれらの性質は種々の方法で検出することができる[7〜9]。この方法の欠点は、微生物の生育が速いため短時間でGMPから周囲の液体に流出し、他のすべてのGMDを汚染する可能性があることである。従ってこの方法は特に生育速度の速い、異なる数種の微生物や細胞の培養や特徴付け、分離には不適切である。更なる欠点は、個々のGMPに対して何回も測定を行い、データを取得することが技術的にほとんど不可能なことである。【0012】突然変異体や選択微生物、汚染微生物、遺伝子工学的に改変した微生物の分離には、ほぼ例外なく古典的な方法が用いられている。細胞集団を十分希釈して得た微生物懸濁液を寒天表面に塗布すると、単一の微生物細胞に由来する分離されたコロニー、即ち個別分離されたコロニーが生ずるようにする。【0013】更に、特定の培地を提供することにより条件を選択したり、生育エフェクターを添加したりして、目的とする微生物のみを生育させることが通常行われる。【0014】遺伝子工学的作業においては、転写させるべき遺伝子をマーカー遺伝子と結合させる。マーカー遺伝子としては通常、抗生物質に対する耐性を有する遺伝子が用いられ、これによって、抗生物質を添加した培地内では転写させた遺伝子を含むクローンのみが生育する。【0015】通常少数しか存在しない興味ある微生物を、単純且つ直接的に検出し取得(単離)する簡便な方法は存在しない。【0016】現在の技術水準における一例として、新規な特質を有する新規な微生物を探し出すための一次スクリーニングの操作方法が開示されている[10]。土壌サンプルからの抽出物に関する推定によれば、土壌サンプル1g中に同種・異種を含めて約106〜108個存在する微生物のうち、この従来技術で見出せるものは最大でも約1〜10%にすぎない。【0017】従来の一次スクリーニングの方法においては、サンプルを緩衝溶液又は水に懸濁させて、所定の微生物懸濁液(液中試料)を得る。土壌粒子等の固形介在物を除去して分離した微生物を含む液状残留物(抽出物)を希釈して、続く工程で寒天表面に塗布したときに生育が見られないゾーンで区切られた、即ち単離されたコロニーが出現するようにする(希釈工程)。得られたコロニーを分離し、興味の対象である機能や性質を試験する。希釈を行う第一の目的は、分離された(汚染されていない)コロニー(純粋培養物)を得ることにある。【0018】通常のスクリーニング方法においては、土壌サンプル1g(乾燥基準)を10mLの緩衝溶液、塩溶液又は水に懸濁させ、微生物が豊富な耕土の場合は約106倍に希釈する。単一のコロニーが生ずる程度に希釈した後、ペトリ皿に入れた寒天培地に各0.1mLの希釈抽出液を接種する。この方法によって、希釈後の懸濁液0.1mL内に存在する微生物のみを寒天表面に生育させることができる。【0019】インキュベーション後の生育コロニー数と使用した希釈度とから、乾燥土壌1gあたりのコロニー形成単位数(例えば106〜108)が計算できる。しかし実際には、このような多数の微生物の培養はこの方法では不可能であり、通常生育した多数のコロニーから形態的特徴を考慮して選択したコロニーを再接種してさらに培養させる。ついで選ばれたクローンを二次スクリーニングにかけ、新規な代謝能力を検討する。この方法では、土壌サンプル中に例えば1/100の濃度で存在する微生物種は1/100の確率でしか発見されないことになる。【0020】微生物の発見を妨げる要因として、希釈によって微生物体が失われることのほかに、調査対象の微生物の生理学に関係する理由も存在する。【0021】土壌サンプル中に存在する微生物の約90%は「培養不可能な」微生物とされている。培養不可能とは、作業のために選択された生育条件下では生育しないという意味である。そのような微生物を培養するためには、微生物の要求する栄養成分や物理的パラメータに合わせて生育条件を設定しなければならない。微生物の一部はそのビオトープ/生態系内部で生理的に不活発な状態(休眠状態)にある(K戦略種)という問題が存在する。休眠中の微生物は生きてはいるが、通常用いられる標準的な条件や培養時間では培養することができない。一方、極めて速く生育する微生物(r戦略種)もある。微生物の大部分が見出されない現象の理由としては、K戦略種(培養不可能な菌)が生育しないことや、r戦略種の生育に覆い隠されてしまうことが挙げられる。【0022】一方、微生物の生育は生育因子によって制御されるという指摘がある。接種済みの培養物を希釈しすぎると生育が見られなくなることはよく知られているが、生育している他の培養物からの濾液を少量接種すると生育が誘導される。【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0023】本発明の目的は、基本操作としての多数の細胞の個別分離及び多数の個別培養を並行して実施することである。多くの用途において微生物的特性を予測するためには、純粋培養物が必要であるが、従来は培養物内の個体数が極めて多いため簡単には実現できなかった。更に従来は例えば、興味深い又は際立った特性を有する微生物個体であっても、ごく少数しか存在しない場合には発見することができなかった。従って微生物の液中培養物は、懸濁液中に存在する微生物の各々がなるべく個体として別個の培養範囲内に、純粋培養物又は微小培養物として生育するように扱う必要がある。またこれによって、従来のスクリーニング法において不可避であった希釈工程において、実際に単離可能な個体数が著しく減少することを防ぐことができる。【0024】際立った特質を有する微生物や、微生物感染、新規又は稀少な微生物(K戦略種や培養不可能又は困難な微生物を含む)を認識し、発見し、単離するために、或いは多数の生育試験を平行して行うことに基づいてエフェクターの作用を統計的に評価するために、水性微生物懸濁液に同種異種を含め多数含まれる微生物をのすべてを純粋培養の形で培養する方法を開発することが本発明の課題である。【課題を解決するための手段】【0025】上記課題を達成するためには、微小操作技術を用いて培養内の微生物すべてを個別分離する方法を開発する必要がある。さらに、個別分離された所定の性質を有する微生物の生育を可能にし、他の微生物の望ましくない生育を抑制又は阻害するように、必要に応じて培養条件を変化させることが必要である。【0026】上記課題を達成するために提案される本発明に係る微生物の並行培養の方法は、粗大な固形介在物を除いた、組成が均一又は不均一の微生物集団の懸濁液又は培養物に栄養基質及び/又はエフェクター及び/又は微生物代謝産物を添加し、続いてN個の微生物個体を含む体積vの微生物懸濁液を分注器により、Nと100N、好ましくはNと10Nの間の数であるn1個の部分体積に分割し、続いてこれらの体積部分を、必要な場合には栄養基質及び/又はエフェクターを添加して、n1以上の数であるn2個の分離した微小エリア又は微小キャビティへの接種に用い、続いてこれらの微小培養物をインキュベートし、必要な場合には生育中に更に栄養基質及び/又はエフェクター及び/又は代謝産物を添加して、適切な方法で生理学的パラメータ及び単一の微小培養物における生育を測定することを特徴とする方法である。【0027】本発明において微生物とは、原核細胞と真核細胞を包含し、且つ細胞は個別化して存在しても、集団/凝集体を形成していても、組織断片として存在しいてもよい。原核細胞には細菌類や藍藻類、真核細胞には酵母菌類や、茸類、動物細胞、植物細胞が属する。【0028】値N/vは例えば細菌カウンター又は血球カウンター等を用いた、自体公知の方法により求められる。本発明において値n1は104〜108の範囲である。【0029】個別分離によって得られる部分体積は0.1nL〜1μLの範囲にあり、それらを収容する微小キャビティ又は微小培養の体積は0.1nL〜10μLの範囲にある。【0030】微生物細胞の構成に必須な全元素(C、O、H、N、S、P、K、Na、Ca、Mg、及びFe)及びいわゆる微量元素は、栄養基質として細胞内で利用可能な形態で供給する。【0031】更に本発明によれば、微生物培養物に、生育促進剤又は生育阻害剤、酵素阻害剤又は酵素活性化剤、抗生物質、サイトカイン、酵素、ビタミン、アミノ酸、代謝拮抗剤、微生物代謝産物等の微生物生育に対するエフェクターを添加する。【0032】微生物生育に対するこれらエフェクターを意図的に添加することにより、望ましくない微生物の生育を抑止し、望ましい微生物の生育を促進することや、微小培養物中の特定の物質の産生や代謝機能を誘導することができる。【0033】微生物生育に対するエフェクターには、生育を促進するものと阻害するものとがある。純粋培養物の種類や濃度に応じた抗生物質を添加すれば、非耐性微生物の生育が阻害される。微小培養の細菌類の生育を上回って生育する、本発明の目的からみて非常に不都合な真菌類の生育は、抗真菌性の抗生物質の添加により阻害することができる。したがって細菌を培養しようとするときは、真菌類の生育による妨害を避けるため、抗真菌性を有する物質を添加する。【0034】代謝拮抗剤を添加すると、代謝経路の阻害によって生育が抑止される。別な種類の培養においては、生育可能な対象微生物のみに作用してそれらの生育を阻害する1種以上の抗生物質(例えばペニシリン誘導体)を高濃度で添加し、後に遠心分離して抗生物質を上清と共に除去する。【0035】生育促進作用を有する代謝産物は、純物質として、或いは原核細胞培養濾液及び/又は真核細胞培養濾液として、及び/又はその濃縮物として、及び/又は原核細胞培養濾液及び/又は真核細胞培養抽出液として添加する。これにより例えば培養困難な微生物の生育を刺激することができる。【0036】本発明による微小培養は技術的には微小キャビティ中で実施される。本発明に適した方法は、固形物除去、個別分離、分注、接種、栄養物質供給(酸素、微生物代謝産物、微生物生育に対するエフェクターの供給を含む)、選択的な生育条件の実現、生育及び産生物の測定である。個別分離の工程はミクロ培養の工程と密接に関連している。微生物の生育に対する公知の条件、例えば生理的に適切な温度や酸性度などは公知の方法によって維持される。装置の無菌性は121℃での蒸気加熱、150℃より高温へのドライ加熱、化学滅菌、放射線滅菌等の公知の方法により行うことができる。【発明を実施するための最良の形態】【0037】以下に本発明による操作方法の詳細を説明する。一例において、土壌サンプルに緩衝液又は水を加え、遠心分離により固形物を沈澱させて除去し、更に沈澱を遠心分離して微生物をペレット状で取得する。必要な全栄養基質と、必要に応じた微生物の生育に対するエフェクターとを含有する媒体にこのペレットを懸濁させる。【0038】生育速度の速い、望ましくない微生物を死滅させるため、その生育する微生物にのみ作用する抗生物質(例えばペニシリン)を添加する。例えば4時間インキュベートした後、培養物を遠心分離して上清中の抗生物質を除去する。【0039】本発明によれば、個別分離によって得られた部分体積を用い、微小キャビティを完全に或いは部分的に満たして微小培養を行う。本発明の方法は、微小実験技術を利用することにより、微生物学的において問題となっている、特に多数の個体を取り扱うのに適した新規な方法である。【0040】本発明に用いる微小キャビティは通常二次元的に配列され、各々0.1nL〜10μLの範囲の容積を有する。【0041】懸濁液中に存在する微生物の個別分離又は微生物の個別分離は、容積0.1nL〜1μLに相当する微小毛管の形状をなす微小キャビティ又はアレイ状に配列した微小毛管群である微小キャビティを満たすことにより行うことができる。【0042】この方法では個別分離した微生物の培養は、微小毛管内の体積0.1nL〜1μLの互いに分離された微小培養として行われる。【0043】微生物の個別分離には特に、熱的に制御される微小流体スイッチや、微小流体スイッチとマイクロインジェクターとの組み合わせ、空気圧駆動の流体スイッチが用いられる。【0044】更に、電気的原理によるスイッチ、具体的には静電的や、電磁的、誘電泳動的スイッチを用いることもできる。【0045】ガスの噴射や水に不溶な分離用液体を用いて周期的に体積流量を変化させることにより、セグメントあたり2個以上の細胞を含む確率が<5%であるような液体セグメントを得ることができる。1本の毛管はそのような液体セグメント多数を含み、各々細胞を含むセグメントが区切りにより互いに分離されている。毛管内の圧力を脈動的に変動させることにより混合や毛管の開放端からの酸素移動を改善することができる。【0046】本発明は多数の毛管を用いて実施することもでき、その場合は各毛管が1個の微小キャビティに相当する。培養液の充填や接種プロセスは、積極的な供給によっても、毛管力による吸引によっても行うことができる。毛管の一端の圧力を脈動的に変動させることにより、培養液を毛管内で往復移動させることができ、これによって混合や毛管の開放端からの酸素移動を改善することができる。【0047】本発明における直列の試料の分離による流体システムの利用によって、一次元的な微小培養の変種を作り出すことができる。このためには流動注入分析(Fliessinjektionsanalyse)において知られている装置やシステムを利用して、微生物を培養することができる。装置を平行多重化して微小培養の数を増やすことも可能である。【0048】チップ上に微小毛管を設けて、保存及び培養のための空間として利用することができる。面積約2cm2を越えるチップ上には長さ約1mの毛管を収納できる。毛管内では閉塞用の液体(Sperrfluessigkeit)により微小培養を相互に分離する。長さ1mの毛管には体積約0.1nLの試料約5000個を培養でき、このようなチップを200個用いれば約100万個の微小培養を実施できる。これだけのチップの総容積は100mLに満たない。各培養の体積を10倍(約1nL)としても、チップの総容積は1Lである。【0049】全体積が1Lを超える試料の一次元的培養には、安価なチューブ材料を支持体として用い、少量の液体で区切られたセグメントに試料を保持することができる。【0050】本発明により微生物を含む懸濁液又は培養物を等体積に個別分離した場合、各部分体積に平均1個の微生物体が含まれることが利点である。個別分離された微生物はそれぞれ固有の生育挙動によって、極めて速く生育するものも長い誘導期間の後に生育するものもあるが、後者にあっても生育の速い微生物に覆い隠されることがない。【0051】ある特定な場合、特にn1=Nの場合には、各部分体積に含まれる微生物体の数は1個か、2個以上か、ゼロとなり得るが、空の部分体積は生育が見られないことで識別できる。【0052】システム制御のため、微生物の個別分離とその微小キャビティ又は微小エリアへの充填の際のそれぞれの座標の割付けを固定記憶媒体に登録しておけば、各時点での一義的な座標の割付けが可能になる。【0053】微生物の個別分離には、各々の体積が0.1nLと1μLとの間にあるような液滴を生ずる分注システムを用い、1滴ずつ微小エリア又は微小キャビティに滴下する。【0054】このとき体積パルス最適化の操作を施すことにより、飛沫が生じないように滴下を行う。【0055】別の実施態様においては、入口に粒子カウンター又は細胞カウンターを有し、0.1nL〜1μLの液滴を生ずる分注器を用いて微生物を個別分離し、一目的位置への充填が許容最大容積に達したとき、又は1個の細胞を含む液滴が滴下されたときに充填を停止する。【0056】或いは、微生物の個別分離に圧電的に制御される分注器を用い、滴下頻度と液滴の大きさを分注器の送り運動や細胞濃度、内部容積、試料充填位置の周波数に適合させることにより、各充填位置において2個以上の細胞が吐出される確率を<5%とすることができる。【0057】更に他の微生物の個別分離方法として、空気圧又は電気−空気圧方式により制御される分注器を用い、滴下頻度と液滴の大きさを分注器の送り運動や細胞濃度、内部容積、試料充填位置の周波数に適合させることにより、各充填位置において2個以上の細胞が吐出される確率を<5%とすることができる。【0058】本発明の更に別の実施態様においては、微生物の区分培養に1個の容積が0.01〜500nLの範囲にあるキャビティを有するナノタイタープレート[11]を使用する。【0059】個別分離の後の微小培養物は、1.8mm以下の間隔で列状に配列された微小キャビティ内で培養する。【0060】この目的には、円錐形、円筒形、円錐台、三角錐、角錐、二重角錐又は多重角錐の形状を有する微小キャビティを有するナノタイタープレートが特に好適である。【0061】個別分離後の微小培養物は、ナノタイタープレートのチャンバー内で培養する。【0062】微小培養へのガス及び栄養物質の供給はマイクロポア膜を用いて行うことができる。細胞を保持する目的から、マイクロポア膜としては孔径0.1μm〜4μm、厚さ0.2μm〜10μmのものが望ましい。【0063】この目的のためには、供給側を微小流路システムで覆ったマイクロポア膜又はナノポア膜を通じて微小培養への栄養供給を行うことができる。【0064】更に他の実施態様においては、ナノタイタープレートの微小キャビティすべてに共通な物質供給はマイクロポア膜又はナノポア膜を通じて行い、微生物生育に対するエフェクターの供給は個別に微小キャビティ上部から行うこともできる。【0065】同様に微小培養物への物質供給を、1以上の微小流路を備えたマイクロポア膜を通じて行うこともできる。この場合微小流路は(マイクロ)インジェクター装置と結合され、エフェクターや栄養基質の効果を灌流流路を通じて順次注入することにより確認できる。【0066】供給に用いる、マイクロポア膜に担持される微小流路は、シリコンに対して一連の等方性エッチング及び1回の異方性エッチングを行うことにより作製することができる。【0067】操作を容易にするためや、充填の際の液の混合を避けるために、微小チャンバー間に撥水性表面層を有するブリッジを設けることもできる。【0068】特定の性質を有する微生物を選択し得るためには、生理的パラメータや培養パラメータを分析的に把握できることが必須である。本発明においては次に述べる方法及び構造的特徴の全面的又は部分的な使用を想定している。【0069】生理的パラメータの解析及び培養における生育の測定には、電気インピーダンススペクトロスコピー(EIS)が好ましい方法である。【0070】培養パラメータであるpH、pO2、pCO2の変動は、懸濁液中に存在する微生物の拡散的流入の前後に分光学的方法による測定を行って知ることができる。【0071】或いは、微小培養の生育をミクロ濁度の測定や光度測定によって追跡することも可能である。【0072】微小培養の生育の測定には、少なくとも2つの互いに平行な、且つそれ自体が平行平面である透明側壁を有するチップチャンバーを用いる。【0073】この互いに平行な側壁には部分的に高反射率の薄膜を被覆し、この微小構造ウィンドウにおいて光のカップリング(Einkoppeln)やデカップリング(Auskoppeln)を行うようにしてもよい。【0074】微小培養の生育の追跡には、細胞を含む液体の粘度の増大による、微小体積の液体が移動する際の流動抵抗の増加を利用することもできる。【0075】あるいは細胞を含む液体を、細胞に部分的に吸収されるレーザ光によって加熱する際の、吸収されない光の屈折の増大、焦点の移動などによって微生物培養物の生育を追跡することもできる。【0076】測定光の照射位置の検出には2列に配置した受光器群を用い、これによって培養物の局所的領域の個々の測定位置における光度の非対象性の差を測定量として利用する。【実施例】【0077】1Lあたり酵母抽出物2g、麦芽抽出物20g、グルコース10gを含む培地に酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)を接種し、静置培養として30℃で18時間インキュベートした後、培養物内に存在する酵母菌細胞の数を顕微鏡式カウンターを使用して計数する。続いて懸濁液を、塗布したときに1cm2あたりの細胞数が約25個となるように希釈し、10cmペトリ皿内の寒天培地(1Lあたり酵母抽出物2g、麦芽抽出物20g、寒天15g、pH6.2)に塗布し、ペトリ皿を30℃で3時間インキュベートする。【0078】区分クローニングのため、ナノタイタープレートのキャビティに液体寒天培地(酵母抽出物2g、麦芽抽出物20g、寒天6g、pH6.2)を満たし、形状の一致するシリコーン製スタンプ(Silikonstempel)で覆う。寒天が固化した後シリコーン製スタンプを除去し、予め予備培養した寒天プレートからのスタンプにより細胞を移行させた第2のシリコーン製スタンプに交換する。スタンプに先立ち、予備培養した寒天プレートは37℃で20分間乾燥し、スタンプは37℃に温度調節しておく。接種済みのシリコーン製スタンプはクランプ装置によりナノタイタープレートに押し当て、ナノタイタープレートのブリッジが密閉されるようにする。このように接種したナノタイタープレートを30℃でインキュベートし、光学顕微鏡を用いた濁度測定によりキャビティ内の微生物生育を追跡する。滅菌した接種針でナノタイタープレート底部の膜を破り、引き続き培養し試験するためにクローンを採取する。【0079】培養には底部を金属強化膜としたシリコン製ナノタイタープレートを用いる。1mmのスクリーンの場合、チャンバーの開口部寸法は800×800μmである。底部の寸法は約150×150μm、チャンバーの全容積は約150nLである(製造元:インスティチュートフュアフィジカリーシェホーホテヒノロギー・エー・ファウ・イエーナ(Institut fuer Physikalische Hochtechnologie e.V., Jena)、アプト・ビオテヒニーシェ・ミクロシステーメ(Abt. Biotechnische Mikrosysteme)、ヴィンツェラーシュトラーセ10、07745イェーナ、http://www.ipht−jena.de)。シリコーン製スタンプはナノタイタープレートを型とし、エッチング深さを100μmに減少させた以外は同一寸法で作製されたものである。型材としては市販の架橋シリコーン樹脂(例えばシルガルド(Sylgard)製)を使用する。【0080】参照文献【特許文献1】[1]チャン、イー・シー・エス(Chan, E.C.S.)、ペルツァール、エム・ジェイ(Pelczar, M.J.)、クリーク、エヌ・アール(Krieg, N.R.)(1993)、「純粋培養の利用−微生物研究の基礎条件」[「微生物学の実験室演習」、チャン、イー・シー・エス(Chan, E.C.S.)、ペルツァール、エム・ジェイ(Pelczar, M.J.)、クリーク、エヌ(Krieg, N.)編、マクローヒル、ニューヨーク、123〜152]【特許文献2】[2]ゴットシャール、ジェイ・シー(Gottschal, J.C.)、ハーダー、ダブリュ(Harder, W.)、プリンス、アール・エイ(Prins, R.A.)(1992)[「原核生物」、バローズ、エイ(Balows A.)、トリュパー、エイチ・ジー(Trueper, H.G.)ドォーキン、エム(Dworkin, M.)、ハーダー、ダブリュ(Harder, W.)、シュライファー、ケイ・エイチ(Schleifer, K.-H.)編、シュプリンガー、ニューヨーク、149〜196]【特許文献3】[3]ヒューバー、アール(Huber, R.)(1999)、「単一培養の基本としてのレーザピペット」、ビオシュペクトルム(Biospektrum)4、289〜291【特許文献4】[4]クロイ、ダブリュ(Kroy, W.)、ザイデル、エイチ(Seidel, H.)、デッテ、イー(Dette, E.)、ダイメル、ピー(Deimel, P.)、ビンダー、エフ(Binder, F.)、ヒルペルト、アール(Hilpert, R.)、ケーニガー、エム(Koeniger, M.)(1990)、ドイツ特許第3,915,920号【特許文献5】[5]ショーバー、エイ(Schober, A.)、シュリングロフ、ジー(Schlingloff, G)、タム、エイ(Thamm, A.)、フェッター、ディー(Vetter, D.)、トマンドル、ディー(Thomandl, D.)、ゲビノーガ、エム(Gebinoga, M.)、キール、エイチ・ジェイ(Kiel, H.J.)、シェフラー、シー(Scheffler, C.)、デーリング、エム(Doehring, M.)、ケーラー、ジェイ・エム(Koehler, J.M.)、マイヤー、ジー(Mayer, G.)(1996)、「マイクロシステムのシステムインテグレーション/生物学、生化学及び化学における高スル−プット合成・スクリ−ニングのためのミニチュア化オートマットのチップエレメント」、マイクロシステムテクノロジーズ(ポツダム、1996年10月)、Proc.S.705、発表【特許文献6】[6]ショーバー、エイ(Schober, A.)、ギュンター、アール(Guenther, R.)、シュビーンホルスト、エイ(Schwienhorst, A.)、デーリング、エム(Doehring, M.)、リンデマン、ビー・エフ(Lindemann, B.F.)(1993)、バイオテクニクス15、324【特許文献7】[7]ウィーバー、ジェイ・シー(Weaver, J.C.)(1981)、米国特許第4,401,755号【特許文献8】[8]ウィリアムス、ジー・ビー(Williams, G.B.)、ウィーバー、ジェイ・シー(Weaver, J.C.)、ドゥマン、エイ・エル(Demain, A.L.)(1990)、「微小ゲル液滴及びクーロメトリー又はフルオレセンスインジケーターシステムを用いる微生物の迅速な検出・計数」、ジャーナル・オブ・クリニカル・ミクロバイオロジー28、1002〜1008【特許文献9】[9]マノメ、エイ(Manome, A.)、ツァン、エイチ(Zhang, H.)、タニ、ワイ(Tani, Y.)、カツラギ、ティー(Katsuragi, T.)、クラネ、アール(Kurane, R.)、ツチダ、ティー(Tsuchida, T.)(2001)、「微小ゲル液滴及びフローサイトメトリー技法の非生育細胞の選択的富化への応用」、FEMSマイクロバイオロジー・レターズ197、29〜33【特許文献10】[10]オームラ、エス(Omura, S.)(1986)、「新薬発見の哲学」、マイクロバイオロジー・レビューズ50、259〜279【特許文献11】[11]マイヤー、ジー(Mayer, G.)、ヴォールファルト、ケイ(Wohlfart, K.)、ショーバー、エイ(Schober, A.)、ケーラー、ジェイ・エム(Koehler, J.M.)(1999)、「合成・スクリ−ニングのためのナノタイタープレート」[「マイクロシステムテクノロジー:生体分子研究の強力なツール」、ケーラー、ジェイ・エム(Koehler, J.M.)、メイェバイア、ティー(Mejevaia, T.)、サルース、エイチ・ピー(Saluz, H.P.)編、p.75〜128、ビルクホイザー・バーゼル] 粗大な固形介在物を除いた、組成が均一又は不均一の微生物集団の懸濁液又は培養物に栄養基質及び/又はエフェクター及び/又は微生物代謝産物を添加し、続いてN個の微生物個体を含む体積vの微生物懸濁液を分注器により、Nと100N、好ましくはNと10Nの間の数であるn1個の部分体積に分割し、続いてこれらの部分体積を、必要な場合には栄養基質及び/又はエフェクターを添加して、n1以上の数であるn2個の分離した微小エリア又は微小キャビティへの接種に用い、続いてこれらの微小培養物をインキュベートし、必要な場合には生育中に更に栄養基質及び/又はエフェクター及び/又は代謝産物を添加して、適切な方法で生理学的パラメータ及び各微小培養の生育を測定することを特徴とする、微生物の並行培養方法。 微生物が原核細胞及び真核細胞として定義されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記部分体積が等体積であり、前記数n1が104と108の間にあることを特徴とする、請求項1及び2に記載の方法。 個別分離の際に生ずる部分体積が0.1nL〜1μLの体積範囲にあり、該部分体積を収容する微小キャビティの容積及び得られる微小培養物の体積が1nL〜10μLの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。 微小培養物に、生育促進作用を有する代謝産物を含む、原核細胞培養物及び/又は真核細胞培養物の濾液、及び/又はその濃縮物、及び/又は原核細胞培養物及び/又は真核細胞培養物の抽出物を添加することを特徴とする、請求項1〜4に記載の方法。 生育促進剤又は生育阻害剤、酵素阻害剤又は酵素活性化剤、活性物質、抗生物質、サイトカイン、ビタミン、アミノ酸、酵素、代謝阻害剤等のエフェクターを微小培養に添加することを特徴とする、請求項1〜5に記載の方法。 懸濁液中に存在する微生物の個別分離又は微生物の個別分離を、微小毛管の形状の微小キャビティ又はアレイ状に配列した微小毛管群である微小キャビティを満たすことにより、微小培養物の部分体積を0.1nL〜1μLとして実現することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 個別分離された微生物の培養を、体積が0.1nL〜1μLの範囲にある相互に分離された微小培養物として微小毛管中で行うことを特徴とする、請求項7に記載の方法。 微生物の個別分離のために、熱的に制御される微小流体スイッチを用いることを特徴とする、請求項7に記載の方法。 微生物の個別分離のために、微小流体スイッチとマイクロインジェクターとの組み合わせ、又は空気圧駆動の流体スイッチを用いることを特徴とする、請求項7及び8に記載の方法。 微生物の個別分離のために、静電的、電磁的、又は誘電泳動的スイッチである、電気的原理によるスイッチを用いることを特徴とする、請求項7及び8に記載の方法。 閉じられた微小毛管系内において、ガス噴射により、或いは水に不溶な分離用液体を用いることにより周期的に体積流量を変化させることにより、2個以上の細胞を含む確率が<5%であるような液体セグメントを生成させることを特徴とする、請求項7及び8に記載の方法。 混合あるいは毛管の開放端からの酸素移動を、毛管内の圧力を脈動的に変動させることにより改善することを特徴とする、請求項7及び8に記載の方法。 個別分離の後の微小培養物を、1.8mm以下の間隔でアレイ状に配列された微小キャビティ内で培養することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 前記微小キャビティが円錐形、円筒形、円錐台、三角錐、角錐、二重角錐又は多重角錐の形状を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。 個別分離の後の微小培養物をナノタイタープレートのチャンバー内で培養することを特徴とする、請求項14に記載の方法。 微小培養物への栄養物質の供給をマイクロポア膜を通じて行い、該マイクロポア膜は細胞を保持するために好ましくは孔径0.1μm〜4μmを有し、厚さ0.2μm〜10μmを有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。 微小培養物への栄養物質の供給を、供給側を微小流路システムで覆ったマイクロポア膜又はナノポア膜を通じて行うことを特徴とする、請求項14に記載の方法。 ナノタイタープレートの微小キャビティすべてに共通な物質供給をマイクロポア膜又はナノポア膜を通じて行い、微生物生育に対するエフェクターを個別に微小キャビティ上部から供給することを特徴とする、請求項14に記載の方法。 微小培養への物質供給を、(マイクロ)インジェクター装置と結合された1以上の微小流路を用いてマイクロポア膜を通じて行い、灌流流路を通じて順次注入することによりエフェクターや栄養基質の効果を確認できるようすることを特徴とする、請求項14に記載の方法。 供給に用いる微小流路がマイクロポア膜に担持され、シリコンに一連の等方性エッチング及び1回の異方性エッチングを行うことにより作製されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。 微小チャンバー間に撥水性表面層を有するブリッジを設けることを特徴とする、請求項14に記載の方法。 各微小培養における生理的パラメータの解析及び生育の測定に、電気インピーダンススペクトロスコピー(EIS)法を用いることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 培養パラメータであるpH、pO2、pCO2の変動を、懸濁液中に存在する微生物の拡散的流入の前後に分光学的方法による測定を行って検出することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 微小培養物の生育をミクロ濁度の測定又は光度測定によって追跡することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 微小培養物の生育の測定に、少なくとも2個の互いに平行な、かつそれ自体が平行平面である透明側壁を有するチップチャンバーを用いることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 前記平行側壁に部分的に高反射率の薄膜を被覆し、この微小構造ウィンドウにおいて光のカップリング(Einkoppeln)やデカップリング(Auskoppeln)を行うことを特徴とする、請求項26に記載の方法。 細胞を含む液体の粘度の増大による、微小体積の液体が移動する際の流動抵抗の増加を利用して、微小培養物の生育を追跡することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 細胞を含む液体を、細胞に部分的に吸収されるレーザ光によって加熱する際の、吸収されない光の屈折の増大又は焦点の移動によって微小培養物の生育を追跡することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 測定光の照射位置の検出に2列に配置した受光器群を用い、これによって培養物の局所的領域の個々の測定位置における光度の非対象性の差を測定量として利用することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 システム制御のため、微生物の個別分離とその微小キャビティ又は微小エリアへの充填の際のそれぞれの座標の割付けを固定記憶媒体に登録し、各時点での一義的な座標の割付けを可能とすることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 微生物の個別分離に、各々の体積が0.1nLと1μLとの間にあるような液滴を生じ、1滴ずつを微小エリア又は微小キャビティに滴下する分注システムを用いることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 体積パルス最適化の操作を施すことにより、飛沫が生じないように前記液滴を滴下することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 入口に粒子カウンター又は細胞カウンターを有し、0.1nL〜1μLの液滴を生ずる分注器を用いて微生物を個別分離し、一目的位置への充填が許容最大容積に達したとき、又は1個の細胞を含む液滴が滴下されたときに充填を停止することを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 微生物の個別分離に圧電的に制御される分注器を用い、滴下頻度と液滴の大きさを分注器の送り運動、細胞濃度、内部容積及び試料充填位置の周波数に適合させることにより、各充填位置において2個以上の細胞が吐出される確率を<5%とすることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 微生物の個別分離に空気圧又は電気−空気圧方式により制御される分注器を用い、滴下頻度と液滴の大きさを分注器の送り運動、細胞濃度、内部容積及び試料充填位置の周波数に適合させることにより、各充填位置において2個以上の細胞が吐出される確率を<5%とすることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。 【課題】【解決手段】本発明は懸濁液又は培養物からの微生物の個別分離、個別分離した細胞の並行培養、及びそれらの代謝能力の解析方法に関する。本発明によれば、培地の最適化や、新規天然物及び特定の代謝能力の画像によるスクリーニング、栄養物質、エフェクター及び活性物質の効果の定量的又は定性的検出(培地の最適化や、突然変異により特定の性質を有する微生物クローンの大集団からの選択を含む)、形質転換、トランスフェクション、遺伝学的処理、微生物汚染の検出等の微生物学的基本操作を行うことができる。本発明は、際立った特性を有する微生物を個別細胞又は個別微生物体として大集団から取得するため、純粋培養物として特徴付けの必要がある場合や、多数の類似する培養物に対する変数の影響を研究する場合に適用できる利点を有する。